PORTFOLIO
Architecture Projects by Yamamoto Takehiro
2018 - 2023
CONTENTS
本書は大学在学時の設計課題と企業の中で基本設計・実施設計を 行った作品から厳選しています。これらの作品はスケールやプロ ジェクトに対してのアプローチの仕方も様々で私自身の考え方や、 経験してきたものの幅や多様性を示せる作品と考えています。
学生からプロとして環境が変わる中でも、使う人が居心地が良い空 間を追求し、住む人の生活の質を高める空間づくりを一貫して追求 してきました。その中で、成功と失敗を抱え、今作品を通じて得た 学びを凝縮しています。
2
1
Gran f omotesando
Housing complex and shop Shibuya, Tokyo
FELISEED LILIA
Housing complex
Katsushika, Tokyo
3
KOWA west
Housing complex Edogawa, Tokyo
4 KLIVES
Housing complex Adachi, Tokyo
Gran f omotesando
Jingumae, Shibuya Ward, Tokyo
May, 2021 - July, 2022
Housing Complex, Shop Steel Framing
4 Floors
Land area - 192.64 m2
Building area - 132.23 m2
Total floor area - 467.09 m2
この場所の古くは大名の屋敷であり、大きな武家屋敷が立ち並んだが 今はその面影はない。時代の変化とともに文化の中心となり、現在 ファッションの流行の中心で、ブティックやサロンが多く立ち並ぶ。
そんな神宮前の中でも特に商業が盛んな、表参道ヒルズの裏に店舗併 設集合住宅を計画する。
お施主様は御祖父様から受け継いだこの場所を、次の世代に受け継ぐ ために今回新しく建築することを選ばれた。
敷地面積は190㎡と、あまり大きな敷地ではなく、様々な制限がある 中、最大限のサイズで建物を計画した。
また、もともとの建物には梅の木や紅葉などの既存樹があり、情緒豊かな 景色となっていた。お施主様の求める規模の中で、最大限既存樹や、景石 を再利用し、外構デザインを行うことで今までのキオクを残そうとプロジェ クトを進めた。
特にこの案件で注力したことは法規の対応力である。
前面道路の幅員が大きくなく高さ制限が厳しいことと、求められる防火対 応の内装制限をクリアするための対応に時間をかけプランニングや打ち合 わせを重ねてった。
Front Facade
グレーのタイル、黒い外壁、ルーバー、深い庇を取り入れたモダンで和風な正面外観 をデザインした。2階、3階、4階にはオーバーハングがあり、構造的に厳しい部分も あり、計画・施工は難航した。しかし、その中でも1階店舗の意識的に窓を広げるこ とで、店舗としての機能を考慮し、視認性を高めるよう留意して設計を行った。
高さ・角度は用途地域による
10m
高さ・角度は用途地域や道路 幅により変化する
道路斜線制限
公道
斜線制限ダイアグラム
北側斜線制限
勾配屋根にて制限を回避
道路斜線制限を地区計画の条 件によって緩和
公道
斜線制限緩和後ダイアグラム
Limitation Diagram
北側の境界線から、隣地に対して建物の高さが制限される。道路境界線からは、道路幅員に応じて建物の高 さが制限される。ただし、渋谷区の特定の地区では、内装の下地や仕上げに不燃材料のみを使用すること、 外壁を道路境界線から500mmセットバックすることなどの規制を守れば、道路幅員制限が緩和される。そ
のため地区計画の追加条件を適用し建築面積を最大限取れる形で計画した。
北側斜線制限居室
避難スペース
今回の計画では敷地面積を有効利用 するため、駐輪場の引き残しスペース として利用した
駐輪場
2m
避難スペースは居住部分の面積により変化
店舗
Evacuation Space
東京都の条例では、各住戸に1つ以上の窓の前に避難スペースを設けなければならないと定められている。 このスペースを活用し、自転車利用者のための回転スペースとする一方、本来の目的を果たせるよう遮るも のがないようにした。さらに、この規制を活用し、建築できない敷地の一角をガーデンスペースとして計画し、 アプローチ空間からのアイキャッチとした。
Site Plan and Ground Floor Plan
青式は北側斜線制限の式になる。この計画の避難スペースは青い線でマークされている部分になる。建物を建 てるにあたり、クライアントは規模を最大化し、高い収益性と安定性を確保したいという要望を示した。そこで、 避難スペース・経路を西側にまとめることで敷地の有効利用を図った。前記したがアプローチ正面に紅葉があ る植栽帯が見えるように計画し、豊かな外構空間を演出した。
2nd and 3rd Floor Plan
2階、3階は同一の形でプランニングを行った。各フロアは3戸で構成され、うち2戸は若い単身者向け、1戸はカッ プルやファミリー向けの住戸となっている。周辺の市場を考え、エリアの特徴や需給バランスを比較して住戸 形式を選定した。特に単身向けの部屋は収納をオープンにすることで、周辺のブティックや衣服デザインメー カーなど服好きが常に好きな服を眺められるようにと提案して実現した。
Front Night View
夜景は昼間とは対照的で、暖かな室内の光が建物から放たれる。黒い外壁とルーバーが夕暮 れにシームレスに溶け込み、洗練された美しさを醸し出している。全体的に色のトーンを合 わせ、まとまりのあるデザインにすることで、夜景も美しい光景を作り出す。規模は大きく はないが、印象的な外観で目を引く建物とした。
2nd Floor One-bedroom Unit
2階1LDKの浴室・洗面室は、このエリアの ターゲットになる高所得者帯のニーズに応 え、高級感のあるデザインに仕上げた。浴室 の鏡に間接照明やオープンタイプの洗面など 一般的なアパートの作りと差別化を図れるよ う計画。リビングは、ドア、フローリング、 壁紙、キッチンを白で統一し、清潔感と開放 感を演出しています。タイルだけグレーを使 い、アクセント面を作り出すとともに、外観 のカラートーンを内部に引き込む。
Feliseed Lilia
Okudo, Katsushika Ward, Tokyo
September, 2022 - September, 2023
Housing Complex
Steel Framing
4 Floors
Land area - 1129.07 m2
Building area - 578.87 m2
Total floor area - 2090.11 m2
駅から徒歩25分という立地で、アクセス面では利便性に欠ける。しかし、のどかで住みやすい住宅地になっている。施主 が90代であることを考慮し、この土地を次世代に引き継ぐことを主眼に置いた。そのため、今後の市場変化の中でも競争 力を維持できるような集合住宅の計画を要望された。敷地面積は1000平方メートルを超え、延べ床面積は2100平方メー トルという大規模なプロジェクトである。規模は大きいものの、3ヶ月という短い実施設計期間でプロジェクトは進行した。 このプロジェクトで私が特にこだわったのは、外観デザインと中庭とラウンジの関係である。広い敷地の中でどのように外 部空間を作るか、屋外空間を取り込みながらどのようにラウンジをデザインするかを考えた。また、歩道に面した角地とい う特性を踏まえ、どのような外観デザイン・意匠が近隣にふさわしいかを検討した。それらに基づいて内外装のデザインを 決定し、素材を選定した。特に外構計画においては全て樹種を選定した上で、現場にて配置、方向を打ち合わせをし据た。
敷地全体で個性のある樹種を選定し、それぞれの四季により花や紅葉が楽しめる外構計画とした
Site Plan and Ground Floor Plan
北側の角住戸には、歩道に面した西側に植栽を広く計画し、街並みに配慮するとともに、緑あふれる快適な環 境を創出した。さらに、南側と東側にも植栽を計画し、各住戸から緑が見えるように配慮した。エントランス へのアプローチは、北側の角と歩道から出入りできるように設計し、植栽の間を通り抜ける小道を意図的に設 けた。ファミリー世帯への訴求力が求められる計画のため、スロープによるサブアプローチや、専用庭、高い 収納力など市場価値の高い計画とした。細かいデザインでは、エントランスアプローチから建物内部までタイ ルで仕上げ、300角・300*600・600角のタイルを組み合わせることでお施主様宅の庭にある敷石を表現した。
2nd and 3rd Floor Plan
ゾーニングは中央に廊下と中庭をとり、それを囲むように住戸が配置されている。この配置では、中庭の存在 が空間全体に大きな影響を与える。一般的な中廊下型の集合住宅とは異なり、内部にも外部の光を取り込むだ けでなく、植物の緑・空の風景など空気感も取り込むことができる。各住戸の扉前にはアルコーブを設けるこ とで、よりホテルライクな雰囲気を演出することができる。
ラウンジ空間を介して中庭と屋外外構空間を 繋げラウンジを中間領域空間に変化させていく
Section Diagram
特筆すべきは、光が差し込むヴォイドスペースで、各階の居住者は共用廊下にいながら外部の要素を体感する ことができる。居住者は集合住宅では珍しい中庭により、中間領域的な空間を感じることができる。歩道から ラウンジエリアが見えることで、この物件の広告塔となり、豊かで魅力的な環境の住まいを切り取り近隣の住 民に感じてもらえる。このようなラウンジエリアや豊かな外構空間を設けることで、居住者の満足度を高める だけでなく、新規顧客の獲得やオーナー満足度の向上、地域コミュニティの住環境向上にも寄与している。
Expressing the courtyard with stones
Expressing Japanese-style stone pavement with tiles
Lounge Diagram
ラウンジスペースの中央には景石を配置した。以前のプロジェクト(後記)では枯山水のデザインで景観を表 現したが、今回は中庭の植栽帯と対になるように景石を配置した。また、築山と景石空間は瓢箪型となるよう にデザインした。これは末広がりの縁起物である瓢箪の謂れを踏まえ、お施主様とこの建物の繁栄を祈り、 デザインの中で思いを込めて計画した。また、床タイルは1階部分全て前記したパターン貼りで計画。
Entrance & Lounge Space
エントランスを入ると正面にはサザンカの樹が入居者を迎える。冬には雪と赤く色づいたサザンカの花を見る ことができ、四季を感じることができる。右手に見える景石は背景のクロスと合わせ、雲海にある山並みを表 現した。石というマテリアルをどのように使い、空間を作れるかというものが、このプロジェクトの隠れたテー マであり、表現の追求としてとても有効であると感じた。
ライティングにおいてもなるべく光を絞り、明暗のコントラストをはっきりつけることで 空間のメリハリをつけるだけでなく、よりホテルライクな空間になるようにデザインした。
特に雨の日の中庭は雨がきらめき、艶のあるサザンカの葉がより際立ち 雨の陰鬱とした雰囲気を払拭するような豊かな空間を感じられる。
KOWA west
Kitakoiwa, Edogawa Ward, Tokyo
July, 2022 - April, 2023
Housing Complex
Steel Framing
4 Floors
Land area - 467.37 m2
Building area - 359.86 m2
Total floor area - 1307.04 m2
江戸川区北小岩、この場所はあまり大きな街ではないが、多くの住居が立ち並び、都心へ通勤する人たちの住宅地となって いる。また、今後10年を目処に都市開発が行われる予定であり、街が発展してくことが予想される。その中で単身者、若 い世代のカップルや夫婦に向けての共同住宅を作っていく。今回の敷地は京成小岩駅から徒歩1分の交差点の角にある。敷 地面積は500㎡近くあり、なるべく建築面積を大きく取ることで敷地の有効利用を図った。道路側には植栽帯を多く設ける ことで、商店街の中でも緑が感じられるように豊かな空間を作り出す。今回の外構計画により周辺環境をよくすることで、 街の価値を高められるよう計画した。今回の計画では、他の集合住宅とは違った個性を持たせるため、共用空間に創造性を 持たせて計画した。今回の計画の中で特に注力したことはラウンジのデザインの作り方である。窓が作れない計画のため、 どう外部空間を取り込むのか、外部空間を作れない場合はどのように外部空間を感じられるかを考え、日本古来の建築・外 構様式から自分の解釈も加えデザインを作っていった。このプロジェクトは空間の作り方や、デザインの表現・現場とのコ ミュニケーションなどにおいて、とても学ぶところが多かった。
Site Plan and Ground Floor Plan
敷地周辺は南側に5階建てのオフィスビルがあり、採光は望めない。そのため、建物配置計画を南側に寄せ、 南側から採光を取らない計画とし、西側に引きを作ることで避難・日照スペースを確保した。サブアプローチ の駐輪場入口付近には植栽スペースを設け、緑のアイストップを作り出す。また、北側と東側にも緑 を多く植えることで、周辺環境の改善を図った。北東角にはシンボルツリーの桜、エントランス脇に はモミジを植え、四季を感じられるようにした。
砂や砂利で川の流れを表現する
山や大きな岩を景石によって表現 景石を使い山並みを表現する
照明を使用して月と雲を表現
Lounge Diagram
ラウンジの計画において、石で山を、砂利で川の流れや緑を表現する日本の伝統的な「枯山水」の考え方を 取り入れた。窓のない場所でも自然とのつながりを感じられる空間を目指した。枯山水の解釈に照明を取り 入れることで、石で山を、照明で月や雲を表現し、ラウンジの中に風景を作り出した。
壁ビルトインエアコンを選択することで 目立たず、ラウンジ空間の快適性に寄与する
違い棚をデザインのベースにし 空間のアクセントとした
ラウンジ空間に合うように和風な印象を与えるため ルーバーとし、実用性と意匠性を考慮して計画した
Set Of Staggered Shelf Diagram
ラウンジ空間に対して空調設備が見えないようにデザインを行いたいと考えた。そのためエアコンは 壁ビルトインの機器を選定した。その上でより空間に対して馴染むデザインを作るため、枯山水のデザイン プロセスと同様に、伝統的な形式からデザインを構築できないか案出した。書院造の違い棚をデザインのベー スとしてルーバーと組み合わせることで、和風な雰囲気を与えつつ、空間の快適性を確保した。 常に私のデザインのベースとする、『使う人がいい空間と思える建物』の片鱗を感じることができた。
Lounge Diagram
ラウンジと共用廊下の間は床の段差を利用し、床のテクスチャーも変化をつけることで、一体的な空間なが ら空間性の違いにより区切りを作り出した。段差部分に配置した間接照明が、ラウンジ部分に使用した反射 率の高いタイルに反射して見えないように、照明の直下には砂利を敷いて反射を抑えるように計画した。ま た、ラウンジエリアのルーバーを通して天井から光が降りてくるように計画した。空気が出る部分はルーバー として、それ以外の部分は飾り棚としてデザインした。
Lounge Space
今回は、ダウンライトを一切使わず、コー ブ照明とコーニス照明だけで空間を作るこ とに挑んだ。そのおかげで、光が緩やかに 広がり、ルーバーに沿って柔らかな光が流 れる空間が生まれた。また、ダイアグラム を描いたように、景石部分は抽象的な空間 に仕上がり、ホテルのような空間になった。
Community Drop
Nishigaoka, Kita Ward, Tokyo
Hosei Uni. 2018-2019
Housing Complex, Shop, Public Space
Finalist Works
北区西が丘はどこにでもある普通の住宅街。住宅街の歴史は古く、1928年の関東大震災の復興事業とし て同潤会が復興住宅を作り今の街区が形成されて行った。現在では建物自体は現存せず当時の街区だけが 残っている。しかし、現存する街区の中で年月が経つにつれ、どんどん細分化が進み小さい建物が立ち並 び通風・採光・避難上好ましくない住環境になっている。それと同時に昔ながらのコミュニティや付き合 いが減少し、隣に誰が住んでいるかわからず、コミュニティの希薄化が目立つ。別の問題では、学校教育 にて教師の労働環境が問題視されている。業務時間外の労働が多く、教師の数も不足、一人に対する業務 過多が昨今ニュースで取り上げられる現状がある。住宅の細分化・コミュニティの希薄化・学校教育、こ れらはこの街だけでなく日本のどの地域でも抱えている問題である。今回私はこれらの問題を関連付け、 この街をプロトタイプとして似たような地域に活用できる設計提案を行なった。
今回の提案の軸は大きく3つに分かれる。まず一つ目は学校機能の外部委託化である。学校教育の中で地 域住民に委託しやすい、図書館・畑・学童保育・家庭科室などを地域の空き家や未利用地を活用し街の中 に分散化させ、管理・教育を地域住民に協力してもらう。そうすることで子供と地域住民が繋がり、子供 を媒体とし地域住民と親が繋がりコミュニティ再生のきっかけを作る。
次にコミュニティ空間の再発見である。コミュニティが希薄化したと上記したが、消滅した訳ではない。 街を歩いてみると駄菓子が売っている商店や、銭湯、コインランドリーなど実は普段気づかないだけで小 さなコミュニティが存在していることに気がついた。そのようなコミュニティの核を中心に、その機能を 拡張するような建物を、細分化された敷地を再度一つの敷地に変え、採光通風避難を考慮して建てる。そ うすることでコミュニティコアから溢れた個性が、それぞれの街区を染め、彩のある街が生まれる。
最後にマイパブリック(自家製公共空間)についてである。
住宅街の中に公共空間を計画しても、住宅というプライベート空間と図書室などのパブリック空間は馴染 むことがなく、反発する。そこでマイパブリックを両者の間に計画する。マイパブリックとは自分たちで 作る公共空間である。例えば、誰が使ってもいいように庭先に椅子とテーブルを置いたり、植物を飾って 緑道を作ってみたり。街と関わるための玄関を入居者の無理のない範囲で作っていく。(出:マイパブリッ クとグランドレベル 著:田中元子)
パブリック空間をコミュニティコアとなる銭湯などの向かいの街区に設け、そのパブリック空間とプライ ベート空間が共存できるようにマイパブリックを間に差し込む。街の人が自分の街を好きになってもらい、 住人の小さな変化が集まり大きな変化になることを知ってもらえる計画である。
Function Diagram
図書館、庭園、放課後保育、家庭科施設など、さまざまな学校機能を地域住民に委託し、空き家や遊休地を活用 し外部にアウトソースするとともに、近隣住民も利用できるようにする。このような協働的なアプローチは、子 どもたちと地域社会をつなぎ、子どもたちと保護者をつなぐ架け橋となることで、子供を媒体とし、地域コミュ ニティ形成のきっかけを作る。ただ関係を作るだけでなく、街全体で次の世代を育てていくことで地方創生のきっ かけと、子供達のふるさとを、地域再生の意識を育む。
Function Diagram
近隣を探索すると、昔ながらの商店や銭湯、コインランドリーなど、小さく気づかれないコミュニティのかけら が存在することがわかる。自然採光、換気、避難を考慮しながら、こうした既存のコミュニティのかけらが持つ 機能を拡張するような建築を計画していく。それぞれの街区においてコミュニティのかけらを見つけ出すことで、 個性がそれぞれの街区に広がっていき、各地域の個性的な色が街並みに溶け込むようになる。
キオクを街のキオクと人のキオクに分類し、形あるものか無形物にさらに分類をしていき
それらを集積した場所が、アウトソースした学校機能になるよう計画する
家庭科で郷土料理の作り方や、おばあちゃんの味などを学ぶように それぞれの街や、人によって変化していく部分である
My Public Diagram
学校から街へと拡張された機能が居住空間と衝突しないよう、中間領域として「マイ・パブリック」を導入した。 これは単なるセミ・パブリックな空間ではなく、居住者自身が作り上げる、個性が光る空間である。例えば、前 庭には誰でも使えるように椅子とテーブルを置き、植物を飾って緑の小道を作る。住民自身が心地よい範囲で近 隣と関われるような、街と関わるきっかけを目指している。
富士の湯という銭湯をコミュニティコアとして、ランドリースペースを充実させ、道路向かいにカ フェ、DIYスペース、ダンススペースなどを併設する集合住宅を計画することで街の住人の居場所 を作る。DIYスペースは図工に、ダンススペースは体育に使うことを想定。
2nd Floor Plan
2階は住居エリアになっている。また、2階にも広場的空間があり、住人のマイパブリック空間の 観葉植物エリアや、椅子とテーブルが置いてあるオープンスペースが形成される。
Section Diagram
建物がブリッジ状になっており、通りから見た時レイヤー状になって見えるようにデザイン。
さらに、1階がパブリック、2階がセミパブリック(マイパブリック)屋上がプライベート空間にな るよう上下でも空間の質を変化させた。
はるきパンという商店をコミュニティコアとして図書室とコモンキッチンなどを併設して機能を拡 張している。学童保育を商店に任せて、子供達にとっての居場所をこの場所に作り出す。また、図 書室やキッチンを家庭科で利用するなど学校機能をアウトソースしてることで、街区の内側まで賑 わいを作る
Site B Site Plan and Ground Floor Plan2nd Floor Plan
この計画はSite Aと異なりリノベーション提案であるため、元の建物の形状を残しつつ、セミパブ リック、パブリック空間を住宅に挿入した計画である。この計画は新築で立て替える以外の選択肢 を取ることができるような提案的な計画である。2階は基本的に住人の専有スペースとなり、一部 増築した床が住人同士の広場的な共用空間となる。
Section Diagram
既存の住宅をリノベーションして機能を変化させることで、街に馴染みやすく、景色を大幅に変え ずに作ることができる。Site Bは路地空間を楽しめるデザインとし、その中を子供たちが走り回り、 建物の内部では図書館など静的な活動が行われる。
Axonometric Drawing
街並みも変わらず、住宅街の中に豊かな空間が広がる計画。
空き家の問題が加速する中で、新しく建物を立てない選択肢を与えられると考えている。
豊かな空間を持つ住宅群が街を変えるきっかけを生む。
人々の賑わいは住宅街の街区の中から溢れていき、道路まで滲み出る。子供は様々な居場 所を獲得し、大人は街全体で子供を育てる集落的なコミュニティを得ることで家事や子育 ての負担が減り、自身がしたいことができ、社会と密接に関わることができる。
所属企業では、基本設計、実施設計、ランドスケーププランニング、インテリアデザイ ンなど、設計全般の全てを担っていました。そのため、多様なスキルと知識が要求さ れた。また、すべての賃貸住宅の企画は、関連会社の不動産部門と連携して進めました。 エリアマーケティングや近隣物件の入居状況などを考慮し、住戸面積を決定していた。 それぞれのエリアで求められる建物や、将来の描き方で建築が変わることを強く認識 した。
私が建築家としてのキャリアで特に特筆すべきは、基本設計と実施設計を同時に行い、 一人でプロジェクトを行うことがキャリアの初期から求められたことです。そのため、 ジュニア・アーキテクトでありながら、部内で最も大規模なプロジェクトの陣頭指揮 を一人で執ることができました。
私がこの会社でキャリアをスタートさせる決心をしたのは、「建築の基本的かつ最小の 単位は住宅であり、家は街を形成し、街は都市を形成する」という考えを中心とする 私の建築哲学に根ざしている。家を変えることで、生活を変え、街を変え、都市に影 響を与える。この視点に立ち、私は住宅建設業界で最も有名な存在から見識を吸収す ることが可能かどうかを考えた。その結果、これを私の出発点とした。
大学時代、私は空間デザインと建築計画を中心に研究してきた。特に大切にしてきた のは、”光、シークエンス、地域性”です。また、建築を知らない人でもいい空間だと 感じてもらえる建築が“いい建築”だと考える。私はこの“いい建築”を多く作っていき、 私の建築を通じて、人々が私の好きな建築とより密接に関わり合って欲しいと思う。
この理念を大切に、住宅、公共施設、商業空間など、多様なジャンルの建築に取り組 んでいきたいと考えている。
私のポートフォリオを最後までお読みいただき、ありがとうございました。