PORTFOLIO KANTARO MAKANAE
蒔苗 寒太郎 MAKANAE, Kantaro
経歴 1990 青森県生まれ 2009 ∼ 2013 東京大学工学部建築学科 2013/09 2014/04
2014/03 ミュンヘン工科大学
2014/09 シュトゥットガルト大学 ICD Free Mover
2013 2016 東京大学大学院工学系研究科 建築学専攻 隈研吾研究室 修士課程
受賞 2014 第一回宇宙建築賞(審査委員長 : 難波和彦) 入賞 2015 第二回構造デザインコンペティション 入賞 2015 住空間 eco デザインコンペティション 最優秀賞
展覧会 2011 ICFF ( ニューヨーク ):東京大学デザインサークル IDUT として 2014 Japanese Junction 展(東京):高橋謙良と共同、シュトゥットガルト大学 ITECH として
言語 日本語・英語
連絡先 E メール:kanta1990124@gmail.com
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巻ける建築 2016 年 修士論文・設計 ロボットを利用した設計・製作手法の提案
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主題:手工芸とコンピュータ、自動機械の融合により何が可能になるか?
現代日本における工芸とその問題
工芸制作におけるコンピュータと機械の利用の可能性
日本には工芸品が数多く存在する。文化庁によって認定されている「伝
この「工芸」と「コンピュータの利用」という二つの制作手法は、いま
また「コンピュータの利用」の側、新たな技術の側も工芸を省みること
統的工芸品」だけでも 222 品目(2015 年 6 月現在)あり、その他にも様々
まであまり接点を持たなかったのみならず、しばしば対立するものとして
はあまりなかった。工芸には今まで培われた技術や技法が詰まっており、
な工芸製品が至る所にある。これらはすべて手で創りだされたものであ
扱われてきた。 「工芸」の側は、機械や新技術の導入を技術の保存や人間
未だ機械が模倣できないものが数多くある。しかし、それらの技法を新技
り、古来からの豊かな文化的蓄積が感じられるものである。また近年、コ
の仕事の確保などを理由として忌避してきた。仮に全く同じ物が出来る時、
術を通して再活用するという試みは未だ数少ない。
ンピュータやそれによって制御された自動機械によって、新たな設計、制
機械のほうがより低いコストで出来るのであれば、手作りに拘る必要はな
本研究はこの状況に対して、まず工芸とは何かを明らかにすることを試
作の手法が開拓されつつある。
い。また、新技術の導入を拒むことで技法や製品の開発に歯止めをかける
み、新しい技術は工芸に対して何が出来るかを論じる。さらに実際にある
ことは、工芸自体の大きな損失になる。制作される物自体への視線を欠い
工芸の技法をロボットやコンピュータを用いて拡張し、工芸品へのデジタ
た無意味な手作りへの信仰からは脱さなければならない。
ルファブリケーション利用のテストケースとなることを目指す。
ブナコとは
青森県弘前市では、「ブナコ」(figure2-1)という工芸品が製造されて いる。これは、テープ上にカットしたブナの木を巻き、整形することで 器や椅子、照明器具を作るというものである。1956 年に青森県工業試験 場で城倉可成と石郷岡啓之介の共同研究により考案され、1966 年には青 森県の企業で初めてのグッドデザイン賞を受賞している。私は制作を行っ ているブナコ株式会社を訪れ、その手法について取材を行った。
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ロボットによる成形 実際にロボットを使って素材の成形を行った。それにあたり、ロボットに 取り付けるアタッチメント、素材を固定する器具の設計を行った。本ページ ではそれらの器具の紹介と、実際の成形の様子を写真で紹介する。 (写真上)横から見たロボットによる実際の成形の様子 (写真下)アタッチメント側から見たテープ成形の様子
ロボット ロボットアームとして三菱 RV2SD を用いた。可動軸は 7 つあ り、個人向けのパソコンからプ ログラムを送ることで操作する。 プログラムに用いられる言語は MELFA-BASIC V である。
アタッチメント これはロボットに取り付ける素 材 の 押 出 用 の 器 具 を 設 計 し た。 先端部分は素材の中央部と対応 して抜けない様にプロペラ型に なっている。また成形時に素材 と干渉しないよう、腕部分を湾 曲させている。
固定台 素材を固定するための台である。 異なる直径のものも固定可能な ように、またロボットやアタッ チメントと干渉しない様に幅広 に設計された。また台の歪みが 精度と直結するため、ロボット に対して垂直な部分の厚み、土 台部分のネジなどで台の動きと 歪みを少なくする工夫がなされ ている。
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成形の過程と結果 右の画像が実際にロボットで素材の成形を行って いる様子である。背面からロボットが素材の押出を 行っている。テープのズレ方、ロボットで押し込む 距離などの等の諸条件によって、造形に成功するも の、失敗するものが出てくる。 様々な位置についてロボットで成形する実験を行 い、どのような範囲のものがロボットで成形可能な のかを合計で 50 例ほどの実験を行い、確認した。
成形成功例 最後までロボットに素材が押し出されている
成形失敗例 急激なずれによりテープが飛び出ている
現れてくる肌理の違い…手仕事的痕跡の再現
このように成形を行った時、底面と縁面の位置と角度は固定されるが、その中間の曲面は様々な形になる。これ は手で巻く際に生じた、テープ間の細かい摩擦の違いが原因になっている。ラスキンは不完全性こそが craft の条件 であると説いたが、ここではその不完全性が、ロボットによる高精度な造形と両立する形で再現されていると言える。
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肌理の違いを生かした、自由曲面の設計・制作システムの提案 ここまで述べてきたような手法で、ロボットにより精度の高い多様な成形が可能になった。また結果として、ロボット の精度と手仕事的なランダムさを両立した成形手法を確立できたといえる。 このような成形手法を生かした自由曲面の設計、制作システムを提案する。
step1.
step2.
step3.
step4.
個々の素材の造形
二つの素材によるユニット
ユニット同士の接合
自由曲面の形成
ここまでで述べたように、ロボットに
次に、二つの素材を上の写真のように
複数のユニットを組み合わせていく。
ロボットアームとして三菱 RV-2SD を
よって一つ一つの素材を造形する。
組み合わせてユニットを作る。これは
一つ一つのユニットの形はコンピュー
用いた。可動軸は 7 つあり、個人向け
当然素材の形によって様々に異なる形
タ上で設計されており異なるが、ロボッ
のパソコンからプログラムを送ること
になる。
トにより混乱のない正確な造形が可能
で操作する。プログラムに用いられる
になる。
言語は MELFA-BASIC V である。
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2つの面をつくる
設計から製作まで一貫したシステム このシステムでは、 • 任意の二つの面に対してそれらからなる立体が素材 A で製作可能かどうかを示すこと
Circle packing を同じ円の数で行う
• 製作可能な場合はロボットに必要な素材 A を成形させるプログラムを記述すること を目指した。
各面で以下の条件を確認する a. 円が離れすぎていない b. 円に重なりがない
NO
面の形状を修正する
YES
二つの面同士で向かいにある円を 二つ一組でセットにする
二つの円が製作可能な位置に あるかどうかを判定する
NO
面の形状を修正する
二つ一組の円の中間に もう一つの円(中間円)を設定する YES
面上にある円から中間円までのカーブを生成し ロボット用のコードとして書き出す
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建築スケールでの実践 上記のシステムをどのように建築的に応用できるか示すため、実際に建築の 設計を行う。このシステムで建築を設計することにより、
• 木で作られた自由曲面によるやわらかな空間 • 全体に手仕事的な痕跡のある建築空間 を作り出すことを目指す。これは
• ロボットにより、精度と手仕事的痕跡を両立すること によって初めて実現される空間である。
ブナコショールームの改築
敷地:市街地中心部
制作したシステムの建築的な応用可能性を
ショールームは弘前市の中心市街地に所在する。ここは
示すため、ブナコのショールームの改築計画
空洞化の進む土手町商店街の入り口とも呼べるところに位
を提案する。ショールームの建築自体がブナ
置する。地元私鉄の駅の近辺であり、毎年行われるねぷた
コのパフォーマンスを示すようなものとす
まつりの運行コースの中心に位置する。
る。ブナコ株式会社は、青森県弘前市に所在
すでに市によって意欲的な街並み整備が行われ、個性的
する。この街に本社工場、ショールームとも
な建物が多くあるこの地区に、新たなアイコン的建築を提
に存在する。
案する。
建築スケールでのディテール 自由曲面のディテール
二次曲面のディテール
ワイヤでブナコ同士を聴力をかけて
フレームやガラスにブナコを取り付
緊結することで、自由曲面を作り出
けることで滑らかな曲面を作ること
す事ができる
ができる。中心の円を傾けることで 入射する光が制御できる。
ターンバックルによって 締め上げる
ワイヤ 長さを調節できる 鉄製フレーム ブナコを取り付ける フレーム ブナコ 圧縮材として働き 自由曲面を作る
鉄製フレーム ガラスやパネルでも 代替可能 ブナコ フレームに取り付けて 曲面を制作できる
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素材、構法の構成 頂部 ブナコ同士が緊結され、3 次曲面を構成する。豊かな 半外部空間を作り出す。
2 階までの外壁 周囲に組まれたフレーム にブナコが取り付き、有機 的曲面を構成している。
1 階天井 ブナコの曲面で構成され る。天井からの照明がこれ により制御される。
内部 内部空間は鉄筋コンク リートで構成され、周囲の ブナコの荷重を支える。
空間構成 庭園 外部から隔てられた庭。路面とは異なった静かで 1:300
快適な空間。植栽から四季を感じることができる。
屋外回廊 外の路面と屋内の庭を繋ぐ回廊。屋外空間になっており、外 部から人を内部の閉じた庭に誘導する役割を果たす。夏は日 光が、冬は雪が防がれ道行く人に快適な空間を提供する。
3階 パーティースペースになっている。半分は屋外 空間。程よく日光と音が遮られる。
2階 ブナコのショールームが入居する。路面側はテ ラスになっており、カフェとして使用可能。
1階 喫茶店が入居する。ブナコ製品と共にコーヒー を楽しめる。主に屋内の庭が見える親密な空間。
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家の中の庭、壁の中の家 2012 年 学部 3 年後期課題 早稲田大学 合同講評会選抜 既存住宅を用いた庭のある集合住宅
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課題タイトル:地のインフラストラクチャ この課題は早稲田大学との合同課題であったため、出題は石山修武 先生が行った。敷地は世田谷区九品仏であり、浄真寺の境内の周辺全 体が対象とされた。 プログラムは特には決められず自由な提案が求められたが、その際 に浄真寺境内の樹木や植生の役割を再考すること=インフラとして捉 え直すことが求められた。
グループリサーチ:九品仏の植生 事前に東大の学生全体をグループに分けて異なったトピックについて リサーチをすることが求められた。 私達のグループは課題の性質上敷地内の植生をまず知らねばならない と考え、周辺敷地にどのような樹木が生えているか、見える範囲のも のを全て調査した。加えて各植物の特徴についても調べた。
サクラ イチョウ カエデ ケヤキ ムクノキ マツ その他常緑針葉樹 その他常緑広葉樹 その他落葉樹
敷地内に生えていた植物
提案:住宅街の図と地の反転 上のような調査を行って気づいたことは、敷地は九品仏の境内の中に かぎらず、樹木の多いところだということである。そしてもうひとつ は、住宅敷地内に「囲い込まれている」樹木が思いの外多いというこ とであった。 それら囲い込まれた樹木、私的領域を一般に開放したらどのような空 間が生まれるだろうか?このような着想から、住宅と庭という図と地 の関係にあるものを反転させるという空間的操作を、対象敷地内の住 宅街の一角について行った。
敷地内の植生マップ
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境内から畑まで、緑地のつながりを作る 私が敷地として選んだところは、浄真寺の西側、畑と隣接する土地 である。寺の西側には一面に高いブロック塀があり、寺の緑と歩行者 用の通路は大きく隔てられている。そこでこの塀を敷地側にセット バックさせ、木々を歩行者用通路により露出させる。 また、敷地の東側には畑がある。ここでは果樹などを育てていた。 こちらに対しても道を設け、集合住宅から容易に畑の緑が見えるよう にする。 このようにして、浄真寺の境内から畑まで緑地のつながりを作り、 視覚的な一体感や涼しさが共有されるような空間を作ろうとした。
元の住戸、元の樹木を用いた個性的な庭 集合住宅内では個々の住宅の中ではなく、庭のデザインに注力した。 緑の連関や移り変わる四季を住人に存分に楽しんでもらうためであ る。自然に人が滞在できるような場所とするため、元あった住宅の基 礎は大きく残し、椅子やテーブルとして使うことができるようにした。 これによって座る場所が生まれたり、庭が細かく区画されることでい ろいろな使い方を誘発することができる。 さらに元あった住宅に植わっていた樹木もそのまま、元あった家の 跡地に移植する。これによって季節によっても、庭毎のキャラクター は変わっていく。
敷地周辺図 建築と庭が神社と畑とをつなげる触媒となる
断面図
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MY の庭
AN の庭
MT の庭
道と畑に面したコー ナーにある庭。桜の 木が生え、道行く人 にも春の訪れを告げ る。
端にある庭。振り返 ると長く坂道が見え る。けやきの木が植 えられている。
広々とした庭。何方 向にも通り抜ける道 を持つ。中央には大 きな椎の木が植わっ ている。
N1 の庭 ゲートのような庭。 上は高い壁に囲ま れ、東西方向にどこ までも続いていくよ うな回廊が見える。
H&T の庭 共用の小さな庭が大 きな穴が開いた壁で 覆われている。隣の 庭との距離感を味わ いつつ隣人と語らう
N2 の庭 広い一方、狭い廊下 のような親密な空間 を持つ。ここから寺 院境内の木々を望む ことができる。
TM の庭
A の庭
YM の庭
裏に住戸を持たない 壁がある庭。壁と基 礎、二つのところで くつろぐことができ る。
バルコニーに囲ま れ、また急な坂で別 の庭とつながってい る、視線の高低が楽 しめる庭。
坂道の頂点にある、 集合住宅のエント ランスのような庭。 広々としており、来 る人を出迎える。
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木々の合間 2015 年 大学院スタジオ課題 受ける日照を最大化した集合住宅
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全戸に日が当たる高密度な集合住宅 大学院の冬学期のスタジオ課題である。末光弘和先生による、環境シ ミュレーションを建築設計に取り入れることをテーマとした課題だっ た。私はある程度以上高密な集合住宅でも、どの住戸にも日射が届く ようなものを作ることが出来る方法論を提示したいと考えた。
コンピュータを用いた方法の導入 そこで、コンピュータによって自動的に建築を生成し、評価するよう なプログラムを全体として作ることを試みた。 あるユニットごとにスラブの階高、広さを小さな単位でパラメトリッ クに変化できるようなプログラムを grasshopper を用いて記述し、集 合住宅としての要件(各戸の独立性、二方向避難など)を満たすよう に各ユニットを配置した。
遺伝的アルゴリズムを用いた日射量の最大化 日射量と容積率の最大化を図るために、遺伝的アルゴリズムを用いた。 これはある目的の値を最大化できる入力値を見つけるためのアルゴリ ズムである。 今回は grasshopper のプラグインである octopus というソフトを用い、 日射量と容積率が両方大きく取れるパラメータは何かを探索した。
最終結果 敷地面積:1601m2 屋内部分床面積:2940m2 容積率:190% ベランダ部分も含めた面積:5200m2(2F 以上 )
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わかる。これはコンピュータによって生成された、日射の最大化に最適な形 状であるといえる。
3400
断面を見ると、スラブの大きさが1個1個異なったものになっていることが
16300
コンピュータによって生成された不定形な断面
庭によるバッファ、ルーバーによる視線制御 これら生成されたスラブに当たる日射を損なわない形で部屋などを配置して いく。全ての部屋に 1m のバッファを設けた。 ここは土になっている部分が多く、好きな植物をここに植えていくことがで きる。また、このバッファを動線と設備の配置部分としても活用する。
1100
2280
1900
21
ただ四方はすべて光が入るようになっているため、広く感じられる状態で住ま うことができる。
200
容積率を確保するため、各住戸の天井高は低く、2300 程度になっている。
400
各住戸:水平性の高い、庭に囲まれた空間
土を住戸の周囲に確保するため、床スラブの外部との境界部分は 400 程度の 高さとなっており、人が腰掛けたり寄りかかるのに丁度良い場所となる。 また季節によって住戸周囲の植物が変化するため、夏は日射を遮り涼しい風
1100
が入る空間、冬は日射を呼びこむ暖かい空間となる。
100 380
2
200
400
480
各個室断面図
夏:手すり、ルーバーに生えた蔦が日射を遮り、涼しい風を室内に運ぶ
冬:手すりや周囲の植物は枯れ、日差しが屋内に降り注ぐ
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N 駅形状検討
grasshopper を用いた屋根の半自動生成、それによる数多くの形状の検討 (株)設計領域において、屋根形状の検討の補助としてモデリングを行った。
2014 年 -2015 年 アルバイト( (株)設計領域において)
この屋根は長手方向に波打つように高さが変化し、それに従って全体で40本以上ある梁の形状が一つ一つ変化する。これを全て人の手でモデリングする
grasshopper による駅舎屋根の形状検討
のには膨大な時間が掛かるが、これを grasshopper という簡易プログラミングソフトを用いて半自動化し、屋根の断面形状のカーブが何本かあれば屋根の表 面から梁、梁を支える柱まで自動的に生成されるようにした。 かけた時間は12月前半から1月半ばまで週に3日ほど、それぞれ4∼5時間ほどであったが、その時間内で 30 パターンほどの屋根形状をモデリングする ことができた。また、同時に周辺敷地や駅舎内のサインなども追加でモデリングした。
屋根長手方向断面3パターン 長手方向の断面が3パターンある。図面で分かる通り、長 さによって断面の波打ち方が変わり、一本一本の梁の形状 も変化する。
2014/12/06
屋根形状の検討(時系列順) 状況に応じて屋根形状を 様々に変化させた
2014/12/12
2014/12/19
2014/12/22
2014/12/23
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grasshopper による形態操作
柱の形状と grasshopper definition
grasshopper とは rhinoceros という3DCAD に対応した、簡単なプログラ
柱と梁の形状も何種類かモデリングするために、その種類に応じて grasshopper
ミングを可能にするソフトである。上と下では左の柱の位置や高さが大
のプログラムを書く必要があった。形状の複雑さに応じて書いてゆき、最終的
きく異なり、屋根が曲面になっているため、梁一本一本の長さが大きく
に7種類ほどの柱梁の生成プログラムを作った。
異なるが、このような変更を1分もかからず終えることが可能である。
2015/01/09
2015/01/10
2015/01/12
2015/01/13
2015/01/14
Peg Swarm 2014 年 シュトゥットガルト大学 課題 洗濯ばさみをつなげて形を作るプログラム 神崎陽平と共同
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日用品を集めた造形、その設計を容易にするプログラム シュトゥットガルト大学での授業の一環で、何か形を作るプログラムを python というプログラミング言語を用いて作ろうというもの がある。それにあたり自分でどのような原理やルールを設定して形を作るのかを決める必要がある。 私は実際のモノの特徴や接合方法などからルールを抽出し、そこから形を作りたいと考えた。使用する「モノ」は日用品から選択する ことにした。これらは私達の身近にあり、購入や利用が簡単だったためである。日用品を集めて立体物を作る事例は芸術作品等を主と して多々ある。日用品をどのようにつなぎ合わせ、組み合わせて形をつくっているのかが形状を作るルールを設定するにあたり重要で ある。以下では日用品を用いた造形物について調査し、接合方法に応じて分類した。
洗濯ばさみの利用 調査の結果、洗濯ばさみを用いて形状をつくるプログラムを作ることとした。接着剤などがいらず接合、分離が容易であったこと、接 合のために特殊な部品を作る必要がなく、一方で他方を挟むことを続けていくだけで容易に形を作ることが出来るためである。そこで 更に洗濯ばさみを用いた造形物を調査し、分類した。
シンプルな接合による立体物の造形
接着剤をつかっているもの
二次元的造形 接着剤をつかっていない、もの単体が積み上げられただけのもの
接着剤をつかっていない、接合部に治具があるもの
三次元的造形
26
形の計測 コンピュータ上で形のシミュレーション可能な形にする ために、洗濯ばさみ1個、また二個以上組み合わさった 時の形状の測定を行った。また、それぞれのつなぎ方の みを用いた時にどのような形状ができるのか試作をし た。
(上)洗濯ばさみの接合方法のパターン (下)洗濯ばさみによる様々な形
様々な接合法による試作 さらに様々な接合法を用いて、いろいろな形状を作って みた。これによりどの程度つなげると壊れるか、どの接 合法が拡張性がありそうかなど、コンピュータ上でプロ グラムを作るにあたって有益な情報が多く得られた。
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アルゴリズムの利用 洗濯ばさみをつなげて出来る形をコンピュータ上でコントロールする ために、DLA と呼ばれる現象を用いた。
DLA(Diffusion-Limited Aggregation) DLA(Diffusion-Limited Aggregation) とは、日本語では拡散律速凝集と 訳される現象である。媒質中に分散している微粒子,あるいは溶けて いる物質が 1 カ所に集まって凝集体を作る過程をいう。 個々の粒子同士でくっつく向き、くっついた時の距離などが決まって おり、凝集するときの過程をコンピュータ上で簡単にシミュレートす ることが可能になっている。雪の結晶の形や断層におけるひび割れ、 バクテリアのコロニーの成長などをシミュレートするときに用いられ ている。
DLA を用いた形状の生成 このアルゴリズムは結晶が生成される時の原理と同じである。よって 結晶が作られるときにある型を作っておくとそれに従った形が出来る のと同様に、コンピュータ上で外形を指定してある形状を生成するこ とが可能である。
実際の分子の凝集過程のパターン ここからアルゴリズムが抽出された
(上)苔の形状と DLA によってシミュレートされた苔の形状 (中)凝集が始まるところによって異なる形状のパターン (下)DLA によって作られたプロダクト 器や椅子の外形を指定し、 その中でアルゴリズムを動かすとほぼ外形に従った形状が生成される
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2D でのプログラム まず2D でプログラムを作成した。カーブで外形を指定し、それにそって仮想の 洗濯ばさみが組み上がるプログラムを作った。
(上)二次元でのアルゴリズム (中)三次元での最小単位となる三角形 (下)三次元での DLA の過程
3D でのプログラム:単位の決定 3D でプログラムを作るにあたって、三つの洗濯ばさみで作った三角形を単位と して定めた。この三角形の形一つ一つの強さ、接合した時も比較的壊れにくい形 であったことが理由である。
3D でのアルゴリズム:形状の生成 右にあるのはアルゴリズムによる形状の生成過程である。立方体の中にある仮想 の洗濯ばさみの三角形がどんどん連なっていくことがわかる。 十分に数を多くすれば、この三角形の結晶全体が立方体の形を形成していくはず である。
)
29
結果:成果と課題 プログラムにより、3次元の外形を指定して洗濯ばさみの形状を生成した。右に示されている青い枠が外形、中にあ るものが仮想洗濯ばさみがつながってできた形状である。 右のように、ほぼ青い外形に沿うようなかたちがコンピュータ上で生成されているのがわかる。 そしてそれを実際に洗濯ばさみを用いて組み合わせたのが上のものである。ここから2点の課題が見つかった。 •
実際に出来た形状と洗濯ばさみでできた形状のずれ
•
施工する際の工夫
前者は組み合わせる過程で洗濯ばさみに互いの重みによって歪みが生じたためだと思われる。よって出来上がった後 の形態に力学的解析を組み込むことにより、より精緻に形を予測することが出来ると思われる。 後者は施工図に相当する図面やダイアグラムを出力する別のプログラムを書くことが解決方法として考えられる。
30
研究室での参加プロジェクト
13
00
0
蓮の眺めを楽しむ遊歩道
13
00
0
イベントプラザ 大学のお祭りなどのイベントにも利用できる
大学入り口からも入りやすいカフェ
厨房 24㎡
交流 セミナー室 1 94㎡
学生や地域住民のための活動の場
ラウンジ 92㎡
蓮の池と建物に囲まれた求心性の高い場所
Uni ショップ / 交流コーナー 135㎡
倉庫・機械室 70㎡
交流 セミナー室 3 56㎡
倉庫・機械室 56㎡
交流 セミナー室 2 81㎡
守衛室 15㎡ 守衛室も建物内に取り込む 0
00
23
ミュージアム 168㎡
00
23
コミュニティセンター 0
ミュージアム 333㎡ 使いやすいワンルームの 展示空間
使いやすいワンルームの 展示空間
0
00
13
0
00
13
ロビー ミュージアムショップ 120㎡
ミュージアム
1F:473㎡
雨にぬれずにふたつの建物を移動できる。
2F:336㎡
2F:473㎡
計 :672㎡
計 :946㎡
0
ミュージアム
1F:336㎡
00
コミュニティセンター
イベント等にも利用できる。
10
蓮の池とイベントプラザをつなぐ大きなゲート
0
00
10
交差点、歩道に近く、入りやすい。
山口大学コミュニティセンター & ミュージアム(仮)提案 2013 年 3 月
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黄公望国際芸術村プロジェクト 2013 年 8 月
32
+9.66
+4,46
ア0,00
-5,50
-10.5
Wien Museum NEU Competition 2015 年 4 月
33
Membrane 01
Membrane 02
伸 率:1.75倍 伸縮
h=1300mm 4423mm
布の配置
二重に貼った伸縮性のある布
7740mm
580
カーボンファイバーロッド
542
505
468
430
392 355 318 280 280 318 355 392 430
468
505
542
580
7740
ファイバーの 2D パターン
構造体はファイバーとメンブレンからなる。 ファイバーは、平 面上でグリッド状に組み上げ、そこにメンブレンを引っ張り ながら取り付けていく。 メンブレンは幅1,500mmのロール 状のものを横に3枚継ぐことで、全体を覆う大きさになる。 同じ大きさの布を90度回転させてもう一枚重ねることで、 メ ンブレンの縦と横の伸縮率の違いを相殺する。地面への固 定は、 ステンレスパイプを地面に刺し、そのパイプに カーボ 地面
ンファイバーを通すことで行う。 これによって、 ファイバーの 方向を制御することができる。
基礎
膜なしの構造体
膜ありの構造体
Weaving Carbon Fiber Pavilion 2015 2015 年 8 月
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トリノ工科大学との合同ワークショップ 2014 年 7 月