Product Design WORKS Ver.6.0 - Ryo Kosaka

Page 1



CONTENTS 002 Profile

004 Product Design Works

004

026

042

066

086

098 Other Works

098

122

Photo

160

Movie

003


004

RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS


Photo by Daisuke Horii

小坂 諒 Ryo Kosaka 略歴 1991 年 : 自然豊かな富山県に生まれる

幼少期 : ハリウッド映画とプラモデルに夢中になる 2009 年 : 富山工業高等専門学校 機械工学科 中退

2016 年 : 京都工芸繊維大学 工芸科学部 造形工学課程 意匠コース 卒業 2018 年 : 京都工芸繊維大学 大学院工芸科学研究科 デザイン学専攻

好きなもの・こと 映画 プラモデル ガンダム ミリタリー 電子工作

山 焚火 野営 釣り 自転車 ディスカバリーチャンネル

005


1

Ryo Kosaka

スタイリング 回路設計

モデル制作

プログラミング(Arduino)

プログラミング(Processing) Yosuke Higuchi 006

RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS

プログラミング(Arduino)


2016.4 - 8

Movie available on Vimeo 007


音があれば、デスクはサーキット。 ミニカーには、エンジンは無いけれどエンジン音はある。

頭の中で響き渡るエンジン音を、子供の頃は口に出して遊んでいた。

デスクの片隅で、埃を被ったまま飾られているミニカーにもう一度あの音を授けよう。

008

RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS


009


埃の被ったミニカーに 再びエンジン音を授けよう 子供の頃はミニカーにエンジン音はあった。デスクの 上で埃が被ったまま飾られているミニカーもその音を

秘めている。大人だってミニカーを思いっきり走らせ たっていいじゃないか。再びエンジン音を授けよう。

010

RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS


Concept

ミニカーのエンジン音は 大人になると無くなってしまう 誰もが子供の頃に、「ブーンッ」と声に出してミニカーで遊ん

だことはあるはず。そのミニカーのエンジン音は年を取るにつ れて失われてしまう。

自分が持っている 自分の好きなミニカーで ハシリヤは、エンジン音が出るミニカーではなく て、エンジン音を失ったミニカーに再び音を授け

るデバイス。だから新しいミニカーは必要無い。 みんなが持っている自分のミニカーがあればいい。

011


How to 手の動きと、握る強さに応じて エンジン音やブレーキ音が鳴る 使い方は簡単。手に装着したらミニカーを持って走らせるだけ。 それに合わせてエンジン音が鳴り響く。スピーカーに繋いで親 子で楽しむもよし、ヘッドフォンを着けて深夜にこっそりと爆 音を聞いてもよし。子供のようにミニカーで遊ぶだけ。

シリアル通信

Arduino

012

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Proessing


Use

013


手の動きを妨げないように

何度も手に着けては外してを繰り返して、配線やセン

サーが動きを妨げることがないような設計を目指し た。回路設計に関してはド素人ではあるが、素人なり に考えて配線周りに無駄が生まれないようにした。

Hardwa 014

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Adafruit Metro Mini 328

Arduino

are

015

圧力センサー

ブレーキ

光学式マウスのセンサー

アクセル

圧力センサー

アクセル


プログラマーとの共同作業 最初のプロトタイプを作り、プログラマーに作りたい 物と、やりたい事を理解してもらった上で、それを実

現するプログラムを書いてもらった。実機調整をする のは自分の役割だったので、デザイナーである自分も プログラムをしっかり理解している必要があった。か

なり未熟ではあるがプログラミングの知識があった おかげでスムーズな意思疎通ができた。

3 秒間のエンジン音

エンジン音にはシフトチェンジからシフ トチェンジまでの 3 秒しかない音源のみ を使用している。この音源をループ再生

させながら再生速度を変化させることで リアルなエンジン音を再現している。

Arduino = エンジン

Processing = マフラー

エンジンを再現する

手を動かす速度と完全に合わせてエンジ

ン音を鳴らすと、びっくりするほど楽し くなかった。どうやら、頭の中で鳴り響

くエンジン音はミニカーの速度と一致し ていないようだった。そこで、プログラ

マーと相談して手の動きを基に仮想的な エンジンを生成することにした。

Softwar 016

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Arduino

仮想エンジンをセンサーで操作して

その回転数を、シリアル通信で Processing に送信 仮想エンジン エンジン音と手の動きを完全に連動させると

音の変化が激しすぎてリアルさが失われてしまう 圧力センサー(人差し指)か

アクセル

マウスのセンサーに反応あり 圧力センサー(親指)に反応あり

ブレーキ

どのセンサーも反応なし

エンジンブレーキ

Arduino から信号を受け取り

使用する音源と再生速度を決定して再生する

Processing

re

ループ再生 ループ再生している音源の再生速度を

変化させることでエンジンの回転数の違いを再現 仮想エンジンの回転数が0

再生速度も 0(無音)

仮想エンジンの回転数が最大

再生速度も最大

017


はじまりはブレッドボード サスペンションのあるミニカーを上から押したとき にブレーキ音が鳴ったら楽しいんじゃないかという ところからハシリヤは始まった。ブレッドボードに Arduino と圧力センサー、加速度センサーを付けた だけの簡素なプロトタイプだったが、素早く動かした ら車が通過する音が鳴り、ミニカーを上から押すとブ レーキ音が鳴った。エンジニアにコンセプトを伝える には十分だった。

Prototyp マウスのセンサーで動きを捉える

プロトタイピングを進めていき、加速度センサーでは想像していた 音が鳴らせないと気付いた。手の緩やかな速度変化を捉える必要が

あった。動きを正確を捉えるにはマウスだろうと思い、大学のゴミ 処理場で捨てられていたマウスを頂戴して Arduino に繋いだ。

018

RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS


スピード重視で まずは、頭の中のイメージと同じ音を出させるこ とを優先して、見た目は汚いモックでプログラム の修正を繰り返すと同時に、いろんな人に遊んで もらいセンサーの位置や素材を検討していった。

ping 019


Styling 音を失ったのは ミニカーだけじゃない

革のレーシンググローブだったり、F1 のグ

ローブをモチーフにしようとしたが、見た目 で用途を限定してしまいそうな気がして、今 の形になった。音を失ったのはミニカーだけ でなく飛行機のおもちゃも同じだ。今は車の 音だけで、他の音は実装していないが可能性 として十分ありえるので、用途を連想させな い形にした。 020

RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS


あえて、手に装着する

当初は車の形をしていても良いんじゃない かという考えもあったが、それだと音の出る ミニカーになってしまう。自分が持っている

ミニカーに再び音を授けるというコンセプ トに基づき装着するタイプにした。

021


モックアップではなく 使えるプロダクトを作る 音がメインのプロダクトだから、CG を描いてシー ンの画を見せても何も伝わらない。プレゼンする ときに最も簡単な方法は、実際に使えるプロダク トを使って見せることだった。

022

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Making 023


024

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2

028

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2013.10 - 12

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好きな物は、愛車に詰め込もう。 近頃、よく見かけるバランスバイク。バランス感覚を養い、自転車へのステップアップを容易にする。 記念すべき初めての乗り物なのに体が成長すれば、もう使えない。 最初の一台は、思い出の一台であってほしい。

おもちゃ箱 + バランスバイク =

030

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031


仕舞うのではなく、積む。 調査の結果、子育ての一番大きなストレスは「子供がおも ちゃを片付けない」ということ。片付けという躾はもちろ ん必要。とはいえ、遊びが本業である子供たちの邪魔をし たくない。もっと無意識に、もっと自発的に片付けを覚え させたい。おもちゃ箱に愛着を持たせれば片付けを促せる のではないだろうか?

おもちゃ箱に“ 仕舞う” のではなく、愛車に“ 積む” こと を促すプロダクト。

Concep 032

RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS


遊べるおもちゃ箱 未就学児というと、自転車に乗るのもままならない。そこ でバランスバイクに目を付けた。バランスバイクとはペダ

ルが無い、足で地面を蹴って進む自転車で、バランス感覚 を養うための最初の一台として選ばれることが多い。 バランスバイクとして機能し、

おもちゃ箱としても機能するプロダクト。

pt

033


034

RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS


子供っぽくしない

70 年代のレーサーバイクやカフェレーサーなどを参考にした。バイクらし

さを損なわないために、セパレートハンドル、シートカウルは欠かせない。

Concept

未塗装の木材で作られているので、子供が自由に塗装などのカスタムを加

えていける。成長してサイズが合わなくなっても、ハンドルとシートの革 や、公園でついた汚れなどの経年変化は思い出として残り、インテリア兼 収納として子供と成長していく。

インドアでもアウトドアでも 室内で使うときは、お気に入りのおもちゃを積んで家の中 で遊び、外へ遊びに行ったときはヘルメットや上着を入れ て実際のバイクの荷台と同じように使える。

035


成形合板の型は2種類

コスト面から考えて、成形合板の型はおもちゃ箱の本体と、その蓋の2種類のみにすると決めた。

また、曲げることができる方向は一方向のみなので三次曲面は作り出せない。この2つのことから、 形を考える際に大きな縛りがあった。

036

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Styling

037


350

200 400

300

150 RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS

950

650

480

18 0

300 038

M


Making 使用に耐えるプロダクトの製作

リスクの低い単純な形の成形合板でボディの元となるパーツを作り、それを図面通りに狂い無く切 り出した。モックアップではなく実際の使用に耐えるプロダクトの製作なのでマグネットの埋め込 みやバーテープなど細部に至るまで妥協せず完成度を高めた。

039


040

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041


042

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043


3

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2015.4 - 2016.1

FitzRoy

Movie available on Vimeo 045


アウトドア用天気予報デバイス

FitzRoy 好奇心が天気を教えてくれる

未来の動向も見せてくれる温湿気圧計と天気管があれば、自然に対する好奇心が天気予報を受け取るキッカケとなる。 自然の中で義務のようにスマホで調べる天気予報ではなく、自然を見つめ自然と触れ合うための天気予報の提案。

046

RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS


047


ただ天気を知るための道具

多くの道具がスマホで代用できるようにな時代だからこそ、専用の道具が持つ 魅力は強まったように感じる。スマホで代用できると知っていても使いたい道

具はいくらでもある。天気予報もそんな道具として使えるようにできるはずだ。

048

RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS


Concept

天気を知るキッカケは 自然の中にある

「寒いな」「なんだか蒸し暑くなってきたな」「ペットボトル

がパンパンだ」こういう五感で感じることの出来る変化か ら天気を知れたら自然と会話するかのような天気予報にな るのではないだろうか?

寒いな

-2℃か

今何℃だろ?

じゃあ、天気も下り坂か?

1 2 3 4

もっと下がるらしいな ... 今夜は

星が見れそうだな

お、晴れか

049


気温

限られた機能が 好奇心の手助けをする

スマホが受け取る全ての情報に目を通すこと はできない。多機能すぎるツールは都市では 便利かもしれないが、自然の中では機能と情 報の多さによって、アウトドアで本当に必要 な情報は隠れてしまいがちだ。

ex

au 4G

75%

1028.6hPa 12/22 22:00

7℃ 12/22 22:00

88% 12/22 22:00

12/23

TrendS

etting

FitzRoy FitzRoy

for iOS

Concep 050

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pt

道具を通して自然を見る 自然を通して天気を知る アウトドアにおいて、「天気を調べる」という行 為は決して欠かすことができない。もちろんスマ ホで調べれば必要な情報は全て手に入るし、それ でいいと思う人も多いだろう。しかし、画面では

なく目の前に広がる自然を通して天気が知れたら、 今まで以上に自然との距離は縮まるはず。

051


天気管で感覚的に天気を知る

天気管とは 19 世紀にヨーロッパで使われていた天気を知

るための道具で、雨が降りそうなら試験管に封入された薬 品に結晶が現れ、晴れなら薬品は透明になる。精度はいま いちだが、単純明快で感覚的に使える道具。天気管がネッ

トに繋がったら感覚的にかつ正確な天気予報を受け取るこ とができないだろうか?

052

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Fun


色と動きで伝える オンライン天気管 薬品が封入された本来の天気管とは異なり、RGBLED

を内蔵している。それぞれの天気に合わせた色と動き でユーザーに天気を知らせる。誰でもすぐに感覚的に 理解できるという、天気管ならではの利点が失われな いような色と動きを目指してプログラムされている。

nction 片手でも両手でも ズボンのポケットに入れていても、バックパック のサイドポケットにいれていても、首から提げて いても、テントの中で吊り下げていても、どんな

状況でもすぐに天気を確認できるスイッチの機構

を目指した。天気管そのものがスイッチになって いるので、天気管に触れて動かすだけでいい。

053


未来・現在・過去を見せる オンライン温湿気圧計 なんてことのない温湿気圧計の背景に、それぞれの動向がわ かるグラフを使うことで、現在の値を知ると同時にグラフの 傾きから今までの動きと今後の動きが瞬時に把握できる。

Function

054

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Layer 2 : 気圧計

→ 現在 984.82hPa

n Layer 1 : 気圧グラフ

→ 今後低下していく 天気管

→ 6 時間後は雨

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RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS


場所を選ばない

細長い形状は場所を選ばず仕舞うことができて、すぐ に取り出すことができる。また、本体上部とストラッ

プの留め具に埋め込まれたマグネットでどこでも好き なところに素早く取り付けることができる。

micro USB

RGB LED

e-ink display sensor

storm glass

button outer case

シンプルな機構 アウトドアという特殊な環境で使われる道具なので、シンプルな機構で あることが重要だった。電子機器である以上なにかしらのスイッチは必 要になるが、スイッチを外部に露出させずに内部に組みつつ無理なく作 動させる機構で、見た目も操作方法もシンプルになった。

057


アイデアの変遷

当初のアイデアは、60 年間精度以外はほとんど変わっていない「天気予報」を

楽しいものにしようというもので、雲を見ながらデバイスを振れば、その雲が どんな雲なのか見えるという提案だった。そこから、タープに取り付けるデバ イスへと変わり、どこにでも付けれる電球のようなデバイスへと変わり、最終 的に温湿気圧計と天気管をもつハンドツールへとなった。

058

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059


Prototyp 060

RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS


ping

あらゆる手段でプロトタイピング

新たな案や改良案が出たら、とにかく作ってみるというスタンスで

進めた。スケッチ、3D モデリング、レンダリング、スタイロの削出

し、3D プリンタによる出力、電子工作、プログラミング、など様々 な方法でひとつひとつの案を検証していった。

061


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RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS


Making

デジタルツールを駆使

紫外線硬化樹脂の 3D プリンタで躯体を出力し、目盛は

UV プリンタで印字した。コストは掛かるが、どちらも 非常に精度が高くスピードも速い。とはいえ、もちろん

全て作ってくれるわけではなく、表面処理やクリアラン スの修正、塗装などは手でやらなくてはならない。出力

されたモデルの精度が高いので少しのミスでも目立つと いうこともあり、気を抜けない仕上げ作業となった。

収める

電子ペーパーのディスプレイは時間と技術の関係でダミーになってしまったが、唯一

の入力装置であるスイッチと、天気管の検証だけはやりたかったので、RGBLED、バッ

テリー、arduino、タクトスイッチなど全てのパーツを内部へ組み込み実働させるため の設計をした。配線を外に出して電源は外部から取るという案もあったが、ハンドツー ルの検証なので、どうしても内部に収めたかった。

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4

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2014.6 - 7

Movie available on Vimeo 069


070

RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS


誰でも作れるチェアとテーブル

今までの生活に “ ものづくり ” をプラスする。 今まで“ ものづくり” と縁がなかった人をターゲットにした組み立て式チェアとテーブルのキット。

材料の調達、パーツの切り出し、組み立ての全てをユーザーができるようにし、その一連の流れを通してユーザーに

“ ものづくり” の楽しさを伝える。

071


Introd

世界各地に急速に広がる FabLab FabLab は、「ほぼあらゆるもの」をつくることを目標とした 3D プリンタやレーザーカッターなどの多様な工作機械を備えたオー プンスペースだ。世界中に存在し、誰でも自由に利用できること

が特徴。「Fab」には「fabrication」と「fabulous」の2つの単語 が掛けられている。 072

RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS


duction でも FabLab を使っているのは、 もともとものづくりが好きな人たちなのでは?

ものづくりは、ものすごく楽しい。まさに「fabulous」 。それが技術の進歩と FabLab のよう

なオープンスペースの出現によって、より身近になりつつある。これは非常に嬉しいことだが、 やはりまだまだ敷居が高いと思われがち。3D プリンタやレーザーカッターなどのデジタルファ ブリケーションツールを、夢のマシンだと思っている人が多いのが実状。

073


074

RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS


Concept

ものづくり初心者には、 元となるデータが必要なのでは? ものづくりというのは楽しくて抜け出せないループであり、一度

このループを体験してしまうと抜け出すのは難しい。このルー プの速度はデジタルファブリケーションツールのおかげで高速に なった。多くの人にこのループを体験してほしい。そのためには

まずデータをダウンロードしてもらってループの入り口に立って

もらう必要がある。最も身近なプロダクトの1つである「チェア」 と「テーブル」は元のデータとしては絶好のプロダクト。作った だけで終わりという DIY でありがちなパターンも起こりにくい。

Download

Buy

Customize

Use

Go FabLab

楽しくて抜け出せない ものづくりのループ

Go Outdoor

Cut

Assemble

075


作る楽しさ

材料をレーザーカッターで切断すれば、すぐにイ スが完成というのはつまらない。プラモデルを組

み立てるような感覚で作る楽しみを味わってほし

い。必要なのはボンドだけ。ケガをする心配も無く、 子供でも簡単に組み立てることができるチェア。

076

RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS

Co


oncept

作ったものを使う楽しさ 作る楽しみのあとには使う楽しさがあり、これがものづくりの

醍醐味。FabLab を出たらすぐに、使いたい場所を探しにいって もらえるようにコンパクトに収納できる組み立て式のチェア。

077


組み立て式で持ち運べる

FabLab のようなオープンスペースから、すぐに

持ち出して使うことができるように絶対にコンパ クトに収める必要があった。初期案は自転車のフ

レームにぶら下げれるデザインだったため、サイ ズの関係で仕方なく座椅子のようなデザインにし ていたが、組み立てが楽しくないだろうというこ

とで荷台に付けるサイズへとスケールアップして、 一般的なイスのスタイルへ。

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RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS


Styling パッケージと説明書は必要なし

収納した状態がパッケージを兼ねており、組立図もパーツにレー ザーで刻印。また、図面のデータに繋がる QR コードも刻印する ことにより、パーツの破損や紛失にも対応できる。もちろんその

データを使って2脚目は買わずに自分で作るということもできる。

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Styling 080

RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS


QR コードと組立図のレーザー彫刻

組立図を彫刻することで、説明書を無くす心配や組み立て方を忘れる心配も無くなる。また図面データをダウンロードできるペー

ジのリンク情報が埋め込まれた QR コードをレーザー彫刻することで、パーツの紛失や破損にユーザーが自ら対応することがで きるだけでなく、ユーザーではなく他のだれかが作りたいと思った場合もこの QR コードを読み取ることで組み立てに必要なす べての情報を手に入れることができる。

無駄なパーツは切り出さずに1枚から1脚をつくる

1820mm × 910mm というホームセンターに行けば必ず置いてあるサイズを基準に設計したので、1 枚あれば1脚をムダ無く作 ることができる。また、ケースは座面とテーブルの脚になるように設計して、無駄なパーツを切り出すことも持ち運ぶ事も無い ように配慮した。便利なツールで楽に作れるからといって、なんでも切り出しちゃうのは作ってる人も気持ちよくない。

081


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RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS


Photos

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1820mm × 910 mm 1Sheet

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RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS


450 mm

300 mm

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5

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RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS


2014.10 - 12

Movie available on Vimeo 089


本にすれば、ラジオはもっと身近に。 ネットでラジオを聴くのが当たり前になった現代。

失われつつあるラジオのふるまいと、失われないであろう本のふるまい。 ふるまいを見直せば、「もの」としてのラジオはもっと身近になる。

090

RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS


本として使うラジオ

091


本を読むときの “ ふるまい ” 本を手に取って、どうやって使うのかと悩む人はいない。本をパラパラめくりざっと目を通していき、好きなページ だけ読むというふるまいにおいては、いくら電子書籍が発達しても紙の本より便利になるということは無いだろう。

Introd 092

RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS


duction ラジオを聴くときの “ ふるまい ” デジタルチューニングや radiko の登場で、ノイズを聴きながら周波数を合わせる機会はめっきり減った。ノイズか ら徐々にクリアな音声に変えていくというアナログチューニングのラジオならではのふるまいは失われつつある。

093


ページ数を周波数に

C

本をパラパラめくるときに目が行く1つのポイントとして ページ数がある。これを周波数に置き換えることで、本と全 く同じように扱えるラジオになる。

開いて、置く

誰もがやった経験がある、本を開いて置くというふるまい を、ラジオを聴くときのふるまいに重ねあわせることで直 感的に使うことが可能になる。

094

RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS


Concept ラジオを知らなくても操作に迷わない

本という存在を知っていれば、ラジオという存在知らなかろうと本だと思っ

て手に取ろうと、老若男女問わず、直感的に何不自由無く使うことができる。

1. 開く

開くと電源が入る。この時点でユーザーは、これが音のでるもの だと認識できる。

2. めくる

パラパラめくると音が変化し、あるページで止めると雑音が消え

音声や音楽が聞こえるので、ユーザーはページをめくることで チューニングができるのだと認識できる。

3. 聴く

周波数をあわせた状態で、聴き続けるにはこの本を開いたままに しなければならないとユーザーは既に気付いているので、本を開 いて逆さにして置く。

4. 閉じる

聴くのを止めたくなったら閉じるだけ。開いて音が鳴った時点で ユーザーは音の止め方を知っている。

095


どうつくるか?

ページ1枚に合わせて、1つの周波数を用意して実動モ デルをつくるのは無理があるので、本の中央に穴を開け

てそこに設置した光センサーで本を前後どちらの方向 にめくっているのかと、めくっているスピードを測って ラジオのチューニングを制御することにした。これで擬 似的ではあるが、動作を検証することができる。

Prototyp まずはブレッドボードで

想像だけでは、使い心地を十分に検証できないの

で市販のラジオを分解して Arduino と繋ぎ、明る さによってチューニングができるようにして使い 心地を検証することにした。

096

RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS


ユニバーサル基板へ

ブレッドボードでの実験では擬似的に作動させることが

できたので、実際に内部に組み込むべく、ブレッドボー ドで終わらずユニバーサル基盤にパーツを移植した。

ping 本への組み込み

3D プリンタで、スピーカーと基盤がはまるケー

スを制作しケースの寸法に合わせて本をくり抜き、 内部に組み込んだ。

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RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS


Photos

099


Hobby

100

RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS


開 中

発 2016.10 -

All data available on GitHub

Instructions available on instructables 101


102

RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS


開 中

発 楽器も MIDI のようにオープンに。 電子楽器から送られる信号は MIDI という偉大な発明によってオープンになった。

MIDI はそれまでの音楽制作のためのスタジオ環境を大きく変え、「自宅スタジオ」で の音楽制作を可能にし、音楽シーンに多大な影響を与えた。

MIDI が生まれて 35 年経った現在、デジタルファブリケーションツールの発達により

「自宅工房」での楽器制作が可能になった。

音楽制作だけでなく、楽器制作もオープンに。

103


3. iPhone GarageBand など MIDI 対応のアプリケーションを使

う。arduino から MIDI 信号を受け取り、アプリケー ション内の音源を鳴らす。

2. Trigger to MIDI Converter 中身は Arduino UNO。1 のパッドから送られてきた電気 を MIDI 信号に変換し、3 の iPhone へと送信する。電源は iPhone からの供給だけいいので、コンセントが無くても 使用可能。

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What's RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS


1. Trigger Pad センサーとしてピエゾが入っている。叩いたときに生

まれる電気が 2 の arduino へと送られる。ヒットの 強弱は 127 段階に変換される。

this?

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中古屋で見つけた PS2 用のコントローラー

偶然立ち寄った中古屋で目に留まった PS2 用のコ

ントローラー。ドラムもやったことないし、PS2 も持ってないけど、何故か惹かれてしまい購入し

た。1000 円だったので、しばらく遊べたら十分だ ろうと思っていたが、このコントローラーとの出

会いが自分の創作意欲に火を付けることになった。

とりあえずパソコンに繋いだ

大抵の家庭用ゲーム機のコントローラーは先人達によって

ハックされており、Arduino に繋いで信号を読めることは 知っていた。その信号をトリガーにして Processing から

音を鳴らすことは簡単だった。しかし大きな問題が起きた。 どうしても音に遅延が出てしまった。

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RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS


MIDI との遭遇

音の遅延をどうしても解決できないまま数日が過ぎた

頃、楽器をやっている友人に「それって MIDI パッドに できないの?」と言われて初めて MIDI というものを

知った。まさに未知との遭遇。Arduino の USB チップ を書き換えて MIDI 機器として認識させれるらしいの

で、やってみた。プログラムもそれに合わせて書き直し、 Garageband を起動してパッドを叩くと、遅延の無いス

ネアの音が響いた。知ってる人からすると当たり前なの だろうが、感動の瞬間だった。

遊んでみると、ハードも作りたくなった

ベロシティという存在も知った。センサーはただの圧電素子だったので強弱の判 定も出来るようにプログラムを書き直した。見事に強弱判定ができるようになっ

た。しかしスネアもタムも全てのパッドが反応してしまった。もちろんこんな風

に使うように設計されてるハードではない。1 から設計してみようと思いたった。

107


全てのデータと 詳細な手順を公開 生まれる時代がもう少し早かったら電子工作なんて始め なかったかもしれない。すべてはネット上に多くの情

報を公開していた偉大な先人達のおかげだ。とにかく、 Maker のコミュニティに少しでも情報を還元したかった。

Concep 108

RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS


pt

別の製法でも同じ寸法に 最初のプロトタイプはレーザーカッターで MDF を切断し て制作した。データを公開することをふまえると、ベクター

データだけを公開するのはどうかと思った。3D プリンタ でも作れるように設計した。作る人が選べるように、レー

ザーカッターで作ったものと 3D プリンタで作ったものが 全く同じ寸法になるように設計した。

小型の 3D プリンターでも 3D プリンターを持ってる人はそんなに多くない。い ずれ今より普及したとしても、家庭用のプリンターで

A2 が印刷できないように、大きなパーツを出力でき る 3D プリンターが普及することはなさそうだ。大き

なパーツを小さなパーツから作れるように設計した。 より多くの人が作れるような設計を目指した。

109


Concep 強引な作り方だと

誰も作ろうと思わない

全てのパーツを 3D プリンタで出力して 1 つの素材だ けで作るようなデータを作るのは非常に簡単だが、そ んな強引な作り方だと誰も作ろうとは思わない。各 パーツに合った道具と素材を選んだ。

110

RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS


pt

データだけでなくて手順も 公開しないとオープンにはならない

データだけ公開してもオープンとは言えない。そのデータの使い方と詳 細な手順を公開して初めてオープンなハードウェアと言えるはず。

111


拡張性を高める そのパッドが 3D プリンターで作られていようと、MDF で作られてい

ようと、製法や素材、サイズに関係なくタムパッドとしてもキックパッ

ドとしても使えるように、 マウントパーツは全て共通の規格で統一した。

Hardwa 112

RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS


are 113


EDIT /EDIT DONE SNARE HEAD

THRESHOLD

SENSITIVITY

NOTE

FLAG

SNARE RIM

THRESHOLD

SENSITIVITY

NOTE

FLAG

HIHAT OPEN

THRESHOLD

SENSITIVITY

NOTE

FLAG

SAME VALUE

SAME VALUE

HIHAT CLOSE

THRESHOLD

SENSITIVITY

NOTE

FLAG

HIHAT PEDAL

THRESHOLD

SENSITIVITY

NOTE

FLAG

KICK

THRESHOLD

SENSITIVITY

NOTE

FLAG

ADVANCED SETTING

114

SAME VALUE

RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS

SCANTIME

HEAD/RIM

PEDAL VELO

MASKTIME


デバッグを単体で

センサーの閾値や感度、ノートなど設定を 変化させる必要がありそうなものは全て arduino 単体で設定出来るようにした。

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RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS


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Photo and Movie

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PV の制作 京都で電気自動車の開発している GLM からトミーカイラ ZZ

の特別モデルが販売されることとなり、そのプロモーション ビデオの撮影と編集を担当した。

Movie available on Youtube

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Photo by Daisuke Horii

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Photo by Daisuke Horii

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//RYO KOSAKA //PRODUCT DESIGN WORKS //////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////

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//Copyright (C) 2017 Ryo Kosaka All Rights Reserved. //thank you for reading!!!!!




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