よ
り
し
都 市 の依 代 ろ
-高 密 都 市 に お け る 神 社 建 築 の 継 承
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Yurakucho
日本一都市化の ペ ンシル ビル の 林立、 地価 都市化の中で地域が つなが る 場や 都市生
Shinbashi
Hibiya
進 む街、 銀座 の 高騰 、 夜 間 人 口 の 低下 活 を一 息 つい て 省 みる場が失われ て いる
Yurakucho
そんな銀座に全く 新しい 立体化された神社は
地域の人々 によって使わ れる 境内を兼ね 備え、
Shinbashi
Hibiya
都 市 型 神 社 を挿 入 する 信 仰 空 間 へ と 続 く 奥 性 と、 長 い時を かけ て 高 密 都 市の依代となる
合 理 化 、 経 済 主 義の波に押され 消 えかかった も のの大切さを もう 一 度 問 い直す建築
- 敷地 敷 地 は 銀座八丁目の ペ ンシル ビル 群の 一角 銀 座 で初めて ビル 化した神社である 八官神社を 建て 替え る
配置図 1 :1 0 0 0
この神社は都市に 生きる 人を迎え入れる
- 調査 1 こ の 八 官 神 社 を 筆 頭 に 、 1k m 2 に も 満 たない 銀座の 中に 18 も の 神 社 が隠 れ ている こ と が分かった その う ち 13 の神 社 は 一 年 を 通 して参 拝が 可能で 2 つは工 事 中、 3 つ は 祭 り の と き の み人 前 に 現れ る神社であっ た ど れもペ ン シ ルビ ルの 足 下 や屋 上 に さり げなく鎮座して い る 都 市 に お い て神 社 が 縮 小 し てい く 原因として 地 価 の高 騰 夜 間 人 口 の低 下 に よ る 氏 子 の減少 が挙げられる
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01 あづま稲荷神社
02 朝日稲荷神社
03 演舞場稲荷神社
04 八官稲荷神社
05 宝童稲荷神社
06 宝珠稲荷神社
07 歌舞伎稲荷神社
08 三囲神社
09 三輪神社
10 龍光不動尊
11 幸稲荷神社
12 豊岩稲荷神社
13 安平神社
- 調査 2 1 3 の神 社 に 対 して 10 の項 目 を 記録した 中 央 通 り か らの 距離 、 地 価 、 車 道 と の関 係 性 、 周辺ビル との 位置関係 看 板 の 有 無 、 面 積 、 緑 化 度 、 鳥 居 の個 数 、 地面の 素材、 機能 調 査 の結 果 、 銀 座 の神 社 の 46% が 10m 2 以 下 の小 さ な もの で 30% が屋 上 に あ り 6 9% が ア ス フ ァル ト で 覆 い 固 め ら れ て い る 一 方 で 、 調 査 の 途 中 に は 多 くの参拝者、 ビ ジ ネス マン、 買 い 物 に 来 た 主 婦、 こど も が見 受 け ら れ た 一 般 的 な 神 社 と 全 く違 った 文 脈 上に存在する こ の銀 座 の 神 社 た ちは 、 都 市 化 の 中心で ど の よう に 受 け 継 が れ ていくべ き な の だろうか?
Number Name
01 あづま稲荷神社
02 朝日稲荷神社
03 演舞場稲荷神社
04 八官稲荷神社
05 宝童稲荷神社
06 宝珠稲荷神社
07 歌舞伎稲荷神社
08 三囲神社
09 三輪神社
10 龍光不動尊
11 幸稲荷神社
12 豊岩稲荷神社
13 安平神社
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Distance from Chuodori
Land price
- 境内を 分解 ・ 置換す る 神 社 の境 内 を 信 仰 の 場 、 ま ちと 繋 がる 場 、 余剰空間 の 3 要 素 に 分 解 する 神 社 の本 質 で あ る 信 仰 の 場 を 残しつ つ まち と 繋 が る 場 、 余 剰 空 間 を 都 市 の 生 活の 中に置き換え る
一般的な神社
分解
信仰の場 ( 神聖空間+アプローチ )
まちと繋がる場 余剰空間
( 幼稚園 ・ 宝物館 ・ 式場等 )
( 休憩 ・ 子供の遊び場 )
置換
信仰の場
オフィスワーカーの託児所
親たちの交流の場
商業寄合所
まちの休憩所
- 境内を 立体化する 分 解 ・ 置 換 され た 境 内 を 9 つのスラブに立体化する 積 層した 境 内 を 森 の よ う な 連 続 壁 で包み込む こ の 28 枚 の連 続 壁 が空 間 に 奥 性を も たら せる
信仰の場
オフィスワーカーの託児所
親たちの交流の場
商業寄合所
まちの休憩所
立体化
積層するスラブ
壁によって包み込む
展望所 都市の中心から皇居方面を望む
- 壁 に よ って 包 ま れる空間と奥性 -
水盤舎 水上を歩き都市の生活から身を清める
この神 社 を形 成 す る 28 枚 の 連 続 壁 は
社務所 業務の管理、 御籤等の販売
人の 歩 幅 に合 わ せ て配 置 され ている お御籤所
一 歩 一 歩 進 むに つ れ て
昇進や昇級の先行きを占う
景 色 は移 り 変っ ていく 拝 殿 までの 道のり を 楽 しむ
神楽殿 神と銀座の人を繋ぐ奉納舞楽の場
奥の空間が作られる
二の 鳥居 神輿庫への道程にある
750mm
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まち の 休憩所
▷
勤労の合間にひとやすみ
人の歩幅を単位として壁を
水平移動に変化のない
配置していく
ペンシルビルのボリュームに
奥性のある空間が生まれる
森の 境内 託児園に子供を預けた親たちの交流空間
昇進の 階段 出世につながると由緒のある階段
一の 鳥居 都心の生活から神域への結界
遙拝所 御神体化した空間を拝む拝殿
三の 鳥居 遙拝殿への入り口
絵馬所 仕事の目標や祈りを奉納する
展望所 都市の中心から東京湾を望む
物見所 仕事後に奉納娯楽を楽しむ
まつ り神輿庫 目標達成祈願祭の神輿を保管
商業寄合所 商業者の交流の場
お手洗 洞窟の 境内 子供が遊ぶ洞窟
託児園 仕事前に子供を預ける
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断面パース 1:150
- 神社を 抽象化する 鳥 居 の 本 質 と は 何 だ ろ う? 鳥 居 そ のもの が大 切 な わけ で は なく、 鳥 居 のよ う な 、 結 界 のよ う な 、 神 聖そうな、 そん なもの を くぐる 時 の精 神 的 な ひ と 区 切 りが その 本質である こ の 神 社 で は 鳥 居 の形 を 抽 象 化 し 、 壁の 中に取り込み 鳥 居 そ の もので は な く 鳥 居 の を くぐる 精 神 状 態 を 提 供する
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AM 7:00
PM 7:00
立面図 1 :3 0 0
- 時間変化 夜 に な る と 壁 の隙 間 から 優 しく光 がこ ぼれ だ す 夜の銀座で 仕 事 終 わり のサラ リ ー マン た ち を 優 し く照 ら す
立面図 1:300
20 年後
60 年後
立面図 1 :3 0 0
- 経年変化 時 代 の 変 化 と と もに 壁には緑が付着し 苔 む していく まる で 鎮 守 の 森 の よう に 緑 が 境 内 を 包 み込 ん で いく
立面図 1:300
託児園
一の鳥居
G L + 7 5 0 平面図 1 : 2 5 0 洞窟の境内
昇進の階段
G L + 3 8 0 0 平面図 1 : 2 5 0 お手洗
森の境内
G L + 8 3 0 0 平面図 1 : 2 5 0 0
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再生する 地域のつながり [ 託児園 ]
神事 を通 し て生 まれ る 賑 わ い [ 神 楽 殿 ]
商業寄合所
まちの休憩所
G L + 1 2 5 0 0 平面図 1 : 2 5 0
まつり神輿庫
二の鳥居
G L + 1 6 0 0 0 平面図 1 : 2 5 0
物見所
神楽殿
G L + 2 2 0 0 0 平面図 1 : 2 5 0 0
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社務所
お御籤所
G L + 2 9 0 0 0 平面図 1 : 2 5 0 絵馬所
水盤舎 三の鳥居
G L + 3 3 0 0 0 平面図 1 : 2 5 0
遙拝所
展望所
G L + 3 7 8 0 0 平面図 1 : 2 5 0 0
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水盤を歩き、 身を清める [ 水盤舎 ]
参 拝 の 前に 都 市 の 風 景を 一望する 自 分 の 生活を 一 息 つ い て、 省みる
都 市 生 活 の 祈り を たくす こ こ は 、 都市の依代