CHARACTERISTICS AND POSITION OF ABANDONED SPACES IN ANTHROPOCENE MINE RELATED RUIN
discussion of an environmental philosophy and an actual situation of Hokuroku region in Akita prefecture-
人新世時代の鉱山跡地における 放擲された空間の特性及び位置付け 秋田県北鹿地域の実像と環境哲学の議論を交えて-
-Through
2020年度 修士論文 指導教員 後藤春彦 教授 早稲田大学院 建築学専攻 都市計画系 5219A078-9 富樫遼太 Ryota Togashi
This study aims to characterize and position abandoned spaces through comparative analysis of various traces in mine related ruin. First, the characteristics of abandoned spaces may organized as follows; [A. “fragileness” as regionality] [B. Multilayered traces] [C. Delocalization of traces] [D. Prosperity of industrienature] [E.Awaken the sense of inconsistency]. Second, from the characteristics unrelated to human consciousness, the [F. Positioning as a trans-anthropocentrism] of abandoned spaces was indicated. Based on these, we need to discuss the signi cance of abandoned spaces and its planning methodology in the future.
Keywords: Abandoned spaces, Mine related ruin, Traces, Degenerate phenomenon, Fragileness
放擲された空間、鉱山跡地、痕跡、縮退現象、脆さ
2018.11.23
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目次 5 49 51 52 53 55 56 57 58 63 65 73 81 97 101 105 151
6
7 理論編 人新世時代の鉱山跡地における 放擲された空間の特性及び位置付け -秋田県北鹿地域の実像と環境哲学の議論を交えて-
8 理論編
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10 理論編 1-1 研究の背景 農山漁村の過疎化 鉱山の閉山と鉱山集落の衰退 地方商店街のシャッター街化 空き家の増加 耕作放棄地・荒廃農地の増加 ブラウンフィールドの顕在化 放射能汚染によるゴーストタウン化 ~ ~ 図0 建築・都市計画分野で議論されてきた縮退現象とそれへの対策
1章 緒言 11 1-2 研究の足掛かりとなる既往議論と研究の対象
1-3 研究の目的
12 理論編
1章 緒言 13 1-4 研究の流れ 2 章 3 章 4 章 5 章 6 章 4-4 4-7 4-64-5 図1 研究の流れ
14 理論編 1-5 研究の射程と用語の定義 脱領土化 再領土化「空間の放擲」 図2 本稿で用いる用語の定義
1章 緒言 15 (1) 負の遺産を手掛かりとした地域の記憶の継承に関する研究 1-6 研究の位置付け
研究の位置付け
(2) 景観を手掛かりとしたブラウンフィールドの再生に関する研究
(3) 本研究の位置付け
16 理論編
1-6
1章 緒言 17
18 理論編
19
20 理論編 (1) 18世紀英国のピクチャレスク庭園に始まる廃墟論 2-1 放擲された空間に関する議論の整理 18世紀英国のピクチャレスク 庭園に始まる廃墟論 環境美学における 科学的認知主義の台頭 現実の悲惨さに対する ニヒリズム的論考 放擲された空間の再評価 人新世時代における 放擲された空間に関する哲学的論考 A B A⇄B Not A or B C 図3 放擲された空間に関する既往議論
2章 既往議論の整理と理論的枠組みの設定 21 (2) 環境美学における科学的認知主義の台頭 (3) 放擲された空間の再評価
22 理論編 (4) 人新世時代における放擲された空間に関する哲学的論考
2章 既往議論の整理と理論的枠組みの設定 23 (1)「空間の放擲」に関して (2) 放擲された空間及び痕跡に関して 2-2 理論的枠組みの設定 痕 跡 痕跡を形成する要素 形態 記憶 雰囲気 EX. 図4 人間世界/客体世界の概念図注15) 図5 痕跡及び痕跡を形成する 要素に関する枠組みの整理 空 間 も の 人 間 放 擲 さ れ た 空 間 客 体 人 間 無 意 識 人間だけで人新世におけるエコロジカルな世界認識 自己完結した世界認識 「脆さ」
24 理論編
25
26 理論編
3章 旧鉱山の盛衰と現在の土地利用の状態 27 3-1秋田県北鹿地域の概要 図6 秋田県北鹿地域
28 理論編 (1) 自然地 (2) 荒地 3-2 旧鉱山の盛衰と現在の土地利用
3章 旧鉱山の盛衰と現在の土地利用の状態 29 32 7 18 22 27 9 12 5 31 30 8 14 13 24 26 19 23 25 37 4 15 17 16 38 39 29 36 40 41 1 21 35 28 42 6 11 10 20 33 2 3 34 企業管理地 企業管理地 企業管理地 跡地利活用地 跡地利活用地 跡地利活用地 荒地 荒地 自然地 自然地 多種用途混在 多種用途混在 No R R R R R R R R R R R R R ※ R 図7 閉山年順にみる鉱山の盛衰及び現在の土地利用と残存する痕跡の形態
30 理論編 3-3「脆さ」を伴うための痕跡の形態の必要条件
3章 旧鉱山の盛衰と現在の土地利用の状態 31
32 理論編
33
34 理論編
4章 鉱山跡地における放擲された空間の特性及び位置付け 35 (1) 鹿角市:尾去沢鉱山(図8) 4-1 3つの旧鉱山町の概要 305.11 277.43 525.23 図8 尾去沢鉱山
36 理論編 (2) 小坂町:小坂鉱山(図9) 396.57 382.70 232.32 261.79 332.64 図9 小坂鉱山
4章 鉱山跡地における放擲された空間の特性及び位置付け 37 (3) 大館市:花岡鉱山(図10) 78.97 68.95 図10 花岡鉱山
痕跡の抽出方法
38 理論編 4-2
補表1 歴史的痕跡リスト作成に用いた資料概要
表1 痕跡リスト(1)
表2 痕跡リスト(2)
4章 鉱山跡地における放擲された空間の特性及び位置付け 41 4-3 痕跡の残存状態 図11 痕跡(N=81)の残存状態の割合
42 理論編 4-4
多様な痕跡を包括する分析軸の設定
4章 鉱山跡地における放擲された空間の特性及び位置付け 43 ② 近代化産業遺産 ① 歴史展示施設 ④ 消滅した生活の痕跡 ③ 山神社 ⑤ 負の歴史を記す痕跡 ⑥ 半自然化した地面の痕跡 ⑦ 再領土化された 地面の痕跡 ⑧ 環境産業施設 1 3 4 5 6 7 8 9 1110 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 225 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 39 37 38 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 56 57 58 71 72 73 74 75 79 78 81 59 77 60 61 64 63 70 62 65 54 55 80 76 67 69 68 66 相関係数 凡例 痕跡の形態と記憶に関する各項目 (カテゴリー) 痕跡No. (サンプル) 217 12 11 13 8 12 17 6 10 7 313 10.6 5,812 192 237 204 178 148 254 204 104 116 7479 185 図12 痕跡の特性を位置付けるマトリクス図 補表2 花岡事件を巡る フィールドワーク参加人数
44 理論編 (1) ④消滅した生活の痕跡の特性 (2) ⑥半自然化した地面の痕跡の特性 4-5【消滅・放擲】された痕跡と【風化・放擲】された痕跡の差異
4章 鉱山跡地における放擲された空間の特性及び位置付け 45 4-6 各旧鉱山町の地域性と「脆さ」の所在 「脆さ」 図13 各旧鉱山町の地域性と「脆さ」の所在
46 理論編 A.痕跡の重層性 B.痕跡の非局在性 C.産業自然の繁茂 D.不整合な感覚の喚起 4-7 鉱山跡地における放擲された空間の特性及び位置付け
4章 鉱山跡地における放擲された空間の特性及び位置付け 47 E.地域性としての「脆さ」 F.建築と放擲された空間の相対的な関係 生活関連 施設跡 歴史的 建築 放擲された 空間 環境産業 施設 A B B D C 【風化・放擲】 された空間 A. B. C. D. 図14 放擲された空間の特性 図15 鉱山跡地における放擲された空間の位置付け
48 理論編
49
50 理論編
5章 論説:放擲された空間に対する計画学的アプローチ 51 5-1 放擲された空間における余地の諒解と計画的余地 図16 放擲された空間における人間の感覚構造 形態 人間 凡 例 記憶 放 擲 さ れ た 空 間 無 意 識 客 体 人間世界 人 間 客体世界 人間世界 放 擲 空 間 客体世界 「 脆 さ 」
52 理論編 5-2 放擲された空間と人間を接続する「媒体」の計画
5章 論説:放擲された空間に対する計画学的アプローチ 53 5-3 鉱山跡地における放擲された空間の計画的展望
54 理論編
55
56 理論編 (1)「脆さ」を伴う放擲された空間の必要条件 (2)鉱山跡地における放擲された空間の特性及び位置付け (3)放擲された空間に対する計画学的アプローチ 6-1 研究の総括
6章 結語 57 6-2 今後の進行が予想される「空間の放擲」への対応
参考文献
58 理論編
参考文献 59
60
20XX
Illustration by Hitomi Tabuchi
62
63 実践編 放擲された空間と人間を接続する -大館市・花岡の将来像の提案-
64 実践編
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66 実践編 大館と渋谷 再開発中の渋谷 大館市観光交流施設 秋田犬の里注2) エコシステム花岡 産業廃棄物最終処分場注3)
Ⅰ 大館市・花岡の位置付け 67
大館とフクシマ
68 実践編
1 1
Ⅰ 大館市・花岡の位置付け 69 秋田県地質鉱産図
70 実践編 北鹿地域の3つの鉱山
Ⅰ 大館市・花岡の位置付け 71
72 実践編
74 実践編
Ⅱ 既存の取り組みを活用した放擲された空間への接続法 75
76 実践編 映画 【御成座】 『ストーカー』御成座
Ⅱ 既存の取り組みを活用した放擲された空間への接続法 77 アートイベント 【ゼロダテ】 2017年「ゼロダテ」での作品
78 実践編 フィールドワーク 【花岡事件を巡るフィールドワーク】 花岡事件を示す唯一の物証である花岡川
Ⅱ 既存の取り組みを活用した放擲された空間への接続法 79 祭事 【花岡事件慰霊祭】 時間論をともなう日本人の伝統的な世界観 ケ ハレ ケガレ 祭り 祀り 奉り 政り マツリ ⇒慰霊祭の再編 住民主体の慰霊祭 行政主体の慰霊祭
80 実践編
観光 【秋田犬のブーム】
放擲された空間を巡るルートの計画
82 実践編
堤沢露天掘り跡注4)
10 信正寺 環境 住民 歴史 機能 Void
植物による土壌汚染の改善及び可視化 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
Program by Yukiho Akiyama
90 実践編 ①「大地に触れるためのスラブ」 ②「ʻ共ʼのための橋型焼却炉」 ③「水界の反転広場」 ④「天気のわかる坑道」 放擲された空間と人間を接続する建築装置
0.5[m] A-A’矩計図 0 10 6 8 7 B1FL GL+236 764 764 RL ①「大地に触れるためのスラブ」
Photo by Toru Ito
Sectional detail by Yukiho Akiyama
92 実践編 1 5 010m
Ⅲ 放擲された空間を前景化する建築及びランドスケープデザイン 93
Photo by Toru Ito
Photo by Toru Ito
Photo by Toru Ito
Photo by Toru Ito
②「ʻ共ʼのための橋型焼却炉」 ③「水界の反転広場」 ④「天気のわかる坑道」
96 実践編
「螺旋的循環」
98 実践編
2018.11.23