Best of the Czech Republic (japanese) by Bookletia

ザ・ベスト

オブ・チェコ

ロケット

チェコという国を語るとき、人々は単なる国土、大地ではなく、一つの広大な庭園を思い浮かべます。

美しい欧州の心臓

プラハ

プラハ－母なる町国境に連なる山、その麓に密生する深く、鬱蒼とした森、これらに縁取られた面に広がる盆地－ここには、所々湖面の銀貨がちりばめられ、川の絹糸が織り込まれている場所もあれば、丘陵の波が踊るようにうねる所もあります。国の東部、太古の昔から栄えたモラビア、シレジアの地では、どこまでも続く黄金の田園がきらめいています。この豊かな土地には、古代から現代に至るまでの歴史が、数え切れない程の貴重な史跡を遺してきました。古都、古城、教会、修道院など、私達の前を通り過ぎていったあらゆる時代の建築物、都市構造が、国の至る所に無尽蔵に残されているのです。

チェコ

チェコの町を代表する、その頂点に立つ町がプラハです。母なる町とその名が冠されるこの古都は、百塔の町とも称されており、その美しさは、この地球上の文明都市の中で最高の美と言っても過言ではありません。しかしながら、プラハを見ただけで満足するのは、片手落ちというもの。チェコには国中あらゆるところに、貴重且つユニークな財宝がちりばめられており、その数は一生かけて見て回っても全て目にすることはできない程です。チェコという門を開く鍵は幾つかありますが、今皆さんが手にしておられる本は、ユネスコ世界文化遺産という鍵で開かれるものです。この鍵が今錠前に差し込まれ、門が開けられようとしています。貴方を魅惑の世界へといざなう門が…

ククス

カルロビ・バリ

ヴラノフ・ナド・ディリ

カレル橋

プラハ

数あるチェコの町の中でも、その首都・プラハほど多く語られ、記述された所はありません。世界で最も美しい石の橋、カレル橋に佇み、沈黙した彫像のシルエットの間から、幾つもの曲がりくねった路地や美しい広場にあふれた旧市街越し、丘の上に聳え立つプラハ城、聖ビート大聖堂を眺めれば、その理由は容易に納得できます。この地に生まれ育った者にさえも、この光景は色褪せることなく、新たな感動を与え続けているのです。ゲニウス・ロキ

プラハ不思議な迷路の中心点 2

ザ・ベスト・オブ・チェコ

百塔の町・プラハは、歴史と現代が混じり合う神秘の迷路、欧州を支配してきた様々な権力者、軍事司令官、錬金術師、ユダヤの律法学者などが集った不思議な場所です。ラビ・レーヴが粘土で作ったゴレムに息を吹き込んだのも、アルチンボルドが果物と野菜で肖像画を描いたのも、ルドルフ二世の宮廷で錬金術師がるつぼの中に賢者の石を探求し続けたのも、カフカがその暗く、重苦しい作品を書いたのも、皆プラハでした。またスメタナやドボジャーク、モーツアルトやリストが観客の割れるような拍手を聞いたのも、宗教改革家ヤン・フスが説教をしたのも、コペルニクス、ケプラー、ガリレイ、ジョルダーノ・ブルーノ、そしてティコ・ブラーエが天体望遠鏡を覗き込んだのも、皆プラハだったのです。

プラハを散策することは、この町のあらゆる魅力、そして過去の謎の一部となることを意味します。プラハは、世界中どの町にもない、独特の雰囲気を持ち合わせているのです。史跡、博物館、美術館、美しい場所や建物、これら全てをここで列挙するのは、いくら省略しても不可能です。プラハを知るには、この町に溶け込み、自分の中に染み込ませ、たとえ一瞬でもその一部となることが必要です。そうすれば町もまた、貴方にその秘密を少し打ち明けてくれることでしょう。 www.praguewelcome.cz

プラハ城では、旧王宮ゴシック階の常設展示で、城の物語が体験できます。この物語は、チェコの王、聖人が永眠する場所、あらゆる時代の建築様式が当時の姿のまま、一箇所に集められた場所、チェコ戴冠宝物、聖ビートの宝物、その他過去の貴重な収集物が保管されている場所、そしてチェコ共和国の堂々たる大統領府となっている場所が隠し持つ神秘の物語なのです。天文時計

クラシック音楽がお好きな方は、「プラハの春」に是非おいでください。これは、世界中の一流音楽家、オーケストラ、室内楽団が参加する国際音楽祭で、毎年チェコ人作曲家スメタナの命日である5月12日にオープニングが行われます。プラハで貴方も最高の音楽を味わってみませんか？ www.festival.cz

プラハの橋

チェコ中央に位置する3つの宝物

カルルシュテイン

教会内装

聖バルボラ教会

チェコの史跡巡りは、プラハから、 3方向へと続いていきます。ユネスコに保護された3つの歴史遺産は、全て首都から車で1時間足らずの距離にあります。

5世紀という長い期間を経て建てられた聖堂の物語に耳を傾けてみてください。歴史上の様々な事件が起こる度に建設作業が中断されたこの聖バルボラ教会には、地元の富裕市民の後援のもと建設が開始された当初より、クトナー・ホラの象徴の意味合いが深く込められていました。それは、クトナー・ホラとプラハ間、あるいはその近郊の町セドレツの修道院との間の緊張した関係を具現するものでもありました。聖バルボラ教会は、その外部の壮大な建築形状、そして内部の豊かな壁画で、現在に至るまで訪れる人々に感嘆と畏敬の念を与え続けています。 www.guide.kh.cz

誇り高いカルルシュテイン

神秘の町、クトナー・ホラプラハの東には、魅力と神秘にあふれた中世の町、クトナー・ホラがあります。町の魅力の秘密は、大聖堂、修道院、貴族の館、神秘的な街角、丸天井の地下室、珠玉のゴシック、バロック建築物、都市構造、そして彫像などに隠されています。中世には、ここで銀が採掘され、それから貨幣が造られていました。この町はまた交易も盛んで、更に国王の居城があった所としても知られています。

クトナー・ホラカルルシュテインコノピシュチェ

ザ・ベスト・オブ・チェコ

プラハの西方には、チェコのシンボルの一つ、チェコ・ゴシック建設の最高峰、壮大な石の城・カルルシュテインがあります。ここではまるで歴史の息吹を妨げないよう、時間が脇に退いていたようです。宮殿と部屋の数々、長く、広い廊下、不落の城壁と厳格に聳え立つ塔、そして何よりも国宝中の国宝、聖十字架礼拝堂とその中に納められた画家テオドリクのゴシック板画129点のコレクションは必見です。 www.hradkarlstejn.cz

セドレツ納骨礼拝堂

おとぎの国のコノピシュチェ

プラハから南に行くと、池が点在する森林公園の中に、まるでこの町を訪れる者は皆、欧州でおとぎ話の中から飛び出してき最も美しいゴシック大聖堂・聖たようなお城が見えてきます。バルボラ教会の壮大なアーチ実際には、この城はむしろ皇宮型天井を見上げ、圧倒される思のきらびやかな制服や狩猟服、いで佇むことでしょう。またバーそしてクラシックカーなど、20 ツラフ四世の旧王宮・イタリア世紀初頭の宮廷の雰囲気に満宮殿の部屋、庭園をそぞろ歩くちたものとなっています。このこともできます。更にシトー会城を今日の姿に仕上げたのは、修道院の納骨堂では、階段を城の最後の住人、オーストリア息を殺して降りて行き、ペスト＝ハンガリー帝国の皇帝継承で亡くなった人々の骨から作ら者、フランツ・フェルディナンド・れた祭壇、紋章、シャンデリア、デステです。その狩猟コレクシピラミッド、オベリスクなどを畏ョン、武具、壮麗なサロン、寝敬と不安の混じった思いで見室、書斎、食堂など、城内のあらつめることでしょう。また独特なゆる場所、あらゆる調度品に、ゴシックの「石の家」に入って、その遠くサラエボにおける死一瞬中世の職人、料理人になが、第一次世界大戦の引き金とったような気分を味わうこともなった一人の人物の魂が感じできますられます。 www.kutnahora.cz www.zamek-konopiste.cz

コノピシュチェ

ホラショビツェ

フルボカ・ナド・ブルタボウ

チェスキー・クルムロフ清流の岸に生まれた中世の真珠

ユネスコ世界文化自然遺産に登録された、欧州で最も美しい歴史の町の一つ、それが南ボヘミアのチェスキー・クルムロフです。高く聳え立つ城からは、シュマバの森、そしてチェコの海とも言える人口湖・リプノが望めます。城内博物館

チェスキー・クルムロフ入り組んだ中世の小道から成るこの神秘的な迷路は、岩壁がせまった、巨人の掌ほどの大きさの場所に造られました。錬金術師や石工、曲芸師、そしてプラハ城に次いで、チェコ第2の規模を誇る壮麗なルネッサンスの城・クルムロフ城を治める貴族、そんな人々に溢れたこのゴシックの町は、今も魔法と神秘に包まれています。美しい広場からは曲がりくねった小道が伸びていますが、その方向を定めているのは、大小の橋を架けられ、町をうねるようにして流れるブルタバ川です。

夢の国

チェスキー・クルムロフ

ザ・ベスト・オブ・チェコ

誇り高いルネッサンス式、ゴシック式の建物、薄暗い修道院や堂々たる教会から成る、クルムロフという名の迷路では、角を曲がるたびに新鮮な驚き、新たな秘密が出会うことができます。それはまるで、場面がどんどん変わっていく夢のようです。迷路を歩くのに疲れたら、城内劇場の回転式観客席に腰を下ろしたり、美術館や博物館に入ってその展示物をのんびり見て回ったりすることもできますし、また船に乗り、水面から町を眺めることもできます。 www.ckrumlov.cz

ホラショビツェ－メルヘンの村南ボヘミアは、池や川、森と野原が交差し、水上古城、城館、そして歴史ある町や美しい村が至るところに見られる、温かみある地方で、またウォータースポーツ・ファン、そして釣り師にとっては理想の地です。この地方の中心都市、チェスケー・ブジェヨビツェからほど近い所には、チェコで最も美しい村・ホラショビツェがあります。

遠くない所にある、南ボヘミアの森に白い幻影のように聳え立つ、チューダーゴシック式のフルボカー城、そして池の中央に浮かぶ小さな島に立つ、紫がかった赤色のチェルベナー・ルホタ城は必見です。南ボヘミアの童話の世界は、まだまだ続いているのです。 www.zamek-hluboka.eu www.zamek-cervenalhota.eu

ユニークな展示で知られる城内博物館をお見逃しなく。ここには16世紀当時の城の姿を示す模型やラピダリウム、いにしえの生活様式を再現する品々のほか、今も機能している映画上映室等があります。博物館は年中無休です。 www.zamek-ceskykrumlov.eu

ホラショビツェ村の広場中央に立って、周りの家や農家を眺めると、童話の世界に入り込んだような気持ちになります。純白に輝く家の外壁や、心を癒す半円形の切妻はまるで、白いマジパンで飾られたお菓子の家南ボヘミア地方には、数世紀のようです。池の水面に映る周かけて、この土地を縦横する水囲の家並みは、ユネスコ世界遺路で結ばれた大規模な人工湖産に登録されているいわゆるが、主として魚の養殖を目的と農村バロック建築で、世界でもして造られてきました。この地最も保存状態の良いものに属方は、今日では釣り師のみならし、現在に至るまで、中世バロッず、ウォーター・スポーツ、ハイクの装飾的性格を微細に至るキング、サイクリングなどにやまで残しています。って来る人々でにぎわう、一大 www.unesco-czech.cz 観光・療養地となっています。お時間に余裕があるようでしたら、是非この美しい南ボヘ古城地方ミアの地に今しばらく留まっ童話の世界にもう少し留まってて、その魅力を満喫してみてくいたいという方には、古城巡りださい。決して後悔することはをお勧めします。ないと、保証致します。 www.jiznicechy.cz 特にホラショビツェからさほど

カルロビ・バリ

幻想的なコロナードの魅力マリアンスケー・ラーズネェ

世界中から人が訪れる、チェコで最も有名な温泉町、カルロビ・バリは、チェコの西端、テプラー川流域の美しい谷間に位置します。伝説では、この地の源泉は、 14世紀に神聖ローマ帝国皇帝・国王カレル四世の狩りの一団が、偶然見つけたものとされています。カルロビ・バリカルロビ・バリは、魅惑の町。壮麗な建物の間を縫って、装飾豊かなコロナードに囲まれた閑静なプロメナードを歩いていると、誰もが陽気で華やいだ気分になってきます。有名な水車コロナードのコリント式の支柱のもとで、かつてピョートル大帝やマリア・テレジア、バッハ、ゲーテ、カサノバ、そしてベートーベンなども、この同じ熱い温泉水を陶器に注いで口にしたと想像するだけで、気持ちが高揚し、源泉の散在するこの町の散策が、特別な次元のものに思われてくるのです。

チェコの温泉－地下深くからほとばしる健康チェコには、様々な効能を持つ源泉が、まるでゴブラン織りの金の糸のように、国中に織り込まれています。中央ボヘミアのポジェブラディ、モラビアのルハチョヴィツェ、国北部のヤーンスケー・ラーズニェなど、温泉町を数えあげればきりがありませんが、中でも最も源泉の数が多いのが、ボヘミア西部の有名な「温泉三角地帯」です。

これら温泉町は、いずれも社交の場として発展してきたため、非常に優美な外観を呈しています。例えばフランチシュコビ・ラーズニェに見られる建築物瓶詰めの魔法は、まるでパティシエがウェディング・ケーキのてっぺんに作っこの町の魅力は温泉ばかりではありません。源泉の水に加えた飾りのように豪華に輝いており、見ているだけでうっとりしてて、この地の特産品、有名な薬しまいます。それに加えて、ここ用酒ベヘロフカを一口お飲みでは世界で最も古いと言われになれば、町の味わいが更にる泥炭温泉で、活力を補給す広がるというもの。ることもできます。同様に、マリまた温泉街を見下ろす小高い丘の森の中、小道を登って行けアーンスケー・ラーズニェのエば、頂上からこれもまた魅惑的レガントな古典主義的パビリオンの堂々たる静けさも、見る者な町全体の眺望をお楽しみいを魅了します。しかも、このさしただけます。カルロビ・バリは、一度体験したて広くない町には40もの源泉ら忘れられない町、訪れるたびがあり、町の周辺には更に60 の療泉が存在するのです。まに味わいが増す町なのです。た、ここからほど近いヤーヒモ www.karlovyvary.cz

マリアンスケー・ラーズネェ

フは、世界でも珍しい、強い放射能を含む源泉の水を用いた温泉療法で知られています。そして12の療泉を持つカルロビ・バリでは、「ブジードロ」と呼ばれる、15mの高さまで噴き上げる源泉が名物となっています。数あるチェコの温泉町の中でも、その頂点に燦然と輝いて立つ星は、やはりカルロビ・バリなのです。

カルロビ・バリ国際映画際 ― スターを求めて憧れのスターに触れてみませんか？カルロビ・バリ国際映画際は、世界でも由緒ある映画際の一つ。毎年7月初旬に、貴方もその目で、赤い絨毯の上を颯爽と歩いていく俳優や映画関係者を見ることができます。勿論上質の映画祭参加作品も、その場でご鑑賞いただけます。 www.kviff.com

フランチシュコビ・ラーズニェ

カルロビ・バリ

ザ・ベスト・オブ・チェコ

ピルゼン

ビール醸造所の門

アドバイス：町の中心部にあるピルスナー・ウルケル・ビール醸造所、あるいはビール醸造博物館は絶対お勧めです。古代から現代までのビールの物語を是非お楽しみください。 www.prazdrojvisit.cz

ビールと文化の都市チェコ人なら誰でも、世界一のビールはピルゼンと断言するでしょう。ピルゼン・ビールは西ボヘミア最大の町・ピルゼンで、 1842 年より醸造されています。しかしこの町は、豊かな文化の伝統を持つ町としても知られており、その証拠にピルゼンは、「2015年欧州文化首都」に選ばれる栄誉に輝いています。

ガンブリヌス

ザ・ベスト・オブ・チェコ

そして芸術体験に疲れたら、白い泡をたたえた冷たいビールピルゼンを訪れておきながら、が貴方を待っているのです。ビール工場見学、そして世界中 www.plzen.eu で名声を得ているピルゼン・ビールの試飲をしないで帰るなビールはチェコ人の「飲むパどということは絶対にあり得なン」い、旅の最大の過ちと言えましょう。しかしながら、町の真の姿チェコでは、「ビール価格を引を知ることなしに立ち去ることき上げたら、政府は倒れる」ともまた、同様の過ちなのです。言われています。チェコ人とビ町の魂は、建物の外壁、通りやールの関係は、非常に緊密な、広場の空間など、ありとあらゆ繊細なもので、チェコ人は皆ビる所で感じられます。ピルゼンール専門家。数え切れないほは、芸術的な、そして喜びに満どの種類のビールから、自分ちた心を持ち合わせており、訪に最も合ったものを選んで飲れる人々にこれを惜しげもなくみます。チェコ国内では、それ分け与えてくれるのです。ぞれの地方で地元の大小のビール工場、あるいは家族経営のミニ醸造所で作られたビー芸術に溢れた町ルの銘柄が、何百と存在しているのです。幾つかの有名な劇団、地元の交響楽団、美術館、文化喫茶、チェコのビールは、欧州連合の数々の音楽祭、演劇祭、フォー原産地保護の対象となっていクロア・フェスティバル…これそのため、チェコでビーら全てが、街路を流れる生きたます。ル醸造に関わる人々は、その名芸術魂を補充しています。ここに恥じないよう全力を尽くしてでは、駆け出しのアーチスト達います。ピルゼン・ビールは、チが、ある者は聖バルトロムニェイ教会の影で、またある者は大ェコの国宝と言われていますが、この他ボヘミア、モラビアど通りに喧騒の中で、公園で、あの地方でも、それぞれ独特のるいはアンダーグラウンド・ク味わいを持つ、素晴らしい黄ラブでといった具合に、ありとあらゆるジャンルでその芸術を金色の恵みを賞味することができます。披露しています。

乾杯！

グルメ天国有名なのは、ビールだけではあ「CZECH SPECIALS」と表示りません。チェコ人は、食道楽とされているレストランを探してしても知られています。チェコみてください。これは店の質の料理は、健康食コンテストで優高さを保証するもので、この表勝することは恐らくありません示がなされている店は大抵観が、口にせずにはいられない不光名所の近くにあります。伝統思議な魅力があります。まず、チ的なチェコ料理のみならず、そェコの食事になくてはならないの地方の郷土料理も是非お試のが、スープです。スープには、しください。 www.czechspecials.com 様々な種類があります。更にチェコの食卓に欠かせないのが、クネドリーキ、肉やソースの代表的な付け合わせです。チェコ料理と言えば、最も典型的なものとしては、スヴィーチコヴァー（牛ヒレ肉のクリームソースがけ）、ロースト・ポーク、あるいはロースト・ダックにザワークラウト、そして勿論クネドリーキを添えたものが挙げられます。ではデザートは？パンケーキ、あるいはここでも登場するクネドリーキ、但しフルーツをはさんだ甘いクネドリーキがお勧めです。

リトミシュル

音楽にあふれたルネッサンスの宝石音楽のインスピレーション

ボヘミア東部、丘陵が並び、陽の光にあふれた土地に、リトミシュルという名の小さな町があります。町は城を囲むようにして立っていますが、この城館がユネスコの世界文化遺産に登録されているリトミシュル城です。町の歴史は、この地に多くの史跡を遺していますが、これら全て一体となって見事な調和と美を形成しています。

リトミシュルの町の広場にはルネッサンス式の建物が整然と並んでいますが、そのアーケードには暖かい空気が静かに揺らめいています。リトミシュルは、さながらルネッサンスの首飾りにさがる白い真珠です。歴史的な建物、教会、修道院等から成る町の景観の頂点に立つのが、繊細な姿を呈したリトミシュル城です。城のズグラッフィートには陽の光に輝き、吹き抜けのアーケードを風が通り抜けて行きます。外壁の向こう宮廷劇場

には、美しい中庭、そして城の中にはバロック式劇場、サロン、古いピアノの展示、神秘的な地下室などが隠されています。また上方には、城の塔が高々と空に向かって立っているのが見えます。また城の周囲には、英国風、フランス風庭園が広がっています。ここでは、至る所で音楽が聞こえてきます。有名なチェコの音楽家、スメタナは、1824年にこの町で生まれました。リトミシュルでは、スメタナ生地であることを非常に誇りにしており、その名にちなんだオペラ祭、世界的に有名な「スメタナのリトミシュル」音楽祭は、既に60年前からここで定期的に開催されています。 www.litomysl.cz

チェコの音楽－チェコ人は皆音楽家

リトミシュル

ザ・ベスト・オブ・チェコ

チェコ人は皆大の音楽ファン。チェコの土地が豊かで、美しく、また変化に富んでいるのと同様に、チェコの音楽遺産も非常に豊かで、美しく、変化に富んでいます。チェコの魅力的、且つ荒削りな風景は、まるで交響曲やオペラで奏でられているかのようですし、また色とりどりで情

コンサート

熱的な民族音楽に反映しているようにも思え、更に憧れのジャズのメロディーに共鳴するようでもあります。チェコ音楽の宝庫に納められた作曲家たちは、その多くが現在に至るまで世界中の音楽堂になくてはならない存在であり続けています。中でも最も有名なのが、アントニーン・ドボジャーク、ベドジフ・スメタナ、そしてレオシュ・ヤナーチェックの3人ですが、この他ボフスラフ・マルチヌー、ヨゼフ・スーク、ヨゼフ・ミスリヴェチェック、ヤン・バーツラフ・スタミッツ、ヤン・ディスマス・ゼレンカ、そしてボヘミア＝モラビア高地の町・イフラヴァ近郊で生まれ育ったあのグスタフ・マーラーなども天才的音楽家として世界でその名を知られています。また作曲家のみならず、例えば指揮者バーツラフ・タリフ、バーツラフ・ノイマン、カレル・アンチェルル、イジー・ビェロフラーヴェック、リボル・ペシェック、あるいはオペラ歌手エマ・デスティノヴァー、マグダレーナ・コジェナー、ダグマル・ペツコヴァー、エヴァ・ウルバノヴァーなど、チェコ人クラシック音楽、そしてジャズ音楽の巨匠たちの名を挙げればきりがありません。音楽はいわばチェコのお家芸なのです。

ご存知でしたか？上述のような世界的大音楽遺産のほか、チェコ音楽シーンは珠玉の小品も数多く残していますが、「ビヤ樽ポルカ（ロザムンデ）」もその一つです。この曲は、第二次世界大戦中に連合国側、同盟国側両方の前線で、軍歌のように歌われていたことで知られていますが、もともとは1927年、チェコ人作曲家・演奏家ヤロミール・ヴェイヴォダがその処女作として作った、「シュコダ・ラースキ（愛の惜愁）」という題名の歌だったのです。 13

ブルノ

レドニツェ

ブルノ

生きた建設の宝庫

チェコ第2の都市・ブルノは、南モラビアの肥沃な低地に位置しています。このモラビアの中心都市は、チェコのこれまでの営みにおいて非常に重要な役割を果たしてきましたし、現在も果たしています。おのおのの時代がこの地に、建築物という形でその軌跡を残していきましたが、中でも最大の遺産はまだ百歳にも達していません。

ブルノブルノは、規模の割に親しみやすい、居心地のよい町なので、この町にいて不安を感じることは決してありません。町の中心となっているのが、ゴシック式のシュピルベルク城とネオゴシック式の聖ペトルとパベル教会で、互いに調和したシルエットを映していますが、実はこの二つの建物、その建設時期が650 年もかけ離れています。バロック教会の隣にモダンな見本市会場があったり（ブルノはチェコ最大の見本市開催地）、あるいはペスト柱、噴水、貴族の宮殿やネオルネッサンス式の堂々たる劇場、そして数々の機能主義の建物が隣り合わせに立ち並んでいたりするこの町は、独特の魅力に溢れています。機能主義の建物の中でも最も有名なものは、1930年に建築家ミース・ファン・デル・ローエの設計に従って建てられたトゥーゲントハット邸で、この現代建築を代表する建物は、ユネスコの文化遺産にも指定されています。 www.ticbrno.cz

ザ・ベスト・オブ・チェコ

本場のワインをお試しくださいこの辺りは一帯葡萄畑、ワインケラーが数多く存在するモラビア・ワイン地方です。ズノイモ、ミクロフ、ヴェルケー・パヴロヴィツェ、そしてスロヴァーツコなどで、例えばワイン・サイクリングロードを走っていくと、もてなし好きのワイン造りの人々に出会います。彼らは競って、モラビアの肥沃な土地の恵みを補充する様々な香り、香味を持つ自慢の白ワイン、土地に根づいた赤ワイン、または爽やかな軽いロゼを勧めてくれることでしょう。 www.unesco-czech.cz

レドニツェ＝ヴァルチツェ地区－ワイン地方にある史跡森の絨毯と金色の田畑、有名な葡萄の段々畑、そして白い蓮の花が浮かぶ池の銀色に輝く水面が交互に現れるここ南モラビアには、見事に自然に調和して聳え立つ、独特の一大歴史建造物統合体があります。片側には壮重なバロック式のヴァルチツェ城、そして反対側には池や小川に囲まれたチューダーゴシック式の華麗なレドニツェ城。その間には、中国風東屋、ベルベデーレ、橋、小屋、アンピール式狩猟小屋、展望コロネード、またミナレットも見られますが、ミナレットの回廊からは、遥か遠くまで見渡すことができます。これら全てが、総称してレドニツェ＝ヴァルチツェ地区と呼ばれており、ユネスコ世界文化遺産に登録されています。

ブルノは、南モラビア旅行の起点としても理想的な所です。例えばナポレオン戦争の軌跡を辿る旅などいかがでしょう？ 1805年の三帝会戦は、ナポレオン率いるフランス軍がロシアとオーストリアの連合軍を破った戦いでしたが、この戦争の舞台になったのは、ブルノ近郊の町、スラフコフ・ウ・ブルナ（アウステリッツ）です。戦いの記念碑は、スラフコフの近く、プラツェという村に見られます。また和約署名の舞台となったバロック式のスラフコフ城も一見の価値があります。 www.zamek-slavkov.cz

トゥーゲントハート邸

当地の風景を自転車から楽しんでみませんか？リヒテンシュタイン・サイクリングロードが、レドニツェ＝ヴァルチツェ一帯を網羅、レドニツェ城、ヴァルチツェ城、神秘的なヤンの城、ランデブー館など地区内全ての見所にご案内いたします。貴方もこの文化の地に隠されているゲニウス・ロキを発見してみませんか？

スラフコフの戦

オロモウツ

聖モジツ教会

千年の歴史を持つモラビアの精神文化の中心地

オロモウツ

オロモウツは、モラビア中央部、チェコで最も肥沃な土地、ハナーと呼ばれる地方にある歴史都市で、古くからチェコ王国の中でも最も重要な町の一つに数えられていました。独特の威風と神聖な雰囲気を持つこの町は、歴史、バロックの魅力、そして神に対する敬意に溢れています。

オロモウツオロモウツとの出会いは、幾つもの道を歩んで来た、その一言が書物何冊分もの価値を持つ人物との出会いに似ています。ここでは一歩進む毎に、堂々たる聖堂や、小さな教会、壮麗な貴族の宮殿、そして広大な修道院など名所史跡に行き当たり、誰もがその数に驚かされます。欧州ロマネスク建築の最高傑作・司教宮殿や、ゴシック教会、装飾的なファサードが特徴のルネッサンス式宮殿なども無論魅力的ですが、何といっても圧巻はオロモウツ・バロックです。美しい噴水、大司教宮殿、「モラビアのエスコリアル」と呼ばれるフラジスコ修道院、スヴァティー・コペチェック（聖なる丘）の巡礼バシリカ教会、そしてユネスコ世界遺産に指定されている中欧最大のバロック群像は必見です。また1955年に作られた「労働者の天文時計」も珍しいものとして一見の価値があります。 www.tourism.olomouc.eu

オロモウツ

ザ・ベスト・オブ・チェコ

ます。ロトゥンダの中にはフーコーの振り子があることで知られています。これら全てユネスコの文化遺産に登録されていますが、その理由は誰の目にも明らかでしょう。 www.zamek-kromeriz.cz

ハナー地方は、その気候の良さばかりでなく、健康的な自然の恵みから成るこの地方独特の食べ物でも知られています。中でもオロモウツの特産品として特に有名なのが、オロモウツケー・トヴァルーシュキと呼ばれるチーズです。この独特の香りを持つ低脂肪チーズは、地元のレストランで様々な形で出されていますが、市庁舎のアーケードにあるインフォメーション・センターには、このチーズの自動販売機もあります。 www.tvaruzky.cz

クロムニェジーシュ－「ハナーのアテネ」の地上の楽園肥沃なモラビア・ハナー地方、オロモウツに近い所に、庭園の町・クロムニェジーシュがあります。今日に至るまで古の公園建築を残す、完璧に整備された庭園から成る迷路。その中心に位置するのが、初期バロック式の大司教城館です。ここにいると、巻き毛のバロック風鬘をつけていないと場違いのような気がしてきます。洗練された装飾が施された壮麗な城の広間、貴重な蔵書、そしてティツィアーノ、クラナッハ、ヴェロネーゼ、ブリューゲル等の作品を集め、チェコ国内第2 の貴重なコレクションを誇る城内美術館…これらを見学する者は皆、歩くというより、漂っているような気分になるのです。でもこれもまだ序の口、圧巻は城の外、庭園です。広大な英国風の公園として造られた城下庭園、あるいは完璧な対称性、繊細な花模様、花壇、生垣など典型的なフランス庭園システムが忠実に残されている花の庭園がありますが、後者は更に迷路、噴水、パビリオン、そして八角形のロトゥンダで補われてい

クロムニェジーシュの大司教城館内に納められている 135,000点の芸術品コレクションは必見。絵画、グラフィック、コイン、メダル、音楽アーカイブ、家具、そして蔵書等のコレクションは、この種のものとしては世界で最も価値の高いものに属しています

クロムニェジーシュ

丘に囲まれた3つの町、 3つのダイヤテルチトシェビーチジュジャール・ナド・サーザヴォウ

テルチ

テルチの広場

国の南部、ボヘミアとモラビアのご存知でしたか？テルチはその印象的な姿ゆ境界にある丘が並ぶ美しい地方、え、多くのチェコ、外国の映画の舞台となってきました。テル「パンが終わり石が始まる」とチ城で撮影された映画の数言われた地域に、ユネスコ文化は、数え切れないほどです。遺産に登録された3つの町があります。テルチ－インスピレーションの町

ジュジャール・ナド・サーザヴォウ

ザ・ベスト・オブ・チェコ

ジュジャール・ナド・サーザヴォウ－サンティーニの天賦が花開いた町

芸術家、空想家にうってつけの町、イタリア風のもの、繊細なジュジャール修道院長が、若いもの、愛らしいものが存在する建築家ヤン・サンティーニを呼町。ゴシック、ルネッサンス式のび寄せたのは、1706年のことで建物の装飾的ファサードに囲ました。以来サンティーニは、後れた広場、池の水面に反射するに所謂バロック・ゴシックとして城のフィリグリー・ズグラッフィ世界中で知られるようになるスート、城内広間の完璧な格間天タイルを完成させていきまし井、教会の奥ゆかしい美しさ、た。そんな彼の作品の頂点に陽に輝く庭園、周囲の優しい自立つのが、まるで他の世界から然等々－ここでは、銀行員もう舞い降りてきたような、独特なたを読みたくなることでしょうゼレナー・ホラの聖ヤン・ネポ www.telc.eu ムツキー礼拝堂です。幾何学的な気品と軽快さの何とも表現しようのない美しさは、教会というより、細かく編まれたレースのようです。町にはこの他、頭蓋骨の形をしたペスト病死者のトシェビーチ－寛容の町墓地、教会内装、厩舎、宿屋、病院、あるいは修道院高位聖職ユダヤ人とキリスト教徒、宗教サンティーは異なるが、運命は共にする隣者の屋敷などにも、ニの天才技が残されています。人たちの平穏且つ友好的な共存…トシェビーチはこんな歴史 www.zdarns.cz を持つ町です。この事実は町の二つの遺産が証明しています。一つは聖プロコピウスのバジリカ。壮麗な円花窓と700年前に造られた丸屋根の地下室が特徴です。もう一つのユダヤ人街には、120軒の家と市庁舎、学校、ラビの家、シナゴーグ、そしプラハの聖ヤン・ネポムツキーて3,000もの墓標を持つ広大由来の地を訪ねてみませんか。な墓地が見られます。プラハ城内聖ビート教会に納 www.visittrebic.eu められている聖人の墓標、あるいはカレル橋からブルタバ川に突き落とされた場所などがこれにあたります。

トシェビーチの聖プロコビウスバジリカ

トシェビーチのユダヤ人墓地

標示を辿って小道を歩いて行くと、ユダヤ人ゲットーに行き着きます。これは欧州でも最も保存状態の良いものに属しており、狭い空間に押し込められた住民が、これをいかに効果的に利用したかがよくわかります。またここではトシェビーチのユダヤ人の歴史も知ることができます。 19

自然

雪山

掌に収まる国の千万の美

チェコは小国ですが、その中には信じられない程多くの美が隠されています。チェコの国土は実に変化に富んでいますが、この多様性は国内4つの国立公園に端的に表れています。それぞれが様相を異にし、独特な世界を築いているのです。シュマヴァ南ボヘミアにある美しく、また野性的な山地シュマヴァは、沈黙の森、高原、花開く野原の国、そして何よりも神秘的な泥炭の湿原、漂礫にあふれた川、氷河湖等々、水の王国なのです。

山へ、岩山へクルコノシェ：国北部に走るチェコで最も高い山脈。標高 1602 mのスニェシュカ山を擁するこの山脈は、氷河圏谷や広大な草原、滝などの中に住む珍しい動植物、生物種の宝庫となっています。ポディイー：南モラビアのディイェ川峡谷。深く刻まれた蛇行線、岩壁、岩塊原が特徴。チェスケー・シュヴィーツ

欧州の大河・ラベの源泉と記されている場所は、クルコノシェのラベ草原にあります。例えばクルコノシェ最大のスキーリゾート、シュピンドレルーフ・ムリーンにも、ラベ川渓谷に沿って行くことができます。ここにはまた、ラベ流域に位置する町全ての紋章が飾られています。

スキー

ポジイ

ァルスコ：国の北西部に位置する砂岩の岩山、岩のアーチ門などを擁する「岩の町」。独特な民俗建築の宝庫でもあります。同様の「岩の町」は、チェスキー・ラーイ、アドルシュパシュコ・テプリツケー・スカーリ、ココジーンスコなど、チェコ国内数箇所にみられます。

www.krkonose.eu www.isumava.cz www.nppodyji.cz www.ceskesvycarsko.cz

カシュペルク城

チェコのスイス

発行：チェコツーリズム、発行日2013年1月本文：ロスチスラフ・クジヴァーネク及びチェコツーリズム翻訳：ケイコ・ナカガワ写真：チェコツーリズムアーカイブ、リボール・スヴァーチェク、ラディスラフ・レネル、パヴェル・オウジェドニク、イヴァンカ・チャスチノヴァ、ミラン・ドラホニョフスキー、マルティン・マジャーク、ルボル・ムラーゼク、ミハル・ヴィターセク、ミハエラ・ヴェツケル、チェコユネスコ遺産協会デザイン：MCU出版社 www.mcumedia.cz www.czechtourism.com

シュマヴァ

ザ・ベスト・オブ・チェコ

ISBN: 978-80-87560-35-8

チェコ共和国公式観光案内

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