CONTENTS 002 Profile
004 Product Design Works
004
026
042
066
086
098 Other Works
098
122
Photo
160
Movie
003
004
RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS
Photo by Daisuke Horii
小坂 諒 Ryo Kosaka 略歴 1991 年 : 自然豊かな富山県に生まれる
幼少期 : ハリウッド映画とプラモデルに夢中になる 2009 年 : 富山工業高等専門学校 機械工学科 中退
2016 年 : 京都工芸繊維大学 工芸科学部 造形工学課程 意匠コース 卒業 2018 年 : 京都工芸繊維大学 大学院工芸科学研究科 デザイン学専攻
好きなもの・こと 映画 プラモデル ガンダム ミリタリー 電子工作
山 焚火 野営 釣り 自転車 ディスカバリーチャンネル
005
1
Ryo Kosaka
スタイリング 回路設計
モデル制作
プログラミング(Arduino)
プログラミング(Processing) Yosuke Higuchi 006
RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS
プログラミング(Arduino)
2016.4 - 8
Movie available on Vimeo 007
音があれば、デスクはサーキット。 ミニカーには、エンジンは無いけれどエンジン音はある。
頭の中で響き渡るエンジン音を、子供の頃は口に出して遊んでいた。
デスクの片隅で、埃を被ったまま飾られているミニカーにもう一度あの音を授けよう。
008
RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS
009
埃の被ったミニカーに 再びエンジン音を授けよう 子供の頃はミニカーにエンジン音はあった。デスクの 上で埃が被ったまま飾られているミニカーもその音を
秘めている。大人だってミニカーを思いっきり走らせ たっていいじゃないか。再びエンジン音を授けよう。
010
RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS
Concept
ミニカーのエンジン音は 大人になると無くなってしまう 誰もが子供の頃に、「ブーンッ」と声に出してミニカーで遊ん
だことはあるはず。そのミニカーのエンジン音は年を取るにつ れて失われてしまう。
自分が持っている 自分の好きなミニカーで ハシリヤは、エンジン音が出るミニカーではなく て、エンジン音を失ったミニカーに再び音を授け
るデバイス。だから新しいミニカーは必要無い。 みんなが持っている自分のミニカーがあればいい。
011
How to 手の動きと、握る強さに応じて エンジン音やブレーキ音が鳴る 使い方は簡単。手に装着したらミニカーを持って走らせるだけ。 それに合わせてエンジン音が鳴り響く。スピーカーに繋いで親 子で楽しむもよし、ヘッドフォンを着けて深夜にこっそりと爆 音を聞いてもよし。子供のようにミニカーで遊ぶだけ。
シリアル通信
Arduino
012
RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS
Proessing
Use
013
手の動きを妨げないように
何度も手に着けては外してを繰り返して、配線やセン
サーが動きを妨げることがないような設計を目指し た。回路設計に関してはド素人ではあるが、素人なり に考えて配線周りに無駄が生まれないようにした。
Hardwa 014
RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS
Adafruit Metro Mini 328
Arduino
are
015
圧力センサー
ブレーキ
光学式マウスのセンサー
アクセル
圧力センサー
アクセル
プログラマーとの共同作業 最初のプロトタイプを作り、プログラマーに作りたい 物と、やりたい事を理解してもらった上で、それを実
現するプログラムを書いてもらった。実機調整をする のは自分の役割だったので、デザイナーである自分も プログラムをしっかり理解している必要があった。か
なり未熟ではあるがプログラミングの知識があった おかげでスムーズな意思疎通ができた。
3 秒間のエンジン音
エンジン音にはシフトチェンジからシフ トチェンジまでの 3 秒しかない音源のみ を使用している。この音源をループ再生
させながら再生速度を変化させることで リアルなエンジン音を再現している。
Arduino = エンジン
Processing = マフラー
エンジンを再現する
手を動かす速度と完全に合わせてエンジ
ン音を鳴らすと、びっくりするほど楽し くなかった。どうやら、頭の中で鳴り響
くエンジン音はミニカーの速度と一致し ていないようだった。そこで、プログラ
マーと相談して手の動きを基に仮想的な エンジンを生成することにした。
Softwar 016
RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS
Arduino
仮想エンジンをセンサーで操作して
その回転数を、シリアル通信で Processing に送信 仮想エンジン エンジン音と手の動きを完全に連動させると
音の変化が激しすぎてリアルさが失われてしまう 圧力センサー(人差し指)か
アクセル
マウスのセンサーに反応あり 圧力センサー(親指)に反応あり
ブレーキ
どのセンサーも反応なし
エンジンブレーキ
Arduino から信号を受け取り
使用する音源と再生速度を決定して再生する
Processing
re
ループ再生 ループ再生している音源の再生速度を
変化させることでエンジンの回転数の違いを再現 仮想エンジンの回転数が0
再生速度も 0(無音)
仮想エンジンの回転数が最大
再生速度も最大
017
はじまりはブレッドボード サスペンションのあるミニカーを上から押したとき にブレーキ音が鳴ったら楽しいんじゃないかという ところからハシリヤは始まった。ブレッドボードに Arduino と圧力センサー、加速度センサーを付けた だけの簡素なプロトタイプだったが、素早く動かした ら車が通過する音が鳴り、ミニカーを上から押すとブ レーキ音が鳴った。エンジニアにコンセプトを伝える には十分だった。
Prototyp マウスのセンサーで動きを捉える
プロトタイピングを進めていき、加速度センサーでは想像していた 音が鳴らせないと気付いた。手の緩やかな速度変化を捉える必要が
あった。動きを正確を捉えるにはマウスだろうと思い、大学のゴミ 処理場で捨てられていたマウスを頂戴して Arduino に繋いだ。
018
RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS
スピード重視で まずは、頭の中のイメージと同じ音を出させるこ とを優先して、見た目は汚いモックでプログラム の修正を繰り返すと同時に、いろんな人に遊んで もらいセンサーの位置や素材を検討していった。
ping 019
Styling 音を失ったのは ミニカーだけじゃない
革のレーシンググローブだったり、F1 のグ
ローブをモチーフにしようとしたが、見た目 で用途を限定してしまいそうな気がして、今 の形になった。音を失ったのはミニカーだけ でなく飛行機のおもちゃも同じだ。今は車の 音だけで、他の音は実装していないが可能性 として十分ありえるので、用途を連想させな い形にした。 020
RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS
あえて、手に装着する
当初は車の形をしていても良いんじゃない かという考えもあったが、それだと音の出る ミニカーになってしまう。自分が持っている
ミニカーに再び音を授けるというコンセプ トに基づき装着するタイプにした。
021
モックアップではなく 使えるプロダクトを作る 音がメインのプロダクトだから、CG を描いてシー ンの画を見せても何も伝わらない。プレゼンする ときに最も簡単な方法は、実際に使えるプロダク トを使って見せることだった。
022
RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS
Making 023
024
RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS
025
026
RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS
027
2
028
RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS
2013.10 - 12
029
好きな物は、愛車に詰め込もう。 近頃、よく見かけるバランスバイク。バランス感覚を養い、自転車へのステップアップを容易にする。 記念すべき初めての乗り物なのに体が成長すれば、もう使えない。 最初の一台は、思い出の一台であってほしい。
おもちゃ箱 + バランスバイク =
030
RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS
031
仕舞うのではなく、積む。 調査の結果、子育ての一番大きなストレスは「子供がおも ちゃを片付けない」ということ。片付けという躾はもちろ ん必要。とはいえ、遊びが本業である子供たちの邪魔をし たくない。もっと無意識に、もっと自発的に片付けを覚え させたい。おもちゃ箱に愛着を持たせれば片付けを促せる のではないだろうか?
おもちゃ箱に“ 仕舞う” のではなく、愛車に“ 積む” こと を促すプロダクト。
Concep 032
RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS
遊べるおもちゃ箱 未就学児というと、自転車に乗るのもままならない。そこ でバランスバイクに目を付けた。バランスバイクとはペダ
ルが無い、足で地面を蹴って進む自転車で、バランス感覚 を養うための最初の一台として選ばれることが多い。 バランスバイクとして機能し、
おもちゃ箱としても機能するプロダクト。
pt
033
034
RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS
子供っぽくしない
70 年代のレーサーバイクやカフェレーサーなどを参考にした。バイクらし
さを損なわないために、セパレートハンドル、シートカウルは欠かせない。
Concept
未塗装の木材で作られているので、子供が自由に塗装などのカスタムを加
えていける。成長してサイズが合わなくなっても、ハンドルとシートの革 や、公園でついた汚れなどの経年変化は思い出として残り、インテリア兼 収納として子供と成長していく。
インドアでもアウトドアでも 室内で使うときは、お気に入りのおもちゃを積んで家の中 で遊び、外へ遊びに行ったときはヘルメットや上着を入れ て実際のバイクの荷台と同じように使える。
035
成形合板の型は2種類
コスト面から考えて、成形合板の型はおもちゃ箱の本体と、その蓋の2種類のみにすると決めた。
また、曲げることができる方向は一方向のみなので三次曲面は作り出せない。この2つのことから、 形を考える際に大きな縛りがあった。
036
RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS
Styling
037
350
200 400
300
150 RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS
950
650
480
18 0
300 038
M
Making 使用に耐えるプロダクトの製作
リスクの低い単純な形の成形合板でボディの元となるパーツを作り、それを図面通りに狂い無く切 り出した。モックアップではなく実際の使用に耐えるプロダクトの製作なのでマグネットの埋め込 みやバーテープなど細部に至るまで妥協せず完成度を高めた。
039
040
RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS
041
042
RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS
043
3
044
RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS
2015.4 - 2016.1
FitzRoy
Movie available on Vimeo 045
アウトドア用天気予報デバイス
FitzRoy 好奇心が天気を教えてくれる
未来の動向も見せてくれる温湿気圧計と天気管があれば、自然に対する好奇心が天気予報を受け取るキッカケとなる。 自然の中で義務のようにスマホで調べる天気予報ではなく、自然を見つめ自然と触れ合うための天気予報の提案。
046
RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS
047
ただ天気を知るための道具
多くの道具がスマホで代用できるようにな時代だからこそ、専用の道具が持つ 魅力は強まったように感じる。スマホで代用できると知っていても使いたい道
具はいくらでもある。天気予報もそんな道具として使えるようにできるはずだ。
048
RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS
Concept
天気を知るキッカケは 自然の中にある
「寒いな」「なんだか蒸し暑くなってきたな」「ペットボトル
がパンパンだ」こういう五感で感じることの出来る変化か ら天気を知れたら自然と会話するかのような天気予報にな るのではないだろうか?
寒いな
-2℃か
今何℃だろ?
じゃあ、天気も下り坂か?
1 2 3 4
もっと下がるらしいな ... 今夜は
星が見れそうだな
お、晴れか
049
気温
限られた機能が 好奇心の手助けをする
スマホが受け取る全ての情報に目を通すこと はできない。多機能すぎるツールは都市では 便利かもしれないが、自然の中では機能と情 報の多さによって、アウトドアで本当に必要 な情報は隠れてしまいがちだ。
ex
au 4G
75%
1028.6hPa 12/22 22:00
7℃ 12/22 22:00
88% 12/22 22:00
12/23
TrendS
etting
FitzRoy FitzRoy
for iOS
Concep 050
RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS
pt
道具を通して自然を見る 自然を通して天気を知る アウトドアにおいて、「天気を調べる」という行 為は決して欠かすことができない。もちろんスマ ホで調べれば必要な情報は全て手に入るし、それ でいいと思う人も多いだろう。しかし、画面では
なく目の前に広がる自然を通して天気が知れたら、 今まで以上に自然との距離は縮まるはず。
051
天気管で感覚的に天気を知る
天気管とは 19 世紀にヨーロッパで使われていた天気を知
るための道具で、雨が降りそうなら試験管に封入された薬 品に結晶が現れ、晴れなら薬品は透明になる。精度はいま いちだが、単純明快で感覚的に使える道具。天気管がネッ
トに繋がったら感覚的にかつ正確な天気予報を受け取るこ とができないだろうか?
052
RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS
Fun
色と動きで伝える オンライン天気管 薬品が封入された本来の天気管とは異なり、RGBLED
を内蔵している。それぞれの天気に合わせた色と動き でユーザーに天気を知らせる。誰でもすぐに感覚的に 理解できるという、天気管ならではの利点が失われな いような色と動きを目指してプログラムされている。
nction 片手でも両手でも ズボンのポケットに入れていても、バックパック のサイドポケットにいれていても、首から提げて いても、テントの中で吊り下げていても、どんな
状況でもすぐに天気を確認できるスイッチの機構
を目指した。天気管そのものがスイッチになって いるので、天気管に触れて動かすだけでいい。
053
未来・現在・過去を見せる オンライン温湿気圧計 なんてことのない温湿気圧計の背景に、それぞれの動向がわ かるグラフを使うことで、現在の値を知ると同時にグラフの 傾きから今までの動きと今後の動きが瞬時に把握できる。
Function
054
RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS
Layer 2 : 気圧計
→ 現在 984.82hPa
n Layer 1 : 気圧グラフ
→ 今後低下していく 天気管
→ 6 時間後は雨
055
056
RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS
場所を選ばない
細長い形状は場所を選ばず仕舞うことができて、すぐ に取り出すことができる。また、本体上部とストラッ
プの留め具に埋め込まれたマグネットでどこでも好き なところに素早く取り付けることができる。
micro USB
RGB LED
e-ink display sensor
storm glass
button outer case
シンプルな機構 アウトドアという特殊な環境で使われる道具なので、シンプルな機構で あることが重要だった。電子機器である以上なにかしらのスイッチは必 要になるが、スイッチを外部に露出させずに内部に組みつつ無理なく作 動させる機構で、見た目も操作方法もシンプルになった。
057
アイデアの変遷
当初のアイデアは、60 年間精度以外はほとんど変わっていない「天気予報」を
楽しいものにしようというもので、雲を見ながらデバイスを振れば、その雲が どんな雲なのか見えるという提案だった。そこから、タープに取り付けるデバ イスへと変わり、どこにでも付けれる電球のようなデバイスへと変わり、最終 的に温湿気圧計と天気管をもつハンドツールへとなった。
058
RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS
059
Prototyp 060
RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS
ping
あらゆる手段でプロトタイピング
新たな案や改良案が出たら、とにかく作ってみるというスタンスで
進めた。スケッチ、3D モデリング、レンダリング、スタイロの削出
し、3D プリンタによる出力、電子工作、プログラミング、など様々 な方法でひとつひとつの案を検証していった。
061
062
RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS
Making
デジタルツールを駆使
紫外線硬化樹脂の 3D プリンタで躯体を出力し、目盛は
UV プリンタで印字した。コストは掛かるが、どちらも 非常に精度が高くスピードも速い。とはいえ、もちろん
全て作ってくれるわけではなく、表面処理やクリアラン スの修正、塗装などは手でやらなくてはならない。出力
されたモデルの精度が高いので少しのミスでも目立つと いうこともあり、気を抜けない仕上げ作業となった。
収める
電子ペーパーのディスプレイは時間と技術の関係でダミーになってしまったが、唯一
の入力装置であるスイッチと、天気管の検証だけはやりたかったので、RGBLED、バッ
テリー、arduino、タクトスイッチなど全てのパーツを内部へ組み込み実働させるため の設計をした。配線を外に出して電源は外部から取るという案もあったが、ハンドツー ルの検証なので、どうしても内部に収めたかった。
063
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RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS
065
066
RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS
067
4
068
RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS
2014.6 - 7
Movie available on Vimeo 069
070
RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS
誰でも作れるチェアとテーブル
今までの生活に “ ものづくり ” をプラスする。 今まで“ ものづくり” と縁がなかった人をターゲットにした組み立て式チェアとテーブルのキット。
材料の調達、パーツの切り出し、組み立ての全てをユーザーができるようにし、その一連の流れを通してユーザーに
“ ものづくり” の楽しさを伝える。
071
Introd
世界各地に急速に広がる FabLab FabLab は、「ほぼあらゆるもの」をつくることを目標とした 3D プリンタやレーザーカッターなどの多様な工作機械を備えたオー プンスペースだ。世界中に存在し、誰でも自由に利用できること
が特徴。「Fab」には「fabrication」と「fabulous」の2つの単語 が掛けられている。 072
RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS
duction でも FabLab を使っているのは、 もともとものづくりが好きな人たちなのでは?
ものづくりは、ものすごく楽しい。まさに「fabulous」 。それが技術の進歩と FabLab のよう
なオープンスペースの出現によって、より身近になりつつある。これは非常に嬉しいことだが、 やはりまだまだ敷居が高いと思われがち。3D プリンタやレーザーカッターなどのデジタルファ ブリケーションツールを、夢のマシンだと思っている人が多いのが実状。
073
074
RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS
Concept
ものづくり初心者には、 元となるデータが必要なのでは? ものづくりというのは楽しくて抜け出せないループであり、一度
このループを体験してしまうと抜け出すのは難しい。このルー プの速度はデジタルファブリケーションツールのおかげで高速に なった。多くの人にこのループを体験してほしい。そのためには
まずデータをダウンロードしてもらってループの入り口に立って
もらう必要がある。最も身近なプロダクトの1つである「チェア」 と「テーブル」は元のデータとしては絶好のプロダクト。作った だけで終わりという DIY でありがちなパターンも起こりにくい。
Download
Buy
Customize
Use
Go FabLab
楽しくて抜け出せない ものづくりのループ
Go Outdoor
Cut
Assemble
075
作る楽しさ
材料をレーザーカッターで切断すれば、すぐにイ スが完成というのはつまらない。プラモデルを組
み立てるような感覚で作る楽しみを味わってほし
い。必要なのはボンドだけ。ケガをする心配も無く、 子供でも簡単に組み立てることができるチェア。
076
RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS
Co
oncept
作ったものを使う楽しさ 作る楽しみのあとには使う楽しさがあり、これがものづくりの
醍醐味。FabLab を出たらすぐに、使いたい場所を探しにいって もらえるようにコンパクトに収納できる組み立て式のチェア。
077
組み立て式で持ち運べる
FabLab のようなオープンスペースから、すぐに
持ち出して使うことができるように絶対にコンパ クトに収める必要があった。初期案は自転車のフ
レームにぶら下げれるデザインだったため、サイ ズの関係で仕方なく座椅子のようなデザインにし ていたが、組み立てが楽しくないだろうというこ
とで荷台に付けるサイズへとスケールアップして、 一般的なイスのスタイルへ。
078
RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS
Styling パッケージと説明書は必要なし
収納した状態がパッケージを兼ねており、組立図もパーツにレー ザーで刻印。また、図面のデータに繋がる QR コードも刻印する ことにより、パーツの破損や紛失にも対応できる。もちろんその
データを使って2脚目は買わずに自分で作るということもできる。
079
Styling 080
RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS
QR コードと組立図のレーザー彫刻
組立図を彫刻することで、説明書を無くす心配や組み立て方を忘れる心配も無くなる。また図面データをダウンロードできるペー
ジのリンク情報が埋め込まれた QR コードをレーザー彫刻することで、パーツの紛失や破損にユーザーが自ら対応することがで きるだけでなく、ユーザーではなく他のだれかが作りたいと思った場合もこの QR コードを読み取ることで組み立てに必要なす べての情報を手に入れることができる。
無駄なパーツは切り出さずに1枚から1脚をつくる
1820mm × 910mm というホームセンターに行けば必ず置いてあるサイズを基準に設計したので、1 枚あれば1脚をムダ無く作 ることができる。また、ケースは座面とテーブルの脚になるように設計して、無駄なパーツを切り出すことも持ち運ぶ事も無い ように配慮した。便利なツールで楽に作れるからといって、なんでも切り出しちゃうのは作ってる人も気持ちよくない。
081
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RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS
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RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS
Photos
085
1820mm × 910 mm 1Sheet
086
RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS
450 mm
300 mm
087
5
088
RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS
2014.10 - 12
Movie available on Vimeo 089
本にすれば、ラジオはもっと身近に。 ネットでラジオを聴くのが当たり前になった現代。
失われつつあるラジオのふるまいと、失われないであろう本のふるまい。 ふるまいを見直せば、「もの」としてのラジオはもっと身近になる。
090
RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS
本として使うラジオ
091
本を読むときの “ ふるまい ” 本を手に取って、どうやって使うのかと悩む人はいない。本をパラパラめくりざっと目を通していき、好きなページ だけ読むというふるまいにおいては、いくら電子書籍が発達しても紙の本より便利になるということは無いだろう。
Introd 092
RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS
duction ラジオを聴くときの “ ふるまい ” デジタルチューニングや radiko の登場で、ノイズを聴きながら周波数を合わせる機会はめっきり減った。ノイズか ら徐々にクリアな音声に変えていくというアナログチューニングのラジオならではのふるまいは失われつつある。
093
ページ数を周波数に
C
本をパラパラめくるときに目が行く1つのポイントとして ページ数がある。これを周波数に置き換えることで、本と全 く同じように扱えるラジオになる。
開いて、置く
誰もがやった経験がある、本を開いて置くというふるまい を、ラジオを聴くときのふるまいに重ねあわせることで直 感的に使うことが可能になる。
094
RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS
Concept ラジオを知らなくても操作に迷わない
本という存在を知っていれば、ラジオという存在知らなかろうと本だと思っ
て手に取ろうと、老若男女問わず、直感的に何不自由無く使うことができる。
1. 開く
開くと電源が入る。この時点でユーザーは、これが音のでるもの だと認識できる。
2. めくる
パラパラめくると音が変化し、あるページで止めると雑音が消え
音声や音楽が聞こえるので、ユーザーはページをめくることで チューニングができるのだと認識できる。
3. 聴く
周波数をあわせた状態で、聴き続けるにはこの本を開いたままに しなければならないとユーザーは既に気付いているので、本を開 いて逆さにして置く。
4. 閉じる
聴くのを止めたくなったら閉じるだけ。開いて音が鳴った時点で ユーザーは音の止め方を知っている。
095
どうつくるか?
ページ1枚に合わせて、1つの周波数を用意して実動モ デルをつくるのは無理があるので、本の中央に穴を開け
てそこに設置した光センサーで本を前後どちらの方向 にめくっているのかと、めくっているスピードを測って ラジオのチューニングを制御することにした。これで擬 似的ではあるが、動作を検証することができる。
Prototyp まずはブレッドボードで
想像だけでは、使い心地を十分に検証できないの
で市販のラジオを分解して Arduino と繋ぎ、明る さによってチューニングができるようにして使い 心地を検証することにした。
096
RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS
ユニバーサル基板へ
ブレッドボードでの実験では擬似的に作動させることが
できたので、実際に内部に組み込むべく、ブレッドボー ドで終わらずユニバーサル基盤にパーツを移植した。
ping 本への組み込み
3D プリンタで、スピーカーと基盤がはまるケー
スを制作しケースの寸法に合わせて本をくり抜き、 内部に組み込んだ。
097
098
RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS
Photos
099
Hobby
100
RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS
開 中
発 2016.10 -
All data available on GitHub
Instructions available on instructables 101
102
RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS
開 中
発 楽器も MIDI のようにオープンに。 電子楽器から送られる信号は MIDI という偉大な発明によってオープンになった。
MIDI はそれまでの音楽制作のためのスタジオ環境を大きく変え、「自宅スタジオ」で の音楽制作を可能にし、音楽シーンに多大な影響を与えた。
MIDI が生まれて 35 年経った現在、デジタルファブリケーションツールの発達により
「自宅工房」での楽器制作が可能になった。
音楽制作だけでなく、楽器制作もオープンに。
103
3. iPhone GarageBand など MIDI 対応のアプリケーションを使
う。arduino から MIDI 信号を受け取り、アプリケー ション内の音源を鳴らす。
2. Trigger to MIDI Converter 中身は Arduino UNO。1 のパッドから送られてきた電気 を MIDI 信号に変換し、3 の iPhone へと送信する。電源は iPhone からの供給だけいいので、コンセントが無くても 使用可能。
104
What's RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS
1. Trigger Pad センサーとしてピエゾが入っている。叩いたときに生
まれる電気が 2 の arduino へと送られる。ヒットの 強弱は 127 段階に変換される。
this?
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中古屋で見つけた PS2 用のコントローラー
偶然立ち寄った中古屋で目に留まった PS2 用のコ
ントローラー。ドラムもやったことないし、PS2 も持ってないけど、何故か惹かれてしまい購入し
た。1000 円だったので、しばらく遊べたら十分だ ろうと思っていたが、このコントローラーとの出
会いが自分の創作意欲に火を付けることになった。
とりあえずパソコンに繋いだ
大抵の家庭用ゲーム機のコントローラーは先人達によって
ハックされており、Arduino に繋いで信号を読めることは 知っていた。その信号をトリガーにして Processing から
音を鳴らすことは簡単だった。しかし大きな問題が起きた。 どうしても音に遅延が出てしまった。
106
RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS
MIDI との遭遇
音の遅延をどうしても解決できないまま数日が過ぎた
頃、楽器をやっている友人に「それって MIDI パッドに できないの?」と言われて初めて MIDI というものを
知った。まさに未知との遭遇。Arduino の USB チップ を書き換えて MIDI 機器として認識させれるらしいの
で、やってみた。プログラムもそれに合わせて書き直し、 Garageband を起動してパッドを叩くと、遅延の無いス
ネアの音が響いた。知ってる人からすると当たり前なの だろうが、感動の瞬間だった。
遊んでみると、ハードも作りたくなった
ベロシティという存在も知った。センサーはただの圧電素子だったので強弱の判 定も出来るようにプログラムを書き直した。見事に強弱判定ができるようになっ
た。しかしスネアもタムも全てのパッドが反応してしまった。もちろんこんな風
に使うように設計されてるハードではない。1 から設計してみようと思いたった。
107
全てのデータと 詳細な手順を公開 生まれる時代がもう少し早かったら電子工作なんて始め なかったかもしれない。すべてはネット上に多くの情
報を公開していた偉大な先人達のおかげだ。とにかく、 Maker のコミュニティに少しでも情報を還元したかった。
Concep 108
RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS
pt
別の製法でも同じ寸法に 最初のプロトタイプはレーザーカッターで MDF を切断し て制作した。データを公開することをふまえると、ベクター
データだけを公開するのはどうかと思った。3D プリンタ でも作れるように設計した。作る人が選べるように、レー
ザーカッターで作ったものと 3D プリンタで作ったものが 全く同じ寸法になるように設計した。
小型の 3D プリンターでも 3D プリンターを持ってる人はそんなに多くない。い ずれ今より普及したとしても、家庭用のプリンターで
A2 が印刷できないように、大きなパーツを出力でき る 3D プリンターが普及することはなさそうだ。大き
なパーツを小さなパーツから作れるように設計した。 より多くの人が作れるような設計を目指した。
109
Concep 強引な作り方だと
誰も作ろうと思わない
全てのパーツを 3D プリンタで出力して 1 つの素材だ けで作るようなデータを作るのは非常に簡単だが、そ んな強引な作り方だと誰も作ろうとは思わない。各 パーツに合った道具と素材を選んだ。
110
RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS
pt
データだけでなくて手順も 公開しないとオープンにはならない
データだけ公開してもオープンとは言えない。そのデータの使い方と詳 細な手順を公開して初めてオープンなハードウェアと言えるはず。
111
拡張性を高める そのパッドが 3D プリンターで作られていようと、MDF で作られてい
ようと、製法や素材、サイズに関係なくタムパッドとしてもキックパッ
ドとしても使えるように、 マウントパーツは全て共通の規格で統一した。
Hardwa 112
RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS
are 113
EDIT /EDIT DONE SNARE HEAD
THRESHOLD
SENSITIVITY
NOTE
FLAG
SNARE RIM
THRESHOLD
SENSITIVITY
NOTE
FLAG
HIHAT OPEN
THRESHOLD
SENSITIVITY
NOTE
FLAG
SAME VALUE
SAME VALUE
HIHAT CLOSE
THRESHOLD
SENSITIVITY
NOTE
FLAG
HIHAT PEDAL
THRESHOLD
SENSITIVITY
NOTE
FLAG
KICK
THRESHOLD
SENSITIVITY
NOTE
FLAG
ADVANCED SETTING
114
SAME VALUE
RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS
SCANTIME
HEAD/RIM
PEDAL VELO
MASKTIME
デバッグを単体で
センサーの閾値や感度、ノートなど設定を 変化させる必要がありそうなものは全て arduino 単体で設定出来るようにした。
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RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS
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RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS
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RYO KOSAKA PRODUCT DESIGN WORKS
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Photo and Movie
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PV の制作 京都で電気自動車の開発している GLM からトミーカイラ ZZ
の特別モデルが販売されることとなり、そのプロモーション ビデオの撮影と編集を担当した。
Movie available on Youtube
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Photo by Daisuke Horii
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Photo by Daisuke Horii
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