TORJA VOL.162 FEB 2025

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インタビュー トロント小児病院 心臓外科チーフ

本淨修己 (ほんじょうおさみ) 先生 ントマイケル病院のボビー・ヤナガワと川口保彦です。今回は2025年からトロ ント小児病院(sickkids)の心臓外科チーフに就任された本淨修己先生にイン タビューしました。

現在のお仕事に至る経緯を教えていただけますか?

1997年に医学部を卒業し、岡山大学で基礎トレーニングを行い、博士号を取得しまし た。その後、2004年に現在のSickKidsに留学。2年間研究に従事した後、臨床トレーニ ングを2年、さらにセントマイケル病院で1年間行いました。偶然の縁で上司だったグレン 先生からスタッフ外科医への誘いを受け、道が拓けました。グレン先生は手術や人生の師 匠、いわゆるメンターであり、彼との出会いが私の人生を大きく変えました。

ご家族について教えていただけますか?  妻と娘の3人家族です。私の両親は故郷の徳島で元気に暮らしています。娘はカナダの 大学に通っています。渡加後生まれたのでカ ナダ産ですね(笑)。トロント補習校も高校3年 までやり遂げました。段々人数が減っていく中 友達と励まし合い、よく頑張ったと思います。

多忙な外科医生活の中、ご趣味や 休日はどうされていますか?  料理が趣味です。家族で楽しめ、最後に食 べられる (笑)。一人サイクリングやランニング は僕にとっては瞑想の時間であり、リフレッ シュとアイデアを得る貴重な機会です。

日本へ戻られることを考えたりされますか?  現在の役職を全うする予定ですが、任期が終わればいい歳ですね(笑)。これまで日本 からの誘いもありましたが、自分なりの方法で日本に貢献する形を模索してきました。お 断りし、罪悪感を感じたこともありますが、医療は場所を問わずできることがあると信じて います。

カナダで働く日本人としてこれまでを振り返って何か思うことは ありますか?

「真面目」「誠実」「きっちり」̶̶こうした日本人の美徳が、海外で働く上でも大きな力 になりました。必ず評価されると思います。また、メンターとの出会いがキャリアを飛躍さ せるきっかけになることを実感しています。頑張っていればそういう存在にきっと巡り会え ると思います。

本淨先生、チーフ就任おめでとうございます!

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