『ゲンロン6 ロシア現代思想Ⅰ』

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Genron 6 Russian Contemporary Thought I English Translations and Abstracts Full Text E02

J0 0 6

Hiroki Azuma

Toward a Discourse of Reception and Misdelivery Translated by Michael Chan and John Person

Abstracts

Translated by Michael Chan and John Person Proofreading assisted by Kako Kishimoto

Russian Contemporary Thought I E10

J022

Hajime Kaizawa + Kyohei Norimatsu + Muneaki Hatakeyama + Hiroki Azuma

Reintroducing Russian Thought: Bakhtin, the Masses, and Sobornost E12

J054

Kyohei Norimatsu

E13

J076

Takashi Matsushita

E14

J176

E15

J20 6

The (Post) Modern of the Defeated Zakhar Prilepin, or the Hero in the Age of Post-Truth

The Philosophy of Play Bernard Stiegler

From an Infinite Game to a Philosophy of Will and Drive Yohei Kurose

On Other Surfaces│5│

An Art History of “Reception” and “Dissemination”

E16

J223

Kenro Hayamizu

On Independent States│5│

Utopia’s Postlude: When the “New Village” Grows Old

E17

J246

Fiction The 1st Genron SF Newcomer Prize

Kei Takagi

The Land Saved by Garcia de Marones E18

J317

Novel

Melon Uminekozawa

The Pigeon Clock of Dischronia│Afternoon V│ E19

Contributors and Translators

* Exx refers to pages of translations or abstracts in English language, while Jxx refers to the original texts in Japanese.


ゲンロン6 ロシア現代思想Ⅰ げんだい し そう

Genron 6 Russian Contemporary Thought I

発行日

次号予告

2017(平成29)年9月15日 第1刷発行

ゲンロン7

編集人 あずま ひろ

東浩紀(編)

東浩紀

2018年1月刊行予定

発行人

ロシア現代思想II

東浩紀

乗松亨平監修 エトキント/カリーニン/ラリュエル

発行所

畠山宗明/八木君人 ほか

株式会社ゲンロン 141-0031

哲学の再起動

東京都品川区西五反田1-16-6

國分功一郎/千葉雅也/許煜

イルモンドビル2F

黒瀬陽平/プラープダー・ユン

TEL: 03-6417-9230 FA X : 03-6417-9231

土屋誠一/好評連載陣

info@genron.co.jp http://genron.co.jp/ &

特集第2弾。 連崩壊後

記憶

政治学

体制下 思想

可能性

社会的使命 考

小特集 哲学

再起動。

國分功一郎・千葉雅也 語

現代思想

思想

許煜(

可能性。 精鋭、

本邦初訳 併 掲載。

加藤賢策(LABOR ATORIES) 印刷 株式会社シナノパブリッシングプレス 編集 上田洋子    徳久倫康 富久田朋子 DTP 北岡誠吾(LABOR ATORIES)

定価

裏表紙

本書

無断複写(

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落丁本・乱丁本

。 ) 著作権法

取 替

©2017 Genron Co., Ltd. Printed in Japan ISBN 978-4-907188-22-1

例外 。

除 、禁


電子書籍版 『ゲンロン』 シリーズや、 姉妹誌『ゲンロンβ』 が ※1 いつでもダウンロードし放題。 クラス10(国内)

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10,000円-

2017.10-2018 .9

始 第友ゲ 動 8 のン ロ 期会ン

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第8期への更新で 特別編集 (非売品) 『ゲンロン6.5』 がもれなくついてくる! さらに 「ゲンロンショップ」 マイページから、第7期で配信対象だった 『ゲンロン』 『ゲンロンβ』 を、継続してダウンロードいただけます。 第7期会員のみなさまは、第8期への更新をお忘れなく。※2

※1 ダウンロードできるのは友の会第8期の対象コンテンツに限られます。 ※2 更新期間 (-10月31日) 後に入会いただいた場合は 「新規入会」扱いとなり、 更新特典の対象外となります。 ご注意ください。


寄稿者一覧

速 水 健 朗 |

ロ ン 0 観 光 客 の 哲 学 ﹄ ︵ ゲ ン ロ ン ︶ な ど 。

意 志 2 ・ 0 ﹄ ︵ 講 談 社 ︶ 、 ﹃ 弱 い つ な が り ﹄ ︵ 幻 冬 舎 ︶ 、 ﹃ ゲ ン

は や み ず ・ け ん ろ う

七 一 年 生 。 思 想 家 、 作 家 。 ゲ ン ロ ン 代 表 。 著 書 に ﹃ 一 般

六 一 年 生 。 書 評 家 、 翻 訳 家 、 ア ン ソ ロ ジ ス ト 。 ﹁ ゲ ン ロ ン

大 森 望 |

ル の 際 ﹄ ︵ 聖 学 院 大 学 出 版 会 ︶ な ど 。

表 象 文 化 論 、 エ イ ゼ ン シ ュ テ イ ン 研 究 。 共 著 に ﹃ デ ジ タ

七 四 年 生 。 聖 学 院 大 学 人 文 学 部 助 教 。 専 門 は 映 画 理 論 、

畠 山 宗 明 |

東 浩 紀 | あ ず ま ・ ひ ろ き

お お も り ・ の ぞ み

は た け や ま ・ む ね あ き

業 八 梅 。 五 沢 年 和 生 木 。 | お 美 う よ 術 め び 家 ざ カ 。 わ オ 武 ・ ス 蔵 か * 野 ず ラ 美 き ウ 術 ン 大 ジ 学 に 造 所 形 属 学 。 部 映 像 学 科 卒

談 社 現 代 新 書 ︶ 。

﹃ ロ シ ア あ る い は 対 立 の 亡 霊 ﹄ ︵ 講 談 社 選 書 メ チ エ ︶ 。

な 訳 七 上 ど 書 四 田 。 に 年 洋 ク 生 子 ル 。 ジ ロ | ジ シ う ャ ア え ノ 文 だ フ 学 ・ ス 者 よ キ 、 う イ 博 こ ﹃ 士 瞳 ︵ 孔 文 の 学 中 ︶ 。 ﹄ ︵ ゲ 共 ン 訳 ロ 、 松 ン 籟 所 社 属 ︶ 。

は ロ シ ア 文 学 ・ 思 想 。 著 書 に ﹃ リ ア リ ズ ム の 条 件 ︵ ﹄ 水 声 社 ︶ 、

七 五 年 生 。 東 京 大 学 大 学 院 総 合 文 化 研 究 科 准 教 授 。 専 門

乗 松 亨 平 |

国 語 大 学 出 版 会 ︶ な ど 。 英 訳 に

︶ が あ る 。

の り ま つ ・ き ょ う へ い

︵ タ イ フ ー ン ・ ブ ッ ク ス ・ ジ ャ パ ン ︶ 、 ﹃ パ ン ダ ﹄ ︵ ︵ 東 京 外

ド ッ ト コ ム ﹄ ︵ 講 談 社 ︶ 、 ﹃ 明 日 、 機 械 が ヒ ト に な る ﹄ ︵ 講

三 三 回 野 間 文 芸 新 人 賞 候 補 。 近 著 に ﹃ キ ッ ズ フ ァ イ ヤ ー ・

文 庫 ︶ で デ ビ ュ ー 。 ﹃ 愛 に つ い て の 感 じ ﹄ ︵ 講 談 社 ︶ で 第

︵ 幻 冬 舎 新 書 ︶ 、 ﹃ 文 部 省 の 研 究 ﹄ ︵ 文 春 新 書 ︶ な ど 。

八 四 年 生 。 文 筆 家 、 近 現 代 史 研 究 者 。 著 書 に ﹃ 大 本 営 発 表 ﹄

辻 田 真 佐 憲 |

な ど 活 動 領 域 は 多 岐 に わ た る 。 邦 訳 に ﹃ 鏡 の 中 を 数 え る ﹄

七 三 年 生 。 作 家 、 グ ラ フ ィ ッ ク ア ー テ ィ ス ト 、 映 画 監 督

プ ラ ー プ ダ ー ・ ユ ン |

つ じ た ・ ま さ の り

七 五 年 生 。 文 筆 業 。 ﹃ 左 巻 キ 式 ラ ス ト リ ゾ ー ト ﹄ ︵ 星 海 社

︵ 東 邦 出 版 ︶ 監 修 者 。

海 猫 沢 め ろ ん | う み ね こ ざ わ ・ め ろ ん

ラ ン ポ ー の 王 は 死 ん だ ﹂ が 掲 載 さ れ た 。

り か 書 房 ︶ 、 ﹃ テ ク ス ト 分 析 入 門 ﹄ ︵ ひ つ じ 書 房 ︶ な ど 。

士 ︵ 情 報 学 ︶ 。 ﹃

産 業 遺 産 の 光 と 影 ﹄

を 受 賞 。 大 森 望 編 ﹃ S F の 書 き 方 ﹄ ︵ 早 川 書 房 ︶ に 短

講 し 、 最 優 秀 賞 に あ た る ﹁ 第 一 回 ゲ ン ロ ン S F 新 人 ﹁ 賞 コ ﹂

八 二 年 生 。 ︿ ゲ ン ロ ン 大 森 望 S F 創 作 講 座 ﹀ 第 一 期 を 受

ア 文 学 ・ 文 化 。 共 著 に ﹃ 再 考 ロ シ ア ・ フ ォ ル マ リ ズ ム ﹄ ︵ せ

八 木 君 人 |

七 七 年 生 。 早 稲 田 大 学 文 学 学 術 院 専 任 講 師 。 専 門 は ロ シ

や ぎ ・ な お と

六 八 年 生 。 観 光 学 者 。 追 手 門 学 院 大 学 経 営 学 部 教 授 。 博

井 出 明 | い で ・ あ き ら

︵ 新 評 論 ︶ な ど 。

高 木 刑 | た か ぎ ・ け い

ン ﹃ 青 い 脂 ﹄ ︵ 共 訳 ︶ ﹃ 、 氷 ﹄ 三 部 作 ︵ い ず れ も 河 出 書 房 新 社 ︶ 。

八 四 年 生 。 日 本 学 術 振 興 会 特 別 研 究 員 。 訳 書 に ソ ロ ー キ

ず れ も 筑 摩 書 房 ︶ 、 他 多 数 。

講 義 ﹄ 、 編 著 書 に ﹃ フ ー コ ー ・ コ レ ク シ ョ ン ﹄ 全 六 巻 ︵ い

著 書 に ﹃ 現 代 思 想 の 教 科 書 ﹄ 、 ﹃ 大 人 の た め の メ デ ィ ア 論

五 三 年 生 。 東 京 大 学 教 授 。 専 門 は 記 号 学 、 メ デ ィ ア 論 。

術 と 時 間 ﹄ 全 三 巻 ︵ 法 政 大 学 出 版 局 ︶ 、 ﹃ 偶 有 か ら の 哲 学 ﹄

ポ ン ピ ド ゥ ー ・ セ ン タ ー I R I 研 究 所 所 長 。 邦 訳 に ﹃ 技

五 二 年 生 。 哲 学 者 。 国 際 的 運 動 組 織

ベ ル ナ ー ル ・ ス テ ィ グ レ ー ル |

松 下 隆 志 | ま つ し た ・ た か し

代 表 、

章 ﹄ ︵ 明 石 書 店 ︶ な ど 。

石 田 英 敬 | い し だ ・ ひ で た か

社 会 の 情 念 ﹄ ︵ N H K 出 版 ︶ 。

Bernard Stiegler

※ ア レ ク サ ン ド ル ・ ド ゥ ー ギ ン 、 ア ル テ ミ ー ・ マ グ ー

七 三 年 生 。 ラ イ タ ー 。 近 著 に ﹃ 東 京 β ﹄ ︵ 筑 摩 書 房 ︶ 、 ﹃ 東

大 森 望 S F 創 作 講 座 ﹂ 主 任 講 師 。 著 書 に ﹃ 現 代 S F 観 光

Ars Industrialis

ン の 略 歴 に つ い て は 、 綴 じ 込 み 付 録 ﹁ ロ シ ア 現 代 思

京 ど こ に 住 む ? ﹄ ︵ 朝 日 新 書 ︶ な ど 。

か い ざ わ ・ は じ め

局 ﹄ 、 編 著 に ︽ N O V A 書 き 下 ろ し 日 本 S F コ レ ク シ ョ ン ︾

DARK tourism JAPAN

想 重 要 人 物 10 人 2 0 1 7 年 版 ﹂ を ご 参 照 く だ さ い 。

ひ ら ま つ ・ じ ゅ ん な

貝 澤 哉 |

ปราบดา หยุ่น

平 松 潤 奈 |

︵ い ず れ も 河 出 書 房 新 社 ︶ な ど 。

六 三 年 生 。 ロ シ ア 文 学 者 、 日 本 ロ シ ア 文 学 会 理 事 、 早 稲

The Sad Part Was Tilted

七 五 年 生 。 金 沢 大 学 准 教 授 。 共 著 に ﹃ ユ ー ラ シ ア 世 界 4 ﹄

田 大 学 文 学 学 術 院 教 授 。 著 書 に ﹃ 引 き 裂 か れ た 祝 祭 ﹄ ︵ 論

Axis

創 社 ︶ 、 訳 書 に ゴ ロ ム シ ト ク ﹃ 全 体 主 義 芸 術 ﹄ ︵ 水 声 社 ︶ 、

CASHI

ナ ボ コ フ ﹃ 偉 業 ﹄ ︵ 光 文 社 古 典 新 訳 文 庫 ︶ な ど 。

大 学 大 学 院 博 士 後 期 課 程 。 共 著 に ﹃ タ イ を 知 る た め の 72

八 六 年 生 。 タ イ 文 学 研 究 者 、 タ イ 語 翻 訳 者 。 東 京 外 国 語

力 を ﹄ な ど の 韓 国 語 版 翻 訳 を 手 掛 け る 。

い つ な が り ﹄ 、 佐 々 木 中 ﹃ 夜 戦 と 永 遠 ﹄ ﹃ こ の 熾 烈 な る 無

七 四 年 生 。 韓 国 語 翻 訳 者 。 東 浩 紀 ﹃ 一 般 意 志 2 ・ 0 ﹄ ﹃ 弱

安 天 |

ト ・ グ ル ー プ ﹁ カ オ ス * ラ ウ ン ジ ﹂ 代 表 。 著 書 に ﹃ 情 報

術 大 学 大 学 院 美 術 研 究 科 博 士 後 期 課 程 修 了 。 ア ー テ ィ ス

八 三 年 生 。 美 術 家 、 美 術 批 評 家 、 キ ュ レ ー タ ー 。 東 京 藝

黒 瀬 陽 平 |

福 冨 渉 | ふ く と み ・ し ょ う

ゲンロン 6

迷 宮 ﹄ ︵ 水 声 社 ︶ 。

あ ん ・ ち ょ ん

く ろ せ ・ よ う へ い

︵ 書 東 店 京 ︶ 、 大 共 学 訳 出 に 版 ミ 会 ハ ︶ 、 イ ﹃ ル ロ ・ シ ヤ ア ン 革 ポ 命 と リ ソ ス 連 キ の ー 世 ﹃ 紀 デ ー 4 モ ﹄ ︵ ン 岩 と 波

338



そ れ に こ の 死 体 は あ ま り に も 青 白 く 、 そ し て 透 き 通 っ て い た 。 を 引 き 離 し 、 立 ち 上 が ろ う と す る の だ が 、 こ の 潜 宙 鎧 、 マ ン ト

前 に 死 ん だ 。 そ し て こ こ は 地 球 で は な い 。

一 時 的 な 黄 胆 汁 の 失 調 、 た だ の 立 ち く ら み だ 。 す ぐ に 泥 か ら 身

エ ス ・ キ リ ス ト の も の で は な い 。 イ エ ス ・ キ リ ス ト は 千 六 百 年

ら れ た ひ げ 、 広 い 額 な ど そ の ま ま だ 。 だ が あ の 死 骸 は 断 じ て イ

い や 、 ま っ た く 完 全 に 、 気 を 失 っ て し ま っ た わ け じ ゃ な い 。

す る と カ タ リ ナ は 失 神 す る 。

灰 色 の 瞳 は こ こ か ら で は 確 認 で き な い が 、 こ げ 茶 色 の 毛 、 整 え ナ 、 ほ ら 。 血 だ 。 あ れ は 血 を 流 し た ん だ ﹂

る 。 中 央 で き れ い に 分 け ら れ て い た は ず の 髪 は す っ か り 乱 れ 、   赤 黒 い 粘 液 を 指 の 腹 で こ す り 合 わ せ て 見 せ つ け る 。 ﹁ カ タ リ

か れ て い る 。 見 れ ば 見 る ほ ど あ そ こ に 見 え る 死 体 と よ く 似 て い け 寄 り 指 先 を 突 き つ け 、 ﹁ 血 だ ﹂

の ぼ り に は 、 赤 い 潜 宙 鎧 を 身 に ま と う イ エ ス ・ キ リ ス ト が 描 を 、 足 に 大 き く 穿 た れ た 穴 に 人 差 し 指 を 突 っ こ ん で こ ち ら に 駆

て は 誰 も が は る か 年 上 に 見 え る 。 実 際 年 上 な の だ ろ う 。

ば か り の カ タ リ ナ 、 男 を ほ と ん ど 見 る 機 会 が な い 修 道 女 に と っ

細 か な 傷 だ ら け の 視 界 を 確 保 し よ う と 努 力 し て い る 。 成 人 し た

汚 れ た 指 先 で 白 っ ぽ い 泥 が こ び り つ い た ガ ラ ス 製 の 兜 を 拭 い 、

が あ り 、 そ こ に 茶 褐 色 の 膠 の よ う な も の が 塗 り た く ら れ て い る 。

い る 。 彼 の 潜 宙 鎧 は 擦 り き れ 汚 れ て い て 、 と こ ろ ど こ ろ 裂 け 目

し の さ ら に 先 へ 一 人 で ず ん ず ん 入 っ て べ た べ た と 、 足 元 へ 、 指

大 地 に 降 ろ し た 張 本 人 、 ガ ル シ ア ・ デ ・ マ ロ ー ネ ス は そ の 先 な

よ っ て 、 な の に 先 ほ ど カ タ リ ナ の 眼 前 で 、 証 聖 官 、 彼 女 を こ の

割 上 必 要 で あ っ て 、 こ れ 以 上 そ の 先 な し 、 と い う こ と を 数 字 に

づ い た と い う こ と 、 義 務 を 果 た し た と い う 証 明 だ け は 彼 女 の 役

く 分 か ら な い し 気 持 ち 悪 い イ エ ス 様 に ぎ り ぎ り の と こ ろ ま で 近

る 。 三 人 の 一 行 、 最 後 尾 の 男 、 マ テ オ が の ぼ り を 持 っ て 立 っ て

ら さ な い と 上 方 が 見 え な い 。 振 り 返 る の も や は り 身 体 ご と で あ

彼 女 の 鎧 は 額 を 隠 す ベ ー ル が 兜 に 備 わ っ て い る た め 、 身 体 を 反

宙 鎧 の 上 に 白 い マ ン ト 、 彼 女 と 同 じ 色 彩 の 組 み 合 わ せ だ 。 た だ

先 頭 の 男 は ま っ す ぐ そ の 見 え る も の へ と 進 ん で い く 。 黒 の 潜

に さ れ て い る の が カ タ リ ナ に は 見 え る 。

ら ど で 分 が な そ 、 苦 か 、 い し そ し ら 分 。 て れ む な か 球 に 蛙 く ら 形 し 、 て な 上 て 苦 も い の も し べ 。 二 イ ん つ 点 エ で に 間 ス い 構 の 様 る わ 距 に 以 な 離 は 上 い を ふ や の 早 さ は だ 急 わ り が に し ど 、 カ く こ つ タ な か ま リ い 痛 り ナ 、 々 、 は と し な 求 女 い ん め は も だ ね 思 の か ば う だ よ な 。 け

ゲンロン 6

窪 地 の 中 央 に 突 き 立 て ら れ た 十 字 架 、 そ こ に 一 匹 の 生 物 が 磔

ま た も や 神 の 子 が 死 ん で い る 。

て な に よ り そ の 格 好 、 ひ ざ を 大 き く 開 い た が に 股 の 姿 は 、 ま る

肌 の 下 に あ る 血 管 の す み ず み ま で は っ き り 透 け て 見 え た 。 そ し

248


第 1 回ゲンロンSF新人賞受賞作

ガ ル シ ア・デ ・ T h e

L a n d

マ ロ ー ネ ス に よ っ て S a v e d

b y

救 済 さ れ た 大 地 G a r c i a

d e

高 木 刑 K e i

T a k a g i

M a r o n e s


長 春 は 当 時 、 都 市 計 画 の 分 野 に お け る 日 本 の 最 先 端 技 術 が 注

な ど で 社 交 を 重 ね つ つ 、 時 を 待 っ た 。 こ の 彼 の 願 い と 日 本 の 軍

て 以 降 、 女 真 族 の 王 朝 の 再 興 を 目 論 み 、 日 本 の 庇 護 の 下 、 天 津

の 中 心 部 に 造 る こ と を 予 定 し て い た 。

姿 を 消 す と は 全 く 思 っ て い な か っ た よ う で 、 本 格 的 な 皇 宮 は 街

当 時 、 日 本 の 関 係 者 は こ の ﹁ 国 ﹂ が ま さ か 一 三 年 で 地 球 上 か ら

清 朝 最 後 の 皇 帝 で あ っ た 溥 儀 は 、 一 九 二 四 年 に 故 宮 を 追 わ れ

き な 街 で は な い の で 、 徒 歩 と タ ク シ ー で 十 分 回 る こ と が で き る 。

建 物 と 仮 の 皇 宮 か ら 構 成 さ れ る 建 造 物 群 で あ っ た 。 満 州 国 建 国

て 居 住 す る 皇 宮 と し て 造 ら れ た わ け で は な く 、 役 所 を 転 用 し た

は 新 ハ 京 ル ︵ ビ し ン ん か き ん ら ︶ は と 高 呼 速 ば 鉄 れ 道 、 で 首 長 都 春 が に お 入 か る れ 。 て こ い こ た は 。 、 そ 満 れ 州 ほ 時 ど 代 大 に し ま っ た 。 そ れ も そ の は ず 、 こ こ は 元 々 、 皇 帝 が 長 期 に わ た っ

ど 華 美 な 感 じ も な く 、 本 当 に 皇 帝 が 住 ん で い た の か と 訝 し ん で

ダークツーリズム入門 第 13 回(最終回)

井 出 明

満 州 国 首 都 ﹁ 新 京 ﹂

ダ ー ク ツ ー リ ズ ム 入 門

論 考

─ ─

The Prism of Manchuria

233

ぎ 込 ま れ た 街 で あ り 、 今 で も 市 街 の 中 心 部 を 歩 く と 、 往 時 を 偲

を 中 心 と し た 一 部 勢 力 の 野 望 が 邂 逅 す る こ と と な り 、 一 九 三 三

13

ば せ る 建 物 に 数 多 く 出 会 う 。 こ れ ら の 建 物 は 、 上 層 部 に 日 本 の

年 に 満 州 国 が 生 ま れ た 。 彼 は 、 こ の 地 で 当 初 ﹁ 執 政 ﹂ と し て 歴

Akira Ide

最 大 の 観 光 資 源 は 、 溥 儀 が 実 際 に 暮 ら し た 皇 宮 で あ り 、 現 在

史 に 再 登 場 し 、 二 年 後 に 皇 帝 の 地 位 に 復 辟 し た 。

Introduction to Dark Tourism

第 13 回 ︵ 最 終 回 ︶

訪 問 し て み る と 、 か な り の ス ケ ー ル 感 は あ る も の の 、 そ れ ほ

時 間 が な く と も 、 こ こ だ け は ぜ ひ 観 て お き た い 。

は 偽 満 皇 宮 博 物 院 の 一 部 と し て 一 般 に 公 開 さ れ て い る 。 た と え

満 州 と い う プ リ ズ ム ︵ 後 ︶

井出明


225

学 生 運 動 の 舞 台 は 都 市 か ら 農 村 へ

都 市 部 に 住 む 賛 助 メ ン バ ー た ち の も と に は 、 農 場 で 採 れ た 新 鮮

住 み 彼 ら を 経 済 的 に 支 援 す る 賛 助 メ ン バ ー で 構 成 さ れ て い る 。

の 一 環 で あ る コ ミ ュ ー ン と し て の 歴 史 が 存 在 し た の だ 。

体 で は な く な っ て い る が 、 元 々 は 政 治 色 の 強 い 左 派 運 動 、 革 命

画 さ れ て い る 。 い ま で は 農 業 コ ミ ュ ー ン 的 な 性 質 を 持 っ た 共 同

独立国家論 第 5 回

た ま ご の 会 は 、 農 場 で 農 業 に い そ し む メ ン バ ー と 、 都 市 部 に ハ ウ ス で の イ ベ ン ト や 農 業 体 験 を 売 り に し た 体 験 宿 泊 な ど が 企

一 九 七 四 年 。 設 立 さ れ た 当 初 は 、 い わ ゆ る 農 業 コ ミ ュ ー ン だ っ た 。 ら し の 実 験 室 ﹂ に 名 前 が 変 わ っ て い る 。 や さ と 農 場 で は 、 ツ リ ー

元 々 は 六 〇 年 代 の 学 生 運 動 の 流 れ を 汲 む 組 織 で あ る 。 設 立 は

農 法 の 農 場 を 取 材 し た こ と が あ る 。 現 在 は そ の 名 残 は な い が 、

た と き に 、 茨 城 県 石 岡 市 に あ る ﹁ た ま ご の 会 ﹂ と い う 名 の 有 機

業 で な し 遂 げ る の だ と い う 意 識 が 少 な か ら ず 存 在 し て い た の 暮 だ 。

な か っ た 社 会 変 革 を 、 い ま 一 度 、 地 に 足 の つ い た 営 み で あ る 農

ち な み に た ま ご の 会 は 、 現 在 ﹁ や さ と 農 場

organic farm

一 九 六 〇 年 代 の 学 生 運 動 は 、 七 〇 年 前 後 に な る と 急 速 に 影 響

な た ま ご や 有 機 農 法 で 作 ら れ た 野 菜 が 送 ら れ て く る 、 そ ん な 仕

自 著 の 話 だ が 、 ﹃ フ ー ド 左 翼 と フ ー ド 右 翼 ﹄ と い う 本 を 書 い 彼 ら に と っ て は 、 ゲ バ 棒 を 振 り 上 げ て 戦 っ た 、 あ の 運 動 で な し 得

速 水 健 朗

独 立 国 家 論

論 考

─ ─

Utopia’s Postlude: When the “New Village” Grows Old

組 み に な っ て い る 。 た だ し 賛 助 メ ン バ ー も 、 単 に 作 物 の 購 入 だ

5

け を 目 的 と し た 会 員 で は な い 。 農 薬 を 使 わ な い ﹁ 正 し い ﹂ 農 業

On Independent States

に 共 感 し 、 積 極 的 に 彼 ら の 活 動 を サ ポ ー ト す る 。 そ の 多 く は 大

Kenro Hayamizu

学 の 教 員 な ど を 中 心 と す る 知 識 人 ・ 富 裕 層 た ち だ っ た と い う 。

第 5 回

そ の 後 の ユ ー ト ピ ア ﹁ 、 新 し き 村 ﹂ が 古 く な る と き

速水健朗


の 国 に お け る 最 大 の ま 文 で 化 遡 的 ﹁ り 受 、 ﹁ 容 ﹂ 垂す い じ で 迹ゃ く あ 曼 っ

美 術 史 研 究 に と っ て も 、 い ま や 正 統 な も の で あ る と 見 な さ れ て

日 本 の 復 興 ⋮ ⋮ ﹁ 受 容 史 ﹂ と 呼 ば れ る こ の よ う な 手 法 は 、 日 本

も と で 記 述 す る こ と 、 た と え ば 明 治 期 の 近 代 化 、 た と え ば 戦 後

あ り 、 ﹁ 宝 物 庫 ﹂ で あ る と い う 。 し か し そ れ は と も す れ ば 、 そ

で あ る 日 本 は 、 ア ジ ア か ら 伝 播 し て き た 様 々 な 文 化 の 終 着 点 で

倉 天 心 の ﹁ 東 ア ジ ア の 博 物 館 ﹂ と い う ヴ ィ ジ ョ ン 。 極 東 の 島 国

﹁ れ た 持 る ち ﹂ と え 出 こ す と ば 、 ﹂ に こ つ こ れ と い に て ま で つ の い 歴 の 連 て 史 の だ 載 で 歴 と 史 す す で の れ 視 ば に 何 点 、 、 こ 度 か で こ あ で 言 及 る 提 。 示 し し て た き い た の 、 は 岡

対 を な す よ う な 視 点 、 つ ま り 、 受 容 史 が そ の 字 の 通 り ﹁ 受 け 入

史 の 内 側 か ら は き わ め て 見 通 し づ ら い 、 極 端 に 言 え ば 受 容 史 と

た 仏 教 伝 来 ︵ と 、 そ れ に と も な う 神 仏 習 合 ︶

い る 。 本 連 載 で は 、 こ

日 本 文 化 の 特 質 や 歩 み を 、 外 来 文 化 に 対 す る ﹁ 受 容 ﹂ の 相 の 一 度 、 別 の 新 た な 視 点 を 導 入 し て み た い と 思 う 。 そ れ は 、 受 容

黒 瀬 陽 平

1

だ ろ う し 、 筆 者 に も そ の ア イ デ ィ ア は あ る 。 し か し 、 こ こ で は

り 上 げ な が ら 、 従 来 の 受 容 史 の 脱 構 築 に 邁 進 す る の も 悪 く な い

こ の ま ま 時 計 の 針 を 進 め 、 近 世 、 近 代 、 現 代 の 事 例 を 順 に 取

他 の 平 面 論

論 考

─ ─

An Art History of “Reception” and “Dissemination”

荼 羅 ﹂ や ﹁ 影 向 図 ﹂ の よ う な 仏 教 受 容 の 過 程 で 生 み 出 さ れ た 芸

5

術 の な か に 、 受 容 史 の 言 説 が し ば し ば 陥 っ て し ま う 宿 命 論 的 な

On Other Surfaces

こ か ら ど こ へ も 行 く 先 の な い ﹁ 最 終 処 分 場 ﹂ で あ り ﹁ ご み 捨 て 場 ﹂

日 本 文 化 論 や 、 民 族 主 義 的 な 日 本 特 殊 論 を 退 け 得 る コ ン セ プ ト

Yohei Kurose

を 見 出 そ う と し て き た 。

第 5 回

﹁ 受 け 入 れ ﹂ と ﹁ 持 ち 出 し ﹂ の 美 術 史

ゲンロン 6

208


2 | そ 魔 し 女   て 心 ソ 騒 ロ   ぐ ー 孤 独 魔 術 師   テ ロ リ ス ト

│ 眠 り に つ く 。 地 元 の 人 と コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を と る 手 段 も な け

と い う 言 葉 も な い 。 毎 夜 、 ﹁ 明 日 ﹂ と い う 概 念 を も た な い ま ま

言 葉 も な け れ ば 、 予 定 通 り と い う 言 葉 も な い し 、 ス ケ ジ ュ ー ル

構 成 す る の に か な り の 時 間 を 使 っ た 。 こ こ に は 日 常 生 活 と い う

セ オ ド ア ・ J ・ カ ジ ン ス キ ー ﹃ 科 学 技 術 の 奴 隷

│ セ オ ド ア ・ J ・ カ ジ ン ス キ ー 選 集 ﹄

る た め に は 、 社 会 シ ス テ ム を 消 滅 さ せ る こ と で は な く 、 産 業 社 会 を 消 滅 さ せ る こ と こ そ が 必 要 な の だ 。

産 業 革 命 こ そ が 、 人 間 社 会 に よ る 自 然 へ の 影 響 を 真 に 壊 滅 的 な も の に 変 え た 。 自 然 を 抑 圧 か ら 解 放 す

な し て い る 。

│ ヘ ン リ ー ・ デ イ ヴ ィ ッ ド ・ ソ ロ ー ﹁ 孤 独 ﹂ 、 ﹃ 森 の 生 活 ウ ォ ー ル デ ン ﹄ [ ☆ 1 ]

神 も ひ と り で あ る 。 と こ ろ が 悪 魔 と な る と 、 ひ と り ど こ ろ か 無 数 の 仲 間 に 囲 ま れ 、 ま さ に 大レ ギ 軍オ ン を

─ 福 冨 渉

新 し い 目 の 旅 立 ち

随 筆

第 3 回

โช ฟุกโุ ตมิ

れ ば 、 二 本 の 足 以 外 に は 、 自 分 自 身 の 力 で ど こ か に 行 く 方 法 も

プ ラ ー プ ダ ー ・ ユ ン

毎 朝 、 シ キ ホ ー ル 島 で 目 を 覚 ま す と 、 ぼ く は 周 囲 の 世 界 を 再

ตืน่ บนเตียงอืน่ │ 3 │

ゲンロン 6

192


い て の 問 題 意 識 、 テ ク ノ ロ ジ ー に つ い て の 問 い な ど で す 。 そ れ

ま 提 イ テ や 二 ス 石 私 し 起 ン ク ﹃ 〇 を 田 自 た を ダ ノ 象 〇 代 英 身 。 さ ス ロ 徴 一 表 敬 れ ト ジ の 年 は ︶ す 、 リ ー 貧 を る ベ な 日 ア の 困 は 哲 ル が 本 ル 存 ﹄ じ ら 学 ナ の 社 在 ︵ く 二 め 者 ー 研 会 論 〇 、 、 ル 究 と 、 〇 日 の ・ ベ 文 ひ ス 者 現 ル 四 本 で と テ や 代 化 ナ ア 資 産 〇 も り ィ ー ー 本 業 五 ﹃ で グ ル 偶 、 テ 主 、 と 精 年 レ ィ 義 神 ︶ 有 ﹃ ー と 技 か な ス の の も ト 断 エ ど ら 術 ル に と 裂 コ が の と さ 、 も な ロ 翻 哲 時 ん メ 議 ど ジ 訳 学 間 は デ 現 論 に ー さ ﹄ ︵ ﹄ ィ ︵ を つ 、 れ 二 一 在 ア 重 い ハ て 〇 九 の 記 ね て イ い 〇 九 フ 号 て 問 パ ま 四 四 ラ 論 ン き 題 ー す 年 ︶ 、 。 て い る 。 フ ロ イ ト や デ リ ダ の 読 解 、 産 業 資 本 主 義 の 現 段 階 に つ

も の で す 。 ま ず 、 私 を 含 め た 三 者 は 、 問 題 意 識 を か な り 共 有 し

ル ナ ー ル の 対 話 の 場 を つ く り た い と 思 っ た 理 由 は つ ぎ の よ う な

本 日 の 討 議 の 狙 い を 簡 単 に 述 べ ま し ょ う 。 今 回 、 東 さ ん と ベ

議 を 行 っ た ば か り で す

た 。 先 日 も ゲ ン ロ ン カ [ フ ★ 1 ェ ] で 。 ﹁ 一 般 文 字 学 は 可 能 か ﹂ と い う 討

い る の で は な い か と 実 感 し て 、 と も に 活 動 す る よ う に な り ま し

じ つ は 多 く の 部 分 で 東 さ ん た ち が 提 起 し て い る 問 題 と 共 通 し て

紀 さ ん と は 最 近 二 五 年 を 経 て 再 会 し 、 大 学 で 問 う て き た こ と が 、

ベ ル ナ ー ル ・ ス テ ィ グ レ ー ル

聞 き 手

─ 東 浩 紀

司 会

─ 石 田 英 敬

イ ン タ ビ ュ ー

From an Infinite Game to a Philosophy of Will and Drive

ゆ え 、 こ の よ う な 三 者 が 集 ま っ て 討 議 を す る こ と で 、 お た が い

メ デ ィ ア 哲 学 、 情 報 と 人 文 学 の 分 野 の 開 拓 を 推 進 し て き ま し た 。

無 限 の ゲ ー ム か ら 意 志 と 欲 動 の 政 治 哲 学 へ

小 特 集

─ 遊 び の 哲 学

Hidetaka Ishida

に 刺 激 し あ う こ と が で き れ ば 、 と 思 い ま し た 。 ベ ル ナ ー ル の 講

国 際 的 な 研 究 ネ ッ ト ワ ー ク ﹁ デ ジ タ ル ・ ス タ デ ィ ー ズ ﹂ を 介 し

Hiroki Azuma

演 ﹁ 有 限 の ゲ ー ム 、 無 限 の ゲ ー ム ﹂ を 出 発 点 と し て 、 デ ジ タ ル

て 、 ベ ル ナ ー ル を は じ め と す る ヨ ー ロ ッ パ の 研 究 界 、 そ し て 世

Bernard Stiegler

界 の デ ジ タ ル 研 究 界 と の 共 同 研 究 を 行 っ て い ま す 。 他 方 、 東 浩

ゲンロン 6

178


と か 呼 つ ん て だ は も 、 の [ 都ポ リ ☆ 市ス 5 に ] お の け 成 る 立 門 の や 条 広 件 場 な や の 丘 で の す 頂 。 上 な ど が 、 人 び と

ペ デ ィ ア は 、 わ ず か 数 年 の 間 に 、 し ば し ば 夜 を 徹 し て 項 目 を 改 そ し て ﹁ 、 技 術 的 な 生 の 形 ﹂ は 、 ア リ ス ト テ レ ス が ﹁ 思 惟 す る 魂 ﹂

で 読 む こ と が で き ま す 。 で は 、 な ぜ 、 ど の よ う に し て 、 ウ ィ キ

ち の 数 や 征 服 者 た ち に つ い て の あ ら ゆ る 情 報 を ウ ィ キ ペ デ ィ ア

う な 意 味 で の ﹁ 、 技 術 的 な 生 の 形 ﹂ [

ポ イ ン ト と は 、 科 学 哲 学 者 の ジ ョ ☆ ル 4 ジ ] ュ の ・ 境 カ 界 ン 線 ギ の レ し 徴る し ム な が の い で う す よ 。

有限のゲーム、無限のゲーム

頂 に 成 功 す る ま で 二 〇 〇 人 の ア ル ピ ニ ス ト が 命 を 落 と し た の で す ︶

な こ と は 、 い か に し て 起 こ る の で し ょ う か ?

エ ヴ ェ レ ス ト に つ い て は 、 い ま で は 私 も 皆 さ ︵ ん エ も ヴ 、 ェ 遭 レ 難 ス 者 ト 。 た 登

﹂ [ ☆ 3 ]

と 呼 ん だ 問 題 の 核 心 が そ こ に あ り ま す 。 キ ー ・

技 術 哲 学 者 の ジ ル ベ ー ル ・ シ モ ン ド ン が ﹁ キ ー ・ ポ イ ン ト

か ら お 話 し し た い と 思 い ま す 。

頂 上 を 征 服 し 、 人 類 に よ る 登 攀 の 足 跡 を 讃 え る な ど と い う よ う る 歓 び を 与 え る も の だ か ら だ 、 と い う こ と を こ の 講 演 で は こ れ

い 苦 難 に 耐 え 、 指 を 失 う よ う な 凍 傷 、 滑 落 の リ ス ク を お か し て   そ れ は 、 高 み に 昇 る 、 す な わ ち ︿ 上 昇 ﹀ と い う こ と が 持 続 す

あ る 日 、 登 山 パ ー テ ィ が エ ヴ ェ レ ス ト を ア タ ッ ク し 、 恐 ろ し

ベ ル ナ ー ル ・ ス テ ィ グ レ ー ル

た い な ぜ な の で し ょ う か ?

─ 石 田 英 敬

Jeux finis, jeux infinis: Une interprétation de James P. Carse à l'ère de la gouvernementalité algorithmique

が ︿ 共 に あ る こ と ﹀ を 徴 づ け る 目 印 で し た 。 今 日 で は さ ま ざ ま

訂 し 続 け る 何 百 万 人 も の ボ ラ ン テ ィ ア 編 集 者 に よ っ て 、 何 百 万

Hidetaka Ishida

159

五 歳 の こ ど も は 、 田 舎 に 行 く と 、 木 を 見 つ け れ ば よ じ 登 ろ う

も の 項 目 を 擁 す る よ う に な っ た の で し ょ う か ?

points-clés

な ︿ イ ン タ フ ェ ー ス ﹀ が 、 人 び と が ︿ 共 に あ る こ と ﹀ を 空 間 的

Bernard Stiegler

と し 、 丘 を 見 れ ば 駈 け 上 が ろ う と す る も の で す が 、 そ れ は い っ

ア ル ゴ リ ズ ム 的 統 治 [☆ 性 1] の 時 代 に お け る ジ ェ イ ム ズ ・ P ・ カ[ ー ☆2 ス] の 一 解 釈

講 演

有 限 の ゲ ー ム 、 無 限 の ゲ ー ム

小 特 集

─ 遊 び の 哲 学

☆ = 訳   ︹   ︺ = 訳 者 補 足

ベルナール・スティグレール


で 翻 訳 さ れ て お り 、 ス テ ィ グ レ ー ル は そ れ を 読 ん だ う え で 講 演

: を 準 備 し た と い う 。 日 本 の ﹁ オ タ ク 世 代 ﹂ へ の 哲 学 的 メ ッ セ ー

在 日 フ ラ ン ス 大 使 館 / ア ン ス テ ィ チ ュ ・ フ ラ ン ち ] ︵ コ リ ー ヌ ・ カ ン タ ン 訳 、 ア シ ェ ッ ト 、 二 〇 〇 八 年 ︶

の タ イ ト ル

知 能 は 社 会 を ど の よ う に 変 え る の か ? ﹂ 五 月 二 九 日 開 催 、 六 本 木 ア カ

[ オ タ ク 世 代

│ ポ ス ト モ ダ ニ テ ィ ー の 子 供 た

ス テ ィ グ レ ー ル が 人 工 知 能 を め ぐ る 日 仏 フ ォ ー ラ ム

シ ョ ン の 記 録 で あ る 。

る 講 演 と 、 東 浩 紀 と 私 が 加 わ っ て 三 者 で 行 わ れ た デ ィ ス カ ッ

対 話 が 今 回 実 現 し た こ と は 悦 ば し い 。 東 浩 紀 の ﹃ 動 物 化 す る ポ

と 、 ﹃ 観 光 客 の 哲 学 ﹄ で 新 境 地 を 拓 き つ つ あ る 東 浩 紀 を 交 え た

︵ ﹁ 人 工

ス ト モ ダ ン ﹄ は 、 フ ラ ン ス で は

ラ ン セ 東 京 で 行 わ れ た 哲 学 者 ベ ル ナ ー ル ・ ス テ ィ グ レ ー ル に よ

﹄ ︵

こ こ に 掲 載 し た の は 、 本 年 五 月 二 七 日 に ア ン ス テ ィ チ ュ ・ フ 化 社 会

い ず れ も 未 邦 訳 ︶ ﹄

等 で 展 開 す る ス テ ィ グ レ ー ル

や ﹃ デ ィ ス ラ プ シ ョ ン

導 入

石 田 英 敬

Otaku of the World, Yet Another Effort if You Want to Reach the World Game!

ジ を 込 め た と い っ て も い い だ ろ う 。

遊 び に つ い て ﹂ を

を 機 に 来 日 し 、 同 時 期 に ア ン ス テ ィ チ ュ ・ フ ラ ン セ 東

デ ミ ー ヒ ル ズ 、 主 催

オ タ ク た ち よ 、 世 界 ゲ ー ム ま で あ と 一 歩 だ !

小 特 集

─ 遊 び の 哲 学

Dans

こ の 講 演 で 、 ス テ ィ グ レ ー ル は 、 欲 望 と 昇 華 の 文 化 論 、 技 術

セ 日 本 ︶

Hidetaka Ishida

京 の 企 画 ﹁ 哲 学 の 夕 べ ﹂ が ﹁ ゲ ー ム の 規 則

La Société automatique

的 対 象 の イ ン タ フ ェ ー ス 論 、 ︿ 遊 び ﹀ の 存 在 論 を 結 ん で 議 論 し

テ ー マ に 掲 げ た こ と で 、 こ の 講 演 と 対 話 が 実 現 し た 。

la disruption

て い る 。

﹃ 技 術 と 時 間 ﹄ の 存 在 論 哲 学 を 軸 に 、 ﹃ 象 徴 の 貧 困 ﹄ な ど の ハ

Génération Otaku : Les enfants

イ パ ー イ ン ダ ス ト リ ア ル 社 会 の 批 判 、 よ り 最 近 は A I に よ る

de la postmodernité

ア ル ゴ リ ズ ム 統 治 や デ ィ ス ラ プ テ ィ ブ 資 本 主 義 批 判 を ﹃ 自 動

ゲンロン 6

156


小特集

遊びの哲学 The Philosophy of Play



レ ス ト ロ イ カ 期 に 新 た に 登 場 し た ブ ル ジ ョ ワ の 預 言 者 た ち は 、

う し た も の は お し な べ て 不 便 で 非 効 率 的 で あ っ た 。 そ し て 、 ペ

で あ る 。 そ れ を 求 め て い た わ け で は な か っ た の だ が 。 無 論 、 こ

て 、 ソ ヴ ィ エ ト 体 制 は 意 識 せ ぬ ま ま 自 由 な コ モ ン を 実 現 し た の

カ を 飲 ん だ り で き る だ ろ う ⋮ ⋮ 。 コ モ ン は 、 い ろ い ☆ 2 ろ ] な を 意 通 味 し で

た も の で あ り 、 誰 も が そ こ で や す や す と 用 を 足 し た り 、 ウ ォ ッ

設 現 場 、 放 っ た ら か し の 空 地 、 開 け っ 放 し に な っ た 家 の 扉 と い っ

ア の 田 舎 に は ま だ た く さ ん 残 っ て い る 。 そ れ は 、 放 棄 さ れ た 建

そ の コ モ ン と の 関 係 を い か に 保 持 す る か で あ る 。 ひ と た び 私 的

て こ ︵ の 官 わ 僚 れ 機 わ 構 や れ 資 の 本 足 主 下 義 に に あ よ る る 。 ︶ 実 こ 際 の に コ 問 モ 題 ン と の な 簒 る 奪 の を は 防 、 ぐ い か か 、 に ま た し 、

関 係 の な い コ モ ン 、 そ れ は ま さ に 誰 の も の で も な い も の と し て 、

で あ る 。 現 実 の コ モ ン 、 交 換 と は 一 線 を 画 す コ モ ン 、 普 遍 と は

ら く 民 主 主 義 、 よ り 正 確 に い え ば 、 そ の 明 か さ れ て い な い 真 の

れ た ﹁ ゾ ー ン ﹂ の 役 割 を 担 う 。 俗 的 な も の の も つ 聖 性 は 、 お そ

れ た 世 界 の 中 で 、 放 っ た ら か し の 空 地 は 、 聖 な る 空 間 、 隔 離 さ

121

空 白 の ま ま 、 自 由 な ま ま に 残 っ た 。 ﹁ 歴 史 の 狡 智 ﹂ [

意 味 で の コ ミ ュ ニ ズ ム を 処 方 す る オ ル タ ナ テ ィ ブ の ひ と つ な の

コミュニズムにおける否定性

ソ ヴ ィ エ ト 的 な 風 景 は ゆ る や か に 消 え て い っ て い る が 、 ロ シ   だ が 、 コ モ ン は 誰 で も な い も の に 属 す る 。 全 面 的 に 世 俗 化 さ

も な い も の に 属 す る ︹ = 誰 に も 属 し て い な い ︺

も の と な っ た の だ 。

に 無 責 任 な 官 僚 シ ス テ ム の 中 で そ れ ら は 、 必 要 で な い も の 、 誰 で も 滅 多 に な い 。

﹁ 集 団 的 な も の ﹂ が 横 奪 さ れ な か っ た と い う こ と で あ る 。 集 団 的

面 の も 状 も 況 っ に て 比 い す た る 。 こ そ と れ が は で ま き さ る に 。 、 ﹁ だ 共コ が 有 、 のモ ソ もン ヴ の ィ エ ﹂ [ ☆ ト 1 の ] 、 実 あ 験 る は い 別 は の

た イ デ オ ロ ギ ー の 勝 利 を も た ら し た が 、 そ れ は ブ ル ジ ョ ワ 社 会

で に そ の 体 制 は 、 社 会 の ア ト ム 化 や 個 人 主 義 や 消 費 文 化 と い っ

う な ど と は 考 え な い し 、 抗 議 運 動 の た め に 結 束 す る よ う な こ と

は ほ と ん ど な い 。 わ れ わ れ は 決 し て 共 用 の 廊 下 を き れ い に し よ

を 軽 視 す る こ と は す っ か り わ れ わ れ の 生 活 の 一 部 と な っ て い る

て に と 部 し ソ ︶ は こ 構 、 ヴ

た め 、 今 も な お 、 普 段 の 生 活 の 中 で 環 境 に つ い て 配 慮 す る こ と

こ の 世 界 を 弱 肉 強 食 的 な 搾 取 の 対 象 に し た 。 一 方 、 公 共 圏

ミ ュ ニ ズ ム ﹂ は 国 や 経 済 を 超 疎 外 状 態 に し た 。 一 九 七 〇 年 代 ま

モ ノ の 世 界 に 対 す る 敬 意 は な く 、 ︵ そ の ぞ ん ざ い な 態 度 で も っ

革 命 の 初 期 衝 動 か ら 離 れ て い く に つ れ て 、 ソ ヴ ィ エ ト の ﹁ コ

ろ そ れ は ま っ た く 機 能 し て い な い 。 新 た な 私 的 所 有 者 た ち

1 ─ イ ン ト ロ ダ ク シ ョ ン

造 ﹂ に 人 間 を よ り 親 密 に 結 び つ け よ う と し た 。 だ が 、 今 の

コ モ ン の 私 有 化 を 提 案 し は じ め 、 環 境 と い う 唯 物 的 な ﹁ 下

ィ エ ト の ﹁ コ ミ ュ ニ ズ ム ﹂ の も っ て い た 醜 悪 な 性 質 を 指 摘

アルテミー・マグーン


論 考

八 木 君 人 ︶

翻 っ て い え ば 、 こ う し た 併 載 を 可 能 と し た こ と 自 体 が 本 特 集 の 魅 力 で も あ る 。 乗 松 氏 の 論 考 や 本 特

状 況 を 予 め 伝 え て ほ し い と マ グ ー ン か ら の 要 望 が あ っ た の だ 。

象 と し て で あ っ て 、 立 場 を 異 に す る 思 想 家 と し て 対 峙 す る た め で は な い 。 併 載 に あ た っ て 、 こ う し た

る こ と は 決 し て な い 。 マ グ ー ン は ド ゥ ー ギ ン を 読 ん で い る が 、 そ れ は 、 現 代 ロ シ ア の ひ と つ の 社 会 現

動 す る 思 想 家 で あ り 、 知 識 層 が さ ま ざ ま な 世 界 に 分 断 さ れ て い る ロ シ ア 言 論 界 に お い て 、 両 者 が 交 わ

思 想 家 だ 。 そ ん な 彼 に と っ て ド ゥ ー ギ ン は 、 政 治 時 評 や 政 治 工 学 と い っ た ﹁ マ ー ジ ナ ル な ﹂ 領 域 で 活

た 。 マ グ ー ン は ア カ デ ミ ッ ク な 世 界 に 属 し 、 そ の 中 で も 西 欧 的 で 、 左 派 リ ベ ラ ル の 志 向 を も つ 代 表 的

自 ら の 論 考 が 同 じ 誌 面 で ド ゥ ー ギ ン と 併 載 さ れ る こ と に つ い て 、 マ グ ー ン は 困 惑 の 色 を 隠 さ な か っ

訳 ・ 解 題

─ 八 木 君 人 Naoto Yagi

集 全 体 で 示 し た ﹁ ロ シ ア 現 代 思 想 の 見 取 図 ﹂ は 、 分 断 さ れ て い る ロ シ ア の 知 識 層 に は 、 そ も そ も 発 想

A r temy Magun

と し て な い だ ろ う か ら 。 ︵

Negativity in Communism: The Paradox of Alienation

ア ル テ ミ ー ・ マ グ ー ン

コ ミ ュ ニ ズ ム に お け る 否 定 性

特 集

─ ロ シ ア 現 代 思 想 Ⅰ

│ 疎 外 の パ ラ ド ク ス

★ = 原   ☆ = 訳   ︹   ︺ = 訳 者 補 足

ゲンロン 6

120


ジ ウ ム を い く つ も 開 催 し た 。 こ う し た 努 力 の 成 [ ★ 果 2 は ] 雑 で 誌 発 [ 表 ★ 1 さ ]

ヨ ー ロ ッ パ 統 合 、 政 治 ・ 社 会 の 新 潮 流 、 ヨ ー ロ ッ パ ・ ロ シ ア 関 係 、

所 見 を ま と め た も の で 、 グ ロ ー バ ル 化 、 経 済 的 ・ 社 会 的 危 機 、

哲 学 者 ブ ノ ワ の 本 は 、 現 代 の 主 要 問 題 に 関 す る 哲 学 的 ・ 政 治 的

う と し て き た 。 ︿ 第 四 の 政 治 理 論 ﹀ を め ぐ る 会 議 や 学 術 シ ン ポ

義 ﹂ と い う 概 念 の 内 容 に つ い て 、 こ れ ま で く り か え し 説 明 し よ

か に 発 展 さ せ 修 正 す る べ き か 提 案 し た い 。 わ れ わ れ は ﹁ 保 守 主

が こ こ で は 、 進 歩 主 義 的 な テ ー マ や 思 潮 へ の ア プ ロ ー チ を 、 い

も の だ と い う フ ラ ン シ ス ・ ベ ー コ ン の 考 え に は 賛 成 し な い 。 だ

理 ズ た 調 こ 論 ム 二 し 冊 て の ﹄ [ の お ﹁ ★ 6 サ ] 第 本 こ う ン で 四 、 ︶ ク あ の ア す ト る 政 ラ ば ペ 。 治 ン ら テ 理 ・ し ル 論 ド い ブ に ・ 出 ル む ブ 版 ク け ノ 社 哲 て ワ ﹁ [ 学 ﹄ ☆ ア [ 1 の ★ ] ン 5 日 ] の フ ﹂ [ と ﹃ ォ ☆ 拙 ア ラ 2 著 ン ﹂ ] で ﹃ チ か 第 ・ ら も 四 リ 刊 登 の ベ 行 壇 政 ラ さ し 治 リ れ た

第四の政治理論の構築にむけて

論 考

私 は 循 環 的 発 展 の 支 持 者 で あ り 、 知 は 徐 々 に 蓄 積 さ れ て ゆ く も た ら し た 、 め ざ ま し い 成 果 を 紹 介 し よ う 。 ペ テ ル ブ ル ク の

ア レ ク サ ン ド ル ・ ド ゥ ー ギ ン

リ ベ ラ リ ズ ム を 超 え て

ル ブ ル ク 大 学 哲 学 部 の ペ テ ル ブ ル ク 保 守 ク ラ ブ [ ★ 4 ]

の 活 ︵ 動 強 が

ク ワ 大 学 社 会 学 部 保 守 主 義 研 究 セ ン タ ー [ ★ 3 ]

と サ ン ク ト ペ テ

︿ 第 四 の 政 治 理 論 ﹀ に 関 す る 議 論 の 進 展 の 具 体 例 と し て 、 モ ス

─ 乗 松 亨 平 Кёхэй Норимацу

093

や 学 術 論 文 集 、 著 書 、 イ ン タ ー ネ ッ ト ・ サ イ ト

Александр Дугин

ヒ ュ ー マ ニ ズ ム な ど が 論 じ ら れ て い る 。 こ れ ら の 問 題 が み な 、

れ て お り 、 多 か れ 少 な か れ 一 般 読 者 の 目 に 入 っ て い る だ ろ う 。

Этапы и проблемы в разработке Четвертой Политической Теории

だ か ら こ こ で は そ の 先 に 進 み た い 。

第 四 の 政 治 理 論 の 構 築 に む け て

特 集

─ ロ シ ア 現 代 思 想 Ⅰ

★ = 原   ☆ = 訳   ︹   ︺ = 訳 者 補 足

アレクサンドル・ドゥーギン


ど ん な に 頑 張 っ て も 、 俺 た ち は 、 あ ん た の 遺 産 や あ ん た

誰 が そ ん な こ と を 気 に 入 る ?

体 制 運 動 が ソ 連 崩 壊 後 か つ て な い ほ ど の 盛 り 上 が り を 見 せ た 年

た が い た と き の ロ シ ア ほ ど 強 く は な か っ た 。

こ の よ う に 、 二 〇 一 二 年 は ロ シ ア 国 内 で リ ベ ラ ル 派 に よ る 反

国 に し て く れ た 。 全 人 類 史 上 の ど ん な 帝 国 も 、 決 し て あ ん

ス ク ワ の 春 ﹂ と も 呼 ば れ た 。

あ ん た は ロ シ ア を い ま だ か つ て な い も の に 、 地 球 最 強 の

で 数 万 人 規 模 の 反 政 府 デ モ が 繰 り 返 し 行 わ れ 、 一 連 の 運 動 は ﹁ モ

領 選 挙 の ﹁ 不 正 ﹂ へ の 抗 議 を 呼 び 掛 け た こ と に よ り 、 国 内 各 地

ツ ォ フ 元 第 一 副 首 相 ら 野 党 勢 力 の 指 導 者 が 下 院 選 挙 お よ び 大 統

と う 翳 り か 、 な ど と さ さ や か れ て い た 。 ま た 、 故 ボ リ ス ・ ネ ム

シ ア ﹂ の 得 票 数 は 五 割 に 届 か ず 、 さ す が の プ ー チ ン 人 気 も と う

の の 、 そ の 前 年 一 二 月 に 実 施 さ れ た 下 院 選 挙 で は 与 党 ﹁ 統 一 ロ

予 想 通 り プ ー チ ン が 勝 利 し て 四 年 ぶ り に 大 統 領 に 返 り 咲 い た も

よ う な 熱 烈 な 呼 び 掛 け で 締 め く く っ た 。

憎 ま れ る も の だ と 断 っ た 上 で 、 最 後 は か つ て の 指 導 者 へ の 次 の

べ き だ と 強 く 訴 え た 。 そ し て 、 偉 業 を 成 し 遂 げ た 者 は 得 て し て

る の は ス タ ー リ ン の 偉 大 な 功 績 の お か げ だ と い う こ と を 認 め る

そ の 実 態 は し ば し ば 誇 張 さ れ て い る ︶

ス タ ー リ ン は 確 か に 非 人 道 的 な 行 い を し た が

、 そ れ で も 今 日 の ロ シ ア が あ

︵ 書 き 手 に よ れ ば 、

二 〇 一 二 年 の ロ シ ア と い え ば 、 大 統 領 選 挙 が 行 わ れ 、 大 方 の ﹁ 同 志 ス タ ー リ ン へ の 手 紙 ﹂ と 題 さ れ た そ の 記 事 で 、 書 き 手 は 、

論 考

松 下 隆 志

Zakhar Prilepin, or the Hero in the Age of Post-Truth

で も あ っ た が 、 そ ん な 気 運 に 水 を 差 す か の よ う に 、 と あ る 作 家

Takashi Matsushita

が ネ ッ ト 上 で 公 開 し た 一 本 の 記 事 が ロ シ ア の 言 論 界 を 騒 が せ た 。

あザ るハ いー はル ・ ポプ スリ トレ ・ー トピ ゥン ル、 ー ス 時 代 の 英 雄

ゲンロン 6

特 集

─ ロ シ ア 現 代 思 想 Ⅰ

076


れ て い た の は ア メ リ カ に よ る 保 護 だ ろ う 。 こ と は 狭 義 の ポ ス ト

と い う と き 、 第 一 に 念 頭 に お か

な る だ ろ う 。 そ の よ う な ア ジ ア 主 義 の 反 省 を 先 導 し た 竹 内 好

れ 、 東 亜 五 族 の 子 供 た ち を や さ し く 包 摂 す る ﹁ 無 の 場 所 ﹂ と

れ る 。 京 都 学 派 の 解 釈 す る 大 東 亜 共 栄 圏 は そ の 延 長 線 上 に 生 ま

の 空 間 だ っ た の で あ り 、 そ の 哲 学 的 表 現 が 西 田 幾 多 郎 に 見 出 さ

で に 戦 前 の 日 本 が 、 天 皇 と い う 空 虚 な 統 治 者 を 戴 く 母 性 的 保 護

こ の ﹃ 現 実 ﹄ を 成 立 さ せ る た め に

し て い た ﹂ の で あ り 、 ﹁ ﹃

は 、 日 本 の 近 代 全 体 が 西 洋 に 対 す る 敗 北 の 否 認 に よ っ て 駆 動 さ

[ ⋮ ⋮ ]

[ ⋮ ⋮ 進 ] 行

に 戯 れ る こ と が で き る ﹂ [ ★ 1 ]

と 揶 揄 し 、 ﹁ 子 供 た ち は 何 ら か の 保 護 が あ っ て は じ め て ﹃ 自 由 ﹄   し か し ま た 、 こ と は 戦 後 に と ど ま ら な い 。 浅 田 に よ れ ば 、 す

気 と 一 体 化 し た ポ ス ト モ ダ ニ ズ ム の 流 行 を ﹁ 子 供 の 資 本 主 義 ﹂

は 、 倦 ま ず そ れ を 指 弾 し て き た 。 た と え ば 浅 田 彰 が 、 バ ブ ル 景

じ れ ﹂ ﹁ 汚 れ ﹂ を 、 戦 後 日 本 が 忘 却 し つ づ け て き た こ と だ っ た 。

典 洋 が 粘 り づ よ く 突 い た の も 、 敗 北 と い う こ の 原 点 に あ る ﹁ ね

論 考

敗 北 の 忘 却

1 | 相 似 し た 敗 者

│ 日 本 の ﹁ ポ ス ト モ ダ ン ﹂ に 対 す る 批 判 的 言 説 の 舞 台 か ら 除 外 さ れ て き た が ゆ え の も の で あ る 。 同 時 期 に 加 藤

と し 、 ア メ リ カ の 保 護 の も と 、 国 際 的 な パ ワ ー ・ ポ リ テ ィ ク ス

乗 松 亨 平

The (Post) Modern of the Defeated

モ ダ ニ ズ ム に と ど ま ら な い 。 椹 木 野 衣 に し た が え ば 、 ﹁ ﹃ ポ ス ト

五 五 年 前 後 か ら

Kyohei Norimatsu

戦 後 の 日

モ ダ ン ﹄ と い う ﹃ 八 〇 年 代 的 ﹄ 空 間 が 、 日 本 に お い て は す で に

本 ﹄ を 支 配 す る の は

敗 者 の ︵

特 集

─ ロ シ ア 現 代 思 想 Ⅰ

ポ ス ト ︶

モ ダ ン

あ あ る る ﹃ ﹂ [ ★ 暴 2 力 ] 。 ﹄ 戦 が 後 打 日 ち 本 振 の る 繁 わ れ 栄 た は こ 第 と 二 に 次 対 大 す 戦 る と 、 い 集 う 団 暴 的 力 な を 忘 起 却 源 で

ゲンロン 6

054


提 起 を し た い と 思 い ま す 。 今 回 の 特 集 を つ

乗 松 亨 平

ま ず は ぼ く か ら 、 い く つ か 問 題

代 の 超 克 を 目 指 し た 場 所 の こ と で す 。 本 誌

の 言 葉 で 言 え ば 、 近 代 に 遅 れ て 参 入 し 、 近

本 日 は 、 〇 八 年 刊 行 の ﹃ 引 き 裂 か れ た 祝

を か き 立 て ら れ る こ と に な り ま し た 。

で す が 、 乗 松 さ ん の 著 書 で あ ら た め て 関 心

に つ い て も 、 ま た 日 本 に つ い て も 、 新 た な

触 れ た こ と も あ り ま す 。 そ の 後 は ロ シ ア の

シ ア 語 で 、 修 士 論 文 で は バ フ チ ン に つ い て

ぼ く は 、 じ つ は 学 部 時 代 の 第 二 外 国 語 は ロ

霊 平 さ ん ﹁ の 第 著 二 書 世 、 界 ﹃ ﹂ ロ の シ ポ ア ス あ ト る モ い ダ は ン 対 ﹄ 立 で の す 亡 。

か け は 、 二 〇 一 五 年 に 刊 行 さ れ た 乗 松 亨

で は ﹁ ロ シ ア 現 代 思 想 ﹂ を 特 集 し ま す 。 き っ

東 浩 紀

今 号 と 次 号 の 二 号 に わ た り 、 本 誌

貝 す る き の 宗 研 し な 澤 。 理 な 討 明 究 、 紹 哉 よ 解 文 議 さ 者 本 介

悪 い 場 所 と ロ シ ア

見 方 を 提 示 で き な い か 。 悪 い 場 所 と は 、 別

思 想 動 向 に は ま っ た く 触 れ て こ な か っ た の

よ ろ し く お 願 い い た し ま す 。

そ し て 、 そ の よ う に 捉 え る こ と で 、 ロ シ ア

所 の ひ と つ と し て 捉 え る こ と が で き な い か 。

ろ し く お 願 い い た し ま す 。

の 枠 組 み を つ く れ れ ば と 思 っ て い ま

脈 に つ い て 、 二 回 の 特 集 の 基 礎 と な

で は 、 ロ シ ア 現 代 思 想 を 取 り 巻 く 大

ん と と も に お 話 を う か が い ま す 。 こ

で エ イ ゼ ン シ ュ テ イ ン が 専 門 の 畠 山

特 集 の 監 修 者 で あ る 乗 松 さ ん 、 映 画

を な さ れ て き た 貝 澤 哉 さ ん を お 迎 え

と す れ ば 、 ロ シ ア も ま た そ の よ う な 悪 い 場

考 え る 試 み を し て き た よ う に 思 い ま す 。 だ

世 界 各 所 に あ る 複 数 の 悪 い 場 所 と 比 較 し て

取 材 に 行 く な ど 、 悪 い 場 所 と し て の 日 本 を 、

ド で し た 。 ﹃ ゲ ン ロ ン ﹄ は 第 三 号 で 韓 国 に

衣 が 用 い た ﹁ 悪 い 場 所 ﹂ と い う キ ー ワ ー

な か で 出 て き た の が 、 美 術 評 論 家 の 椹 木 野

く る に あ た り 、 東 さ ん と 打 ち 合 わ せ を 行 う

貝 澤 哉 + 乗 松 亨 平 + 畠 山 宗 明 + 東 浩 紀

共 同 討 議

Reintroducing Russian Thought: Bakhtin, the Masses, and Sobornost

祭 ﹄ で 刺 激 的 な バ フ チ ン 論 を 展 開 し 、 ま た

Hajime Kaizawa + Kyohei Norimatsu + Muneaki Hatakeyama + Hiroki Azuma

冷 戦 後 の ロ シ ア の 思 想 状 況 に つ い て 先 駆 的

ロ シ ア 思 想 を 再 導 入 す る

特 集

─ ロ シ ア 現 代 思 想 Ⅰ

│ バ フ チ ン 、 大 衆 、 ソ ボ ー ル ノ ス チ

ゲンロン 6

022


特集

ロシア現代思想 I Russian Contemporary Thought I



で 言 う ﹁ 誤 配 ﹂ の 提 供 に ほ か な ら ず 、 ま さ に 本 誌 と し て 支 援 し た い 作 業 で も あ る 。 そ こ で ぼ く は 、

007

ロ シ ア 語 に 対 す る 個 人 的 な 思 い 入 れ を べ つ に し て も 、 そ の よ う な 入 り 口 の 提 供 は ﹃ 、 ゲ ン ロ ン 0 ﹄

と で も ロ シ ア の テ ク ス ト を 読 み 続 け 、 い ま ほ ど ロ シ ア 語 を 錆 び つ か せ な か っ た こ と だ ろ う 。

は 、 い ま ま で そ の よ う な 仕 事 が な か っ た 。 二 〇 年 前 に も し こ の 本 が 出 版 さ れ て い れ ば 、 ぼ く は 細 々

読 者 に 向 け 、 大 胆 で わ か り や す い 入 り 口 を 提 供 す る こ と で あ る 。 同 時 代 の ロ シ ア の 言 論 に つ い て

え な い 。 ど の よ う な 領 域 で あ れ 、 研 究 の 成 果 を 世 に 広 め る う え で 重 要 な の は 、 文 脈 を 共 有 し な い

受信と誤配の言論のために

ん そ こ に は 著 者 の 好 み が 反 映 さ れ て い る の だ ろ う が 、 ど ん な 紹 介 も 完 全 に 中 立 で あ る こ と は あ り

た 著 者 で あ り 、 購 読 す べ き 批 評 誌 は ﹃ 青 い ソ フ ァ ﹄ で あ る こ と が わ か る よ う に な っ て い る 。 む ろ

押 さ え る べ き は オ レ グ ・ ア ロ ン ソ ン ︵ 一 九 六 四 年 生 ︶

や ア ル テ ミ ー ・ マ グ ー ン ︵ 一 九 七 四 年 生 ︶

と い っ

の 思 想 状 況 へ の よ い 導 入 と し て 機 能 し て お り 、 一 読 す れ ば 、 と り あ え ず い ま ロ シ ア 語 圏 の 中 堅 で

へ の 応 答 を 軸 に し て 、 じ つ に ク リ ア か つ コ ン パ ク ト に 整 理 し て い る 。 結 果 と し て 、 同 書 は ロ シ ア

ア 思 想 の 歩 み を 、 概 念 史 と し て は ﹁ 対 立 ﹂ を 鍵 と し て 、 人 物 史 と し て は ロ ト マ ン の 記 号 学 と そ れ

は そ ち ら を 参 照 し て ほ し い が [ ★ 1 ]

、 乗 松 氏 は こ の 著 作 で 、 一 九 七 〇 年 代 か ら 現 在 に い た る ロ シ

想 ﹂ の 概 観 書 で あ る 。 同 書 に つ い て は べ つ の 媒 体 で 書 評 を 記 し た こ と が あ る の で 、 興 味 あ る 読 者

同 書 は 、 ぼ く の 知 る か ぎ り 、 研 究 者 以 外 の 一 般 読 者 に 向 け ら れ た 、 は じ め て の ﹁ ロ シ ア 現 代 思

か ら で あ る 。

は こ れ こ そ が ま さ に 、 あ の ロ シ ア 語 が 塩 漬 け に な っ た 院 生 時 代 に 読 む べ き だ っ た 書 物 だ と 感 じ た

は 対 立 の 亡 霊 ﹄ が き っ か け で あ る 。 ぼ く は こ の 本 を 読 み 、 た い へ ん 興 奮 し た 。 と い う の も 、 ぼ く

そ ん な ぼ く が こ の 特 集 を 構 想 し た の は 、 乗 松 氏 が 二 〇 一 五 年 一 二 月 に 刊 行 し た ﹃ ロ シ ア あ る い

東浩紀


と を 悔 し く 思 っ て い る 。

し 、 話 せ な い 。 弊 社 で は 毎 年 チ ェ ル ノ ブ イ リ に 行 く ツ ア ー を 実 施 し て い る が 、 行 く た び に そ の こ

せ ず 、 ロ シ ア 語 の 知 識 も す っ か り 錆 び つ い て し ま っ た 。 い ま で は 、 ロ シ ア 語 は ま っ た く 読 め な い

域 研 究 の 専 門 家 で も な い ぼ く に と っ て 、 ロ シ ア へ の 関 心 が 活 か せ る 機 会 は そ の あ と ほ と ん ど 存 在

語 を 選 ん だ 。 修 士 論 文 で は デ リ ダ と 並 べ て バ フ チ ン を 読 ん だ 。 け れ ど も 、 ロ シ ア 文 学 専 攻 で も 地

読 し 、 タ ル コ フ ス キ ー の 映 画 を 好 ん で 見 て い た 。 大 学 入 学 時 に は 第 二 外 国 語 と し て 迷 わ ず ロ シ ア

ぼ く は も と も と ロ シ ア が 好 き だ っ た 。 高 校 時 代 は ド ス ト エ フ ス キ ー と ソ ル ジ ェ ニ ー ツ ィ ン を 愛

外 部 か ら 監 修 者 を 迎 え る の も 、 こ れ が は じ め て で あ る 。

は 、 ロ シ ア 文 学 研 究 者 で 、 東 京 大 学 准 教 授 の 乗 松 亨 平 氏 を お 迎 え し た 。 ﹃ ゲ ン ロ ン ﹄ が 編 集 部 の

﹃ ゲ ン ロ ン ﹄ が 日 本 語 以 外 の 言 論 を 中 心 的 に 扱 う の は 、 こ れ が は じ め て で あ る 。 特 集 の 監 修 者 に

連 続 で 現 代 ロ シ ア の 思 想 状 況 を 紹 介 す る 。

受 信 と 誤 配 の 言 論 の た め に

﹃ ゲ ン ロ ン 6 ﹄ を お 送 り す る 。 今 号 の 特 集 は ﹁ ロ シ ア 現 代 思 想 Ⅰ ﹂ で あ る 。 次 号 と あ わ せ 、 二 号

東 浩 紀

ゲンロン 6

006



海 猫 沢 め ろ ん

# 21

軍 歌 は 世 界 を ど う 変 え た か # 7

─ ─ 安 辻 天 田 真 佐 憲

タ イ 現 代 文 学 ノ ー ト # 4

─ 福 冨 渉

ガ 第1 ル 回ゲ シ ンロ アン ・ SF デ新 ・ マ 人賞 ロ 受賞 ー作 ネ ス に よ っ て 救 済 さ れ た 大 地 ─ 高 木 刑 Kei Takagi

未 来 ﹂ 、 上 田 洋 子 ﹁ ロ シ ア 語 で 旅 す る 世 界 ﹂ は 今 号 は 休 載 で す 。

─ ─

Melon Uminekozawa

340

English Translations and Abstracts 博

Afternoon V

E01

市 川 真 人 ﹁

﹃ ゲ ン ロ ン ﹄ 既 刊 紹 介

午 後 の 部 Ⅴ

韓 国 で 現 代 思 想 は 生 き て い た

The Land Saved by Garcia de Marones

339

デ ィ ス ク ロ ニ ア の 鳩 時 計

コ ラ ム The 1st Genron SF Newcomer Prize

寄 稿 者 一 覧

The Pigeon Clock of Dischronia

338

協 力 = 藤 城 嘘

343

LABORATORIES

表 紙 ・ 扉 イ メ ー ジ ─ 梅 沢 和 木

編 集 後 記 ・ 支 援 者 一 覧

﹃ ゲ ン   ロ ン β ﹄ 既 刊 紹 介

ア ー ト デ ィ レ ク シ ョ ン & デ ザ イ ン ─ 加 藤 賢 策

247

300

306

310

319 創

解 説

─ 大 森 望


159

156

The Philosophy of Play Hidetaka Ishida

Otaku of the World, Yet Another Effort if You Want to Reach the World Game!

3

5

Bernard Stiegler

Bernard Stiegler

From an Infinite Game to a Philosophy of Will and Drive

Wake Up New

On Other Surfaces

Hiroki A zuma

Prabda Yoon

A n Art History of “Reception” and “Dissemination”

Yohei Kurose

Utopia’s Postlude: When the “New Village” Grows Old

Introduction to Dark Tourism 13

The Prism of Manchuria II

─ 井 出 明 後 ︶

A kira Ide

Kenro Hayamizu

Hidetaka Ishida

Finite and Infinite Games: An Interpretation of James P. Carse in the Era of Algorithmic Governmentality 訳

─ 東 浩 紀

満 州 と い う プ リ ズ ム ︵

178

聞 き 手

︵ 最 終 回 ︶

5

─ 石 田 英 敬 司 会 訳

プ ラ ー プ ダ ー ・ ユ ン

第 13 回

192

│有 限 On Independent States

第 3 回

﹁ 受 け 入 れ ﹂ と ﹁ 持 ち 出 し ﹂ の 美 術 史 ─

そ の 後 の ユ ー ト ピ ア 、 ﹁ 新 し き 村 ﹂ が 古 く な る と き ─

─ 福 冨 渉

─ 石 田 英 敬

─ 黒 瀬 陽 平

─ 速 水 健 朗

第 5 回 ─

第 5 回

208

─ 石 田 英 敬

ア ルの ゴ リゲ ズー ム 的ム 統、 無 治 性限 のの 時ゲ 代 にー おム け る ジ ェ イ ム ズ ・ P ・ カ ー ス の 一 解 釈 ─

225

233

2 0 1 7 年 版

ロ シ ア 現 代 思 想 史 見 取 図 ロ シ ア 現 代 思 想 重 要 人 物 10 人

遊 び の 哲 学 オ タ ク た ち よ 、 世 界 ゲ ー ム ま で あ と 一 歩 だ ! ─

ベ ル ナ ー ル ・ ス テ ィ グ レ ー ル

無 限 の ゲ ー ム か ら 意 志 と 欲 動 の 政 治 哲 学 へ

録 演

ベ ル ナ ー ル ・ ス テ ィ グ レ ー ル

新 し い 目 ─ の ─ 旅 立 ち   他 の 平 面 論   独 立 国 家 論

ダ ー ク ツ ー リ ズ ム 入 門

付   導

小 特 集 講   論

イ ン タ ビ ュ ー


022

006

054

076

Toward a Discourse of Reception and Misdelivery

2017 September

Hiroki A zuma

Russian Contemporary Thought I

Reintroducing Russian Thought: Bakhtin, the Masses, and Sobornost

Kyohei Norimatsu

Hajime Kaizawa + Kyohei Norimatsu + Muneaki Hatakeyama + Hiroki A zuma

The (Post) Modern of the Defeated

Zakhar Prilepin, or the Hero in the Age of Post-Truth A leksandr Dugin

Kyohei Norimatsu

Takashi Matsushita

A r temy Magun

Dasein as an Actor: Stages and Problems in the Development of the Fourth Political Theory

Negativity in Communism: The Paradox of Alienation

解 題

093

120

─ 八 木 君 人

─ 乗 松 亨 平 訳

解 題

─ ア レ ク サ ン ド ル ・ ド ゥ ー ギ ン

疎 外 の パ ラ ド ク ス ─ ア ル テ ミ ー ・ マ グ ー ン

乗 松 亨 平

モ ダ ン

─ 乗 松 亨 平

シ ア

現 代 思 想 Ⅰ

─ 松 下 隆 志

ロ ポ ス ト ︶

監 修

目 次

─ 東 浩 紀

6 受 信 と 誤 配 の 言 論 の た め に

ロ シ ア 思 想 を 再 導 入 す る

貝 澤 哉 + 乗 松 亨 平 + 畠 山 宗 明 + 東 浩 紀 敗 者 の ︵

ザ ハ ー ル ・ プ リ レ ー ピ ン 、 あ る い は ポ ス ト ・ ト ゥ ル ー ス 時 代 の 英 雄 第 四 の 政 治 理 論 の 構 築 に む け て コ ミ ュ ニ ズ ム に お け る 否 定 性

共 同 討 議 考

バ フ チ ン 、 大 衆 、 ソ ボ ー ル ノ ス チ

特 集 論

東 浩 紀


genron triannua l Edited by Hiroki Azuma

6 Chun An Hiroki Azuma Aleksandr Dugin Sho Fukutomi Muneaki Hatakeyama Kenro Hayamizu Junna Hiramatsu Akira Ide Hidetaka Ishida Hajime Kaizawa Yohei Kurose Artemy Magun Takashi Matsushita Kyohei Norimatsu Nozomi Omori Bernard Stiegler Kei Takagi Masanori Tsujita Yoko Ueda Kazuki Umezawa Melon Uminekozawa Naoto Yagi Prabda Yoon




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