Paramayu japanese july issue by Jiva Group

Vol 2, 7号, 2013年7月

生活習慣病自分のなかに治療法をさぐる

肥満蔓延する現代病

痩⾝法アーユルヴェーダのちから

⾷事糖尿病管理に不可欠な要素

⽣活習慣病アーユルヴェーダの⾒方

6ドル

44 ⽣活習慣病

61.

自分のなかに治療法をさぐる

バターミルク

47 ムーリー・ラップス

天然のプロバイオティックス

栄養豊かでおいしいムーリーラップス。カロテンとビタミンAをたっぷり摂れるのもうれしいレシピです。

21. The Key to Peace and Good Health 24. Eye Care for the Apple of Your Eyes 27. Buttermilk - A natural probiotic 31. Identifying lifestyle diseases through astrology 34. Diet - An important factor in managing diabetes

48 ⽣活習慣病アーユルヴェーダの⾒方

55. 高血圧ケーススタディー

57. 心の平和と健康の秘訣 63. 痩⾝法アーユルヴェーダのちから

38. Garlic - The Wonder Drug

51 ヨガ

40. Mooli Wraps - A Healthy Snack

それは生き方

66. ⾷事糖尿病管理に不可欠な要素

68. ⾃宅でできる⾜マッサージ

41. Doctor Dadi - Hypertension

53 肥満蔓延する現代病

69. ドクター・グラニー

Ravi Chhetri

Dr. Sapna Bhargava, Meenakshi Singh, Dr. Kaumudi Bhardwaj

Madhur Sahu

萩島由紀⼦⽥尻じゅんこ千葉和江横⼭聖⼦佐野友美⼩泉絵利⽥中涼⼦鈴⽊友⼦橋本望文分千恵（翻訳責任） Contact: 044-430-5072; info@jivajapan.jp

⽣活習慣病自分のなかに治療法をさぐる

知っていますか？アーマの蓄積

 ⼼臓病、脳卒中、がん、慢性呼

吸器疾患、糖尿病などの非伝染性疾患が世界の死因の上位を占めている。  2008年の世界全体の死亡者数

5700万⼈のうち3600万⼈は非伝染性疾患による死亡だった。

今日、生活習慣病は世界中に蔓延しています。本稿では、どうやって簡単に治療法をみつけられるかについて焦点を当てます。カギは内なる知恵を働かせることです。

ヴァータの増悪

トリートメントアーユルヴェーダの⾼⾎圧治療は、⾼⾎圧の根本原因をみつけ、それによる症状を取り除

 2008年の中低所得国における非

伝染性疾患による死亡者数の 29％は60歳未満だった。  若年性の⼼臓病、脳卒中、糖尿

病の80％は予防可能である。

くハーブを処方することが基本です。そのための取り組みとして、第一に消化力を改善し、消化の火を⾼めることが不可欠です。第二に、⼼臓部のチャネルに蓄積している毒素を取り除かなければなりません。第三に、瞑想、ヨガ、呼吸法などの⼼をリラックスさせるテクニックを使って、⼼を静かに安定させること

世

界保健機関（WHO）は、世界的に

も大切です。

生活習慣病が急増していることを⽰

す愕然とする統計を発表しています。しかし統計をよくみると、希望がないわけではありません。若年性の⼼臓病、脳卒中、糖尿病の80％は予防が可能なのです。三大生活習慣病と⾔われる⾼⾎圧、肥満、糖尿病の原因をアーユルヴェーダの観点から分析し、治療法を見ていきましょう。

高血圧⾼⾎圧（アーユルヴェーダではrakta gata vataと呼ばれます）とは、⼼臓から送り出された⾎液が動脈の内壁を押す力が正常範囲値より⾼い状態を指します。つねに最⾼⾎圧が120mmHg以上（注：日本では140

肥満肥満は体脂肪の過剰蓄積によるものです。摂取カロリーが消費カロリーを上回る状態が続くと、カロリーの余剰分が脂肪として蓄積され、肥満につながります。

肥満の原因  過⾷。摂取カロリーが消費カロリーを上回る  ジャンクフードや栄養価のない⾷べ物の⾷べ過ぎ  運動不⾜  アルコールの飲み過ぎ  消化力の低下

mmHg以上とされています）、最低⾎圧が 80 mmHg以上の場合、⾼⾎圧と診断されます。

高血圧の原因

脂肪組織の増加カファの増悪

 過剰喫煙  アルコールの過剰摂取  運動不⾜  肥満  ストレス

44-Paramayu - Jul 2013

Jul 2013 - Paramayu - 45

トリートメントアーユルヴェーダの肥満治療はカファ・ドーシャを鎮めることから始めます。その方法はカファを増やす⾷べ物を⾷事から排除することです。さらに、メドヴァヒ・スロータス（脂肪を運搬する体内チャネル）を浄化するハーブを処方し、過剰な脂肪を取り除きます。

座りっぱなしの⽣活習慣が糖尿病、高血圧、肥満、心臓疾患などの病気の温床となっている

糖尿病糖尿病は慢性代謝疾患です。体がグルコー

⽣活習慣を変える時

スを適切に利用することができなくなる結

アーユルヴェーダによる健康とは、消化の火

果、⾎糖値が異常に上昇します。

（ジャタラグニ）のバランスがとれ、ドーシャが均衡し、3つの老廃物（尿、便、汗）が正常レベ

糖尿病の原因  揚げ物、クリームなど消化しにくい⾷べ物の⾷べ過ぎ  運動不⾜  睡眠不⾜  過⾷による肥満  ストレス、緊張

ムーリー・ラップス

ルでつくられてバランスがとれており、感覚器官が正常に機能し、体・⼼・意識が調和して一体として働いている状態を⾔います。こうしたシステムのどれかのバランスが崩れると、病気のプロセ

栄養豊かでおいしいムーリーラップス。カロテンとビタミンAをたっぷり摂れるのもうれしいレシピです。

スが始まります。⼿作業が機械に置き換わるにつれ、体を動かす機会が減り、それがさまざまな病気を引き起こす一

ヴァータの増悪

ダートゥの悪化

コマル・カラムチャンダニ

因になっています。座りっぱなしの生活習慣が糖尿病、⾼⾎圧、肥満、⼼臓疾患などの病気の温床となっています。

材料

作り方

フィリング用材料

1.大根おろしはしっかり⽔分を絞

 ニンジン粗みじん切り1/2カップ

る。ロティの材料をすべてボール

 サヤインゲン粗みじん切り 1/2

に⼊れ堅めに練る。6等分ないし

    

トリートメント



アーユルヴェーダの糖尿病治療は、生活習



慣を根本から変えることが基本です。投薬



や⾷事の改善に加えて、生き生きとした健

アーユルヴェーダは自己治癒力の科学と⾔われて

康な生活習慣を身につけることが大切です。

います。⼈間がもつ大きな潜在力や知恵を活かす

⾷事や生活習慣の改善によって体の細胞や

科学だからです。⼈間は体、⼼、魂からできてい

組織が若返えれば、インスリンが適切に分

ます。自己の内なる意識を最大限に使えば、健康

泌します。⼼の状態も糖尿病に影響します。

で、正しく、調和がとれ、満たされた⼈生を自然

したがって、アーユルヴェーダは脳の働き

に送ることができるようになります。そうすれば、

を正常に保つハーブも処方します。

生活習慣病を根治することができるのです。

46-Paramayu - Jul 2013

カップトマトざく切り 1/2カップタマネギ粗みじん切り 1/4カップしょうが・ガーリックペースト⼩さじ2 青唐辛⼦みじん切り 3-4本分ガラムマサラ大さじ1 ターメリックパウダー⼩さじ1 塩適宜オリーブオイル大さじ1

包むためのロティ

 全粒粉の⼩⻨粉 3カップ  大根おろし 1カップ  アジュワン（キャロムシード）⼩さじ1  オリーブオイル大さじ1  塩適宜 * 上記の材料で6-8枚分になります。

8等分に分け、⼩さなボール状にまるめ、麺棒で伸ばす。フライパンで焼いて薄いパリっとしたロティを作る。 2.鍋でオイルを熱し、しょうが・ガーリックペーストを加える。そこにタマネギを⼊れ、薄いピンク色になるまで炒める。さらにトマト、ニンジン、サヤインゲンを加え、ガラムマサラも⼊れて、弱火で10分程炒める。 3.1枚のロティに上記の具材を大さじ1-2杯のせて巻く。熱いうちに召し上がれ。ムーリー・ラップスは栄養価が⾼く、美味しいレシピです。ニンジ

ンは甘味と苦味の野菜で、効力は温性。3つのドーシャ全てのバランスを整えます。ニンジンは抗酸化作用が強く、ビタミンと⾷物繊維を多く含んでいます。カロテンとビタミン Aの含有量は他を抜きんでています。ムーリー（大根）の質は軽く、3つのドーシャすべてを整えます。消化の火を⾼め、消化を促進します。大根は肝臓によい野菜です。抗炎症作用がある低カロリーの根菜です。新鮮な大根はビタミンC を豊富に含んでいます。サヤインゲンの質は重く乾いていて、味は渋味と甘味です。ヴァータとピッタを増やします。豆類にはコレステロールを下げる効果があり、⼼臓を良い状態に保ちます。また、マグネシウムと葉酸を豊富に含んでおり、末梢⾎管疾患や⼼臓発作を防ぐ効果があります。スパイス類は消化を促進します。この優れたレシピはおなかを満たし、豊かな栄養を与えてくれます。 Jul 2013 - Paramayu - 47

⾃然にしたがって⽣きる

今

日、自然に反した間違った生活習

慣に大きく起因する病気が急増し

ています。いわゆる生活習慣病です。糖尿病、肥満、⾼⾎圧、⼼臓病、⾼コレステロール、不眠、倦怠感などの病気は、だれにでも見られる珍しくない病気になっています。

生活習慣病は伝染病のように世界中に広がっています。間違った食事と生活習慣が最大の原因です。

アーユルヴェーダの主な目的は健康の維持と病気の治療にあります。この目的のために生活習慣のガイドラインがあります。毎日の行いのルール（ディナチャルヤ）、季節ごとの養生法（リトゥチャルヤ）、若返り法（ラサ―ヤナ）、行いの規範（アーチャル・ラサーヤナ）です。アーユルヴェーダは、自分の体質を理解し、体質に則った生活を送ること、そのために基本原則に従うことが大切と考えています。一⼈一⼈の体質、年齢、

世界保健機関（WHO）は、死亡原因に占

性別、病気のタイプに合った、パーソナル治療を

める生活習慣病の割合は2015年までに倍

施すのがアーユルヴェーダなのです。

増すると試算しています。各国政府は生活習慣病に取り組むための施策を打ち出して

自分の性質や体質に従わない生活を送っていると、

いますが、目立った成果は上がっていませ

⼼と体のドーシャのバランスが大きく崩れ、病気

ん。これに対してアーユルヴェーダには希

を引き起こします。これが世界中で生活習慣病が

望があります。生活習慣病を予防し治癒す

急増している原因です。ガソリン⾞にヂーゼルオ

る役割が期待されています。

イルを⼊れてはいけないように、体にも自分に適

ジャンクフードと自然に反した環境でつくられた食べ物を避ける。

さない⾷べ物を⾷べたり、間違った生活習慣を取り⼊れてはいけないのです。いずれ体内のシステムが壊れてしまいます。体はすばらしく精緻な機械です。正しい⾷べ物、正しい睡眠習慣、適切な運動、ある程度の娯楽やリラクゼーションがあって初めて最適に機能するのです。

間違った⾷事例を挙げてみましょう。体の約70％は⽔でできています。この割合を維持するためには約2リットルの⽔を飲む必要があります。しかし、多くの⼈は紅茶、コーヒー、冷たい飲料、アルコールなど

紅茶、コーヒー、冷たい飲料、アルコールの代わりに水を 2リットルくらい飲む。

で⽔の摂取不⾜を補おうとします。その結果、体のなかで健康に反するアンバランスが生じます。さらに、⼈工的な環境でつくられたジャンクフードの摂取が常態化しています。こうした自然に反する⾷習慣はさまざまな病気に引き金になります。

⽣活習慣病アーユルヴェーダの⾒方ドクター・パルタップ・チョハン 48-Paramayu - Jul 2013

間違った⽣活習慣⼈間の体は毎日の運動と6-8時間の睡眠を必要としています。しかし今日では、定期的に運動をせず、⼗分な睡眠をとらない⼈が増えています。遅くまで起きており、コンピュータースクリーンやテレビで何時間も目を酷使し、エアコンの環境下で終日を過ごすのが現代のライフスタイルです。しかも携帯電話やスマホを⽚時も離さず使っているため、⼼がリラックスできず、集中力も低下していきます。アーユルヴェーダからすれば、これは間違った⾷事（mithya aahar）と間違った生活

6-8時間の睡眠が必要。夜更かしやテレビの見すぎは健康を損なう。

Jul 2013 - Paramayu - 49

ストレス、ねたみ、嫌悪、貪欲、強欲、所有欲、悲観などは悪癖のごとく心をつかみ、結果的に⽣活習慣病を招く。定期的なヨガ、瞑想、正しい⾷事・⽣活習慣は⽣活習慣病を⽔際で防ぐ。

ヨガそれは生き方アールティ・ランチョッドヨガという単語を聞いたときに大抵の⼈が最初に思いつくことは、とても出来そうにない複雑で奇妙なポーズといったことでしょう。とてつもなく柔軟な体、集中力を要するポーズ、真⾯目で鍛錬している熱⼼な⼈々・・・これらはヨガ実践者に対するイメージです。こういったイメージによって、ヨガは厳しい鍛錬であり、喜びや楽しみはないと思われています。しかし、これは大きな間違いです。実際には、ヨガを実践することは体、⼼、感情を快活にし、喜びに満たしてくれるのです。

習慣（mithya vihar）の例です。健康を損なう二大原因なのです。

アーユルヴェーダの役割

体内に蓄積した危険な毒素を排泄し、体を最適に機能させるようにするための療法です。その結果、生活習慣病を⽔際で防ぐことができるのです。

アーユルヴェーダは⾧い年月を経た健康科学です。その効果的で正確な病気の診断と治療は、生活習慣病の予防と治療に大きな役割を果たすことができます。アーユルヴェーダには、朝起きてから夜寝るまでの毎日の生活をいかに送るべきかについて詳細なガイドラインがあります。実践的なルールに従うことの大切さを述べるとともに、そのための気構えをどうやって維持するかについても述べています。ガイドラインに従うことによって、仕事においても社会生活においても生産性を⾼めることができるのです。こうしたガイドラインは、アーユルヴェーダではディナチャルヤ、ラトリチャルヤ、リトゥチャルヤと呼ばれます。

体に加えて、⼼も病気を生み出す源と考えられています。メンタルストレス、ねたみ、嫌悪、貪欲、強欲、所有欲、悲観などのネガティブな感情も生活習慣病を引き起こします。⼼を健康に保つために、アーユルヴェーダはサトヴィック（純粋）な⾷べ物、生活習慣、思考を勧めています。ヨガ、呼吸法（プラーナヤーマ）、瞑想を定期的に行うことも、⼼を健康かつ純粋にし、バランスのとれた自然の状態に保つ方法です。

シンプルなルールに従うだけでさまざまな危険な生活習慣病から身を守ることができます。先に述べたガイドラインに加えて、パンチャカルマなどのアーユルヴェーダ療法も行いましょう。これは⾞の定期検査に似ています。

アーユルヴェーダは生活習慣病を根元から断つことができます。健康な体、静かでバランスのとれた⼼、進化する魂、純化した感覚器官という観点でみて全⼈的な健康を与えてくれる科学は、アーユルヴェーダ以外にはないと考えています。

50-Paramayu - Jul 2013

実際のところ、乱れてバランスを崩した⼼が生活習慣病の発症に大きくかかわっています。⼼がアンバランスな状態になると、健康によくない⾷べ物や生活スタイルを選択しがちになるからです。健康と幸福を得るためには、日常生活のなかで知恵と優れた判断力が非常に重要なのです。

残念なことに、テンポの速い現代においては、ヨガも商業化されてきています。多くの⼈々が浅薄な理由でヨガを始め、ヨガの本当の目的や価値、本質を理解できぬまま形だけ真似ています。

アールティ・ランチョッドさんはヨハネスブルグ市にあるアートオブリビングにてシュリシュリヨガを教えている。本稿ではヨガに対する思い込みを払拭し、ヨガとアーユルヴェーダの関連について語っている。 Jul 2013 - Paramayu - 51

ヨガとは、エクササイズや変わったポーズをとることではなく、生き方だ。

ヨガとは、エクササイズや変わったポーズをとることではなく、本来は「生き方」なのです。ヨガは、永続する本物の調和を⼼身にもたらしてくれる唯一の⼿段です。ヨガを構成している基礎的なこと全て ― ポーズ、呼吸法（プラーナヤーマ）、深い休息（ヨガニドラ）、瞑想－はたった1つの目的のために行われます。最深部にある自分自身とつながることです。そして、自分自身とつながって初めて、澄み切った潜在能力の限界まで命を輝かせることができるのです。

S.V.トリパティ医師はアーユルヴェーダ医師として、インドの総合病院ムール・チャンド・メディシティのアーユルヴェーダ研究機関であるアーユルヴェディック・リサーチ・インスティチュートの所長を務めている。JIVAとの直接インタビューにおいて、アーユルヴェーダによる肥満治療について興味深い⾒識を提供してくれた。

平安、清浄、精神力

1. インドで最も評価の⾼い病院の一つで

ヨガの実修によって、より柔軟でより強い健康な体が得られることは当然ですが、もっと重要なことは、⼼をより強く柔軟にしてくれるということ、そして感情をより思いやり深く、かつ情け深くしてくれるということです。自己の内部の強さや平安を得ることができれば、より良い巧みな方法で自分自身、周りの⼈々、そして環境とつながることができるでしょう。「⼈は⾷べたとおり者になる」という⾔葉は聞いたことがあると思います。過去数年における私自身のヨガの経験から、私は「⼈は考えたとおりの者なる」ことを一層確信するようになりました。思考を清浄にすることで、行動や⾔葉が清浄になるのです。

アーユルヴェーダ医療スペシャリストと

ヨガの実修を真正かつ誠実な方法で行えば、体だけではなく、⼼や感情も浄化し清めることができます。⼼が清浄で澄んでいて、機敏で、集中力があり、自覚があり、幸福であるとき、これが⾔動に反映されないことがあるでしょうか？間違いなく⾔動にプラスの影響を与えるでしょう。⾔葉や行動は思考に従うのですから。結果として、礼儀正しく、誠実で、正しい⾔動になってきます。私がお伝えしたいことは、ヨガは生き方そのものだということです。ヨガは⼈間の存在そのものを清めてくれるのです。

ヨガとアーユルヴェーダヨガとアーユルヴェーダは学問上の姉妹のようなものです。⽚方がないと、もう⽚方も存在することができません。お互いに補完しあっています。両方が必要であり、健康で幸せな⼈生を送るために不可欠な一翼を担っています。ヨガとアーユルヴェーダは自分自身と深くつながることを可能にしてくれます。自己とのつながりこそが⼈生の究極の目的なのです。自分の存在が純粋で明るく、無垢である時に限り、深い瞑想や深い信⼼を実現することができます。それが自己の内部や周囲の⼈々にポジティブな波動をもたらします。これは今日の世界がまさに必要としていることです。一⼈一⼈が自分自身の健康に気をつけるようになれば、犯罪やストレスのない世界が実現するでしょう。一⼈一⼈の力で病気や犯罪、ストレスのない世界を作ることができます。自分の思考や⾔動が周囲の⼈々や事柄に影響を及ぼすからです。ヨガとアーユルヴェーダをライフスタイルの不可欠な一部にすることによって、この世界をより健全で幸福なものにするために働きかけることができるのです。

52-Paramayu - Jul 2013

Dr S.V.トリパティ

して20年以上従事してきたトリパティ先生にとって、肥満の症例と関わってこられた経験はどういったものでしたか？肥満はサイレントキラーであり、⼦供、⼗代の若者、成⼈、老⼈に急速に広まっています。肥満の主な要因は誤った⾷生活、ジャンクフード、保存処理された加工⾷品の過度の消費、油分の多い揚げ物などの過剰な摂取によるものです。私は、肥満は座りがちな生活をしていたり、夜更かしの習慣がある⼈に起こることに気づきました。自分の体温より低い環境に依存している⼈々、例えば冷房の効いた部屋で⾧時間過ごす⼈が肥満になりやすいという興味深い調査結果もあります。

2. 今日、肥満は増加傾向にあると思いますか？その原因は何だと思われますか？はい。今日、特に都市部において今までにないほど肥満は増加しています。遺伝的要因の

肥満蔓延する現代病 Jul 2013 - Paramayu - 53

ケースもありますが、ほとんどの原因は私たちの体の中にある13タイプのアグニ（消化の火）が正常に機能していないことにあります。アグニについてはアーユルヴェーダの古典で細かく説明されています。繰り返しますが、主な原因は誤った⾷生活と生活習慣です。

3. アーユルヴェーダの考えに基づいた肥満治療の成功率はどれくらいでしょうか？私の20年以上にわたるアーユルヴェーダの実践と研究の経験では、アーユルヴェーダを通じた肥満治療の可能性は非常に⾼いと思います。遺伝性の肥満患者でさえ、アーユルヴェーダの薬や指⽰によって体重が減ったり、何キロもぜい肉を落としています。また、ホルモンのバランスを崩したり、誤った⾷生活をしている⼈にもアーユルヴェーダは非常に有益で、パンチャカルマや生薬で標準体重への減量に成功しています。これは体の中にあるすべてのタイプのアグニのバランスを取ることに成功したからです。しかし、成功率は患者がどれほど指⽰に従ったかによります。もし患者が指⽰にまじめに従わなければ、求める結果は得られないでしょう。

4. どうしたら肥満の増加を⾷い⽌められると思われますか？肥満が⼿のつけれられない問題になる前に、草の根レベルで先⼿を打つことです。根本からぎ、

親は子供が家庭や外で⾷べているものを把握しなければならない。

管理し、根絶するためにいくつかの⼿段があります。 - 第8学年の児童から健康な⾷生活について教育します。また、アーユルヴェーダのセミナーやワークショップ、トレーニングキャンプを学校、大学、政府機関、企業、職場で指導することによって関⼼を持ってもらいます。 - 活動的なライフスタイルやヨガ、朝のウォーキングといった軽い運動を定期的に行うように促します。 - 健康的な⾷生活、正しい生活スタイル、アーユルヴェーダの生活ガイドラインなどがもたらす利点について教育制度に組み込んで啓蒙すべきです。

5. アーユルヴェーダを通してどのように⼦供の肥満の増加を防ぐことができるでしょうか？⼦供の肥満を⾷い⽌めるための先⼿は家庭で始めるべきです。親は⼦供が家や外で何を⾷べているのかを把握しなければなりません。親は⼦供が⼩さいうちから健康的な⾷生活を教え込む責任を負っています。5歳までの⼦供には、卵、カード（ヨーグルト）、炭酸飲料、油分の多い物、揚げ物、ジャンクフード、調理済み⾷品、缶詰などを与えてはいけません。 6. アーユルヴェーダはインドで急速に広まりつつあるとお考えですか？現代の医療や治療方法と同等になるために取るべき次の段階は何でしょうか？はい、インド⼈はこの国で5千年以上にもわたって受け継がれてきたこの伝統的な医療の価値をやっと認識したと思います。アーユルヴェーダは自然で全⼈的な科学であり、⼈間のあらゆる⾯を考慮します。アーユルヴェーダは、⼈それぞれ特有の体質や性質があることを考慮し、各個⼈に合わせる治療システムです。インド政府は、広く認められた治療体系としてのアーユルヴェーダを、州立健康センター、診療所、クリニックなどにもっと優先的に取り⼊れるべきです。アーユルヴェーダ医療を標準化するための臨床エビデンスや調査も必要です。最後になりますが、新しい世代のニーズにあったアーユルヴェディックな治療法やコンセプトの変⾰が求められています。個⼈的には、アーユルヴェーダがインドのヘルスケアの主流の一⾓を占める日もそう遠くないと思っています。

54-Paramayu - Jul 2013

高血圧ケーススタディーロ

イト・ジェイン（35歳）は時間とエネルギーの多くを⾐料品販売事業に注ぎこむニューデリーのビジネスマンで、2⼈の⼦供の明るい将来を期待する父親でもありました。3年前から慢性の頭痛に悩むようになりました。とくに起きがけに後頭部が強く痛み、さらに軽い動悸にも見舞われました。つねに不安を感じ、すぐにイライラするようになりました。ゆっくりとながらストレスの多い生活が彼の健康を阻むようになりました。疲れやすくなり、よく眠れないようになりました。

彼が初めて病院にかかったとき、最⾼⾎圧は160 mmHg、最低⾎圧は 100 mmHgもありました。正常範

囲を大幅に上回っていたのです。3年間処方薬を飲みましたが、⾎圧が正常に戻ることはありませんでした。薬による副作用が出始めたこともあって、⻄洋医学以外の道を探り、ファリダバドにあるジヴァ・アーユルヴェーダのコールセンターに相談電話をしたのです。そのときの⾎圧は依然として上が160 mmHg、下は 100 mmHgのままでした。

ジヴァの治療プラン 1回目の電話相談のとき、担当したジヴァのアーユルヴェーダ医師は生活習慣と⾷事を変えるようにアドバイスしました。まだ⻄洋医学の薬を飲んでおり、ジヴァの担当医はアルジュナティーを処方しました。

高血圧はどうして起きるか？アーユルヴェーダの見方今日の⾼⾎圧の主因は不健康な⾷事と座りっぱなしの生活スタイルです。現代の⾷べ物は消化に悪いものばかりです。消化の低下はアーマを蓄積させ、それが⾼⾎圧を招きます。

不健康な⾷事

毒素が⼼臓部に蓄積する

消化力の低下＝アーマ

アーマ＋栄養液＝サーマ⾎液を重くねばねばにする

⾎管壁に圧力がかかり⾎圧が上昇する

動脈を狭める

Jul 2013 - Paramayu - 55

2か月後、ロイトはコールセンターに2回目の

ケースファイル

電話をしました。⾎圧はすでに最⾼が 140mmHg、最低が96 mmHgに下がっていました。担当医による⾷事と生活習慣の指⽰

患者プロファイル

を厳格に守り、アルジュナティーを指⽰どお

ロイト・ジェイン、35歳、ビジネスマン

力し合わなければ、体内の悪性細胞のように混乱や

⼈間の体の細胞も互いにつながっていま

混沌、対立など、いわば社会の病気をもたらすこと

す。細胞は体の機能が正常に働くよう相互作用し

り飲んだからです。しかし改善の余地はまだありました。

宇

宙が互いに密接につながっているように、

ています。他の細胞と協調しない細胞は悪性細胞と呼ばれ、病気を引き起こし、しまいには体の機

主訴

能を破壊します。

3年間、⾼⾎圧、疲労、不安感に見舞われ 2回目の電話でジヴァの担当医はArjuna churna、Avipatikar churna、 Gokshuradi

同様にわたしたちは、社会の一員として、そして宇宙の生命体の一部として、社会がスムーズに機能するよう互いに協力し合う必要があります。協

ている。

churna、Mutrapravartak churna、 Jiva

治療

Equiline tab、Sutshekhar rasなどのアーユル

消化の火を立て直し、ヴァータを鎮める

ヴェーダ薬を処方しました。

ハーブ、浄化ハーブ、緊張をとくハーブ、

治療内容は、⾼⾎圧の根本原因をみつけ、そ

体力を強化するハーブを処方

の原因を根絶するハーブを処方することに主眼がおかれました。第一に、患者の消化の火を強めて消化を改善するためのハーブが処方

⾷事と運動のアドバイス⾷事を断ち、塩分を抑える。運動をし、⼼

積した毒素（アーマ）を取り除く試みも行い

のリラクゼーションや瞑想に努める。

⼼をリラックスされることもアドバイスしました。

結果⾎圧は6か月で正常値に低下。

3回目にコールセンターに電話したときには、ロイトの⾎圧は最⾼が130 mmHg、最低が85 mmHgまで下がっていました。彼の⼼に安⼼感が広がり、元気が戻ってきました。

結果治療を始めてから6か月後に再びコールセンターに電話をかけてきたときには、⾎圧は上が 120mmHg 、下が80 mmHgと正常値に改善していました。慢性頭痛、⾸のコリ、動悸からも解放されました。以前はつねに不安感と恐怖感に見舞われ、慢性的な疲労感があったのです。アーユルヴェーダの治療を始めてから6か月後、まるで生まれ変わったように体が軽く元気になり、リラックスできるようになりました。新しい生命の息吹を与えてくれたジヴァに感謝の⾔葉を述べました。

56-Paramayu - Jul 2013

アーユルヴェーダでは、正しいライフスタイルが良好な健康状態を保つ秘訣とされています。つまり自分の体質を理解し、それに合ったライフスタイルのバランスを保ちつつ、体のエネルギーのバランスを整えることです。これを怠るとさまざまな病気が発生するようになります。

心の平和と健康の秘訣

肉、卵、ピクルス、紅茶、コーヒー、辛い

されました。第二に、⼼臓部のチャネルに蓄ました。医師は、瞑想、ヨガ、呼吸法などで

になります。

患者の⾔葉

⽣活の基本原則に逆らうことが⽣活習慣病の原因 -Dr サトヤナラヤン・ダサ

「⻄洋医学の薬を3年間服用した結果、⾼⾎圧がもたらす症状しか緩和できないことに気がつきました。ジヴァのコールセンターに電話したのは正しい選択だったと思います。アーユルヴェーダの治療を始めて6か月たった今、⾎圧は正常値に戻りました」

ロイト・ジェイン

Jul 2013 - Paramayu - 57

現代⼈は、アーユルヴェーダが述べている健康の基本原則に関して知識も意識も欠如している。明らかに自然の法則に反して働き、⾷事やライフスタイルは不規則だ。

現代⼈は、アーユルヴェーダが述べている健康の基本原則に関して知識も意識も欠如しています。明らかに自然の法則に反して働き、⾷事やライフスタイルは不規則です。つまらないことに不安を持ち、すぐに理性を失い、忍耐のなさが生活態度に表れています。平静や平常⼼、我慢強さといった、困難な状況に直⾯したときに力を与えてくれる美徳を失い、完全に間違った姿勢で⼈生に臨んでいます。そして怒り、苛立ち、ストレスに徐々に生命力を奪われる結果となるのです。

これを社会に当てはめてみると、ライフスタイ

です。どんな誘惑やしゃくに触ることがあろうとも、ど

ルに関する特定の指針（ダルマ）に従うことが

んな状況下にいようとも、正しいことを行うことが⼼、

秩序と調和につながり、その指針から外れるこ

体、スピリチュアル⾯で幸福につながるのだと信じる世

とが生活に不調をもたらすことになります。さ

代をつくることができるのは教育と訓練だけなのです。

らに重要なことは、これらの指針が役に立つのは、自分の意思によって指針を守っていく場合に限られます。さもなければ、いくら決まり事を作ったとしてもさらなる混乱と失敗を招くだけでしょう。同様に、正しいライフスタイル、⾷事、生活態度以外に、健康への近道はありません。具合が悪くなったときだけ薬を飲んで習慣を改めても、それは一時的な対策でしかありません。健康の基本原則を守ってこそ、良好な健康状態を保つことができるのです。

れに従うことに同意して交通がスムーズに流れます。も

病気の原因といえば病原菌やウイルスだったのです。しかし現代では⾼⾎圧、糖尿病、肥満、⼼臓病、肝臓病といった生活習慣病が急増しています。しかし、一体どうすれば⼈々に自発的に基本原則に従うよう教えることができるでしょうか？答えは、これらの行動基準に対

たち自身です。

本原則に従わなければ病気につながります。例えば、カファのアンバランスに起因している病気を患っているときはカファを増やす⾷品は避けるべきなのですが、冷たくて脂っこいもの、つまりカファを増やす⾷べ物をやめられないでいると完治は難しくなります。たとえ薬をきちんと飲んでいるとしても、そのような⾷生活は自然のしているからです。

基本原則に従って生きていて、

則に従うことによる果実を家庭と社会の平和、

周りの⼈間をも危険にさらします。健康も同じです。基

まされていたでしょうか？何⼗

んでした。⼈々は生活と健康の

に苦しむのはわたしたち自身です。同様に、原

し規則に同意せず無視する者がいると、当⼈だけでなく

法則（アーユルヴェーダ）に反

う⾔葉はあまり知られていませ

わたしたちの最大の利益です。原則に従わず病

幸福そして健康という形で享受するのもわたし社会には交通規則があり、⾞を運転するときは誰もがそ

昔の⼈々はこのような問題に悩年か前までは、生活習慣病とい

アーユルヴェーダのこの基本原則を守ることは

⼈々が生活と健康の基本原則に従って生きていた昔は、生活習慣病という⾔葉はあまり知られていなかった。

この例からわかるように、「チャラカ・サンヒター」をはじめとするヴェーダ文献に詳しく記載されているような、生活と健康の基本原則に関して教育を受けていなければ、どんなに有益な原則であろうとも、それを知る由もなく、よって従うこともできません。基本原則を全く知らないことが、結果的に⼼と体の病気の原因となり、ひいては社会にも不調をもたらすのです。

する意識を創る教育を行うこと

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日々のバターミルクは、毒素の排泄、肌の改善、脂肪蓄積の予防につながる。⾎液を浄化し、のどの渇きを癒してくれる。

バターミルク天然のプロバイオティックスアーユルヴェーダによると、バターミルクは夏の万能薬としての働きをしています。ヨーグルトを⽔と撹拌して固形化した油脂分を取り除いて残った液体がバターミルクです。バターミルクは、容器⼊り飲料ではありえないほどの低カロリー・低糖です。

バターミルクを日々飲むと、毒素を排泄し、美容にプラスに働き、体を滋養し、肌の色つやを改善し、脂肪の蓄積を防ぎ、⾎液を浄化し、過剰なのどの渇きを防ぐというさまざまな効果があります。また、消化に関連した不調、痔、過敏性腸症候群、消化不良、便秘、黄疸などの疾患にも効果があります。 Jul 2013 - Paramayu - 61

バターミルクの作り方材料       

ヨーグルト１カップ⽔３カップハチミツまたは粉砂糖（適宜）黒こしょうパウダー⼩さじ1/4 ジンジャーパウダー⼩さじ1/4 生しょうがみじん切り⼩さじ1/4 コリアンダーの葉みじん切り⼩さじ 1/4

 炒ったクミンシード⼩さじ1/4  岩塩適宜

バターミルクは消化器系の優れた強壮ドリンク。

作り方

アーユルヴェーダに基づいた薬の処方、適用、治療法について述べている古典書「ヨーガ・ラトナーカラ」には、バターミルクはヴァータ・ドーシャとピッタ・ドーシャを鎮静するものと書かれています。

ミキサーでヨーグルトと⽔を混ぜます。よく混ざった液体の表⾯に浮いた油層を取り除いて、黒こしょう、炒ったクミンシード、ジンジャーパウダーを加えます。ハチミツまたは粉砂糖を加えて甘みをつけます。好みでハーブ類を加え、風味とさらなる治癒効果を⾜してもよいでしょう。

アーユルヴェーダでは、朝に⽔を飲み、昼⾷後にバターミルクを飲み、夜寝る前にミルクを飲む⼈は健康を得ることができるとされています。バターミルクは⾧寿をもたらす飲み物と考えられています。乳酸菌の一つであるラクトバチルス・アシドフィルスを含んでいるからです。この乳酸菌は、⼈が生まれてから自然に腸内に持っている善玉菌が増えるのを助け、病気に対する抵抗力を⾼めます。このことは、ロシアの医学者であるイリヤ・メチニコフが、⾧寿についての膨大な調査研究をもとに記した「⾧寿の研究」の中に⽰されています。バターミルクを常飲すると、いつまでも若さを保つことができると⾔われています。柔らかくてきれいな動脈を保てるので、⼼臓の健康も持続します。⾎中コレステロールをコントロールする効果もあります。バターミルクはミルクから作られるので、カルシウムをたっぷり含んでいます。 100ミリリットルのバターミルクから、１日のカルシウム必要量の35％を摂取することができます。また多くのビタミンＢ群、たんぱく質、カリウム、リンを含有しています。バターミルクの乳酸は消化を助けます。またジャタラグニ（消化の火）を⾼めるため消化を促進します。 62-Paramayu - Jul 2013

バターミルクの効力は冷性と軽性です。のどの渇きと疲労を緩和し、ヴァータの増悪を鎮めます。また、消化器系の不調、吐き気、過剰な唾液、黄疸、糖尿病、痛み、ハンセン病、麻痺、むくみ、消化器内の寄生⾍などによる症状を軽減します。

バターミルクを使ったホームレメディー  ⽜乳のヨーグルトから作ったバターミルクに塩を加え

ないで飲むと、肌のつやが増します。  カファ・ドーシャが悪化している⼈は、バターミルク

にジンジャーパウダーとコショウを加えて飲みましょう。  消化不良、⾷欲不振、脱⽔、下痢、便秘の緩和には、

コップ１杯のバターミルクにクミンシードパウダー、黒こしょう、岩塩をそれぞれひとつまみ⼊れて午後に飲みましょう。  消化器系の不調には、バターミルクにクミンパウ

ダー、ジンジャーパウダー、塩を各⼩さじ1/6加えて飲みましょう。  痔には、毎⾷後、コップ１杯のバターミルクにニガウ

リ（ゴーヤ）⼩さじ2杯を加えたものを1か月間飲みましょう。

痩⾝法アーユルヴェーダのちから肥満あるいは体重増加はカファを減らすことでコントロールできる。体内の脂肪蓄積に関係しているのはカファ。活発なライフスタイルと、カファと反対の性質をもつ⾷品の摂取がポイント。

リ

ンキー・シンは40歳の主婦です。 2か月半前、ガージヤーバードにあるジヴァ・アーユルヴェーダクリニックを訪れました。その時、彼女は過度の肥満でした。身⾧176cmに対して体重は92kg、ウエストは100cmを超えていました。彼女の身体上のデータを見たチャトリヤ医師は、このケースを扱うのはむずかしいと思いました。リンキー自身は、現代医学で肥満を解消できなかったので、アーユルヴェーダで治るのか不安を感じていました。彼女のケースは、アーユルヴェーダで sthaula medovah またはsrotorodhと呼ばれる典型的な肥満でした。リンキーはさまざまな薬、運動、減量策を試しましたが、どれも失敗に終わっていました。肥満の根本原因がわからなかったからです。チャトリヤ医師は、彼女が確実に体重を減らせるよう、⾷事指導、投薬、ライフスタイルに関する詳細な計画を立てました。その結果は目を見張るものでした。約2か月半のアーユルヴェーダ治療で10kgの減量 Jul 2013 - Paramayu - 63

に成功し、ウエストは102cmから 92cmに減り、⾷欲も正常にもどりました。体にエネルギーが⾼まり、外見もよくなったことを実感することができました。これは特別なケースではありません。過去20年にわたるアーユルヴェーダの治療経験において、このように劇的かつ自然に体重が減少した患者の例は多数あります。これらの成功症例は、アーユルヴェーダは肥満を根本的に改善することができることを証明しています。

カファ－体重減少のカギアーユルヴェーダの中⼼概念はヴァータ、ピッタ、カファと呼ばれる3つのドーシャにあります。⼈間の体はこの3つの生理的エネルギーから作られていますが、そのうちのカファが脂肪に関係し、体重過多や肥満の原因になります。アーユルヴェーダの観点では、脂肪を燃焼し体重を減らすためには体内のカファを減らさなければなりません。本稿ではカファに焦点を当てます。似た性質は似たドーシャを増やす」という原則に基づいてカファの性質を考えることが、正しい⾷べ物を選ぶ指針になります。カファの性質と同じ脂肪分の多い⾷べ物、乳製品、アイスクリーム、肉などは減らすべきです。飲み物は冷たいものではなく温かいものにします。繰り返しになりますが、カファの性質と反対のものが選ぶ基準です。冷たい炭酸、ミルクシェークのかわりに温かいお茶や白湯を飲みます。

体重を減らす旅（むしろ戦いと⾔うべきか）を始めるにあたって、2つの重要なポイントを覚えておいてください。 1.カファドーシャの性質は「湿っている、冷たい、重い、鈍い、柔らかい、粘着性がある、固定している」です。 2.アーユルヴェーダの治療には以下の原則があります。 -似た性質は似たドーシャを増やす -反対の性質は反対のドーシャを減らす

以上を⼼にとめた上で、肥満に打ち勝ち、脂肪を減らし、健康的に体重を減らすために勧められるアーユルヴェーダの⾷事法を紹介します。体重を減らすための⾷事 -⾷事全体の30-40％を精製されていない穀類にします。 -⾷事全体の20-30％を植物由来のタンパク質にします。 -残り40-50％の大半を野菜に、一部を果物にします。

脂肪を燃焼させる効果があります。反いのです。寝っころがってテレビ対に極力少なくすべき味は甘味、酸味、を見たりビデオゲームに耽るなど、塩味です。座りっぱなしの生活をしないこと⾷事にはサラダ、豆、ドライシリアル、が大事です。調理した穀物を積極的に加えます。こアーユルヴェーダが与えてくれるうした⾷べ物はヴァータやピッタの性知識と基本理論を活かすことに質を増やす一方、カファの増加を抑えよって、自分の知性を使って自分に必要なトリートメントを自分でます。

カスタマイズすることができます。それゆえアーユルヴェーダは自己 1日1回とします。治癒の科学と⾔われています。  間⾷を避け、はちみつ⼊りの温かアーユルヴェーダの基本概念を理いレモネードを飲むとよいでしょ解すれば、⼈生の過程で直⾯するう。この飲み物は脂肪燃焼を助け、いかなる健康問題に対しても容易空腹感を和らげてくれます。に応用することができます。減量については、カファドーシャの性質を理解し、カファを減らすためアーユルヴェーダは、カファを減らの⾷事やライフスタイルを実践すすためには日常生活のなかで体をでればよいのです。カファが減れば、反対の性質は反対のドーシャを減きるだけ動かすことが大事と考えて脂肪も減ります。⾷事の⾯では単らすという原則に基づけば、⾷事います。コンピュータ、テレビ、携純にカファと同じ性質の⾷べ物をに温性のスパイスをもっと使うべ帯電話、インターネットといったテ減らし、反対の性質をもつ⾷べ物きです。ショウガ、シナモン、コリアンダーなどの温性スパイスはクノロジーに囲まれた現代生活では、を増やします。そして体をできるすべてカファを減らします。カ体を使うことがおろそかになっていだけ動かすことです。これを続けファこそ減量のカギです。⾷事にます。日常生活においては意識的にていくと、ある日、体重が簡単に含むべき味は辛味、苦味、渋味で体を使うことが必要です。草刈り、減っていることに気がつくでしょす。これらの味はカファを減らし、庭いじり、土いじりなどなんでもいう。 64-Paramayu - Jul 2013

 メインの⾷事は昼⾷または朝⾷の

体を動かす

糖

尿病と診断されたのが最近であるにせよ、⾧い間患っているにせよ、糖尿病を抱えながら生きることは大変なことです。糖尿病はさまざまな合併症を生じるので、患者は多くの制約を強いられます。糖尿病の管理において最も大切なことは⾎糖値のコントロールです。⾎糖値をきちんとコントロールできれば健康な⾧寿が可能です。それでは、なにが⾎糖値を上げたり下げたりするのか知っていますか。アーユルヴェーダによれば、それは⾷事です。いかなるケースでも健康的な⾷事は糖尿病管理の基本です。しかし、⾎糖値に影響するのは⾷べた品目だけではありません。⾷べる量や⾷べる時間も影響します。決まった時間に⾷べることです。⾎糖値は⾷後12時間で最も⾼くなり、その後下降し始めます。この予測可能なパターンは⾎糖値コントロールに役立ちます。毎日同じ時間に⾷事をすること、⾷事の回

数を多くして1回あたりの⾷事量を少なくすること、あるいは⾷間の決まった時間に健康的なおやつを⾷べることは、⾎糖値の変化幅を抑える働きをします。  バランスのとれた⾷事を⼼がけましょう。でんぷ

ん、くだもの、野菜、タンパク質、脂肪を適切に組み合わせた献立を考えましょう。  ⾷事や間⾷でとる炭⽔化物は毎⾷、同じ量にする

ことが特に重要です。炭⽔化物は⾎糖値に大きく影響するからです。  ⾷べる適量を守りましょう。それぞれの⾷べ物の

適量を知っておくことが大切です。

⾷事が糖尿病治療において最も大切な要素の⼀つであることを忘れてはいけません。理由と注意にもとづいた計画性のある⾷事が大切です。糖尿病を管理するための賢い完全食事法をご紹介します。

 ⾷事の量と投薬のバランスが大切です。糖尿病薬

の投与量に対して⾷べ物の量が少なすぎると、⾎糖値が下がりすぎる危険性があります（低⾎糖）。⾷べる量が多すぎると、⾎糖値が上昇しすぎる可能性があります（⾼⾎糖）。  適切な⾷べ物、⾷事と投薬の時間管理、⾷事量と

投薬のバランスについてはアーユルヴェーダ医師や専門家に相談しましょう。

朝⾷全粒粉の⾷パン2枚にバターと新鮮な⽜乳（沸騰させ温かいうちに飲む）。季節の新鮮なくだものを時々⾷べる。この場合、⽜乳をいっしょに飲んでも飲まなくてもよい。

仕事中

⾷事糖尿病管理に不可欠な要素正しく組み立てた献立は糖尿病管理に効果的。⾷事は糖尿病の治療に重要な役割を果たしている。

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おやつとなる健康的な⾷べ物を常備しておきましょう。糖尿病患者は胃を空のままにしてはいけないと⾔われます。チーズ、チップス、クラッカーの代わりに、ひまわりの種、かぼちゃの種、アーモンド、カシューナッツ、クルミなどのナッツ類やたね類を一握り⾷べるとよいでしょう。

夕方のおやつ新鮮なフルーツまたは野菜のジュースをグラス一杯飲みます。ローストしたひよこ豆と一緒にアーユルヴェティックティーを飲むのもいい方法です。

夕⾷⼣⾷は軽くし、あまり多くの品目をとるべきではありません。ゆで野菜、スプラウト、カッテージチーズ（パニール）、新鮮な生野菜のサラダ程度にします。遅くとも就寝の2時間前までに⾷事を済ませることがポイントです。

昼⾷昼⾷には蒸し野菜や軽く調理した野菜を⾷べます。カリフラワー、キャベツ、トマト、ほうれん草、かぶ、アスパラガス、マッシュルームなどは積極的に⾷べたい野菜です。野菜スープやゆで野菜もとりましょう。加えて、⾷欲に応じて2,3枚の全粒粉のパン（チャパティ）、スプラウト、サラダ、ご飯、レンズ豆（ダール）などを⾷べてもいいです。昼⾷の最後にバターミルク（塩味のラッシー）を飲みます。炒ったクミンシード、ブラックソルト、おろしショウガ、コリアンダーの葉をバターミルクに加えてもいいです。

就寝 10時前に寝ましょう。寝る前に温めた新鮮な牛乳をグラス一杯飲みます。適切な⾷事法はどの病気にとっても大事だとアーユルヴェーダは考えています。特に糖尿病管理には不可欠です。糖尿病は⾎糖値の上昇を伴うので、糖分を多く含む⾷品を避けなければなりません。⾷事が糖尿病治療において最も大切な要素の一つであることを忘れてはいけません。理由と注意にもとづいた計画性のある⾷事が大切です。 Jul 2013 - Paramayu - 67

⾃宅でできる

ドクター・グラニー

⾜マッサージパダビヤンガは体と心の緊張をほぐしてくれる優れた足マッサージだ。

パ

ダビヤンガとして知られる⾜のマッサージは、昔からアーユルヴェーダの中でも特別な役割を持っています。⾜は各器官とつながっている数多くの神経が集結する重要な部位です。⾜マッサージは神経系を強化し、体のあらゆる部分の健康を回復する⼿助けをしてくれます。また、体にあるマルマ（生命エネルギー）ポイントを活性化し、ドーシャのバランスを整えてくれます。パダビヤンガは⼼を落ち着かせ、睡眠の質を⾼め、⾎行をよくし、坐骨神経痛を予防し、視力と聴力の維持に効果があります。アーユルヴェーダの若返り療法を行うために、必ずしもクリニックやパンチャカルマセンターを訪れないといけないわけではありません。家庭で簡単に出来る方法もあります。以下に簡単で即効性のあるアーユルヴェーダの⾜マッサージのやり方をご紹介しましょう。

やり方マスタードオイルでマッサージをします。マスタードオイルがなければ無色透明のごま油を使います。⾜の爪を特に注意してマッサージします。⾜の甲や⾜の裏を緩めたり、伸ばしたり、強くゆっくり叩いたり、軽く速く叩いたりします。 68-Paramayu - Jul 2013

高血圧⼦どもの頃にお世話になったお医者さんを覚えていますか。かかりつけの医者よりも、家の中のお医者さんの方を鮮明に思い出すかもしれません。それはどんな病気の治し方も知っていた、あなたのおばあちゃんです。おばあちゃんの癒しの知恵に感謝しましょう。⾼⾎圧に効くホームレメディーもあったはずです。

1. ⾜の指先を押します。２. ⽚方ずつ⾜を揺らしたり、振ったりします。３. 度は両⼿を使って、⾜の甲と⾜裏の筋肉を軽く叩いたりもんだりします。⾜の裏から始めます。４.オイルを⾜全体に塗布します。５. ⾜を持ち、⾜の力を抜いた状態で優しくこすります。オイルをすり込んでいる側と反対の側を⼿で⽀えます。６. 指先から⾜の裏のすべてのツボを刺激します。７. ⾜⾸を時計回りと反時計回りに回します。⾜は一日中酷使され、体の中で極めて重要な部分の一つでありながら、一番気にかけられない部分でもあります。⾜マッサージは⾜に効果があるだけでなく、全身に新しい活力を与えてくれます。とても忙しく疲れ切ってしまった日の

終わりにパダビヤンガをすると、必ずやストレスを和らげ、体のシステムを若返らせてくれるでしょう。

ヒントアーユルヴェーダ・フットスクラブ材料  目の細かい塩⼩さじ2杯  ひまし油⼩さじ2杯  ⼩⻨胚芽油またはごま油⼩さじ1杯  エッセンシャルオイル 2-3 滴オプション）すべての材料をボウルに⼊れよく混ぜます。⾜を少し湿らせ、オイルを塗布して円を描くようにすり込みます。⼊浴時によく洗い流します。余ったオイルは密封容器（ガラス容器が好ましい）に⼊れて乾燥した冷暗所に置くと、最⾧ 7日間保存できます。

まな⾓度から、私たちに影響を与えます。労働によるストレス、肉体的なストレス、⼈間関係によるストレスなどです。私たちが知恵を働かせて、日々のストレスとうまく付き合うことができれば、ストレスは私たちの健康を損ねることはないでしょう。大事なことは、ストレスに負けないことです。もしも上⼿に扱うことができれば、ストレスはあなたをより強く有能にし、⼈生で成功を収める⼿助けをしてくれることでしょう。

大丈夫、ドクターおばあちゃんが教えてくれた、時代を超えたアーユルヴェーダのホームレメディーがあります。⾼⾎圧と上⼿に付き合っていくのに役立つヒントをいくつかご紹介しましょう。

現代⼈は過剰に科学技術に依存しており、⼈生からもっと何かを得たいという強い欲求にかられて常にストレスを感じています。事実、物事のペースが速い今日の社会では、⼈と隔絶した場所で隠遁生活でも送らない限り、ストレスは避けられません。なので、私たちが目指すべきは、最善の方法でストレスと付き合っていくことです。

ストレスをうまく扱えなかったり、  ニンニク（3-4⽚）、バジルの自然の法則と結びついていない生葉（10-12枚）、⼩⻨若葉（少活を送っていると、無数の病気を量）を混ぜて絞り汁をとる。1日発症させます。その一つが⾼⾎圧 1回飲む。です。  玉ねぎの絞り汁（⼩さじ1）に⾼⾎圧を⾧年放置しておくと、脳同量のはちみつを混ぜたものを卒中、視力低下、腎障害、⼼筋梗 1日1回摂る。1週間続けて症状塞、うっ⾎性⼼不全、⾎管性認知が改善されてきたら、さらに数症、末梢⾎管の病気、大動脈瘤な日続ける。どの深刻な病気を引き起こす可能

あなたはさまざまな仕事を同時にこなしているかもしれません。朝から晩まで仕事をしたり、あるいは事業を経営しながら、家では⼦どもたちの⾯倒を見て、さまざまな用事を効率的に⽚づけているかもしれません。ストレスはさまざ

性があります

⾼⾎圧の症状：  朝の頭痛、特に後頭部  ⾸のコリ  動悸  常に不安や恐怖を感じる  睡眠障害  突発的な発熱

 飲料⽔を銅製のやかんに⼊れて一晩置く。翌朝3-4杯を飲む。  毎日、生のニンニク（2-3個）を噛む。ニンニクは脈拍数を下げ、⼼拍リズムを安定させる。  バジルの葉（4枚）とニームの葉（2枚）に⽔（⼩さじ4）を加えて潰す。朝、空腹時にコップ 1杯の⽔とともに摂る。

 朝⾷にパパイヤを⾷べ、その後もしも自分や家族のだれかが⾼⾎の最低2時間は他に何も⾷べずに圧だとすれば、一時しのぎに薬を過ごす。症状改善のために、こ服用するかもしれません。しかし、の⾷習慣を1ヶ月続ける。それは⾧期的な病気の解決にはなりません。薬は一時的に症状を緩  朝、ニンジン、ビーツ、キュウ和するだけで、治療ではないことリ、パパイヤで作ったジュースを知っておいてください。を飲む。 Jul 2013 - Paramayu - 69