Surface Newsletter Summer 2018 Japanese

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Newsletter

2018年夏

SURFACE Digital Surf社からの表面画像、解析、および測定に関するニュース

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今号の 内容 特集記事

Mountains® 8でSEM画像解析を新たな 高みへ

SEM画像解析を 新たな高みへ

Mountains® 8 スニークプレビュー Mountains® 8 が走査型電子顕微鏡の新たな機能を搭載して、8月6 日~9日に米国メリーランド州ボルチモアで開催されるMicroscopy & Microanalysis Exhibitに出典されます。 ところで、走査型電子顕微鏡の画像解析に専門ソフトウェアを使用する 利点は何でしょうか?

リサーチ

… 2ページを開く …

幹細胞の構造を理解する: 新たな方法

STEM教育

MountainsMap® を教室へ

AFM用ツール

3Dトポグラフィの 再構成

迅速で容易なカ ラー化

グレインと粒子 の解析

AFM熟練者の 画像フォルダから

表面形状測定 Q&A 横方向の特徴を 解析するには?

ニュースとローカル

イベントと製品特集 オンラインで注目の話題

イベントで

お会いしましょう

NEWSLETTER // DIGITAL SURF // 2018年夏

以下の会場で皆 様のお越しをお 待ちしております。 ▶▶M & M - ブース425番 - 2018年8月6日~9日 - 米国メリーランド州ボルチモア ▶▶JASIS - ブース6A-609番 - 2018年9月5日~7日 - 日本、東京 ▶▶IMC19 - ブース4番 - 2018年9月9日~14日 - オーストラリア、 シドニー


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特集記事

SEM画像解析を新たな高みへ Mountains® 8 が走査型電子顕微鏡の新たな機能を搭載して、8月6日~9日に米国メリーラ ンド州ボルチモアで開催されるMicroscopy & Microanalysis Exhibitに出典されます。ところ で、走査型電子顕微鏡の画像解析に専門ソフトウェアを使用することの利点は何でしょうか?

1 - 文書のレイアウトを編集可能な科学 計算ソフトウェア

3 - 自動化:ソフトウェアに作業をまか せる

1ページまたは複数のページにまたがるSEM画像処理 のさまざまなステップ(元の画像、距離測定、粒子の統計 情報等) を整理して、 これらをさまざまな形式で発行で きるとしたらどれほどすばらしいでしょうか。

走査型電子顕微鏡のユーザーの多くは、反復的な解析 手順で同じステップを何度も繰り返す必要に気付いてい ます。

SEMに対応するMountains® ソフトウェアではまさにそ れが可能で、 データを即時に使用することができます。 (これにより、科学計算ソフトウェアに多くみられる「ウィ ンドウの氾濫( window deluge)」が回避されます)。

2 - 完全なトレーサビリティ Mountains® 独自の解析ワークフローにより、 データに 既に適用されたすべての解析ステップを確認して、 プロ セス中の任意のステップにすぐに戻ることができます。 任意のステップを編集すると、依存関係にあるすべての ステップが自動的に更新されます。

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Mountains® のパワフルなツールで反復的なSEMの作 業を自動化して、解析プロセスを迅速化されてみては いかがでしょうか。これには、テンプレート、 ミニマクロ (マクロ)、統計機能が含まれます。

4 - エキスパートの信頼性 Digital Surf 社は過去30年にわたり、 グローバルな産業 および科学界に向けて表面解析および測定ソフトウェア を開発してきました。 当社は研究開発に多大に投資しています。 当社の製品 で使用されるアルゴリズムの多くは当社独自の研究開発 による非公開のアルゴリズムです。 当社の専門チームはMountains® の品質を継続的にテ ストして改良し、 ソフトウェアが最新の科学的規範と方式 に準拠するようにしています。


特集記事

7 - あらゆる対象物を測定可能 SEMデータからの測定値の取得は複雑になる場合が あります。Mountains® は、距離、角度、領域、体積の計 算を迅速かつ正確に実行します。 また、抜き出されたプ ロファイルの輪郭や断面の寸法を解析することもできま す。

8 - 向上したSEMデータの3D再構成

ご使用の走査型電子顕微鏡の画像を3Dで表現するとど のようになるか想像されたことがございますか?

5 - あらゆるSEMとの互換性 当社は主要SEMメーカー(日本電子、日立、カールツァ イス、サーモフィッシャーサイエンティフィック等) と提 携しています。 これにより、標準としてだけでなく、販 売されるほとんどの新しいSEMにはオプションとして Mountains® ソフトウェアが付属しています。

Mountains® は標準の2D画像を「トポグラフィ像(凹凸 像)」に変換するいくつかの技術を装備しています。 ま た、バージョン8のアルゴリズムがさらに改良され、今ま でになく迅速かつ容易に変換することができるようにな りました。

ケースによっては、Mountains® を画像取得ソフトウェ アとシームレスに統合することで、プロセスのフローを 迅速化することができます。 これに加え、製造元に関わらずあらゆる電子顕微鏡から取 得されたデータをMountains® で処理することができます。

6 - クリック一つでカラー化 SEM画像のカラー化は既に普及して久しい技術です。 で は、何が新しいのでしょうか? 画像を非常に高速で白黒からカラーに転換できることで す。 わずか数回のクリックで、画像内のオブジェクトがソ フトウェアによって自動的に検知され、 カラー化されます。

2つのSEMイメージからの 3Dモデルの再構成

9 - 孔や粒子の解析 改良されたMountains® のこの機能により、ほぼすべて のSEM画像の特徴を迅速に特定および定量化すること ができます。 しきい値化、分岐点(watershed)、円検出に基づく方法 により、ほぼあらゆる形状の物体(粒子、孔、 グレイン、表 面の欠陥、セル、汚染、 ピット、柱状物等)を検出すること ができます。

10 - SEMデータを全角度から確認する Mountains® 8 は画像を全角度から確認できるようにす ることで、画像の3D視覚化に新たな局面をもたらします。 複数画像再構成ツールを使用して、きわめて鮮やかな 高精細3Dの一連のSEM画像からモデルを構築できま す。 カスタマイズ可能な幅広いレンダリングの種類のほ か、豊富な材料や照明オプションが用意されています。 拡大縮小、回転、動画の作成、さらに構築したモデルを エクスポートして直接3Dプリンティングに使用できます。

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研究

幹細胞の構造を理解する: 新たな方法 走査型電子顕微鏡とMountains® 技術に基づく日立製マップ3Dソフトウェアを使用するこ とで、宮崎大学(日本)の細胞生物学分野の研究者は幹細胞の構造を観察する新たな方法 を確立しました。同チームの発見は最近、学術雑誌「Nature」に掲載されました。

幹細胞観察の新たな方法 生物医学の最近の進展により、幹細胞からの再生組織の 生成を始め、細胞と組織の構造の3次元解析が必要とさ れています。 電子顕微鏡による高解像度のイメージングは複雑な細 胞や組織の構造を観察できる最良の方法とされますが、 この方法によるサンプルの準備には非常に手間と時間 がかかります。 澤口

朗教授が率いる日本の宮崎大学の細胞生物学者

のチームは、細胞と組織の構造を査定する新しい3次元 の方法を紹介しました。この方法では、細胞をパラフィン に埋め込み、低真空走査型電子顕微鏡の後方散乱電子 イメージングを使用して、厚さ30-μmのパラフィンのセ クションが視覚化されます。

がん研究への応用 この新しい方法は、すい臓のがん細胞の実験に多くの新 しい洞察をもたらしました。 いわゆる 「三次元培養シス テム」により、異種移植片(マウスに移植した細胞) と3次 元培養細胞(図a~e)の間の類似性を確認することがで きました。 四象限検出器(図f)を装備した走査型電子顕微鏡で細 胞のイメージが取得されました。 これらのイメージを日 立製マップ3Dソフトウェアを使用して処理し、3D形態モ デルが構成されした。壊死細胞の残骸を含む空胞(閉じ られた構造体)から成る微細構造が明瞭に視覚化されま した。 この技術は他の多くの医療研究分野にも応用が可能 で、研究者は数十年前に調製されたサンプルを再検査 することができるようになると考えられています。 SURFACE NEWSLETTER // 2018年夏

上:SUIT-58細胞株を使用したがん研究への新しい方法の適用。 (a) 異種移植片と3次元培養細胞の間の比較実験の図。 (b、c)H&E染色5 μmセクションの光学顕微鏡画像と (d–g)30 μmセクションの厚みの あるPS-LvSEM顕微鏡画像。壊死細胞の残骸を含む空胞の類似するプ ロファイルに注意(矢印)。 (f)四象限BSE検出器の図(左) と各検出器 により収集された顕微鏡画像(右)。 (g)四象限BSE画像の未加工の顕 微鏡画像から再構成されたトポグラフィ (凹凸)画像。 「Nature」の元の記事:doi.org/10.1038/s41598-018-25840-8


STEM教育

MOUNTAINSMAP® を教室へ ニュースレターの読者の皆様は、去年の秋に開催された3Dプリンティングコンテストの優勝者で あるビクトリー・ワールド・クリスチャン・スクールの4年生の生徒を覚えていらっしゃるでしょう。 サーフェス・ニュースレターは、学校の教室よりは研究室や生産現場でより普通に見かけるはず のMountainsMap® が教室でどのように使用されているのかに興味を持ちました。 STEM(科学、技術、工学、数学)は、特にアメリカで顕著 ですが全世界においても散見される、教育界の動向で す。STEMに基づく学習プログラムは、将来これらの分野 の仕事に就くことに学生が関心を持てるよう奨励するこ とが意図されています。 ビクトリー・ワールド・クリスチャン・スクール(米国ジョー ジア州)は先進的なSTEM教育プログラムを低学年から 提供している学校の一つです。 「実地体験」への参加が学生に奨励されるSTEMラボで は、MountainsMap® ソフトウェアを搭載した走査型電 子顕微鏡が使用されています。 同校STEMコーディネーターのSophia Chinはサーフェ ス・ニュースレター に次のように語りました。 「(教室に SEMを取り入れることによって)高度な科学装置を使用 した理論的実験を通じた実践的な用途を追求すること ができました。 これらの実験は生きた役立つ知識の枠 組みとなり、 より奥深い学習への動機となりました。」 去年のコンテストで受賞の対象となったサンプルの1つ はアロエのサンプルで、地域住民のために健康的な植 物を育てることの重要性に関する研究の中で撮影され たものです。2つ目のサンプルはココアパウダーで、学生 たちはココアの粉のさまざまな特徴を観察しました。 最近のもう一つの実験では、学生たちはマルハナバチが 植物を受粉する様子を観察しました。 走査型電子顕微 鏡でマルハナバチのイメージを取得した後、Mountains-

上:MountainsMap® のカラー化機能を活用する学生たち。下:未来 の科学者のVCWS STEM教室。 謝辞:Jeff Le May、Sophia Chin。

Map® を使用してグレースケールのイメージをカラーイ メージに変換し、 さまざまな特徴をより容易に視覚化す ることができました。 学生たちはハチの肢がらせん状になっている様子を確 認し、花粉がハチの体に容易に付着できることを理解し ました。最後のステップはサンプルのイメージを3Dモデ ルに印刷することでした。 未来の科学者であり、最も若いMountainsMap® ユーザ ーでもある学生たちは見事にツールを使いこなしていま した。

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AFM用ツール

AFM熟練者の画像フォルダから Sergei Magonov博士は 原子間力顕微法(AFM)の世界で 豊富な経験を持つ権威です。

サーフェス・ニュースレターは、30年以上の間にさまざまな メーカーの機器を使用してきた博士に、準備、視覚化、定 量化に対応した高度な専門ツールがAFMデータの理解に 重要である理由についてお聞きしました。 ほとんどの場合、商用AFM計測機には、データ収集のた めのソフトウェアが搭載されています。オフラインのデー タ処理機能や定量的な検査には通常、限界があります。 その理由で、 AFM のユーザーは Digital Surf の Mountains® プラットフォームに基づく専用ソフトウェア などのパッケージを使用することが不可欠となっている と私は考えています。 私自身、Mountains® をもう何年も使用しています。 そ の価値を示すため、次の記事では、単一高分子と不均一 材料の研究に基づくAFM画像処理と解析のいくつかの 例が紹介されています。

単一高分子の視覚化と定量化

Mountains® では、 これらの一般的な手順にかかる時間 が短縮されるだけなく、簡単に実施することができます。 このソフトウェアにはユーザ定義可能な広範なカラーパ レットが用意されています。 加工後の画像は定量分析に適しており、例えば、高分子 の長さに関する統計情報(分子量分布に関連する高分 子の重要な特徴)が得られます。 また、温度や環境などのさまざまな要因によって生じる 鎖の形態や変化の観察も重要です。 下の高さの画像は、雲母表面に吸収されたポリマー高分 子を表しています。 これらの画像は、モチーフ解析ツー ルなどを使用してさらに解析することができます。

90年代初めに、AFMプローブによるナノスケールの対 象物の高解像度によるプロファイリングによって、1本の DNA鎖とその二重らせん構造が初めて観察されて以来、 この方法は研究者に注目されています。 1996年以降、 天然高分子に加え、合成高分子鎖もAFMによって継続 的に観察されています。 これらの高分子を作成する研究者は、希釈溶液の原子 平坦基盤に沈殿した合成高分子鎖の構造を直接視覚化 できることを高く評価しています。 一方、その具体化には何らかの形でのデータ加工が必 要とされます。その役割を担うのが、Mountains® のよう なソフトウェアです。

AFMデータ加工による解析 多くの場合、単一高分子の未加工の高さの画像を、突出 した構造を除去したり形状を削除したりするレベリング のような処理にかける必要があります。それにより、時折 見られるサンプルの傾斜やチューブスキャナーの隆起を 抑制することができます。

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AFMによるブラシ状高分子の高さと位相のイメージ右上:ブラシ状高 分子の「スポークホイール」構造のスケッチ


AFM用ツール

1 - 膜形態の解析

2 - 瀝青の組成の検査

膜は、バッテリーから生化学まで、 さまざまな用途におけ る重要な機能要素です。

瀝青は道路舗装用材料や屋根用材料として広く使用さ れます。 この材料の技術特性は組成と形態に基づき、局 所誘電応答のAFM位相イメージングとマッピングにより 解析されます。

孔のサイズ、孔の分布と形態は、膜の全体的な機能を定 義する際に有意な特徴です。 下の図Aは、セルガード社の細孔ポリマーフィルムの表 面形態で、密集した層状構造の領域で分けられた小繊 維の領域に多数のナノサイズの穴が含まれています。 孔と周辺素材の投影領域、体積、平均厚さを測定する Mountains® Slicesツール(図B) を適用することで、形態 を定量化することができます。この手順はユーザーの操 作性が高く、1つまたは2つの色付きのしきい値レベル を選んで、解析対象の特徴を区別することができます。

通常、瀝青の表面領域の高さイメージでは、高温からの 冷却中に表面にストレスがかかることにより発生するハ チ形の構造が観察できます。 プロファイルが波状になっ ている場合、平均レベルの上下の特徴を自動的に除去 することでこれらの画像のレベリングが助長されます(下 の図AとB)。 A

B

図CとDはセルガード製のフィルムよりはるかに大きい特 徴がある産業用ニトロセルロース膜に適用される上記 とほぼ同様の解析手順を示しています。 孔のサイズは 数十ナノメートルから数ミクロンです。 A

C

B

D

C ここでは、不 均 一な形態と いくつ か の 異 なる領 域 が わずかに確認できます。 一 方、位相イメージはトポグラ フィの形状だけでなく、局所 的な機械的・付着的特性の 相違の影響も受けます。 こ こでは、色付きのコントラス トにより、ハチ形の構造と2 種類の周辺領域を区別しています。 次に、高さと位相のイメージにSlicesの解析を適用して、 組成が定量化されました。これらを比較することにより、 瀝青を構成する化学成分として、ハチ形の特徴と周辺領 域は蝋であり、その他の領域は極性アスファルテン材で あることが特定されました。

リソース ▶▶S. S. Sheiko, F. Sun, A. Randal, D. Shirvanyants, K. Matyjaszewski and M. Rubinstein, Nature 2006, 440, 191. ▶▶S. Magonov, J. Alexander, M. Surtchev, A. M. Hung and E. H. Fini, Journal of Microscopy 2016, 265, 196.

筆者について Sergei Magonov博士は Sergei Magonovは、80年代後半にフライブルク大学(ドイツ) で研究中に走査プローブ顕微法の分野 に関心を持つ。1995年、 デジタル・インストルメンツ (カリフォルニア州サンタバーバラ、米国)に入社。その後、STMとAFMの専 門性をさらに深め、 ビーコ・インストルメンツ、 アジレント・テクノロジーズ、NT-MDTで応用の指揮を執る。 16の章とレビューで 構成される著作、200本以上の論文、6つの米国特許、40以上のアプリケーションノートを含む研究実績がある。2017年12月 は、SPMラボズ社の一員として、AFM機器と新規応用分野の開発に取り組む。

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表面測定に関するよくある質問

横方向の特徴を解析するには? 表面テクスチャのパラメータはほとんど高さに関連するものです。 しかし、用途によっては、横方向の特徴やその間隔は(高さより重 要ではなくとも)同様に重要です。 これらの属性を解析するにはどのパラメータを使用すべきです か?また、解析はどのように行うのですか? Digital Surf ISOエキスパートのFrançois Blateyronががお答えし ます。 Ra、Rq、Rskなどの一般的な粗さパラメータ (およびこれ らに匹敵する表面のSa、Sq、Ssk)により、参照表面から計 算された高さが統合されます。 アボットファイヤー曲線( 負荷曲線) に基づくRmr、Rdc、Rk(またはSmr、Sdc、Sk) な どの平坦な材料比のパラメータは、高さまたは深さの分 布から構築されます。さらに、 これらのパラメータはプロフ ァイル(または表面) のすべての点を対象とします。 すな わちこれらは「フィールドパラメータ」 です。 これらのパラ メータからは点の横位置や表面の特徴については何も知 ることができません。 粗さ解析で使用される横方向の情報は次のフィルタ カッ トオフのみです: ▶▶プロファイルの粗さとうねりを切り分ける小さいカット オフλまたは大きなカットオフλ ▶▶または、制限表面の生成に適用されるS-フィルタとL-フ ィルタを含む粗さパラメータ。 一方、材料の機能の中には、表面の構造または特徴の横 寸法、 または表面の周期性の欠如に基づくものがありま す。 例えば、 ラップトップケースのざらざらした質感と外 観は重要です。 感知される質感はグレインの平均高さ と、おそらくより重要なこととして、表面のグレインの横分 布(相対距離) またはそれらの横寸法(直径または寸法) により決定されます。 一方、高速回転する軸の表面では周期的変化は望ましく ありません。万一、周期的変化が生じると、 ノイズや熱が 発生し、一定の時間が経過した後に不具合を生じる可能 性が高くなります。 ノイズの振幅が高さに基づいている 場合、その周波数は周期の波長に基づきます。

プロファイルの横寸法を制御するため にはどのパラメータが使用できるか? エレメントの間隔 プロファイルに関する限り、横寸法の解析用として設計さ れているパラメータはほとんどありません。 1つの良く知 られた例は、ISO 4287で定義されているエレメントの平 均間隔RSmです。エレメントは、 プロファイル上で谷の後 のピークまたはピークの後の谷として定義されます。ピー クと谷はいずれも平均線上の2つのゼロ交差の間で定義 されます。

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ノイズや粗さから生じる小さいピークまたは谷を除外す るため、縦方向および横方向の差分が追加されます。 例 えば、例のプロファイルの2つ目のエレメントは、その間 の谷が小さすぎるため、2つの小山を組み合わせて1つ のピークとしてカウントされます。

すべてのエレメントの長さの平均を計算することで、周期 的構造の平均間隔を予測できます。 これは半周期的な プロファイルでも有効です。 この場合、エレメントの長さ のばらつきが平均化のプロセスによって低減されます。 そのため、 このパラメータは、高さの代わりに表面(横方向 の特徴)の寸法決定許容値を指定する際に使用できます。 ただし、RSmの初期の定義は、 このパラメータがサンプリ ング長で指定され、差分の適用が明確に説明されてい なかったため、明確ではありませんでした。各メーカーが このパラメータをこぞって解釈しようとしたため、半周期 的、 またはより頻繁には非周期的なプロファイルで多くの 場合にRSm値に開きが生じています。 RSmはX軸上の長さの単位として表され、通常はミリメー トルで表記されます。 RSmを使用して周期的構造の長さ を査定できます。 特にこのパラメータは、格子、 シヌソイ ド、 または三角の校正アーチファクトを使用した、走査プ ロファイラの横方向の増幅係数の校正に多く使用されます (例:Rubert & Co モデル521または525) 。


表面形状測定 Q&A モチーフの間隔

機能パラメータ

R&WモチーフはISO 12085で定義されています。これら は通常、 「フレンチモチーフ」 と呼ばれます。 この方式の 利点は、 ピーク-谷-ピークのトリプレットにプロファイルが 分解されることです。 2つの隣り合うモチーフによって1 つのピークが共有されます。

機能パラメータは、ISO 25178-2およびISO 16610-85で 定義されたセグメンテーションアルゴリズムにより表面か ら抽出された特定のフィーチャー(点、線、領域)から計算 されます。 特に、丘または谷はモチーフの粗さパラメータ で、表面の識別されたフィーチャーを表す輪郭で囲まれた 領域です。 傾斜プレフィルタを使用する場合、 これは構造 になる場合もあります。

重要でないフィーチャーを取り除くパスの後、モチーフが R(モチーフの平均高さ) またはAR(モチーフの平均長さ) などのパラメータで解析されます。 ARはRSmに近く、周期 的なプロファイルで同じ値を返します。すべてのモチーフ の長さの標準偏差を示すSARパラメータは興味深い補足 的なパラメータです。このパラメータはプロファイルが周 期的、半周期的、 または非周期的であるかを示します。 また、モチーフはうねりプロファイル(エンベロープ プロ ファイル) で計算することができます。 これに対応するパ ラメータは、W、AW、SAWです。 スペクトル解析 さらに、周期的構造をフーリエ解析により解析することが できます。 周期的構造により高いスペクトルのピークが 生成され、例えば、MountainsMap® の平均パワースペク トルデンシティによる解析が可能です。

表面の横方向の特徴は? テクスチャや構造を持つ表面はプロファイル測定では正 確に解析できず、表面測定パラメータを必要とします。驚 くことに、ISO 25178-2で純粋に横方向とされる公認の表 面パラメータはSalとStrのみです。 等方性パラメータStr は、表面が全方向で均一であるか、 または方向に偏りがあ るかを示します。構造を持つ表面のStr値は高くなる傾向 があります。 Salは「自己相関長」 と呼ばれ、 テクスチャセ ルのサイズを解析し、表面の横特性を最も良く表すとさ れます。 しかし、 このパラメータはまだよく理解が進んで おらず、実証する研究は存在しません。

上記の2つの例は、分岐点アルゴリズムにより検知された テクスチャセル(左) または構造(右) を示します。 モチー フの特徴を個別または平均値により全体として、評価で きます。 ここでは、領域や直径などのいくつかのパラメー タが対象となっています。ISO標準ではSha(丘の領域) やSda(谷の領域)のみ言及されていますが、公称直径ま たは最小/最大/平均直径などの他のパラメータも計算で きます。これらのパラメータは、 グレインおよび粒子モジュ ールの一部として、MountainsMap®に装備されています。

結論 ISO標準では、高さ、材料比、 またはスロープに基づくパラ メータは多く提供されていますが、サイズや直径などの 横方向の特徴を解析するパラメータはほとんどありませ ん。 製造される部品の仕様を改良するためのツールをメ トロロジストや設計者に提供するには、改善の予知があり ます。 セグメンテーションでは、 個々のフィーチャーを検知 して、 それらの輪郭を基にしてxy平面で解析することがで きます。 横方向の物理量に関する数値の多くは輪郭から 導くことが可能で、 ピッチなどのフィーチャー内の特徴も計 算できます。

リソース ▶▶ISO 4287:1996 GPS – 表面テクスチャ:輪郭曲線方式 ‐ 表現、定義、および表面テクスチャの各パラメータ ▶▶ISO/CD 21920-2:2017 GPS – 表面テクスチャ:輪郭曲線方式 ‐ 定義とパラメータ ▶▶ISO 12179:2000 GPS – 表面テクスチャ:輪郭曲線方式 ‐ 触針式表面粗さ測定機の校正 ▶▶表面 - 触針式表面粗さ測定機の校正と測定基準、およびISO 25178-2:2012 GPS – 表面テクスチャ:表面 ‐ 表現、定義、およ び表面テクスチャの各パラメータ ▶▶ISO 16610-85:2013 GPS – フィルタ処理 - 形態フィルタ:セグメンテーションフィルタ ▶▶F Blateyron、機能パラメータ、第 3章、表面テクスチャの解析、Springer ▶▶N Senin、L Blunt、個々の表面特徴の解析、第 8章、表面テクスチャの解析、Springer ▶▶J Blanc等、重要な形状のフィーチャーに基づく表面解析、J of Physics、conf series ▶▶Rubert & Co 材料測定:www.rubert.co.uk ▶▶表面測定ガイド:www.digitalsurf.com/guide

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10 ニュース

イベントと製品特集 新しいロゴとウェブサイト にご 訪 問 い た だ い た 方 は 最 近 の いくつ か の 大 き な 変 更 点 に お 気 づ きになられ た かも知 れませ ん 。 www.digitalsurf.com 最初に、当社のロゴのデザインが変 更され、デジタルサーフの現在の姿勢 と、特に表面測定と顕微トポグラフィ 解析における当社の専門性がより明 確に表現されました。

CONTROL 2018 4月24日から27日までドイツのシュツットガルトで開催された「品質保証のための コントロール展示会(Control Trade Show for Quality Assurance) 」には大勢のお 客様と提携企業の皆様にお越しいただきました。 31か国で800以上の展示会を開催し、28,000人以上の訪問者を数えるコントロ ールは、測定法の世界の最新トレンドを目の当たりにして体験いただける絶好の 機会です。 4日間の間にDigital Surfのブースは行列が絶えず、展示会場内では、提携企業の ブースにMountains® ソフトウェアが展示され、 さまざまな応用分野におけるこの ソフトウェアの高度な多用途性が紹介されました。 ご来場いただいた皆様のおかげで今年の展示会も無事成功を収めることができ ました。

製品ニュース JEOLとDigital SurfがSMILE VIEW™ Mapソフトウェアをリリース 2018年5月18日、東京、 日本&ブザンソン、 フランス:主要先端 機器メーカーのJEOLとMountains® 表面画像解析技術の開発 者であるDigital Surfは、JEOL社の最先端の走査型電子顕微鏡 (SEM) システムのユーザー向けにSMILE VIEW™ Mapソフト ウェアをリリースしました。 この新規リリースは、ナノテクノロジー、金属、半導体、セラミック、 医療、生物学などの広範な応用分野に従事する研究者や技術者 に大きなメリットがあります。 プ レ ス リリ ー ス を こち ら か ら お 読 み い た だ け ま す: goo.gl/agYuAT

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さらに、当社ウェブサイトの外観とレ イアウトが刷新され、携帯機器を含む あらゆるデバイスとのアクセス性が完 全に改善されたことにより、これまで 以上に容易に情報やリソースを閲覧 いただけるようになりました。


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フェイスブックでフォ ロー 2018年5月9日: Microscopy Todayの5 月号をお届けいたし ます( 米 国 顕 微 鏡 学 会発行)。 表 紙と1 2 ~ 1 7 ペ ー ジでは、当 社 C E O の Christophe Mignot が走査型電子顕微鏡 の画像に色と3Dレン ダリングを適用する画 期的な技術を特集し た記事が掲載されてい ます。

当社のYouTubeチャ ンネルをご覧いただ きましたか。 Mountains® を始める ヒント、SEMイメージ の再構成やカラー化 に関するチュートリア ルなどをご覧いただ けます! www.youtube.com/ channel/UC5cyEQHs9IWZdn0p-cJcJA

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Digital Surf社ウェブサイトでも最もアクセスが多いページ 表面測定法について疑問をお持ちですか。ご心配ありません、デジタルサーフ がいつでもお手伝いいたします。 無償のオンライン表面測定ガイドでは、表面 テクスチャ、プロファイルパラメータ、フィルタ処理のテクニックなどのトピック について取り上げています。さらに良いお知らせとして、この度、英語版とフラ ンス語版に加え、 ドイツ語版をご利用いただけるようになりました。

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MOUNTAINSMAP® の試用

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無償のオンライン表面測定ガイドを参照して、2Dと3Dによる表面テクスチャの特 徴の解析方法についてご覧ください。

MEET DIGITAL SURF Microscopy & Microanalysis - ブース425番 2018年8月6日~9日 - ボルチモアコンベンションセンター - 米国メリーランド州ボルチモア JASIS - ブース6A-609番 2018年9月5日~7日 - 幕張メッセ国際展示場 - 日本、東京 19th International Microscopy Congress (IMC19) - ブース4番 2018年9月9日~14日 - 国際コンベンションセンター - オーストラリア、シドニー

サーフェス・ニュースレター、2018年7月

本社、研究開発センター 16 rue Lavoisier 25000 Besançon - France 電話: +33 38150 4800 - contact@digitalsurf.com

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編集者: Christophe Mignot コンテンツ編集者: Clare Jamet 謝辞: Anne Berger、François Blateyron、 Sergei Magonov、Arnaud Viot marketing@digitalsurf.com

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