Architecture Portfolio Shun Nakakura Selected Works 2015-2019

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Architecture Portfolio Shun Na ka kura

Selec t ed W orks

201 5 -20 19



Architecture Portfolio Shun Na ka kura

Selec t ed W orks

201 5 -20 19


人のための拠り所を、       場所のための風景を。


中倉 俊

Shun Nakakura Skills

s.nkkr.kobe.u@gmail.com

Adobe

Illustrator

静岡県浜松市生

2012.04-2015.03

静岡県立浜松北高等学校 普通科

2015.04-2019.03

神戸大学工学部建築学科

2019.04-

神戸大学大学院工学研究科建築学専攻博士課程前期課程

Powerpoint

建築設計・環境デザイン 遠藤秀平研究室

Excel

JW-CAD

Render

CINEMA 4D

Others

Laser cutter

Auto CAD

Photoshop

1996.06

アルバイト勤務

2D Soft

Indesign Microsoft Word

3D Soft

Rhinoceros Sketch UP

3D printer

展覧会・プレゼンテーション

2017.11-

久武正明建築設計事務所

2019.09-

株式会社日建設計 大阪オフィス

2017.08

建築新人戦 2017 「メモリアル空間」設計作品出展

2018.05

NEXTA ’19 「駅 × 大学」設計作品出展・プレゼンテーション

2018.11

京都ランドスケープデザイン展 2019 「神戸ウォーターフロント・ランドスケープ」設計作品出展・プレゼンテーション

インターンシップ・ワークショップ

2019.02

Diploma x KYOTO ’ 19 卒業設計出展・プレゼンテーション

2019.03

せんだいデザインリーグ 2019 卒業設計出展

2019.09

株式会社竹中工務店大阪本店

2019.04

神戸大学建築卒業展 2019『DOT』 卒業設計出展・プレゼンテーション

2019.11-12

神戸大学 × 天津大学国際ワークショップ

2019.09

2019 年度日本建築学会大会[北陸] 設計競技全国2次審査会 応募作品プレゼンテーション

2019.10

令和元年度 UR ひと・まち・くらしシンポジウム(東京会場) 日本建築学会設計競技応募作品プレゼンテーション

2019.11

火葬研大会 2019 卒業設計プレゼンテーション

ティーチングアシスタント 2019.05-07

計画演習ⅡB 「神戸ウォーターフロント・ランドスケープ」

2019.10-11

設計演習ⅡA 「開かれた住宅」

運営・スタッフ

受賞

2017.10-2018.05

NEXTA ’19 運営(制作班)

2018.11

京都ランドスケープデザイン展 2019 「ランドスケープデザイン賞」

2018.09

みんなの建築ミニチュア展 in 中之島図書館 設営スタッフ

2019.02

Diploma x KYOTO ’19 「Day3(来場者投票部門)10 選」

2018.10

イケフェス 2018 特別連携企画 - 続 - みんなの建築ミニチュア展 設営スタッフ

2019.03

せんだいデザインリーグ 2019 「100 選」

2018.11

イケフェス 2018 日本橋の家 受付スタッフ

2019.04

神戸大学建築卒業展 2019『DOT』 Day3 「福岡孝則賞」

2018.05-2019.02

Diploma x KYOTO ’ 19 幹部運営(制作班班長・パンフレット編集統括)

2019.09

2019 年度日本建築学会設計競技 「近畿支部入選」「全国入選 優秀賞(3 位)」

2018.09-2019.05

神戸大学建築卒業展 2019『DOT』 運営(広報班)

2019.11

火葬研大会 2019 「最優秀卒業設計賞」

2019.08-

神戸大学 V.School PJ 制作スタッフ


Selected Works 終の景、湖上の別れ ∼奥浜名湖におけるホスピスと火葬場が紡ぐ環∼

『死』に対する人々の意識変化と、 『死』の前後にある

学部 4 年 卒業設計

場の実情には大きなギャップが存在している。ホス ピスと火葬場を共存させた、奥浜名湖の水景に佇 む、 『死』に最も近い位置にある『生』のための建築。

Diploma x KYOTO’ 19 Day3 10 選 せんだいデザインリーグ 2019 100 選 神戸大学卒業設計展’19「DOT」 福岡孝則賞

団地アソビバ計画 ∼消えゆく仁川スターハウスの再生∼

兵庫県宝塚市、仁川団地の風景とも言えるスターハ ウス群は近い将来、消え去ろうとしている。解体と

『ダンチを再考する』

は別の方向で仁川により深く根付く新しいスター

共同設計(3 人)

ハウス在り方を模索した。

火葬研大会 2019 最優秀卒業設計賞

させた関係性を持たせる複合施設。アトリウムはそ

学部 3 年設計課題 『STATION × ARCHITECTURAL STUDIOS』

海沿いに大規模な幹線道路、埋立地が建設され、街 と海の繋がりが絶たれた三宮ウォーターフロント

学部 4 年設計課題 『神戸ウォーターフロント・ランドスケープ』

に街と海、西と東、人と人とを繋ぐ「路」を作り、海

れぞれの活動と移動・滞留が緩やかに混じり合う豊 かなバッファーゾーンとなる。

近畿支部入選 全国審査会優秀賞(全国 3 位) 令和元年度 UR ひと・まち・くらしシンポジウム 出展

路の景色

繋ぐ / 隔つ

学生・地域住人・駅利用者に繋がりと隔たりを良質

修士 1 年 2019 年度日本建築学会設計競技

学内最終講評会選抜作品

沿いに新たな価値を与えた。

学内最終講評会選抜作品 京都ランドスケープデザイン展 2018 「ランドスケープデザイン賞」


Other Works

B1

造形演習Ⅰ

2015.04 05 06 07 08 09

造形演習Ⅱ

10 11

学部 2 年設計課題『阪急六甲駅付近に立つ小事務所』

木の香る事務所

学内最終講評会選抜作品

学部 4 年 Diploma x KYOTO ’19 幹部運営

12

公式パンフレット制作・監修

2016.01

公式パンフレット

02

共同制作(14 人)

まち・そら・にわへ

木製家具メーカーのためのオフィス。中庭に立つ木は室内のどこか

京都で毎年 2 月に行われる合同卒業設計展の公式パンフレット。全

らも感じられるようになっており、就業者たちに安らぎを与える。

96 ページの全体構成から細部デザインに至るまでを制作・監修した。

学部 2 年設計課題『開かれた家』 非常勤講師特別賞

FOOD SCAPE

学部 4 年設計課題 『神戸ウォーターフロント・マスタープラン』

03

B2

トレース課題

05 事務所

08 09

三宮中心部に環状の歩行者空間を提案。神戸の食のポテンシャルを 住宅

引き出しながら、様々な用途エリアが混在する街を面的に賑わせる。

庭にプライベートな住居を“開いた”書道家のための住宅。

06 07

共同設計(5 人)

まちに教室とアトリエを、空にギャラリーになる大きな階段室を、

04

10 11

学部 2 年設計課題『地域の図書館』

水際に寄り添う

学内最終講評会選抜作品

先生たちと、

図書館

修士 1 年

12 2017.01

第 6 回 POLUS - ポラス - 学生・建築デザインコンペティション『村』

02

水を介して揺らぐ光に包まれた内部空間と、通過・滞留する人々が

習い事の「先生」を副業にしている7世帯の集合住宅。子どもと大

楽しめる外部環境を設計。人々が水辺に集まることで地域が賑わう。

人が習い事を通じて繋がり、世代を超えて村が受け継がれていく。

Terrace in the Forest

Alteration City ~ なんばの成長・更新していく新たな都市像の提案 ~

03

B3

保育所

04 05 メモリアル空間

06 07 08 09

ERI セミナーハウス NEXTA ’ 19

11 駅 × 大学

修士 1 年設計課題

学部 3 年設計課題 『都賀川沿いに立つ子育てスクエア』 学内最終講評会選抜作品

塀や柵ではなく段差のあるテラスと木々で緩やかに囲んだ保育所。地域 社会、都賀川沿いの自然と柔らかな繋がりをもたせることを目指した。

『グレーター・ミナミ構想』 共同設計(5 人)

倉敷市役所模型製作

Shades ~Memorial fot Paul Henningsen~

修士 1 年 研究室プロジェクト 浦部鎮太郎建築展 展示用模型製作

倉敷を代表する建築家、浦辺鎮太郎の生誕 110 周年を記念した展覧

02

B4

高松アリーナプロポーザル

03 マスタープラン

Diploma x KYOTO ’19

08 09 卒業設計

学部 3 年設計課題

滲み出す高架下

世界て最も著名な照明デザイナー、ポール・ヘニングセンのメモリアル

12

学部 3 年

2019.01

ERI 学生デザインコンペ 2017『RULE / SPACE / HERMONIZE』

02

修士 1 年国際実施コンペティション

動・発信の場に。高架下のアクティビティは街へと滲み出していく。

ただようヤネ

10 11

空間。来場者は地上と地下を行き来しながら様々な光の空間を体験する。

有効活用されていない高架下をクリエイターや地域住人のための活

06 07

CO-EXIST:

学内最終講評会選抜作品

04 05

ランドスケープ

会にて、彼の代表作である倉敷市役所の 1:200 木製模型を製作。

『面構造によるメモリアル空間』

12 2018.01

大阪難波に最適化されたナイトタイムエコノミーを軸に捉えた IR を計 画。時代とともに長い年月をかけて更新され続ける。

10

『ICELAND BLACK LAVA FIELDS VISITOR CENTER』 共同設計(3 人)

溶岩が形成したランドスケープに立つビジターセンター。プログラムを 内包した黒い直方体を、来訪者が無目的に滞在できる膜空間で包む。

SEW THE CITY

03

M1

04 POLUS

浦辺鎮太郎建築展模型制作

日本建築学会設計競技

05 06

グレーター・ミナミ

07 08

V.School PJ

09 国際コンペ

学部 3 年設計課題 『近畿圏の大学のためのセミナーハウス』

10

修士 1 年国際ワークショップ with 天津大学

機能を内包し点在する平屋根群に対して、敷地全体に広がる曲面屋根が それぞれを繋ぐ。敷地の豊かな自然を静と動の異なる視点で体感できる。

『Public space for cruise ship terminals on Haihe River,Tianjin』 共同設計(4 人)

中国の天津市内を流れる Haihe River と高層マンション街の間に、両者を 「縫い合わせる」ランドスケープを計画。

天津 WS

11 12


終の景、湖上の別れ - 奥浜名湖におけるホスピスと火葬場が紡ぐ環  人々の「死」への意識は多様化し、「死」は自分自身のものとして向き合い、考え、選択していくものとなっている。その一方で、最期の時 を過ごす「終(つい)」の場と葬送による現世との「別れ」の場は均質化・大規模化へと進んでおり、人々の意識との間には乖離が起きている。 より良い「生」を過ごし、終えるための選択肢としての「終」と「別れ」が共存した場を奥浜名湖の水景のもと計画する。  これは「死」に最も近い位置にある、「生」のための建築である。

2018.09 - 2019.02 学部 4 年 卒業設計 敷地:静岡県浜松市 奥浜名湖 用途:ホスピス・火葬場・樹木葬公園

Diploma × KYOTO ’ 19 Day3 10 選 せんだいデザインリーグ 2019 100 選 セミファイナル進出 神戸大学建築卒業展 2019『DOT』 福岡孝則賞 火葬研大会 2019 最優秀卒業設計賞


均質化する『終』と『別れ』の場

多様化する『死』への意識変化

社会の成熟化によって、人々の『死』への

しかし、現在の日本の死亡場所のほとんどが

意識は「長く生き、大勢から華やかに送られる」

病院であり、自宅死を望む割合に比べて大きな

ものから「自分らしく生き、近しい者だけで

ギャップが存在する。地方の小さな火葬場は

慎ましく送られる」ものになっている。 「終活」

年々減少し、人口集中部の郊外に大規模な火葬

の社会的広がりや家族葬・直葬の増加傾向が

場が建設されるようになった。「終(つい)」と

それを物語っており、『死』は自身で考え、向

「別れ」の場の実状は人々の意識とは裏腹に均

き合い、選択していくものになっている。

質化・大規模化の方向へと進んでいる。

提案:「生」のための「死」の建築

これからの社会において、どうやって最期を生き、死を迎え、弔われるかは一連のものとして個々で 選択していくものとなっているが、現状、それぞれの場は互いに関係性を持たず、均質なものとなって しまっている。終末期生活から葬送までを共存させ、かつその地域・環境でしかできない独自性を持っ た「終」と「別れ」の場を提案する。これは『死』に最も近い位置にある『生』のための建築である。

浜松市のこと

計画敷地:奥浜名湖

存続 佐久間・水窪斎場

春野斎場

廃止

天竜斎場 浜北斎場

三ケ日斎場 浜松斎場 雄踏斎場

拡張(3→7 基)

廃止 廃止

拡張 (4→10 基) 縮小 (14→8 基)

静岡県西部に位置する浜松市は人口約

奥浜名湖に浮かぶ半島とその周辺水域

80 万人を有する地方都市である。市は

を計画敷地とする。奥浜名湖は陸地に囲

今後の死亡者数増加への対応として、市

まれるような形をしているため、半島や

内7斎場を再編・整備する方針を発表し

その周辺水域が生活の場である陸地から

た。3斎場を縮小しながら廃炉し、郊外

常に望むことができる。奥浜名湖におい

の2斎場を拡張するというものであり、

て、その水景にもっとも影響を与えるで

日本全体における火葬場集約の縮図的な

あろう場所を計画敷地に選定した。私が

流れが発生している。これまで利用して

思う、この地だからこそできる最期を生

きた火葬場がなくなるのは困るといった

き、一生を終え、現世と別れるための場

声も少なくはなく、地域に根付きながら

をこの美しい水景の一部となるように計

人々の『死』への意識に応えた葬送の場

画する。

が必要な事態となっている。


配置計画:紡がれる環

小さな島と門

Hospice

Axis Crematory

半島の軸線上に乗るように、ホスピスを

ホスピスと火葬上を半島先端部を中心とし

地形や方位、湖岸からの視線などを

半島中央、火葬上を湖上に配置。両者は

た円弧でリンクさせる。円弧は陸と火葬場

もとに平面形態を決めていく。

地形の起伏で互いに見えない位置にある。

を繋ぐ船の航路となる。

湖のわずかな満ち引きで島は浮き沈みし、湖に住む生き物の依代に なる。島を横目に潜る門は、生と死の曖昧な境界の具現化でもある。

様々な環境変化の受容 早 小

半島と火葬場の間には、環の輪郭を描くように小さな島と門がある。

半島を覆う木々 変化のスピード

変化のスケール

まちに面した北側は木々は広く間を 建築が様々なスピードやスケールで起こる環境の変化を

空け、地域の公園となっている広場

受け入れる。形の変わらない建築の中に絶えず変化して

は住人によって日常的に使われる。

いく自然が入り込むことによってこの地で自分らしく生 き、最期を迎え、弔われるまでの全ての瞬間が色鮮やか に彩られていく。 波・風

日照・天気

季節

侵食

ホスピスに近づくにつれて、木々は 密になっていく。散策に適した緩や かな傾斜と、枝葉による視界の見え

水景に佇む形態

隠れが気持ちを安らげる。

ヒューマンスケールを大きく超えた円弧上への配置と、 滑らかなシルエットが建築そのものを水景へと溶け込ま せていく。誰しもが関わるものでありながら忌避され続

ホスピスを南に越えると、木々はよ

けてきた『死』の建築がその地の風景として佇み、人々

り密になり、山道の散策に近くなる。

の『死』への意識へと寄り添った建築へと昇華する。

故人の遺灰は森のどこかに埋めら れ、森全体が祈りの場になる。


全体配置図 S=1:2000

0

20

50

100

200(m)


森と雲のホスピス  ホスピスとは、命に関わる疾患を持った患者とその家族に対して、身体的・精神 的な観点からサポートを行う緩和ケアを主にした医療施設である。  入院のための「施設」ではなく、最期の時を自分らしく生きることを選んだ患者 が穏やかに暮らすことができる「家」のようなホスピスを考えた。周囲の自然によっ て鮮やかに彩られた『終の景』が患者とその家族に寄り添い、豊かな生を送ること のできる空間を目指した。

EV

EV ランドリー

舟 降り場


木々に囲まれたホスピスを計画する。

3軸のワッフル構造を用い、雲のような屋根を

地上部の機能は森の中の小屋を感じさせるよう

ホスピスとしての諸機能は地形の起伏を利用し

住居を分散配置させることで独立性を確保し、

かける。厚さの変化と開口の大小が自然的な光

な、人々に安心感の与える形態である切妻型の

て地下に収めている。天窓やサンクンコートが

生活における自然の移ろいを鮮明にさせる。

の強弱を生み、住居群を柔らかく包み込む。

ボリュームで配置する。

地下に光を届ける。

多目的室

EV

浴室

舟 乗り場

ホスピス地上階平面図 S=1:300

0

5

10

20

30(m)


ホスピス短手断面図 S=1:200

0

2

5

10

20(m)


休憩室

カンファレンス室

ナース ステーション

相談室 相談室

事務室

売店

受付ロビー

機械室

カフェ

霊安室

霊安室

家族室 家族室

ホスピス地下階平面図 S=1:500

0

5

10

20

50(m)

ホスピス地上階詳細平面図 S=1:200

南西立面図 S=1:600

0

5

10

0

20

2

5

10(m)

50(m)


湖上の火葬場  故人を炉室へと見送ったのち、遺骨を壺に納めて持ち帰るというのは日本独自の 風習である。その一連の流れを行う火葬場は、日本人であれば誰しもが関わりをも つものであるが、その存在は日常から非常に見えにくいところに隠されている。  死を見据えた時、現世との別れの場がそのようなものであって良いのだろうかと いう漠然とした不安から、このような火葬場を考えることとなった。水景とともに 美しく佇む、『湖上の別れ」の場を目指した。

収骨 舟 乗り場

漣の浜

収骨 空の庭

職員控え室

職員通路


葬送を遡ると洞窟に行き着く。洞窟はその空間

空間のほとんどが外部と直接繋がり、水や光が

開口は湖、山、空、まちの風景を多様に切り取

小さな舟が火葬場との行き来の手段となる。移

に故人を弔う場に相応しい神秘性をもつと考え

洞窟内に侵入してくる。故人との別れの瞬間が

る。暗い空間に光を差し、参列者を自然に誘導

り変わる風景のもと、故人を想いながら舟に揺

た。洞窟のような葬送空間を RC シェルで作る。

自然によって厳粛に彩られる。

させる。

られる時間が日常と非日常をゆっくりと繋げる。

残灰処理室

汚物処理室

舟 降り場

事務・受付 炉室 別れの間

倉庫

制御室

待合 WWC MWC

倉庫

喫茶

火葬場平面図 S=1:300

0

5

10

20

30(m)


待合

別れの間

下船から別れの間までにある開口からは湖しか見えない。

対岸の景色が眺められる大きな開口が、待合室全体を明るく照らす。

故人と遺族を分かつ炉室は「壁の向こう側」ではなく、

水の波打つ音と、水面から反射する光だけが空間に届く。

遠くに見えるまちの風景がふと日常を感じさせる。

一つの空間として独立したように形作られている。

別れの間

船着場

炉室

制御室

待合


空の庭 収骨室

待合室から少し離れたところに中庭がある。空だけが

収骨室を抜けた先の開口では山景の一部が切り取られており、

見える非日常的な空間は、自然への知覚を研ぎ澄まさせる。

これから戻っていく日常の世界への暗示となっている。

空の庭 収骨室

船乗場

展開断面図 S=1:300

0

5

10

25(m)


天気によって明るさの変化する屋根の下で小屋型のボリュームが点在する

森を進むと白い屋根に覆われた住居たちが見えてくる

木々に囲まれた住居で最期の時を穏やかに過ごす


舟に乗り、島と門の先にある火葬場へと向かう

水と光、波の音だけ足元から入り込むアプローチを進み、別れの間へ

別れの間。高くにある開口が象徴的に炉室と空間全体を照らす


対岸の景色が望める待合室。遠くにあるまちの風景が日常をほのかに感じさせる

空の庭では流れ行く雲だけを眺めながら静かに故人を想う

収骨を終えると、視線の先に日常の世界の北の山々が見える


再び舟に乗り、ゆっくりと日常の世界へと戻っていく

湖上に浮かぶ火葬場は、森とともに故人を思い返すシンボルとなる


環が静かに、かつ存在感を持って奥浜名湖の水景に佇む



02

繋ぐ / 隔つ

阪急六甲駅を含む住宅地の一角に既存の駅機能を満足させながら、建築学科のための大学施設と地域に開かれた公共施設を内包した 複合施設を設計する。敷地の緩やかな高低差から続くようにスラブを螺旋状に積み上げ、下層のパブリック空間から上層のプライベー ト空間までをグラデーション状に連続させる。スラブの螺旋配置によって生まれる 4 層分のアトリウムは、多様な人々の移動と滞留が 立体的に入り混じるオープンスペースとなる。距離、レベル差、ルーバーなどの建築的操作によって大学、駅、地域、緑の4要素に繋 がりと隔たりを両立させた関係性を持たせ、それぞれが緩やかに混じり合う豊かなバッファーゾーンが生まれることを目指した。

2016.11 - 2018.02 学部 3 年設計課題 「STATION × ARCHITECTURAL STUDIOS」 敷地:兵庫県神戸市灘区 阪急六甲駅 用途:複合施設(駅、大学、地域コミュニティ空間)

学内選抜講評会選出作品 学内優秀保存作品


敷地:神戸六甲  交通量や商業施設の多い東側に対し、閑静 な住宅地が広がる西側、南側には八幡神社境

神戸大学

阪急六甲駅

内の木々が生い茂るなど周囲に様々なコンテ クストが挙げられる。多種多様な人々が行き 交うが滞留空間に乏しく、拠り所のない窮屈

六甲八幡神社

な印象となっている。

繋がりと隔たりの共存 Students

駅機能を内包した建築学科の新キャンパスを計画 するに際し、本来隣り合わせにならない学生のアク ティビティ、駅利用者の往来、地域住人の生活・交

Hall

流の最適な距離感を模索した。それぞれが行動する

Laboratory

Lecture room

中で互いの行動が垣間見え、居心地の良い空間を共

Cafe

Gallery

有するような関係性を目指し、「繋がりと隔たりが共

Local Resident

Store Studio

Library

Station

Station User

Plaza

存した穏やかな活気」が生み出される設計を試みた。

螺旋配置をはじめとした建築構成 ATRIUM

LAMINATION

SPILAL

敷地の傾斜から続くよう、

螺旋の連続性により、各機能が

螺旋の中心性により、アトリウム

機能を螺旋に沿って配置

緩やかに繋がる

が形成され、多目的なバッファー 空間が生まれる。

螺旋の立体性により、アトリウム

螺旋の内側にスラブが伸び、階段

螺旋の外側にスラブが伸び、外部

に面した室はオープンかつプライ

によって繋がることで内部空間の

との関わりを持つようになる。

ベートな性質をもつ。

立体性が増す。

INSIDE OUTSIDE

CONCOURSE

CAFE

CONCOURSE

TOWN OPEN SPACE

STATION

ファサードを彩るルーバーは、内部

線路上部は線路方向に対して抜け

東西端の広場は駅と町の緩衝空間

からの抜けを確保しながら外部から

を作り、動的なコンコース歩行者

になりながら、駅利用者を引き込

の視線や日射をコントロールする。

と静的なカフェ利用者が重なる。

むオープンスペースとなる。


A 閑静な住宅街に面した西広場は近隣住人が集える

敷地の傾斜から連続するようにスラブが螺旋状に

ポケットパークでありながら、まちから駅までの

積み重なっていく。スラブ間の小さなレベル差は

新たな結節点となる。

それぞれの空間を緩やかに繋ぎ、隔てていく。

敷地の東西を繋ぐパブリックな動線でありながら、 学生や地域住人が利活用するライブラリやギャラ リーのあるアトリウム空間

+1500

+2500 +3000

+4050

ライブラリ

GL±0 B +900

+4950

+5400

+1950

+6000

+4050 スタジオ

スタジオ

WSルーム・ ギャラリー

西改札

-3600

梅田行ホーム

±0

三宮行ホーム

±0

駅のホームや電車の車窓からワークショップルー ム・ギャラリーの様子が望むことができる。学生 三宮行きホームから線路越しに見上げるとルーバー の向こうにスタジオが見える。学生と駅利用者、双 方が互いの気配を柔らかく感じることができる。 A’

や地域住人の活動が駅利用者へと発信される。


屋根スラブ 屋根スラブ 屋根スラブ 東広場を中心に多くの人々が駅、キャンパス、ま ちへと流れていく。まちと駅、キャンパスが繋が

教官室 ルーバー屋根

る要となるヴォイド空間。

研究室 教官室 研究室 研究室 +3000 教官室 講義室(大)

教官室

屋上テラス

デジタルアーカイブ 講義室(小)

東広場

B’

+3000

エントランス ギャラリー

講義室(中)

オープン会議スペース

+3000

屋上テラス

会議室(小) 北改札

会議室(小)

ショップ 駅務室

倉庫

画材店

会議室(大)

±0 スタジオ

カフェ

屋上テラス 東改札

西改札

至バスロータリー連絡橋

ライブラリ(児童) 北改札

ホール

ギャラリー兼 WS ルーム ライブラリ(一般) 梅田方面行きホーム

線路やまちの軸と直交方向に、様々な場面で互いの 様子が垣間見える。ルーバーや高低差が見る・見ら れるの意識を薄くし、さりげなく互いが認識される。

三宮方面行きホーム

GL±0 - +6000 平面図 S=1:400


A

デジタルファクトリー オープン ミーティング スペース

会議室(中) +10050

B

会議室

+9000

+7950

会議室(大)

+9600

B’

+7050 +10050 講義室(中)

講義室(中)

+10500 +7050

講義室(大) 画材店 カフェ(ラチ外)

バス・タクシー乗り場 → カフェ(ラチ内)

東改札

コンコース

A’

GL+7050 - +10500 平面図 S=1:600

北立面図 S=1:500


三宮方面行きホームから、線路越しに学生や地域の活動が見える

緑やレベル差、ルーバーといったフィルター越しに内部の様子が溢れ出すまち側のファサード。

学生ラボ 学生ラボ

講義室(中) 会議室

カフェ スタジオ

ライブラリ(一般) ライブラリ(児童)

梅田行ホーム

三宮行ホーム

AA’断面図 S=1:300


敷地南に立つ六甲八幡神社の緑を引き込む

ラチ内外に備えられたカフェスペースは

中央に張り出したアルコーブでは

電車の待ち時間や待ち合わせにも利用しやすい

移動と滞留が混じり合う

ルーフガーデン 教授ラボ

リラックスルーム

シャワー室

講義室(小)

カフェ

学生ラボ 講義室(小)

教授ラボ 講義室(小)

講義室(小)

画材店

エントランスギャラリー ギャラリー・WS スペース

東広場

機械室

窮屈な印象だった敷地東に設けられた大きな広場は

学生や地域住人による展覧会などが行われ、

多様な人々と活動を受け止めるまちの緩衝帯になる

活動が地域や駅利用者へと発信される


スラブの和船配置によって生まれる レベル差を利用した座席設計

学生ラボ

オープンなコモンスペースでゼミや 外気温に応じて開閉可能な天窓

教授ラボ

プレゼンが行われ、学生の活動が地域に開かれる

学生ラボ

教授ラボ

講義室(大) 講義室(中)

講義室(中)

スタジオ スタジオ

ライブラリ ライブラリ

西広場

アトリウム脇のライブラリは駅からの

木陰のベンチや自由に動かせるチェアで

帰路においても気軽に立ち寄れる

居心地の良い空間を見つけて座ることができる

下垂式の壁面緑化が大きな壁を彩る

BB’断面透視図 S=1:200


2019.04 - 2019.06 修士 1 年 2019 年度日本建築学会設計競技『ダンチを再考する』 3 名共同設計(基本計画・設計統括・3D 検討・CG 作成等) 敷地:兵庫県宝塚市 仁川団地 用途:地域交流複合施設(オフィス・ライブラリ・児童館 他) 2019 年度日本建築学会設計競技全国審査選出 優秀賞(全国 3 位) 令和元年度 UR ひと・まち・くらしシンポジウム 出展

団地アソビバ計画 - 消えゆく仁川スターハウスの再生 兵庫県宝塚市、仁川団地の風景とも言えるスターハウス群は近い将来、消え去ろうとしている。解体とは別の方法で 仁川により深く根付く新しいスターハウスを模索した。 造成当時と現在で緑地と宅地が入れ替わる“プライベートとパブリックの反転”から、周辺住人のための地域拠点と しての機能を各棟に設定。内外を行き来する木造フレームによって敷地全体を大きな「アソビバ」にする転換を試みた。


仁川団地とスターハウスの消失

反転した宅地と緑地  兵庫県宝塚市南部に位置する仁川団地、その最も高台のエリアに「ス

多くの団地は住宅不足を解消するため、田

ターハウス」と呼ばれる団地が8棟並んでいる。中途半端に残った土地

園地帯や山地を造成して作られた。仁川団地

活用や景観上のアクセントといった背景のもと、1950∼60 年代に全国で

もその一つである。かつては緑地に囲まれた

多く建設されたが現在ではその多くが解体され、現存するものは数少な

環境が、周囲の宅地開発により、団地は密な

くなった。仁川団地においても、市はスターハウス全棟を含む仁川団地

宅地の中心に位置するオアシス的空間になる

全域を再整備する方針をとっており、半世紀以上前に建設され仁川の風

という『プライベートとパブリックの反転』

景ともなったスターハウスたちは近い将来、消え去ろうとしている。

が起きた。さらに郊外が都市化していく中で、

1959

P ri v ate 団 地 Pub li c 60year s

住戸としての価値は下がる一方ではあるもの の、団地内の豊かな緑地は町にとっては貴重

「ダンチ」から「アソビバ」へ

アソビバの構成とネットワーク化

スターハウスを解体した跡地に限られた人たちの住まいを作

遊びの中で自由に使われ、地を這うように連続して

るのではなく、団地の持つ歴史や地域性、豊かなオープンスペー

いく遊具から着想を得て、 『遊具的建築』を定義した。

スを生かした新たな可能性を模索した。8棟のスターハウス群

遊具的建築は使い手に「使い方」を強いるのではな

を仁川の団地の緑・記憶を継承するまちの核として再生する。

く、自由に使う上での「余白」を与える。既存スター

「団地アソビバ計画」は仁川におけるかつての「ダンチ」を

ハウス同士だけでなく、スターハウスと敷地・地域

周辺住人が利用する地域拠点としての機能を各棟に設定しなが

の間に溶け込む。そうして異なる 8 つのプログラム

ら、公園のように誰でも気軽に使うことができるオープンなエ

Pr i v a t e 戸 建 Public て 住 宅 マンション

2019

な公共空間として価値を高めていると言える。

を持つ棟を侵食するように全体をつなぎ、敷地全体 機能

リア、すなわち「アソビバ」に転換するという試みである。

が余白で溢れた「アソビバ」となる。

turn over

機能

スターハウスのシンボル性

余白とつなぎ役になる遊具的建築

遊具的建築によるネットワーク化

プログラム・配置  スターハウスを住居ではなくパブリックなものとして再構築。 それぞれの棟の立地や距離感、周囲との関係よりプログラムを当

宝塚第一中学校

図書

仁川幼稚園

仁川ウエル保育園

てはめ、遊具的建築である木造フレームを用いて環状に繋いだ。

仕事

仁川の地域図書館となるスターハウス。木々に囲まれた閑静な環境でありな がら、小・中学校からの帰路に利用しやすい位置に立つ。 仁川小学校

遊具

小規模な賃貸オフィスの他に、団地住人であれば安価で利用できるコワ ーキングスペースも備えている。

喫茶

躯体全体がアスレチック化しているスターハウス。平日・休日ともに子供達 で賑わう遊び場となる。南には斜面を利用した屋外劇場も備えている。

ひと休憩のためのカフェ棟。隣棟のオフィスワーカーとギャラリー来訪 者だけでなく、多くの人が気軽に利用できる位置に立つ。

Garally × Star House

保育

展示

周辺には幼稚園・保育園・小学校が立ち、子供が多い。子供持ち世帯のため のスターハウス。児童館・託児所などがあり、多くの子供を受け入れる。

仁川団地のメモリアルを常設展にしながら、住人による自由な企画展も 行われる。隣接する工房棟と関連した展示も可能。

Guest House × Star House

宿泊

アソビバ利用者だけでなく、周辺の娯楽施設利用者にも宿泊場所を提供 する。かつての団地暮らしを疑似体験出来るスターハウス。

Children × Star House

阪急仁川駅

0

S=1:3000

50

100

200(m)

工房

Creation × Star House

外から活動が見えやすい、ものづくりのための機器や環境を備えたスターハ ウス。小・中学校と連携して子供達のための工作教室なども行う。


スターハウスの空間特性を生かしたアソビバ空間の設計 a. 機能に合わせた RC 躯体の減築と  木造フレームの増築で生まれる新たな公共空間 御手 和室

6帖

(寝 室)

洗 御手

トイ

レ・

浴室

エントランス

ゲストハウス

3 面採光

ロビー

PRIVATE

PRIVATE

受付

PRIVATE

管理室 エントランス 執務室

和室

4.5

ダイニ

ングキ

ッチン

PRIVATE

ex.Guest House 2F Plan

住戸間で差異の大きな平面構成

近すぎる隣戸との関係性

緩やかなゾーニング

外部越しに繋がる距離感

プライベート性はコアから遠い外部側

上下・水平ともに生活が干渉し合う

プライベート性は外部から遠いコア側に

上下と水平で新しい繋がり

Cafe Plan ex-1

ex-2

カフェ

屋上庭園 眺望

カフェ

Guest House Plan

RC 躯体と木造躯体の増減によって、多種多様な空間を構成。 2階はギャラリー棟、3階は図書棟からのアクセスを考慮 し、それぞれの機能を延長するような計画になっている。

眺望

テナントカフェ

2 階がメインエントランス。2 階より上階は団地のプラン を最大限に利用した客室にした。かつての仁川での団地 暮らしを疑似体験できるゲストハウスを提案している。

図書棟へ

室外庭園

3F

和室 1 部屋を リノベーション

402 号室  301 号室

レストルーム

全面リノベーション

図書棟との 共同運営

図書カフェ

お手洗い

お手洗い カウンター席 レストラン

キッチン

2F

ギャラリー棟へ

ロビー

エントランス2

関係者出入口

ものづくり・ギャラリー棟へ

エントランス1

執務室

受付 管理室

お手洗い イベントホール 事務室

ダンチを改修し、木造フレームを挿入

401 号室

展望台へ

カフェ

Phase 2

502 号室

4F

テナントカフェ

改修前のスターハウス

和室 2 部屋を リノベーション

従来のプラン そのまま

403 号室

眺望

Phase 1

501 号室

503 号室

5F

改修前後と使い手による自由な増改築後の様子

1F 搬入用入り口

倉庫

木製パネル(増築)

RC スラブ(減築)


c. ひな壇造成の急斜面を生かした設計

b. スターハウスの軸方向・斜面に沿った建築間を繋ぐ

アスレチック棟

東斜面

南斜面

高さの変化を利用し、様々な位置から 仁川を眺めることができる展望台に

軸の延長戦上の交点で繋ぐ

Phase 3

ゲストハウス棟

使い手によって自由な増改築が重ねられる

急斜面を生かしステージの観客席に

家の目の前が働き場所になってとっても便利!

外にテラス席作っちゃお!

緑のカーテン、いい感じになってきたね

居心地のいい場所だ。 ちょっと座って読書でもしよう。

散歩にちょうどいい公園だなぁ 今度はカフェに行ってみよう

ハンモックを吊るしてみたら休憩スペースに たくさん人が集まるようになった!


アソビバを巡る住人たちの生活 06:00 仁川小学校に通う

12:00

就寝

単身ノマドワーカー (37)

ギャラリー棟で 団地体験学習

オフィス棟で仕事

体験学習の

カフェ棟で

案内ボランティア

就寝

アソビバ全体の デッキを散歩で1周

15:00

ゲストハウス棟と

ギャラリー棟

隣地マンションに住む

定年済みの木工作家 (67)

学校

就寝

女子児童 (11)

趣味が高じて始めた

09:00

ものづくり棟で作品制作

お昼

18:00

ものづくり棟で

アスレチック棟などで

図工の校外学習

友達と遊ぶ

ライブラリ棟で仕事

カフェ棟で取引先と 打ち合わせ

21:00

24:00

就寝

ものづくり棟で モックアップの 確認

ものづくり棟で小学生に

ギャラリー棟とライブラリ棟に

校外学習の指導

立ち寄りながら帰宅

帰宅、カフェ棟テイクアウトメニューで夕飯、

就寝

ギャラリー棟での次期企画展の準備

就寝

展開断面図 G 地上から5階までの確実な縦動線として共用階段 のあったコア部分は全棟保存

F シームレスな連続、階段による接続、 立体交差をはじめとする地面とデッキの様々な関係性

E 内部に侵食した木造フレームが 本棚に変化していく

屋上ガーデン

学習室

開架室(科学)

開架室(小説)

開架室(特集)

開架室(郷土)

ハンモックルーム

開架室(YA)

児童書

事務室


アソビバのとある1年間 January

1

Fabruary

2

March

3

April

4

May

5

June

6

7 July

August

8

September

9

October

10

November

11

December

ギャラリー棟で

宿泊棟を貸切って

年度の終わりに

桜並木で

カフェ棟で

ものづくり棟で

全棟と広場、

屋外劇場で

ギャラリー棟で夏休み

広場で

ライブラリ棟で

広場と屋外劇場で

夏休み演劇祭

絵画・工作展覧会

仁川団地運動会

読書週間フェア

年越しイベント

書き初め大会

真冬の天体観測

ペンキ塗り

花見パーティー

親子料理教室

オリジナル雨傘作り

屋外劇場で夏祭り

12

アソビバのこれまでとこれから 周辺団地の

仁川団地建設

高度経済成長に伴い、 周辺に住宅が立ち並び始める

-60years

団地居住者の 減少、高齢化

-45years

D

-15years

C

オフィスと図書館を繋ぐ地上 5mのデッキ

躯体の老朽化等により、 建て替えの声が上がる

-5years

「団地アソビバ計画」

木造フレーム

解体、新築工事

始動

±0years

(基本動線部分)の建設

スターハウスの

段階的にスターハウスの

躯体補強工事

利用を開始

+3years

+5years

B コワーキングスペースからは 木々の枝葉の揺れる姿が見える

「アソビバ」完成

+7years

木造フレームの

躯体寿命による

増築・更新

スターハウス解体

+15yesrs

+20yeras

+50years

+25years ...

A 地形の傾斜に合わせて 高さを変化させて行く木造フレーム

基礎部分に土を入れて 躯体内に植樹

広く使われる空間において、保存した 壁の開口が外界を巧みに切り取る

屋上ガーデン

カフェ

カフェ

屋上ガーデン

レンタルオフィス

コワーキングスペース

コワーキングスペース

コワーキングスペース

コワーキングスペース

スタディコーナー

スタディコーナー

イベントルームA

イベントルームB

テラス

書店併設カフェ

レストラン

テラスカフェ

イベントホール

D C B A

0

2

5

10

20(m)

E F

G


木造フレームにかけられたネットで揺られながら本を読む

オフィス棟の休憩スペースには緑が溢れ、心身ともに疲れを癒す

子どもも大人も一緒に楽しめるアスレチック棟

仁川団地に根を下ろし続けた木々に囲まれた閲覧室

デッキが地形に沿いながら木々の間を進み、スターハウスへと繋がっていく


機能

- 消えゆく仁川スターハウスの再生 -


2018.05 - 2018.07

04 路の景色 み ち

神戸市中央区を走る阪神高速道路の高架上に歩行者を中心としたオープンスペースを計画する。神戸は海沿いに大規模な幹線・高架道が建設された影響で街 と海の繋がりが消え、歩行者のための海沿いの東西動線も豊かとは言えないものになっている。加えて、構造体としての寿命や自動車社会の変容による今後の 高架道のあり方も問われることとなる。街と海、西と東、人と人とを繋ぐ「路」を作り、神戸のウォーターフロントに新たな価値を与えることを目指した。

学部 4 年設計課題「神戸ウォーターフロント・ランドスケープ」 敷地:兵庫県神戸市中央区 阪神高速道路 用途:オープンスペース

学内最終選抜講評会選出作品 学内優秀保存作品 京都ランドスケープデザイン展 2018 出展 ランドスケープデザイン賞


神戸ウォーターフロントを取り巻く背景

三ノ宮と高架の新たな形

1. 大規模な自動車道、埋立地

阪神高速道路

Phase.�

神戸三宮はそれぞれの拠点

が街と海を分断

国道2号線

新たな高架を作るプロセス

やエリアで特色はあるもの

現在の神戸ウォーターフロントには阪神高速、浜手バイパスが走っており、

の、互いの繋がりには乏しい 2. 海を感じることのできない

浜手バイパス ポートアイランド

景観と走行音の点で居心地の良い空間を生み出せていない状況にある。

のが現状である。そこで街と

「海岸通」

海にかかる環状の歩行者空間

Phase.�

1959

を三宮のマスタープランとし 3. 今後見直されていく高架道

既存の機能を現在計画されている沖合のバイパスへ移転。使われなくなった

て計画し、4辺で特徴を変え

のあり方

高架に浜名バイパスの機能を一時移転し、バイパスの解体・地下化を進める。

ながらも「食」という共通の

Phase.�

テーマで三宮を面的に活気づけることを目指した。マスター 4. 自動運転やドローンによっ て変化する自動車社会

プランの一部は阪神高速道路を対象にしており、街と海の境

バイパスの地下化完了後、残った高架を歩道へと変える整備を行う。市街

界線上にある高架に新たな価値を与えることが課題であった。

地と連続する、新しくなった高架を介して街と海が繋がる。

地上8mのデザイン

高架オープンスペース化による利点

地上から 8m 近く高い位置にある高架上からは様々

「路」を形成する小さなプログラム  様々なニーズに応えるため、長く続く高架上の空間に小さな操作・機能を加えていき、空間を性格づけていく。

線的緑地

解体費節約

にとって豊かな空間にするため、断面計画では狭域

長く伸びていくので街から

躯体のほとんどを残すこと

的な視線の操作として緩やかな傾斜で視界の開きや

の認識やアクセスが容易

で解体費の節約に繋がる。

な眺めを望むことができる。平面計画には広域的な

性格の異なるそれぞれの空間をシームレスに連続させて「路」を形成し、人々の活動で溢れた高架上とする。

視線の操作として、高架上からの風景やランドマー クを頼りに抽出した軸線からプランニングを行った。  平坦で一方向に伸び続ける冗長な高架上を歩行者

閉じ、視線の誘導、風景のトリミングを図った。 歩車分離

眺望

Before:Flat

ペイブメント

自動車道と連続しない歩行者

視界が開け、海方向、山方向とも

のための安全な空間。

に遠くまで見渡すことができる。

Open

Closed

拡張性

災害

Induction

Trim

建設済みの躯体を使用するので

津波被害時には海岸部にいる観光客

将来的に拡張を計画できる。

や住人の避難場所として機能する。

芝生

ベンチ

プラザ

パーゴラ

水盤

木陰

菜園

コベリン

メモリアル

Grass Forest KYOBASHI-STREET

Water

FLOWER ROAD

Urban Garden

HIGASHI YUENCHI

Memorial

KOBELIN PORT KAIGAN-STREET

KYOBASHI STAIRS BENCH

KOBELIN PORT

KOBELIN PORT

CAFE

VEGETALE GARDEN POTAGER

KOBELIN PORT

EAST SIDE HILL POTAGER

PLAZA SEASHORE TERRACE MERIKEN PARK

BREAKWATER VIESPOT

WATERFALL

VEGETALE GARDEN SEE-THROUGH WATER FEATURE

MERIKEN TERRACE KOBE CUSTOMS


MERIKEN Road & Mountain View

NANIWACHO St.

MERIKEN HATOBAYAMA St. 既存の歩道橋と高架を接続

KYOHBASHI St. & Mountain View

海岸通に向かって一部エリアを低くし、

高架から見ると、浪花町通の

京橋通の軸線に作られた階段ベンチ。

落ち着いて座れる空間を形成

並木と高架の緑が連続する

視線の先には六甲山系の山々が見える。

Port Tower View

中央分離帯を一部保存・改修し、神戸の歴史を

神戸ウォーターフロントの象徴でもある

流れる傾斜水盤の下には

木々に囲まれて片流れの小さな建築が立つ。

パーゴラの下からは、ポートタワーが

伝えるメモリアルギャラリーにコンバージョン

突堤と同じ方向に伸びる展望台

海に近づく階段デッキ

案内所やカフェ、トイレ、地上との EV を内包する。

海と連続した水盤の向こうに見える。

1st Jetty & Ocean View


HIGASHI YUENCHI & Kobe City Hall & Mountain View かつての海岸線に沿って

ハーブなどが中心に植えられた、観賞も兼ねた菜園(ポタジェ)が

地上部に水盤が広がる

高架中央に谷を作り、通る人々に爽やかな香りを届ける。

東遊園地や高層マンションエリアと接続する陸橋

Port Tower View

傾斜の変化する芝生広場は平坦な高架に「地形」を

高架の構造を剥き出しにした水盤は、

高架下には食に関連した

近隣住人や高架下の店舗オーナーが

丘になった芝に座ると、木々と水盤の向こうに

与え、人々に多様なアフォーダンスを生む。

高架下に水で揺らめく光を落とす。

チャレンジショップが立ち並ぶ。

利用できるレンタル高架上菜園

東遊園地や市役所、六甲山へと視線が抜ける

0

10

20

50

100

200(m)


パーゴラ下から、水盤越しに神戸のシンボルであるポートタワーへと視線が抜ける

メリケンパーク近くから海岸通方面を見る

突堤方向へ伸びた展望台の先に海が広がる

京橋通越しに六甲山系の山々を望むベンチ

かつてはアスファルトが続いていた高架上を芝生や木々、菜園の緑が彩っていく


京都ランドスケープデザイン展2018  2018 年 11 月 20∼29 日にかけて京都造形芸術大学を会場に行われた『京都ランドスケープデザイン展 2018』において、本作品が大学代表作品(計 4 作品)として出展された。展覧会には 11 大学から計 31 作品が集まり、 その中での 16 選抜作品の一つとしてプレゼンテーションを行った。大学や学科の垣根を超えた議論をすることができた。以下、展覧会の様子が掲載された「LANDSCAPE DESIGN 2019 年 4 月号」より抜粋。『単調になり がちなリニアな空間を適度に分節しながら場所ごとのデザインを行いつつ、しかし全体としては伸びやかで調和のとれた一連のデザインとしてまとめ上げるセンスは秀逸である。』


05 Terrace in the Forest 神戸市灘区を流れる都賀川と山手幹線が交差する一画に地域社会との関わりを持つことのでき る保育所を計画する。子どもたちの外での活動の場を高い塀で囲うのではなく、段上に地上と 繋がったテラスを周囲に配置し、木々とともに柔らかく覆う。テラスと木々はパブリックとプ ライベートの境界線を曖昧なものにし、互いの存在が日常の風景の中に溶け込んでいく。

2017.04 - 05 学部 3 年設計課題「都賀川沿いに立つ子育てスクエア」 敷地:兵庫県神戸市灘区 用途:保育所 学内最終選抜講評会選出作品 学内優秀保存作品

敷地:神戸市灘区 都賀川

阪急神戸線

都賀川

山手幹線 JR 神戸線

森とテラスの保育園 forest zone nursery zone public zone

nursery zone

柵や塀で囲われた一般的な保育所

public zone

保育所内外の境界として森を築き、 テラスで繋ぐ HOLIDAY

WEEKDAY

public public

private

public

private

屋上テラスは容易な操作で公共に開かれる


休養室 シャワー室 作業室

図書室兼倉庫 会議室

0・1歳児共有ロフト 医務室

多目的室 職員室 2・3歳児共有ロフト

4・5歳児共有ロフト

相談室

ロフト階 平面図 S=1:750 園長室

調乳・汚物処理・沐浴室

厨房

屋上テラス

倉庫 0歳児室 機械室 1歳児室

プレイルーム

2歳児室

5歳児室

4歳児室

3歳児室

教材室

地上階 平面図 S=1:500

テラスの下は子どもたちの遊び場にもなる。 休日でも、小学校に上がっても、 子どもたちにとって保育所は身近なものであり続ける。

大きな木が植えられた中庭は室内に光を届ける。 中庭にもロフトは続いており、枝葉を間近に感じられる。

子どものスケールに合わせたロフト階など、 内部空間には子どもの居場所が多々ある。

G 階 平面図 S=1:750

屋上テラスは屋上デッキから直接登ることができ、 子どもたちが駆け回る。

屋上全体が子どもたちの外の遊び場となる。 デッキを囲む木々は季節とともに表情を変える。

玄関から階段状に続くテラスの先にはまちがある。 木々の中に立つ保育所がまちの風景となる。

断面図 S=1:250


06 Shades

~Memorial for Paul Henningsen~

世界で最も有名な照明ランプとも言われる「PH5」をはじめ、数多くのランプをデザインした照明プロダク トデザイナー、ポールヘニングセンのメモリアル空間を計画する。彼のプロダクトやデザイン理念を建築へ と翻訳し、構成された空間で、来場者は様々な光の空間を体験し、洗練された光の美しさを思い出す。

2017.06 - 07 学部 3 年設計課題「面構造によるメモリアル空間」 敷地:兵庫県神戸市中央区 北野異人館街

学内最終選抜講評会選出作品 学内優秀保存作品

用途:ミュージアム

内部と外部、地上と地下、 光と闇の中間領域

展示を進むにつれて闇が増していく

スロープの先には上階との間に設けられた スリットから光が漏れ、来館者を誘導する

厳選された光だけが 差し込む世界

スロープを上るにつれて光が増していく

北面のスリットからの光が 非日常的な空間を生み出す

C

A B


全体配置図 S=1:1000

平面図 S=1:1500

ポール・ヘニングセン 「PH5」をはじめ、世界的に名作とされ る数多くのランプを送り出したデンマー ク生まれの照明デザイナー、ポール・ヘ ニングセン。24 時間眩い照明に包まれ た現代において、彼の「光」への理念を もとにメモリアル空間を提案する。

敷地:神戸北野異人館街 彼の故郷の異人館、 デンマーク館が隣接 している神戸北野異 人館街の一画。最大 高低差 13m を最大限 生かした計画を行う。

庇となっている上階スラブ下に水盤の反射光が映る

スロープの先の窓から空が見える

太陽光が北面の壁を光らせる 下のスリットからは水盤からの反射光が差し込む

中庭へと通ずる踊り場の前後で採光が変化する 天井高も高くなっていく

エントランスへ戻る

D

E

0

5

10

25

50(m)

展開断面図 S=1:400


07 ただようヤネ

2017.10 - 11

大学施設において、一般に向けてオープンな場になる空間は少ない。加えて、施設内の空間も内外が明確に分離されており、

学部 3 年設計課題「近畿圏の大学のためのセミナーハウス」

それぞれ均質な空間が並んだものが多い。学内活動だけでなく、他大学や地域、企業などとの関わりの場になるセミナー

敷地:兵庫県神戸市灘区 灘丸山公園

ハウスが社会的・空間的に繋がりをもち、静と動両者の観点から豊かな自然を体感できるように計画した。

用途:セミナーハウス

公園のような建築・建築のような公園

ただようヤネによる空間構成

神戸市灘区に位置する灘丸山公園を計画敷地としたセミナーハウスを計画す る。豊かな自然と眺望に恵まれ、周辺住人の憩いの場にもなっている敷地特性を 生かし、従来の大学施設にはない公園のようなセミナーハウスを目指す。

outside

inside

灘丸山公園 山手幹線

市立長峰中学校

分散させたプログラム同士

一内部空間は斜面に沿った1枚

敷地全体に伸びる曲屋根は施

内外空間の接点では 2 種の

の距離差・レベル差で敷地 全体に緩やかな起伏を形成。

点在する平屋根と連続する曲屋根

屋根下での滞在と移動、両

の平屋根で構成。外部にオープ

設利用者の動線かつ公園利用

ンかつ視線が奥へ通り抜ける

者の散策路・溜まり場となる。

屋根が重なり、光が思がけ

が混じり合うことで公園全体が建

者の観点において利用者は

ない形で現れる。

築となり、建築全体が公園となる。

様々な形で自然を感じる。

全体配置図 S=1:3000


南東立面図 S=1:200

学生宿泊室

スタジオ ( 大 ) コモンズ

ゼミ室

ゼミ室

断面図 S=1:400


Alteration City

~ なんばの成長・更新していく新たな都市像の提案 ~

大阪ミナミ、その中核を担う難波に新たな形態の IR(統合型リゾート)を計画する。『幹』を中心に機 能や形態が入り乱れ、インバウンド需要やナイトタイムエコノミーを取り入れた大樹のような建築から、 『根』のように人々がミナミ全体へと広がり、新たなミナミの都市像を形成する・。

2019.06 - 08 修士 1 年設計課題「おおさかメガ・サウス - ミナミの未来構想 -」 5 人共同設計(基本計画・設計統括、3D 検討、CG 作成等) 敷地:大阪府大阪市中央区 難波 用途:IR(カジノ・MICE・ホテル・商業施設等)

大阪ミナミの未来構想

成長・更新するミナミの大樹

大阪は訪日インバウンド観光客 の4割を占める日本最大のインバ YOTSUBASHISUJI

ウンドエリアである。近年の再整 備により、下町文化の根強い大阪 ミナミは夜間における活動も容易

大阪は日本最大のインバウンドエリア

NANIWA-SUJI line SHIN-NAMBA st.

になった。ミナミのさらなるブラ ンド化と経済発展を目指し、イン バウンドを取り込んだナイトタイ ムエコノミーにも特化した未来型 インバウンド需要の拡大により

IR を大阪ミナミに最適化して提案 する。

日々大都市へと変化し続けるミナ ナイトタイムエコノミー (20~27 時の経済活動)の活用

ミの姿を、長い年月をかけて成長 する大樹に見立て、具現化。

クレーン(幹)と店舗 (枝葉)が日々進化し 続ける。

ミナミに滞在する人々の行動範囲 を3パターンに分けながら縦動線・ ヴォイドによって空間を一体化。

MIDOSUJI NANKAI NAMBA st.


0

部分断面図 S=1:250

2

5

10(m)


09 2019.10 - 11

「ビジターの行動における目的の有無」に着目しながら、力強く広 大な溶岩地帯のランドスケープをリスペクトした象徴的なビジター

海外実施コンペティション

センターを目指した。ビジターセンターとしてのプログラムが詰め

「ICELAND BLACK LAVA FIELDS VISITOR CENTER」 3 名共同設計(基本計画、全体システム・膜部分検討、CG 作成等)

込まれた Black Box を、境界が曖昧なフレキシブルな空間である White Surface で取り囲んだ。2つの異質な空間が隣り合うこのビジ

敷地:アイスランド ディムボルギル

ターセンターは、Black Lava Field を訪れる者への新たな居場所であり

用途:ビジターセンター

ながら、Black Lava Field に対しても新たな価値と風景を生み出す。

0

20

50

100(m)

S=1:2000

Prologue

Configuration with Box and Surface

Contrasting and coexisting forms

Use of geothermal heat

Changes in season and time

...

?

X

BOX

B

O

×

electricity generate

SURFACE

...

×

natural landscape

BOX

organic shape

geometric shape

hot-water supply

Summer

Winter

Night

× S

U

R

F

A

C

E

B

×

O X

...

SURFACE

natural boundary streamline

来訪者の“目的の有無”を手がかり に新たなビジターセンターの形を提 案する。

目的=プログラムを内包した黒い 直方体と、白い膜構造による無目 的=フレキシブルな一体空間。

それぞれの空間は目的の有無に関わ らず、ビジターが心地よい居場所を 見つけることができる。

soft boundary

hard boundary

空間やプログラムが対比的な両者が共 存することで、ビジターセンターとし て初めて成立する。

geothermal energy

発電や給湯を地熱エネルギーで賄 う。蒸気がボリュームから出る光景 は新たなランドスケープと化す。

夏には膜の白が、冬にはボリュー ムの黒が、夜には開口と膜全体か らの光が際立つ。


+ 12 0 0

Counter seat

Âą0

Cafe space

Roof floor plan

Rest Space

Exihibition space

(for temporary exhibitions) Cafe kitchen

EV

Exihibition room

EV

(for permanent exhibitions) Coin locker

PS

PS

Kitchenette

Office

Dressing room

Jet spa

Dressing room Staff toilet

WWC

MWC

Powder space

Spa for women Spa for man

Stockroom Shop counter

Second floor plan

Visitor shop

Reception

Eentrance hall

EV

Backyard

PS

Power generator

0

S=1:500

5

10

20(m)

Ground floor plan

Under ground floor plan

A chimney-shaped top light opening toward the south delivers light to the spa so that it can collect light even when the sun is low.

Light is transmitted and diffused through the ETFE film roof,creating uniformly bright space on the north side of the Black Box. Warm air blowing from the wall to the film roof can warm the space under it, and play the role of preventing condensation and melting snow as well.

All the electricity consumed in the building is produced by the geothermal generator, achieving the goal of energy independence. Power generation and hot-water supply are performed by using a small geothermal steam turbine / generator with an output of 1,000-2,000kW.

The entire building is heated from the frame itself with the floor heating system where hot water pipes pass through concrete slabs.


10 SEW THE CITY

敷地:天津市“Haihe River” SITE

中国、北京市から南東に 100km ほど離れた位置にある天津市。都市圏人口 720 万人を有する天津市内に流れる海河 “Haihe River”沿いの敷地に地域住人をメインターゲットとしたオープンスペースを計画する。水岸線、デッキプロ

北京

Tianjin Eye

天津市

ムナード、グレーンベルト、堤防の帯が川と街を縫い合わせるように紆曲、分岐、交差しながら様々な空間を作り出す。

Tianjin Station

2019.11 修士 1 年神戸大学 × 天津大学国際ワークショップ 「Public space for cruise ship terminals on Haihe River,Tianjin」

北京から南東に 100km ほど離れた位置にある天津市。その中心部に流れる 海河(Haihe River)沿い、約 8000 ㎡を計画敷地とする。近くに市のランドマー

4 名共同設計(基本計画・設計統括・3D 検討・CG 作成等)

クである観覧車が立っているが、観光客はすぐ近くでタクシーを乗り入れす

敷地:中国 天津市 海河(HaiheRiver)

るため敷地の利用層は近隣の高層マンション住人がほとんどである。敷地か

用途:オープンスペース・カフェ・チケットセンター

ら望める Tianjin Eye をはじめとする風景をより魅力的に、かつ近隣住人にとっ てより使いやすく活動的なオープンスペースが求められた。

神戸大学×天津大学国際ワークショップ2019

コンセプト:SEWING

2019 年 11 月 24 日から 30 日まで、天津大学で建築設計・都市計画・ランド スケープを専攻とする学生と共に行う国際ワークショップに参加した。ワー クショップはゲスト大学とホスト大学が毎年交互に入れ替わり、2019 年は神 戸大学の学生が天津大学へ訪問する年であった。  ワークショップの内容は神戸大学の学生 5 名と天津大学の学生 14 名が4 チームに分かれ、天津市内を流れる“Haihe River”沿いの敷地に地域住人や 観光客が訪れる活動的なオープンスペースを提案するというものである。 チームは私だけが日本人、その他 4 名は中国人であり、全てのやり取りは英 語で行い、現地調査からコンセプトメイキング、プランデザインや 3D モデ ルでの検討、最終プレゼンテーションまでを7日間で行った。  言語や考え方、バックグランドの違うチームメイトをはじめとする全く新 しい環境の下で行ったワークショップでは日本では獲得できない様々な知

互いに希薄な関係性にある都市と川を「縫う」ようにランドスケープで繋

識、考え方、経験、評価を得ることができた。

ぎ、近隣住人に様々な活動の場を与え、愛される場を計画する。


A

WHARF SWIMMING POOL/ SQUARE

FISHING AREA GRASSLAND

CHILDREN’S MINI PARK CITIZEN PLAZA CAFE under Grass

WATER CHANNEL

Plan S=1:1500

A’

0

10

20

50(m)

都市と川を「縫う」ランドスケープ構成 Point Activity Space

Shore Line

Haihe River

Shore Line

敷地全体に必要な線の要素である水

Waterfront Walk Path

岸線、水辺のプロムナード、グリー

Green Belt (trees,grass area)

WL+1000~2000

intersect

City Side Walk Path & Hazard Line

ナードをリニアに設定。

Avenue

Avenue

WL+1500~+5000 WL+4000~+5000 WL+4000

Residence City

Detail Plan S=1:600

WL+0

branch

Green Belt (trees,grass area)

ンベルト、堤防兼まち側のプロム

City Side Walk Path & Hazard Line

meander

Waterfront Walk Path

それぞれを紆曲、分岐、交差させる。 高さに関して、プロムナードは季節 の水位変化や洪水時の増水レベルか ら設定し、グリーンベルトは場所に

Linear Activity Space

Shore Line

プロムナードを「線的アクティビ

Waterfront Walk Path Green Belt (trees,grass area) City Side Walk Path & Hazard Line

5

10

ドを「点的アクティビティエリア」 とし、後者は敷地条件などから機能

Avenue

応じて変化させる。

0

ティエリア」、線の要素によるボイ

や特性を設定。

20(m)

AA’Section S=1:500

ferry wharf

ferry wharf

children’s mini park pathway

sidewalk cafe

road

sidewalk canal



Architecture Portfolio Shun Nakakura Selected Works 2015 - 2019

KOBE univ. Depertment of Architecture Architectural & Environmental Design Endo Shuhei lab.


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