Department of Architecture and Environmental Design, Nagaoka University of Art and Design

Page 1

PORTFOLIO

Nagaoka Institute of Design

Architectural / environmental design

Shion Sakurai


01

経歴 Career

2000.07.14 ー 栃木県日光市で生まれる 2019

栃木県立宇都宮工業高校 建築デザイン学科

2021

現在 同校第三学年 在学中

2019

02

長岡造形大学 建築・環境デザイン学科 入学

受賞歴・資格等 Award history/Qualifications, etc. 2016.07.01 ー 計算技術検定 3 級

2016.11.20 ー アーク溶接等 業務特別教育修了

2016 ー 平成 28 年度全国高校生建築製図コンクール(課題 1) 入賞 2017.02.03 ー 情報技術検定 3 級

2017.08.04 ー 小型車両系建設機特別教育修了 2017.09.29 ー 乙種第四類危険物取扱者免状

2017.11.26 ー 福祉住環境コーディネータ検定試験 3 級

2017 ー 平成 29 年度全国高校生建築製図コンクール(課題 2) 銅賞

櫻井 詞音 Sakurai Shion

2017.12.24 ー 建設経理事務士 4 級 2017.07.10 ー 測量士補

2019.01.25 ー 2 級施工管理技術検定学科試験 合格 2021.04.01 ー インテリアコーディネーター取得

a192014@st.nagaoka-id.ac.jp /Shion Sakurai Architecture student

01


03

スキル skills

・CAD

・Adobe

04

趣味 hobby ・バスケ ・スノボ

・アーティストのライブに行くこと ・楽器の bass を弾くこと

・建築物を見に旅行をすること

・Modeling soft ・Microsoft

・Renderer/Rendering engine

a192014@st.nagaoka-id.ac.jp /Shion Sakurai Architecture student

02


a192014@st.nagaoka-id.ac.jp /Shion Sakurai Architecture student

03


ひたすら考える。どの課題でも、自分の考える空間デザインがその土地にあっているのか、必要とされるのか。常に考えながら作品を作り上げる。

また、どんな時もスケール感覚を忘れてはならないと考えている。それは、模型でも CG でも養うことのできない感覚。そんな感覚を養う為に、日 々建築に目当てる。スケール感覚を身に着けることは、自分の作品を作り上げる上で、想像性が高まり、新しい可能性と創造に繋がっている。

a192014@st.nagaoka-id.ac.jp /Shion Sakurai Architecture student

04


2020 年 建築・環境デザイン演習Ⅲ 第二課題「アートセンター」

2020 年 建築・環境デザイン演習Ⅲ 第一課題「低層集合住宅」

Folly

Low-rise apartment

Architecture / Environmental Design Exercise

Architecture / Environmental Design Exercise

Art Center

Architecture / Environmental Design Exercise

WORKS (2019~2021)

2019 年 建築・環境デザイン演習Ⅰ 第三課題「Folly」

a192014@st.nagaoka-id.ac.jp /Shion Sakurai Architecture student

05


「 隈 研吾 & 東川町 」

KAGU デザインコンペ 「地球につながる新しい風景の街」 第七回 POLUS 学生・建築コンペ 「リモートスタイルハウス」

第八回 POLUS 学生・建築コンペ

a192014@st.nagaoka-id.ac.jp /Shion Sakurai Architecture student

06

8th POLUS Student / Architecture Competition �Remote Style House�

Competition

The 7th POLUS Student / Architecture Competition �A New Landscape City Connected to the Earth�

Competition

�Kengo Kuma & Higashikawa Town� KAGU design competition

Competition


a192014@st.nagaoka-id.ac.jp /Shion Sakurai Architecture student

07


ふたつでひとつ

第二学年 建築・環境デザイン演習Ⅲ 「アートセンター」課題 Rhinoceros + GH/Photoshop/illustrator/AutoCAD

私が考えるアートとは「対」であると考えた。 「対」とは二つ比較するものがあって

初めて成り立つ。なぜ、比較するのか。それは、二つのものを比べることによって、 お互いの良いところ、悪いところを知ることができ、今まで考えることのできなかっ た新しい感性を得たり、思考ができたりする。

対は様々なところに存在する。例えば、陰と陽、自然と人工、白と黒、といった身近 なところに対は、存在し、多くの新しい可能性がある。しかし、人は意識的に対を感 じることができない。理由は、この世界に多くの領域があり、その線引きがされてい ないからである。壁を設ける。そうすれば、対の空間は作れるだろう。しかし、それ は鑑賞する人々に圧迫感と窮屈館を与えることになる。私は、柱で対の空間を作るこ とによって、直接は見えない、感覚的に見える領域を作ることができると考えた。

人々に意識的に対を感じることのできる。また、そこから新しい可能性を見出すこと のできる空間を私は提案する。

a192014@st.nagaoka-id.ac.jp /Shion Sakurai Architecture student

08


設計条件

敷地

・住所:長岡市西蔵王 3 丁目 5 ー 1 を含む街区 ・面積:約 27700 ㎡ ・用途地域:工業地域(建蔽率 60% 容積率 200%) 構造

・自由 ・規模:建物規模 計 5000 ㎡以下

街区内には 160 台程度の駐車スペースが確保される ものとする。

a192014@st.nagaoka-id.ac.jp /Shion Sakurai Architecture student

09


対象敷地調査

・対象敷地南側では、金峯神社を中心に蔵王堂城、正善霊寺、蔵王稲荷神社、 安禅寺などの社寺が存在する。信濃川の河川交通が盛んなこの地より、川沿い に長く築かれた丘から「長岡」の地名が起こった。

工業区域(人工)

・敷地周辺環境の調査を行う中で、様々な対をを探した。歴史的な背景を学ぶ 中で、この対象敷地周辺では四つの領域があることが分かった。

信濃川が流れる「自然領域」、社寺が建つ「神聖領域」、住宅が多く立ち並ぶ「住

信濃川(自然)

宅領域」、工場などが建つ「工業領域」

住宅区域(人工)

しかし、対ではない。対という意味を持たせるために、この四つの領域を大ま

かに分類した。信濃川と社寺の領域を「自然領域」 、住宅と工場の領域を「人 工領域」とした。こうすることによっ 周辺環境との対が完成した。

・交通のアクセスを考えると、対象敷地北側に面する道路からの導線になると 考えた。元々の道路が狭いと感じたが、元々工場があった敷地ということもあ り、トラックなどの大きな車両も通っていることも分かったので、舗装、都市 計画の変更などは考える必要はないと考えた。混雑を避けるたに利用者及び従 業委員の出入り口の数の確保が必要であると考えた。

金峯神社(自然・神聖)

a192014@st.nagaoka-id.ac.jp /Shion Sakurai Architecture student

10


設計プロセス

Ambiguous area Nature

様々な「対」を見つける中で、どのような形で「対」を建築へ と落とし込んでいくか。アートとして対を利用する Concept

だが、ただ対をつくった空間では、学芸員が企画する企画展示 と変わらないだろう。いかに、どんな時でも、人々に意識的に 対を感じてもらうかが、大切だと考えた。

調査で周辺敷地に対しての領域を確かめ、線引きをすることに よって、領域を分けることができ、領域と領域との対をつくる ことができた。人工と自然が重なるこの敷地で、どのような建 築が求められるのだろう。

自然の領域と人工の領域の間に生まれた曖昧な領域この領域に 合う建築物は、まさに曖昧な建築であると考えた。自然の形に 近く、かつ人工物である。どちらの領域ともいえる建築物がこ の敷地には最適であると考えた。

a192014@st.nagaoka-id.ac.jp /Shion Sakurai Architecture student

11


study

・部屋の配置・高さすべてをボロノイ図によって、ランダムに配置してゆき、調整を行っていく。 ・ボロノイ図の簡単な説明として平面上に複数の母点が配置されているとき,それぞれの母点に最も近くなる点を集め ると,母点ごとに「勢力図」のような領域が形成される。この領域分割図をボロノイ図(voronoi diagram)という。

ボロノイ図は母点と母点との間に二つの点に対して垂直二等分線が引かれる。その線をすべての母点が干渉されずに、 図形が組み合わってゆき、図形が出来上がっていく。私はその、点と点の間に引かれる線が対の関係を作っているのだ と思い、部屋の位置、面積を設定し、ボロノイ図に振ってあげることによって、普通では考えられない空間を作ること ができた。

・二次元ボロノイ図から三次元ボロノイ図にすることで、平面から立体的に、対で構成された建築物を作ることができ ると考えた。

a192014@st.nagaoka-id.ac.jp /Shion Sakurai Architecture student

12


study diagram

ボロノイ図をコンピュータープログラムによって、各部屋の面積、数

など数値の条件を作り、図形を生成していく。 (各部屋の面積の大き さをおおよそ 100 ㎡に指定する)そこから部屋の位置を大まかに決 める。外形線が出てくる。

各部屋の配置がきまり、形を調整していく、また導線計画を考えなが ら、空間配置をしていく。企画展示と住民ギャラリーの境界線。従業 員・学芸員などのスタッフの導線計画も形に反映させる。

二次図面が完成。次の段階で高さ(Z 方向)を含めた計画を行う。高

さの条件(パラメータ)を 3000 から 5000 に設定し、建物全体の高 さ関係、形の検討を行う(いくつかモデルを作って選別する。

高さは 4500 に決定。3 次元ボロノイを利用し、形を生成。屋根の勾 配を考え、形を整えていく。

a192014@st.nagaoka-id.ac.jp /Shion Sakurai Architecture student

13


工業区域

搬入トラック・従業員用出入口

一般客用駐車場(122 台)

従業員用駐車場 (42 台)

信濃川

一般出入口

住宅区域

中庭

土手

一般 出

入口

中庭

一般 出入 口

正善霊社 蔵王稲荷神社

金峯神社

蔵王のもりこども園 配置図・屋根伏せ図 S = 1/500 周辺環境

a192014@st.nagaoka-id.ac.jp /Shion Sakurai Architecture student

N

14


141960

126490

910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910

910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910 910

器在庫

荷受室 写真室

細い柱空間の先に見えるもう一つの柱空間。企画・常設展示空間

搬入室

一時保管室

は円環をなしており、歩きながら、作品を楽しみ、そしてその次 にはなにがあるのかと好奇心を沸き立たせる仕組みになってい

る。自然と歩き、自然と階段を上がり、下り、自然ともとにいた 場所に戻っていく。そんな感覚を体験することのできる空間が企

ロビー 収蔵室

画・展示空間である。

女子トイレ

従業員出入口

男子トイレ 学芸員室

事務室 電気室

女子トイレ

研究室

エントランス

男子トイレ

ロビー 常設展示兼企画展示 応接室 会議室

機械室

UP

倉庫 常設展示兼企画展示

ピロティー 中庭

UP

市民ギャラリー

市民ギャラリー

市民ギャラリー ピロティー

中庭 UP ピロティー

ピロティー 講義室・レクチャールーム

女子トイレ 男子トイレ

市民ギャラリー

ピロティー

UP

実習室

UP

常設展示兼企画展示

UP

1

常設展示兼企画展示

女子トイレ

常設展示兼企画展示 常設展示兼企画展示

男子トイレ

5

10

20

50

N

一階平面図 S = 1/500 a192014@st.nagaoka-id.ac.jp /Shion Sakurai Architecture student

15


常設展示兼企画展示

企画・常設展示空間へ行くには階段をいちいち上がらなけれ ばならない。

常設展示兼企画展示

これはあえて、さきの空間を見せない為に設けた。 企画・常設空間は柱群が空間の至るところに設けられており、 住民ギャラリーがあった空間とは、まったくと言ってほどの 空間が広がっている。 常設展示兼企画展示

これもまた対である。

常設展示兼企画展示 常設展示兼企画展示

N 常設展示兼企画展示

1

5

10

20

50

二階平面図 S = 1/500

a192014@st.nagaoka-id.ac.jp /Shion Sakurai Architecture student

16


南立面図 S = 1/500

東立面図 S = 1/500

西立面図 S = 1/500

a192014@st.nagaoka-id.ac.jp /Shion Sakurai Architecture student

17


diagram

ウォールウォッシャーダウンライト

黄 色 で 示している箇所には主にウォールウォッ

シャーダウンライトを使用し、壁面をテラスととも に作品を照らす。

間接照明と扱ったり、ダウンライト(直接光)とし ても利用する。

企画・常設展示空間は時と場合によって、壁の扱い 方、柱の扱い方は変わるのでそれに対応できるよう にする。

ライティングレール型 スポットライト

アートという定義は幅広い。自然もまたアートの一種と言えるだろう。

細い柱だらけの空間を歩き、段々柱の数が減ってゆき、太さも変わっていく。

細い柱が立ち並ぶ空間。この柱が展示をする作品と作品との対の関係を作る

れからも生き続ける植物たち。

狭い空間でみる作品と広い空間で見る作品。狭いところでは心の余裕がないのに

壁ではない領域の区切り方。こうすることによって開放感が感じられるのと

作品という、誰かが書き残した自分の生きた証に対して、窓から見える景色はこ

風景が変われば、作品の見方も変わるのではないだろうか。

気づいたら、広い空間に出ていた。

対して、広いところでは余裕が生まれる。

そんな心情的、気分的で作品をみて、比較したらまたそれはそれで、新しい見方 ができるのでは。

ための役割をしている。

同時に、内部空間の奥行が感じることができる。

この細い柱は様々な素材で構成されている。ガラスの柱。木の柱。鉄の柱。

柱ごとによって違う役割があり、その影響は人々の作品を見る感性に繋がる。

a192014@st.nagaoka-id.ac.jp /Shion Sakurai Architecture student

18


4900

4900

4500

9400

400

4500

C-C` 断面図 S = 1/500

4500 400

4300

3000

4500

4500

4500

122381

B-B` 断面図 S = 1/500

4500

4900

139217

127945

A-A` 断面図 S = 1/500

a192014@st.nagaoka-id.ac.jp /Shion Sakurai Architecture student

19


課題文

2020 年 後期 設計課題演習 第二課題

「アートセンター」

アートとは?鑑賞するもの?何を?体験するもの?何を、誰が?表現するもの? 何を、どうやって? ・設計条件

住所:長岡市西蔵王 3 丁目 5 - 1 を含む街区 面積:約 27700 ㎡

用途地域:工業地域(建蔽率 60%、容積率 200%) 構造:自由

※街区内には 160 台目程度の駐車スペースが確保されるものとする。 ・プロジェクト・ストーリー

長岡市蔵王地区。対象地は現在工業地域となっている一画であるが、隣接する蔵王の森エリアは長岡市 まちなか居住区地域であり、かつ蔵王風致地区指定が対象地の一部にかかっている。

現在この地にはHコーポレーションの研究所や同社のグループ企業であるN社工場が存在しているが、 Hコーポレーションの事業再編成に伴いこの一画が長岡市に払い下げられた。市は長岡発祥の地である 蔵王地区に文化施設を伴った公園整備を計画し、その建築提案を募ることとした。あなたはその提案者 のひとりに指名された建築家である。 ・文化施設を巡って

市の計画、特に文化施設を巡って様々な議論がなされた。論点の中心となったのは何の文化施設である べきかという点で、信濃川左岸のリリックホールや近代美術館のエリア、あるいは市民劇場、さらには 大地の芸術祭との関係がとりただされ、その中で市民の芸術活動の拠点となるアートセンターが構想さ れるに至った。複数の芸術領域の拠点とすることが合意されたが、同時に長岡発祥の地における市の芸 術拠点性を高めるびく、市が芸術コレクションを保持・管理・展示することのできる機能を持たせるこ ととされた。

・アートセンター

常設展示が可能なコレクションを有し、市民の芸術活動の拠点となるアートセンターを中心とした公共 整備計画が進められることとなったが、コレクション、市民の芸術活動の種類については未定で、これ については具体的な建築計画と併せた提案を募る運びとなり、本公募が企画された。すなわち、アート センターの核となるコレクションはどんなものか、

そして市民の芸術活動の具体的な内容を想定した上での建築提案が求められているのである。

a192014@st.nagaoka-id.ac.jp /Shion Sakurai Architecture student

20


a192014@st.nagaoka-id.ac.jp /Shion Sakurai Architecture student

21


Lump Luck

第二学年 建築・環境デザイン演習Ⅲ 「低層集合住宅」課題 Rhinoceros/twinmotion/Photoshop/illustrator/AutoCAD

子供が育つためには、夢や目標を自らの力で持つことがとても大切だと考えた。大人 たちのエゴを押し付けている

だけでは子供たちは弱っていくだけだ。じゃあ、いったい子供たちが夢や目標を自ら 持たせるためのきかっけとなる 空間はどのような空間か。

私が提案する集合住宅は、子育て世代とアドレスホッパーが一緒に住む共同住宅であ る。

アドレスホッパーは滞在する期間がそれぞれ別で、また思想や特徴も別である。

例えば・・・アドレスホッパーの人がミュージシャンで夢がミュージシャンと考える 子がでてくるかもしれない。

ダンスがうまい人。落語家。旅人。みんな違う。子供もみんな違う思想を持つ。 私は子供たちとアドレスホッパーの人が交流する空間として、路地空間を提案する。 昔の子供たちは路地に足を運び、どのように遊ぶか、どうするべきか、何ができるか と常にいろいろ考えていた。

その結果発想力が身に付き、精神的に成長していく。 今の時代ではそのような光景は見られない。今子供たちに必要なアプローチとして発 想力を育てる空間だと考えた。

そして、考えるヒントやきっかけを作るものとして、アドレスホッパーの存在を利用 する。

屋根がかかった路地空間だから、雨が降っても、雪が降っても遊ぶことができる。

a192014@st.nagaoka-id.ac.jp /Shion Sakurai Architecture student

23


住居者

設計プロセス 人の入れ替わりが多いのが特徴。

定住者は子供が自立したらこの住宅を出る。 期間は約 4 年から 6 年だと考える。

定住者(子育て世代)

アドレスホッパーは一週間しかいない人もい

れば、2 年も住み続ける人もいるかもしれない。

アドレスホッパー(初めて)

ここで課題が見つかる。

アドレスホッパー(リピーター)

アドレスホッパーが長岡を好きになってもらえない と二度と来てもらえなくなる。

もしかしたら、他の人に批評を言うかもしれない。 アドレスホッパーの入れ替わりが多いので、定住者の居住空間とアドレスホッパーの 居住空間をごちゃごちゃに混ぜる。

分けてしまうとそもそもの関りが断たれてしまい、きっかけが生まれない。

期間

私はアドレスホッパーに長岡を好きになってもらう ためには、長岡を探検してもらうことだと考え、ア ドレスホッパーの寝室に工夫を凝らした。

設計プロセス

シンボルツリーのギミック効果を考え、 広い空間では子供たちは遊ばない。 公園を見ても子供たちは木を中心に

天井を突き破る天窓型の行燈を配置す る。

遊び始める。

シンボルツリーのようなギミックが 室内大空間には必要と考える。

行燈は上だけでなく、下からも突き出て いる。行燈が空間に変化をもたらし始め る。

a192014@st.nagaoka-id.ac.jp /Shion Sakurai Architecture student

24


住宅区域

配置図・屋根伏せ図


diagram 2730

4095

寝室

寝室(2 人)

4550

子供室

3640

910

子供室(2 人)

脱衣所

浴室

トイレ・浴室・洗面脱衣室・アドレスホッパー用寝室

(平面図 S =1/100)

2275

便所

長い期間定住する人(平面図 S =1/100)

2730

アドレスホッパー

1820

2730

2275

中間領域(キッチン・ダイニング)

組み合わせは自由。配置も自由。二人用、三人用、 四人用。

たまには、中間領域(キッチン・ダイニング)を 開放して、みんなでご飯でも。 中間領域

中間領域

開放すれば、 「パブリックスペース」間地切れば、

「プライベートスペース」 例)左の平面図:3 人家族。 右の平面図:4 人家族

a192014@st.nagaoka-id.ac.jp /Shion Sakurai Architecture student

25


diagram ( 平面構成・断面構成)

各世帯の中間領域を 閉じた状態だと、一 方向の流れが生まれ る。視線がシンプル に通る。

大きな路地空間が生 まれる

各世帯の中間領域

を開いた状態だと、 様々なところから流 れが生まれ、市民同 士の距離感が近く感

じられるようにな り、コミュニティの きっかけになる。

小さな路地空間が生 まれる。

階数を上げれば上げるほど、上下間の関りは薄くなってしまう。光も入らず、一階はとても暗い空間へ。

しかし、行燈を利用することによって一階へと光を入れることができる。また行燈を囲う和紙素材は温かさを生む。 日中は日の光をを落とし、夜は人工灯による温かみのある光が人々を引き込む。 行燈、それは路地空間へ誘う。

a192014@st.nagaoka-id.ac.jp /Shion Sakurai Architecture student

26


35000

7000

3990

4095

2380

2345

910

7000

1820

1820

7000

4025

1365

4095

4550

7000 1820

7000

21000

805

2175

7000

3362,5

1825

3637,5

1080

910

7000 4095

7000

1440 2830

21000

2200

1820

630

2730

2730

1540

7000

1820

910

1820

1820

7000

1820

1820

7000

2375

1720

2730

2730

7000

4445

2735

7000

1465

7000

4095

3640

4550

7000

1820

2730

7000

35000

1

5

10

20

N

1 階平面図 S = 1/100

a192014@st.nagaoka-id.ac.jp /Shion Sakurai Architecture student

27


35000

7000

3360

4095

2905

2275

7000

1085

1820

1820

7000

2730

4270

2485

910

1820

1785

7000 7000 1820 1820

7000

1085 4095 4270

5635

4095

7000

2730

7000

1995

7000

2275

4935

4550

7000

1820

2730

7000

35000

1

5

10

20

N

2 階平面図 S = 1/100

a192014@st.nagaoka-id.ac.jp /Shion Sakurai Architecture student

28

21000

5180

7000

1817,5 1820 910 7000

1540 2730

21000

5182,5

2730

4270

7000

2450

910

1820

1820

7000

1820

1820

7000


東立面図 S = 1/100

南立面図 S = 1/100

a192014@st.nagaoka-id.ac.jp /Shion Sakurai Architecture student

29


A-A` 断面図 S = 1/100

B-B` 断面図 S = 1/100

a192014@st.nagaoka-id.ac.jp /Shion Sakurai Architecture student

30


a192014@st.nagaoka-id.ac.jp /Shion Sakurai Architecture student

31


課題文

2020 年 後期 設計課題演習 第一課題

「集合住宅+」

集まって住むとはどういうことか、そしてそこに付加されるべき機能とは何か? ・設計条件 〇敷地

住所:長岡市中島 4 丁目 12 ー 5 を含む街区の一部 面積:1018.95 ㎡

用途地域:近隣商業地域(建蔽率 80%、容積率 300%) 、準防火地域 構造:鉄筋コンクリート増

規模:50 人(組み合わせ自由)が暮らす集合住宅+長岡市中心市街地のフリンジにあるべき付加機能計 3000 ㎡以下・駐車場は対象敷地外に確保されるものとする。 ・プロジェクト・ストーリー

長岡市柿川沿いの平和の森公園の対岸に位置する街区(面積= 2200 ㎡) 。ここに長岡の中心市街地におけ

る新たな都市居住のモデルを提示すべくプロジェクトはスタートした。しかし、土地の入手に難航し、現在 計画対象となっているのは街区東半分の 1018.95 ㎡である。事業者は土地の取得に関して継続的な働きかけ

をしつつも、この計画地に第一期の建築プロジェクトとして都市居住モデルを実現し、それによって残りの 土地の地権者へアピールし、第二期以降に、街区全体を完成させると決断をした。

あなたはこのプロジェクトの建築提案を行う建築家である。と同時に開発事業者から、新たな都市居住モデ ルを実現する上で必要な事業提案も求められている。プレゼン資料提出期限は 2020.11.04JST9:00。第二期 の計画ビジョンも示唆することができればプレゼンの成功率は高くなるだろう。 ・発注

事業者から示された設計条件は上掲のとおり。

都市居住モデルの提案にあたり、敷地に関する現在の気候状況や長岡市における位置づけ等のリサーチに加 え、歴史的な現在地の視点も重要であろう。

構造形式としては RC 造が想定されている。居住空間のシェルター性能を確保せよというメッセージとも捉 えられる。規模指定がポイントのようだ。50 人という人口指定?住居ユニットのスケール設定は提案を求 められている付加機能の検討にも大きく関わると思われる。

a192014@st.nagaoka-id.ac.jp /Shion Sakurai Architecture student

32


a192014@st.nagaoka-id.ac.jp /Shion Sakurai Architecture student

33


ツナガリ

第一学年 建築・環境デザイン演習Ⅰ 「Folly」課題 SketchUp/Photoshop/illustrator/AutoCAD

失われた命は戻らない。

人は自分たちのために何かを奪う。 私たちは日々日常的に、いや、生まれた瞬間から何かを奪い続けながら生きていくの である。

人は生きている限り、壊し、崩し、奪い続ける。 その代償として、長い年月をかけて築き上げてきた「つながり」も壊していくのだ。

「命」とは様々なものとつながっており、この世の中で一番重く、唯一無二の存在。 これ以上罪を犯してはいけない。

これ以上つながりを断ち切ってはいけないのだ。 私たちは生きている以上その覚悟が必要なのだ。

a192014@st.nagaoka-id.ac.jp /Shion Sakurai Architecture student

34


設計プロセス

process1

38 憶年かけて築き上げられてきた生態系のピラミッドは

この世界の均衡は生物の多様性から成り立っている。

また成り立っている条件、理由では生き物同士の「個性」や「つながり」が関係しており、これらはすべ て直接的、間接的につながっているのである。

生物の多様性の頂上にいる私たちが植物や生物の命を奪うことは私たちの環境を壊すことにもつながって くるのではないだろうか。

崩れかけてきている。

このまま人々が自分たちのことだけを考え行動し続ければ いずれは生態系の均衡は崩れ人という存在もなくなってし まうのではないか。

process2

いったいどうすれば均衡を保ち、より良い環境へと導けるのだろうか。

人が作る空間が目的を持っている以上管理が不必要になることはないだろう。その答えに一番近いものは

ビオトープではないだろうか、と私は考えたビオトープはドイツ語の「生命(bio)」と「場所(topos)」 からきており、人間の力を借りることなく自分の力で生きていくことのできる自然環境を備えた場所がビ オトープである。

人が基盤となる物を造り、残りはキャンパスが持つ自然環 境の潜在能力で創り上げていく。

「folly」の案を提案するにあたって、私はどうしてもこの環境になじませるような、溶け込むこ

とのできる「folly」を考えることは難しいと感じた。だから、私の考える「forry」の案は50年 経って初めてできる「folly」を提案する。

a192014@st.nagaoka-id.ac.jp /Shion Sakurai Architecture student

35


キャンパス・ビオトープ

湿地帯型のビオトープには水辺を好む生き物が自然と同じ環境で生きている。 また、陸域と水域との境界の水際であり、水の深さや土の水分、性質の条件が 少しずつ変化していくため、様々な植物や生物が生息している。

私の初めの「folly」

research

「folly」をキャンパス内の道に配置することで、自然に流れる人の流れを利用し、 交流することで、市民と学生がつながることができる。

手入れされた木々、水辺を好む生き物たちのための湿地帯のビオトープ、こんなにも自然に囲まれた キャンパスに人々は自然と足を運んでしまう。

石川幹子氏の計画した信濃川へ続く美しいランドスケープは多くの市民が散歩に利用しており 日常生活でも市民と長岡造形大学の学生との交流が期待できる。

またこの自然に囲まれたキャンパスで、ただ市民と学生が交流するだけではなくもっと自然のこと、 環境のことを知ってほしい。感じて、考えてほしいと私は考え、人のためだけのフォリーではなく、 植物や動物などすべての生き物のためでもあるフォリーを私は提案する。

a192014@st.nagaoka-id.ac.jp /Shion Sakurai Architecture student

36


diagram

50 年という長い時間をかけ、私の folly は初め、人が作り出した空間からキャンパスの環境がつくりだした空間へと移り変わり、人だけが利用 する folly がすべての生物のためのものになり、ついに地上の生き物のための空間となり、人と自然がつながる folly が完成する。

現在の folly

20 年後の folly

50 年後の folly

キャンパス散策中に folly を見つける。

folly に座りながら話す。交流する。

月日が経つにつれ、苔やツタが生えて

だんだん木材が朽ち果ててゆき屋根がな

子供たちが段差で遊ぶ、生植物の観察

苔やツタだけでなく、様々な植物が生

くなる。長いベンチのような形で残る。

を行う人もだんだん folly が自然へと 溶け込んでくる。

くる。

えてくる。鳥が食料を食べにくる。

もう残っているのは1,2本程度の木

この folly の地は生植物たちが自力で

私の folly は生物の多様性をつなぐこ

という環境に接しながら。

なっていく。ただの道が、自然環境に

に足を踏み入れることで、自然とのつ

材だけ。ただまだ腰かけられる。自然

生きていくビオトープに近い存在と 小さな貢献をしたのだ。

とを目的とした folly である。この地 ながり考え、感じてほしい。

a192014@st.nagaoka-id.ac.jp /Shion Sakurai Architecture student

37


N

平面図 S= 1/100

屋根伏せ図 S= 1/100

a192014@st.nagaoka-id.ac.jp /Shion Sakurai Architecture student

38


南立面図 S= 1/100

A-A` 断面図 S= 1/100

B-B` 断面図 S= 1/100

a192014@st.nagaoka-id.ac.jp /Shion Sakurai Architecture student

39


課題文

2019 年 前期 設計課題演習 第三課題

「Folly」

〇課題内容

大学キャンパスの屋外空間の任意の場所に「フォリー」を計画する。 01)Concept ー現在のキャンパスに新たにフォリーを計画することによって、美的に、あるいは機能的に、 今以上に豊かな環境を創り出すことを目指す。

02)Site ー自分のフォリーを「どこに計画するか」の検討はとても重要。日ごろから慣れ親しんだキャンパ スをもう一度あらたな視点で見直してみる。

03)Scale ー 10m × 10m × 10m の立方体に納まる大きさとする。ただし、一部をその大きさからはみ出さ せたい場合は、教員に相談する。

04)Function ー「座って佇む」 :座るという行為をテーマとした場とする。具体的な空間機能:カフェ / 休 憩所等については各人で想定すること。キャンパス内のデザイン性に優れた椅子を<一種類 / 多種類><一

脚 / 数脚>選び、この椅子を配置した<内部 / 外部>空間をデザインする。あるいは、自分のオリジナルの 椅子や座る装置をデザインしてもいい。

05)Space ー柱 1 本、または壁 1 枚だけでも空間ができることを意識して「建築」する。 06)Structure ー構造体の選択は自由(木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造) 。ただし、空中に浮かんでる等 のまったくリアリティのないものは不可。

07)Landscape ー近くの既存道路、園路からフォリーへのアプローチも設計する。アプローチの線形決定

に際しては既存樹木の保全、及びフォリーとの景観調和に配慮しつつアプローチの両側あるいは片側に、必

ず草花か低木による造園を施すこと。 (草花、低木の種類は自分の知っている範囲で、できるだけ指定する。 ) また、アプローチの舗装材も指定すること。 (コンクリート、アスファルト、煉瓦ブロック、デッキ材、土、 など)

a192014@st.nagaoka-id.ac.jp /Shion Sakurai Architecture student

40


a192014@st.nagaoka-id.ac.jp /Shion Sakurai Architecture student

41


chair like

Creation and destruction of human concepts. The concept of new furniture created by it.

「 隈 研吾 & 東川町 」KAGU デザインコンペ Photoshop/illustrator/AutoCAD

この世には、様々な概念が存在する。

人間は、無意識的に概念という存在に囚われているのだ。 椅子は座るもの。椅子は家具。椅子は…

人間は、椅子という家具に固定概念を抱いている。固定概念を抱いていることによっ て、

椅子の存在をしっかりと見ることをしていないのだ。当たり前のものとして認識して いるだけ。

椅子の存在を認識してもらうためには、椅子を存在しない、ありえないものと共存さ せることによって、意識的に目を向かせ、考えさせることができるのでないかと考え た。

私の考えるこの木の椅子は、人間の思考によって、たどり着いた椅子の概念によって 完成する。

a192014@st.nagaoka-id.ac.jp /Shion Sakurai Architecture student

42


research

デュシャンはニューヨーク・ダダの中心的人物と見なされ、20 世紀の美術に最も 影響を与えた作家の一人と言われる。コンセプチュアル・アート、オプ・アートな ど現代美術の先駆けとも見なされる作品を手がけた。

デュシャンは、男性便器に R.MATT という架空人物のサインをしてその公募展に匿 名で応募。しかし、誰でも参加できるはずのこの公募展に出品を拒否された。この 作品はアート作品の観方、或いは考え方を変えたと言われている。

デュシャンはその便器にサインをして美術館に展示されたらどうなるのか?という 問いを突き付けた。

鑑賞者の頭の中で作品が完成する。便器を見てもただの便器。

しかし、便器にサインされたものが美術館という権威のある場所に展示されたとき、 果たしてそれは便器なのか?それともアート作品なのか?

デュシャンの「泉」を前にしたとき鑑賞者は、頭の中にたくさんの??が点灯する だろう。

「なんでこの便器がアートなの?」と。しかし、その過程で彼の考えを知ったとき 頭の中でハッと何かに気づく。つまり「アート作品は目前にある美しい絵画」とい

う概念から、 「その作品を起点にして、鑑賞者の頭の中で完成するのがアート作品だ」 というコペルニクス的転回が起こるのである。

a192014@st.nagaoka-id.ac.jp /Shion Sakurai Architecture student

43


diagram

これは、何?椅子なのか? そもそも家具? オブジェクト?アート? 何かに似てる? 様々な概念を考える人が出てくる。 人々の思想によって、この椅子は、 どんなモノにもなる。 正解はない。 椅子という存在に意識を向けさせる ことができればいいのだ。

diagram 45

755 100

600

55 450

455

390

75 20

350

200 75

100

150

100

350 上面図 S=1/10

正面図 S=1/10

546

159 705

側面図 S=1/10

a192014@st.nagaoka-id.ac.jp /Shion Sakurai Architecture student

44


a192014@st.nagaoka-id.ac.jp /Shion Sakurai Architecture student

45


課題文

2021 年 「 隈 研吾 & 東川町 」KAGU デザインコンペ

「木の椅子のデザイン」 〇課題内容

北海道旭川家具の主要産地である北海道東川町は、次の時代を担う若者に対して、新しい丁寧な暮らしの提 案につながる「KAGU」のデザインを求めます。

KAGU とは、人間と世界の間をつなぐものの総称で、従来の家具という概念を拡張したものです。私たちは、 身近な毎日の暮らしの中で様々なモノを使いますが、そのモノが作られ使われてきた背景はなかなか見えづ らいものです。

ともすればモノを乱暴に扱い、粗末にし、手間を省いて結果を急ぎ、時間を掛けずに深く考えないような暮 らしが、大きなひずみを作ることに気づきました。

これから始まる KAGU デザインコンペを機会に、たくさんの可能性を秘めた君たちのアイディアが、形とな り長く使われるように、そして丁寧な暮らしが少しずつ実現してゆきますように。

a192014@st.nagaoka-id.ac.jp /Shion Sakurai Architecture student

46


a192014@st.nagaoka-id.ac.jp /Shion Sakurai Architecture student

47


ながるる。と、とまる。 第七回 POLUS 学生・建築コンペ

「地球につながる新しい風景の街」

Rhinoceros 3D/twinmotion/Photoshop/illustrator/AutoCAD 人は日常的に歩き様々なものを目にし、目にしたものから興味を抱き始める。それは 目から行動へ移り、コミュニティ形成の第一歩に繋がる。

「流源」。それは人のながれがとどまる場所。それは視線であり、動きでもある。地域 と住民を繋ぐ。きっかけが生まれる空間。

「流汀」。それは人のながれを作るもの。流源を見つけるために視線の誘導。行動の誘 導を図る。

住民のプライバシーを守りつつ、外部の人と住民との境界空間でもある。 人はながれる。どこまでも。そんな中、ある建物を見つける。人はその場にとまる。

「流汀」によって視線が誘導され、飛び出した縁側を見つける。その先には「流源」 があり、目がとまる。興味を持つ。

そしてその空間に足を踏み入れ、とどまる。少しずつ住民と打ち解けていく。コミュ ニティは広がる。

a192014@st.nagaoka-id.ac.jp /Shion Sakurai Architecture student

48


diagram volume diagram

敷地内に建物が存在する(大きな岩)これだけを見るとかなり大きなボリュームがある感じがしてしまう。また周りからは閉鎖的な感じがしてしまい、人は流れようとしない。人の流れようとする力によって、建物(大 きな岩)にヒビが入り始める。力はあらゆる方向から。ヒビの入り方はランダムで流れる力によって周りが欠ける。形ができ始める。しかし全体の形は主に角ばっている。建物(大きな岩)を貫通しようとする力。通り

抜けようとする力が働き、 建物(大きな岩)の内部にヒビが入り始める。建物(大きな岩)は分割され、建物がユニット化する。これは二階もバルコニーも同様に考える。この三つの層を重ねる。(一階・二階・バルコニー)

流源 diagram

流汀 diagram

(汀:陸地と水面の境の意。ここでは、敷地内と外部の境の意。 )

人が流れるきっかけとなる空間を作る。これは人がこの一つ一つ違うカタチの建物によって、流れが留まる

初めに塀を設ける。しかし、周りとの繋がりは消える。閉鎖的に逆戻り。次の段階で塀と塀の間にスペース

分の「好き」を表現できる。空間はガラス張りであり、そして縁側が飛び出している。

素材はコンクリート。

ことを意味し、また話の源を作る意味を込めて「流源」と名付ける。 (青色の部分) 「流源」という空間は自

外部の人はこの空間を見て、相手の好きを知る。そして、縁側に座り、会話を広げていくそんな些細なこと からコミュニティを広げていく。人が流れやすくなったが、住民のプライバシーが脅かされる。

を空ける。形に変化を加え、植栽も加える。人々は開放感が出て、流れがまた生まれ始める。しかし、塀の そんな無機質な素材が人との距離を作ってしまう。最終段階で、塀の種類を木造ルーバーに変える。見え隠 れする曖昧な境界が生まれる。境界としての意味を込め「流汀」と名付ける。それを敷地のあらゆる場所に 配置する。これにより、敷地内外を通じ、人の立ち位置によって異なる空間グラデーションが生じる。

a192014@st.nagaoka-id.ac.jp /Shion Sakurai Architecture student

49


volume modeling

a192014@st.nagaoka-id.ac.jp /Shion Sakurai Architecture student

50


流源 流源

流源

生活空間

生活空間

生活空間 流源

バルコニー

流源 生活空間 流源

生活空間

流源

生活空間

流源

生活空間

生活空間 生活空間 流源

生活空間

流源 流源

流源

配置図・一階平面図 S = 1/300

二階平面図 S = 1/300

a192014@st.nagaoka-id.ac.jp /Shion Sakurai Architecture student

51


2 階生活空間

バルコニー

生活空間

流源

A-A` 断面図 S = 1/100

a192014@st.nagaoka-id.ac.jp /Shion Sakurai Architecture student

52


a192014@st.nagaoka-id.ac.jp /Shion Sakurai Architecture student

53


課題文

2021 年 第七回 POLUS 学生・建築コンペ

「地球につながる新しい風景の街」 〇課題内容

地域に適した住まいの環境を構築してそこに暮らすこと。

それがもたらすライフスタイルは、自然でとても快適なもののように想像されますが、その一方で、定義や 解釈が常に問われ続ける課題でもあるでしょう。

地域といっても、さまざまな捉え方があり、ご近所さんから、近隣の町、県、地方、国、アジアへとその広 がりは地球にまで及びます。つまり「地域に適した住まい」の概念は、文化的背景や、環境的把握の広がり を多重的に捉えたものである必要があるでしょう。

環境についても、多くの解釈があります。自然環境に配慮した、いわゆるグリーン建築は、例えば、太陽電 池をとりつけたり、窓を二重化したり、住宅の気密性をあげたり、蓄電池とコンピュータを用いてエネルギー

をマネジメントして住宅を ZEH 化したりします。それらは、とても重要なことですが、そうした技術的要 素を並べただけでは広い意味で環境に配慮したことになりません。広い意味の環境には人的・社会的・文化 的な環境や地域のコンテクストも含まれるからです。

世界には、その地域の環境を広い意味で上手に読み取り、独自の建築様式と美しい風景を構築している事例 があります。豊かな地形の起伏に応じて立地する集落や、砂漠の中に突如オアシスのように現れる街、熱帯 雨林の湿気を避け高い柱で空中に持ち上げられた住宅などにそれをみることができます。こうした地域の環 境と有機的につながった新しい風景が現代の日本でも可能なのか考えて欲しい。 木造の住宅の集合によって、そのことをどのように形に落とし込んでいくのか。 みなさんのフレッシュなアイディアを期待しています。 EXAMINER 審査委員 〇作品条件 作品条件

内容: 「地球につながる新しい風景の街」のテーマに沿った作品 構造:木造

規模:7世帯程度の住宅

敷地:敷地は、関東地方の図のような環境にある区画です。

a192014@st.nagaoka-id.ac.jp /Shion Sakurai Architecture student

54


道側のシャッター開けて外と繋がろう。

集中したいからシャッター閉じよう。

庭を開放しよう。 会議は何時から?

シャッターが半開き。奥はどんな感じだろう。

開放すると広いね。

ここのシャッターは開けていい?。

一旦休憩。シャッター閉めてきた。ご飯食べよう。

となりの旦那さんどんな仕事してる?

自分の仕事を見てもらいたいな。 仕事の邪魔になるかな?シャッター閉めよう。

集合は共有の庭へ。キンモクセイが咲いた。

庭から声が聞こえる。

シャッタ

a192014@st.nagaoka-id.ac.jp /Shion Sakurai Architecture student

55


シャッタータウン

シャッターが閉じる音が聞こえてきた。もう夕方?

デ・シャットダウン 第八回 POLUS 学生・建築コンペ

「リモートスタイルハウス」

Rhinoceros 3D/Photoshop/illustrator/AutoCAD リモートワークは時の流れをあっという間に感じさせてしまう。通勤や決められた勤 務時間、休憩時間、昼休み等の時計によって構築

された区切りのある生活から、家で一日の大半を過ごし、ご飯は食べたい時に食べ、 夜遅くまで仕事を延ばしてしまう区切りの

ない生活へと変化した。このぼんやりとした時間間隔が日常の刺激や向上心を失わせ、 メリハリのない生活に直結させて

しまう。現在の体感的な時間の進み方で中では自分自身の時間の流れ方を掴む必要が ある。人々の生活の中で一つ

一つの行動に区切りをつけ、その行動をシャットダウンをする。その人に合った時間 今から会議だから静かにしてほしい。シャッター閉じよう。

間隔を創り出す

と共に、 「区切り」が集合することによって住民同士で時間を共有し合う空間を演出 する。

自分の作品を見てほしいな…開放しよう。

ターが開いた…仕事始めよう。

a192014@st.nagaoka-id.ac.jp /Shion Sakurai Architecture student

56


problem

時計によって構築された時間

目覚まし時計

時刻表

時給・タイムカード・残業

時刻表

家庭の時間

リモートワーク以前は会社への出勤等によっ て仕事と家庭との距離があった。しかし、リ モートワークが導入されたことで家庭と職場 の環境が一緒になってしまい集中力やメリハ リがなくなってしまう。その結果一日がすぐ に終わってしまう。

体感的に進んでいく時間 出勤時間までギリギリの睡眠

ウトウトしながら仕事・集中力散乱

仕事を間延び

shutter system

敷地内の住居を機能ごとに部屋を分け、その

聴覚

時間・空間の区切り 視覚

個室にシャッターを備え付ける。単なる防犯 としてではなく、シャッターを開けることで 空間としての機能を持ち、閉めることで空間 としての機能を失う。この集合住宅内では機

能ごとに分けた部屋を移動する際、シャッ

ターを開閉することで行動に区切りをつけ、 生活にメリハリを生み出す。また敷地内で誰 かがシャッターを閉めることで音が響き、 「も うこんな時間なのか。」と時間を認識し、自

分の仕事や休憩に区切りをつけるきっかけに bed room

walk space

living room

繋がる。

a192014@st.nagaoka-id.ac.jp /Shion Sakurai Architecture student

57


problem

各世帯によって、部屋の大きさ(数)、庭などと言っ た要望は変わってくる。各世帯が提示する資金や人 数によって、契約する場所を決めていく。契約する 場所の確認を住民同士で行うことで、コミュニティ 形成の土台を作る。世帯が変わるごとにこのシステ ムを繰り返す。

shutter system × work

×

×

life

×

work 生活空間(life) を 2 階フロアレベルに配置すること

Buffer zone shutter(ON/OFF)

life

〇 work

として利用。住民は土間空間のような自由性にある 使い方をすることができる。この空間を設けること によって、外部と住戸のバッファーとして、周辺の 住民との距離感を曖昧にする。また、この空間を中 心に住民同士の時間の共生を図る。

〇 pilotis

によって、1 階の空いた空間をピロティ空間(pilotis)

work

a192014@st.nagaoka-id.ac.jp /Shion Sakurai Architecture student

58


歩道

ピロティ空間の上は、生活空間となっている。 ダイニング、キッチン、トイレ、洗面脱衣所、浴室 が配置されている。 ②

部屋は機能ごとに分けられて配置されている。

①ピロティ(二階リビングルーム) ②寝室

道路

境界

③ウォークインクローゼット

④個室:ワークスペース

趣味部屋 子供部屋

シャッター

④ ④

通らない。

曲がりくねり、入り組む。 外部と内部を視線で区切る。

N

① ②

③ ④

の仕切り方で開放する

ことができる。

共有の庭。シャッター

道路境界線

ピロティ空間もシャッターで 仕切ることができるので、世帯

共有の庭。シャッターの仕切り方で開放することができる。

配置図兼一階平面図 1:200

④ ②

隣地境界線

② 歩道や道路からの視線は直線では

1

5

10のプライバシーを守ることができる。 20

a192014@st.nagaoka-id.ac.jp /Shion Sakurai Architecture student

59


課題文

2021 年 第八回 POLUS 学生・建築コンペ

「リモートスタイルハウス」 〇課題内容

・コロナ禍で住宅に求められる機能は増しています。自宅で過ごす時間が増え、リモートワークのためのス ペースを急ごしらえでしつらえた方も多いはず。

元来日本の住宅には多彩な機能や居場所がありましたが徐々に nLDK にモデル化され、ライフスタイルは変

容してきました。フォーマルな座敷とインフォーマルな茶の間で区分されていた居間のかまえ方は近代化を 経て消えてしまいました。フォーマルな座敷は社会との接点でもありました。そして土間のように日常の作 業だけでなく客人を向かい入れるプラスアルファのスペースも徐々に消えてしまってあまり見ることができ なくなりました。

リモートスタイルになり、これまでの住宅と街のあり方、ライフスタイルを見直す機会が訪れています。前 近代の住宅にはあった社会との接点、プラスアルファの空間は実はリモートスタイルには都合が良い側面が あるかもしれません。しかし伝統的な住まいの形や街の姿に単純に戻るわけにはいきません。

そこでインターネット時代の現代ならではの住宅と街の新たなあり方、住宅地のコミュニティスペースや住 宅どうしの関係、ポストコロナを見据えた新しい集合の仕方について考えてみましょう。新しい時代にふさ わしい住宅と街のあり方について提案してください。みなさんのフレッシュで斬新なアイディアを期待して います。

a192014@st.nagaoka-id.ac.jp /Shion Sakurai Architecture student

60


a192014@st.nagaoka-id.ac.jp /Shion Sakurai Architecture student

61


Turn static files into dynamic content formats.

Create a flipbook
Issuu converts static files into: digital portfolios, online yearbooks, online catalogs, digital photo albums and more. Sign up and create your flipbook.