生研ニュース No.200

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■編集・発行

東京大学生産技術研究所 / 広報室

IIS NEWS

No.200 2024.1

●革新的シミュレーション 研究センター 教授

加藤 千幸

IIS TODAY

1990 年1月に創刊した生研ニュースも、今年で 34 年目、 200 号を迎えました。 記念すべき 200 号の表紙を飾っていただいたのは革新 的シミュレーション研究センターの加藤千幸教授です。 加藤先生は 1999 年1月に本所に着任され、25 年間在職 し、本年3月に定年退職されます。インタビューさせて いただいたのが 10 月でしたので、まだ半年ある中でした が、定年退職を迎えるに当たっての心境をお聞きしまし た。加藤先生は「現在は研究室や身の回りのことを整理 しつつ、現在の研究をコンプリートしたい」とまだまだ 研究したいという熱い想いを語ってくださいました。 加藤先生の専門分野は「熱流体システム制御工学」で、 熱流体解析シミュレーションをコア・コンピタンスとし て、基礎研究から応用研究までご尽力されてきました。 熱流体計算のソルバーを開発するとともに、従来の計算 規模を飛躍的に大きくすることにより、熱流体解析シミュ レーションの高度化を可能にしました。それにより、緻 密な熱流体計算を実現し、風洞実験も行いながら、様々 な熱流体現象を解明しています。シミュレーションだけ でなく、風洞実験や企業と共同して実機の実験も行い、

多くの研究成果を創出されてきた加藤先生ですが、 「分か らなかったことが熱流体解析を通して分かる」というこ とを信念に、熱流体に関連した物理現象が起こる原理的 メカニズムを解明することが研究として面白く、やりが いもあったとのことでした。それとともに、2003 年度か ら 20 年以上にわたって、7つの国の大型プロジェクトの リーダーも務められると同時に、国プロの成果を社会実 装するために、多くの企業との共同研究も進めてきまし た。正に基礎から応用までを包括的にご研究されてきま した。 2024 年4月以降のご予定はまだ決まっていないとのこ とでしたが、東大を退職後も何等かの形で現在の国プロ に関与し、成功裡に終了するように努めたいとおっしゃっ ていました。益々のご活躍を祈念するとともに、引き続 きご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。 最後に、生研に対して、個々の研究活動だけでなく、様々 な分野の先生が集まっていて、交流しやすい環境でもあ るため、先生方が一丸となって大きな流れをぜひ作って もらいたい!と熱いメッセージも頂戴しました。 (広報室 山川 雄司)


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