Laminate of transience
■ 4 . 駅上屋
- 銀座の歴史の移ろいを積層させる 様々な時代の流れと共に変化していった銀座の伝統と先端のうつろいの概念を、銀座駅の 空間に重ね合わせ、銀座の世界観を表現します。 ■ コンセプト - Layer of history -
コンコースから出口に向かい、階段を上がり、上を見上げるとライトアップされた上屋が美しかっ
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た。銀座の街明かりに呼応するように、ガラスブロックが壁に埋め込まれたデザインは感じた通り に街明かりを抽象化したものらしい。たしかに銀座は街中そのものがガラスの照明のようなものだ
銀座駅
ね。それにしても、駅から外への一連の流れは銀座らしく品があって素晴らしい体験だったよ。
Ginza line ginza station.
これなら何回でも銀座に行きたくなるね。
■ ユーザー像 パリ在住 30 代フランス人夫婦。新婚夫婦で、学生時代に日本でのお互いインターンがキッカ ケで交際、結婚。妻は大学で日本史を専攻していた。現在はパリのデザイン事務所で働いている。 ■ 0 . 望ましい経験 今回、妻との新婚旅行を企画するにあたり、2020 年東京オリンピックも決まり、出会ったキッ カケでもある日本にもう一度二人で行く事に決めた。学生時代、日本にインターンで来て以来の 東京で、今回は以前一緒に働いてた同僚が東京を案内してくれるらしく、彼が久しぶりの再会に
ガラス 鏡面 煉瓦
銀座でディナーを予約してくれた、会うのがとても楽しみ。銀座の街も忘れてしまったので、銀
それぞれ異種の素材を層にして、
座駅で待ち合わせにしてもらった。駅内なら海外からのツーリスト達も沢山いるし、わからない
各層を時代によって移ろっていっ
事も聞けて情報が得られるのが理由だ。銀座には地下鉄で行けるみたいだけど、僕はこれに決め
た銀座の歴史の積み重ねをレイ
た。「銀座線」これなら銀座に辿り着くね。車内も明るいし、広告が全部デジタル化している。
ヤーで表現します。
さすがハイテク日本、見るもの全てが飽きない。銀座駅でも探検してみよう。
銀座四丁目上屋。夜はガラスブロックが発光し、銀座の光に呼応すように街の行灯としてたたずむ。
西銀座上屋。鏡面壁が周囲の風景を取り込み、光だけが浮いているように、街に溶ける。
木目に鏡面パネルを付け、周囲の情報が反射して人の行き来がアートになる。所々にベンチを設け、人々の憩いの待ち合わせスペースになる。 ■ 3 . コンコース 改札を出てコンコースを見ると木目の温かみのある空間と金属の現代的な空間が広がっている。普通、コンコースだと直線的で飽きるものだけど、柱にイ ンフォメーションが映像で流れていたり、ところどころベンチもあって落ち着けるし飽きないですね、インテリアにも銀座らしい品があるし、木材はあま
ホームは中央改札とシームレスにつながるように煉瓦壁を主体に歴史を象徴化するデザインにしている。
り駅内では見ませんし、多くの人々を安心させますね。 ■ 1. プラットホーム 銀座駅のホームに降り立ち、天井を見上げると明るくて、新しく品がある空間が目の前に広がっていた。 WOW, 駅が新しくなっていて、カッコいい。見渡すと煉瓦の壁が目に付く。よくみると僕の国と同じ煉瓦の積み方だ。日本の歴史を専 攻していた彼女が言うには、昔は銀座は煉瓦街だったらしく、煉瓦積みもフランス調らしい。歴史のある煉瓦を現代的なガラスで包ん で伝統と先端を融合しているんだね、ただ新しくするだけじゃなくて、 とてもユニークで良い。僕らは感心しながら改札へ階段を上った。
銀座口改札は煉瓦街だった銀座の面影をガラスで包み、象徴化するデザインにし、おもてなしを演出。
西銀座口改札は円柱を主体にし、壁に石肌のあるナチュラルなデザインを意識している。
■ 2 . 改札 中央改札に向かうと煉瓦の列柱が整然と並んでいて美しい。行き交う人々がとても凛々しく見えるし、天井も銀色と金色に輝いててランダムなデザインが面白いです。 友人が言うには、銀座は昔貨幣や銀、金 を製造する場所であったらしく、文字通り銀に深い縁があるらしいのだ。元々は新両替街という街名だったけど、銀幣や金幣を製造していた名残で、その名残りが街の名前になっていったのだそうだ。なるほど、 そう言われると納得できるね。また、西口改札の方は円柱に石肌にしているんだそうだ、改札毎に印象が違うのは個性があって良いと思う。どちらも天井は同じデザインみたいだけど、銀がこの街のキーカラー であるから、駅内の天井は銀色で表現されているというわけだね。 鏡面ルーバーと煉瓦を重ね合わせ、柱に広告などのデジタルサイネージを施すことで多くの人々を情報の渦に誘います
MTR-1033