Portfolio 2012-15

Page 1



contents

01

ラクガキモリ

02

sozoro

03

H.A.K.O ~ Kyoto Hotel Okura AIR ~

04 縁紡ぐ集住体

05

caLm



ラクガキモリ

Creation term

学部三回生前期

Subject

京都・こども美術館

Instructor

門内 輝行


Site/Context 21 世紀を迎え、わが国では少子高齢化、グローバル化、都市化が進み、 創造的な能力やみずみずしい感性を備えた子どもたちを育てることが、 これまで以上に重要な課題として浮上している。

そこで , 下賀茂神社の周囲にうっそうと茂る糺の森と、 住民の憩いの場となっている鴨川デルタに挟まれた豊かな自然環境を持つ一帯に、 子どもの参加体験及びワークショップを主題とし、 「創造的な子どもたちを育む新たな美術館」を構想する。

Site


Concept

らくがきから美術館を創る。

おおきな布にこどもたちが自由にらくがきする

布に色が満たされたら、上からつるす

布が空間をゆるやかに仕切る

らくがきの集まりがひとつの作品となる 子どもの絵によって美術館はどんどん更新される


Design diagram 敷地区域内に既存の樹木の位置と高さから一定のルールに基づいて設計を行うことで、 設計者の意図を超えた空間を生み出す。 こどもが自らそれぞれの空間の意味を見つけ、自由に活用する。

1. プロット 敷地内の、現在庭園となっている 50・50 の区画を切り取り、 既存の木の位置を樹高に応じて三種類に分類し、プロットする。 ■ 樹高 ~ 3m ■ 樹高 3m ~ 10m ■ 樹高 10m ~


2. 布の森への変換 幹

柱・梁

フレーム

らくがきした布

プロットした点から柱を立てる。

布をカーテンのように動かすレールの機能を持つフレームを

布は動かしたりはずしたりでき、空間の用途を限定しないフレキシブルな

柱の頂点から縦横に梁を伸ばし美術館の構造体をつくる。

梁から吊るす。

空間になる。

Frame1

GL+1000 200・200

Frame2

GL+2000 400・400

Frame2

GL+2000 400・400

Frame3

GL+4000 600・600

Frame3

GL+4000 600・600

Frame4

GL+8000 800・800

子どもスケールの小さな空間

触れて遊べるアート作品などそれぞ

柱寸法 ■ 100・100・10000

■ 300・300・10000

れの空間に異なる体験が待つ

■ 500・500・10000

ワークショップや展覧会などを 行うこともできる大きな空間


大小さまざまなフレームが重なり合い、布の森を形成する



Landscape design

美術館は敷地の一部 (50m 角 ) を切り取って設計する。 既存の樹木、小川をそのまま保存し、 地域住民が自由に散策できる森とする。

美術館にはどの方向からでも靴を脱いで入れる。 屋根だけの内外が曖昧な空間と、ガラスボックスに覆われた 室内空間とで構成され、遊びの延長線上で美術を楽しむ。

A

A`

Siteplan 1/2000


4

8

7 2

1 3 1

らくがきすぺーす

2 展覧会・ワークショップ 3 本や昔の遊び 4 ひろば 5 体感できるアート

6 事務室

6 5

7 W.C. 8 搬入口

Plan 1/250


East elevation 1/200


A-A` Section 1/200


Scene



建築自体が子どもたちによる作品である




sozoro Creation term

学部三回生後期

Subject

アートライブラリ

Instructur

江副敏史


Site

京都府京都市中京区烏丸御池上ル 京都国際漫画ミュージアム 前庭

Program

アートライブラリ

京都国際マンガミュージアム ( 以下ミュージアム ) の前庭内が対象敷地である。 ミュージアムとの共存に配慮し利用、運営に支障を与えない配置、また、ミュージアムの 有料ゾーンと区分して無料で市民に公開できる施設とする。

全ての芸術に関する資料を広範囲に収集、公開する図書館を構想する。 広く一般の方に利用できるよう、全ての資料を公開・貸し出しを行い、 美術・音楽・演劇などに関する図書や、展覧会カタログ・楽譜・雑誌などの文献資料のほか、DVD、CD や 映像資料なども収集する。

ミュージアムの有料ゾーンと区別して無料で市民に公開し、共存に配慮した配置とする。

多くの人が庭でマンガを読んでいる

必要諸室 Site! 開架書庫 4 万冊 Oike st.

閲覧室・雑誌コーナー (50 ㎡ )・ マルチメディアコーナー (50 ㎡ ) 閉架書庫4万冊 事務室・作業コーナー (50 ㎡ ) アートホール ( 平土間 200 席 ) Karasuma st.

会議室権応接室 (20 ㎡ ) 展示コーナー・ショップコーナー


Concept diagram

おおきなひとつの本棚をぐるっと輪にする。 散歩をするように棚の隙間を巡り、思いがけない本との出会いを楽しむ。

1. 従来の図書館は、書棚ごとに細かく文献が分類され、 自分の目的とする本以外は目に留まりにくい。

2. 開架図書四万冊を全てひとつの本棚に納める。

3. 本棚をうねらせ、ところどころくりぬく。 棚に誘われて漫ろ歩く。


Design process

・既存建物と共存する建築

ミュージアムの利用者に圧迫感を与えないよう

矩形で構成されたミュージアムに対する、やわらかい形。

ミュージアムの特徴である吹き抜けホールへの、

大きくヴォイドをとり、ミュージアムの庭を広く残す。

低層で計画する。

庭に置かれたオブジェのような建築。

道路側からの視界を確保する。

ヴォイドは、庭での新たな読書体験を生み出す。


・そぞろ歩く図書館

庭の一部を図書館の前庭とする。

階段や壁を使用することなく、一階と二階をゆるやかな

歩道が拡張され、図書館が気軽な施設になる。

スロープでつなげる。大きなワンルームの図書館。

本棚と壁の関係からうまれる、ゆるやかに区切られた空間に機能を配する。


建築は、背もたれとなり、日よけとなり、人々に寄りそう。


棚に誘われて館内を巡る。



B

B`

A

A`

A-A` Section 1/200

East elevation 1/200

B-B` Section 1/200


倉庫

展示コーナー

カフェ

BDS

事務室

作業コーナー 閉架書庫 会議室

倉庫 搬入口

Plan GL+2000 1/250


CD・DVD 閲覧席

閲覧席

メディアコーナー

アートホール

Plan GL+5000 1/250





H.A.K.O

~Kyoto Hotel Okura AIR~

Creation term

学部二回生後期

Subject

ペントハウス

Instructor

岸 和郎


Site

京都府京都市 中京区河原町御池

京都市内随一の繁華街として栄える河原町通りと、 オフィスビルが立ち並び、またアート空間創生事業により文化と賑わいの空間作りが進め られている御池通りの交点。

北西に建つ京都ホテルオークラの屋上。


アーティストインレジデンス (AIR)

京都ホテルオークラ

100 年以上の歴史を持つ、京都を代表する老舗ホテルのひとつ。 1994 年に竣工した現在の建物は高さ約 60m を誇り、京都市中心部のビルでは、京都

×

各種の芸術制作を行う人物を一定期間ある土地に招聘し、その土地に滞在しながらの 作品制作を行わせる事業。芸術家たちは滞在期間中、創作の過程を公開したり、地域 の人々と交流をしながら、作品を制作する。

駅ビルと並んで最も高い。

快適な住環境の保障・制作場所の提供 外部への作品発表機会

ホテルの新たな魅力の創出


Composition

六つの展示室

ホテルのボリュームから浮遊した錆鉄の板がスタ ジオの四方を覆う。 巨大なボックスは新たなランドマークとなる。

六つの異なる大きさ、性質を持つスタジオが、アー ティストに用意される。

Studio 1

Studio 2

エレベーターを降りると最初に目に入るメインスタジオ。

上部が抉り取られ、作品を上から鑑賞するスタジオ。

前面が、大きな開口になっている。製作過程から常に公開される。

アーティスト同士、また、アーティストと鑑賞者 との 交流の場。

ホテルの部屋をトレースした室がアーティストに

Studio 3

Studio 4

与えられる。

天井に大きく開口がとられた縦長のスタジオ。

防音機能が高められた、窓のないスタジオ。

自然光を生かした制作が可能。

光や音を利用した制作に適する。

Studio 5 最も奥に位置し、制作過程を非公開としてもよいスタジオ。

Studio 6 広場の中に置かれた外部展示空間。


A`

3 2

7 6

1

4

5

8

Plan GL+62000

1/400

A

1 Studio1

5 Studio5

2 Studio2

6 Studio6

3 Studio3

7 住戸

4 Studio4

8 エレベータールーム

Plan GL+80000 1/400

A-A` Section

1/400


エレベータを出ると Studio1 の展示が目の前に広がる。

鑑賞者はさまざまな見せ方の展示室を巡る。




縁紡ぐ集住体

Creation term

学部三回後期

Subject

集合住宅

Instructor

梅林 克


Site

京都府京都市中京区油屋町

敷地は東西の蛸薬師通り、南北の富小路通りの交点に位置し、条里制に基づくグリッド状の 街路と、それに面した細長い京町屋が点在する地域である。


現代の集合住宅は地域に対してのみならず、住民同士においても閉じている。

かつての日本家屋ではその気候風土から、軒を深く取り、濡れ縁を設ける等の内と外の柔らかい区切り方が発 達してきた。 庭との間に生じた、内であり外であるその境界空間は、単に通風や採光のための開口部にとどまらず、人と人 とのコミュニケーションの場であり、またくつろぎの場である。

日本において発達した境界面の操作を応用し、 住民同士・また地域の中で縁を紡いでいく二十戸からなる集合住宅を構想する。


コミュニティ形成の場を内包する

路地 京都には長さ、幅ともに様々な路地が多く存在し、路地が近傍の住戸の共有の領域となり、コミュニティ が形成されている。路地からなるコミュニティの場を取り入れる。

・敷地内に路地をひき、路地に面して各戸を配置する。 また、路幅を変化させ、高低差を設けることで、住民が「たまる」場所が自然に発生し、住民同士の交 流の場が生まれる。

・路地から更に、二~四戸が共有する細い路が各戸へと伸びる。 路地を介した各戸へのアクセスが、路地の共有性を高める。

・上層に向かうに従い、南面住戸をセットバックさせ、 共有空間へ光を取り込む。


路地を介して縁を紡ぐ

縁側 日本に古くからある境界操作のひとつである縁側は、住まい手の意識によって内にもなり外に もなる「あいまいな領域」である。

路地に対して各住戸に縁側と庭を設け、 「内」と「外」をつなげる。 20 戸の境界があいまいになり、住民が混ざり合い、縁が紡がれる。

また、縁側を持つカフェを中心に配置する。 地域に集合住宅をが開かれ、カフェが住民と地域との縁を紡ぐ。

借景 日本では古くから庭園外の山や樹木、竹林などの自然物等を庭園内の風景に背景として取り込む 庭の造り方が行われてきた。

庭の景色を住民同士が借りあうことで、集住体の中で暮らすことを意識し、交流をより活発化さ せる。


隙間から路地にはいっていく カフェが住民と地域をつなぐ

京都の町並みに倣い、 内側に開放的な空間を設ける


二十戸が緩やかにつながる


+1200

-2000

-1600

-2400 -1000

GL-2000

+1600

+2200

+4400 +4800

Âą0

+800 cafe -1600

+1600

-1000 -800 +2600 -600

-600

-1600

Plan GL+0 1/150

+2400

+5800 +1600 +1600

Plan GL+3000

+5600

1/150

South elevation

1/100

+5600


+3400

+7600

0 +4000

+8800

+6600 +8000

A

+7200

A`

+4800

Plan GL+6000

1/150

Plan GL+9000

1/150

Siteplan 1/1000

A-A` Section

1/100



caLm

Creation term

学部一回生後期

Subject

バルセロナパビリオン修作

伸 Instructor 高松


静岡、藁品川中に佇む木枯の森

神が祀られる森への参道となる建築



Plan 1/200

Elevation 1/200


「動」 から 「静」 へ


粛然たる心で、社へ向きあう



360° image of my works

01 ラクガキモリ

02 sozoro

04 縁紡ぐ集住体


志藤 拓巳 Shido Takumi Biography 1993 東京都目黒区生 2009-2012 静岡県立静岡東高校 2012- 京都大学工学部建築学科

Thank you for reading!


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