広場を内包する境界のない駅
1500
1970 駅前
1200
2021 駅前
900 600 300 0
阪和線
Site
駅構内
2015 2016 2017 2018 2019 2020
利用者数
東佐野駅 1946
東佐野駅 住宅地の中の駅 1940 年に入り、住宅開発に伴い住宅地の中に
Site
作られた駅である。さらに戦後開発が進むと道
Site
が枝分かれしていき複雑化した。 和歌山と大阪を結ぶ阪和線の駅である。駅の 利用者数は沿線で下から 4 番目に少なく、一日 あたり 1300 人前後が続いている。
1968
1980
2021
Concept 広場を内包する境界のない駅
新しいパブリックスペースの「かた」
名前のない公共空間 → 能動的な振る舞い
田舎における駅は地域住民が訪れることが
近いゆえに公園の様に誰もが立ち寄れて
できる数少ない公共空間である。しかし生活
自由に振る舞いことができる広場と駅と融
圏は主要道路沿いへ変化し、駅周辺は機能を
合させる。また分断された住宅街を駅が中
なくし、訪れることが少なくなる。
心となり、つなぎ合わせる。駅で待つ人た
住宅地の中の駅である結果、駅と家が短絡
ちは広場まで振る舞いがにじみ出る。そし
的に結びつき、寄り道せずに帰ってしまう。
て広場に立ち寄る人と電車を待つ人が共存
また駅の構内では待つという行為しか起こ らず、一対一の目的しか生じない。
する空間を提案する。
受動的な振る舞い
建築的要因
改札の内外の振る舞い 待つ、乗降りするという活動 しか起こらない。駅と外の世界 には隔絶があり、外に出るとす ぐに帰るという行為が起こる
線路と一対一の空間 線路と向き合い過ごすため、 駅では待つという行為しか生ま れない。また後ろは壁があり、 線路の上しか視線が抜けないの で、一対一で線路に対面するし かなくなる。
乗車 待つ
降車
Atmosphere
受動的な振る舞い
敷地的要因
下りと上りの利用者数
下り側ホーム
降車 乗車
AM7:00
PM6:00
降車
To Osaka
上り側ホーム 乗車
埋め立て地と断絶 1970
1970
1970
1970
6m の壁
駅と住宅を繋ぐ道
園芸として利用
生活圏と駅前 生活圏が西側の道路に集中し ている。駅前は郵便局、コイン ランドリーなど主目的でしか訪 れない。
ため池と雑木林 雑木林とため池が周辺住宅地を 分断し、駅に直線距離で近くて も、集まりにくくなる。
住宅街と駅の距離 傾斜地の高級住宅街の中にポ ツンと存在する。駅と自宅が近 いことで寄り道せずに帰ってし まう。駅と家が短絡的に繋がる。
雑木林とため池
操作
能動的な振る舞いのきっかけ
地形:分割された広場それ
パス:道に選択肢を与える
境界のない駅 : どこまでも
デッキ:居場所の創出
境界の曖昧化:道と駅を隠す
ぞれに異なる植生ができる
一対一でない歩き方ができる
ホームが続き、人と駅を
駅の縁側、ベンチ、直売所
駅と広場が地続き的に繋がっ
繋げる
として使い道が生まれる
て、待つ行為が広場へ
夕方、大阪からの帰宅者 駅利用者と
が多いことから西側に直売
地域の農業
所を設け、晩のおかずを近 くで採れた物買って帰る
コーヒースタンドを元の駅の位置 駅の屋根と コーヒースタンド
に設けて、東佐野駅の特有の屋根の 色を用いることで親しみやすく、利 用者や地域住民と関わり続ける
c: Coffee Stand e: Field b: Coffee Stand
f: Mound
a: Station g: Grass Plaza
d: Vegetable Market
h: Damp Ground
N
a: Station b: Coffee Stand c: Coffee Stand d: Vegetable Market
e: Field f: Mound g: Grass Plaza h: Damp Ground
駅の西側立面
時間と駅と暮らし
駅の余韻が住宅地へ介入し、生活と混ざり合う
井戸端会議の場所になる
カフェスタンドが入口で向かえる
cafe
マウンドが遊び場になる
構内にも自然が入り、居場所を作る
歩道がいつの間にかホームになり、駅へ集める
東側ホームの直売所でおかずを買って帰る
断面図
地形と植生と居場所
朝から畑を通じて活動が生まれる菜園
既存の雑木林にマウンドを
一枚の屋根が駅空間を包む
作り、遊び場に変化
共有菜園、住宅地同士の共通の畑に
かつてのため池の記憶
広場を内包する駅空間
入り口にも溜まり場ができる 屋根が木々によって少し隠れる
道や地形ごとで異なる自然空間 木の密度が高くなり、日陰が多い
広場から地続き的に駅の中に入る 芝生広場に日陰の位置に居場所が生まれる