スウェーデン児童文学
ここで 子どもは 成長する
ここで子どもは成長する 「よい文学は子ども達にこの世界での居場所を与えるとともに、彼 らの心の中に世界を創造します」とアストリッド・リンドグレーン は言いました。本展示「ここで子どもは成長する」を通じてスウェ ーデン文化交流協会はスウェーデン児童書研究所との連携を計り児 童文学の役割についての意見交換の機会をつくること、また海外へ の発信を期待しています。
© Ingrid Vang Nyman / Saltkråkan
国際的な交流とは、つまりは本が翻訳され、世界の様々な地域の読 者が互いの理解と知識を深めることです。 スウェーデンにおいて児童文学は重要な位置づけにあります。 スウェーデンには世界最大の児童・青少年文学賞であるアス ト リ ッ ド ・ リ ン ド グ レ ー ン 記 念 文 学 賞 ( AL MA) が あ り ま す 。 スウェーデンではまた児童・青少年文学について様々な研究が行わ れています。研究者とこの分野に関心のある一般の人の支援のため 児童・青少年文学の国立研究機関であるスウェーデン児童書研究所 (Sbi)があります。さらにストックホルム大学には児童文化研究学 部(CBK)もあり、講座やシンポジウムや学会が開かれたり、児童 文化という分野に関する研究誌が発行されたりしています。 全ての子どもが身近に感じられる文学を手に取りやすいものにする ことが一つの挑戦です。また子どもや青少年に本を読みたいと思わ せることも重要です。児童の権利に関する条約で表現されている通 り、子どもには情報を入手し、社会に参加し、文化的生活を送る権 利があります。私どもは読書力、創造力の重要性を高めるととも に、文学の喜びと有用性を明示したいと願っています。 作家、イラストレーター、翻訳者、出版社、図書館、研究機関、研 究者は、この活動において重要な役割を果たします。本展示「ここ で子どもは成長する」でご紹介する作家とイラストレーター、具体 的な出版社の連絡先、スウェーデン児童書研究所(Sbi)とアストリ ッド・リンドグレーン記念文学賞(ALMA)の詳しい情報は次のペー ジをご参照下さい。
エッマ・アードボーゲ
クリスティーナ・ディーグマン
1982年生まれ。イラストレーター、作家。ホーフォシュ
1959年生まれ。イラストレーター、作家。コペンハー ゲンの芸術アカデミーで学ぶ。
の漫画学校で教育を受ける。 エッマ・アードボーゲは19歳の時にデビューしました。 それ以来20冊ほど作り、他の作家の文章にもイラストを つけています。彼女の絵本では、混沌とした日常や子ど も時代の感情の機微がつぶさに描かれています。レーニ は外の世界全般、自分のお父さんに特に自分がしっかり しているってことを示したいと思っている小さな女の子 です。『レーニのオッレ』は2013年、イラスト賞である エルサ・ベスコフ賞を受けました。 出版社:ラベーン&ショーグレン・エージェンシー(レ ーニ)
児童書のイラストを初めて手がけたのは、サンナ・トー リンゲのVår hemliga trädgård (ぼくらの秘密の庭)でし た。またアストリッド・リンドグレーンの童話、『ペー テルとペトラ』(Peter och Petra)の絵本版にもイラスト をつけています。さらに初めて文とイラストの両方を手 がけた『フローラのにわ』(Floras kulle)は2008年に出版 され、スウェーデン作家協会によりSlangbellan(スラング ベッラン)新人賞を与えられました。オーサ・リンドの サカリーナと砂のオオカミのシリーズでは、こじんまり とした独特の水彩画によって、哲学的な物語をさらに一 段高みへと引き上げています。 出版社:ラーベン&ショーグレン(サカリーナ)
グニッラ・ベリィストロム
エヴァ・エリクソン
1942 年生まれ。作家、イラストレーター。ジャーナ リストの教育を受ける。
1949年生まれ。イラストレーター、作家。コンストフ ァック(スウェーデン王立芸術工芸大学)で学び、画 家教師の教育を受ける。
アルフォンス・オーベリについての著作は版を重ね、読 み継がれています。1972年に1作目の『おやすみアルフォ ンス!』(God natt, Alfons Åberg) が出版されて以来、ア ルフォンスの本はスウェーデンで500万部も出版されてい ます。さらに翻訳も30か国語にされています。アルフォ ンスは芸術学の博士論文によく用いられ、その名前を冠 した賞まで登場し、アニメ-ションにも劇にもなってい ます。 出版社:ラベーン&ショーグレン・エージェンシー(ア ルフォンス・オーベリ)
エヴァ・エリクソンはマックスやきかんぼぼうや、赤ち ゃんやみみりんといった一連の現代の古典的な作品にイ ラストをつけてきました。また彼女は自身の絵本も手が けました。彼女の温かでユーモラスなイラストは、様々 な作家の文と調和します。彼女はイラストレーター賞の エルサ・ベスコフ賞、文学賞のヘッファクルンペン賞、 また三回の権威あるアウグスト賞受賞と、幾度となくそ の功績を讃えられてきました。 出版社:ラベーン&ショーグレン・エージェンシー(マ ックス)
vanliga små smultron. Det var de största, de rödaste, de läckraste smultron som Zackarina någonsin hade sett. De var så blanka och glänsande att det lyste om dem. Och hon kände doften, kunde nästan känna smaken. Åh, vilka smultron!
アン・フォッシュリンド
レーナ・ランドストローム
1953年生まれ。イラストレーター、作家。コンストフ ァック(スウェーデン王立芸術工芸大学)でイラスト の講師をしている。
1943年生まれ。イラストレーター、作家。ベックマ ン・デザイン大学で学ぶ。
アン・フォッシュリンドは他の作家の絵本にイラストを つけたり、絵本の文とイラスト両方を自身で手がけたり してきました。彼女の創作活動は赤ちゃん絵本、就学前 児童向けの絵本、児童や青少年向けの色彩学や絵の描き 方についての3冊のノンフィクションなど多岐に渡りま す。"赤ちゃん"の絵本では、赤ん坊の視点からとらえた日 常が描かれています。アン・フォッシュリンドは簡潔な 文章と余計なものが削ぎ落とされたイラストの両方で最 初から最後まで一貫して赤ちゃんの思考や感情を描き出 します。アン・フォッシュリンドは2001年にイラスト賞 であるエルサ・ベスコフ賞を受けました。
レーナ・ランドストロームは夫のオロフ・ランドストロ ームと一緒にたくさんの本を作ってきました。2人はニッ セやムーやんメーやんのような、有名な絵本のキャラク ターを輩出してきました。ポムとピムのシリーズは乳幼 児を対象にしています。レーナ・ランドストロームは少 ない言葉で、乳幼児の思考や感情を繊細に表現していま す。ランドストローム夫妻はともに文学賞であるアスト リッド・リンドグレーン賞とヘッファクルンペンを授与 されました。レーナ・ランドストロームはまた自分また は他の作家の絵本の文章にもイラストをつけています。
出版社:アルファベータ出版(赤ちゃん)
I_Pom_och_Pim.indd 24
ペール・グスタフソン
エヴァ・エリクソン
1962年生まれ。イラストレーター、作家。芸術産業大 学で学ぶ。
1949年生まれ。イラストレーター、作家。コンストフ ァック(スウェーデン王立芸術工芸大学)で学び、画 家教師の教育を受ける。
ペール・グスタフソンは1995年に絵本Stoppa bollen(ボ ールを止めて)で作家デビュー。お姫様についての本の1 巻目、Så gör Prinsessor(お姫様はそうする)は2003年に 出版されました。ペール・グスタフソンはエネルギッシ ュなお姫様を描くことで、茶目っ気たっぷりに古い女性 像に疑問を投げかけます。お姫様を主人公にした本はこ れまで9冊、När prinsar stannar hemma(王子様が家に残 る時)のような番外編も数冊出されています。ペール・グ スタフソンは2014年にイラスト賞のエルサ・ベスコフ賞 を受けました。 出版社:ナトゥール&クルトゥール(王子様とお姫様)
Vilken otur. Nu är ballongen trasig.
出版社:リッラ・ピラート出版(ポムとピム)
オロフ・ランドストロームは様々な作家と、とりわけ妻 のレーナ・ランドストロームと多く共作してきました。 その本の多くからは彼がアニメーションの制作に深く関 わってきたことが分かります。赤ちゃん絵本、ポムとピ ムはアニメーション的な場面で成り立っています。イラ ストは細部までは余り描かれておらず、中心的なのは感 情の変化を投影したポムの仕草や表情です。ランドスト ローム夫妻は2人で文学賞、アストリッド・リンドグレー ン賞とヘッファクルンペンを獲得しました。 出版社:リッラ・ピラート出版(ポムとピム)
2012-05-22 08:44
オーサ・リンド 1958年生まれ。作家。ニュッケルヴィーク芸術専門学 校とストックホルムでジャーナリズムを学ぶ。 オーサ・リンドはラジオ放送用の童話を200作以上描い た後、本という形式で1995年にデビューしました。そ れ以来、児童と青少年向けに20冊ほどの本を描いてき ました。最も有名なのは想像力に富んだ少女サカリーナ とその友である砂のオオカミにまつわる哲学的で詩的な 読み物です。2003年にデビュー作が出版されるや文学 賞、ニルス・ホルゲション賞を受けました。続編のMera Sandvargen(もっと砂のオオカミ)はアウグスト賞にノ ミネートされました。彼女の本は15ヶ国語に翻訳されて います。 出版社:ラベーン&ショーグレン・エージェンシー(サ カリーナ)
アストリッド・ リンドグレーン 1907–2002年。作家、編集者。 スウェーデンでずば抜けて有名で、最も多く翻訳されて いる作家。彼女の本は総計90言語に翻訳されています。2 作目の『長くつ下のピッピ』(Pippi Långstrump)は彼女の 出世作となりました。アストリッド・リンドグレーンは 様々な年齢の読者に向け、おとぎ話もリアリスティック な話もファンタジーも描く作家でした。彼女はその生涯 において子どもの権利を訴え続け、数え切れないほどの 賞と名誉博士号を何度も受けました。彼女の名を冠した 賞は相当数ありますが、中でもとりわけ有名なのは、文 学賞のアストリッド・リンドグレーン記念文学賞です。 この賞は彼女が亡くなった2002年にスウェーデン政府に より創設されました。 出版社:ラベーン&ショーグレン・エージェンシー(長 くつ下のピッピ)
ピア・リンデンバウム
バルブロ・リンドグレーン
1955年生まれ。イラストレーター、作家。コンストフ ァック(スウェーデン王立芸術工芸大学)で学ぶ。
1937年生まれ。作家。コンストファック(スウェーデ ン王立芸術工芸大学)の広告コースと芸術アカデミー で学ぶ。
ピア・リンデンバウムは1990年に自身が文とイラストの 両方を手がけたElse-Marie och småpapporna(エルセ・ マリーと小さくなったパパ)を発表する前の数年間、他 の作家の本にイラストをつけていました。ピア・リンデ ンバウムの本は独特なユーモアで特徴づけられ自立心の 強い女の子がしばしば描かれています。例えば、向こ う見ずであると同時に慎重なギッタンです。Gittan och gråvargarna(ギッタンと灰色オオカミ)は2000年にア ウグスト賞を受けました。ミッケとマンネについての赤 ちゃん絵本では、日常の些細な出来事が中心的に描かれ ています。ピア・リンデンバウムはスウェーデン国内に 留まらず、ドイツ児童文学賞など国際的に名誉を称えら れてきました。彼女の本は複数の言語に翻訳されていま す。
出版社:ラベーン&ショーグレン・エージェンシー(ギ ッタン)、ボニエル・カールセン(ミッケとマンネ)
バルブロ・リンドグレーンは子ども向けの本を中心に100 冊ほどの作品を描いてきました。初期はイラストも自分 で手がけてきましたが、1980年以降は様々なイラストレ ーターと共作するようになりました。マックスの本では 極限まで削ぎ落とされた彼女の文章に、エヴァ・エリク ソンがイラストをつけました。彼女は曖昧な要素で成る ユーモラスな散文を用い、死や孤独のような難しいテー マにもひるみません。世界を一貫して子どもの視点でと らえる能力は、舌を巻くほどです。彼女はたくさんの賞 を与えられ、その功績を讃えられました。2014年スウェ ーデンの作家として初めて文学賞、アストリッド・リン ドグレーン賞を受けました。 出版社:ラベーン&ショーグレン・エージェンシー(マ ックス)
サーラ・ルンドベリ 1971年生まれ。イラストレーター。アメリカとスウェ ーデンで教育を受ける。 サーラ・ルンドベリは様々な作家の本にイラストをつけ た後の2009年、Vita streck (ヴィータ・ストレック)でデ ビューしました。彼女の詩的な語りと効果的な対照を成 す大胆な色使いが情緒的で想像力に満ちた物語と対比し ています。続編のVita streck och Öjvind(ヴィータ・スト レックとエイヴィンド)はアウグスト賞にとその北欧協会 児童青少年文学賞にノミネートされました。2013年には3 冊目のÖjvind och världens ände(エイヴィンドと世界の終 わり)で文学賞ヘッファクルンペンを獲得しました。2009 年にアウグスト賞を受けた、創作に関する本Skriv om och om igen(何度も書き直す)のイラストも彼女が手がけた ものです。 出版社:アルファベータ出版(ヴィータ・ストレックと エイヴィンド)
イングリッド・ヴァン・ ニイマン 1916–1959年。イラストレーター。コペンハーゲンの 芸術アカデミーで学ぶ イングリッド・ヴァン・ニイマンは長くつ下のピッピの本 のイラストレーターとして知られています。彼女はアスト リッド・リンドグレーンをはじめとする他の作家の本だけ でなく、自身の作品にもイラストをつけました。アストリ ッド・リンドグレーンは彼女の絵についてどう思っている か聞かれたことは一度もなかったようですが、非常に満足 していたようです。イングリッド・ヴァン・ニイマンはス ウェーデンの児童書界にモダニズムをもたらした、デンマ ーク出身の新鋭芸術家でした。現代のイラストレーターの 多くは、影響を受けた作家として彼女の名前を挙げます。 スウェーデンの読者は彼女の名前を聞くと、ピッピのイラ ストを思い浮かべます。翻訳された本の多くではその国の イラストが使われています。 出版社:ラベーン&ショーグレン・エージェンシー (長くつ下のピッピ)
スヴェン・ノードクヴィスト
ウルフ・スタルク
1946年生まれ。イラストレーター、作家。建築家の教 育を受ける。
1944年生まれ。作家。
スヴェン・ノードクヴィストは広告や教科書などにイラ ストをつけ、1983年にAgaton Öman och alfabetet(アガ トン・エーマンとアルファベット)が出版社オーパルの絵 本コンクール入選。転機となったのは、ペットソンとい うおじいさんとネコのフィンドゥスのシリーズ1作目『フ ィンドゥスの誕生日』(Pannkakstårtan)でした。イラスト には文章で決して語らえることのない、楽しいディテー ルがたくさん見られます。イラストの隅のあらゆる場所 に、作家が"ムックロル"と呼ぶ小さなキャラクターが出 てきます。2007年には『おねえちゃんはどこ?』(Var är min syster?)でアウグスト賞を受けました。
ウルフ・スタルクは児童・青少年文学、絵本、映画の脚 本を書いてきました。彼はユーモアとシリアスを組み合 わせる独特の能力の持ち主です。死や悲しみは友情と同 じように、小さな子ども向けの本でも繰り返し描かれる テーマです。En stjärna vid namn Alex och Systern från havet(アヤックスという名の星)とAlex och Systern från havet(海の向こうから来た姉妹)にイラストをつけたのは スティーナ・ヴィルセンです。どちらの本も悲しみと友 情がテーマになっています。ウルフ・スタルクは1996年 に『おねえちゃんは天使』(Min syster är en ängel)でアウ グスト賞を受けました。彼はまた文学賞のヘッファクル ンペンとニルス・ホルゲション賞とドイツ児童文学賞を 受けました。
出版社:オーパル(フィンドゥス) 出版社:ボニエル・カールセン(ヨハンとアヤックス、 シルッカとマルガレータ)
© Ingrid Vang Nyman / Saltkråkan
マッティン・ビードマルク
スティーナ・ヴィルセン
1961年生まれ。作家。小学校中・高学年の教員。
1968年生まれ。イラストレーター、作家。ニュッケル ヴィーク芸術専門学校とコンストファック(スウェー デン王立芸術工芸大学)で学ぶ。
マッティン・ビ-ドマルクの20冊を超えるラッセとマ ヤのたんていじむしょシリーズはスウェーデンの図書館 の年間貸出数の調査でトップの常連です。シリーズは 30もの言語に翻訳されています。またモンスター・エ ージェント・ネリー・ラップのシリーズも大変人気があ ります。マッティン・ビードマルクは子どもの読書推進 活動に精力的に取り組み、読みやすいと同時に質の高い 本を描く技術を備えています。ストックホルムで童話の テーマパークを運営するユニバッケンとともに、2012 年に「読むクラス」というプロジェクトを立ち上げまし た。2014年に「卓越した作家性と子どもと青少年の読書 推進を活気づかせる活動」に対し、スウェーデン政府か ら勲章を与えられました。 出版社:ボニエル・カールセン(ラッセマヤ)
ヘレナ・ビリス 1964年生まれ。イラストレーター、作家。ニュッケル ヴィーク芸術専門学校とベックマン・デザイン大学で 学ぶ。 ヘレナ・ビリスはマッティン・ビードマルクのラッセと マヤのたんていじむしょにイラストをつけました。全ペ ージに配された彼女のイラストは、このシリーズにオリ ジナリティを出すのに一役買っています。Olga kastar lasso(オルガが投げ縄をする)は2007年にスウェーデンの イラストレーターのコンクール" Kolla!"(注目!)で銀メ ダルを獲得しました。ヘレナ・ビリスはまた荒涼とした 西部劇風の舞台で繰り広げられる、オルガという名前の 好奇心旺盛なカウガールと彼女の飼うおしゃべるができ る馬の絵本の文とイラスト両方を手がけています。ユー モラスでかくかくしたイラストには、想像力溢れるディ テールが満載です。 – Men hur gick det till? frågar Lasse. Vi har väl inte tänt några tändstickor?
出版社:ボニエル・カールセン(ラッセマヤ)
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2014-11-21 14:05
Hon ger Sirkka en kram. När tanten med armbindeln säger att de måste gå, vänder mamma sig bort ett ögonblick. Så ger hon Sirkka sin näsduk. Den är fuktig. – Om du behöver snyta dej, säger hon. Kom ihåg att vara snäll och prata deras språk. Mamma ser efter hennes röda rosett.
スティーナ・ヴィルセンはダーゲンス・ニュヘテル紙でイ ラストレーターとして勤務した後、フルタイムの児童書イ ラストレーター、作家になりました。赤ちゃん向けのだれ のシリーズやブロキガ・シリーズなど数々のシリーズを産 み出すとともに、他の作家の文章にもイラストをつけまし た。ウルフ・スタルクとともにEn stjärna vid namn Ajax( アヤックスという名の星)やAjax och Systern från havet( 海の向こうから来た姉妹)といった情緒的で悲しみと友 情をともにテーマにしているけれど、性質は非常に異なる 2冊の本を作っています。Ajax och Systern från havet( 海の向こうから来た姉妹)の水彩画が具体的であるのに対 し、En stjärna vid namn Ajax(アヤックスという名の星) のイラストはより詩的です。スティーナ・ヴィルセンはイ ラスト賞であるエルサ・ベスコフ賞と文学賞のヘッファク ルンペンを授与されています。 I_Systern_fran_havet.indd 15
出版社:ボニエル・カールセン(ヨハンとアヤックス、シ ルッカとマルガレータ)
2014-11-11 16:23
Snöret, fågeln och jag (Virvutė, paukščiukas ir aš), Ellen Karlsson ir Eva Lindström.
Dom som är kvar (Paliktieji), Karin Saler ir Siri Ahmedas Backströmas.
Brevet till månen (Laiškas mėnuliui), Emma Virke.
Blixtslukaren (Žaibų rijikas), Jonatanas Brännströmas ir Joanna Hellgren.
新しい世代
スウェーデン児童書研究所(Sbi)
スウェーデン児童書界に新しい世代が登場してきていま す。彼達は作家やイラストレーターで、中には文とイラ ストの両方を手がける人もあります。彼達はテーマの面 でも、何より芸術的な面でも独創的です。
児童青少年文学の国立研究機関。この研究所は児童・青少年文学の 学習、研究を様々な次元で推進することなどを責務としています。 研究所はまたスウェーデンと国外における児童・青少年文学の認知 を高めることを目的としています。研究所の図書館は全ての人が利 用可能で、スウェーデンで出版された全ての児童青少年文学だけで なく、スウェーデンと諸外国の研究書も集められています。
これらの新星達はグラフィック・デザインやデザインの しっかりとした教育を受けていることが多いです。しっ かりとした教育を受けた絵本の芸術家が自身の文章、ま たは他の人の文章にイラストをつけているのです。もし くは他の芸術家と互いの文にイラストを付け合うことも あります。彼らの作品には意識的かつ独創的なイディオ ム、文とイラストの大きな融合が見られます。 そういう人達は今日のスウェーデン社会を特徴づける多 文化を示すかのように、あらゆる人達を作品に登場させ ようという意欲を持っています。そういった作品は大半 が小規模出版社から出されているに関わらず、注目を浴 び、賞を受けています。面白い作家やイラストレーター はたくさんいて、そういう人達を発掘しようと私達は考 えているのです。 若手絵本芸術家の多くにとって先駆者であり、お手本で もあるのは、数多くの独創的な絵本を作ったエヴァ・リ ンストロームです。彼女は新人のエレン・カールソンと ともにSnöret, fågeln och jag(スノーレットと鳥とわた し/ヒッポ-出版)という読み聞かせの本で、2013年のア ウグスト賞を受賞しました。死と悲しみはシリ・アーメ ド・バックストロームとカーリン・サレルのDom som är kvar(遺された人達/ウラックス出版)のテーマです。エ マ・ヴィルケの絵本、Brevet till Månen(月への手紙/ア ルヴィーナ出版&製作)は、月が寂しいのではないかと 心配するモアという女の子の話です。ファンタジーはヨ ナタン・ブレンストロームの文とヨアンナ・ヘルグレー ンのイラストによる絵本、Blixtslukaren(稲光吸い取り 機/ナトゥール&クルトゥール社)においても重要な要素 です。
研究所はまたスウェーデン・リサーチ・カウンシルの支援を受け、 スウェーデン唯一の児童文学の学術誌で『児童書――児童文学研究 誌』を発行しています。この研究誌はwww.barnboken.netでダウン ロードできます。 研究所はもう一つ研究誌を出していて、そこでスウェーデンの新し い研究を発表しています。また現在包括的なスウェーデン児童文学 史を発表するプロジェクトも進行中です。 スウェーデン児童文学研究所は教育省とストックホルム市の出資に より、1965年に設立されました。
www.sbi.kb.se
アストリッド・リンドグレーン記 念文学賞(ALMA)Sbi) 世界最大の児童・青少年文学賞です。作家、イラストレーター、語 り手、読書推進団体が受賞対象者となります。この賞の目的は、世 界中で児童・青少年文学への関心を高めることです。活動の根底に あるのは、児童の権利に関する条約と児童の文化的権利です。世界 中の研究所、組織から推薦された候補者から、専門審査員が受賞者 を選びます。アストリッド・リンドグレーン記念文学賞は、2002年 にスウェーデン政府により創設され、スウェーデン文化庁により運 営されています。 自国の児童・青少年文学と読書推進活動を紹介する機会を世界の全 ての国が得られるよう、全ての国に候補作を推薦する権利が与えら れています。推薦者は児童書研究機関、作家・イラストレーター協 会、国立図書館などの児童書部門や児童書中央局といった国際的ま たは国立、もしくは地域の機関でなくてはなりません。本賞事務局 は優れた推薦者の新たな提案をお待ちしています。
www.alma.se
出版社連絡先一覧 アルファベータ出版 | www.alfabeta.se アルファベータ・エージェンシー/海外版権担当:アンナ・カイサ・ダニエルソン 電話:+46 8 714 36 32 | E-mail: annakaisa@alfabeta.se アルヴィーナ出版&製作 | www.alvinaforlag.se 電話: +46 70 228 19 03 | E-mail: info@alvinaforlag.se ボニエル・カールセン | www.bonniercarlsen.se 海外版権担当:ボニエル版権窓口 www.bonnierrights.se 電話: +46 8 696 89 10 | E-mail: info@bonnierrights.se ヒッポー出版 | www.hippobokforlag.se 電話:+46 8 684 395 50 | E-mail: marianne.lindfors@hippobokforlag.se maria.skymne@hippobokforlag.se リッラ・ピラート出版 | www.lillapiratforlaget.se 電話: +46 8 545 678 54 | E-mail: info@lillapiratforlaget.se ナトュール&クルトゥール | www.nok.se 海外版権:カタリーナ・ランツ 電話:+46 8 453 86 94 | E-mail: catharina.lantz@nok.se オーパル | www.opal.se 海外版権:カトリーネ・クリステル 電話: +46 8 28 21 53 | E-mail: catrine@opal.se ラベーン&ショーグレン・エージェンシー | www.rabensjogren.se/agency 電話:+46 10 744 23 00 E-mail: lillevi.cederin@rabensjogren.se, kerstin.oberg@rabensjogren.se ウラックス出版 | www.uraxforlag.se 海外版権:エバ・ビレングレン 電話:+46 70 993 49 74 | Email: ebba.billengren@uraxforlag.se
Swedish Institute Slottsbacken 10, SE-103 91 Stockholm, Sweden 電話:+46 (0)8 453 78 00 | www.si.se | www.sweden.se