Policy Guidance on Resource Efficiency - Policy Highlights in Japanese

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資源効率性に関する 政策ガむダンス G7富山環境倧臣䌚合および G7䌊勢志摩サミットに向けた報告曞 政策ハむラむト

翻蚳の質およびオリゞナル版ずの敎合性に぀いおは、翻蚳者が責任を有する。本指針のオリゞ ナル版ず翻蚳の間に䞍䞀臎が認められる堎合、オリゞナル版のテキストが優先される。


2015幎6月のG7゚ルマり・サミットの銖脳宣蚀においお、OECDは資源効率 性に関する政策ガむダンスを䜜成し、G7富山環境倧臣䌚合および2016幎5月 のG7䌊勢志摩サミットに情報を提䟛するこずを芁請された。この報告曞はその 芁請に応じお䜜成されたものである。資源効率性の高い経枈を確立するこずは、 珟代の環境、開発、マクロ経枈の倧きな課題である。 リデュヌス、 リナヌス、 リサむ クル3Rの原則を実斜する政策の敎備によっお資源効率性を向䞊させるこず は、関連する環境圱響を枛らし぀぀資源の利甚を改善し、安党保障、競争力を高 めるために䞍可欠である。

2 . © OECD 資源効率性に関する政策ガむダンス


䞻芁メッセヌゞ グリヌン成長を远求し資源効率性の高い経枈を確立するこずは、今日の環境、開発、経枈におけ る重芁な課題である。こうした状況の䞭、資源の生産性を高め、 リデュヌス、 リナヌス、 リサむクル 3Rの原則を実斜する政策の敎備は䞍可欠である。資源生産性の向䞊によっお、人間の経枈 掻動に必芁な資源量、および、それに䌎う環境圱響を削枛するこずによっお環境が改善するのず 同時に、資源安党保障ず競争力も高めるこずができる。

資源効率性は䜕よりもたず囜内の政策決定の問題であるが、共動ず協調的努力によっお、各囜 間に確実に恩恵がもたらされるようにするこずができる。これに関しお、G7は重芁な圹割を担っ おいる。

1. G7は優良事䟋を明らかにし、加盟囜内倖で経隓を共有するためのプラットフォヌムを提䟛 するこずができる。このガむダンスで瀺しおいる二぀の重芁なメッセヌゞは―― • 資源効率性政策は、補品のラむフサむクル党䜓を察象ずすべきである。 • 囜の政策は、むノベヌション、投資、貿易、教育、胜力開発など倚様な分野においお、郚 門別政策を資源効率性目暙ず敎合させるこずにいっそう重点を眮くべきである。

ラむフサむクル・アプロヌチず政策の䞀貫性に関するこうしたより広いメッセヌゞは、G7から明 確に支持を埗られるであろう。

2. G7は、以䞋を実斜するこずにより、囜際レベルでの調敎ず協力を匷化するこずもできる。 • 䌁業のサプラむチェヌン管理努力を支揎するこずにより、グロヌバル・バリュヌチェヌン における資源効率性の怜蚎を促進する。 • サプラむチェヌンにおいお資源効率性の劚げになる貿易・投資関連の障害二次資源 に察する茞出芏制、䜿甚枈み補品の貿易芏制、環境財・サヌビスに察する貿易障壁を含 む に察凊する。 • 拡倧しおいる環境ラベル衚瀺ず情報に぀いお、高い基準の維持ず制床に察する盞互認 蚌を可胜にするこず、囜際垂堎党䜓での制床の増殖にずもなうコスト増倧に察応するこ ずを目的ずしお、䞀定皋床の調和を呌びかける。

3. 最埌に、G7は物質フロヌず資源効率性に関する重芁な情報のギャップぞの察凊を支揎す るこずができる。こうしたギャップには、囜際貿易に関連する間接的物質フロヌに関する統 䞀的デヌタ、二次資源のフロヌに関する情報、産業による資源利甚に関する现分類された 情報、倩然資源ストックの質ず劣化に関する情報が含たれる。同様に、G7は資源効率性の 経枈分析――珟圚たでほずんど泚目されおこなかった研究分野――を向䞊させるべく、囜 際協調努力を支揎するこずができる。

© OECD 資源効率性に関する政策ガむダンス . 3

政策ハむラむト

2016幎5月


1

重芁な動向ず芋通し 1990幎以降、䞖界の物質資源の䜿甚量の䌞びは わずかに枛速しおいるが、䞖界のGDPの倉遷に抂

G7および他のOECD諞囜は物質資源の利甚を経枈成長から

ね沿っおいる盞察デカップリング。同期間に、ほず

埐々に切り離し デカップリング おきたが、1人圓たり物質消費

んどのOECD加盟囜は経枈成長しながら物質資源

量は䟝然ずしお䞖界平均を倧きく䞊回ったたたである。加えお、

の䜿甚を枛らしおきた絶察デカップリング。

たた先進諞囜におけるデカップリングは、発展途䞊の䞖界にお ける物質資源ぞの需芁の増倧を補うには䞍十分ずなっおいる。

ここ数十幎、資源ぞの需芁は空前の䌞びを芋せおいる。その芁 因は、新興経枈囜の急速な工業化ず、先進諞囜の物質消費が匕 き続き高い氎準を保っおいるこずにある。1990幎以降、䞖界 の物質資源の䜿甚の䌞びはわずかに枛速しおいるが、䞖界の GDPの倉遷に抂ね沿っおいる。いわゆる盞察デカップリングず いう動向である。同期間に、ほずんどのOECD加盟囜は経枈成 長しながら物質資源の䜿甚を枛らしおきた。 これは絶察デカップ リングずいう 図1。 しかしながら、OECD加盟囜における1人 圓たり幎間物質消費は盞倉わらず倧きく、䞖界平均を玄60% 䞊回っおいる。

先進諞囜では、囜によっお実瞟に倧きな開きはあるが、政策が デカップリングに貢献しおきたこずを瀺す蚌拠がある。 しかし、 そ れらの政策による貢献ず现かく区別するこずは難しいものの、 他にもいく぀かの芁因が重芁な圹割を果たしおきた。近幎デカ ップリングに貢献しおいるこのような芁因の䟋ずしおは、䞍安定 で盞察的に高い資源䟡栌、技術の倉化、資源をあたり䜿わない サヌビスセクタヌが囜内経枈に占める割合の増加、補品茞入に よる資源倚消費型囜内生産の眮き換え、 䞖界金融危機に起因す る資源需芁の枛少が挙げられる。

珟圚の人口ず経枈成長の動向が続くこずで、䞖界の物質資源消 費量は2050幎には倍増するため、環境に著しい悪圱響を䞎え る可胜性がある。

2050幎たでに䞖界人口は珟圚の玄70億人から90億人以䞊 に増加し、 1人圓たり囜民所埗は玄3倍になるこずが芋蟌たれお いる。特に䞖界の生産・消費パタヌンがOECD諞囜のパタヌン に近づいたずきに、 盞圓の゚ネルギヌ、 食品、 倩然資源の需芁増 加を匕き起こす。䞖界の物質資源消費量は2050幎たでに倍増 するこずが予枬されおいる 図2。これに関連する資源の収穫・ 採取、 䜿甚、 廃棄物凊理の環境圱響も増加するこずになる。環境 管理ず資源効率性が倧幅に改善されない限り、 自然資産は劣化 し続け䞀局乏しくなり、経枈、瀟䌚、環境に深刻な悪圱響をもた らす可胜性がある。

4 . © OECD 資源効率性に関する政策ガむダンス


政策ハむラむト

図1: 物質消費量ず経枈掻動ずのデカップリングの進展 指数1980幎=100

指数1980幎=100

300

300

G7

侖界 250

250 GDP

200

200

150

物質採取量

150

100

100

50

50

0

1980

1985

1990

1995

2000

2005

2010

GDP

0

物質消費量

1980

1985

1990

1995

2000

2005

2010

出兞OECD2016a “Material 、 resources” , OECD環境統蚈デヌタベヌス

資源効率性政策はこうした動向に察応し、経枈ず環境に倧きな プラスの圱響を䞎えるこずに貢献する。 OECD諞囜の1人圓たり幎間物質消 G7各囜は、補品、材料、資源の䟡倀が経枈の䞭でできるだけ長

費量は盞倉わらず高く、䞖界平均を玄

く維持され、 廃棄物の発生が最小限に抑えられる埪環経枈の発

60%䞊回っおいる。

展にたすたす本腰を入れお取り組んでいる。資源効率性の向䞊 を目指す政策は、生産原䟡の匕き䞋げ、競争力の増匷、雇甚、商 品茞入ぞの䟝存軜枛、環境ぞの悪圱響の䜎枛をはじめ、倚くの 恩恵をもたらすこずができるずいう蚌拠がある。資源効率性の 向䞊は、気候倉動緩和目暙に貢献し、先ごろ合意された持続可 胜な開発目暙の実斜にも寄䞎する。

図2UNEP IRPの2050幎䞖界資源消費量シナリオ 19002005幎の掚移 フリヌズずキャッチアップ

半枛(ファクタヌ2)ずキャッチアップ 䞖界の物質消費量のフリヌズ

150

ギガトン

100

10

出兞UNEP2011

0

1900

1920

1940

1960

1980

2000

2020

2040

© OECD 資源効率性に関する政策ガむダンス . 5


2

恩恵を実珟するには、 資源効率性政策をさら

に進展させ䞻流化する 必芁がある。

埋め立おごみ凊理皎などの経枈的手段の利甚を報 告しおいる囜の数はこの15幎で倧幅に増え、その結 果、埋め立おから物質・゚ネルギヌ回収ぞの廃棄物凊 理の転換に぀ながっおいる。

資源効率性の恩恵を実珟するには、各囜政府が協調しお銖尟䞀貫 した政策措眮をずり、 もたらされる制床的な課題に察応する必芁が ある。 この報告曞は、 各囜政府がこの目暙を達成する圹に立぀政策 ガむダンスを、4぀の䞻芁分野を䞭心にたずめお提瀺しおいる―― i政策手法の遞択ず蚭蚈、 iiそれらの政策手法を補品ラむフサ むクル党䜓を察象ずした効率的な政策ミックスにどのように取り入 れるか iii 分野暪断的政策および郚門別政策ぞの資源効率性の組 み蟌み、 iv政策展開ず評䟡を支揎するデヌタ・分析の匷化。報告 曞では政府が囜内レベルで講じられる斜策に䞻に泚目しおいるが、 結びの郚分では、 G7の枠組内におけるものを含む囜際協力がこの アゞェンダの掚進に重芁な貢献を果たしうる分野をいく぀か明瀺し おいる。

2.1 補品バリュヌチェヌンに沿っお銖尟䞀貫した䞀連の資 源効率性むンセンティブを提䟛するような政策手段の組み 合わせを適甚する。

ながっおいる。廃棄物発生抑制を目的ずした環境に配慮した補 品デザむンの促進および消費者の行動倉容を促すようなEnd-

環境コストを内郚化し、資源の効率的な利甚を促すむンセンティブ

of-lifeマネゞメントの䞊流における取り組みは、 より控えめで

を提䟛するには、政府による政策実斜が必芁である。これを、環境

ある。

負荷の単なる補品ラむフサむクル党䜓ぞの移し換えや䞀぀の環境 媒䜓(倧気や氎など)から別の媒䜓ぞの移動を回避しお、 実斜するに

政策ミックスのメリットは、補品蚭蚈をタヌゲットにする政策手

は、銖尟䞀貫したむンセンティブを生み出す政策の組み合わせ政

段や資源効率性の高い補品ぞの需芁を高める政策手段を匷化

策ミックスの適甚が必芁になる。政策立案者が利甚できる政策手

するこずで埗られる。効果的なポリシヌミックスにするには、䞀

段の䞻な皮類は、経枈的手段、芏制、環境ラベリングを含む情報提

貫性がありか぀補完的な政策手段の組み合わせをベヌスにす

䟛によるアプロヌチ、 自䞻的なアプロヌチ、 公的資金揎助である。

るべきであり、重耇や察立のある介入を避けるべきである。ポ リシヌミックスの蚭蚈ず個々の手段の遞択は、確立された刀断

これたで政策手段は総じお、補品ラむフサむクルの䞊流ではなくは

基準――環境面での効果を増す、経枈効率を高める、 むノベヌ

るか䞋流のほうに適甚されおきた。䟋えば、埋め立お皎などの経枈

ションぞのむンセンティブを匷化する、 䌁業や政府のコンプラむ

的手段の利甚を報告しおいる囜の数はこの15幎で倧幅に増え、そ

アンスにかかる管理費を最小限に枛らす、䜎所埗䞖垯や脆匱な

の結果、埋め立おから物質・゚ネルギヌ回収ぞの廃棄物の転換に぀

郚門に䞎える圱響に察応する――に基づいお行うべきである。

6 . © OECD 資源効率性に関する政策ガむダンス


促進する政策を実斜する。 •

の怜蚎――ラむフサむクル分析の利甚を含む――を公共調

拡倧生産者責任 Extended Producer Responsibility:

達プログラムに組み蟌むには、 ただやるべきこずがたくさん

EPR ずは、生産者が汚染者負担の原則にしたがい、䜿甚

残っおいる。GPP基準を再怜蚎し、 資源効率性目暙が反映さ

枈み補品の回収、分別、凊理の責任を負うこずをいう。珟圚

れ、 ラむフサむクル分析に基づいおいるこずを確認する必芁

OECD加盟囜の倧半では、 電気・電子機噚、 容噚包装、 タむダ

がある。さらに、囜および地方レベルの関係機関に然るべき

にこのアプロヌチが甚いられおいる。フランスでは14の補

胜力が圢成されおいるこずも䞍可欠である。公共調達に関す

品グルヌプにEPR制床が蚭けられおおり、 日本は家電補品、

るOECD理事䌚勧告は、 重芁な参考基準ずしお圹に立぀だろ

容噚包装、廃自動車に察しおEPRが適甚されおいる。こうし

う。

た政策はごみの埋め立お凊分を枛らし物質回収を増やすの に圹立っおいるが、環境配慮蚭蚈ぞのむンセンティブはさら

•

バリュヌチェヌンに沿っお取り組む䌁業ずのパヌトナヌシッ

に匷化するこずができる。たた、EPR制床がグッド・ガバナン

プ。耇数のG7加盟囜は特定のバリュヌチェヌンに沿っお掻

スの原則に埓っお運甚され、 説明責任を匷化する目的で透明

動する䌁業ず協力し、資源効率性に察するより革新的なアプ

性を高め、性胜評䟡を向䞊させ優良事䟋を特定するために

ロヌチの開発に取り組んでいる。䟋えば、英囜、 フランス、 ド

も、 さらなる努力が必芁である。EPR制床は曎に野心を拡倧

むツでは、ある事業者の廃棄物を別の事業者の資源むンプッ

しお、環境コストをより䞊手く内郚化し、可胜な限り倚くの補

トずしお䜿甚するために、ネットワヌク内の経枈䞻䜓に゚コ・

品ぞ察象を広げお、 斜行を匷化すべきである。

むノベヌションや知識䟛絊を促した産業共生を積極的に支揎 しおいる。日本ぱコタりン事業を通じお郜垂ず産業の共生

•

グリヌン公共調達 Green Public Procurement: GPP

を支揎しおいる。加盟囜をはじめOECD倚囜籍䌁業行動ガむ

は、公共調達に資源効率性基準を蚭けるこずを目指すこずに

ダンスを支持する諞囜も、責任のあるサプラむチェヌンを掚

より、 むノベヌションを刺激し、環境に優しい補品ぞの需芁を

進するグルヌプずしお掻動し、個別郚門に察するガむダンス

高めるこずができる。䞀般政府調達はOECD諞囜における

を策定しおいる。バリュヌチェヌンに沿った倚様な課題を考

囜内総生産の12%に盞圓し、政府支出の3分の1近くを占

えるず、 こうしたパヌトナヌシップは範囲ず芏暡を拡倧しうる

めおいる。珟圚、OECD諞囜の84%が䞭倮政府レベルでグ

有甚なアプロヌチになる可胜性がある。ただし、 こうしたパヌ

リヌン調達の奚励策を蚭けおおり、 䟋えば日本では2000幎

トナヌシップは公共政策を補完するものであっお代替策で

からグリヌン賌入法を実斜しおいる。ずはいえ、資源効率性

はなく、 その進展状況は定期的に監芖されるべきである。

䞀般政府調達はOECD諞囜における囜内総生産の12% に 盾 圓し、政 府 支 出 の 3 分 の 1 近くを 占 め お い る 。珟 圚、OECD諞囜の84%が䞭倮政府レベルでグリヌン調達 の奚励策を蚭けおいる。

© OECD 資源効率性に関する政策ガむダンス . 7

政策ハむラむト

2.2 補品のラむフサむクル党䜓にわたっお資源効率性を


2.3 資源効率性を経枈政策課題ずしお扱い、分野暪断的政 策および郚門別政策に組み入れる。

•

投資。グロヌバル経枈は、2015幎から2030幎の間に玄 90兆米ドルのむンフラ投資を必芁ずする。 これは莫倧な量

埪環経枈ぞの移行には、 マクロ経枈的な郚門別レベルでの䞀連の

の資源消費に転換されるこずになるため、新たな投資を䜎

包括的な政策措眮も必芁ずなる。気候倉動を含め、 他の政策ずの盞

炭玠か぀資源効率性の高い開発の支揎に確実に圹立たせ

乗効果を利甚する機䌚を探るべきである。持続可胜なモビリティ分

るための重芁な機䌚が生たれる。ただし、 こうした方向での

野のように、䜎炭玠ず資源効率性の目暙を远求する䞭では、 りむン・

投資に察する障壁が取り陀かれるこずが条件ずなる。公共

りむンの成果を埗る倚くの機䌚がある。同時にたた、資源効率性目

投資は、資源効率性目暙を建物その他のむンフラの基準

暙の達成ぞの䞻芁な障壁の䞭には、他の郚門の政策に埋め蟌たれ

に組み蟌むこずによっお、手本を瀺すこずが望たしい。民間

たむンセンティブず関連するものがある。資源消費量の倚い䞻芁郚

投資家に察しおは、 資源効率性目暙を各自の投資戊略に組

門――蟲業・食料、 茞送、 ゚ネルギヌ――を分析すれば、 資源効率性

み入れるようなむンセンティブを喚起すべきである。

目暙ずの政策の霟霬を割りだし、 克服する方法を芋぀け出す圹に立 ぀だろう。この分析を行わない限り、資源効率性政策の効果が埗ら れないかもしれない。

•

教育ず職業蚓緎。資源効率性の高い経枈ぞの移行に刺激 され、 浮䞊する郚門もあれば、 衰退する郚門もある。それが 雇甚の玔増に぀ながるかどうかはさおおき、劎働者の技胜

各囜政府はたた、資源効率性の远求を分野暪断的政策に組み蟌ん

内容は倉わるだろう。 したがっお政府は新たな職業技胜芁

で䞻流化するこずにより、 資源効率性の高い構造倉化を支揎するこ

件を評䟡し、 それに応じお教育・蚓緎プログラムを調敎すべ

ずもできる。

きである。

•

むノベヌションは、資源消費ず成長のデカップリングに䞍可欠 な手段である。しばしば急進的むノベヌションを生み出す䞭 小䌁業に、むノベヌション支揎の的を絞っおいる政府もある。 その䞀䟋ずしお、ペヌロッパで実斜されおいる䞭小䌁業察象 のグリヌン行動蚈画では、䞭小䌁業に情報ずアドバむスを提 䟛するずずもに、資金調達支揎をしおいる。郚門別のむノベヌ ション支揎むニシアティブの䟋は、カナダで芋られる。カナダ 鉱業むノベヌション評議䌚はれロ廃棄物むニシアティブを立 ち䞊げ、採鉱廃棄物の倧幅削枛に぀ながるこずが期埅される

以䞊のような取り組みに察しおは、政府の十分に高いレベルで の効果的なガバナンスの仕組みによっお䞋支えする必芁があ る。効果的なガバナンスは、関䞎する䞻芁なステむクホルダヌ の調敎や進捗の管理、䞀般的には野心的な政策目暙を達成す るために必芁な政策的掚進力の提䟛に貢献する。フランスは埪 環経枈のロヌドマップを通じおこれを詊み、 フィンランドずオラ ンダは資源生産性政策の調敎ず䞀貫性のための包括的なメカ ニズムを確立しおいる。

むノベヌションを優先しお支揎しおいる。むノベヌションで資 源効率性が改善できそうなもう䞀぀の分野は、共有プラット フォヌム車、宿泊、電動工具などや埪環䟛絊ずいった新 たなビゞネスモデルの開発を通じたアプロヌチである。資源

むノベヌションで資源効率性が改善できそうなもう

効率性の改善が囜のむノベヌション政策に組み蟌たれ、研究

䞀぀の分野は、共有プラットフォヌム車、宿泊、電動

パヌトナヌシップが掚進され、新䌁業の参入や新ビゞネスモ

工具などや埪環䟛絊ずいった新たなビゞネスモデ

デルの開発に察する障壁が取り陀かれれば、こうしたアプロヌ

ルの開発を通じたアプロヌチである。

チの芏暡ず範囲を拡倧できる。

8 . © OECD 資源効率性に関する政策ガむダンス


化する。

倚くの研究においお、資源効率性が改善するず、産出量の向䞊や

倚くの OECD 諞囜は、すでに物質フロヌ勘定を実斜し、資源

雇甚の増加、䌁業のコスト削枛、環境被害の䜎枛ずいったマクロ

効率性の指暙を策定しおいるずころである。こうした取り組み

経枈的利益が生たれるずの䞻匵がなされおきた。さらに、 こうした

は、OECD が策定した物質フロヌや資源生産性を枬定するため

利益の䞀郚は、 察策を実斜する䌁業の費甚負担れロたたは䜎コス

のガむダンスや参考資料、UNEP 囜際資源パネルの開発した囜

トで達成できるずされおいる。こうした䞻匵を裏付ける蚌拠はあ

際物質フロヌに関するデヌタベヌスなど、囜際レベルのむニシ

るが、 この皮の研究はさらに深めるべきである。 したがっお、 こうし

アティブに支えられおいる。ずはいえ、この 10 幎間に定めた

た利益に察する認識を確実にするには、資源効率性政策の蚭蚈

目暙に照らしお枬るず、進み具合は十分ではない。資源効率性

は――特に目暙やタヌゲットの蚭定時には――政策の費甚ず䟿

に関するいく぀もの目暙やタヌゲットを含む持続可胜な開発目暙

益の評䟡を螏たえお行うべきである。

SDGsが採択されたこずで、この分野での囜際協力の拡倧 を含め、デヌタ収集や指暙策定ぞの取り組みを匷化する必芁が

最埌に、政策評䟡を倧幅に匷化すべきである。優良および倱敗

増しおいる。

事䟋の特定ず経隓の共有は、 より良い資源効率性政策の蚭蚈ず 埪環経枈ぞの移行の促進に重芁な圹割を果たしうる。

政策開発を支揎し、 より野心的な資源効率性政策を぀くりあげる には、 より良い経枈デヌタや分析も必芁になる。こうした分析は、 珟圚の資源消費パタヌンにずもなう環境倖郚性ず、 それぞの察凊 による経枈的利益に焊点を圓おるべきである。資源が経枈発展に 果たす寄䞎を経枈政策担圓者が远跡できるように、 適切な指暙を 開発すべきである。

政策策定を支揎し、より野心的な資源効率性政策 を蚎えるには、より良い経枈デヌタや分析が必芁 になる。

© OECD 資源効率性に関する政策ガむダンス . 9

政策ハむラむト

2.4 より良いデヌタず分析を通じた政策開発ず評䟡を匷


3

G7諞囜間を含めた囜際レベル

での協力匷化 倧幅な資源効率性向䞊ぞの移行を支揎するために必芁な斜策の

貿易ず投資もたた泚目の分野ずなりうる。倧抵の堎合、囜際的な

倚くは各囜政府が囜内レベルで実斜しなければならないが、経枈

バリュヌチェヌンは商品ずサヌビスの貿易ず投資を通じお぀なが

のグロヌバル化が続きバリュヌチェヌンが耇数の囜境を越えお広

っおいるため、貿易に察する芏制は資源の利甚効率に圱響するず

がる䞭、 囜際レベルでの協調的アプロヌチの必芁性が高たっおい

考えられる。OECDその他の機関は、原材料ぞの茞出芏制は、そ

る。この点に関しおG7は、䟋えば䌁業のサプラむチェヌン管理努

の圱響を受ける政府や貿易パヌトナヌ間の摩擊や貿易玛争の火

力ぞの支揎、貿易・投資関連の障害ぞの察凊、資源効率性向䞊ぞ

皮になるずみなしおいる。同様に、䜿甚枈み補品の貿易芏制は再

向けた取組み支揎に察する政府開発揎助の利甚、環境ラベル衚

利甚および再補造掻動を阻害しかねない。環境補品・サヌビスの

瀺・情報制床ならびにより幅広く資源効率性に関するデヌタや指

貿易に察する珟地調達率や貿易救枈措眮のような障壁は、利甚

暙の改善をはじめ、 重芁な圹割を果たすこずができる。

できる最良の環境技術の拡散を抑制し、資源効率性向䞊の範囲 ず芏暡を䞖界的に枛少させおいる。

䞀囜の暩限の及ぶ範囲に限界があるため䞀囜の政府がサプラむ チェヌンの管理の仕方に圱響を䞎えるのは難しいが、囜際レベル

政府開発揎助ODA はOECD開発揎助委員䌚の加盟囜が提䟛

であればより効果的に行える。䟋えば、OECDは倚囜籍䌁業行動

する資金揎助で、2015幎には1,310億米ドルを䞊回ったが、資

ガむダンスの枠組内で、鉱物、衣類、履物および蟲業郚門を含む

源効率性向䞊の支揎に回るのはごくわずかず芋られおいる。䟋え

いく぀かの産業郚門においお責任あるサプラむチェヌンを掚進し

ば、固圢廃棄物管理に関連するODAは珟圚わずか0.3%ほどで

おいる。

ある。資源効率性がもっず䜓系的に開発揎助に組み蟌たれお䞻流 化しおいれば倧きな効果が埗られ、 胜力開発ず技術移転は珟圚よ りも進んでいただろう。

貿易ず投資も、たた泚目分野ずなりうる。䟋えば、䜿 甚枈み補品の貿易芏制は再利甚および再補造掻動 を阻害しかねない。

環境ラベル・情報制床は、環境ぞの害がより少ない補品の遞択を 消費者に促す手段ずしお広がっおおり、 これもたた囜際協力が効 果を生む分野ずなりうる。情報制床の急激な拡倧に関連しおいく ぀かの懞念がある。䟋えば、消費者や調達者に良いラベルず悪い ラベルの区別が぀きにくくなったり、䌁業が倚数のラベルの認蚌 で過剰なコストを負担したりする可胜性がある。政府および非政 府のさたざたなステむクホルダヌは、 情報制床の増殖が起きおい るこずを知っおおり、ある皋床のラベルの統䞀ず盞互承認に囜際 レベルで取り組むずずもに、囜際垂堎での重耇や関連コストを枛 らすこずにはメリットがあるこずを認識しおいる。

10 . © OECD 資源効率性に関する政策ガむダンス


600

公的匷制

公的自䞻的

非営利任意

官民混合自䞻的

民間自䞻的

500

400

300

200

0

1970 1971 1972 1973 1974 1975 1976 1977 1978 1979 1980 1981 1982 1983 1984 1985 1986 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012

100

出兞Gruére2013

資源効率性デヌタの改善ず、資源効率性の課題ず政策に察する より確かな経枈分析もたた、囜際協力によっお支揎するこずがで きる。OECDはデヌタ関連のギャップをいく぀か特定しおおり、 そ

環境ラベル・情報制床は、環境ぞの害がより少な

の倚くはデヌタセットの互換性ず共通の定矩や方法を確保する

い補品の遞択を消費者に促す手段ずしお採甚が広

ために囜際協力を必芁ずする。同様に、 資源効率性の経枈分析を

がっおいる。

向䞊させるための協調的取り組みも必芁ずなる。今のずころこの 分野の研究はほずんど泚目されおおらず、囜際的な協調的研究 努力は圹に立぀こずが期埅できる。

© OECD 資源効率性に関する政策ガむダンス . 11

政策ハむラむト

図3ガバナンスず所有の圢態別に芋たELIS環境ラベルず情報制床の採甚数の掚移19702012


資源効率性に関する政策ガむダンス 2015幎6月のG7゚ルマり・サミットの銖脳宣蚀においお、OECDは資源効率性に関 する政策ガむダンスの䜜成を芁請された。この政策ハむラむトは、その芁請に応じた報 告曞に基づいおいる。 資源効率性の高い経枈を確立するこずは、珟圚の環境、開発、マクロ経枈の倧きな課 題である。 リデュヌス、 リナヌス、 リサむクル3Rの原則を実斜する政策の敎備によっ お資源効率性を向䞊させるこずは、関連する環境圱響を枛らし぀぀資源の利甚を改善 し、安党保障、競争力を高めるために䞍可欠である。 本出版物のオンラむン参照先http://dx.doi.org/10.1787/9789264257344-en.

写真提䟛 詳现に぀いおの問い合わせ先 www.oecd.org/environment/waste Peter.Borkey@OECD.org

特に明蚘のない限り、党おの画像はistock Photoのご厚意により転茉。

2016幎5月

OECDによる英語のオリゞナル版は、以䞋のタむトルで発行されおいる OECD (2016), Policy Guidance on Resource Efficiency, Policy Highlights, http://www.oecd.org/env/policy-guidance-on-resource-efficiency-9789264257344-en.htm ©2017 Ministry of the Environment, Japan for this Japanese edition 仮蚳本ガむダンスの日本語蚳は、OECD事務局の蚱諟を受けお、日本囜環境省の請負業務 ずしお、公益財団法人地球環境戊略研究機関 IGES が実斜したした。


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