『黄金の風』シリーズ作品 Le vent d’Or ~その風を胸に受けて生きてゆく~
1 ①『幸せの小道』 鮮やかな、色とりどりの花が咲きほこる、幸せの小道を進んで行く。それはまるで、この道 をゆく二人を祝福する、美しい祝宴の歌声が聞こえてくるかのよう。そして、教会の扉を開くと鳴り響く、ウエ ディングベルの音。その教会のまわりには、ここから始まる新しい門出をあたたかく見守るかのように、周囲に 建つ家々―親、祖父母、親戚、友人たち―が優しい眼差しを寄せています。 ②『幸運を運ぶハト』二人を祝福する純白のハト。そのくちばしには幸せの四葉のクローバーをくわえ、見る
人に幸運を運んでいます。 ③『幸せの波に包まれて』舟には、人生の旅路、人生の航路という象徴が含まれています。この一艘の舟に
は、これまで、それぞれの人生を歩んでいた二人が出会い、一つになり人生を共に進んでいくという象徴が込め られています。そのような象徴である一艘の舟は、どこまでも続く、黄金色に輝く幸せの波の上を優雅に進み、 愛に満ちたピンク色の空が、その姿を優しく見守っています。 ④『祝福の月』夜の光に姿を浮かべる教会堂。その堂内には柔らかな光があふれ、周囲を満たしています。そ
のはるか上空には、全てを見守るかのように、祝福の光を放つ月があたりを優しく包んでいます。 ***|全体を通して描かれているストーリー|*** 『幸せの小道』に描かれている道を、教会に向かって歩いて行く。教会のそばまで来ると、そこでふと目にとまる、空に輝く金色 の太陽。そこには『幸運を運ぶハト』に描かれている、幸せの四葉のクローバーをくわえたハトが大空を舞い、見上げた二人を祝 福するように空高く飛んでいます。そのハトの目から辺りを見渡すと、『幸せの小道』の絵の中の小高い山の向こう側にある海― 『幸せの波に包まれて』の海―と、そこに浮かぶ一艘の舟が目にとまります。そうして夜になり、『幸せの小道』にある教会のす ぐ脇から空を見上げると、そこには金色に優しく輝く月が、神聖な教会に祝福の光を降り注いでいます。 このようにみていくと、これらの絵はそれぞれ独立しているように見えて、実は同じ一つの世界の中の場面として描かれているこ とがわかります。それは、すべて同じ空の下の家族のこと―「つながり」や「絆」のテーマ―を表しています。
『ありのままでいい』 社会を構成するもっとも最小の単位でもある家庭の始まり。そこを中心に、お互いの違いや価値観を認め、どん なときでも愛し合うことができれば、その愛から生まれる幸せの波は、社会へ、世界へ、そして子供たちへ、幸 せの輪は拡がっていくでしょう。 © 2019 Keisuke Nomura