YUTA NAKAMURA PORTFOLIO

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Architecture

YUTA NAKAMURA PORTFOLIO

2015-2020 Aichi Institute of Technorogy



Pr ofile 経歴 岡崎城西高校 所属 サッカー部 愛知工業大学 工学部 建築学科 建築学専攻(安井研究室) 愛知工業大学 所属 サッカー部(2016年 引退) NAF2016/2017(学生団体) 会場班 Plustic2018 (学生団体) 代表 中村 勇太

Yuta Nakamura

愛知工業大学 建設システム工学研究科(中井研究室)

インターン・オープンデスク・アルバイト 2016 D,I,G Architects NAP 建築設計事務所 2017 AUAU 建築研究所 2019 シーラカンスアンドアソシエイツCAn 東畑建築事務所

アプリケーション Adobe Photoshop/Adobe Illustrator/SketchUp/Vectorworks

趣味・特技 建築巡り

サッカー・フットサル

サッカー観戦


01

添い壁

- 寄り添う小学校の提案 -

Competition

p06~15 建築新人戦 _2017 100 選 / 第 1 回建築バトルロイヤル 最優秀賞

ルイスカーン が残した言葉である 「一本の木の下で語り始めた人の話を聞きに人が集まる。それが学校の起源である。 」 を参照し、 「学びの原点である木」と寄り添うように壁を操作することで、 子どもたちに多様な体験を与える学びの空間を提供する。 同時に壁は街路をつなぐことで地域にひらかれ、

02

街全体が子どもを育んでいく小学校を目指す。

再編する都市の生態系 - 用途の組み合わせによって思いがけない機能が連鎖する複合施設 -

C o mp et iti o n

p16~25

愛知建築系 10 大学 最優秀賞 /tonica 北九州建築展 _2018 優秀賞 / 第 5 回都市・まちづくりコンクール _2018 10 選 / 歴史的空間再編コンペ _2018 40 選 用途純化が影響で集約されてしまった都市機能は、 人々にとって不自由な組織を形成している。 制限を束縛せず、自然発生的に都市の生態系が形成されることが、 本来の理想の都市の姿ではないだろうか。 現在、同一の機能が集約されたことによって衰退の一途を るオフィスビルは、 このまま空室を抱えたまま都市に残していくこととなる。

03

この都市の余白となる空間を再編しながら、

時を囲うこども園

用途の組み合わせによって思いがけない機能が連鎖する複合施設を提案する。

- こどもたちの環境を守り、思いっきり遊べるこども園の提案 -

Competition

p26~31 第 2 回未来こども園デザインコンペ _2018 優秀賞

こどもの騒音問題が影響で、 園内においてこどもたちの生活に規制をかけてしまっている。 このままでは、こどもたちの遊ぶ環境はますます奪われ、 将来の成長に影響を与えてしまう。 そこでこどもが周りに気を使うことなく、 園内で思いっきり過ごすことのできるこども園を提案する。

04

建築再生計画

- 保田窪団地をリノベーションする -

Comp eti tion

p32~43 日本建築学会設計競技 _2018 佳作 / タジマ奨励賞 設計者によって試行錯誤されてきた建築は、どれだけ計画が素晴らしくても、 経済的理由によって簡単に社会の中から捨てられてしまう。 このような理由で永久に存続することが約束されていない建築を取り壊していくのではなく、 もう一度その建築の価値を読み直し、現代のニーズにあわせていく必要がある。 そこで公営住宅法が原因でデザイン重視の計画だけとして認識されてしまっている保田窪団地に 民間による商業機能を追加し、コモンを介して多重な領域生を形成した管理方法を提案する。 住み手によって建築そのものの価値を生み出していくモダニズムの概念を伝承し、 社会貢献として国・地域・個人の利益を稼ぐことができる建築へと変わる。


05

CLOUD TREE

- 自由気ままに姿形を変えながら、

p44~47

大地を旅した雲は建築となり人々に空間と潤いを与える -

Competition

愛知建築士会コンペ _2018 優秀賞

雲は「旅」をしている。 雲は発生するのも消えるのも突発的であり、自由気ままに行く先もあてもなく、 気候によって姿形を変えながら様々な場を旅している。 私達はこの曇に「旅の建築」としての可能性を見出し、 雲建築を生み出すことに挑戦する。

06

建築大学 - 大学四年間を振り返った私の思い描く建築大学の提案 -

p48~57

Comp eti tion

Nagoya Archi Fes_ 2019 入選

/

Design Review_2019 入選

私はこの 4 年間、大学内での授業を超えてオープンデスクや講演会、コンペなど、 あらゆる建築の活動に参加し、様々な環境で刺激を受けてきた。 このような経験があったからこそ、私は今、建築に興味を持ち、建築を学び続けられている。 だからこそ、大学のカリキュラムに導入されていない領域の建築教育が大学内で学ぶことができたら、 私たち建築学生にとって、大学での学びが最も大きな価値に繋がるのではないだろうか。

07

そこで、この大学4年間を振り返り、私の思い描く建築大学を提案する。 デ コ

ボ コ

プレイス

p58~65

被災地における「震災瓦礫」を用いた公共空間の提案

Competition

日本建築学会技術部門設計競技 一次審査通過

近年日本では大規模な地震が多発し、 家屋の倒壊などの二次災害によって仮設住居での暮らしを余儀無くされる人々、 また震災に伴う震災瓦礫の排出による環境問題への対応が急務となっている。 本提案では震災瓦礫を「蛇籠」を用いることで建材化し、 仮設住居入居者の在りどころとなるような公共空間を生み出すことで、 被災者の日常生活の質を高めながらも震災瓦礫の有効利用により環境問題の緩和を図る。

08

「プレゼンシート」

p66~80

-01 07 のシートレイアウト集 -

09 p81~89

「設計課題・模型集」 -1年後期∼3 年前期の図面 & 模型 -

10

「大学院で取組む研究」 - 公共図書館と複合する学校図書館 -

p90~95

赤:中学生 青:一般利用者


01

添い壁 - 寄り添う小学校の提案 -

C omp et i t i o n

建築新人戦 _2017 100 選 / 第 1 回建築バトルロイヤル 最優秀賞

02 斜め壁がもたらす子供たちのアクティビティ

南側採光

街を見上げたり 登ったり もたれたり

触れたり

くぐったり

寄り添ったり

通り抜ける風

木・建築・人が近い関係

日常

非日常的・特別な体験

環境

斜めに寄り添う壁は、子供たちにとって特別な体験を与え、多様で偶発的なアクティビティを誘発する。ここで6年間を過ごす子供たちは、学校という ハコの中の学びではなく、生き生きとした活動を展開していく。


CONCEPT ルイスカーン が残した言葉である「一本の木の下で語り始めた人の 話を聞きに人が集まる。それが学校の起源である。」を参照し、「学び の原点である木」と寄り添うように壁を操作することで子どもたちに 多様な体験を与える学びの空間を提供する。同時に壁は街路をつなぐ ことで地域にひらかれ、街全体が子どもを育んでいく小学校を目指す。

01 学びの起源を継承する 一本の学びの木

ルイスカーンは、「一本の木の下で語り始めた人の話を聞きに人が集 まる。それが学校の起源である。」と一本の木で学校の起源をなぞら えた。このように学校には、人工物としてのハコではなく、木に寄り 添った空間で学びが行われていた。 放射線上に伸びる木

木の形に添う

このルイスカーンによる「学びの起源」を発想の起点として、学校 の空間を木に寄り添うように建築を操作し、学びの起源を継承した 学校建築を提案する。 学校が木に寄り添うことで、子どもたちの学びの空間が自然と密接 な関係を獲得する。

街の屋根と調和

視覚的に広がる空間

閉じた空間

テラス

テラス

廊下

オープンスペース

廊下

機能

教室

特別教室・等

街並み

また、オープンスペースとなる空間、閉じる必要がある空間などを、斜めの形態操作に合わせながら、機能を配置していく。斜めの壁によってオープン スペースや間のテラスは視覚的に広がった空間を形成する。


名古屋駅

歴史的街路

対象敷地

公園

03-1 都市に軸を傾ける

03-2 街路を呼び込む

歴史ある街路

大規模開発に向けてビル群が立ち並ぶ名古屋駅に軸を傾けることで、

学校の余白となる庭の部分と、100 年以上前から存在する歴史的街道

学校がメガスケールのビルと対比的な関係をもつ。また分散した軸に

と繋げることで、学校と街路が緩やかに共存する。学校が街へと拡張

学校に必要な機能を挿入していく。

し、学校が街の一部として地域につながる。


この小学校の敷地は名古屋西側エリアの一角に位置する。名古屋市はリニ

この敷地は、100 年以上前から存在する街路が 5km 以上続き、多くの神

ア開発に向けて、大規模開発を進めようとマンションやホテルの建設ラッ

社やお寺はこの街路に接続されていること、また、学校の南側に隣接する

シュが行われ、近代の開発のように一変に街を再編集しようとしている場

公園は、名古屋市の区画整理事業の特徴であり、名古屋市の半数以上が防

所である。

災拠点づくりの都市計画を実現していることが特徴である。

03 対象敷地・配置 名古屋駅

歴史ある街路 中学年棟

高学年棟

低学年棟

地域の廊下

誰でも通り抜けられるパス 郊外

防災拠点

03-4 街の防災拠点

03-3 街に展開する

特別教室 特別教室 体育館 特別教室

避難場所

特別教室

地域の廊下

ショートカット動線

図書館

特別教室 ランチルーム セキュリティ

遊具

グラウンド

避難場所

都市に向けた軸に対し垂直に軸を通すことで、地域の廊下ともなる動

地域の廊下として機能していた軸が、災害時のショートカット動線と

線を与える。休日や夜間は、地域の廊下によって接続される特別教室

なり、グラウンドと体育館をつなぐ役割を果たす。

・体育館などが地域開放の場と想定し、地域のコミュニティの核とし

さらに、グラウンドを南側の公園と隣接させることによって、避難場

て使われる。

所としての面積の拡張を行う。


地域のショートカット動線に変わる

遊具と一体となった建築

ス テ ー ジ

0

0 .0

26

ト イ レ

ア リ ー ナ

地域の廊下に接続される特別教室

プ ー ル

街の小広場になる

音楽室と連続した大階段

自然の中の隠れ家スペース

様々な活動が見られる

ト イ レ

音楽室と連続した大階段

中庭を介して様々な活動が見られる

歩道橋下の車が通り抜けれる空間


家 庭 科 室( 被 服 室 ) 0

50 5.

図 工 室

大きな廊下が授業の 作品を飾るギャラリー空間にもなる

0

50 4. 00 8.

00 6.

0

学校が町に拡大し、学校が町の一部になる

0 0

00 8. 0

00

9.

歴史ある街路

0

00

8.

多 目 的 ス ペ ー ス

0

00

5.

メ デ イ ア セ ン タ ー

木と建築が共存する

0

00

6.

休日や夜間は開放し 地域の廊下が特別教 室と接続される

ラ ン チ ル

室 教 援 支

00

5 4.

0

50

5.

誰でも通れるパス

ー ム

地域に開放した遊具

5. 0 00

ト イ レ

ト イ レ

調

0

50

4.

公園とグラウンドが一体として使える

N 1F 平面図


2チームに分かれた チームティーチングの様子

4 年 生

都市の変化を感じれるテラス

3年 生

閉じられた空間 落ち着いて授業ができる

ト イ レ

学年を超えて勉強

ギャラ 書

スタンドと連続して 気軽にスポーツ観 戦ができる

吹 き 抜

デンのような空間

巡回できる動線

時にはベンチ、舞台 遊び場となる大階段

ト イ

見え隠れする多彩な空間

集まれる大きなスペース

職員室を開放して子供たちに教える

N 2F 平面図

職 員 室

アクティビティに 束縛のない空間


2階の図書室から体育館へそのまま行ける

ミ ー テ ィ ン グ ル

ー ム

廊下を貫き広々とした空間

待ちを歩くような感覚

ラリーが置かれている 書初め大会・掲示板

生 年 5

イ レ

混ざり合う壁が子供に多様な空間を与える

ワークスペースを利用した授業

建築と一体になった遊具

長く大きなテラスで観戦

傾きが子供に馴染む


2チーム制などのチームティーチングによる授業形態の変化といったオー

学年ごとで仲間意識を高めるため、低学年・中学年・高学年と3つの棟で

プンスペースと一体になった開く空間の必要性と、普通授業による閉じた

構成し、成長に合わせてスケールを変える。子供たちが学校を巡回し、異

空間の必要性を複合した空間である。教室にパーテーションを設けること

なるスケールの棟を体験することで、子供たちは自身の成長を理解してい

で大きく空間を使うことができ、サブの廊下によってパーテーションを開

く。

かなくても教室の外に出れる仕組みにっている。

04 空間構成・概念 あの時見えなかった景色が

成長につれて見えるようになる

8.500

中学年棟

9.000

8.000

低学年棟

校内を巡回し成長を理解する

まとまってつながる教室

教室

従来型小学校

オープンプラン型小学校

廊下

オープンスペース

教室

教室

教室

教室

教室

教室

チームティチングの様子

普通授業の様子

アクティビティに束縛のない教室

高学年棟



02

再編する都市の生態系 - 用途の組み合わせによって思いがけない機能が連鎖する複合施設 -

C omp et i t i o n

愛知建築系 10 大学 _2017 最優秀賞 /tonica 北九州建築展 _2018 優秀賞 第5回都市・まちづくりコンクール _2018 10 選 / 歴史的空間再編コンペ _2018 40 選

02 敷地 / 現状・問題 拡大する市街地

互いに独立するオフィスビル群

堀川に背を向けたビル

桜通り

堀川

今後開発をする西エリア

市街地拡大して影響を受けた東エリア

伝馬橋 名古屋高速都心環状線

名古屋高速都心環状線 伏見通り

名古屋駅

桜通り

堀川

site

site 錦通り

敷地は名古屋の都心に位置する、堀川と接続したビル群を対象とする。名古屋市は市街地が拡大した

かつて賑わいをみせた堀川は現在ビルの裏側とし

ことによって多くのビルが建てられ郊外にまで影響を及ぼした現状にある。今回対象にした計画地内

て存在する。堀川から都市が発展していったのに

のビルは、スプロール化が影響で縦へ縦へと建てられ、横の関係性はなく、内部においてもオフィス

もかかわらず、現在その都市の急速な更新によっ

という同一のプログラムが連続しているにもかかわらず互いに独立してしまっている。

て堀川を侵食してしまっている。


CONCEPT 計画地とする名古屋市は、急速な都市開発によって高密度な都市の姿を描くこととなった。その都市に対し、規模や用途に制限をかけることで、用途の 混在や都市環境の悪化を防ぐことに貢献している。しかしこのような用途純化によって集約された都市機能が、人々にとって不自由な組織を形成してい ることがわかる。制限を束縛せず、自然発生的に都市の生態系が形成されることが、本来の理想の都市の姿ではないだろうか。 現在、同一の機能が集約されたことによって衰退の一途を

るオフィスビルは、このまま空室を抱えたまま都市に残していくこととなる。この都市の余

白となる空間を再編しながら、用途の組み合わせによって思いがけない機能が連鎖する複合施設を提案する。

01 都市の生態系 看板

ローン

パチスロタワー

パチ スロタ ワー

ピロミ ス

パチンコカテドラル

サラ金

ライク

式富士

サラ金

クレジット クレジット

ローン

住宅 ネオンサイン

銭湯ツアービル

銭湯 SAUNA

2F つばさ

コンビニ

コインランドリー コインランドリー

都市は用途の組み合わせや空間構成によって思いがけない生態の連鎖 や相互依存が発生する。このような都市環境における多様なまとまり の中に見出される使われ方は、今後施設に求められる複合化にあらた な引き出しになるのではないだろうか。

03 敷地 / 分析 空きオフィス 用地の確保?

増大な費用?

老朽化の更新?

大規模な施設を建設するにあたり、ある程度の規模の土地が必要である。

現在このオフィスビルには空室が存在する。立地の要因からこのオフィス

しかし建物が密集したことによって広い土地を確保するのは難しいのに加

ビルをそのまま維持していくことは不透明な現状にある。また電子機器の

えて他の公共施設の老朽化に伴う更新や新設などの要望もあり施設需要は

発達で自律的な働き方が認められ、オフィス以外で働き始め、働く場所が

増大して、街に施設を新しく建てることは困難な現状にある。

分散されたり、少子高齢化社会という問題からオフィスの面積が変化して いくことも予想されている。


04-1

04-3

既存のオフィスビルには空室を抱え、その空室となった部分を低層部にま

低層部にまとめた使われない空室部分を減築することによって都市に開か

とめることで下は大きな余剰空間となる。

れたオープンスペースを作り出す。

04-2 減築によって拡張された街路に、街の人やオフィスにも共有できる図書館 機能を挿入し、この施設に集まるきっかけをつくる。

04 提案 / リノベーション 04-1 既存のオフィスの空室を低層部にまとめる

04-2 まとめた空室を減築する

空きオフィス

04-3 図書館機能を挿入する

1F

ファッション・趣味    グルメ

スポーツ スポーツ メソッド メソッド

旅行・アウトドア 旅行・アウトドア

ガイドブック ガイドブック

児童書 絵本

美術デザイン 美術デザイン

本のジャンルをパス状に並べることによって歩きながら本への興味が連鎖してい

ビジネス・経済・経営 ビジネス・経済・経営

専門書 専門書


05-1

05-3

オフィスビルとして役目を終えると同時に本のジャンルと関連できる用途

外壁を削り取ることによって

を上下で組み合わせる。

テラス、本を挿入することによって縦への関係を立体的に作りだす。

間の領域を拡張し、その

間に階段や

05-2 ビルとビルの

間である空間的副産物を再資源化するため、隣り合う外壁

を減築することによって、希薄化した横のつながりを解決する。

05 提案 / リノベーション after X year 05-1 用途を組み合わせて挿入する

05-2 外壁を減築し

間の領域を拡張する

空きオフィス

2F

美術館棟 スポーツ棟

銭湯棟 宿泊棟

ツーリスト棟

保育棟

スポーツ メソッド

アウトドア 旅行

ガイドブック

児童書 絵本

05-3

コミュニティ ーセンター棟

デザイン 美術

ビジネス 経済

間に階段・テラス・本を挿入する

2F

美術館棟 商業棟

スポーツ棟

銭湯棟

宿泊棟

ツーリスト棟

保育棟

コミュニティーセンター棟

塾棟

NAGOYA PREFECTURE

ファッション・趣味    グルメ

スポーツ メソッド

旅行・アウトドア

ガイドブック

児童書 絵本

美術デザイン

ビジネス・経済・経営

専門書

本のジャンルと関連できる用途を組み合わせることによって見出されるまとまりをパッケージ化する。


街路が拡張され領域が広々とする

注文を待ちながら本が読める 堀川のレベルと繋がる

テラスが施設に引き込む

各棟に連続するテラス


配置図兼 1F 平面図

街に開いて ワークショップが行われる 市民ギャラリーで作品が展示される

格子棚によって自由な空間を構成

堀川のレベルと合わせた低層部


コミュニティセンター棟

商業棟

とによってワークショップなどの活動を街に開きながら行うことが想定で

りことができる。カフェ利用者は注文待ち時、類似したジャンルの本の領

きる。

域で読書をして待つことができる。

コミュニティセンターの機能が低層部のオープンスペースに降りてくるこ

飲食店の中のカフェを低層部に設けることによって街の人が気軽に立ち寄

美術館

美術館棟の機能である市民ギャラリーを低層部に降ろすことによって、ギ ャラリー空間が拡張すると同時に街路の空間が拡張される。

06-1 連鎖する生態系 コミュニティーセンター棟

美術館棟

ワークショップ 堀川

人々を引き込む 堀川を引き込む

商業棟(飲食店)

テラスを引き込む

市民ギャラリー

カフェ

街路を引き込む

街路

カフェスペースの拡張

街路 堀川

読書スペースの拡張

街路

堀川

B1F 平面図 スポーツ メソッド

旅行

アウトドア

ガイドブック

2F 平面図

飲食店

ブティック

商業棟

スポーツ棟

銭湯棟

宿泊棟

ツーリストイン

スポーツ棟

銭湯棟

宿泊棟

ツーリストイン

スポーツ棟

銭湯棟

宿泊棟

3F 平面図 商業棟 飲食店

ブティック

4F 平面図 飲食店

ブティック 商業棟

ツーリスト棟


スポーツ・銭湯・宿泊の組み合わせ

コミュニティセンター・塾の組み合わせ

1 日をこの建物にパッケージされる。また、スポーツ棟で運動をして、汗

で塾のスペースが取れない時に使うことができる。

宿泊の機能と関連できる銭湯が隣り合うことによって、宿泊者にとっての

コミュニティーセンターの中にある貸し会議室は塾棟の生徒がテスト期間

をかいた人が銭湯に入るという一連の行為が想定できる。

保育・美術館・コミュニティセンター棟の組み合わせ

保育所で子供たちが作った作品等を展示できる施設でもあり、地域のワー クショップで制作した作品をギャラリーに展示できる施設ともなる。

06-2 連鎖する生態系 展示機能

商業棟

スポーツ棟

銭湯棟

宿泊棟 入浴機能

保育棟

美術館棟 コミュニティー センター棟

市民ギャラリー

コミュニティー センター棟

ンフォメーション棟

ンフォメーション棟

塾棟

貸し会議室

専門書

美術館棟

保育棟

コミュニティーセンター等

塾棟

既存コア

美術館棟

保育棟

コミュニティーセンター等

塾棟

既存コア

美術館棟

保育棟

コミュニティーセンター等

塾棟

既存コア




03

時を囲う壁 - こどもたちの環境を守り、思いっきり遊べるこども園 -

C omp et i t i o n

第 2 回未来こども園デザインコンペ _2018 優秀賞

02 失われるこどもたちの環境 こども園の苦情

見られてそう

砂ほこりがくる

園内での規制 職員の声がうるさい

ボール遊び禁止

子供の声がうるさい 楽器がうるさい

大人数での遊び禁止

ボールが飛んでくる

大きな音をたてない 11 12 1 2 10 3 9 8 4 7 6 5

子供の劣化現象に影響 体力の低下

意欲の低下

受動的

体調不良

外遊びの時間を区切る 自己肯定感の低下

感受性の低下

楽器を使わない

保育施設に隣接する近隣住民の「園児の声がうるさい」という苦情に対応するため、園側がこどもたちの日常に規制をかけてしまい、こどもたちの遊ぶ 環境を奪っている。こどもの劣化現象が目立つのは、こどもたちの日常に規制をかけてしまうことが原因の1つではないだろうか。


CONCEPT このこども園は、壁や床に様々な角度を与えることによって多様な場 所をつくり、こどもたちの好奇心を誘発させる。不安定な場に適応し ようとするこどもたちは、何度も行為を繰り返し毎日の積み重ねによ って成長する。この日常に

れる不安定で変化のある空間を使いこな

す園児たちは、卒園後あらゆる困難を乗り越えられる人となる。

01 現状・問題 / 増加する騒音問題 騒音による苦情 防音壁の設置を義務付け 開設延期など 待機児童対策を皮切りに 2015 年に「子供・子育て支援制度」が発表 され、1年で認定こども園の数が全国で2倍も増えた。しかしこのよ うな保育施設の増加が原因で、園児の声が騒音問題として近隣住民と のトラブルが全国各地で相次ぐこととなった。 市川市 建設断念

さらに、千葉県市川市に建設する予定であった保育園も住民の反対で 建設を断念するという事件が起きた。ひらくこども園が提案される中 で、閉じるこども園の計画も今後必要ではないだろうか。

03 提案 / 遊具と防音壁の要素を建築に取り入れる 子供たちのアクティビティを誘発する遊具

近隣住民への騒音を緩和する防音壁 防音

登る

住宅

滑る

飛び出し

騒音を緩和する防音壁と多様なアクティビティを引き出す遊具の要素を建築に取り入れる。そうする事によって、こどもたちの環境は守られ近隣住民に 気を使うことなく思いっきり遊べると同時に、視覚的にマイナスイメージがある防音壁はこどもたちの壁となり解消される。


3.000 11.000 5.500 10.000 21.500

21.000

19.000

70.000

22.000

3.000

5.000

N

屋根伏せ図

建築と遊具が一体となる

こどもたちが様々な角度に適応する


るな異れぞれそが度角のスラテ

は設施育保たいてれさ識認と設施惑迷

るな異れぞれそが度角の壁

るなと点拠のめたの街てし介を館流交 壁る守をちたもどこし和緩を音騒

るなと台り滑がプーロスな急が度角

スラテたっなに状々段で斜傾

スラテたっなに状々段で平水

3.200

3.000

1.500

7.000

7.000 1.500

2.300

2.500

A-A 断面図

3.500

6.000

21.000

6.000

6.500

11.000

3.000

A

5歳児室

4 歳児室 3 歳児室

2 歳児室 1 歳児室

6.000

8.000

10.000

10.000

8.000

7.000

9.000

10.000

5.500

5.000

1.000

5.000

玄関

0 歳児室 遊戯室

職員室 お預かり保育

相談室

21.500

玄関

交流館施設

倉庫

A 21.000

19.000

70.000

22.000

3.000

5.000

N

1F 平面図

上がったり下ったり好奇心を誘発する

景色やこどもが見え隠れする


04 配置計画 交流館を介して街に開く

防音壁によってこどもたちの環境を守る

苦情

内外共に回遊性をもたらす

水害 苦情

危険

登る 公園

交流館

走る

飛ぶ

駐車場

駐車場 高齢者施設

計画地東側に2軒の住宅、北側にはマンショ

南側に隣接する高齢者施設とつながりをもつ

壁を囲うことで回遊性をもたらす。屋根上は

ンと水路・公園が存在する。

ため、物理的にではなく交流館を介して街路

テラスとしてこどもたちが上ることができ、

近隣住民に騒音を与えないため、壁を囲うよ

側に開くようにする。登園後、こどもとその

このテラスを走り回り、様々な角度・高さに

うに配置する。こどもたちは気を使うことな

親が訪れ、地域のコミュニティの場としての

よって作られた不安定な場所に適応しようと

く思いっきり園内で遊ぶことができる。

きっかけになる。

する。


面積表

各室面積 ( 内法寸法)

敷地面積 =3,500 ㎡

1歳児室=22.7 ㎡

お預かり保育=26.4 ㎡

延床面積 =1,245 ㎡

3 歳児室=43.6 ㎡

職員室=45.0 ㎡

園庭面積 = 840 ㎡

4 歳児室=50.0 ㎡

相談室=18.2 ㎡

建築面積 =1,324 ㎡

緑地面積 = 476 ㎡

2 歳児室=40.9 ㎡

5 歳児室=59.0 ㎡

交流館施設=190.0 ㎡

トイレ=31.8 ㎡ ×2


04

建築再生計画 - 保田窪団地をリノベーションする -

C ompet i t i o n

日本建築学会設計競技 _2018 佳作 / タジマ奨励賞

02 敷地 / 熊本県保田窪第一団地

1991 年

保田窪団地中庭

保田窪団地西側 保田窪団地全体

今後見通しが立たない名建築

集会室 実験のまま捨ててしまうのではなく、空間の配列とともに機能を落とし込む必要がある。そうすることでこの 建築を必要とする人は増えると同時に、住み手によってこの建築そのものの価値を生み出していくことで、社 会貢献として国・地域・個人の利益を稼ぐことができる建築へと変わる。

敷地と隣接する民家

公営住宅法が影響でデザイン重視の計画だけとして認識されてしまっているこの建築をこれまでと同じように


CONCEPT 公営住宅法が原因で、デザイン重視の計画だけとして認識されてしま っている保田窪団地に、民間による商業機能を追加し、コモンを介し て多重な領域生を形成した管理方法を提案する。 住み手によって建築そのものの価値を生み出していくモダニズムの概 念を伝承し、社会貢献として国・地域・個人の利益を稼ぐことができ る建築へと変わる。

01 背景 / 取り壊される名建築 a. 同潤会青山アパートメント 1927 年 竣工

2003 年 解体

b. 晴海高層アパート 1958 年 竣工

1997 年 解体

c. 中銀カプセルタワービル 1972 年 竣工

現在 解体の危機

03 建築・分析 / 持続可能な構造体 スケルトン (構造躯体)

仕上げコンクリート

インフィル (内装材)

ガリバリウム鋼板波板葺

アルミサッシュ

床・スラブ

型枠コンクリートブロック

このスケルトン・インフィルでつくられた構造の特性を活用し、住み手が更新していける持続可能なシステムを考えていく必要がある。


公営住宅法が影響で住戸しかつくることができなかったこの団地は、住民 の高齢化や単身化と共に、中庭に降りてくる理由がなく機能しなくなって いる現状にある。 住戸という単一の機能だけが集まったことによって、使いこなすことので きなかった保田窪団地の空間に、経済活動をつくる機能を与えることで、 初めて空間に力を持つ。

04 概念 / 固有の空間構成に機能を与える 保田窪団地の空間

経済活動をつくる機能

棟に挟まれるブリッジ

環境から守る屋根

中庭を囲う部屋

低層部に入る店

ステージを持つ中庭

貸出しを行う会場

保田窪団地の空間に経済活動をつくる機能を与える。

機能を与えた保田窪団地

制約に縛られた保田窪団地

母親 老人

その他

母親

全員で掃除

その他

幼児∼小6生

部外の子供・大人

駐車場で

遊ぶ子供

老人 3棟母親連れ 父親(子連れ) 一部母親

全員で掃除

幼児∼小6生

部外の子供

老人

経済活動

遊 会場

老人 3棟母親連れ 父親(子連れ) 一部母親

地域住民・観光客

現在のアクティビティ

機能を与えたアクティビティ


ブリッジを減築することでできる連続的な余白が歩行者空間となる。その 空間に対し、買い物客を日差しや雨などから守る目的でつくられたアーケ ードという屋根を挿入することで、屋根の下に住人と外部の人が集まるき っかけをつくる。

提案 /05-1 ブリッジを減築(空間)し屋根(機能)を挿入する

連続する余白が歩行者空間となる

棟に挟まれるブリッジ

降水量が最も多い熊本県にとってこ の屋根が大きな傘となり、気候に関 わらず集まる場所となる。

空間

環境から守る屋根

機能


中庭を囲う低層部の部屋(空間)に住民が管理を行う店(機能)を与える ことによって、保田窪団地で行われる活動が中庭へと拡張すると同時に街 へと連続していく。 また、低層部に店(機能)を与えたことで、アーケード下の空間にも経済 活動が行われる。

05-2 中庭を囲う1階の部屋(空間)に店(機能)を与える

住民の店が街と連続していく

中庭を囲う部屋

空間

低層部に入る店

機能

テーブルや椅子、住民の店が 中庭側に広がっていく


保田窪団地の中庭に、一次的に人を収容する貸出し(機能)を行うことに よって、イベント時などの非日常的な経済活動をつくる受け皿となる。中 庭では一般人が主に使う場所となり、保田窪団地の住民は普段通り、日常 で営む店を開くことができる。

保田窪団地の中庭を貸して多くの人が集う状況となることで、保田窪団地 の住民が一次的に大きな利益を得ることができる。また、保田窪団地の住 人は、非日常的な風景を受け入れながら日常を過ごすこともできる。

05-3 ステージを持つ中庭(空間)に貸出し(機能)を行う 集会室前の踊り場が ステージとなる

ステージを持つ中庭

保田窪団地の住民が所有し管理する 中庭が祭り・フリーマーケット等の イベントに使われる。

空間

貸出しを行う会場

機能


中庭と街を強く分断する境界となっていた全住戸に、コモンを介入させる ことで多重な領域性が生まれる。

1階は住人のための店を付随しつつ、2階が暮らしの機能を共有する場と なり、3階以上は今まで通り住居となる。この1棟ごとの管理方法が新た な家族像をつくるきっかけとなる。

06 システム / コモンを介した管理方法 プライベート コモン

プライベート

プライベート

3戸∼6戸

3戸∼6戸のユニットで管理

パブリック コモン

全ユニットで管理

3戸のユニットで管理

3戸

パブリックスペース

生業

保田窪 A 棟

熊本県営

住居

暮らしの機能

住居

全住民

取材

熊本県営

イベント情報

取材依頼

ローン返済

管理人 安い家賃

管理人 点検・管理・大掃除

くまもと アートポリス

ワークショップ

住人

住人

住人

住人

建築家

日本メディア

中庭貸し出し依頼

棟ごとで管理

安い家賃・高い維持費

イベント 企画者

労働者・利用者 地域住民

地域通貨

依頼

保田窪第一団地経済図 現在

海外メディア

安い維持費

改修

施工会社

生業

利用者・宿泊者

保田窪第一団地経済図 提案

06-2 システム / 共有部 現在の保田窪団地の暮らし 106 ㎡

ブリッジを取り除いた保田窪団地の暮らし 1戸

40 ㎡

60 ㎡

1戸

1戸∼2戸

共有廊下

公共側が標準世帯という家族を前提としたために、部屋数や収納数を決ま った枠組みの中で制約を与えてつくられた nLDK は、高齢化や単身化する この時代にとっては間取りが広いという問題が生じている。

ブリッジを取り除くことでお互いの専用部分が小さくなる分、共有部が大 きくなり、住民が暮らしの機能を共有することによって、維持費などにか かるコストも低減することが出来る。さらに、内装部は住民がいつでも更 新していくことが出来る。


住戸が中庭とアーケードに向かい合うような構成とすることで、寝室にい ながらも低層部の活動がみられるようになる。これまで中庭に降りるきっ かけのなかった空間は積極的に使われるようになる。 保田窪団地の中庭を今まで通り、単なる通過動線にはせず、住人たちが管 理する店を介してアクセスすることで、目的を持った人たちだけが集まる 場所となる。

アーケードに向かい合う構成

アーケードに向かい合う構成

中庭に向かい合う構成

寝室から低層部の活動がわかる

店を通って中庭に入る


更新可能な構造 (間取りを拡大して内装を変えた住民)

民家は取り壊し広場に (民家の住民は保田団地へ)

共有テラスで井戸端会議


アーケードと店を介して中庭に入る

部屋を 3 分割して店を出す

共有の部屋で集まる

プライバシーが取れ つつも向かい合う寝室

中庭に降りる階段




05

CLOUD TREE - 自由気ままに姿形を変えながら、大地を旅した雲は建築となり人々に空間と潤いを与える -

C omp et i t i o n

愛知建築士会コンペ _2018 優秀賞

雲は空気が上昇気流により上空に打ち上げられ、温度が

2

低下し、飽和水蒸気量を超えることによって発生する水 蒸気が空気中の塵と結合することで生まれる。

旅する雲を建築化するため、シャボン膜を用いて雲を一定量内包し、二つの気候レイヤによ

3

って位置を留めることでアンダールーフの空間を生み出す。風によって雲屋根が移動するこ とで物理的な「旅する建築」となり終尾にはシャボン膜が割れ雲はまた空気中を旅してゆく 雲移動

雲発生 シャボン膜

ポンプアップ

熱く乾いた空気

雲発生

雲の現象

水の粒

気圧・気温 ( 高 )

水蒸気

ちり

雲を建築化する

気圧・気温 ( 低 )

雲排出 暖かく乾いた空気

冷却装置

冷たく乾いた空気

パイプ

シャボン膜

雲移動 シャボン液

冷却装置

シャボン玉装置 地面

水蒸気

塵を核として結合

可視化

3層のレイヤー

熱く乾いた空気 暖かく乾いた空気 冷たく乾いた空気

人が気候を創る ポンプアップによる人の力で圧力差を 生じさせ、気温・気圧を下げ、雲を発 生させる為の気候をつくる。又、ポン プアップにより、つくられる風は、雲

地上に存在する塵や水蒸気は、気候の変化により結合する。すると、

下部に冷却装置を設置し、冷たく乾いた空気をつくり、熱く乾い

の移動・シャボン膜を張る為のプロペ

水蒸気は水の粒すなわち、雲粒となり可視化され、太陽光を散乱する

た空気に挟むことで、比重差で雲とシャボン膜を浮かせる。

ラ駆動・冷却装置の排出にも使われる。


CONCEPT 雲は「旅」をしている。雲は発生するのも消えるのも突発的であり、 自由気ままに行く先もあてもなく、気候によって姿形を変えながら様 々な場を旅している。私達はこの曇に「旅の建築」としての可能性を 見出し、雲建築を生み出すことに挑戦する。

1 雲は﹁旅﹂をしている

GROUNDWATER

RAIN

UPDRFT

WIND IS BLOW

TRIP

雲は気候・場所によって移動し、雨・地下水・水蒸気などに変化しながら、 循環する旅をしている。

本提案は集団でつくり上げることで生まれる体験型の建築である。設置場

4

所を人が集まる公園や広場とすることで更なるアクティビティを誘発し、 公共空間の既存価値を高める。

休む

5

従って、設置場所を高温域が出現する可能性の高い個所に設定した場合、 都市を冷やす冷却装置・避暑地のシンボルとして街に貢献する建築となる

触れる

作る

空地だった都市公園に彩りを与える

都市熱を緩和する避暑地として

集団でつくる体験型の建築

割る

空気を加圧することで発生させた雲建築は冷たい空気を内包している。s

ビル熱

ビル熱

冷気

割れる

雲分散 熱

熱 熱

水 水

水 水

都心部での緑地や水面の減少による蒸発散量の減少・建物の輻射熱による熱に 対して、雲粒の気化熱の働きにより温度を下げる。


旅する雲を留めることでアンダールーフの空間を生み出す 旅するアンダールーフの空間を生み出してゆく

シャボン装置 (減圧弁・流量制御弁)

冷却装置(膨張弁)

圧力を減圧し、流れる空気量を制 御することでしゃぼん膜を割れな いようにし、持続的に作り出すた めに設置する。

プロペラを用いて持続的にシャボン膜を生成する。 流れてくる空気によりプロペラが回転することで 膜を張り続ける。 径を大きくすることで大きなシャボ ン玉を安定して作り出す。

上昇してくる空気を冷却し、2FL 上に冷却層を作り出し、シャボン 玉を浮かせるために空気の温度を 下げる。

上部の球体をポンプアップす ることで空気を送り出し、パ イプ内で圧力を高めピンを外 すことにより減圧し、雲を発 生させる。

冷却装置(コンプレッサー・凝縮器)

500

外気と熱交換させることで内部の気体を冷却する。

天端=▽GL+2300

2000

2800

ビルの輻射熱により熱せられる都市

天端=▽GL+2800

雲発生装置 冷却装置

雲建築は人の行為を生み出し、公共空間としての既存価値を高める。

▽2FL=GL+300

シャボン装置

▽1FL=GL+150 ▽GL±0


3,000

0

25

雲発生装置(柱上部)

3,000

雲発生装置(逆流防止弁)

雲(シャボン膜) シャボン玉は表面 張力の影響により 球体に近づく。

内部の圧力差により雲を発生させる。

アクティビティを生み出すと共に都市を冷却する

SECTION

接着面を大きくすることで安定感を増加させる。

シャボン玉内に雲を挿入する。

現象が雲建築の新たな表情をつくる。

雨がシャボン膜を割り、姿を消すことで建築の領域が曖昧となる。


06 C ompet i t i o n

建築大学 - 大学四年間を振り返った、私の思い描く建築大学 Nagoya Archi Fes 2019 入選 (27 選 )

Design Review 2019 一次審査通過(66 選)

02 敷地 / 芸術と科学の杜・白川公園

建築

芸術

接続

科学

芸術と科学の分野に建築を接続 対象敷地である白川公園の名古屋市美術館と名古屋市科学館が 大自然の公園と一体となっていることから「芸術と科学」の杜 と呼ばれている。この「芸術と科学」の分野に新しく建築を接 続する。


CONCEPT 私はこの 4 年間、大学内での授業を超えてオープンデスクや講演会、コンペなど、あらゆる建築の活動に参加し、様々な環境で刺激を受けてきた。この ような経験があったからこそ、私は今、建築に興味を持ち、建築を学び続けられている。 だからこそ、大学のカリキュラムに導入されていない領域の建築教育が大学内で学ぶことができたら、私たち建築学生にとって、大学での学びが最も大 きな価値に繋がるのではないだろうか。そこで、この大学4年間を振り返り、私の思い描く建築大学を提案する。

01 背景 / 大学4年間を振り返る私の経験 オープンデスクプロポーザル

建築新人戦

建築ワークショップ

NAF 運営

これまでのコンペ

共同設計

オープンキャンパス展示

講評会

レクチャー

お施主さんの家

Plustic 講演会(学生団体)

エスキス会・勉強会

学生

他分野

建築大学

建築関係者

市民

これまでのような大学の教育カリキュラムに従った建築教育を行うだ けでなく、私が大学4年間で経験してきた建築教育が日常的に行える 大学を提案する。

03 システム / それぞれの授業内容 必修の授業 / 学生主体のまちづくり

選択の授業 / 設計教育の拡張

パブリックスペースの提案

ワークショップ

遊具の提案

講評会

高架下の提案

エスキス

建築設計

民間委託 プロジェクト

選択制

建築情報学

外部設計競技 デザイン

設計演習の拡張

レクチャー

web による授業 / 生まれる多くのメリット 講義室で授業

構造

設備

行政主導のまちづくり

材料

ワークショップ

市民

歴史

学生

計画

行政

web で授業

授業の充実

三者一体のまちづくり

労働力負担

床面積の軽減

行政が所有する白川公園またはその周辺の土地を、従来の行政主導の維持

従来から継承されてきている建築設計製図に加え、学生が自由に設計の

管理ではなく、行政と市民の間に大学を介入させ、そこでワークショップ

授業を選択できるように、設計演習の授業の拡張を行う。

等によるきっかけをつくることで、三者一体となって白川公園を維持して

また、講義によるスライド形式の授業のような体系的に学ぶ科目は、大

いく。

学用 web サイトを利用した講義に変える。


空間構成

機能配置

このような敷地の形状を最大限生かすように、大学の核となるメインホー

さらに、市民にとっても気軽に使いやすい建築とするため、敷地中央に配

ルを敷地中央に配置し、ホールに向かって6つのランドスケープを引き込

置したメインホールを核として、大学の機能を内側に配置し、街に展開す

むように空間を形成する。北側に存在するステージ場に対しては、ステー

る機能を外側に配置することで、街に対して広がりを生むような空間とす

ジと連続するような階段状の空間を建築内に挿入し、イベント時に建築と

る。

一体となって使えるようにする。

04 建築 / 設計手法 空間構成

プログラム配置 街 大学

名古屋市美術館 名古屋市美術館

メイン ホール

既存のランドスケープからホールに向かって空間を構成

大学の機能を内側に、街に展開する機能を外側に配置 大学

大学

大学

共有

・大講義室

・建築事務所

・ライブラリー

・食堂・カフェ

・制作室

・ミーティング室

・インフォメーション・シャワー室・WC

・レクチャー室 ・展示室

まち

・スタジオ

・建築子ども塾

・デザインショップ ・ものづくり工房


東西のランドスケープが名古屋市美術館と連続するように、美術館の西出

建築家黒川紀章の手がけた名古屋市美術館は「共生の思想」すなわち自然

入り口に計画された鳥居をモチーフとしてデザインし、メインホールに向

との共生をテーマにして、周りにある樹木の高さより低く建築を計画して

かって門型のフレーム並べ構成する。

いる。この思想に習い、既存樹木に対して建築の外周部を低く抑え、自然 に包み込まれるような形態とした。

西出入口の鳥居

外周部を低く

ケヤキ

「共生の建築」

西

名古屋市 美術館

名古屋市

オブジェ

噴水

美術館


アプローチ

建築子ども塾

ステージ

制作室

大階段

収納スペース

制作ワークショップ

大講義室


メインホール 展示会

メインホール 展示会

レクチャー

ミーティングスペース

中庭テラス

デザインショップ

食堂・カフェスペース

芝生広場

アプローチ

プロムナード


7,000

この中心性を帯びた空間で私たちが主役となり、ここで表現する私たち 学生の高揚感を高める。

外部の人でも

W.C

9,000

7,000

建築設計展 1

デザインショップ 店が共有空間と連続する

14,000

築の言語を噛み砕きながら、一般的の目線で分かりやすく建築の魅力を 伝える意識をする。

4,600

作品の展

建築事務所

打ち合わせや学生のエスキス スペースとして使える。

6,000

12,000

75,600

建築講評会 1

街の人が2階からプレゼンを見学する緊張感の中で、学生は専門的な建

共有部へと拡張させることで大学の学びが街へと

れ出し、そこで学びを

通じた交流を生み出す。

6,000

使い方に合わせて学生が大学のパーテーション扉を開放し、大学の機能を

3,000

7,000

制作 ワークショップ

建築 ワークショップ

偶然大学に訪れた人や、大学のアプローチ空間と連続する縁側でカフェを

3,200

楽しんでいる人を巻き込むなど、多様な参加者の中での授業が行われる。

ケヤキ

日常的に市民に開放されたメインホールをつなぐ廊下に、学生の作品を展

ギャラリー

示するためのギャラリースペースを設けることで、学生はここに自分の作 品を展示することを目標とする。

建築 × 工房ワークショップ

12,800

6,400


ステージへと連続する大階段

ステージ客席

スタジオ1

4. 科学館が借景となる空間 ミラー越しでダンス活動

もシャワー室を使える

C ・シャワー室

デッドスペースが収納として使える

インフォメーション 日常的な動線として使える

回遊性のある空間

子供たちの活動が外部へ漏れ出す

大講義室

レクチャー室 1 市民も参加できる

大きな講評会などに使える

レクチャー

制作室 1

レクチャー室 2

建築子供塾 名古屋市美術館と連続するよう

大学の機能を拡張

にランドスケープを引き込む

メインホール

展示スペースと一体化した廊下

ものづくり工房

制作室 2

ライブラリー

スタジオ3

大学の機能を拡張

工房と連携したワークショップ ミーティング室 ライブラリー

カフェの延長でワークショップに参加 街と大学の機能をゆるく仕切る中庭 EV

食堂厨房

カフェ厨房

カフェスペース

食堂スペース

スタジオ1

スタジオ1

街の機能を外部へ展開

N 1階平面図 12,800

6,400

22,400

3,200

6,400

12,800

6,400

12,800

3,200

108,800

3,200

スタジオ3

ライブラリー

カフェ & 食堂

スタジオ3

建築子供塾


スタジオ1

スタジオ2

ステージ客席 スタジオ4

スタジオ3

建築設計展 2

スタジオ2

7,000

学生や街の人たちから多角的な視点でみられるようにスキップ状の回廊

7,000

空間でホールを包み込む。

9,000

客席

14,000

スタジオ1

白川公園のイベント会場として使われるこの大階段から、街の人を学び

建築講評会 2

の場へと誘導し、普段建築に接点のない人が学生の講評会に混ざってく

75,600

ステージ客席

4,600

る状態をこの空間で作り出す。

12,000

屋上へと上がる階段

スタジオ4

6,000

スタジオ3

スタジオ4

構造そのものが家具スケールへと変換し、学生が必要に応じて手を加えて

1:1 設計

6,000

いくことでこの建物自体が建築の教材となる。

3,000

7,000

スタジオ2

各学年のスタジオを2階の回廊でフラットにつなぎ、下級生と上級生が

エスキス会 ミーティング

6,400

3,200

関係なく交わることができるエスキスラウンジを設けることで、大学に

6,400

22,400

3,200

6,400

12,800

108,800

スタジオ4

6,400

おける縦の関係性をつなげる。

12,800

スタジオ

12,800

スタジオ

6,400

12,800


ステージ階段 ステージイベントで大階段が使われる

席の一部となる屋根

講評会の様子を上から見学

スタジオ1

打ち合わせ

エスキス会

スタジオ2

展覧の様子を上から見学 様々な空間とつながる階段

印刷をする学生

学生のための寝室

スタジオ4

スタジオ3 各学年の共有スペース

学生作品展示 勉強会

屋根の上でくつろぐ

屋根動線

N 2 階平面図 12,800

6,400

22,400

3,200

6,400

12,800

6,400

12,800

3,200

108,800

3,200

屋上テラス

仮眠室

ステージ大階段


07

デ コ

プレイス

被災地における「震災瓦礫」を用いた公共空間の提案

C omp et i t i o n

日本建築学会設計競技「技術部門」2019 入選(8 選)

02 震災瓦礫の「建材化」とそのポテンシャル

Process 収集した震災瓦礫を破砕し、サイズを均一化する 収集

セル単位の構成によって

破砕・塗装

建材化フロー 破砕された瓦礫は白塗装を施

自由な造形が可能となる

すことで震災の痕跡を中和する セル状に構成 建材となった瓦礫蛇籠を建築の構成要素とする

蛇籠に充填 瓦礫を蛇籠に充填することで強度を持った建材とする

震災で発生したコンクリート瓦礫を収集・破砕・塗装し、通常土木構造物に用いられる「蛇籠」に充填することでブロック状の「建材」を生み出し、それらをセル状に構成す ることで積み木のように形づくられる建築を提案する。コンクリート瓦礫が充填された蛇籠は強度を有しながらも、表面積が通常建材の何十倍にも相当し、高い蓄熱・蓄冷効 果があるため夏季は直射日光を遮り周囲との温度差により冷ややかな質感を与え、冬期は輻射熱により暖かい居場所を生み出すなど、パッシブな性能を有する。


CONCEPT 地球環境問題の観点から、持続可能な循環型社会の構築を担うため、環境負荷 削減を目的として建築物の長寿命化、建築部材・資材のリユース、建築の材料 のリサイクルが求められて久しい中で、短期期間での解体・リユースが見込め る「期限付きの建築物」を提案するという内容のコンペであった。そこで、震 災瓦礫を蛇籠に充填することで建材化し、部分的に解体可能という特性を活か した、リユースの建築を提案した。

01 震災瓦礫と被災地における公共空間に着目 1. 平成 12 年 鳥取県西部地震 2. 平成 13 年 芸予地震

10

3. 平成 15 年 十勝沖地震

3

4. 平成 16 年 新潟県中越地震 5. 平成 19 年 新潟県中越沖地震

7

6. 平成 19 年 能登半島地

8

54

6

1 7. 平成 20 年 岩手・宮城内陸地震

2

8. 平成 23 年 東北地方太平洋沖地震

9

9. 平成 28 年 熊本地震 10. 平成 30 年 北海道胆振東部地震

(例)七ヶ浜みんなの家

近年日本では大規模な地震が多発し、家屋の倒壊などの二次災害によって仮設 住居での暮らしを余儀無くされる人々、また震災に伴う震災瓦礫の排出による 環境問題への対応が急務となっている。本提案では震災瓦礫を「蛇籠」を用い ることで建材化し、仮設住居入居者の在りどころとなるような公共空間を生み 出すことで、被災者の日常生活の質を高めながらも、震災瓦礫の有効利用によ り環境問題の緩和を図る。

03 プロトタイプ化することで大幅の震災瓦礫削減に貢献 約 30 万t

その他 木

不燃物

可燃物

Rubble

震災瓦礫

約 300 万tの震災瓦礫

2,272 万 t

金属

コンクリート

約 300 万t

建材として約 43 万tを消費

本提案におけるコンクリート瓦礫使用量は瓦礫間の空

率を考慮し概算するとおよそ 122t である。東日本大震災では仮設住宅 50 戸(みなし仮設も含む)に対してこのよう

な公共建築が設計されていることから、それらの代替えとして本提案を当てはめ概算するとおよそ 293,000t の震災瓦礫削減に貢献することができ、それは東日本大震災にお ける総排出量の約 10% を削減しているということである。


本提案の建築構成は規格化された二種類のサイズの蛇籠を組み合わせてつくる極めて 単純かつ明快な計画としているため、仮設住居入居者にも分かりやすく、設計プロセ スに模型を用いたワークショップを加えることで被災者のニーズに答えた居場所を積 み木のような感覚で設計することができ、同時にそれらの行為が非日常なレクリエー ションの機会を生み出す。よって本提案で示すプランはその一例であり、私達が同様 の手法を用いることで生みだされたものである。

04 セル単位の簡易な構成が可能にする住民参加型の設計手法

隠れんぼがしたい 家族で遊べる 場所が欲しい

囲われた落ち着け る空間が欲しい

木陰のような場所が欲しい

屋内空間が欲しい

秘密基地が欲しい

小さなお山が欲しい

掘りごたつで くつろぎたい

遊具みたいに使いたい

模型を用いたワークショップ

500

500

500

250 規格化された二種類の蛇籠

Section

S=1/50

蛇籠をセル単位で積み上げていく構成 にすることで、多様なアクティビティ を誘発する凹凸の空間が生まれる。

分散配置した屋内空間がそれぞれの 外部空間と関係し合うことで、部分 的な集合としての全体性を生み出す

床レベルを複雑に操作して地面が建物

FL

GL

700

150

3,260

建築となる。

にまで入り込む空間は、人々を緩やか に内部空間へと導く。

3,280


本提案の解体期間は政府が定める災害時における仮設住居の提供期間である 2 年を基 準としているが、東日本大震災等の大規模災害においては提供期間が長期化するとい うことも考慮し、ロングスパンでの使用が可能となるよう計画している。解体時には 姿形をそのままに被災地のモニュメントやフォリーとして転用したり、セル状の構成 や屋根を細分化する事で部分的な解体が可能という特性を活かし、地域のバス停や遊 具・護岸整備への転用を行うなど、多様な用途に柔軟にリユースすることができる。

05「セル単位」での解体により多様な用途・スケールでリユースを行う

そのまま転用

バス停への転用

遊具への転用

屋根を分節することによって空間に多様な質を与えな がらも、夏季は直射日光を遮り快適な環境を生み出す。

蛇籠を積むことによってレベル 差ができる空間は、椅子や掘り ごたつになるなど、時に家具ス ケールに変化する。

建物から伸びた庇をくぐるようにして内部の床まで光を届ける。 内部の床や壁は温めためられることで、寒い冬でも暖かい室内環境を保つ。

夏至 78.4 度

蛇籠壁は通気性が高く蓄熱性も高いことから 季節に応じた室内環境を形成することができる。 2,520

3,300

春分・秋分

冬至 55 度

31.6 度


Plan S=1/100

セル状に構成された空間は利用者のニーズによって生み出され、多様

入り組んだ中央部に設けられた GL±0 の外部空間。分散された 屋根から差し込む光が木々を照 らし木漏れ日を映し出す。

掘りごたつで団欒 のひと時を過ごす

たたき土間 GL+100

ミニキッチン

たたき土間 GL+100

夏の日中、冷たく気持ちの 良い蛇籠床の上で寝そべる

たたき土間 GL+100

什器として用いられる空の蛇籠は

屋内空間 蓄熱・蓄冷に優れた蛇籠壁に 囲われた夏は涼しく冬は暖か い快適な空間。

空間に抜けとメリハリを与える

ミニキッチンを中心とした小さな広場

たたき土間の小さな広場に対し対面式のミニキ

ッチンを設けることで、周囲の蛇籠は立体的な

ベンチとなり盛り場のようなシーンが生まれる


上蓋:亜鉛アルミ合金先めっき溶接金網φ5×500×500

柱脚と柱の連結

様なアクティビティを内包する

蛇籠と柱脚を連結させたものに鋼 材の柱を差し込む。蛇籠に充填し た瓦礫は密度が高く、耐久力があ るため建材として成り立ち、柱と 相互に関係しあうことで構造とし て成り立つ。

側面網:亜鉛アルミ合金先めっき溶接金網 5φ×500×500

柱脚パイプ:100 角中心径 80φ       基礎と接合済み

内外が曖昧に交わる空間 蛇籠を多様な高さ・密度で組み立てることで 一つのランドスケープを生み出し、それらと 緩やかに交わる配置とすることで内外の領域

連結コイル:亜鉛アルミ合金先めっき鉄線 5φ

震災瓦礫:塗装済み

柱:鋼材 80φ

100 50 100

450

700

GL

250

が曖昧な心地よい空間を生み出す

ゆるやかに仕切ら れた半屋外空間

熱循環システム

薪ストーブから発生する温熱をパイプを通じて 建築全体に巡らせ、蛇籠を砕石蓄熱層とする。 砕石はコンクリートの何十倍もの表面積を有す るため蓄熱効果が高く、冬でも安定した環境を つくり出す。

1 屋根 屋根:ガルバリウム鋼板

小さな山のような空間は遊具 GL±0

となり子供達の溜まり場となる

2 垂木

垂木 25×100mm

3 建具 建具: 木製サッシ     ペアガラス

4柱 天井高さが 1,000mm の空間 は子供達の秘密基地となる 柱: 鋼材 中心径 80φ

5 柱脚 調理や焚き火を行える

。冬期には輻射

柱脚パイプ 100 角中心径 80φ

熱によって周囲の空間を温め、排熱パイ プによって他の蛇籠にも蓄熱させる

6 蛇籠

蛇籠: 500×500×500mm 250×500×500mm 接合 メッキ鉄線結合コイル





08

「プレゼンシート」 -01 07 のプレゼンシートレイアウト集 -


学部 3 年前期:設計課題


学部 3 年生後期:設計課題 & コンペ


学部 3 年生後期:コンペ


学部 4 年生前期:共同制作コンペ


学部 4 年生後期:共同制作コンペ


大学院 1 年生前期:共同制作コンペ


大学 4 年生後期:卒業設計



大学院 1 年生前期:共同制作コンペ

AIT LIBRARY ANNEX

- 既存広場を活用したラーニングコモンズの提案 -

01 大学図書館別館としての役割 ラーニングコモンズとしての位置付け

広場の再構築 02 「通過動線」から「滞在の場」としての広場 7号館

近畿大学図書館:充実した共有スペースやプロジェクトテナント

広場

図書館

セント

2号館 実験棟

7号館

滞在の場として機能

東京学芸大学図書館:図書館と併設したカフェ

0

8 号館の解体により残されたこの広場は、学生が 図書館

12 号館

「通り抜けする場所」となっている一方で「滞在 する場所」としては機能していないのが現状です。 この広場に多くの学生を呼び込み「滞在の場」と 2号館

セント

実験棟

して使われるために、多くの棟に囲まれる場所の 特徴を最大限に生かし、建築とともに広場のデザ 従来の大学図書館は、知識を深めるための資料・情報提供の場として位置付け られてきましたが、近年大学図書館の機能を超えたより複合的な学びの場が提 供されてきています。 愛知工業大学図書館

インを考えて行きます。

図書館

12 号館

ラーニングコモンズ 知の探索

知の深化 専門書の充実 個人の学びの場

個人の知識を深める場

情報発信の場

最 新 号 ・ 雑 誌

集団の学びの場

新しい情報と出会える場

本大学においても、4 階にアクティブラーニングルームが設けられています が、位置関係の問題や、単一の機能に留まっているため、情報発信として他 学科の交流が生まれにくい状況にあります。そのため、愛工大図書館の別館 としてラーニングコモンズ提案を行い、交流拠点となる場を計画します。同 時に、既存図書館は知識を深める場として位置付けることで、ラーニングコ モンズは新しい情報と出会える場としての役割とします。

南側からセントラルガーデンをみる。広場にラーニングコモンズを挿入するこ とで内部と外部が連続し、生き生きとした活動が展開される。


土木棟からの アプローチ空間 各機能が広場を囲む 展示やゼミ活動などのプロジェ クトテナントとして利用できる +1000

イベントとして 活用できるデッキ

+1000

閲覧室 +500

スタディ ルーム ±0

+600

±0

最新号の本が入る セ ン ト ラ ル 食 堂

+300

2号館 実験棟

二 号 館 実 験 棟

セントラル ガーデン

閲覧室

±0

カフェエリア +300

カフェと食堂が隣接する スタディ ルーム −2400

スタディ ルーム

閲覧室

1000

−2000

−1900

−2400

講義室 −2400

外部からスタディルーム の様子がみえる 1500

大階段を利用した講義室

−2500 セキュリティ:

広場につながる動線

03

5号館 講義室実験棟

セント

図書館に対してひらく構え

建築・空間構成 断面操作・平面操作によるラーニングコモンズの空間 計算

0

平面図 5

N

10

センター

トラル食堂

8号館

2 号館実験棟

屋根の操作による南側採光の確 保が内部空間を明るく照らす。

図書館

12 号館

地形に添った大階段は 講義室の階段となる。

5号館 講義室実験棟

空間全体が連続的に繋がる

計算 センター

新2号館

カフェ

トラル食堂

8号館

閲覧室

講義室 階段裏にトイレと閉架図書を配置する。

断面図

既存の地形を利用したことでできた大階段が講義室の座席として利用されたり、小さな居場所から大きな居場所が生まれるなど、多様ば空間が展開される。 新2号館

大学図書館側からのアプローチ空間をみる。図書館側に対して大きく屋根が開くことで、学生たちを向かい入れるような構えとした。


大学院 1 年生後期:コンペ

ひとつ縁側の上で  「ふるさと」という言葉を聞いて、私は、両親の実家に帰った時の風景を思い浮かべる。 両親の実家に帰ると、祖父母がいて、そこに両親である父と母、そして私というように、 それぞれの世代の人がひとつ屋根の下の空間を共有し、同じ時間を共に過ごすことになる。  「ふるさと」とは異なる時代を生きていきた色んな世代の人が混ざり合い、同じ時間と空 間を共有することではないだろうか。  そこで、ひとつ屋根の下の空間を共有する家族単位のスケールを超えて街のスケールへ と展開し、各世代の家が混在する名駅五丁目の敷地を対象に、ひとつ縁側の上の空間を共 有して、多世代の人が混ざり合う風景を提案する。

食堂

01 敷地 / 名古屋市名駅五丁目

02 分析 / 各世代の家が混在する街 ビルに囲われている低層住宅地

コインパーキング

高度経済成長

03 提案 / ひとつ縁側の上で多世代が混ざり合う 高度経済成長から現在

空き地

敷地は愛知県名古屋市の東エリアに位置する名駅5丁目を対象とする。ここは、堀川によって し社会の流れの中で、この住宅地内に多くの空き地や駐車場が虫食い状に広がることで間の空間 を埋め尽くし、それぞれの家がお互いに無関心な状態として個別に存在してしまっている。

戦前

「ひとつ屋根の下」

「ひとつ縁側の上」

この街に残る家を分析すると、それぞれの家に世代が存在する。「堀川によって延焼を逃れた戦前の家」 、 「高

そこで、ひとつ屋根の下の空間を共有する家族単位のスケールを超えて街のスケールへと展開し、ひと

度経済成長期に建てられた家」 、 「高度経済成長期後から現在までに建てられた家」など、社会の流れの中で、徐々

つ縁側の上で、多世代の人が混ざり合う風景を提案する。

に更新されてきたことがわかる。このような敷地だからこそ、この虫食い状に広がる駐車場を連続する余白の空

縁側は各世代の家を繋ぎ、多世代の人々が空間を共有して同じ時間を過ごすと同時に、室内空間と外部空

間として捉えることができれば、各世代の家同士が関係し合う有機的な繋がりが生まれるのではないだろうか。

間を緩やかに繋ぐ役割を果たす。




09

「設計課題・模型集」 -1年後期∼3 年前期の図面 & 模型 1 年後期「住宅課題」    1 年後期「シェアハウス課題」 2 年前期「傾斜地邸宅課題」 2 年前期「ツーリスト課題」 2 年後期「ブティック課題」 2 年後期「美術館課題」 3 年前期「私立図書館課題」 3 年前期「小学校課題」


1 年後期「住宅課題」


1 年後期「シェアハウス課題」


2 年前期「傾斜地邸宅課題」


2 年前期「ツーリストインフォメーションセンター課題」


1,250

2,550

2,500

1,3000

6,700

2 年後期「ブティック課題」 down

up

ショップ

up

down

up

down

up インスタレーション

テラス

倉庫

吹き抜け

ショップ

W.C up 倉庫

予備室 ショップ

up

更衣室

機械室 up

down down

倉庫

更衣室

オフィス

up

up

down

吹き抜け

厨房

カフェ

W.C

down ランチルーム

地下1階平面図

up

1階平面図

2階平面図

3階平面図


2 年後期「美術館課題」


3 年前期「私立図書館課題」


3 年前期「小学校」



10

「大学院で取組む研究」 - 公共図書館と複合・併設する学校図書館における領域形成からみた生徒の居場所の研究 -


公共図書館と複合・併設する学校図書館における利用者の居場所形成 Users' confortable place in school library combined with public library 正会員 準会員  同 同 正会員

共図書館が併設し、曜日や時間帯ごとによって学校図書 館と公共図書館の開館が異なる図書館である。学校図 書館の開館は、「月曜日・水曜日・金曜日」の 13:10 ∼ 表 1 調査概要

休日の入口

非 常 階 段

WC WC

調理室 家庭科 準備室

地域図書館

東 倉庫

図 書 館 教 育 担 当

会議室 校長室

来賓 玄関

図書 準備室

教 務

職員 研修室

昇降口

学校図書館入口

準備 室

放 送 室

相 2談 室

印刷室

職員室

EV

1F 配膳室

公共図書館

中庭

女子 男子 職員 職員 更衣室 更衣室

職員女子 トイレ

相 1談 室 労務職員室

美 術 美 科 術

西 倉庫

職員男子 トイレ 倉 庫

女 子 ト イ レ

男 子 ト イ レ

相 談 室

ト イU レ

保 健 室

5A組 5B組

6組

倉庫

学 習 室

女子 トイレ ト男 イ子 レ ト イU レ

図書館

学校図書館入口

光陵中学校〔3階〕 0

5

10m

五個荘中学校 〔1 階〕

N

準備 室

テニスコート

被服室

図 書 室

1F

1. 研究の背景と目的  子どもたちが言葉を学び、表現力を高めるために欠か せない読書活動において、学校図書館は重要な役割を 担っている。文部科学省では、学校図書館の子どもの居 場所作りや地域住民への開放などの新たなニーズが寄せ られていることを報告している文 1)。これらのニーズに 応えるため「地域開放型」の図書館を位置付け、子ども たちの学校生活の充実や、地域の読書活動の活性化に貢 献していくことを期待している。  また既往研究文 2)によると、児童生徒において、学年 が上がるにつれて読書冊数や学校図書館の利用率は減少 し、特に中学生以降は極端に減っていることが報告され ている。そのため、中学生の学校図書館の利用率を高め るために、中学生の図書の要求に対応した学校図書館の 整備をしていく必要があると考えられる。  そこで本研究では、一般開放を行っている中学校の学 校図書館を対象に、生徒の居場所形成から学校図書館の 「場」としての利用意識を明らかにすることを目的とす る。 2. 研究方法と調査概要  近年、公共図書館と複合・併設することで一般開放を 行っている中学校の学校図書館が整備されている。本報 では、公共図書館との複合形態が異なる学校図書館の特 徴を捉えるため、比較的に地区人口や生徒人数が同程度 の愛知県瀬戸市立光陵中学校と滋賀県東近江市立五個荘 中学校の2校を対象とした。  光陵中学校図書室(以下:光陵)では、平日に生徒が 利用する学校図書館を、瀬戸市の取組みで土日・祝日に 司書を派遣して地域開放を行っており、非常階段から図 書館を利用することができる。また、本館の瀬戸市立図 書館の本を取り寄せて、土日・祝日に貸出が可能となっ ている。  五個荘図書館(以下:五個荘)は、五個荘中学校に公

NAKAMURA Yuta OGAWA Mao NAKATA Toshiki YOSHIDA Akari NAKAI Takayuki

公共図書館入口 0 5 10m

N

図1 光陵中学校と五個荘中学校の平面図

Graduate Student, Master's Programs,Graduate School of Engineering,Aichi Institute of Technology Undergrap. Stub., Dept.of Architecture,Facully of Engineering,Aichi Institute of Technology Dept.of Atchitecture,Faculty of Engineering,Aichi Institute of Technology,Dr.Eng


13:25 であり、公共図書館の開館は、 「水曜日∼日曜日」 の 10:00 ∼ 18:00 となっている。つまり「水曜日・金曜日」 の昼休み時間は、一般利用者と生徒が同一空間内を同時 に利用することとなり、 「月曜日」の昼休み時間は生徒 のみの利用となる。  光陵では各学年の全クラス、五個荘では各学年の1ク ラスずつを対象としてアンケート調査を行い、さらに学 校図書館の行動観察調査を行った。行動観察調査では、 特定のアングルで 30 秒毎に撮影し、生徒の位置と行為 を抽出して平面図にプロットをする。また、公共図書館 の来館者の利用もみるため、来館者全員にアンケート調 査を行った。 3. 学校図書館の利用状況 3-1. 生徒の図書の選択場所  生徒がどれくらい学校図書館の本を利用しているのか をみるため、 「生徒の図書の選択場所」を表 2 に示す。 両校共通して「自分で買った本」「家にある本」と回答 した生徒が最も高い。次に、五個荘では「学校図書館の本」 が 51% と高い結果となった。既往研究文 2) より、各学 校の生徒の「学校図書館の本」と回答した割合が 10% ∼ 30% 程度であることから、五個荘は他校の生徒より も学校図書館の本をよく利用していることがいえる。 3-2. 学校図書館の利用目的  両校の生徒の利用目的を表 3 に示す。光陵では、 「本 を借りるため」が 27% であるが、「本を読むため」が 55% と上回り、本の貸借りの場というよりも「本を読 む場所」として学校図書館を認識していることがいえる。 五個荘では、 「本を借りるため」が 73% と最も高く、次 いで「本を探すため」 「本を読むため」がともに 40% 程 度と、他の利用目的も高い。そこで、1人当たりの選択 項目数の平均をみると、1人につき約 3 項目を選択し ていた(図表略)。既往研究文 2) では、各学校の平均が1

人につき 2 項目を下回っていたことを踏まえると、五 個荘の生徒は、単一目的ではない多様な目的を持って利 用していることが伺える。 3-3. 曜日による使い分けの意識  表 4 は、生徒が主にいつ学校図書館を利用している のかを示している。両校ともに「特に決めていない」が 多いが、光陵をみると「平日」が 41% と次に高い。また、 「休日」が 9%「平日・休日」が 6% と、休日に利用す る生徒は 15% とわずかながらも、学校図書館を地域図 書館として利用している生徒がみられた。五個荘では、 「平日」よりも「土日」の利用が高く 18% となった。また、 平日の利用を比較すると、生徒だけが利用する「月曜日 の昼休み」よりも一般利用者がいる「水曜日と金曜日」

の割合が高い。曜日ごとの利用理由でも、 「一般利用者 がいないから」と答えた生徒は 1% しかみられなかった ことから(図表略) 、生徒は一般利用者の影響で利用が 減ることは少ないと考えられる。 4. 公共図書館の利用状況   公共図書館を利用する全来館者を対象に行ったアン ケート調査から、学校図書館を公共図書館として利用す る一般の(生徒を含む)利用者が、どのような利用意識 を持っているのかをみていく。 表 2 生徒の図書の選択場所

表 3 生徒の利用目的

表 4 生徒の曜日ごとの利用

表 5 来館者の公共図書館のイメージ


月曜日の生徒のみが利用する昼休み時間では、金曜日の生徒 の利用人数 28 人と比べて、16 人と利用人数が減少したが、

4-1. 公共図書館のイメージ あるため、 「生徒が昼休み時間に五個荘図書館を利用す 生徒の居場所形成は、金曜日の利用とほとんど変化がなかっ  表 5 では、一般利用者が図書館をどのような場所と ることについてどう感じているか」といったアンケート た。先述の3章からもわかるように、 「一般利用者が影響で して認識しているのかを示している。光陵では、 「本を を取った。その結果、「全く気にならない」と回答した 学生の利用が減少することはほとんどない」ため、一般利用 貸借りするところ」が 91% と最も高く、他の項目は総 一般利用者が 85% と高く(図表略)、多くの利用者は生 者が同一空間内にいる中でも、生徒はうまく交わって利用し じて低くなった。五個荘では、「本を貸借りするところ」 徒の利用をあまり気にしていないことが伺える。 ていることがいえる。 が 85% と最も高く、次いで「知りたいこと、調べたい 属性プロット ことがわかるところ」が 46% と高い。さらに「本を読 10 月 19 日(金)13:10 13:30 テーブル席で本を読んだり 勉強をしている むところ」が 34%、「新聞・雑誌を読むところ」が 20% 姿勢割合 立位…26% 休日の と他の項目も高くなっている。 平日の 着座…73% 入口 入口 4-2. 来館者の交通手段  その他…1%  各館の交通手段をみると(図表略)、五個荘では「車」 利用人数 中学生…14 人 本棚の近くで留まる が 68% と高かったが、光陵では「車」が 9% と低いの 人は少ない に対し「徒歩」が 82% と高い結果となった。さらに光 グループ利用…14 人中 14 人 中学生  教員 陵では、一般利用者全員が光陵地区内に居住していたこ 中学生入口 座席周辺 とから(図表略)、遠方から訪れるというよりも徒歩圏 内の住民に利用されているといえる。  その要因として、光陵では地域図書館のための駐車場 が整備されていないことが考えられる。 多くの生徒が友達と会話しながら利用している 生徒が何人か集まって相談している 4-3. 生徒が公共図書館を利用する一般利用者の意識 図 2 属性プロット(光陵中学校図書室)  五個荘では一般利用者と生徒が同時に利用する曜日が 0

中学生入口

属性プロット

1

5

N

中学生コーナー本棚

10 月 28 日(月)13:10 13:25 姿勢割合 立位…71% 着座…28% その他…0% 昼休みが終わる直前に一斉に教室へ戻っていく

新聞・雑誌コーナー

利用人数 中学生…16 人

中学生コーナーで友達と本を探している

カウンター周辺

学校図書館入口 中学生コーナー

公共図書館入口 N

グループ利用…16 人中 15 人

一般コーナー

中学生  教員

職員

0

1

5

一般利用者のいない日に一般コーナーを利用する中学生

図 3 属性プロット(五個荘図書館) 図 -3五個荘図書館 属性プロット

属性プロット

10 月 11 日(金)13:10 13:25

カウンターで本を借りている中学生

新聞・雑誌コーナー

中学生と一般利用者が適度な 距離間を保ち視線が交わるこ となく読書をしていた :視線 赤:中学生 青:一般

姿勢割合 立位…85% 着座…14% その他…1%

生徒と一般利用者が同一空間で読書をしている

利用人数 中学生…28 人 一般…10 人

中学生コーナー本棚

学校図書館入口

グループ利用…28 人中 20 人

一般コーナー

一般  中学生 教員

職員

公共図書館入口 N

中学生コーナー

0

1

5

図 4 属性プロット(五個荘図書館)

中学生コーナーで一般利用者が中学生に混じって本を探す


5-1. 学校図書館の利用からみた生徒の居場所形成  生徒の居場所形成から学校図書館の特徴を捉えるた め、行動観察調査を行った。  光陵では休日の学生利用が少ないため、平日の学校図 書館を対象に行動観察調査を行った(図 2)。光陵では、 生徒の利用人数が 14 人であり全員がグループでの利用 を行っていた。館内の過ごし方をみると本棚に留まって 利用している生徒は少なく、テーブルを利用している生 徒が多くみられた。先の表 3 でも、生徒は学校図書館 を本を読む場所として認識していたことから、友だちと 本を読みにいく場所として利用されていると考えられ る。  五個荘では、生徒のみが利用する月曜日と一般利用 者も利用する金曜日を対象に、2 日間の行動観察調査 を行った(図 3, 図 4)。月曜日では、生徒の利用人数が 16 人で、その内、単独で利用していた生徒は 1 人であっ た。金曜日では、生徒の利用人数が 28 人で、その内の 単独利用が 8 人となり、利用人数は増えたがグループ 利用が減少した。  また、一般利用者も利用する金曜日では、一般利用者 が館内を利用しているにも関わらず生徒は一般コーナに も領域を拡大し、雑誌コーナー等で友だちと話しながら 本を読む行為がみられた。先述の、学校図書館を利用す る生徒は一般利用者の影響は少なく、公共図書館を利用 する一般利用者は生徒の影響は少ないという結果から も、お互いがトラブルなく利用していたことが伺える。  このように生徒と一般利用者が交わっていた雑誌コー ナーでトラブルなく利用できていたのは、背面型のソ ファー席と対面型のテーブルがお互いの背を向けるよう な関係をつくり、視線が交わらないような計画となって いたことが考えられる。 5-2. 生徒の姿勢と座席選択  行動観察調査から生徒の姿勢を、 「立位」「着座」「そ 注 1) の他」で分けて 学校図書館での過ごし方についてみ ると、光陵では「着座」が 73% と最も高く、本を手に取っ てから座席を選択している生徒が多かった。五個荘では、 「立位」が金曜日 85%、月曜日 71% と最も高い結果と なり、本棚の前で本を拾い読みしている生徒が多く見ら れた。「立位」の割合が高いのは、表 3 の結果からも多 様な目的をもって生徒が学校図書館を利用していること が要因だと考えられる。 6. まとめ  光陵では、学校図書館としての特徴的な生徒の利用は あまりみられなかったが、生徒・一般利用者ともにわず かながらも地域図書館を利用していたことがわかった。

さらに地域図書館の来館者全員が光陵地区内に居住して おり、徒歩で来館する利用者が多かった。また、来館者 の多くは本を貸借りするところと認識していることか ら、徒歩圏内の地域住民が本を貸借りする場所として利 用していることが伺える。本館の瀬戸市立図書館の本を 取り寄せることが可能であることからも、学校図書館を 土日・祝日に一般開放を行うことは、地域住民の窓口と して利用できる有効な手法と考えられる。  五個荘では、他校の生徒よりもよく学校図書館の本を 選択する割合が高くなっていることに加え、多様な目的 を持って図書館を利用していることがわかった。公共図 書館を学校図書館として利用できるため、蔵書の量や質 が生徒の利用につながっているのではないかと考えられ る。さらに、一般利用者と生徒がお互いの利用に影響を 受けることが少ないという結果からも、学校に公共図書 館を併設して学校図書館として利用することは、生徒 の図書館利用を増やす有効な手法であると考えられる。 7. 今後の課題  今回の調査では、公共図書館との複合形態が異なる学 校図書館の「場」としての利用意識を、生徒の居場所形 成から捉えることができたが、今後は学校図書館の事例 を増やし、施設の規模や面積、座席レイアウトなどの空 間的な特徴から、生徒の居場所形成を詳細に分析してい きたい。 (謝辞) 調査にご協力頂いた各学校図書館(公共図書館)館長ならびに職員の方々、愛 知工業大学中井研究室の皆様に深く感謝いたします。 尚、本研究はの一部は、科学研究費補助金 ( 基盤 B 課題番号 18H01605(研 究代表:恒川和久)の助成を受けて行なったものである。 〈注釈〉 「着座」はイスなどの席に座っているものを指し「 、その他」には床に座る、 注 1) しゃがむ、寝転がるなどの行為を含んでいる。 〈参考文献〉 文 1)これからの学校図書館に求められる課題、文部科学省 http://www.mext. go.jp/a_menu/shotou/dokusho/meeting/08092920/1282750.htm ( 最 終参照日).2019.11.15 文 2)木尾卓矢、中井孝幸:地域内における学校図書館と公共図書館の相互利用 に関する研究その2- 子どもの発達段階からみた図書館利用と読書習慣 文 3)河口名月、伊藤綾二、柿田侑亮、後藤昭宣、中野竜、中井孝幸:子どもの 学習環境を促す学校図書館の施設計画に関する研究・その 1-2、日本建築 学会東海支部研究報告集、第 54 号、pp.361-368、2016.2 文 4)勢力雄斗、伊藤尋哉、和田規寛、木尾卓矢、中井孝幸:小中一貫校図書館 における空間構成からみた児童生徒の利用行動の多様性 - 地方都市におけ る学校図書館の施設計画に関する研究その2- 日本建築学会東海支部研 究報告集 pp401-409、2019.8 文 5)木尾卓矢、中井孝幸:児童生徒の発達段階における読書活動からみた学校 図書館の継続的な利用を促す施設特性、 地域施設計画研究 2019.7 日 本建築学会 建築計画委員会 施設計画運営委員会 地域施設計画小委員会 文 6)中井孝幸、秋野崇大、谷口桃子:図書館における利用者属性からみた座 席の選択行動と過ごし方 -「場」としての公共図書館の施設計画に関する 研究その 1 日本建築学会計画系論文集、第 82 巻、第 741 号、pp.27672777、2017.11


YUTA NAKAMURA PORTFOLIO

-2015-2020 Aichi Institute of Technorogy- 2020 年 2 月 第 2 刷発行


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