POR T F O L IO Y uto Y amaji S elected Work s 2018-2020
Y a m a j i
Y u t o
神戸大学工学部建築学科 4回生 建築意匠・設計 末包研究室 1997.11 香川県生まれ 2016.03 香川県立高松高校 卒業 2017.04 神戸大学工学部建築学科 入学
y am aj iy uto . ko be@ gma i l.com
A WARDS 2 0 2 0 . 05 N EXT A 2020 8選 / 秋吉浩気賞 2 0 2 0 . 08 2020 年度日本建築学会設計競技 近畿支部入選
全国審査会 タジマ奨励賞
2 0 2 0 . 09 全国建築学生賞 2020 第1回コンペティション 10 0 選(総合 2 9 位 / 学年4位)
C O MPETITIONS 2 0 1 9 . 02 神戸三宮「さんきたアモーレ広場」デザインコンペ 2 0 1 9 . 08 建築新人戦 2019 2 0 1 9 . 09 第 15 回ダイワハウスコンペティション 2 0 2 0 . 05 N EXT A 2020 2 0 2 0 . 08 2020 年度日本建築学会設計競技 2 0 2 0 . 09 全国建築学生賞 2020 第1回コンペティション
A C TIVITIES 2 0 1 9 . 11 - 2020. 05 NEXT A 2020 広報班スタッフ 2 0 2 0 . 04 -
Dipl o m a×Ky o to 2021 広報班スタッフ
2 0 2 0 . 05 -
まちプロジェクト 2020 スタッフ
2 0 1 9 . 08 -
株式会社大林組 模型製作アルバイト
建築的相対性理論 S T A T ION ×A RC HIT EC T U RA L S T U D IOS N EX T A 20 8選 / 秋吉浩気賞
ボーダーモアの家 外との新しいつながりをもった住まい 2020 年度 日本建築学会設計競技 近畿支部入選 / タジマ奨励賞
TERRAs 近畿圏の大学のためのセミナーハウス
景色を縫う、街の流れ 神戸ウォーターフロント・ランドスケープ
Knox
Museum 面構造によるメモリアル空間 学内講評会選出 / KU A J 掲載
全国建築学生賞 2020 100 選(総合 29 位 / 学年4位)
平日の家、休日のいえ 住宅設計:開かれた家 学内講評会選出 / KU A J 掲載
STATION×ARCHITECTURAL STUDIOS 3年生4Q 計画演習ⅠB
設計期間 2019. 12 - 2020. 04 用途 複合施設(駅・大学・公共施設) 敷地 兵庫県神戸市
NEXTA 20 8選 / 秋吉浩気賞
建築的相対性理論 100 年前にアインシュタインによって提唱された「相対性理論」の影響は 物理学にとどまらず社会学や哲学にまで、そして現在にまで及んでいる。 では、時間・空間の相対性や「速さ」は建築に何を与えてくれるだろうか。 駅と大学の一体化というテーマや技術の発展からも見出される 「速さ」というキーワードと「建築」との新しい関係性を探るため 「建築的相対性理論」として提案し、それによって建築は何を獲得できるのか考えてみた。
STATION×ARCHITECTURAL STUDIOS 阪急六甲駅北側に建築教育施設、建築の周辺にか かる情報
の発信 拠点、そして駅機能の複合施 設を計 画する。教 育施設
の主たる利用対象者は およそ3 50人。
ここを通過また は滞留・滞 在そして交錯する人々が建築 やそ のインフォメーションを介することで創造的コミュニケーシ
ョンが生まれ 、多様なアクティビティが可視化される場所。こ のようなイメージを顕在化させる、唯 一 無 二の、ここにしか ない磁場を創造する。
阪急電車 特急 80km/h
1 . 速さの 幅
大学と駅が 一つの施設になることにより、大学なの に電車が 走りぬけ、駅なのに1日中座ったままの 人がいるといったことが起こる。 このように従来よりも敷地内の人・物のもつ速さの 幅が広がることに着目した。
自転車 15km/h 走る 7km/h 歩く 4km/h 座る 0km/h
2 . 速さの 貫 入
AIや自動運転技術の発達により「速さ」が「危険」に 直結するとは一概には 言えなくなってきている。だ とすれば速さを持ったものが建築内に貫入してくる ことも十分に考えられるだろう。
速 さ を 生 かし た『 建 築 的 相 対 性 理 論 』の 提 案 相対性理論は簡単にまとめるとすれ ば、 「速いものほど時間がゆっくり流れ 、そして空間が縮む」という話である。 これに倣い、様々な速さと建築空間にどのような関係性がありそうかを考え以下のようにまとめた。
1 . 速 さの 幅 が 大 き い ほど距 離 感 が 生 ま れる
2 . 速 い も の ほ ど 遠 方 へ の 興 味 を 強 く持 つ
物理的な距離や壁をつくらなくても、速さの 差により精神的距離が発生することである程度のプライ バシーを保つことができる。また、その精神的距離の大きさを速さによって操作できる。さらにこれを 利用すれば「見る- 見られる」関係といった一方的な関係 性で はなく、互いに視線には入るがプライバ シーは保たれるという「見える-見える」関 係も成立しうるのではないかと考えた。
速いものからの視点では近くにあるものはそのぶん視界からすぐに消えて しまうため、視線が遠方 へと向かいやすい。今回は特に六甲駅を高速で走 り抜けてしまう特急電車に対しての情報発信 のアプローチとして用いた。
Site 兵庫県神戸市
神戸大学
区 阪急六甲駅
三宮のベッドタウンとして住 宅 が 広 がり、学 生 の 街でもある六甲。 東西に阪 急 神 戸 線 が 走り、北 には 六甲山 が、南 には 神戸湾が広が る。
新神戸駅
敷地の東 側で は 交 通 量 や 商 業 施 設 が 多 い の に対し、西側には閑 静な住宅 街 が 広 がり、南 側 には 六甲八 幡 神 社 境 内 の 木々が生い 茂る。 多種多様 な 人々が 行き交うが 滞 留 空 間 に乏しく、拠りどころのな い窮屈な 印 象を受 ける。
三宮
事前に予約した本を受け取れる 図書館ドライブスルー
現在一方通行となっている狭い道路を拡張し 片側一車線の道とした B
図書館
A
資料室
食堂
バス乗り場
モックアップ広場
A タクシー乗り場
大阪梅田行
三宮行
B
六甲八幡神社 1階平面図 1: 1000
5m
15m
25m
N
B
売店・画材店 スタジオ
A スクリーン室 閉架書庫
事務室
デジタル ファクトリー
三宮行
B
書店
ワークショップルーム
コンビニ
模型展示室
A
大阪梅田行
1階平面図 1: 1000
5m
15m
25m
N
1. ホール 2. ワークショップルーム 3. 事務室 4. ロッカールーム 5. スタジオ 6. 講義室 7. 会議室 8. 研究室 9. シャワールーム 10. WC
B
7
88
7
7
8 88 88 8 88 9 9
A
自動運転車は2-4階を走っており、人が移動する際に「横にも動く EV」のよ うに扱うだけでなく、資料室などから無人で配達をすることも想定した。 各階の停車場で乗降や荷物の引き取りができる。
A
1
4階平面図 1: 1000
B
坂の多い六甲ではランニングをするような平地がなかなか見つからない。 そこで1周約 300m ほどのランニングトラックを設置した。
B
7
A
7
10
8 8 8 8 8 8
6
6
6 2 1
6
6
6
10 10
10
5
A
2 3 4 4
B
5m
15m
25m
3階平面図 1: 1000
N
スタジオのすぐ横を駆け抜ける自転車。速さの差が適度な精神的距離を生む。
講義室棟
ホール ワークショップルーム 地域の人々と大学関係者の 交流の拠点となる
ゲストを招いた講演会や プレゼンテーションを行う
また自転車が内部に貫入してくることで駅と大学施設を明確に分ける。
中庭 スタジオなどを明るくするため 光を取り入れる 様々な速さが集まる場所
スタジオや研究室からの アクセスが良い位置には位置
研究室棟 2つの研究室で一つの塊とすることで 交流が深まる
走り抜ける電車から図書館を見る様子
研究室
ホール
模型展示室
ワークショップルーム
デジタルファクトリー
特急電車からは離れた中庭へと視線が行く
資料室はすぐ近くにあるが、電車からは大きな精神的距離を感じる
スタジオ 事務室
資料室
食堂
5m
15m
資料室
25m
A-A 断面図 1: 500
モックアップ広場
2m
5m
15m
B-B 断面図 1: 500
外との新しいつながりをもった住まい 2020 年度 日本建築学会設計競技 設計期間 2020. 04 - 2020. 06 用途 集合住宅 敷地 兵庫県神戸市 共同設計 高坂啓太 / 幸田梓(神戸大学)
日本建築学会設計競技 近畿支部入選 全国審査会 タジマ奨励賞
ボーダーモアの家 内外の関係というのは、ある境界を挟んで色濃く(薄く)なるもので、 その境界に対して空間を共有する人が多くなる方向を外と呼ぶのではないかと考えた。 現代では外壁という境界が強すぎることで内外のつながりが弱くなっているわけだが、 住環境のことを考えると住宅にとって境界は不可欠であるとも思う。 そこで、それらの境界を並べ直したり種類を増やしたりすることで 住宅におけるモラルを守りながら内外をつなげ直すことを提案する。
「ボーダーレス」という言葉を最近よく耳にする。 日本語では「無境界」や「脱境界」と言いかえる らしい。文字通り、境界が無くなったり境界の意
▪「 外 」 に つ い て
内外のグラデーションを構成する一要素として 「空間を共有している人の数」に着目
⇨
識が薄れたりした状態のことを言う。私たちは住
宅の内外をつなぐにあたって、果たしてこの
内から外へ向かうにつれて
「ボーダーレス」が適切なのだろうかと考え
関わる可能性がある人の数を徐々に増やす
た。
個人
元来、日本の住宅は縁側や土間といった「弱い境
家族
集住
地域
まず私たちは内と外というのは本来「どこまでが内でどこからが外」と言ったようにある部 分で明確に切り分けられるものではなく、グラデーションのように切れ目なくつながってい
界」を用いることで外とのつながりを求めていた。
るものであると考えた。そしてそのグラデーションの一要素として「空間を共有している人 の数」に着目し、個人・家族・集合住宅に住む人々・外部の人々というように内から外へ向
しかし現代では外壁という強固な境界を用い、そ
かうにつれて関わる可能性がある人の数を徐々に増やすことでここに暮らす人が無理なく社
の内側で気を許せる人間同士が内壁という比較的
会へ出発できるようにと設定した。
弱い境界をはさみ生活を共にしている。これが間 違っているとは思わない。特に住宅に関しては、
プライバシーを守ったり適切な住環境をつ
くったりといった目的のために壁は必要だと
感じる。
ではどのようにして内外をつなぐべきか。私たち は境界の数を増やせばよいのではないかと考
えた。日本建築を参考にした弱い境界、現在我々 を守ってくれている強い境界、それらを住宅の用 途に応じて統合し並べ直すことで内から外への順 番を明確にする。人々は境界の合間に現れた多
様性の中に目的に沿った居場所を見つけなが ら違和感なく内外を往来する。
このようにもう一度内外の関係を整理するために 境界の数を増やす「ボーダーモア」を提案する。
▪「 ボ ー ダ ー モ ア 」 と い う 考 え 方 の 提 案
0
0
境界を増やす 境界をなくす
すことが理想だろう。しかし境
60
・外部と内部の差別化 ・プライバシーを守りやすい ・適切な住環境を作りやすい ・グラデーションのように空間を作りやすい
100
界のないグラデーションではど ちらか一方に偏ってしまう可能 性が高く、住環境に悪影響を与 えてしまうかもしれない。そこ で現在よりも境界を増やすこと で擬似的なグラデーションを作 り出すことを提案する。こうす
60
※住宅には不向き
20
住宅に向いているのでは
ボーダーレス
・外部の侵食 ・プライバシーの侵害 ・不適切な住環境
くつなげるためには境界を無く
ボーダーモア
100
0
内外のグラデーションを滞りな
ることで内部と外部の差別化を 図りながらも内外の連続的な空 間のつながりを生み出したり、 機能や用途に沿った多様な場が 現れたりする。
自分の気分によって好みの場所を選択することができる
▪境 界 の 重 な り
▪ 境界の順番
夕方、テラスでくつ ろいでいると帰って きた仕事終わりの隣 人と挨拶を交わす
休日、自転車が趣味 の隣人に自転車の修 理を手伝ってもらう
現在、住宅の内外を分断してしまっている外壁だが、プライバシーの確保や快適な住環境のためには必要不可欠なものであ るとも思える。しかし、住宅の内外をつなげ直すに当たって、内壁の効果と外壁の効果は逆転させるべきなのではないかと 考えた。つまり住環境の整備を分厚い内壁に任せることで、薄い外壁でも問題なく暮らせるようになるのではないかという ことだ。そしてさらにその外側に縁側を設け、家族だけでなく集合住宅内の人々と関わる機会を増やすようにした。
▪ 住戸の構成
:他住居の住民
いうコミュニティが空気を共有するスペースが生まれる。ここでは低く薄い壁に
よってそれぞれの住戸がなんとなく占有している場の境界をつくるが、そこでのア クティビティはさらに外側へと広がる。さらに、弱い境界があるという安心感のお かげでそれを挟んだ会話も生まれやすい。
▪素材について 寝室・水回り
:居住者
「ボーダーモア」により現れる弱い境界どうしが重なり合うことで「集合住宅」と
a. 開口部
一番内側で一番厚い壁の内部には最もプ ライベートな質を置く。水回りは庭と接し、 木々の緑に視線が向かう。
リビング・ダイニング 次に厚い壁の内にはリビングやダイニン グといった家族がくつろぐスペースを配置 する。開口の場所や大きさを変え、住戸の 外から視線が入らないようにする。
玄関・縁側
内側の壁の厚さのおかげで玄関や縁側と いった外側の壁を薄く弱くすることができ る。家族以外の親しい人々も招き入れる。
単純開口
ガラス
擦りガラス
壁
開口部の素材にあるものは上図にあるものを場所によって使い分け、境界の多様 性を作り出す。
b. 床素材
土間・テラス
各住戸の一番外側の部分には集合住宅全 体と空気を共有した土間やテラスを配置 する。キッチンからはすぐ土間へ降りられ るようになっている。
砂+芝生
コンクリート
ウッドデッキ
フローリング
床素材は外部から内部にいくにつれて、砂+芝生→コンクリート→ウッドデッ キ→フローリングと変化させ、空間の移り変わりをより感じることができる。
一つ外の壁で視線を切ることで
敷地のすぐ北側には隣接する戸建て住宅があり、西側の公園の入
風呂やトイレにも窓をつけるこ
り口近くにある路地が生かされていない。そのため人々が通り抜
とができ , そこから緑が見える。
けられるように北側を広く開放した。
GL ±0
GL +200
キッチンとダイニングの
GL ±0
間に上部のみが遮られた 壁を置くことで , 湯気や 煙は止めつつ視線や匂い
GL +400
を通す。 GL +200
外構部分は土、集合住
GL +200
GL +400
宅は土間とし素材を変 えることで扉を設置せ
GL +400
ずに弱い境界で仕切る。
GL +400
GL +200
GL +400
GL +200
GL ±0
GL +400
GL +200
一番外の壁を敷地境界線に合
外構部分では敷地境界線の
GL +400
わせ、最も外側の境界である
ひとつ内側の境界としてベ ンチや花壇を配置すること
敷地境界線との緩やかなつな がりを持たせる。
GL ±0
で、集合住宅と周辺地域の
GL +200
コミュニティ形成の可能性 をつくる。 GL +200
GL +400
GL ±0
敷地の南側には道路を挟んでカフェがある。ランチタ イムの待ち時間はこの住宅のベンチで過ごし食事をし ながら木々を眺めることができる。
集合住宅と空気を共有している空間 基本は視線を遮るが一部を縁側とし、 そこを介して近所の人と交流が生まれる。
2m
5m
10m
N
配置図兼平面図 1: 200
プライバシーは確保しつつ、適切な距離感で会話ができる
住戸間で住人同士のコミュニティーが生まれる
高さ 1200mm の壁で少し囲まれることで、話しやすい空間を作る
ベンチや花壇を配置し、それらが地域のたまり場となる
近畿圏の大学のためのセミナーハウス 3年生3Q 計画演習ⅠA
設計期間 2019. 09 - 2019. 11 用途 セミナーハウス 敷地 兵庫県神戸市
TERRAs セミナーハウスで過ごす数日間は普段の閉鎖的な大学生活から抜け出し、 他分野の学生の活動に触れる絶好の機会である。 他者を介してより広い視点から自分の活動を見直すことで、 根源的な興味・関心に改めて気づくことができるかもしれない。 宿泊施設としてのプライバシーを守りながら、それらを可能にするための提案である。
Theme
Site
近畿圏の大学のためのセミナーハウス
兵庫県神戸市
大学内での活動としての講義や演習・実習とは別に、ある一定の期間、
敷地は山麓市街地に位置する
空間を共にし、集中した活動や共通の目的をもって活動する場が求めら
に囲まれ、南は神戸市街地の奥の大阪湾まで見渡せるという、神戸ならではの
れている。この課題では、近畿圏の大学共通施設として位置づけ、セミ
地理的特徴に恵まれた敷地である。
区
丸山公園 丸山公園を想定する。北は六甲山系の豊かな緑
ナーや共同制作、スタジオ、社会との連携など学内では難しい様々の活 動に対して自由で豊かな場を提供することを目的としている。 施設の利用者は主として大学生、大学院生、大学教員であり、15 人単位 (10∼20 人)が6組宿泊でき、最大で 150 人の学生が共同で研修できる 施設とする。また、指導教員や外来者が別に 15 人宿泊できる諸室を確 保すること。
神戸大学
新神戸駅 三宮
Analysis 2つの機能のヒエラルキー セミナーハウス には大きく分けて宿泊と研修の2つの機能がある。 そしてそれらの間には、宿泊室から研修室は見えてもいいが、研修室から宿泊室は 見えてはならないというヒエラルキーのような関係性が存在している。 さらに、それぞれの機能の中においてもプライバシーのヒエラルキーは存在する。 このような関係性を右図のようにまとめ、1階を研修、2階を宿泊と大別すること により機能間のヒエラルキーを解決しただけでなく、各機能内の関係性においても 右図を参考にしてゾーニングを行った。 これらの操作により諸室間のつながりや動線を残しながら、必要とされるプライバ シーの確保を目指した。
2m
5m
15m
南東側立面図 1: 300
Diagram
宿泊と研修の2つの機能の、互いに見えてもい
床を短冊状にし立体的に交差させることで、そ
1階・2階両方の短冊状スラブとそれらの交差部を増やすことで、
い・見えてはならないという関係性を守るため、
の交差部に上下階の2つの機能が混じり合う余
それぞれの機能内のヒエラルキーを形成しつつ、さらに互いの機
1階に研修機能、2階に宿泊機能を配置する。
地をつくりだす。
能が混じり合う余地と可能性を増やす。
講師用宿泊室
宿泊室
工作室
男性用浴室
アトリエ
図書室
宿泊室
講義・
・集会室
屋根が格子状になっているため、どの部屋にも 自然光が差し込む。 プライバシーを守るため2階に配置された宿泊室 からは、2層ぶん吹き抜けた研修施設の様子がよ く見える。 多方向に開口を設けられる1階の研修施設。外部 へと活動を広げやすく、他者の活動も視線に入り やすい。
宿泊室
講義・集会室
創造スタジオ
2m
5m
15m
A-A 断面図 1: 300
テラスや自習スペースが飛び出して いることで3方向から山々や緑を感 じることができる。
スラブ間の移動の際にあえて遠回り になるようにすることで1階と関わ る機会を増やす。
宿泊室
ゼミ スペース
ゼミ スペース
宿泊室
宿泊室
ゼミ スペース
宿泊室
宿泊室
宿泊室 宿泊室
A
宿泊室
宿泊室
工作室
宿泊室 宿泊室
女性用浴室
アトリエ
宿泊室 宿泊室
男性用浴室
宿泊室
講義・ 集会室
講義・ 集会室
宿泊室
宿泊室
創造スタジオ
宿泊室
宿泊室
宿泊室
宿泊室
宿泊室
A
宿泊室 宿泊室
宿泊室
食堂
創造スタジオ
宿泊室
エントランスの大階段は観覧席とし ても利用でき、発表やプレゼンの舞 台となる。
宿泊者ではなくても利用できるテラ ス。すぐ下の食堂から移動し、眺め を見ながら食事できる。
2m
5m
15m
配置図兼2階平面図 1: 500
N
中庭を介して図書室を見る。
それぞれの短冊の上で展開される活動を横目にその間を通る道。ときどき、それらが
れ出して外部でも活動が広がる。
階段の踊り場は少し広くなっており、 導線の中にも引っかかりをうむ。
神戸ウォーターフロント・ランドスケープ 4年生2Q 計画演習ⅡB
設計期間 2020. 06 - 2020. 08 用途 オープンスペース 敷地 兵庫県神戸市
景色を縫う、街の流れ 神戸市は「海の街」というイメージが根付いているが、 現 在のままでは街の中心と海や港との間に大きな物理的・精神的隔たりがある。 そ の よ う な 現 状 を 脱 す る た め 、 中 心 街 と 神 戸 港 の 間に位置する東遊園地を「人々が海へと歩き出す始まりの場所」と捉え直し、 そ の流れの節々において多様な活動を創出する場をここにつくりたいと考えた。 そ の ヒ ン ト と し て街の骨格を受け継いだ計画を行い、この土地だからこその公園を提案する。
Theme
1. 人の流れ
ランド ス ケ ー プ 設 計課 題 は 未 来 の 地 域 の 拠 点 と し て都市 の 活 力 を 牽 引す る パ ブ リ ッ ク オ ー プ ン ス ペース の デ ザ イ ン であ る 。 都心ウ ォ ー タ ー フ ロン ト へ 広 が る 面 状 の 敷 地 に 都 市への 戦 略 を 保 持 しつ つ 微 細 な 空 間 や 環 境 を 併 せ 持つ魅 力 的 な 拠 点 オー プ ン ス ペ ー ス を 構 想 す る 。 新しい 都 市 の ラ イ フス タ イ ル や 多 様 な プ ロ グ ラ ム を許容 す る 空 間 、 様々 な ス ピ ー ド や 流 れ に 対 応 す るデザ イ ン 、 高 い 回遊 性 を も ち 、 新 し い 都 市 の ラ イフス タ イ ル を 創 造す る 場 所 、 都 市 に 変 化 を 呼 び 込むラ ン ド ス ケ ー プデ ザ イ ン に 挑 戦 す る 。
▪かつてここを 流れていた 生田川 + ▪ここが動線の 始まりの場 ↓
川の上流を イメージした デザイン
Sit e 計画敷 地 は 東 遊 園 地。 東 側 は フ ラ ワ ー ロ ー ド 、南 側は国 道 2 号 線 と いう 主 要 な 道 路 に 接 し て お り 、 交通量 が 多 い 。 北 側に は 神 戸 市 役 所 、 西 側 に は 旧 居留地 を 臨 み 周 辺 のオ フ ィ ス ワ ー カ ー と 合 わ せ て 多種多 様 な 人 々 が 行き 交 う 。
南京町
人々の流れを川の上流になぞらえて、細かく蛇行し 続ける主となる道をつくる。その蛇行の内側では水 の流れが遅くなるように、この道を歩く人や周辺の 人たちが滞留できるスペースを計画する。
2. 街の骨格
旧居留地 みなとのもり公園
メリケンパーク
周辺敷地図
敷地の東側・旧居留地側と西側・フラワーロード 側で今も残っている軸線のズレを敷地内部まで取 り込む。双方からの自然な動線や海の軸・街の軸 を意識し、その交わりの点として神戸の街並みを 象徴する場と考える。
+2000
歩道側からは奥まで人々のアクティビティが見え、歩い ている人が公園内に入ってきやすい。
±0 -2200
±0 ±0
-2000 ±0
±0 +4500
木陰が落ち、人々が落ち着いて過ごせるような芝生広場 も新しく設置する。
+4500
A
A
旧居留地側に大きなエントランスはその軸を残したまま フラワーロード まで伸びる。
5m
15m
30m
部分平面図 1:800
N
デッキの上からは市役所への軸や公園内の多様なアクティビティを見渡すことができる。
5m
北側の神戸市役所 24 F 展望ロビーからの眺め。芝生広場でのイベントの様子を見下ろせる。
15m
25m
A - A 断面透視図 1: 400
面構造によるメモリアル空間 3年生2Q 設計演習ⅢB
設計期間 2019. 06 - 2019. 07 用途 ミュージアム 敷地 香川県小豆島
学内講評会選出 / KUAJ 掲載
全国建築学生賞 2020 100 選(総合 29 位 / 学年4位)
Kno x M uze um
推理小説から考える美術館の7つのルール
ア ー ト が 単 な る 「 映 え 」 の 対 象 で し か なくなり、作者と鑑賞者との間にギャップが存在している様子が散見される。 ま た 、 ミ ュ ー ジ ア ム は 時 代 と と も に 変 化 を 繰 り 返 し て き た が SN S の発展により新たな岐路に立たされているのではないかと感じる。 そ こ で 作 者 と 読 者 が 常 に フ ェ ア な 立 場であるための推理小説のルール「ノックスの十戒」を建築要素に翻訳し、 ミュージアムに対して適用することを提案する。
ロッカー
ショップ 展示室1
事務室
エントランス
展示室4
展示室2
展示室3
2m
5m
15m
N 1階平面図 1: 500
Theme メモリアル空間を面状の構造により計画する。 この構造体を構成する材料は 石・コンクリート・鉄・ガラス等一般的に流通するものとし、社会的な合意を得 られるコストを前提とすること。 また、平面計画や建築造形において形態的メ タファーによる合意を目的とせず、計画する環境(場・空間)に対して身体的な 関心と理解を探求すること。個人を象徴する空間を熟慮し、そこに必要な空間 と場の特殊性を構造・構成・構築概念を手がかりに物理的提案として創出す る。
Technique ミュージアム ↑ ミュージアムを より良くするための ルールが生まれる可能性
≒
推理小説
❷ エントランスホールを中心に 同心円を基本にした平面計画とする
高さのある作品の ための屋根を 上からかぶせる
屋根がエントランスの床となり 非日常感、高揚感を与える
・日常の中の非日常 ・人工の美学 ・情報と情緒の矛盾 ・鑑賞者(読者)の挑戦
↑
⇦ 翻 訳
ノックスの十戒
❼ 採光、空間の広がりは 屋根によって計画される
推理小説を より面白くするための ルール
ノックスの十戒
① 犯人は物語の始めに登場していなければならない ② 探偵方法に超自然能力を用いてはならない ③ 犯行現場に秘密の抜け穴・通路が2つ以上あってはならない ④ 未発見の毒薬や、難解な科学的説明を要する機械を犯行に用いてはならない ⑤ 中国人(並外れた身体能力を持つ怪人)を登場させてはならない ⑥ 探偵は、偶然や第六感によって事件を解決してはならない ⑦ 変装して登場人物を す場合を除き、探偵自身が犯人であってはならない ⑧ 探偵は、読者に提示していない手がかりによって解決してはならない ⑨ サイドキック (ワトスン役)は自分の判断をすべて読者に知らせなくてはならない ⑩ 双子や変装による一人二役はあらかじめ読者に知らせなければならない 探偵・読者 → 鑑賞者 探偵方法 → 作品巡り 犯人 → 制作者 犯行現場 → 制作 etc...
ミュージアム 7つのルール
屋内では壁 作品の上では屋根 屋外ではベンチ として現れる部分
❹ エントランスホールから 各展示室への入り口は 狭くする
❻ 動線は壁に沿って 計画される
❶ 作品だけでなく、制作過程も展示である ❷ エントランスホールを中心に同心円を基本にした平面計画とする ❸ 展示は作品・作者ごとに分ける ❹ エントランスホールから各展示室への入り口は狭くする ❺ 鑑賞者が展示から離れ、考える場所をつくる ❻ 動線は壁に沿って計画される ❼ 採光、空間の広がりは屋根によって計画される
❶ 作品だけでなく、制作過程も展示である ❸ 展示は作品・作者ごとに分ける
❺ 鑑賞者が展示から離れ、 考える場所をつくる
エントランスは各展示室をめぐる起点となる
南西側の橋の上からミュージアムを眺める
順路の途中にある庭は作品から離れ自分なりに考える場所となる
展示室のひとつ。作品に触れたり作者に話を聞いたりできる
住宅設計:開かれた家 2年生3Q 設計演習ⅡA
設計期間 2018. 10 - 2018. 11 用途 住宅 敷地 兵庫県神戸市
学内講評会選出 / KUAJ 掲載
平日の家、休日のいえ 神 戸 市都市計画マスタープランにおいて「都心拠点」と位置付けられた六甲道で これからさらに増加するであろう共働きの核家族に向けての住宅を提案する。 この住宅に暮らす家族は平日と休日で過ごすスペースを変える。 仕 事 や 学 校 の あ る 平 日 に は 閉 ざ さ れ た 家 で過ごし、家事・仕事・勉強などプライベートを守りながら生活する。 休 日 に は 目 先 の 歩 道 や 公 園 に 向 け て 大 き く 開 か れ た い え で す ご す。家主の休日の生活と、公園にいる親子や歩道を行く近隣住民が交じり ここは自然と井戸端会議が開かれるような場所となる。
社会背景
家 と いえ 都市計画マスタープラン「都心域構造図」
親族世帯における核家族率
86.7% 1985
2000
趣味室
寝室
画により「都心拠点」と位
神戸市都市計画マスタープラン 地域別構想 より
ことが予想される。
家
隔離しプライベートが確保
いえのダイニング
されている。キッチンや書
らさらに働き盛りとされる
2015
平日の
ピロティによって道路から
置付けられており、これか 世代の人々が増加してゆく
1960
キッチン
敷地となる六甲道は都市計
斎は平日、休日のどちらも
書斎
使える位置に配置した。
休日の
家族構成
いえ
道路に向けて飛び出した趣
父
子
母
平日は大阪へ
平日は学校。
平日は近所で
出勤。自転車
休日は部活に
仕事。ガーデ
が趣味。
励む。
ニングが趣味。
味室と大きな縁側に面した
上記のような社会背景から、想定する家族
庭。作業している様子が見
構成を共働きの核家族と設定した。このよ
えることと座って落ち着く
うな家族には平日と休日で住宅の使われ方
ところがあることで、住人
が全く異なるという特徴がある。そうした
と歩行者との会話が生まれ やすい。
家族に向けて新しい住宅の形を提案する。
1m
2m
5m
北西側立面図 1: 100
趣味室
リビング
リビング
玄関
ダイニング
ダイニング
書斎 キッチン
1m
2m
5m
配置図兼1階平面図 1: 100
N
Y ut o Ya m a j i S elect ed W o r k s 2 01 8 -2020 2 02 0 . 0 9
P O RT F O L IO
つづく
P O R T F O L I O