Portfolio 2020-2023

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directed by Mikio Oiwa

大岩 樹生 mikio oiwa

卒業設計

「都市の再生速度 -現代的鑑賞から考える 東京駅の劇場-」

Profile 2000 神奈川県茅ヶ崎市生まれ

2013- 平塚中等教育学校

2019- 法政大学デザイン工学部建築学科

2022- 同大学山道拓人研究室

2023- 東京藝術大学美術研究科建築専攻 青木淳研究室

Award

せんだいデザインリーグ2023日本二

デザインレビュー福岡2023 優秀賞

法政大学卒業設計学内講評会 最優秀賞

建築新人戦2021 100選 32位

建築学縁祭 Rookie選 2021 優秀賞

卒業論文 「劇場にまつわる空間の越境性」

学部3年課題 「待つ壁 -下北沢駅前元小田急線沿いセルフビルド を誘う未完の集合住宅-」

家具制作実施 「mame」

共同制作 森谷光緒

phenomenon

を 生 み 続 ける 劇場 への 興味 虚構とはあるかもしれない現実の一つ

私は、「 建築によって生まれる新しい現象 」 について興味を持って考え続けている。こ

こで言う現象とは、「建築に訪れた人間が何 を知覚するのか」という、図面や形そのも のには現れない、設計の先にある部分であ る。

ある時から、劇場という場について考え始

めるようになった。演劇を鑑賞し、非日常 を体験した人々は、その中に自らの視点や

環境を適合させ、日常に持ち帰っている。「非 日常的な演劇」と「日常的に生きている現実」 が劇場という空間を通して繋がっていると いう点で、 演劇は現実と地続きの世界 だと 考えられる。また、演劇の演目がある期間 で入れ替わるたびに、舞台装置は作り変え られ、役者は新しい役を自らに入れ込む。 舞台装置や役者は演目を受け入れる柔軟な 容れ物であると言える。そしてそれらと観 客である私たちを取りまとめる総体が劇場 という場だと考えた時、軽やかに演目が移 り変りながら私たちが何かを知覚し続ける

場としての 劇場は、「現象の集積地」 である と考えている。建築の固定性に比べ、劇場 が軽やかに現象を起こし続ける自由さに興 味を持った。

卒業設計「都市の再生速度」 では、東京駅 の線路とホテルの覆い隠された 間を舞台 に、 演劇を鑑賞する視点場を多視点・多速 度的に設計した。 駅空間全体のダイナミズ

ムが戯曲的に、人々の振るまいが演技的に 見える関係性を持ち、 日々の風景全てに鑑 賞の目を向けてしまうような現象 を引き起 こすことを目指した。

卒業論文「演劇にまつわる空間の越境性」

では、コンバージョンされた劇場における

上演前・上演中・上演後の空間的越境を観察・ 記録している。舞台と客席の図式が変化し

ながら日常に染み出す瞬間に、 プログラム が分節化した現代都市にある空間を捉え直

す新たな視座 を得た。

現象

卒業設計 「都市 の 再生速度 ~現代的鑑賞 から 考 える 東京駅 の 劇場~ 」

せんだいデザインリーグ2023 日本二 デザインレビュー福岡2023 優秀賞 法政大学卒業設計学内講評会/有志展 最優秀賞 IEAGD 建築系畢業設計國際展覽2023出展

VIDEO

動きを伴う空間体験をテーマにしているため、動画をぜひご覧ください。

※YouTubeのリンクにアクセスします。

-劇場の身体化-

「鑑賞」とは、何かを見て、その物につい て思い巡らせ、時には自らの考え方を見つ め直すきっかけになるような物ではないか。 劇場も美術館も、旧来鑑賞空間というもの は 空間を大勢で共有するものであり、作品 に対して全員の鑑賞者が一律な経験をする ように建築は設計されてきた。

現代、サブスクの映像サービスによって鑑 賞体験は人によって大きく変わった。指で 操作するだけで、 倍速再生や10 秒飛ばしな ど、自分の見たい作品を見たいように動か せるようになった。 空間として用意されて いた鑑賞空間は、個人の身体へと還元され ていく。能動的に鑑賞対象の中で動いてい るように見えて、実際はそこに思考は内在 せず、自らの動物的快楽の欲求に身を任せ ている点で、本質は鑑賞ではなく受動的な コンテンツ消費にすぎない場合が多い。

提案:駅の速度で鑑賞する劇場

都市にも多様な速度が流れている。 都市の 利便性に身を任せ高速で移動する身体には、 一見能動的にさまざまな速度を選んでいる ように見えて、忙しない日々のスケジュー ルに動かされた受動的移動とも言える。速 度が多様化していく鑑賞空間と都市は止め ることができない。であるならば、その多 様な速度であるからこそ現れてくる「鑑賞」 を考えたい。 多様な速度の鑑賞の身体が出 会いながら、日常と入り混じることで、眼 前の出来事へ思い巡らす。現代的な鑑賞と 都市の速度の対応から考える、鑑賞空間の 提案をする。 2時間の演劇も、電車から見 ればサムネイルのようになり、エスカレー ターから見れば予告編のように細分化され る。

まず、都市のさまざまな速度を包含してい る場所として、駅に注目する。

敷地は東京駅中央線ホームの下のボイド空 間である。中央線の1,2番線ホーム増築時の 際、敷地の面積不足のために、駅のホーム を縦につなげたことからできた空間である。

都内に多くある駅の中でも、ホテルを包含 した歴史的建造物が隣り合いながら、エス カレーター、エレベーターの乗り換え空間、 線路、ホームが平行線状に奥行きを持った 特異的な場所を見つけた。 多様な速度が入 り混じる空間でありながらも、そのどれも が覆い隠されているという現状にある。 こ こにコンバージョンを施し、新たな鑑賞空 間を考えたい。

番線 中央線

現代的 な 鑑賞 の 速度 と 都市 の 速度 をかけ 合 わせた 劇場 を 作 る 背景:倍速再生される鑑賞
1,2 番線ホーム エスカレーター コンコース階 3,4 番線ホーム 高架 ステーションホテル LOW WEST
敷地:東京駅中央線ホーム下/並行し断絶された速度空間
1,2
3,4 番線 5,6 番線 東京駅
コンコース SITE 引用 上写真 日経新聞 東京ふしぎ探検隊(2014/2/14) 右写真 東京ステーションホテル公式サイト 引用 東日本旅客鉄道編「北陸新幹線工事誌
ステーションホテル
東京乗り入れ工事」

ホームに2階を作り、普段見えない景色をみる

ホ ムに2階を作り、普段見えない景色をみる

ホームに2階を作り、普段見えない景色をみる

ホ ムに2階を作り、普段見えない景色をみる

層 とアーチで 操作 する 視点場 全体:舞台と客席が反転を繰り返す層状空間

全体計画 / 日常の向こうに演劇 / 演劇の向こうに日常

全体計画 / 日常の向こうに演劇 / 演劇の向こうに日常

全体計画 / 日常の向こうに演劇 / 演劇の向こうに日常

①敷地全体の速度の層を、駅舎の煉瓦を模           した 鉄板の壁で仕切る。

②それぞれの速度空間が視点場となるよう に アーチを開けていく。

③層状の空間構成は、演劇と日常の近景遠 景の関係を反転させ、入り混じらせる。

部分:速度に対応するアーチ

!敷地全体の速度の層を、駅舎の 煉瓦を模した鉄板の壁で仕切る。

!敷地全体の速度の層を、駅舎の 煉瓦を模した鉄板の壁で仕切る。

"それぞれの速度空間が視点場と なるようにアーチを開けていく。

!敷地全体の速度の層を、駅舎の 煉瓦を模した鉄板の壁で仕切る。 "それぞれの速度空間が視点場と なるようにアーチを開けていく。

"それぞれの速度空間が視点場と なるようにアーチを開けていく。

# 層状の空間構成は、演劇と日常 の近景遠景の関係を反転させ、入 り混じらせる

# 層状の空間構成は、演劇と日常 の近景遠景の関係を反転させ、入 り混じらせる

# 層状の空間構成は、演劇と日常 の近景遠景の関係を反転させ、入 り混じらせる

速度に対する設計 抜けとスケールの転写で速度感覚を演出する

電車

電車

速い速度でも視認性の ある大きく見通しのい  いアーチ

ホテル

速度に対する設計 抜けとスケールの転写で速度感覚を演出する

速い速度でも視認性の ある大きく見通しのい  いアーチ

ホテル

個室の窓の大きさ を転写する。

個室の窓の大きさ を転写する。

地下・地上

地下・地上

躯体や躯体をすり抜 けるアーチが体験を 波及。

躯体や躯体をすり抜 けるアーチが体験を 波及。

# ホームからの視点

速度に対する設計 抜けとスケールの転写で速度感覚を演出する

エスカレータ

エスカレータ

交差する部分に アーチ

交差する部分に アーチ

歩行空間

歩行空間

斜めにアーチを 開ける。

斜めにアーチを 開ける。

地下・地上 躯体や躯体をすり抜 けるアーチが体験を 波及。

視線の抜け

ホーム

ホーム

ホームと同じ高さのス ラブを劇場空間に 設ける。

ホームと同じ高さのス ラブを劇場空間に 設ける。

!" # ホームからの視点 エスカレーターからの視点

エスカレーターの交点を 基点に突き抜けるアーチ

エスカレータ の交点を 基点に突き抜けるア チ

ホテルからの視点

ホームに2階を作り、普段見えない景色をみる

ホ ムに2階を作り、普段見えない景色をみる

ホテルからの視点 遠くのホームからの視点

ホームの対岸に同じレベルのスラブを転写

エスカレーターからの視点

平面図
10000(mm)
1/400
客室 客室 客室 客室 客室 客室 客室 客室 客室 客室 EV EV
小劇場 小劇場 昇降機 大ステージ +3000 +3000 +3000 +1500 +110 +3000 +3000 +3000 +1100 +1100 +1100 ホームに2階を作り、普段見えない景色をみる 電車 速い速度でも視認性の ある大きく見通しのい  いアーチ ホテル 個室の窓の大きさ を転写する。
HOTEL CORRIDOR HOTEL ROOM SITE ESCALATOR ELEVATOR TRAIN STATION PLATFORM VIEWER THEATER VIEWER VIEWER VIEWER VIEWER VIEWE VIEWER
3、4番線ホーム
!"
ホ ムに2階を作り、普段見えない景色をみる +3000 +3000
舞台と客席の関係性が反転を繰り返す 、 多視点的劇場 のあり方
HOTEL CORRIDOR HOTEL ROOM SITE ESCALATOR ELEVATOR TRAIN STATION PLATFORM VIEWER THEATER VIEWER VIEWER VIEWER VIEWER VIEWER VIEWER
HOTEL CORRIDOR HOTEL ROOM SITE ESCALATOR ELEVATOR TRAIN STATION PLATFORM VIEWER THEATER VIEWER VIEWER VIEWER VIEWER VIEWER VIEWER
!" #
エスカレーターからの視点
ホテルからの視点
遠くのホームからの視点
舞台と客席の関係性が反転を繰り返す 、 多視点的劇場 のあり方
+3000 +3000
HOTEL CORRIDOR HOTEL ROOM SITE ESCALATOR ELEVATOR TRAIN STATION PLATFORM VIEWER THEATER VIEWER VIEWER VIEWER VIEWER VIEWER VIEWER
遠くのホームからの視点
舞台と客席の関係性が反転を繰り返す 、 多視点的劇場 のあり方

複雑 な 劇場性 を 検証 する 手法/二色 ドローイングと 動画

2 色アクソメドローイングと動画による検証

2 色アクソメドローイングと動画による検証

速度による動的な空間を捉えるための手立

てとして、1.劇場空間にて鑑賞者と演者の 2領域の変化をアクソメ図に記録していく

ドローイング  2. 動画 による空間知覚の検 証 を行い、敷地のみならず、実際にある

劇場空間の調査を行った。

また、調査のみならず、設計段階でも運用し、 設計を終えるたびに、鑑賞者と演者の間の 空間性を見直し、設計を修正するというプ ロセスを踏んでいる。

2 色アクソメドローイングと動画による検証

鑑賞者

演者

実際の 動画

設計の 動画

映像作品

QR コード

ご覧いただけます

映像作品 QR コード ご覧いただけます

映像作品 QR コード ご覧いただけます

ホテルの個室から

ホテルの個室から

ホテル内の小劇場 エスカレーター

ホテル内の小劇場 エスカレーター

ホテル内の小劇場

速度による動的な空間を捉えるための手立てとして、1. 劇場空間にて鑑賞者と演者の2領域の変化をアクソメ図に記録し ていくドローイング 2. 動画による空間知覚の検証 を行い、敷地のみならず、実際にある劇場空間の調査を行った。調 査のみならず、設計段階でも何度か運用し、鑑賞者と演者の間の関係性を見直している。

速度による動的な空間を捉えるための手立てとして、1. 劇場空間にて鑑賞者と演者の2領域の変化をアクソメ図に記録し ていくドローイング 2. 動画による空間知覚の検証 を行い、敷地のみならず、実際にある劇場空間の調査を行った。調 査のみならず、設計段階でも何度か運用し、鑑賞者と演者の間の関係性を見直している。

劇場空間にて鑑賞者と演者の2領域の変化をアクソメ図に記録し ていくドローイング 2.

速度による動的な空間を捉えるための手立てとして、1.

ホテルに泊まっている人が朝食に行くために廊下を歩いていると、出会 う劇場。吹き抜け空間をリノベーションした。その奥ではエスカレーター で乗り換えに急ぐ人の姿が見える。

ホテルに泊まっている人が朝食に行くために廊下を歩いていると、出会 う劇場。吹き抜け空間をリノベーションした。その奥ではエスカレーター で乗り換えに急ぐ人の姿が見える。

動画による空間知覚の検証 を行い、敷地のみならず、実際にある劇場空間の調査を行った。調 査のみならず、設計段階でも何度か運用し、鑑賞者と演者の間の関係性を見直している。

ホテルに泊まっている人が朝食に行くために廊下を歩いていると、出会 う劇場。吹き抜け空間をリノベーションした。その奥ではエスカレーター で乗り換えに急ぐ人の姿が見える。

エスカレーターを降っていると、ふとダンサーと目線があう。一心不乱な その姿に、急いでた足も、止まってしまう。

エスカレーターを降っていると、ふとダンサーと目線があう。一心不乱な その姿に、急いでた足も、止まってしまう。

エスカレーターを降っていると、ふとダン その姿に、急いでた足も、止まってしま

地下への体験の波及

地下への体験の波及

150m をこえるホームを全体に設計された劇場は街路形に使え、ホームや電車からファッションショーなどを目撃することができる。

150m をこえるホームを全体に設計された劇場は街路形に使え、ホームや電車からファッションショーなどを目撃することができる。

150m をこえるホームを全体に設計された劇場は街路形に使え、ホームや電車からファッションショーなどを目撃することができる。

コースへ落ちる壁柱は、劇場部分のアーチのもの。螺旋階段も劇場への入り口だ。エスカレーターの入り口を印象的に 空間に連続性を与える。

コースへ落ちる壁柱は、劇場部分のアーチのもの。螺旋階段も劇場への入り口だ。エスカレーターの入り口を印象的に 空間に連続性を与える。

躯体をすり抜け、地下コンコースへ落ちる壁柱は、劇場部分のアーチのもの。螺旋階段も劇場への入り口だ。エス 色付け、分離された二つの空間に連続性を与える。

中央線ホームへの波及

中央線ホームへの波及

地下への体験の波及 中央線ホームへの波及

中央線ホームで電車を待っていると、紅アーチに目がむく。その下では どうやらとんでもないパフォーマンスが行われているようだ。

中央線ホームで電車を待っていると、紅アーチに目がむく。その下では どうやらとんでもないパフォーマンスが行われているようだ。

中央線ホームで電車を待っていると、紅アーチに目がむく。その下では どうやらとんでもないパフォーマンスが行われているようだ。

チェックアウトのためにエレベーターを降っていると突然赤いアーチが出 現し、その奥には踊り狂う1人の男。向こうもこちらを眺めている。

チェックアウトのためにエレベーターを降っていると突然赤いアーチが出 現し、その奥には踊り狂う1人の男。向こうもこちらを眺めている。

チェックアウトのためにエレベーターを降 現し、その奥には踊り狂う1人の男。向こ

演者 実際の
設計の
鑑賞者
動画
動画
エレベーター
鑑賞者 演者 実際の 動画 設計の 動画
エレベーター
ホテルの個室から
演者
10000(mm ) 断面図 scale 1/20 0 ホテル 廊下 ホテル 廊下 小劇場 街路形劇場 3,4 番線ホーム 1,2 番線ホーム 1,2 番線ホーム 地下コンコース 5,6 番線ホーム ホテル 廊下 ホテル 廊下 街路形劇場 3,4 番線ホーム 地下コンコース 客室 客室 躯体の隙間を入っていく 螺旋階段 客室にアーチで隙間を 入れて、鑑賞空間とプ ライベートを区切る エスカレーターが 通過する一瞬の劇場 駅のホームに2 階を作る といつもと少し違う駅 10000(mm ) 既存の躯体から 照明機器をぶら下げる 1,2番線ホームから劇場の アーチが垣間見える 水平に伝播していく 劇場性

倍速で動く日々の中、瞬間的に立ち上がる劇場。駅で喧嘩をする男女の向こう、ホテルの一室で踊る少女。ここで行われる全てが演劇であり 、日常である。

演劇にまつわる空間の 越境性

コロナ禍を経た現在、家から出ることなく インターネット空間でさまざまな鑑賞体験が できるようになった。それと対照的に際立つ のは「劇場空間における鑑賞体験」である。 生の鑑賞体験においては、舞台と客席という 関係を超えたハプニング性を孕んだ状況が生 まれる。それを本論文では「 越境 」と呼び、 フィールドワーク的に体験を観察していく。

本論で調査の対象とする劇場は、コンサー トホールなどのように演劇をするために建築 されたものではなく、もともと違う用途の建 物をコンバージョンして劇場になっているも のとする。より創意工夫がなされているとこ ろにこそ劇場性が発生すると考えた。

劇場に赴き、演劇の演目を一つ見ながら、 その上演前上演中上演後の演劇にまつわる越 境を観察・記録していく。演劇にまつわるテ リトリーを 赤 、その視点場を 青 に色分けして 塗ることで、時間変化によるより動的な空間 の越境を比較分析・図式化することができた。

劇場には<舞台>と<客席>、<内部>と <外部>という分割された領域が明確に存在 するからこそ、それらの境界線が揺れ動く瞬 間を鮮やかに確認することができた。

劇場名 越境の概要 タイプ 建築言語

搬入搬出口が横丁に連結している 表出/反転 1,10,11 役者の出ハケの場所が客席にある 反転 2 監督が上演前に出てきて喋る 混在 役者のアフォーダンスで舞台領域を横断する 反転 3

平土間・座布団の客席 階調 3 アットホームな空間性で劇団と交流する 混在 4 3棟連結によるプログラムの横断 貫通 7,11 2棟連結による隙間の染み出し 貫通/混在 5 水辺を想起させる舞台装置 想起 6

倉庫というプログラムが持つ大きな搬入出口 表出 1,11 水が客席まで飛んでくる 階調 6 2FとB1Fに分割により役者がカフェに出てくる 貫通 2,7,10 かつての銭湯を想起させる演目 想起 6 舞台・客席・音響照明が同じレベルにある 階調 3 トイレや喫煙所など他の施設を借りる 貫通 10 外部からの音や光 表出/想起 8 外部空間での道具の搬入搬出 表出 1,2,11 外で観客と役者が交流できる 混在 ラストシーンで外に飛び出してくる舞台 表出 9,11 タバコの匂い・水の客席への越境 階調 6 道路に役者と観客が同等に存在する 混在 11 他の建物から眺めている人がいる 表出 9,10 舞台上で使われた水が外に排出される 表出 12

卒業論文
ザ・スズナリ アトリエヘリコプター
Before performance performance After performance
すみだパークシアター倉 北千住BuOY 劇団唐組 紅テント
ザ・スズナリ アトリエ ヘリコプター すみだパーク シアター倉 北千住BuOY 紅テント ザ・スズナリ アトリエヘリコプター すみだパークシアター倉 北千住BuOY 劇団唐組 紅テント 混在 階調 表出 反転 貫通 想起

学部3年前期 集合住宅課題

つ 壁 ~下北沢駅前元小田急線沿 いセルフビルドを 誘 う 未完 の 集合住宅~ 」

開発 に 迫 られた 小 さな 営 み 敷地:下北沢駅前元小田急線沿い空地

制作期間:2ヶ月/敷地:世田谷区北沢/課題概要:職住一体 の 集合住宅 建築学縁祭 ~rookie選~ 優秀賞 / 建築新人戦100選 / 学内記録誌掲載

提案 活動 を 「 待 つ 」壁

10(m) 断面図 1/200 ART STAY PLA Y SELF-BUIL D RENOVATION
SITE 下北沢駅

経過

Phase 0  巨大な壁と小さな手がかり 登れるだけの階段、引っ掛けられる梁に、カー テンやスクリーンの布、トタンを貼り付けるだ けで居場所になる。

Phase 1  スラブの挿入

梁に板をかけビスで止めれば、自分だけの高台

や少し腰かけられるベンチ、軒下が生まれる。

自らで作る感覚を養う。

Phase 2 建具の挿入 屋根や階段をつけ、自らの居場所を点から線に 拡張していく。他の壁へ居場所を拡張してもよ し、そのままの壁に垂直展開してもよし。他者 との関わりを感じる。

01 周辺の道を差し込む。

02 街を地形化し、周辺との一体感を作る。

03

ずらしたり、道に貫入したり、住民が 住宅を作る補助線を設計する。 01 02 03

Phase 3 プライベートの確保・連結

長期的な生活もできるようになる。Phase2ま

でで生活を開く心地よさを感じるため、必要最 低限の空間である。街路インフラを挟んでの拡 張も行われる。

Phase X これから 即興的に作られた空間は、必要無くなればその ままさって行ってもいいし、その後他の誰かが 使う、もしくは朽ちて植物や生き物の住処にな るのかもしれない。残るのはそこで人が居場所 を求めた痕跡である。

住民1:建築家

事務所と住宅を線形に拡張

一緒に作品作ろうか~!

空き缶ちょーだい!アートにするよ

今日はこっちの壁で作業しよう

住民2:古着屋店主

塀で古着を売る

一人きりになれるところ作ろう

住民3:アーティスト セルフビルドで安く暮らす 生活を開いてアートを作る

楽しそう!ごめんくださーい

塀で古着を売りながら暮らす

セルフビルドの
全体計画
10(m) 5(m)
1/200 Phase0 Phase3
配置図
部分平面図

mame ~広葉樹小径木の多樹種を接ぎ合せたテーブル~ 」

森 と 私 たちの 距離 を 縮 める

都市での暮らしは、どこかで森林の恵 みに支えられているというのに、私たち が森林に思いを巡らすことはほとんどな

い。

日本の森林には個性豊かな樹種が存在 するが、家具産業で有名な飛騨でさえも、 外来材に依存するという状況がある。目

の前に広がる 裏山の森で取れる木を使っ

て何かを作る 、というシンプルなことを 産業社会で実現することの難しさは、現 代のデザインにおけるSDGs的課題とし

て考えられる。

特に飛騨の森を代表する 広葉樹 は径が 細く、反りや曲がりといった癖の強い材 であることから、その9割が細かく粉砕

された燃料用チップとしての利用となり、 家具の材料としてはほとんど出回ってい

ない 。広葉樹の木目や節、手触りや色は、 個性的で、唯一無二であるが、時期ごと に取れる樹種は変化していくことで 持続 的な活用が難しくなっている 。広葉樹の ダイナミクスを落とし込めれば、それは 単なるプロダクトデザインを超え、 森林 と私たちの距離を縮める仕組みとして位

置づけられるだろう 。

広葉樹は製材が難しく、私たちの元に届く ことなく燃料やチップになってしまう

消費者

店舗 ネット販売 国産の木材は製材されることなく、私たちの手元に届かない

広葉樹は製材が難しく、私たちの元に届く ことなく燃料やチップになってしまう

ネット販売 国産の木材は製材されることなく、私たちの手元に届かない

5月 イメージスケッチ・案出し段階 7月 第一模型製作・構法を意識した図面 8月 モデリング・モックアップ 10月 製材上の都合から、大テーブルから 小テーブルを二つへ 木材の配置を簡易化

飛騨というフィールドで国産材と人々の距離を短くする

飛騨というフィールドで国産材と人々の距離を短くする

12月 構造模型を検討 材ごとにRをつけることを考案

1月 飛騨にて製作

海外の森 製材所 製材所 材木店
消費者
工務店 工場
工場
人々 海外の森
製材所 製材所 材木店 工務店 工場
飛騨の広葉樹
製材所 工場
飛騨の森
人々  「
制作期間:1年/共同製作者:森谷光緒

あおまめ           はなまめ

もう一人の存在を感じながら一人の作業をする。

1,豊かな色合いと模様を並べる

色合い豊かな広葉樹を活かして、寒色暖色の違う天板を 作るように並べていく。製材する際に弾かれてしまうよ うな個性的な節や木目 も 取り入れていく。

1,豊かな色合いと模様を並べる

色合い豊かな広葉樹を活かして、寒色暖色の違う天板を 作るように並べていく。製材する際に弾かれてしまうよ うな個性的な節や木目 も 取り入れていく。

1,豊かな色合いと模様を並べる

L 字のような形でカウンターのように。

2,材の動きを見越して角を丸くする

色合い豊かな広葉樹を活かして、寒色暖色の違う天板を 作るように並べていく。製材する際に弾かれてしまうよ うな個性的な節や木目 も 取り入れていく。

広葉樹は個性的でありながら、割れや反りなどの動きが 強いため、動いてしまっても天板に角が出ないように、 あらかじめ角を丸くしておく。

2,材の動きを見越して角を丸くする

広葉樹は個性的でありながら、割れや反りなどの動きが 強いため、動いてしまっても天板に角が出ないように、 あらかじめ角を丸くしておく。

2,材の動きを見越して角を丸くする

長いテーブルにして凹みがたくさん生まれる。

3, ゆるやかなカーブに切り取る

広葉樹は個性的でありながら、割れや反りなどの動きが 強いため、動いてしまっても天板に角が出ないように、 あらかじめ角を丸くしておく。

バラバラだった木々に一体感を持たせる。人間が活動し やすいように直径約500mmの凹みを検討しながら、二 つのテーブルのどこが噛み合ってもいいような線を引い ていき、その形に天板 を 切り取る。

3, ゆるやかなカーブに切り取る

まんまるな形になってみんなで集まれる。

あおまめ           はなまめ クリ クリ ミズナラ ホオノキ ホオノキ トチ トチ クリ キハダ トチ トチ クルミ クルミ クルミ ミズメ ミズメ ミズメ ヤマザクラ ミズメザクラ シュリザクラ ヤマザクラ シュリザクラ ケンボナシ ブナ 上面図 1:10 (mm) 1800
上面図 1:10 (mm) 1800 上面図 1/10 接合:ビスケット
「二人でつかう」
「三人でつかう」
「四人でつかう」
「五人でつかう」

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