2019 Architectural Design VI , Kansai University, Urban Design Lab

Page 1

Revitalizing Urban Peripheries - 産業の再発見-

関西大学  Kansai Univ.

2019 年度 建築設計製図6 Architectural Design VI 2019








WINE SCAPE 柏 原 市 に お け る ぶ ど う 耕 作 放 棄 地 の 再 考

大 阪 府 柏 原 市

06


07






















八尾南ウェルネス・インダストリアルシティ

∼水濠・空港・工業で培う人々の健康∼

大阪府八尾市

28


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29


八尾南ウェルネス・インダストリアルシティ

Story

∼水濠・空港・工業で培う人々の健康∼

02

八尾南ウェルネス・インダストリアルシティ ∼水濠・空港・工業で培う人々の健康∼ 石井宏直/尾崎瞳/村上日奈子

大阪府八尾市

30


Site 東大阪市と大和川に挟まれた八尾市の南部地域は「八尾南」と呼ばれ、全国でも随一の工業集積地域である。この地域の最大の特徴は東西幅約 2 ㎞に 及ぶ空港、「八尾空港」である。国有地である空港敷地内には、未利用地となった西側跡地が手つかずのまま 30 年以上存在している。

八尾市

隣接する大和川

工場が入り乱れる街並み

31


八尾南ウェルネス・インダストリアルシティ

Exploring the site

problem 1

浸水する中部広域防災拠点 八尾南は奈良から大阪湾へ流れる大和川に隣接しているため、大和川の増水によって水が堤防を越えて侵入してきた場合、1000 年に一度の確率で、最大 5m の浸水が懸念される。 浸水エリアの中には、地震や火災の際に周辺住民が一時的に避難する広域防災拠点のある八尾空港が含まれている。防災拠点付近には調整池が設けられているが、大規模な浸 水は賄いきれない。従って関西広域にわたって災害物資輸送を受け持つ八尾空港の安全性を担保することが重要である。 国土交通省による大和川氾濫時のハザードマップ

∼水濠・空港・工業で培う人々の健康∼

大和川洪水浸水想定区域図 (200 年に一度)S=1:80000

0-0.5m 未満

0.5m-3m 未満

3m-5m 未満

大和川洪水浸水想定区域図 (1000 年に一度)S=1:80000

八尾空港は梅田から車で 30 分ほどの、現在小型飛行機専用空港として運営されている空港である。法律上、 人や物を定期便で運ばない「その他の空港」と扱われ、昭和 60 年から年間離発着回数が減少している。自衛隊、

調整池

既存調整池 S=1:80000

中部広域防災拠点

警察・消防といった官公署や航空事業者が利用しており、従って利用者が特定されているため、周辺住民に とって身近な存在であるとは言い難い。認知度の低い状態で、有事の際に防災拠点として避難が滞りなく行 われるかが懸念される。

大阪府八尾市

32

八尾空港年間離着回数

大阪航空局八尾空港事務所 HP 参照

八尾空港概要図。2 本の滑走路を自衛隊と民間航空会社で共有している。


Exploring the site

problem 2

八尾南産業の衰退 工業集積地域である八尾南には、様々な分野の工場が存在する。これらの工場は中小企業がほとんどであるが、徐々にそ の数は減っている。多くの会社がフィールドを越えた仕事に携わることで業績をあげようと試みる一方で、工場は常に人 手不足と後継者不足に悩まされている。そのため、八尾市としても中小企業における後進の育成が重要であると、政策課 題に取り上げている。

八尾南で最も多いのは金属製品を取り扱う工場である。 33


八尾南ウェルネス・インダストリアルシティ     ∼水濠・空港・工業で培う人々の健康∼

Exploring the site

problem 3

交通網の利便性を持て余す広大な未利用地 八尾南駅の北出口を出ると、目の前に広大な空き地が広がっている。「西側跡地」 と呼ばれるこの空き地はもともと八尾空港の一部として稼働していたが、離発着 回数の減少により今は未利用地となっている。そのため夜間は暗く、駅前の印象 が寂れてしまう一因となっている。

駅前に広がる広大な空き地。アスファルトが残っている。

大阪府八尾市

主要道路や多数の駅に囲まれており、大阪梅田までは電 車で 40 分、車でも 30 分で着くことができる。

34


TOTAL CONCEPT この3つの大きな問題点から見つかったポテンシャルより、八尾南の街はウェルネス創出の街に生まれ変わる。ここでのウェルネスは身体的・心的状態が健康であることを指し、 さまざまなかたちで人々の健康寿命を延ばすことが可能な街を目指す。

Proposal1

浸水を緩和する 治水システムの 構築

魅力的な水辺で

災害時の

心と体で感じる

安全性を担保

ウェルネス

Proposal 2

地元産業を

地元の八尾市民 × 海外富裕層 双方への利益が生まれる街

Proposal 3

八尾空港の 関西第 4 空港化

医工連携で活性化 メディカルツーリズム

広域防災拠点

精鋭の技術による 中小企業の共創

技術を世界へ発信

なおかつ 関西圏の航空事業の円滑化

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八尾南ウェルネス・インダストリアルシティ     ∼水濠・空港・工業で培う人々の健康∼

Proposal 1:治水と親水で浸水を緩和する かつて存在していた大水濠  八尾空港周辺における水系・水田の変化から、第二次世界大戦中 に軍事境界線や保水のために設けられていた水濠が、街の開発と共 に水路敷幅が変更され明確な形が失われたことがわかる。

1947 年

2019 年

今の八尾南の水辺

大阪府八尾市

36

1947 年

2019 年


Proposal 1:治水と親水で浸水を緩和する  治水システムにおいて、水濠を水路としてではなく普段から触れ合うことのできる魅力

大・中・小の川の水流スケールを活用する治水システムを整える。西側跡地だけでなく、既存の

的な水辺にすることで、豪雨時には現況よりも多くの水を受けとめられるだけでなく、建

田畑がもつ保水機能も維持し、水濠を魅力的な水辺となるように生まれ変わらせていく。 標高:

12m

13m

14m

15m

物と巻き込んでデザインすることでリハビリ空間などをもたせることが可能になる。

17m

老朽化した建物

…水流

平野川

大正川

11m

地形図から水の流れを考察する。大和川から入った水は南から

現況

北西に向かって流れていく。

空港用放水路

大正川

平野川

0.5km

1km

2km

水辺を巻き込んだ インキュベーター施設

豪雨時水位

N

② ①

アスファルト

提案

大正川

0km

アスファルト

れた水は既存の田畑などで吸収されながら水濠の南側へ

湿地帯

②水濠南側のトレンチで水を受けとめ、保水しながら北へ流す

平常時水位

③東側と北側の調整池で水を溜めつつ、川へ徐々に流していく

水辺の多様性が様々なアクティビティを生む。以下は水辺パターンの一例である。 A

A

C

C

B

B

広場のようなスペース。 たまる場所になりやすい。

「道」の印象が強い場所。 川幅が狭くなるので両サイ ドに一体感がある。 C-C  断面

D

B

A-A  断面

C

D 道路と隣接する緑地帯は バッファーの役割をもつ。

B-B  断面

D

A

目線の高さが違うため、 各サイドからの景色が異な り、プライベートな印象。

D-D  断面

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八尾南ウェルネス・インダストリアルシティ     ∼水濠・空港・工業で培う人々の健康∼

Proposal 2:地元工業と医療の連携による新創出  高度医療と八尾南の産業が連携する拠点を設けて医工連携の基盤を整える。結果的に、医工連携によって創出された製品が 富裕層だけでなく八尾市民や県外からの訪問者にも貢献できるようになる。

現在、米国が大半を占める医療機器の市場において、八尾南 産業の医工連携は日本の市場拡大にも貢献できる。

実際、医療ビザを使って日本に治療にくる外 国人は多く、中でも多いのが近隣のアジア圏 である。立地的にも日本は近く需要が高い。

医工連携インキュベーター

医療関係者 ニーズの掘り起こし

大阪府八尾市

八尾南の町工場

製品・技術提供

情報共有・マッチング 新高度医療創出の場

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実用の場

身体データ提供 技術提供

八尾南の中小企業も医療機器の分野に興味を 示しており、すでに取り扱っているところも ある。

高度医療 一般医療


Proposal 3:八尾空港の関西第 4 空港化  医療ツーリズムで訪れる人々など、昨今のインバウンドの増加は関西圏の 3 空港(関西国際空港、大阪国際空港、神戸空港)の需要増加に伴っ て、各空港のキャパシティも越える可能性を高めている。

海外からのビジネスジェット(BJ) のほとんどは関西国際空港が受 け入れている。八尾空港は国内からの BJ のみ受け入れ可能としてい るが、国際的にリージョナルジェット(RJ)や BJ を受け入れられれば、 他空港の圧迫された離発着枠の緩和に貢献できる。

関西3空港を 支える機能

災害拠点

市民にも市外の人にも

有益な空港となる

関西の活性化

日本 の BJ・R J 市場拡大

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八尾南ウェルネス・インダストリアルシティ     ∼水濠・空港・工業で培う人々の健康∼

Master Plan:八尾南ウェルネスインダストリアルシティ 6.5km

START

高度医療施設

2.5km

広域防災拠点・公園

八尾空港 RJ・BJ ターミナル

200m 390m

900m

八尾空港を水濠トレイルで巡ることによって さまざまな距離を旅することができる。

ウェルネスシティ駐車場

インキュベーター候補地 水濠デザインの例

大阪府八尾市

N 0km

40

0.5km

1km

2km


八尾南のメディカルツーリズム : 多様な水濠デザインの例(A パターン)   北側の運動公園(左ページ参照)では、人が一日に必要な運動量(30 分程度のウォー キング)が確保できるトレイルを設けており、400m のリングが連なってできている。 八尾南におけるメディカルツーリズムは県外から来た人も考慮して、駐車場やレン タサイクルを点在させることで、県外訪問者のアクティビティの幅も広まる。  これらのトレイル沿いには多様な水濠の様子が見られ、それに伴って人のアクティ ビティも変わる。 A

A

A パターン 平面図  0m

5m

10m

20m

N

川沿いの医工連携インキュベーター施設には、これからの八尾南産業を支えていく人材が、水濠 のウェルネスを見ながら企画を練ることができる水濠に面した会議室がある。

A パターン A-A 断面図  0m

5m

10m

20m

N

41


B

B パターン 平面図 0m

5m

10m

N

20m

B

八尾南ウェルネス・インダストリアルシティ     ∼水濠・空港・工業で培う人々の健康∼

八尾南のメディカルツーリズム : 多様な水濠デザインの例(B パターン)

大阪府八尾市

B パターン B-B 断面図

42

0m

5m

10m

20m


C

八尾南のメディカルツーリズム : 多様な水濠デザインの例(C パターン)

C

川辺を散歩する人々。

C パターン 平面図  0m

5m

10m

N

20m

C パターン C-C 断面図  0m

5m

10m

20m

43


八尾南ウェルネス・インダストリアルシティ     ∼水濠・空港・工業で培う人々の健康∼

八尾南のメディカルツーリズム : 高度医療施設

病院前の公園兼調整池で各々運動をする人々。最新医療器具が富裕層だけでなく、市民のために使える場 を設ける。製品使用を実践する場が近くにあることで、スムーズにフィードバックを得ることができる。

A

A リハビ リテー ション センタ

スポーツ ウェルネス クリニック

手術部

腫瘍・血液内科 受付 玄関 EV

RI・PET

緊急部

MRI

大阪府八尾市

高度医療病院 1F 平面図 0km

44

0.5km

1km

N


45


八尾南ウェルネス・インダストリアルシティ      ∼水濠・空港・工業で培う人々の健康∼

八尾南のメディカルツーリズム : BJ・RJ 新ターミナル

従業員駐車場

駐車場

格納庫

八尾空港事務所   管制塔

駐車場

航空会社+ ターミナル管理事務所

格納庫

格納庫

格納庫

事務所

格納庫

大阪府八尾市

チケットカウンター 出入国検査所

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八尾空港 RJ・BJ ターミナル 1F 平面図

0km

100m

300m

N


八尾空港の新ターミナルを調整池の向こう側から見る。非常事態のみではなく、日常的に利用できる場所にすることで、八尾空港がより身近になり避難も円滑に 行われる。空港の 2 階には広域防災拠点と共に短期滞在可能な場所を設けて避難できる人数のキャパシティを増やす。

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林道が繋ぐ炭化集落 ~山岳スポーツ拠点と人々の健康~ 大阪府高槻市樫田地区

Sheet layout













林道が繋ぐ炭化集落 ~山岳スポーツ拠点と人々の健康~ 大阪府高槻市樫田地区

Potential 循環型「炭化発電システム」 樫田地区での新たな電気供給の可能性 高槻バイオチャーエネルギー研究所が新たに開発、試作段階の発電システムの導入。 この新しい発電システムは、まず地域の未利用バイオマス資源を無動力約800℃高温での炭化可能な製炭炉で 「バイオ炭」化し、次にそのバイオ炭を燃料として無圧式温水器で「約80℃の温水」を生成し、発生させた 熱エネルギーをバイナリー発電機内で循環させ、「約15~20㎾の発電」を行う独自の視点による再生可能な エネルギーシステムである。 このシステムは製炭炉(地元資源を炭に変える。製炭時の熱で温水を作る。)と、無圧式粉炭温水器 (つくった炭を用いて温水を作る)、バイナリー発電機(80℃前後の温水で発電する)の3つからなる 自己循環型発電システムである。 製炭時には、製炭炉の熱でつくる温水で発電。製炭していないときは、既に製炭した「炭」で温水をつくり発電するため、 ほぼ24時間365日発電が可能。

1日で240kw 発電可能 一世帯(2~4人家族)5~10kw/日 →20~40世帯を賄うことが可能 1週間~10日間で5tの炭を製炭可能 1.0tの原料から200kg~250kgの炭 炭化原料 地元間伐材 農業残渣 果樹剪定材 刈り芝・靱穀

バイナリー発電機 (お湯で24時間発電)

熱交換器 (炭化熱でお湯を作る)

無圧式粉炭温水器 (作った炭をお湯で沸かす) (作った炭をお湯で沸かす

約80度の温水

温水

熱循環

約20KW発電

熱循環

約60度の冷水 製炭炉(炭化温度800度)

炭 炭化した炭を温水器の燃料として活用 60

温水


バイオ炭の活用 調湿炭 消臭炭 バイオ炭 (木炭・竹炭)

炭素貯留 カーボンマイナス

・床下サニタリー ・冷蔵庫、コンポスト 土壌改良炭 飼料炭

燃料炭

・米、麦等の穀物畑 ・野菜、果樹園 ・牛舎、豚舎、鶏舎 農業ハウス向け無圧式温水器 ・野菜、果物 ・椎茸等の菌類

家庭燃料炭飲食店用燃料炭 ・BBQ、ストーブ ・焼き肉店、焼き鳥店等 災害用備蓄燃料炭 ・避難指定所等 ・自治会館、郵便局等

化石燃料削減 カーボンニュートラル 「エコエネシステム」

バイナリー発電用無圧式温水器 ・企業インフラ ・地域インフラ 温浴施設向け無圧式温水器 ・温泉、ゴルフ施設 ・高齢者施設 61






Concept: 現在は屋内 BBQ 場として設計されている森林観光センター・ 森林総合館を山岳スポーツの拠点となるように、館内の新たな 使い方を提案。 森林観光センターを訪れた人々に、自転車の貸し出しを 行えるようにできることで樫田地区でのツーリングや 林道の中を気軽に走ることができるようになるのでは ないかと考える。 その他、山岳スポーツを行う際の着替えるスペースも 設ける。 森林観光センター・ビジネスハウスは今まではカフェ などが入っていたがそこに救護室を設け、万が一林道 でのケガがあった際も対応できるようにすることで 安心して山の中を堪能できるビジターセンターとして再編。

N

N

林道が繋ぐ炭化集落 ~山岳スポーツ拠点と人々の健康~ 大阪府高槻市樫田地区

Proposal 山岳スポーツ拠点

66

0

5

10

20ⅿ

森林観光センタービジターセンター平面図 S=1/600

0

10

20

40m 森林観光センター全体配置図 S=1/2000


準備室

休憩室

更衣室

準備室

自転車貸倉庫

B1

0

5

10

20ⅿ

森林観光センター 総合館断面図 S=1/500

改訂 変更 変更名 ID ID

工事名称

会社名

#プロジェクト名

#連絡先の郵便番号 #連絡先の国 #連絡先の市区町村 #連絡先の住所1

担当者 #連絡先の氏名 縮尺 1:200

作成者 #CAD担当者の氏名 作成日 2019年7月25日

図面名 各階平面図 進捗 #プロジェクトステータス

図面番号

1.3

改訂番号

N

郵便番号 都道府県 市町村 住所

日付

0

5

10

20ⅿ

森林観光センター 総合館断面図 S=1/500

0

5

10

20ⅿ

森林観光センター 総合館平面図 S=1/800

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ワイルドディアロッジ D

ワイルドディアロッジ B ワイルドディアロッジ A

鹿縁

ワイルドディアロッジ C

春日山フロラ苗圃

ワイルドディアロッジ E

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日本におけるインバウンドの増加は奈良市にも影響を与えており、訪れる観光者数は年々増加している。 市はこれからも誘客し続け、それに伴い宿泊者数も増やしていく意向がある。 しかし、ここ数年近鉄奈良駅∼東大寺間の観光客の密度が高くなってきており、 このままいくとその動線一帯が飽和状態に達してしまう恐れがある。 市は対策を行なっているが、追いついていないのが現状である。 奈良公園や古都奈良の文化財などの観光資源が危機に晒されることとなり、 将来的に市全体の観光産業の価値が下がってしまうのではないか。

組織形態の提案

集中した観光動線を緩和するため、観光動線の少ない奈良公園の南東側に新しいツーリズムの形を提案する。 奈良公園東側にある世界遺産・春日山原始林は、古都奈良の文化財の1つとして、自然と文化の融合した景観として 親しまれている。しかし、風景の域から脱することはあまりなく、人があまり訪れていないのが現状である。 そこで、春日山原始林の持つポテンシャルを見直し、再評価することで、観光客を誘致するプログラムを考える。

春日山原始林は現在、いくつかの問題を抱えており、奈良公園のシンボルであるシカとの共生のバランスが取れていない。 人が関わることで人とシカと森が互いに支えあいながら生きていく方法を模索する。

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春日山原始林 春日大社と春日山原始林は、社殿と自然が一体となった文化的景観とされている。 春日山の森は、自然の中に神の存在を感じる日本人の伝統的な自然観にしたがって、 春日大社の聖域として守られてきた。そこに人間との深い関わりが認められる。 都市に隣接する原始林 としばしば言われているが、全く人の手が入っていない わけではなく、台風などの自然災害で森林が崩壊の危機にあった時は、補植などを 行い、守り続けてきた歴史がある。 多様な動植物の存在は学術上でも非常に希少であることは間違いないといえる。

観光客 インバウンドの増加により、 奈良公園に訪れる観光客も年増加傾向にある。 日帰り客が多く宿泊客が少ないことは問題であり、 県では宿泊施設を増やそうとしている。 また、観光客の種類としては修学旅行生や 外国人観光客が多いことが特徴である。

73


春日山原始林の抱える問題 そんな春日山原始林だが、現在大きく 3 つの問題により、 多様な生態系の崩壊の危機が懸念されている。

外来樹の拡大

シカによる摂食圧

元々原始林内に自生していなかった種の

春日山原始林においても例外ではなく、シカ

人の手による侵食。 800 年代に春日大社の御神木としてナギ、 1920 年代に街路樹としてナンキンハゼが

ナラ枯れ カシノナガキクイムシによって齎される樹木の伝染病と

植樹された。

ナギ

言われている。被害にあった樹木は葉が赤く染まり、

健全な森林と現状 健全な森林

害が発生している。 森林内の下草を食べ尽くしたり、樹皮剥ぎな どにより樹木を枯損させてしまうことが問題 として挙げられている。

ナンキンハゼ

倒木、 枯木などにより

光が林床まで届く為、

稚樹が成長し、

ギャップが出来る

稚樹が育つ

林冠が塞がる

回復できない森林

後に枯れてしまう。また、これらは伐採しても他の 地域に運ぶことができない為、現状では薪として再 利用されるなど、活用の幅が限られている。 林床植物を食べ尽くしたシカ

樹皮剥ぎされた樹木

シカの不嗜好植物 シカの採食圧による野鳥の種類数の経年変化 少数の雄が健全な樹木に飛来

産卵のために孔が開けられる

孔内で羽化した新成虫が脱出

集合フェロモンで仲間を呼ぶ

持ち込まれたナラ菌が木に感染

樹木内のナラ菌を持ち出す

倒木、 枯木などにより

風や鳥により種が落とされ、

自生する植物が育たず、

ギャップが出来る

外来樹が育つ

多様性を失う

倒木、 枯木などにより

林床植生がシカに

ギャップにおいて稚樹が

ギャップが出来る

食べ尽くされる

育たず、 森林が回復しない

樹木の吸水能力が失われ、葉が変色

6∼8 月

梅雨明け∼8 月下旬

翌年 6∼9 月

対策 予防

粘着剤塗布

ビニール被覆

樹幹注入

生活形

亜高木

遅い

成長速度

速い

高い

耐陰性

低い

重力散布

種子散布

鳥散布

風媒

花粉媒介

虫媒

対策 ナギは春日大社との歴史的背景に留意しな

伐倒燻蒸発

償却・破砕・割剤

ナラ枯れ被害状況

誘引捕殺

S=1:50,000

ギャップも埋まらず、 外来樹が 優占する森林となる

目指すべき関係性 対策

ナンキンハゼは実生、幼木の段階での駆除、

駆除

74

高木

がら、慎重に数量調整を行なっている。

ナギ分布状況

S=1:50,000

シカに関しては、植生保護柵を設けることで現存する 実生を保護している。 神鹿として古くからこの地に生息する奈良のシカは、 狩猟などによる駆除は原則禁じられている。

ナンキンハゼ分布状況

倒木、 枯木などにより

光が林床まで届く為、

シカが採食しても多様性を

ギャップが出来る

稚樹が育つ

保持した森林が残る

S=1:50,000

植生保護柵設置状況

S=1:50,000


周辺の山と人の活動 若草山

春日山北側にある山全体が芝生で覆われた山。3つの笠を重ねたように見えることから、 「三笠山」とも言う。また、一面がシカの大好物であるノシバのため、山内のあちこちで シカを見ることができる。奈良市全体を一望できる開放的なポイントで、シカと眺望の 組み合わせを楽しむことができる。

一般財団法人 春日山原始林を未来へつなぐ会

「まもる」「つたえる」「そだてる」をテーマに「保全ワーキング」「普及啓発ワーキング」の2つのワーキンググループで 会員を中心とした春日山原始林の保全活動を実施している団体。特別天然記念物春日山原始林の管理主体である奈良県と 連携し、貴重な照葉樹林で世界遺産「古都奈良の文化財」の構成資産である春日山原始林を未来世代へ守り育むことに寄 与することを目的としている。

御蓋山

春日大社の東方、春日山の主峰である花山の西方に位置する山で、春日大社の神奈備として、 歴史的風致景観も担っている。植生は主に国の指定天然記念物にも登録されているナギが優占 している。狩猟・伐採に加え、人の立ち入りも禁止されており、春日山原始林同様大事に守り 続けられてきた森林である。

花山・芳山人工林

特別天然記念物である春日山原始林を風倒被害等から守る緩衝帯となっている人工林で、 春日山原始林と一体となって奈良公園の風致・景観上の重要な構成要素となっている。 面的に大きなまとまりをもって人工林が成林しており、花山を中心に明治末期から大正時代に植林された 高齢のスギ・ヒノキ林が成林している。

75


シカの一年の行動

シカの基本情報

奈良のシカの寿命はオス 15 歳、メス 20 歳程度で、 一般のニホンジカに比べると 4 倍ほど長生きである。 シカの世界でも高齢化が深刻になっている。

76


公園シカと山シカ 公園シカ

山シカ

人に慣れている奈良公園平坦部に生息しているシカを

奈良公園平坦部以外で人に慣れておらず、森林内での生活が

公園シカと呼ぶ。朝、夕の泊り場については、同じ場所に

多いシカを山シカと呼ぶ。山シカについては十分な情報を得られなかった

戻ってくることもある。奈良公園内では東大寺の東側が

ため、公園シカの行動を参考に仮定する。

安定した泊り場として認識されている。

77


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シカの保護活動 鹿苑一般財団法人 奈良の鹿愛護会について

「奈良のシカ」の保護育成を目的として諸活動を行う奈良の鹿愛護会の拠点施設。

一般財団法人 奈良の鹿愛護会について 天然記念物「奈良のシカ」の保護育成のために、種の保存継承と保護思想の普及を図り、 鹿と共生する地域社会づくりの推進に寄与することを目的とし、活動を行っている。

79


Proposal 1 06 鹿縁 コンセプト シカの保護施設である「鹿苑」を建て替え、シカがストレスなく生活できる場を作る。 シカの保護だけでなく、春日山エコツーリズムの一環として観光客を誘導する。 ここでは奈良公園のように元気なシカと触れ合うのではなく、シカの収容見学や 保護体験を通して、奈良のシカについて一歩踏み入れて学ぶことを目的としている。 また、保護、観光以外に研究の機能もある。間近でシカの生態研究を行うことで、 収容されているシカの健康や保護方法について検討する。

マネジメント 管理者:奈良の鹿愛護会 資金源:奈良県、春日大社からの補助金     会員の会費     エコツーリズム推進協会からの補助金

研究内容 ・GPS によるシカの行動分析 ・シカの糞や胃内容物の分析 ・シカの解剖 ・春日山原始林内に生息するシカの分布や行動分析 ・シカの病気について ・シカの快適な生活環境について

80


シカの生態展示スペース シカの世話体験 角切場の見学

研究所の見学

春日山原始林のアーカイブ展示

既存の鹿苑範囲

鹿縁 配置図 兼 平面図 S=1:4000

鹿縁 屋根伏図 兼 デッキ平面図 S=1:4000

81


Proposal 2 07  泊り場・ワイルドディアロッジ ツアー形態 シカの泊り場を共につくる シカは一日に約5kgもの草を食べる。人の手で植林し、成長を待つだけでは、シカの採食のスピードには追い付かない。

そこでツアーの一環として、観光客に宿泊施設周辺の苗圃で育てた苗を植えてもらい、シカの植生について学びながら、 普段は立ち入ることのできないシカの塒(ねぐら)を体感してもらう。

ライトセンサスによる頭数調査を行う 夜間に林道を進みながら、前後左右にライトを照射し、シカの種類や頭数を調査することを体験してもらう ナイトタイムアクティビティ。 若草山へつづく北遊歩道から入山し、現在一般に開放されていない山道を通り、南遊歩道から出てくる徒歩で楽しむツアー である。御蓋山の麓を一周する形となっており、ワイルドディアロッジでの宿泊も予約を事前に済ませることで可能となる。

シカの生態を観察する 普段あまり知られていないシカの夜間の生態を宿泊施設の中から、もしくは観察できるビュースポットから眺めることができる。 人に慣れている公園シカやより野生に近い山シカを同時に見ることのできる絶好の場である。

各泊り場候補地の概要

宿泊形態 ツアーに参加した観光客、シカを間近で見たい観光客や、研究の一環で観察を 行いたい研究者が泊まることのできる宿泊施設兼研究所とする。 一般的に事前予約などを済ましてから許可が下りた者のみヴィレッジの中に入る ことができるものとする。 登山客の休憩所、ツアーの拠点や夜間に行われるライトセンサス調査後の宿泊など、 昼間のシカの生態調査の場所にも利用できるような機能を持たせる。

一般、大学や研究機関

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鹿縁内の研究所

育苗施設・水

り施設

宿泊施設・研究所

S49/50 の奈良公園のシカの行動分析より、採食場は平均 2500 ㎡、泊まり場は平均 7500 ㎡の大きさを誇ることが分かった。 シカは一日 1.13kg 採食することを踏まえ、このときの一つ当たりのグループの構成頭数を 20 頭と仮定したら、 原始林内を3頭としたとき、およそ 700 ㎡程度となることがわかる。これによりシカの食事量とバランスがとれるような植物を 選定し、苗圃で育てる苗の量を算出する。


泊り場 春日山原始林に生息している未だ

に包まれるシカの生態を研究し、森林とシカの共存を図るための人工的なシカの生活場を計画する。

対象となるシカの採食の時間帯 公園シカの行動

提案する上での各エリアの特性 山シカの行動

春や秋のシカの性格の変化を

泊り場までの距離が遊歩道から 谷が深いことから本来シカは御蓋 より近い距離でシカを眺める いかにシカに気づかれずに近づく

考慮し、シカが人間がいる方

一番遠く、原始林の中に空中歩 山方面へと流れないシカ専用の橋 ことができる

ことができるかを試せる場所で、

向へとすぐに突進できないよ

行空間を巡らせる

を架けることで誘導させ、移動過

池に水を飲みに来るシカを見るこ

程も運が良ければ目撃することが

とができる

うに柵を立てる

できる

御蓋山

原始林側のシカは橋を渡り、 泊り場を訪れる事ができる。

春日山原始林

シカと同じ目線で観察

遊歩道

泊り場

橋を渡るシカを見る

ワイルドディアロッジ

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Proposal 2 実験的なシカの泊り場、および宿泊施設を泊り場 C にて計画する。

泊り場 観察調査のためのシカの泊り場。 地域の住民が育てた植生を外部から 訪れた人たちと一緒に植樹する。

研究施設

泊まり込みでシカの 調査研究を行う。

り施設

川から 水

み上げた水を用い、

り機能を整備する。

宿泊施設 野生のシカを観察し、森の空気を吸いながら 自然の中での宿泊が楽しめる。

用土置き場・ポッティングルーム

使用される木材は数量調整でやむを得ず伐採

シカの泊り場に植える植物を

しなくてはならなかったナギなどを用いたり、

育苗するための用土を置き、

ナラ枯れ被害木をウッドチップとして歩道上に

苗を植える場所として利用する。

撒くことで歩行音を最小限に抑える。

利用者は水

り施設との間のこの道を

通り、ワイルドディアヴィレッジに 入る。

ディアブリッジ 春日山原始林と御蓋山を繋ぐ シカのための橋。 伐採された巨木ナギを柱とし、 84

等高線に沿った動線を描く。


ワイルドディアロッジ 泊り場に集まった野生と半野生のシカを間近で観察できるような研究所および宿泊施設を提案する。

シカと人との関係 シカからは存在を認知されないよう、人間が配慮をすることで他の地域では 体験することのできない経験ができる。 遊歩道からは上から下を見る形でシカを見ることになるが、このロッジでは 遊歩道では近づけなかった距離まで接近でき、またシカと同じ目線での観察が可能となるような工夫を施す。

1. シカと同じ目線

2. シカを上から覗く

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Proposal 3 08 春日山フロラ苗圃

シカの生態を観察するための泊り場に植林するシカの嗜好植物を生育する。 ナラ枯れや風倒被害により生じたギャップ地を回復させる ため、跡地に後継樹となる高木の苗木が植えられる。 これらの苗木を苗圃で生育する。(既存機能)

種の正確な記録は今までされていなかったため、このままでは元の多様性に 戻ることができなくなることが懸念される。そこで、原始林の希少種や絶滅危惧種

希少種や絶滅危惧種を育成し、種の繁栄・復帰を試みる。

である植物の種子を回収し、標本として記録していく。

すでに絶滅してしまっている種も実験的に育成し、原始林 に復帰できるか検討する。

春日の奥山まで足を運んできてくれた人に、森林を感じながら憩える場をつくる。 また、人が手を加えることによって原始林が保全されていくことについて理解を 深める場をつくる。

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PRESENTATION 社会を変えるアイデアを共に紡ごう

社会を変えるアイデアを共に紡ごう。 ウェルネスライフスタイルは誰もが「すこやか」な未来の暮らし。

『コミニュティ』『プロダクト』『まち』がつなぐウェルネスな未来とは

健康につながる「コミュニティ」、生活を支える「プロダクト」 その舞台となる「まち」。若者と、 専門家と行政と企業が ウェルネスな未来を 探求する。

長寿・高齢社会においては、 豊さだけが追求されてきたこれまでの暮らしではなく「健康」 「生きがい」「安心•安全」といった要素が重視されています。 この'実現には、 急速に進展 していく技術の活用を含あ様々な施策を連携させる総合施策としての取り組みが求められ ています。 そうした状況において、 ア ー バンデザイン部門におけるウェルネスライフスタ イルとは何かに着目し、 提案を行います。

Program 4月2 5日

-

7月20日

-

こ.' -

来場者参加型学生アイデアコンペ

キックオフ ・ 課題説明

パネルディスカッション

2019 年 11 月 16 日[土] 14:00-18:00 [予定]

中間発表会及びブラッシュアップ

中之島フェステイバルタワ ー •ウエスト4階中之島会鱚 コーディネーター................

1 1月1 6日

学生発表会及びパネルディスカッション 参加大学 大阪市立大学、 大阪工業大学、 大阪芸術大学、 大阪府立大学、 近畿大学、 関西大学 パネルディスカッション

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ステ ー クホルダー がお互いの視点とノウハウを融合し合うこと が重要であると言われています。従って、これまで大学問連携が 展開してきた社会への提案の場に以下に示す分野のみならず、

荒川哲男

プロダクトデザイナ ー

喜多俊之

E-DESIGN 代表

忽那裕樹 ー

/社会福士

山崎亮

コ ー ディネ ー タ ー フリ ー アナウンサ ー

虫かミュニティヂ化ナー ,•L—.nu

""

山嗚

亮氏

饂築·ランドスケ ー プ設計事務所 を縫て、 2005年9こstud9CLを設 ー 立.地域,, は題を地域に住む人た ちが解決するためのコミ,= テイデザインに携わる.

八木早希氏 毎日放送アナウンサ ー、 NEWS 左90キャスタ ーを経て=ュ ース を伝える億人舅u,伍A嶽、著名人 らへのインタピュ ー ー●内外の取 材多散.コミュニケ― ー ション等に 関す9-1 9 ,hll4」畜・

WELLNESS LIFESTYLE

全」といった要素が霰亘視されています。この実現には、急速に進展していく技術の活用を含め様々な施策を連携

パネリスト

studio-L代表/コミュニテイデザイナ

什_廿l ea蕊代表

忽那裕樹氏

庭●を初め公●や大学·rm 9ンドスケ ーブデザインエ囚n,可 で●●ぷ●大阪のプロデコ ース む99-~のチ ーフディレクターを 務める愉、多数の地域の鮭力向上 に関わる•

させる総合施策としての取り組みが求められています。住民•自治体・医痘/介護業界・産業界を始めとする様々な

大阪市立大学学長/医学博土 株式会社

喜多俊之氏

I更聞主'れる知と偏嗣のグロー 196ヅFよりイタリアと日本で割 カ9レ拠点」を大学スロー ガン[こ● 作活動を閲姶.作品の多く99 げ、 キャンパスの笑い声を70db =コ ー ヨ ー ク五1 911劃 ど世界 — まで上げるのが目標.2025年大 のミュ ー ジア9., 矛. 印●されて … 阪●西万●9こナ王士導のパピリ いを オン出展を目詣している.

長寿・高齢化社会においては、豊かさだけが追求されてきたこれまでの暮らしではなく「健康」「生きがい」「安心•安

「WELLNESS LIFESTYLE」をテ ー マに分野を超えて議論を行います。 ・

ブu, フトデザイナー

荒JII哲男氏

開催概要 "

ゲスト審査員

・駁l•H、-.-.-. 4-9L―._ 19.l

八木早希

あらゆる分野の学生のアイデアを一 同に集結させることで、相 互に刺激し、補完し合いながら「ウェルネスライフスタイル」を検 討する場を提供します。さらにこの 2019年度大学連携事業は、 学生のアイデア発表を 一般公開するとともに、企業や行政と共 に大阪の未来について議論するためのシンポジウムを開催し、 その未来に向けて、学生アイデアを社会実現する事業化モデル の構築を目指すものです。


89


石井宏直 井戸澤亮介 宇高祐介 尾崎瞳 小松比古 佐藤元希 長岡このみ 長野晃樹 松尾一輝 村上日奈子 山野俊平

Hironao Ishii

Ryousuke Idosawa Yusuke Udaka Hitomi Ozaki

Hiko Komatsu Genki Sato

Konomi Nagaoka Kouki Nagano

Kazuki Matsuo

Hinako Murakami Shunpei Yamano


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