Annual Report 20 17–2018
ボーイスカウト年次報告書
なろう。一人前に。 10万 5千人の活動報告書
2017 年度事業報告
日本ジャンボレット 高萩 2017
平成24年に大和ハウス工業株式会社より 茨城県中戸川地域に82 万坪の広大な森林 の寄贈を受け、茨城県や高萩市の支援・協 力を得て開発を行っていた「高萩スカウトフ ィールド」のグランドオープニングを兼ね、日 本連盟初となるビーバー隊からローバー隊 まで全部門が参加できる野営大会「日本ジ ャンボレット高萩 2017」を開催しました。期 間中、秋篠宮同妃両殿下が会場をご視察に なられたほか、新たに大和ハウス工業株式 会社より管理棟を寄贈していただきました。 大会期間: 2017 年 8 月 4 日(金)〜 9 日(水) 会
場: 日本連盟・大和の森 高萩スカウトフィ
ールド テ ー マ: Stick to it ! —最後までがんばれ— 参加人数: 1,720 人 主
催: 公益財団法人ボーイスカウト日本連盟
後
援: 文部科学省、茨城県、茨城県教育委員
協
力: 陸上自衛隊、アイコム株式会社、赤城乳
会、高萩市、高萩市教育委員会 業株式会社、大和ハウス工業株式会社、 日本光電工業株式会社、株式会社バッ ファロー
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ボーイスカウト年次報告書
山中野営場 閉場式 92 年間、スカウトたちの活動や指導者訓 練の場であった山中野営場を、平成 29 年 度をもって閉場いたしました。閉場式には日 本全国より多くの方が集まり、別れを惜しみ ました。シンボルであった道心堅固の碑およ び「われはふくろ」歌碑は、那須野営場に移 設。今後は那須野営場で新たな歴史を刻ん でまいります。 日
時: 2017 年 8 月 19 日(土)〜 20 日(日)
場
所: 日本連盟・山中野営場
参 加 者: 199 人
富士特別野営2017 ボーイスカウトの教育の基本である野外活動や、ハイアドベ ンチャープログラムを仲間たちと挑戦することにより、互いに学 び、信頼や絆の大切さを体得し、友情を育み、スカウトスピリッ ツ(徳性、忍耐力、気力、清貧)を実践することを目的としている 大会を開催しました。例年、イカダでの山中湖横断は片道でし たが、山中野営場での最後の開催であった今回は往復となり、 よりハイアドベンチャーにふさわしいプログラムを実施しました。 日
時: 2017 年 8 月 12 日(土)〜 18 日(金)
場
所: 日本連盟・山中野営場、他
参 加 者: 115 人
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2017 年度事業報告
スカウトの日 「スカウトの日」は、全国のスカウトや指導者が地域 社会への奉仕活動をはじめとするさまざまなスカウト 活動を全国の各地域において一斉に展開し、加盟員 一人ひとりが地域社会に貢献するとともに、スカウト 運動が地域社会に根ざした実践活動であることを広く 社会にアピールすることを目的として毎年 9月の第 3月 曜日(敬老の日)に開催しております。
参 加 数: 539 団/ 19,278 人 実 施 例: 地域のゴミ拾い、植林活動等
富士スカウト代表表敬 ボーイスカウトの最高位である富士スカウト章を受 章したスカウトの代表が、毎年各所を表敬訪問させて いただいております。本年度は、東宮御所で皇太子 殿下にご接見をいただき、首相官邸では安倍内閣総 理大臣から、文部科学省では林文部科学大臣からそ れぞれ激励のお言葉をいただきました。
各種海外派遣・交流 ボーイスカウトでは、毎年多くの海外派遣や海外のス カウトたちとの交流を行っています。本年は 100 人以上 が海外派遣に参加し、その他国内で多くの国際交流事 業を行いました。 主な派遣・国際交流 • 第 41 回世界スカウト会議(アゼルバイジャン) • 第 13 回世界スカウトユースフォーラム派遣(アゼルバイジャン) • 第 15 回世界スカウトムート派遣(アイスランド)
東宮御所 日
時: 4 月 5 日(木)14:30 〜 15:20
参 加 者: 代表スカウト 31 県連盟 47 人
首相官邸、文部科学省 日
時: 3 月 27 日(火)11:40 〜 12:00(文 部 科 学 省)、
18:00 〜 18:20(首相官邸)
参 加 者: 代表スカウト 20 県連盟 47 人
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ボーイスカウト年次報告書
• 第 31 回アジア太平洋地域スカウトジャンボリー派遣(モンゴル) • オーストラリア短期交換留学派遣(オーストラリア) • 平成 29 年度韓日スカウトフォーラム派遣(韓国) • 2017CJK ベンチャープロジェクト派遣(韓国) • カンダーシュテーク夏季野営スタッフ派遣(スイス) • 2017 アメリカジャンボリー派遣(アメリカ) • 日韓スカウト交歓計画(国内)
サポーター
3,915 人 / 111 社
維持会員 スカウト運動の趣旨にご賛同いただき、平 成 29 年度末で 3,915 人に維持会員となっ ていただきました。また、法人では111 社よ りご支援をいただき、次代を担う青少年の 健全育成を応援していただいております。
企業との連携による取り組み ■全国で展開する防災イベント ■
■難民支援 ■
■社会とつながるボーイスカウト ■
いつ起こるか分からない災害には「日々の
UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の
よりよい社会をつくることを目指すボーイス
備え」が大切です。自然のなかでの活動を通
調べでは、2015 年末時点、世界には支援
カウト運動にとって、子どもたちがどのような
じてボーイスカウトが身につけることのできる
を必要としている人が約 6,530 万人いて、そ
思いをもって社会に出ていくのかということは
観察力や判断力、周りの仲間と協力する姿
の半数以上が 18 歳未満の子どもです。また、
とても重要なことです。
勢は、防災を考えるうえでも役に立つことが
そのうち保護者がいない子どもは3 万 4,300
これから社会に出ていく大学生年代を対象
多くあります。
人にもなります。
に、スカウト活動で培ったスキルや体験、指
そこで、地域の子どもたちやその家族に対
この現状を踏まえ、UNHCRと株式会社
導者や仲間とのネットワークを社会でどのよう
して、楽しみながら防災について考える機会
ユニクロの協力のもと、難民について学ぶ機
に活かすことができるかを考える場として「ス
やさまざまな役立つスキルを提供するために
会や支援を実践する機会を提供。現在 4 万
カウトと社会をつなぐ場所」を実施しています。
「全国防災キャラバン」という取り組みを平
着を超える衣料品を回収し、順次難民キャ
本事業の趣旨にご賛同いただいた企業や
ンプへと届けられています。
団体の方に、さまざまなテーマに基づいてお
成 28 年度から実施しています。これは、イオ ンの協力を得て、全国のイオンモール等を
話しいただくことで、参加者が社会の第一線
会場として行っており、今年度は全国 69 会
で活躍する方の経験や考え方から刺激を受
場で延べ2 万人以上の参加がありました。
けることができます。昨年度から新たに始め、 本年度は6 回開催することができました。本 事業は今後も継続して実施していきます。
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2017 年度収支報告 受取寄付金
雑収益
日本連盟の財政
世界財団への寄付金、指定寄付等
各種募金・広告費・研修協力費・ 消費税還付金等
14,953千円 /1.77%
ボーイスカウト日本連盟の財政は、会費、事業
います。日本連盟は公益財団法人ですので、基本
受取補助金等
スカウトの日・高萩イベント・高萩整備等
的に黒字や赤字のない収支相償の運営を志してい
57,583千円 /6.80%
ますが、2017 年度は約 5 千万円の赤字決算とな
少が続いていることが根本的な課題となっており、 これを回復するための広報事業、諸支出の見直し、
4,329千円 /0.51%
52,296千円 /6.18%
教育事業、普及広報、指導者養成などに使用して
収入の大きな割合を会費が占めるなか、会員減
指定正味財産振替額
23WSJ関連引当金戻入
収益、寄付金などの収入に支えられ、さまざまな
っています。
13,117千円 /1.55%
受取負担金
2017年度
行事・集会・指導者訓練事業・海外 派遣等の参加費、施設利用料
収入総額
68,951千円 /8.14%
収入の増強等に精力的に取り組んでいますが、あ
事業収益
わせて2019 年度からの会費の増額を2017 年度
95,110千円 /11.23%
846,655千円
出版物収入、ロイヤリティ、賃貸料
に決議しました。これら財政改善策による組織の 強化をもとに、全国での活動を活性化し、2022 年 の連盟創立 100 周年には会員増加の流れを作る
共済事業収益
掛金収入・再保険関連収入
べく、組織をあげて一層の努力を重ねてまいります。
133,446千円 /15.76%
支出
収入
指導者の養成
指導者訓練コース、各種研究集会、 県連盟指導者訓練補助等
収益事業
登録事業、賠償責任保険等諸経費
21,960千円 /2.45%
受取会費
管理事業
59,985千円 /6.69% 国際理解促進・国際協力 各種派遣・受入事業、国際会議、 国際登録料等
64,403千円 /7.18%
収支差
50,097千円
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ボーイスカウト年次報告書
122,797千円 /13.69%
896,752千円
BS運動の普及 および広報
受 取 負担金 雑収益 受取寄付金 指定正味財産振替額 財産運用益
支出総額
普及資料、表彰、PR 戦略、 機関誌、各種出版物等
共済事業
事業収益
23WSJ関連 引当金戻入
教育計画策定、各種事業 準備実施、施設管理等
共済事業収益
受取補助金等
2017年度
BS運動の普及 および広報
国際理解促進・ 国際協力 指導者の養成 収益事業
共済事業
127,821千円 /14.25%
財産運用益
基本・特定資産
収 入
393千円 /0.05%
収入のおよそ半分が受取会費です。うち8 割がメンバーの会費、2 割は支援してく ださる方々からの維持会費です。維持会費には一部単発的な寄付も含まれています。 次に共済事業収益。一般的なスポーツ障害保険等よりも安価でかつ保障内容がよ い当連盟独自の共済制度を、文科省の認可を得て運営しています。続く事業収益は 出版物の販売額やスカウト用品のロイヤリティ(= ライセンス料)、施設の賃貸料等で す。次の受取負担金は各種行事・会合、指導者訓練事業、海外派遣などの参加費 や、野営場等の施設利用料です。ジャンボリーなどの大事業がある年はここが大きく 受取会費
登録料・維持会費
406,477千円 /48.01%
膨らみます。受取補助金等では、高萩市からの高萩スカウトフィールド整備補助金が 8 割以上の大きな割合を占めています。23WSJ 関連引当金戻入は、世界ジャンボ リーを契機とした全国的な広報事業や世界会議関連などに用いるものです。
支 出 管理事業 支出全体の約 34% で、そのおよそ半分(全体の約 19%)が人件費です。 人件費は、日本連盟の行う教育事業ほか全業務にかかる職員の給与ですが、共済 事業にかかわる部分(全体の約 1%)は共済事業に割り振られています。 管理事業
人件費、通信運搬費、備 品器具、消耗品、光熱費、 交通費、租税公課等
304,745千円 /33.98%
教育計画策定、各種事業準備実施、施設管理等 あらゆる教育系、運営系の会 議、イベント等にかかる費用です。これらの事業には、もちろん人件費がかかります が、その費用は他の項目同様、上記の管理事業にまとめられています。 共済事業 収入の項で紹介した共済事業にかかわる支出で、全体の約 14% 強です。 BS 運動の普及および広報 前年度に計画し2017 年度に推進した PR 計画の4 千万円(全体の約 4.5%)、機関誌スカウティングやポスター・パンフレット類、各種出 版物、そして各種表彰にかかる費用を含めています。 国際理解促進・国際協力 アメリカジャンボリー派遣をはじめとするスカウトの各 種海外派遣、指導者研修、諸会議等への派遣事業および海外からの受け入れ事業、 WOSM への国際登録料(全体の約 2%)などをあわせたものです。 指導者の養成 日本連盟開催の指導者養成事業に関わる費用のほか、各都道府県 連盟の指導者訓練のための補助金(全体の約 5%)も含んでいます。 収益事業 不動産賃貸、ロイヤリティなどにかかる諸経費を含めていますが、その
教育計画策定、各種事業 準備実施、施設管理等
195,041千円 /21.75%
中で最も大きなものは、万一の場合に備えた賠償責任保険の費用で、これは全体の 1% 強にあたります。
Annual Report 2017–2018
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まもなく1 0 0 周年 生命を尊重する心、仲間と話し合って協力する心、モラルや正義感、 自然や美しいものに感動する心などが子どもたちの「 生きる力 」の基礎となります。 少年期、青年期の問題が社会の関心と注目を集めている今、 子どもたちをより良い方向に導いていくために、地域社会の教育力に目が向けられています。 このような状況の中で、ボーイスカウトの果たす役割はきわめて大きく、 私たちは、社会の期待に応える責任と使命があると考えています。 まもなくボーイスカウト日本連盟は創立 100 周年を迎えます。 私たちは 1912 年の創立以来、自然の中での体験や社会奉仕活動など さまざまな活動をとおして、青少年の健全な心と体の育成に取り組んでいます。 あれから 100 年。そして、これからも―。 “ Creating a better world ” を目指し、活動を続けてまいります。
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