First choice CAD/CAM system for Windowsä
3D サーフェース作成 トレーニングコース ノート
Licom Systems Corp.
作業空間と作業平面
概要 作業空間と作業平面は 三次元 メニューで設定します.そのボタンバーには作業平面の選択や設
定などのコマンドが含まれています.
作業空間 作業空間は直方体で定義された空間で,普通は加工部品もしくは加工部分の外形を含むように 作られます.
作業平面 作業平面とは二次元の平面で,加工される二次元形状がその上に描かれます.ポストプロセッサ では,それを正しくインデックスするNCデータを作るために,その平面の原点と座標の向きを認識 します.作業平面は,提供されるいろいろな方法に従って定義してかまいません. 三次元の作業空間と作業平面は,多くの 2½次元の応用加工にも使われます. 例 インデックステーブルが付いた横型あるいは立型マシニングセンタを使用する場合は,作業空間 と作業平面を定義しなければなりません. G54, G55, G56 などを使うNCプログラムを作りたい場合は,作業空間と作業平面を定義しなけ ればなりません. 三次元 CAD データファイルに含まれた二次元形状を加工したい場合は,作業空間と作業平面を 定義しなければなりません.
注意:-NC コードのフォーマットは,ポストプロセッサで制御されます.そこでは座標系がローカル かグローバルか,あるいはインデックスをどのように行うかなどを決定します.場合によっては,特 別な仕様の NC コードを得るために複数のポストプロセッサを使用しなければならないことがありま す.
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3D サーフェース作成
作業空間と作業平面 作業空間の作成 作業空間を作るときは,まず平面ビューで矩形を描き,それから 三次元|作業空間作成 を選ん でこの矩形を選択した後,上面と下面のZの値を設定します. 平面ビューで作業空間の元となる矩形を描くときは,機械の X0, Y0 アブソリュート座標と グロー バル原点が一致していることを考慮して下さい.
二次元作業平面 二次元作業平面は作業空間を貫く二次元断面とも言えます.これらはいくつかの方法で定義でき ます.作業平面の設定コマンドは,他のコマンドを実行中にも割り込むことができます. 1. 作業空間の切断面
. 作業空間を垂直に切断する2次元の直線を指定します.アイソ
メビューで直線を選んだ場合は,常に鉛直な断面を作ります. 2. XY 軸とする2直線 . 選んだ直線がそれぞれ,できあがる作業平面の X 軸と Y 軸とな るように平面が作られます.最初に選択した線が X 軸となります.2番目に選んだ,平面の Y 軸となる直線の方向によって,できあがる平面の XYZ の座標系の向きが決定されます. これらの直線は互いに端点が一致していなければなりません. . 形状が作られたときに,システムはその座標系を自動的に記憶します. 3. 既存の形状 この形状を再び選択すると,その形状が乗っている平面を自動的に有効にします.別々の 平面上に作成された形状を切り替えて選択する場合は,この方法が最も簡便です. 4. 現在の平面に平行 . これは,現在選択されている平面に対して平行な新しい平面を 作り,その距離はローカルのZ軸の方向のオフセットで指定します. 5. 選択平面の新原点追加
. これは,現在選択されている平面と同じ場所に別の原点を
持つ新たな平面を定義するときに用います.この新しい平面の原点を 作業原点設定 で変更することも可能です. 類似の作業平面を識別するには,作業平面プロパティ 作業平面プロパティ と便利です.
オプションで名前を付けておく
6. 作業平面リスト オプションでは,作業平面をリストから選択したり,平面のプロパティを 編集したりする事が可能です.既に使用していない空の作業平面を削除することも可能で す. 3D サーフェース作成
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3D サーフェースのタイプ
ルールド サーフェース 2つの断面形状をそれぞれ同じ数で分割してその点同士を直線でつないでサーフェースを 作ります.
Z
Y X
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3D サーフェース作成
3D サーフェースのタイプ
スィープ サーフェース (2 曲線掃引) 定義された断面形状を,別に定義した掃引曲線に沿って動かしてできるサーフェースです. 掃引曲線が小さなRで曲がっているときには,サーフェースの一方のエッジが往復するよ うな形になってしまいますので十分に気を付けて下さい.
Z Y X
3D サーフェース作成
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3D サーフェースのタイプ
スィープ サーフェース (3 曲線掃引) 定義された最初の断面形状(曲線1)から掃引曲線(曲線2)に沿って形状を変化させな がら他方の断面形状(曲線3)に至るサーフェースを作ります. 掃引曲線が小さなRで曲がっているときには,サーフェースの一方のエッジが往復するよ うな形になってしまいますので十分に気を付けて下さい.
Z
Y X
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3D サーフェース作成
3D サーフェースのタイプ
レボリューショナル サーフェース(回転掃引) 回転中心軸回りに断面形状を回転させてできるサーフェースです.
Z Y X
3D サーフェース作成
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3D サーフェースのタイプ
バウンダリ サーフェース(3 サーフェース( 曲線クーンズ) 3曲線で囲まれた滑らかなサーフェースを作ります.各曲線の端点同士は一致していなけ ればなりません.
Z
Y X
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3D サーフェース作成
3D サーフェースのタイプ
バウンダリ サーフェース(4 サーフェース( 曲線クーンズ) 4つの曲線で囲まれた滑らかなサーフェースを作ります.各曲線の端点同士は一致してい なければなりません.
Z
Y X
3D サーフェース作成
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3D サーフェースの作成
はじめに 最初の例題を作るにあたって,まず理解しておかなければならないことは,どのようなタイプのサー フェースが必要なのかと言うことです.これはどんな加工方法を適用するかによって変わってきま す.たとえば,ブロックの上面に相当する部分のサーフェースを加工する場合などでは,サーフェ ースを実際の素材よりも大きめに作って加工するのは実用的な方法です.場合によっては,加工 エリアよりも大きなサーフェースを領域を指定して,その内側を加工することも有用です. 作業空間や作業平面で作業を進めるときは,移動,複写,回転,ミラー…などのコマンドの扱い方 が異なっていることに注意して下さい. 作業平面が有効な場合 操作コマンドは通常の二次元での作業と一緒です.操作は作業平面内 で(数の作業平面に渡ってもかまいません)行われます. 作業平面が有効でない場合 操作コマンドは三次元のコマンドと見なされます.操作は作業空間 での操作と見なされ,XYZ のデータを要求します.
例題 1
このモデルは,3つのルールドサーフェースか3つの2曲線スィープサーフェース,あるいはルール ドサーフェースとスィープサーフェースの組み合わせたもののいずれかに2つのフィレットを施した ものと考えられます. ここではルールドサーフェースを使って作ってみます. 矩形
を 0,0 から 140,120 に描きます
この矩形を元に,作業空間 作業空間 Page 9
を 上面 0 下面 –70 として作ります
3D サーフェース作成
3D サーフェースの作成 三次元表示
を選択します
テーパ部 作業空間の底の部分を作業平面として選択します.作業空間の切断面 作業空間の切断面 ビューで底に相当する直線をピックします. 矩形
を選択し 20,20 から 120,100 に矩形を描き,さらに 丸め
を選択し,XZ
でコーナを丸めま
す. オフセット で形状オフセットを選択し,オフセット距離を Tan (5)*70 と指定し,今描いた オフセット 形状をピックします.このオフセット形状はいずれ作業空間の上面に置いて,5度テーパのルール ドサーフェースを作るために用います. 作業平面取消 移動 定します.
を行います.
を選択し内側の形状を移動します.基準点は 0,0, -70 とし,移動先は 0,0,0 を設
作図 | 3D サーフェース を選んで,オプションのルールドサーフェース をピックします. 曲線は作業空間の上面と下面の矩形を選びます.
平坦な底面 底面のルールドサーフェースを作るために,2つのポリライン ポリライン 70 に描き,さらに 140,0, -70 から 140,120, -70 に描きます.
を 0,0, -70 から 0,120, -
作図 | 3D サーフェース を選んで,オプションのルールドサーフェース をピックします. 曲線は作業空間のエッジにある2本のポリラインを選びます.
上面の曲面 作業空間の前面を作業平面に選びます. 作業空間の切断面 直線
を選択し,XY ビューの下側の直線をピックします.
を 0,0 から 0,70 に描き,さらに 20,0 から F1, 50 角度 85゜ ゜に角度直線を描きます.
ミラー を選択して,今作った2本の直線を選び,作業平面の上と,下の黄色の線の中点 (F7)をピックして対称線とします.
3D サーフェース作成
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3D サーフェースの作成 円弧 を選択し,2点と半径 オプションを使って円弧を作図します.円弧の開始点は右の 角度直線の上端の点を選びます.2番目の点として,左の角度直線の上端を選びます.半径は 1 30. 30 を設定します. 延長 コマンドを選択します.延長の境界線として作業平面の両サイドの縦線を選択し, 延長対象は円弧の各端点です. 作業平面取消
を行います.
複写 を選択します.複写元図形として前面の円弧を選択します. 複写基準点は 0,0,0 とし新しい点は 0,120,0 を入力します. 作図 | 3D サーフェース を選んで,オプションのルールドサーフェース をピックします. 曲線は作業空間の前面と背面の円弧をそれぞれ選びます. できたサーフェースを確認するために クイックシェーディング
を選びます.
二つのサーフェース間でフィレットを作るときは,フィレットは常にサーフェースの工具面(加工面) 側に作られることに注意しなければなりません.工具面とはクイックシェーディングしたときに灰色 で表示されている面のことです. シェーディングした結果を見ると,底面のフィレットはそのままで作れることがおわかり頂けると思い ます. 作図 | 3D サーフェース を選んで,オプションのフィレット(2面) をピックします.フィレッ トを作るサーフェースとして,底面のサーフェースをアイソメビューでピックし,テーパ面を XZ ビュ ーで選ぶと簡単に選べます.フィレット半径は開始,終了共に 8 を設定します. できたフィレットを確認するために,一度 クイックシェーディング て再度 クイックシェーディング
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を選んで更新します.
3D サーフェース作成
を選んでオフにし,続い
3D サーフェースの作成
上部のフィレットを作るために,上面と側面のテーパ面の加工面を反転しなければなりません. アイソメビュー(左上のビュー)にマウスポインタを持って行き,そこで右ボタンをクリックしてポ ップアップメニューを表示させます.そこで 加工面反転 オプションを選びます.上面と側面の サーフェースをピックすると,そのサーフェースが赤色に変わります. 作図 | 3D サーフェース を選んで,オプションのフィレット(2面) をピックします.フィレッ トを作るサーフェースとして,上面のサーフェースをアイソメビューでピックし,テーパ面を XZ ビュ ーで選ぶと簡単に選べます.フィレット半径は開始,終了共に 8 を設定します. できたフィレットを確認するために,一度 クイックシェーディング て再度 クイックシェーディング
を選んでオフにし,続い
を選んで更新します.
アイソメビュー(左上のビュー)にマウスポインタを持って行き,そこで右ボタンをクリックしてポ ップアップメニューを表示させます.そこで 加工面反転 オプションを選びます.上面と側面の サーフェースをピックすると,そのサーフェースが元の灰色に戻ります.これで次の作業の加工を 行う準備が完了しました.
3D サーフェース作成
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3D サーフェースの作成
例題 2
前の例題は,実はサーフェースモデルを作らなくても,2.5 次元の加工コマンドのポケット加工と輪 郭加工で側面傾斜加工オプションを使用して簡単に加工できます. 今度の例はそのような加工ができませんので,必ずサーフェースでモデルを作る必要があります. 下図の 2D 形状を作図します.断面線 AA BB CC の直線形状は補助線で作図することにし ます.断面図を見て解るように,このモデルをスクェアエンドミルで仕上げることはできません.
矩形を描き,それを元に 作業空間 三次元表示
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を高さ 50 と 5 で設定します.
を選択します.
3D サーフェース作成
3D サーフェースの作成 注意: 図形が作業空間の下にあるように見えますが,それはグローバル座標のZ0 で描かれてい る 2D 形状です.一般的にサーフェースを作る元図形の 2D 形状は Z が適切な値を持っていなけ ればなりませんので作業平面に描きます.
3D 形状を作るための 2D 形状の操作 最初に Z5 の平面上に平面図を作図します.(作図してある平面図部分を使います) 移動
を選択します. 移動する形状として,平面図と補助線の断面線の補助図形を選択
し,移動元の基準点は 0,0 とします.移動先の座標を設定する前に,作業空間の切断面 作業空間の切断面 を 選び,XZ ビューで作業空間の底の直線(白色の破線で表示されています)をピックします.ここで 移動先の基準点の座標を 0,0 と入力します.これで形状が目的の作業平面に移動しました. 移動コマンドはそのまま有効になっていますので,続いて断面図 AA を適切な位置に移動します. 作業平面取消
を選択します.
(もし必要なら,移動 移動 を選択して)断面 AA の補助図形を選択します. 基準点の指定は,終点 (F6) を使って断面図 AA の左下をピックします.移動先の座標を選択する 前に 作業空間の切断面 を選択して XY ビューで平面図の断面直線 AA をピックします.ここ で,基準点の指定は,アイソメビューで終点 (F6) を使って断面線 AA の補助線の左端を指定しま す.
移動コマンドはそのまま有効になっています. 作業平面取消 作業平面取消
を選択します.
3D サーフェース作成
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3D サーフェースの作成 (もし必要なら,移動 移動 を選択して)断面 BB の補助図形を選択します. 基準点の指定は,終点 (F6) を使って断面図 AA の左下をピックします.移動先の座標を選択する 前に 作業空間の切断面 を選択して XY ビューで平面図の断面直線 BB をピックします.ここ で,基準点の指定は,アイソメビューで終点 (F6) を使って断面線 BB の補助線の左端を指定しま す.
移動コマンドはそのまま有効になっています. 作業平面取消
を選択します.
(もし必要なら,移動 移動 を選択して)断面 CC の補助図形を選択します. 基準点の指定は,終点 (F6) を使って断面図 AA の左下をピックします.移動先の座標を選択する を選択して XY ビューで平面図の断面直線 CC をピックします.ここ 前に 作業空間の切断面 で,基準点の指定は,アイソメビューで終点 (F6) を使って断面線 CC の補助線の左端を指定しま す.
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3D サーフェース作成
3D サーフェースの作成 サーフェースを作る前に,平面の外形図形をいくつかの要素に分割しなければなりません.バウン ダリサーフェースの場合は各エッジの端点が一致していなければなりません. 作業平面取消
を選択します.
移動コマンドを取り消すために, <Esc> を押すか,または マウスの右ボタンを押します. 平面図形が載っている作業平面を有効にするために, 既存の形状
を選択し,それから平面外形図の形状の線上のどこかをピックします.
分断 を選択し,オプションの 分断線を使う を選びます.分断線(ハサミとなる線)として補 助線を全て選びます.選択の完了をしてから,分断される形状として平面外形をピックします. 作業平面取消
を選択します.
サーフェースの作成 最初のバウンダリサーフェースを作ります. 作図 | 3D サーフェース を選んで,オプションの バウンダリサーフェース(4 曲線) をピッ クします.曲線はアイソメビューで断面形状 AA と BB を,XY ビューで断面線の補助線 AA と BB をピックします.
Z Y X
サーフェースができました.
3D サーフェース作成
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3D サーフェースの作成 モデルの端のバウンダリサーフェース(3 曲線)を作るためには断面図 BB の形状を分断しなけれ ばなりません.容易にピックするためにサーフェースを非表示にします. 特殊操作 | AP APS S レイヤ
でサーフェース をオフにして下さい.
断面図の乗っている作業平面を有効にするために 既存の形状 面 BB の形状をピックします. 分断
を選択し,それから断
で 個別 オプションを選択します.分断点を指定するために 中点
もしくは 四
を使い上の円弧部をピックします.
分点
作業平面取消
を選択します.
これでバウンダリサーフェース(3 曲線)を作る準備が完了しました. 作図 | 3D サーフェース を選んで,オプションの バウンダリサーフェース(3 曲線) をピッ クします.曲線は:- ① XY ビューで CC 断面をピックします. ② XZ ビューで BB 断面図をピックします. ③ XY ビューで平面図の手前の B と C の間の線をピックします.
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3D サーフェース作成
3D サーフェースの作成 作図 | 3D サーフェース を選んで,オプションの バウンダリサーフェース(3 曲線) をピッ クします.曲線は:- ① XY ビューで CC 断面をピックします. ② XZ ビューで BB 断面図をピックします. ③ XY ビューで平面図の奥の B と C の間の線をピックします. サーフェースが作られました. 特殊操作 | APS レイヤ
でサーフェース をオフにして下さい.
残りのサーフェースはこれまで作ったサーフェースの対称形ですから 回転 コマンドを使って作り ます. ミラー コマンドでも作れますが,その場合は加工面が反転してしまいますので少し面倒で す. 3D のサーフェースを(あるいは 2D でもグローバル座標系で)回転させるときは回転中心となる軸 を描いておかなければなりません. 回転軸として ポリライン
で 100,75,0 から 100,75,70 に直線を描きます.
回転 を選択し,XY ビューで3つのサーフェースをピックします.回転中心軸に今作図し たポリラインを選び,回転角度に 180 ,複写数に 2 を入力します. できたサーフェースを確認するために クイックシェーディング
3D サーフェース作成
を選びます.
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メ モ
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3D サーフェース作成
目 次 概要 .......................................................................................................................................1 作業空間...........................................................................................................................1 作業平面...........................................................................................................................1 作業空間の作成...............................................................................................................2 二次元作業平面...............................................................................................................2 ルールド サーフェース.......................................................................................................3 サーフェース スィープ サーフェース (2 曲線掃引)...........................................................................4 曲線掃引) スィープ サーフェース (3 曲線掃引)...........................................................................5 曲線掃引) レボリューショナル サーフェース(回転掃引)...........................................................6 サーフェース(回転掃引) バウンダリ サーフェース(3 サーフェース( 曲線クーンズ) ................................................................7 バウンダリ サーフェース(4 サーフェース( 曲線クーンズ) ................................................................8 はじめに ...............................................................................................................................9 例題 1 ....................................................................................................................................9 テーパ部.........................................................................................................................10 平坦な底面.....................................................................................................................10 上面の曲面.....................................................................................................................10 例題 2 ..................................................................................................................................13 3D 形状を作るための 2D 形状の操作.........................................................................14 サーフェースの作成.....................................................................................................16