理工学部 教員研究紹介 2018

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龍谷大学 瀬田キャンパス

理工学部 教員研 究紹介 Ryukoku University Seta Campus Faculty of Science and Technology Research Focus


CONTE N T S 数理情報学科

電子情報学科

機械システム工学科

物質化学科

P06

P16

P25

P34

1. 飯田 晋司 2. 池田 勉 3. 宇土 顯彦 4. 大西 俊弘 5. 川上 竜樹 6. 國府 宏枝 7. 阪井 一繁 8. 佐野 彰 9. 高橋 隆史 10. 谷  綾子 11. 中野 浩 12. 口 三郎 13. 馬  青 14. 松木平 淳太 15. 道元 徹心 16. 森田 善久 17. 山岸 義和 18. 四ツ谷 晶二

19. 石崎 俊雄 20. 植村 渉 21. 小野 景子 22. 海川 龍治 23. 川上 肇 24. 木村 昌弘 25. 木村 睦 26. 小堀 聡 27. 斉藤 光徳 28. 里井 久輝 29. 張  陽軍 30. 中川 晃成 31. 番  貴彦 32. 松室 尭之 33. 山本 伸一

34. 大津 広敬 35. 大槻 志郎 36. 小川 圭二 37. 金子 康智 38. 譽田 登 39. 左近 拓男 40. 塩見 洋一 41. 渋谷 恒司 42. 田原 大輔 43. 上 哲也 44. 堤  一義 45. 永瀬 純也 46. 野口 佳樹 47. 前田 英史 48. 森  正和

49. 青井 芳史 50. 岩澤 哲郎 51. 内田 欣吾 52. Augustine Jonathan 53. 大柳 満之 54. 糟野 潤 55. 河内 岳大 56. 白神 達也 57. 富  欣也 58. 中沖 隆彦 59. 兵藤 憲吾 60. 藤原 学 61. 別府 孝介 62. 宮武 智弘 63. 和田 隆博 64. 渡辺 英児

情報メディア学科

環境ソリューション工学科 P51

P59

65. 岡田 至弘 66. 奥  健太 67. 片岡 章俊 68. 芝  公仁 69. 曽我 麻佐子 70. 外村 佳伸 71. 野村 竜也 72. 橋口 哲志 73. 長谷 智弘 74. 藤田 和弘 75. 三好 力 76. 山本 哲男 77. 吉見 毅彦 78. 渡辺 靖彦

79. 浅野 昌弘 80. 市川 陽一 81. 奥田 哲士 82. 菊池 隆之助 83. 岸本 直之 84. 越川 博元 85. 丸山 敦 86. 三木 健 87. 水原 詞治 88. 宮浦 富保 89. 山中 裕樹 90. 遊磨 正秀 91. 横田 岳人 92. Lei, Thomas Ting

93. 上原 徹 94. 熊野 雅仁 95. 小島 肇 96. 関本 達生 97. 藤井 大輔 98. 進藤 康則 99. 本田 尚義 100. 西村 和男 101. 前田 尚志 102. 松中 岩男 103. 今井 崇人 104. 白井 健士郎 105. 岩嶋 浩樹 106. 寄能 雅文 107. 桧尾 亮一 108. 林  珠乃

P43

実験実習


6つの 研究フィールド 理学と工学を融合した 6 学科で実践力に富む技術者を養成 学科構成

専門分野

予想される進路

数理解析分野 数理・情報分野の研究職・開発職

数理情報学科

応用数理分野 情報科学分野

情報システム分野

数学・情報の教員(中学校・高等学校) コンピュータ・システム・ ソフトウェア技術者

ソフトウェア開発に関する仕事 デジタル映像に関係する技術者

情報メディア学科

メディア工学分野 ソフトウェア科学分野

電子 情報学科

ネットワークに関する仕事 その他コンピュータ、 メディア関連の仕事

電子工学分野

電子デバイス・組込みシステム 関連の研究開発

通信工学分野

アナログ・ディジタル回路の設計評価 エレクトロニクス関連の開発・研究技術者

情報工学分野

力学 系 分 野

機械システム 工学科

情報・通信・メディア関連サービス業

製造機械、精密機械部品、自動車・ 輸送機器、重工業、電気機器、家電

エネルギー系分野

情報機器メーカなどでの設計・研究開発 ファクトリー・オートメーション、

システム系 分 野

分析・環境化学系

物質化学科

無機・セラミックス系

システム/ソフトウェアの技術者

化粧品メーカー、食品産業、 製薬会社、フィルム・樹脂・ 繊維メーカー、自動車産業、

有 機 ・ 高分子系

電気会社、医療関連会社 官公庁、研究機関、教員

生物機能分子系

環境 ソリューション 工学 科

エコロジー 工学分野

官公庁、NPO、NGO、 自然系博物館職員、各種研究所、 各種製造業の環境部門、

生態環境 マネジメント分野

水処理・廃棄物処理・ 環境コンサルタント、 調査会社などの環境関連企業

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2

上海師範大学(中国)、国立中央大学(台湾)、長庚大学(台湾)、東ティモール国立大学


(東ティモール)、ハノイ工科大学(ベトナム)、ハノイ工業大学(ベトナム) アフリカ/ アゴスティーニョ・ネト大学(アンゴラ)、マラウイ大学(マラウイ)

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ཀྵ ޽ ‫ ָ ܧ‬ਫ਼ͨ͞ ࠅ ࡏ ద ࢻ ఼ Ν 理工系学生のための独自グローバルプログラムを体系的に準備し、学生の英語力向上、海外体験を後押しします。 グローバル化が一層加速する中で、学生の国際的なマインド養成は社会から求められる大きな要素です。しかしながら、多くの理工系学部では、積み 上げ式の教育プログラムであるため、学生時代に留学することが難しい状況にありました。 「世界の物づくりを支えるグローバルな視点を備えた科学・技術者の育成」を目標に掲げる龍谷大学理工学部では、この矛盾点を改善すべく、理工 学部生のためのグローバルプログラムを独自に開発しました。プログラムは年次進行に応じて段階的に用意しており、学生の成長に合わせた内容 となっています。

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数 理情報学科

Researcher:

飯田 晋司

1

専門分野 物性理論 研究課題(長期) 凝縮系物理の理論的解析 研究課題(短期) ランダム媒質中を伝播する波の 統計的性質

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/math01.html

Title:

数学とコンピュータでいろいろな 現象を調べてみよう

卒業研究では,いろいろな現象の数理モデルを学び,どのような結果が得られるかを調べます。いくつかの卒業研究を紹介し ます。

■ 打球の軌道計算

■ 虹の作画

数 理情報学科

Researcher:

池田 勉

2

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/math02.html

Title:

とある非線形現象

専門分野 応用数学と計算科学 研究課題(長期) 数値計算と構造再現性 研究課題(短期) 対流パターンの数理解析、ヘリ カル燃焼波の数理解析、進行波 の非線形振動

たくさんのメトロノームがバラバラに振れています。 長い板を支える塩ビのパイプに気合を入れると… ■化学反応であそぼー!

■メトロノームの同期現象

■樟脳(しょうのう)を動かそう!

化学的振動反応を実演します。ある溶

たくさんのメトロノームがてんでばら

樟脳が水に溶けると表面張力の差が生

液にもう一つの溶液を加えて混ぜると、

ばらに振れています。

まれます。

溶液の色が…

長∼い板を支える塩ビのパイプに気合

小さな船を作り、樟脳パワーを観察し

を入れると…

よう!

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数 理情報学科

Researcher:

3

宇土 顯彦

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/math03.html

Title:

配水管網の解析・設計・制御に 関する研究

専門分野 システム工学 研究課題(長期) 社会システム・大規模ネットワー クシステムの開発・設計・運用な どを合理的に行うための方法論 研究課題(短期) 配水管網の診断・強化策策定、消 火活動支援システムのための数理 的手法の開発

当研究室では従来から配水管網の解析や設計・制御に関する研究を行ってきました。最近は管網各部の圧力と流量を精度良く かつ高速で求める管網計算の手法を開発し、その応用の1つとして、消火栓を開いての消火活動と管網を一体とした解析を可 能にしました。これによって、ポンプ車到着までに住民がホースを消火栓に直結しての初期消火の可否、複数台のポンプ車で 複数の消火栓を同時に開く場合の取水の可否を事前にあるいは実時間で検討することが可能になっています。 現状の消火活動では、 「実際に火災が発生した場合、当局では通常4台のポンプ車が出動するが、現場では火災現場に近い消火 栓より順に開栓していく。万一水量が得られない場合や、他の消火栓と共倒れになる場合は、その箇所での消火栓の使用をあ きらめ、順次遠方に持って行く方法を取っている。 」ということですが、今回のシステムで被害最小化に向けた大きな改善が期 待できます。

吸管

ホース

放水ノズル

消火栓

配水管

数 理情報学科

Researcher:

大西 俊弘

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URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/math12.html

Title:

数学教育

(テクノロジーを利用した数学科の教材・カリキュラム開発)

専門分野 数学教育、科学教育、情報教育、教育 工学、教育課程、形の科学

研究課題(長期) 数学教育を中心とした今後の科学教育の あり方 中等教育における教育課程全般のあり方

研究課題(短期) 1. 数学教育におけるテクノロジー利用 2. 統計リテラシーの育成 3. 高校の教育課程・学習指導要領に関 する研究

中学生・高校生の多くは、数学を難解なものと思っており、どうしても嫌われがちな教科である。しかし、コンピュータでグ ラフや図形などを描き、数学を視覚化すると、イメージが掴みやすくなり、数学学習のハードルを下げることが可能である。 欧米では、中学・高校段階から数学の授業でコンピュータ等のテクノロジーを積極的に利用し、数学の美しさや有用性を生徒 に伝えることに熱心に取り組んでいる。また、生徒も数学学習の道具として、コンピュータや電卓を積極的に活用している。 一方、日本では、従来型のカリキュラムと整合性がとりにくい等の理由で、数学教育へのテクノロジー利用はあまり普及して いない。当研究室では、数学教育用ソフト GeoGebra を用いて、日本の学校教育に適した教材(幾何分野が中心)を開発し ている。また、テクノロジーの利用を前提とした数学教育のカリキュラムについても研究している。

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数 理情報学科

Researcher:

川上 竜樹

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URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/math21.html

Title:

非線形偏微分方程式の漸近挙動と その周辺

専門分野 数学解析 , 大域解析学 研究課題(長期) 非線形偏微分方程式の漸近挙動 とその周辺 研究課題(短期) 動的境界条件 , 分数冪拡散方程 式 , 高次漸近展開理論

多くの科学現象は移流、拡散、反応によってモデル化され、しばしば非線形拡散方程式や異常拡散方程式によって記述されます。 また数理ファイナンスや金融工学などの実社会の様々な問題を考察する際にもこれらの問題が現れることが知られており、近 年、応用面からも非常に多くの研究が行われています。計算機の発展に伴い、様々な方法によって微分方程式を解析できるよ うになってきましたが、拡散方程式などの時間発展する現象を記述する偏微分方程式、すなわち発展方程式によって記述され た現象を数学的に理解するためにまず初めにやるべきことは、その問題が時間局所解を持つかを調べることです。その後、時 間大域可解性や解の漸近挙動を考察していくことで、問題や方程 式に内在する性質を抽出し、現象の理解への足がかりを構築して いくことができます。 本研究室では関数解析などの数学解析の手法を用いることで、非 線形拡散や異常拡散を記述する発展方程式の時間局所及び大域可 解性を考察し、それらを足がかりに時間大域解の漸近挙動やその 分類、また高次漸近展開を行うことで、解の形状や性質の数学的 な解明を目的とします。これらを通して、様々な拡散現象やそこ に現れる非線形性の影響の本質的な理解を深めていきます。図は 線形熱方程式の基本解である Gauss 核の時間変化ですが、多くの 典型的な非線形項を有する非線形拡散方程式は初期値が十分小さ い場合、その時間大域挙動はこの Gauss 核の定数倍になります。 Gauss 核の時間変化

数 理情報学科

Researcher:

國府 宏枝

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URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/math05.html

Title:

力学系とカオスの研究

専門分野 力学系理論 研究課題(長期) 力学系の位相的計算的研究 研究課題(短期) カオス力学系から生成されるア トラクタの理論について

「カオス」は物理学、工学、生物学等広い分野において、最近、注目を集めているテーマです。大雑把な言い方をすれば、そ れは決定論的なシステムに従うにもかかわらず、予測不可能な振舞いをする現象のことです。従って、現実のシステムにおい てのカオスの発現は制御不可能性につながり、その予測、制御は重要な問題といえるでしょう。しかし、カオス現象の数学的 な研究は、カオスが非常に複雑な現象であるため、ごく一部しか解明されていません。当研究室では、カオスの実際的な応用、 制御にも注意を払いつつ、カオスの数理的側面を研究しています。 カオスは複雑な現象ですが、その発生や構造を数学的に解析できる部分もあります。下中の図はカオス的な力学系としてよく 知られているヘノン写像のある特徴を抽出したもので、これらの曲線の交わり方を調べる事によりいろいろな事がわかります。 私たちはカオス的な力学系から、計算機によってこれらの特徴を抽出するための方法を開発し、実際その系でどのようなこと が起こっているのかをトポロジー的な観点から結論づける研究をしています。 またカオスを利用していろんなものを作ることをここではやっています。写真はレゴを使って障害物を回避しながら光源に よってくるロボットと、予測不可能な手を出すじゃんけんマシンです。

レゴを用いたじゃんけんマシン

へノン写像のトレリス

探索ロボットと遊ぶガン

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数 理情報学科

Researcher:

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阪井 一繁

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/math14.html

Title:

何でもコンピュータシミュレー ション さまざまな現象の仕組みを方程式で表現して,その方程式を コンピュータで解き,現象をコンピュータグラフィックスで 再現する。これを「コンピュータシミュレーション」と言 います。うまくコンピュータシミュレーションができると, 現象の本質が明らかになったり,条件を変えた実験がコン ピュータの中でできるようになったりします。阪井研究室の 特別研究(卒業研究)では,4年生が数学や物理などのいろ いろな知識をもとに,コンピュータシミュレーションに取り 組んでいます。過去の研究テーマとその結果をいくつか列挙 します。

雪の結晶の成長シミュレーション

専門分野 数値計算、応用数理、計算科学 研究課題(長期) 非平衡・非線形現象の数理解析 研究課題(短期) 金属組織形成の数理モデルと計 算機シミュレーション

クレーターの形成シミュレーション

隕石の衝突によるクレーターの形成を「粒子法」という手法 でコンピュータシミュレーションしました。

スノーボードハーフパイプ競技の シミュレーション

赤く描かれているのがスノーボードの軌道。 気温が氷点下になれば空中の塵などを核にして水蒸気が・・・, 「エッジ」の利かせ方を変化させて,様々な滑りを再現しま した。 という原理にもとづきコンピュータで計算した結果です。

数 理情報学科

Researcher:

佐野 彰

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URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/math17.html

Title:

ヒト知能の情報科学

専門分野 数理脳科学、実験認知科学 研究課題(長期) 脳の情報統合と内的意味付けの 問題 研究課題(短期) 階層的な統計学習に基づく感覚統 合モデル 自律ロボットによる人工認知実験

ヒトの脳と身体は、それをとりまく環境と相互作用しながら世界の意味や価値を構築し、同時にそれらを自分自身の内部に取 り込んでいきます。これは、 自分自身を変化させるという生命そのものがもつしくみです。私たちは、計算機によるシミュレー ション実験や自律ロボットを用いた人工認知実験を通して、我々がもつヒト認知の在り方を考えています。 ヒトの知的な活動は、記憶・欲求・予測といった要素が密接に絡み合うことによって実現されています。我々は、不確定で複 雑な環境下に身を晒すことで、脳を取り巻く多感覚な環境情報を構造化(記憶)します。そして、生物がもつ原初的な欲求を 駆動力とし、全ての一瞬において次の瞬間を構築する(予測)こ とで行動や思考と呼ばれる活動を生み出しています。私たちは、 このような多感覚な記憶構造と予測に基づいた人工認知システム の構築を行っています。 また、ヒト認知を生み出す神経システムは、近年の脳科学を待つ までもなく極めて複雑な様相をもっています。しかし、ヒト認知 に発達過程が不可欠であることからも、これらの複雑さは環境の 複雑さの投影であるともいえます。ある人工物が「認知」システ ムとしての説得力をもつためには、ある一定以上の複雑さをもち、 そしてその行動様式が我々自身が理解可能でなければなりません。 私たちは、説得力のある認知システムを具体的に構築するために、 ヒト型ロボットを身体として、複雑な実環境下で発達可能な認知 システムの構築を進めています。

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数 理情報学科

Researcher:

高橋 隆史

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URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/math15.html

Title:

脳の仕組みをまねて賢くなるコン ピュータ

専門分野 知能情報学 研究課題(長期) 脳における視覚情報表現様式の 解明とその工学的応用 研究課題(短期) 実 世 界 画 像 か ら の 物 体 認 識・ シーン理解

AI を創る人・育てる人になろう.使われる人ではなく. カメラに映った人や物体を自動で認識したり,将棋や囲碁でトップ棋士に勝ったり,近年, 「AI(人工知能) 」が急速に進歩し ています.この AI を支えているのは,「機械学習」と呼ばれる技術です.機械学習するコンピュータは,大量のデータを処理 して自ら学び,問題の解を見つけ出すことができ ます. 私の研究室では,脳の仕組みにヒントを得た機械 学習の手法である「ニューラルネットワーク」 ・ 「深 層学習」のアルゴリズムや,その画像認識等への 応用を研究しています.

数 理情報学科

Researcher:

谷 綾子

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URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/math19.html

Title:

アイデンティティとイギリス文学

専門分野 ヴィクトリア朝文学 研究課題(長期) ヴィクトリア朝期における人々 の文化的アイデンティティ 研究課題(短期) 精神分析論から検証するジョー ジ・エリオット作品の個人化の 過程

私は、19 世紀のイギリス文学を中心に研究しております。文学の研究というと、ぴんとこない方もいるかもしれませんが、 実際は様々な分野の研究と交差する形で進められています。例えば、私の主な研究テーマは 19 世紀イギリス文学に表されて いる個人主義やアイデンティティの形成ですが、一言に個の形成といってもそれについて調べるためには、精神分析学や哲学、 または社会学的な視点をもつ必要があり、ただ本を読んで感想を書く訳ではありません。文学のテキスト上における登場人物 の

藤や苦悩の経験を、精神分析学や社会学的なアプローチで読み解き、さらに文章の背景にある歴史的な事実を突き止めた

上で、彼らの精神史を研究していくのです。私はジョージ・エリオットの作品を中心に、自我の形成というテーマを探求して いますが、今後はエリオットに限らず他の作家の様々な作品を資料として取り入れていく予定です。

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数 理情報学科

Researcher:

中野 浩

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URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/math13.html

Title:

プログラミングに現れる論理構造 の解析

専門分野 構成的プログラミング、型理論、 λ計算 研究課題(長期) プログラミングに現れる論理構 造の解析 研究課題(短期) オブジェクト指向プログラミン グの論理

現代の社会では、いろいろな用途にコンピュータが使われていますが、それが役に立つのは、そのコンピュータがどのように 働くべきかを指示したソフトウェア(プログラム)が用意されているからです。本研究室のテーマは、このソフトウェアをど のように作ればよいのかを探求することです。 「イラストロジック」あるいは「お絵かきロジック」と呼ばれている、紙と鉛筆で楽しむパズルをご存じでしょうか? 下の左 の図のように、格子状に並んだマスの行と列のそれぞれに対して与えられた数列をヒントにマスを黒と白で塗りわけ、右の図 のようなイラストを浮かび上がらせるパズルです。 数列は、その行や列の黒マスの塊の長 さが順にどうなっているのかを表して いますが、人間は、そこから様々推論 を行ってマスの黒と白を判定し、イラ ストを浮かび上がらせていきます。コ ンピュータのソフトウェアを作成する 場合も、与えられた道具立てや様々な 条件を基に、論理的な思考を積み重ね ることで目標のプログラムを構築して いきます。このような論理的な思考が どのように行われているのかを分析・ 整理し、不具合のないソフトウェアの 実現を目指すのが本研究室の目標です。

数 理情報学科

Researcher:

樋口 三郎

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URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/math16.html

Title:

確率モデルに基づくアルゴリズム と学習教育支援システム

専門分野 理論物理学(場の理論と統計力 学) 研究課題(長期) 場の理論と統計力学に現れる組 み合せ的構造 研究課題(短期) ランダムなネットワークの統計 力学と計算困難問題

日本では畳を図 1 左のような四隅が集まるパターン(不祝儀敷)では敷かず右のようなパターン(祝儀敷)で敷く習慣があり ます . 部屋を決めたときに , そのような敷き方が何通りあるか ? コンピュータの得意な問題です . しかし , 部屋が大きく複雑 な形であるときには計算時間がかかります . ランダムアルゴリズムであるマルコフ連鎖モンテカルロ法を用いると , 近似的な 推定値ではありますが , 短時間に推定することができます . 様々な確率モデルに基づく高速なランダムアルゴリズムを研究し て , 畳の敷き方の場合の数も効率的に数えられるようになりました . 確率モデルは社会の現象を予測するのにも役立ちます . 学校で(集団で)または個人で学習する人間はそれぞれ に個性的ですが , ある側面は確率モデルでとらえられま す . 学習者の確率モデルに基づいて , 中学・高校・大学 での学習・教育を効果的に支援する PC・スマートフォ ン・タブレットで使える Web アプリケーション(アプリ) などを作成し , 実際に使用して , その効果を明らかにし ています . 図 2 は中学校の「資料の活用」分野の授業で 使用するための , タブレット上で動作する Web アプリ ケーションです .

図 1.畳の敷き方

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図 2.学習用アプリ


数 理情報学科

Researcher:

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馬 青

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/math06.html

Title:

自然言語処理

専門分野 情報科学 研究課題(長期) 学習に基づく自然言語処理 研究課題(短期) 英 作 文 支 援 シ ス テ ム の 開 発、 Web 利活用の支援、情報抽出、 機械学習

自然言語処理は人間の読み、書き、話す言葉を如何にコンピュータで扱うかに ついての学問です。自然言語処理の技術として、たとえば、 「せんせいになっ た」を入力して「先生担った」ではなく「先生になった」に変換してくれる(つ まり私たちが日常で使っている日本語入力)という身近な例があります。また、 Google の Web 検索エンジンや、外国語から日本語、日本語から外国語への自 動翻訳の例もあります。私たちの研究室では、これら関連の研究として、適切な 検索キーワードの自動提示といった Web の快適な利活用の支援や、英語を母語 としない人々の英作文の支援に関する研究を行っています。その一方、自然言語 処理技術を生かした学習ツールとしてのゲームの提案・作成や、様々な実用シス テムの開発も試みています。たとえば図 1 のような文字五目並べゲーム。これは

図1

人と人、人とコンピュータの二通りの方法でプレイできます。従来の五目並べに 加え、4 文字以上からなる言葉を作成する遊び方ができます。このようなゲーム 遊びを通じて四文字熟語などを自然に覚えていき、語彙力の向上につながること が期待されます。または図 2 のようなレシピー提案システム。得意な料理や嫌い な食材を入力することで、Web 上に存在する十数万件のレシピーデータからユー ザの好みに合ったレシピーを提案してくれる(セットメニューやカロリーの提示 もできる)便利な生活ツールです。

図2

数 理情報学科

Researcher:

松木平 淳太

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URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/math07.html

Title:

離散モデルによる現象の解析

専門分野 非線形波動、ソリトン、可積分系、 超離散系、セルオートマトン 研究課題(長期) 離散系、超離散系に対する数理 的枠組の構築 研究課題(短期) ソリトン系、セルオートマトン系 における Euler-Lagrange 対応

近年のコンピュータの計算能力の発達によって、数学的に取り扱いが困難な問題も、数値計算等で近似的に解くことができる ようになってきました。しかしながら、デジタル化に伴う離散化誤差は避けることはできず、どの程度の精度で結果が得られ ているかを常に意識する必要があります。それは現象の正確な把握を目的とする理学の分野のみならず、設計の精度が要求さ れる工学の分野にも当てはまります。ところで水波や光ファイバーの中にはソリトンと呼ばれる安定したパルス波が存在しま す。ソリトンは衝突によっても壊れることのないという不思議な性質を持っています。長年に渡るこのソリトンの研究の中で、 この安定性の背後には「可積分性」と呼ばれる深い数学的な構造があり、それが安定的な数値計算などに関係していること もわかってきました。さらにソリトン・セルオートマトンと呼ばれる 0 と 1 だけで構成される完全に離散的なモデルにも同 じ構造が存在することが最近わかってきています。すなわちデジタル化された離散 モデルの中にも、数学的に厳密な取り扱いができるものがあるということです。現 在我々の研究室では、セルオートマトンと通常の微分方程式や差分方程式系を結ぶ 超離散化の研究を精力的に行っています。最近はセルオートマトンによる交通流モ デルにおいて、運転者の立場から見た Lagrange 的見方と道路管制者側から見た Euler 的見方を結びつけることに成 功し、さらなる拡張を試みていると ころです。

ソリトンセルオートマトン

ソリトンの超離散化

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数 理情報学科

Researcher:

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道元 徹心

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/math20.html

Title:

日本仏教における思想展開

専門分野 仏教学、日本仏教 研究課題(長期) 日本における仏教思想の展開 研究課題(短期) 比叡山を拠点とした浄土教、日 本天台の教学研究

龍谷大学の建学の精神にもとづく全学部必修科目「仏教の思想」を担当しています。仏教は、およそ 2500 年前にインドで釈 尊によって開かれた教えで、インドからチベット・中国・東南アジアや朝鮮半島そして日本へと伝わりました。仏教の中心思 想は縁起という教えです。その思想は一貫性を持ちつつ、それぞれの風土と溶け合い、歴史事情や民族性を反映して多様に広 がりました。 日本では聖徳太子によって仏教が本格的に導入され、奈良時代から平安時代、鎌倉時代へと移る中で思想的に大きく展開して きました。平安期から鎌倉期にかけての思想展開が私の研究テーマであり、特に比叡山を中心とした教学に焦点を絞って研究 しています。 研究対象となるものは仏教文献です。龍谷大学の図書館は貴重な仏教文献が数多くあることで知られており、仏教研究には大 変恵まれた環境といえます。最近では経典や仏教論書などの多くがデジタル化されており、仏教研究にもパソコン使用が欠か せません。私はここ数年、データベース解析を使った独自の研究手法で複数の仏教典籍の比較検討を進めています。今後も、 既存の仏教文献をはじめ大学の内外に新出の仏教文献を求めて研究を進めたいと考えています。

数 理情報学科

Researcher:

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森田 善久

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/math09.html

Title:

数理科学に現れる微分方程式の 定性的構造の解明と応用

専門分野 応用解析(数学) 研究課題(長期) 数理科学に現れる微分方程式の 定性的構造の解明と応用 研究課題(短期) ギンツブルグ・ランダウ方程式、 反応拡散方程式などにおけるパ ターン形成とダイナミクスの数 理的研究

物理学は数学という言葉で記述されるといわれますが、物理現象だけでなく、自然界の様々な現象は数理モデルを用いて表す ことができます。その中でも微分方程式で記述される数理モデルは、天体の運動から始まって、流体の動き、化学反応、生物 の個体数変動、神経の興奮伝播、生物の形態形成、超伝導現象など様々な分野で現れます。近年は経済現象や社会現象にも応 用が広がっています。我々の研究室では、このような現象、特に生物集団や細胞集団、感染症などの数理モデルをとりあげ、 モデル方程式の解の研究をしています。数学的な定理を証明するだけでなく、シミュレーションを利用してイメージをふくら ましたり、背景の現象を学んで数学的な解と対応させながら研究します。

' " & 体内時計の数理モデルの振動解 -!(0 +/$(0% ) *. (横軸:時間,縦軸:複数のリン酸基の量)

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,

平面上のリミットサイクルに巻き付く # & 微分方程式の解


数 理情報学科

Researcher:

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山岸 義和

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/math18.html

Title:

折り紙と造形の幾何学

専門分野 応用幾何学 研究課題(長期) 複素力学系、葉序螺旋の数理、 準結晶の数理 研究課題(短期) 螺旋タイリングの幾何学

私の研究室では、タイル張りや折り紙などの幾何学を考えています。 (1)ペンローズタイルは、細い菱形と太い菱形の 2 種類 を非周期的に並べたパターンですが、その上に縞模様を描いてみると、それも非周期的になります。 (2)最近の作品としては、 ねじれのない一本の帯を折って、正四面体を作ってみました。 (3)また、相似な四角形を平面に敷き詰めて、花のようなパター ンのタイル張りを考えてみました。右回りと左回りの螺旋の本数が違っているのですが、数えてみると、フィボナッチ数とい う数が出てきます。

数 理情報学科

Researcher:

18

四ツ谷 晶二

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/math10.html

Title:

専門分野 数学、大域解析 研究課題(長期) 非線形偏微分方程式の大域的解構造 の解明

研究課題(短期) ・Cross-diffusion 方程式の大域的解構造と 安定性 ・Ginzburg-Landau 方程式の定常解の大域 的解構造 ・極小エネルギー曲率方程式の大域的解構造 ・共形スカラー曲率方程式の大域的解構造

非線形現象の数理的理解

非線形偏微分方程式の定常解の構造や、対応する時間発展問題の解の安定性に興味をもっている。まず未知の問題に対して、 計算機の数値計算や数式処理能力を積極的に利用して、大きく解構造の全体像をとらえ、できるところから数学的に厳密な証 明を与えていく。その数学的な理解に立ち、さらに詳細な数値実験や厳密な計算により理解を深めていき、最終的に大域的解 構造の全容を解明する。誰も不可能と思っていた問題に挑戦し思いもかけない解構造を発見したときの感動は言葉で言い表せ ない。はじめての高山の頂上でみる、崇高な景色をみるような気がする。現在は、19世紀の古典解析、現代解析、微分幾何、 計算機が渾然一体となった数学を楽しんでいる。図は、長さ2π、回転数 3、面積Mの曲線のうちで、曲率の分散が極小とな る曲線である。全く予想もできなかった不思議な曲線である。

M=0.80

M=0.49

M=0.37

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電子情報学科

Researcher:

石崎 俊雄

19

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/elec23.html

Title:

スマートフォン・無線給電を支える マイクロ波技術の研究

専門分野 マイクロ波工学、電子通信工学 研究課題(長期) マイクロ波・ミリ波新規デバイ ス・システムの研究 研究課題(短期) マイクロ波フィルター、メタマ テリアル、無線電力伝送の研究

スマートフォンはマイクロ波と呼ばれる電波 を使って通信します。マイクロ波デバイスの 超小型化により小型・軽量化され、どこにで も持ち運びできる便利な機器になりました。 また、マイクロ波は無線給電や電子レンジで の加熱にも使われ、スマホのバッテリーをど こででも充電できたり、電気自動車がマイク ロ波で動いたりするようになります。そんな 夢を追って、当研究室では最先端マイクロ波 デバイスの研究開発に日夜奮闘しています。

電子情報学科

Researcher:

植村 渉

20

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/elec17.html

Title:

自律移動ロボット

専門分野 情報通信工学、人工知能 研究課題(長期) 可視光通信の応用、自律移動ロ ボットの制御 研究課題(短期) 多重化無線通信、RoboCup Logistics League

人工知能(ソフトウエア)の発展に伴い,ロボット(ハードウエア)への期待も高まっ ています. 工場のオートメーション化を想定したものづくり分野における多数のロボット競技が開 催されています. 植村研では自律移動ロボットの世界大会である RoboCup,職人技を競う技能五輪と若 年者ものづくり競技大会,そして,政府の「新ロボット戦略」に基づいて 2020 年に実 施される World Robot Summit に出場や運営という形で,日本のものづくり分野に関 わっています. また,それらの世界大会を通して,海外の大学や研究機関との連携も行っており,ドイ ツの大学との学生交換もしております.

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電子情報学科

Researcher:

21

小野 景子

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/elec24.html

Title:

数理最適化制御手法の体験

専門分野 最適化、並列処理 研究課題(長期) 知的処理の基礎アルゴリズムに 関する研究と実最適化問題への 応用 研究課題(短期) 進化計算最適化手法を用いた自 律的照明制御手法に関する研究

制御手法に用いる数理最適化は構造物の最適設計やシステム制御など多 くの分野で用いられ、皆さんの身近で社会を支えている技術です。 本研究室では、数理最適化手法の基礎研究から実問題への応用を研究し ており、数理最適制御手法を用いた 3 D空間における構造物の位置合わ せ、Google グラスを用いた明るさ感センサの開発やそのセンサを用い た照明制御システムの開発を行っています。

Google グラスを用いた 明るさ感センサ

3D点群の位置合わせ

電子情報学科

Researcher:

照明制御

海川 龍治

22

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/elec12.html

Title:

太陽電池を作ろう

専門分野 電子物性、電子材料 研究課題(長期) カルコパイライト系薄膜太陽電 池の研究 研究課題(短期) 酸化物超伝導体、イオン注入、 フラーレン

石油の可採年数が 40 年になった今、新しいエネルギーの開発が急務になっています。電子工学分野からのエネルギー問題の 取り組みとして、太陽電池が考えられます。 各種太陽電池の中でも、Cu(In, Ga)S2(CIGS)太陽電池は耐久性に富、安価であり、今後次世代の太陽電池としてもっと も期待されています。また厚さが紙の 1/100 以下という利点を生かして柔軟性のあるフィルム状の太陽電池の作製も可能で す。

太陽電池作製装置

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Cu(In, Ga)S2 太陽電池


電子情報学科

Researcher:

川上 肇

23

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/elec14.html

Title:

ロボット視覚を計算機で実現しよう クイズ! 下の画像から を切り出しま した。切り出した場所を見つけ てください。

専門分野 画像処理・認識 研究課題(長期) ロバスト人工視覚システムのデ ザイン 研究課題(短期) 異種情報群のコラボレーション

高度化  や などの変動混入時にも 正しく動作する画像照合

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計算機はこの例題を簡単に解きます。もっと易しい例題もあ ります。それに変動が混入すると、難しくなります。計算機 と共に簡単な照合ゲームで、自分の限界に挑戦しよう!

電子情報学科

Researcher:

木村 昌弘

24

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/elec13.html

Title:

ウェブマイニング

専門分野 知能情報学、情報数理学 研究課題(長期) 機械学習とデータマイニングの 数理的研究 研究課題(短期) 統計的機械学習理論と Web マ イニングの研究

ウェブ(World Wide Web)は、誰もが国境を越えて自由に情報を発信および受信できるメディアとして急速に普及してきま した.そして今やウェブ空間は、巨大な情報貯蔵庫を形成するとともに、重要なコミュニケーションの場となってきています。 本研究室では、ウェブ空間というネットワーク情報空間を対象として,その中で爆発的に増大している多様で膨大なデータか ら、どのようにしたら欲しい情報や有用な知識を効率良く取り出すことができるのか、また、そのような空間の構造やダイナ ミックスはどのようなものかなどについて、知能情報学の立場から研究しています。

図 1. ブログネットワーク上の情報拡散

図 2. 観光スポットの旬シーズンの可視化

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電子情報学科

Researcher:

25

木村 陸

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/elec03.html

Title:

専門分野 薄膜トランジスタ・電子ディスプレイの特性解 析、シミュレータ開発とアプリケーション開発

研究課題(長期) 薄膜トランジスタの特性解析による動作原理解明、プ ロセス・デバイス・回路シミュレータモデルの開発、 薄膜トランジスタを用いたアプリケーションの開発

研究課題(短期) 薄膜トランジスタの特性解析・欠陥解析、電流 電圧特性解析・容量電圧特性解析、低温成膜・レー ザー結晶化・低温活性化モデルの開発、回路シ ミュレータのコンパクトモデルの開発、革新的 ディスプレイ・エレクトロニクスの応用の検討

薄膜トランジスタの新規応用

薄膜トランジスタ(TFT) は、液晶テレビや携帯電話などの液晶ディスプレイの駆動素子として用いられています。本研究室では、 TFT の特長を生かす LCD 以外への応用、 すなわち、光ディスク書込素子・磁場エリアセンサ・グルコースセンサ・人工網膜・ニュー ラルネットワークの研究開発を行っています。また、最近は有機 EL ディスプレイ(OLED)が注目されていますが、そのプ ロトタイプを展示します。この技術により、視るときはポスターのように壁に貼り、しまうときはクルクルと巻いておくポス ターテレビも考えられています。 薄膜トランジスタによる人工網膜は、透明で可曲な基板に作製でき、眼球への埋込に適している可能性があります。将来は、 眼のみえないかたが光を取り戻すための、夢の素子となるかもしれません。 最近、有機ディスプレイは、携帯電話や次世代テレビとして発売されていますが、その画質や寿命は、まだまだ向上の余地が あります。本研究室では、電流均一化時間階調方式という、画質や寿命を圧倒的に向上する新発明を提案しています。

電子情報学科

Researcher:

小堀 聡

26

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/elec05.html

Title:

認知科学って何?

―人間の認知・知能のしくみを探る―

専門分野 医用生体工学、人工知能、認知 科学 研究課題(長期) 人間の生体機能のメカニズムの 総合的研究 研究課題(短期) 人間の基本動作と知的機能の解 析

パソコンやスマホが普及し、ゲーム、ワープロ、インターネットといろいろなことができるようになりました。でも、それら は本当に便利でしょうか? もっと融通が利いたらと思うことはありませんか? 人間の方が優秀だということはまだまだた くさんありますよね? では、どうすれば、コンピュータはもっと便利に、また賢くなるのでしょうか? その答えのひとつが、人間の優れた認知や知能のしくみをもっと調べて、それを応用するという方法です。本研究室では、そ のような「認知科学」と呼ばれる分野で、人間の目の動きを測定するアイカメラという装置を用いて、人間がものを認識した り、ものごとを考えたりする過程について調べる研究を行っています。たとえば、錯視図形を認識しているときや楽譜を見て 楽器を演奏しているときの目の動きを測定し、分析しています。他にも、迷路の探索やトランプゲームのプレイなど、さまざ まなものを題材に用いています。

アイカメラによるギター演奏者の視線の測定

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電子情報学科

Researcher:

斉藤 光徳

27

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/elec07.html

Title:

光と音の楽しい世界

専門分野 光材料、計測工学 研究課題(長期) 光や超音波の利用法に関する研 究 研究課題(短期) 機能性材料や計測法の開発

私たちの研究室では、光や超音波を使って、いろいろな材料や装置を作っています。 そのひとつが蛍光ファイバ。太陽やランプの光を集めて機械の中や穴の奥にまぶしい 光を送り込んだり、レーザ光線を出したりするのに使えます。一方、省エネや防災に 役立つのが蓄光材料。昼間のうちに太陽エネルギーをため込んで、一晩中無電力で輝 きます。 目に見える光だけでなく、紫外線や赤外線などの見えない光も研究しています。赤外 線カメラを改造したガス観察装置では、目に見えないガスを観察することができます。 音の世界にも、人間の耳には聴こえない音、超音波があります。超音波の力を利用す る超音波ピンセットでは、ミドリムシ やゾウリムシのような微生物を捕まえることができます。 このほかにも、胃袋の中をのぞきこむ胃カメラ、透明になったり不透明になっ たりする液晶、磁石にくっつくおかしな液体など、いろんな実験を行って、 不思議な現象が起こるしくみを調べています。

電子情報学科

Researcher:

里井 久輝

28

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/elec25.html

Title:

自然な英語音声(英語らしさ)の 習得

専門分野 音声学・言語学、英語教育 研究課題(長期) 自然な英語音声(英語らしさ) の解明 研究課題(短期) 言語リズム・イントネーション などの超分節的特徴の研究 母音・子音など個々の分節音の 研究

音声学は、英語教育はもちろん、工学や医学などとても多くの分野に応用できる学問ですが、一般には「発音」に深く関わる 学問と言えば分かりやすいかもしれません。ところで、 「何年も英語を勉強しているのにいっこうに英語がうまくならない」 ということを耳にすることがありますが、英語の発音に関しても、学習した年数に比例してどんどんうまくなるという話はあ まり聞きません。 もともとリズムも音の体系も異なる日本語と英語ですから、日本語を母語とする日本人にとって英語の発音が難しいのはむし ろ当然のことです。「カタカナ英語でも通じさえすれば発音など問題ではない」とする考え方ももちろんあるでしょう。しか しながら、より分かりやすく、またより容易にお互いの意思疎通をはかるためには、なるべく判明度・明瞭度(intelligibility) の高い英語らしい音声を習得することが重要になってきます。 そこで、英語母語話者ではない私達が、英語らしい自然な英語音声を習得するにはどうすればよいのだろうか、そのような問 題意識のもと、主として次のような研究に取り組んでいます。 Ⅰ  子音や母音といった個々の分節音に関する研究 Ⅱ  アクセント・リズム・イントネーションなどの個々の分節音に付随してかぶさるように生じる超分節的音声特徴の研究 Ⅲ  音声に関わる心理言語学的研究 何気ない普段の会話も、実際には、まるでオーケストラのスコアのように、上記のさまざまな音声要素が組み合わさり処理さ れるというとても複雑なプロセスを経て発話されます。そのようなプロセスを少しずつ解き明かし、得られた知見を大学から 小学校にいたるまでの英語音声教育の場に還元できるよう研究を進めています。

21


電子情報学科

Researcher:

張 陽軍

29

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/elec15.html

Title:

電波応用計測・通信デバイスの研究

専門分野 電磁波工学 研究課題(長期) 電磁波計測・通信デバイスの研 究 研究課題(短期) 電磁波応用計測、計測システム、 人工誘電体アンテナ、共振器結 合の解析

情報通信社会においては、高分解能の計測技術や、機械の小型・ 軽量化、およびマルチメディア移動通信などが必要とされてい ます。そのため、マイクロ波や光など超高周波に関する研究及 び技術開発は、通信やセンシングの領域すべてに必要不可欠と なっています。 本研究室は、電磁波を用いることで今まで測定が困難であった 様々な計測対象を計測可能にする先端的計測技術を研究してお り、マイクロ波計測法の非接触、非破壊、かつ瞬時に測定でき る特徴を活かして、物質の誘電特性、含水率、密度などの計測 に関する研究に力を入れています。また、小型化、および高い 実用性を持つ計測システムの開発を目指して、システム中の重 図1 電波暗室の一隅 要なデバイスであるアレーアンテナの開発も進めています。 一方、今日の計算機技術の向上によりデバイス材料のパラメー タの精密な計算が可能になり、また、フォトリソグラフィ技術 により金属粒子の配置や大きさを自由に行うことができるよう になりました。本研究室は、これらの新しい技術を用いて以前 実現できなかった新しいデバイスの開発も行っています。研究 の一例として、金属粒子の配列や、形状、寸法を変化させるこ とによって任意の誘電率を得ることで、フラット且つ薄型のレ ンズアンテナを開発しました。さらにレンズに反射防止層を付 加することにより小型でシンプルな構造を保ちつつ、より実用 的なレンズの開発を進んでいます。その他、強い電磁波を防御 できる自力制御式シールドやマイクロ波フィルターや無線電力 図3 開発した人工誘電体フ ラットレンズ 伝送の重要な素子である共振器の研究も推進しています。

図2 マイクロ波による測定結果

図4 人工誘電体フラットレン ズの評価結果

(直径 50㎜、厚み 5㎜)

電子情報学科

Researcher:

中川 晃成

30

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/elec16.html

Title:

琵琶湖水域圏の景観、 その変遷と実相の情報的手法による解明

専門分野 空間物理学 研究課題(長期) 宇宙プラズマ 研究課題(短期) 太陽コロナの諸現象

琵琶湖の湖際(みずぎわ)の景観とその変遷について、情報的手法も援用して研究しています。景観の大きな改変が、耕地整 備や災害対策など、それ自身否定できない美名に隠れて、為政者の意向に基づく一元的な価値観の下になされ、公共水面であ る琵琶湖水域が収奪されるということが、近世においても、また近代以降においても繰り返されてきています。本来、湖際の 風土(= 景観)は、多様で重層的な「用益」と「愉楽」の場であり、そこでは当事者による「普請」 (= 保全や管理)がこう した受益と表裏一体のものとしてなされることが望ましい姿と考えます。一人ひとりが個人として人間の尊厳を保証される、 そのことの一部としての「風土(= 景観)の享受と自決」の権利を担保するための哲学と法理の構築も指向しています。

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電子情報学科

Researcher:

31

番 貴彦

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/elec26.html

Title:

人間の脳を模した次世代記憶デバ イスに関する研究

専門分野 半導体工学 研究課題(長期) 抵抗変化材料を利用した脳型デ バイスの作製 研究課題(短期) 自己修復型抵抗変化素子の作製 各種脳機能を模した回路の設計

我々の社会はスマートフォンなどの情報機器が発達し、より便利に高度に進化しています。しかしその一方で我々の扱う情報 量は膨大に膨れ上がり、同時に複雑化しています。これからもよりよく社会を発展させていくには膨大な情報を記憶するデバ イスや、複雑化した情報を処理するデバイスが必要となってきます。当研究室では人間の脳を模したデバイスを作製すること で、より高度な情報処理機能を持たせた次世代の記憶デバイスの作製に取り組みます。 人間の脳内の神経回路はニューロンと、ニューロン同士をつなぐシナプスで構成されています。シナプスは刺激が与えられる とニューロン同士をつなぎ、逆に刺激が無いとつながりが弱くなります。このシナプスを模倣する回路として抵抗変化素子が 注目されています。抵抗変化素子は金属酸化物を金属で挟んだ単純な構造を持っており、電圧の印加により抵抗が変化する記 憶素子です。当研究室では刺激が無いとシナプスが弱まることの模倣として、弱い刺激だけでは抵抗変化が元に戻る素子を作 製します。具体的には抵抗変化素子に一部のコンデンサが持つ自己修復能力を付与することで、一度抵抗が低くなっても、時 間をおけば元に戻るような素子を作製します。

図 シナプスと抵抗変化素子の模式図

電子情報学科

Researcher:

松室 尭之

32

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/elec27.html

Title:

「マイクロ波」で電気エネルギーを 送る

専門分野 マイクロ波工学、アンテナ工学 研究課題(長期) 宇宙太陽発電システムの要素技 術開発 研究課題(短期) マイクロ波送電システムの地上 応用技術開発

みなさんは、ふとしたときにスマートフォンを使って電話やインターネットができることを不思議に思ったことはありません か?スマホにはひとつも線をつないでいないのに、離れた人に音声やメッセージを送れるのはどうしてなのでしょう。 実は、スマホからは目には見えない「マイクロ波」が飛び出ていて、 音声や文字の情報を運んでくれています。スマホ以外にも、 電子レンジでコンビニ弁当を温めたりするときに「マ イクロ波」は役に立っています。私たちの研究室で は、この縁の下の力持ちである「マイクロ波」を使っ て電気エネルギーを送る研究をしています。 電気エネルギーを飛ばして送るなんて大丈夫?と 思った人も心配はご無用です。そのために私たちの 研究室では、たくさんのアンテナを使って狙った場 所に正確にマイクロ波を送る技術(レトロディレク ティブ)の研究や、人体に影響がない程度の薄いマ イクロ波から出来るだけ多くの電気エネルギーを取 り出す装置(レクテナ)の研究を進めています。 ご興味のある方は、お手持ちのスマホで「マイクロ 波電力伝送」を検索してみてください。 図:「マイクロ波」を用いたクリーンな電気エネルギーの伝送

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電子情報学科

Researcher:

山本 伸一

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URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/elec11.html

Title:

光る材料の研究開発

専門分野 材料物性学、薄膜工学 研究課題(長期) 原子・分子操作に関する研究 研究課題(短期) グリーンナノテクノロジーを用 いた電子デバイスの開発

様々な原子の組み合わせを研究:身の回りにあるいろいろな物質は、さまざまな種類の原子の組み合わせででき ています。発見されている原子だけでも、なんと100種類以上もあります。たったこれだけの種類の原子の組み合わせで、 数え切れない種類の物質がつくられます。原子・分子などが自発的に集合し、規則的な形を作ることがあります。現在、自己 組織化を利用した新規デバイスの研究開発を行っています。

照明のための材料研究:明るさの感覚を人 に生じさせている電磁波は、一般的に光といわれてい ます。特に人の眼で捉えることができる光を可視光線 とよんでいます。人にとって感度のよい光は 500 nm (ナノメートル)前後ですが、これは人間の目が太陽 光のスペクトルに合わせて進化してきたためと考えら れています。太陽の色が「赤」色ではなく、正確には 「黄」色であることからも理解できます。もし太陽が 今より高温であれば、可視光の範囲も違っていたこと でしょう。照明等の光の快適性は、光の明るさだけで なく、光色(色温度や演色性)等の光の質も考える必 要があります。さまざまな光を蛍光体粒子に当てて、 材料が光る様子をミクロレベルで観察してみてくださ い。ディスプレイへの応用も目指しています。

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赤外線で光る蛍光体粒子

プラズマを用いた発光


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機械システム工学科

Researcher:

大津 広敬

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URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/mecsys11.html

Title:

安全を目指した新しい飛行体の開発

専門分野 航空宇宙工学、空気力学、飛行 力学、数値流体力学 研究課題(長期) 再突入飛行体の研究、小型・低速 飛行体の研究、流体数値解析技術 研究課題(短期) 再突入飛行体の空力加熱低減法、 低レイノルズ数領域の飛行体

大津研究室では、航空宇宙工学に関連した流体力学の研究を JAXA や海外の大学・研究所といっしょに行っています。具体的 なテーマは以下の通りです。 1)操縦の簡単な低速飛行可能な小型飛行体や飛行船の開発 2)大気圏再突入時の空力加熱を避けることのできる新しい宇宙飛行体の開発 3)効率の良いロケットノズルの開発 4)シンセティックジェットアクチュエータの基礎特性 5)新しい数値流体シミュレーション手法の開発

機械システム工学科

Researcher:

大槻 志郎

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URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/mecsys03.html

Title:

多様性としての英語、文学、文化

専門分野 英文学 研究課題(長期) 現代英語小説 研究課題(短期) カナダ作家 Michael Ondaatje, Alistair MacLeod、 短 編 小 説 研究

一般英語の授業の担当ですが、本来の専門は英文学です。 最初は、20 世紀英国小説の研究から出発したものの、流動する世界の動きに呼応するように、だんだん関心が外に広がり、 今では英米に限らず、さらに必ずしも英語圏にとどまらずに、広く英語で書かれた小説を扱うようになりました。 授業では、1、2 回生対象の必修英語や、選択科目で、たとえばニュースや小説など、分野別に学ぶ英語セミナーなどを受け持っ ていますが、その場合でも、英語は、英米のことだけでなく、世界の様々な姿に触れるための道具である、ということを念頭 においています。世界も英語自体も多様化していますので、学生諸君が自分の関心に見合う形で積極的に英語を学んでいける ように、授業でも様々な分野や方法を取り上げながら、英語の新たな可能性を拓いていければ、と思っています。 またここ数年は、英語以外にも、 「西洋の文学 A」「西洋の文学 B」という、いささか私としては大それた内容の講義を担当さ せてもらうようになりました。いずれも幾つかのテーマから文学やら文化の世界を斬っていくというやり方です。このような 大きな対象の講義は荷が重いのですが、自分の世界が広がるのが嬉しいように、受講生諸君から世界が広がったように言われ ると、それが嬉しくて励みになります。

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機械システム工学科

Researcher:

小川 圭二

36

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/mecsys20.html

Title:

環境にやさしい生産加工技術

専門分野 生産工学・加工学 研究課題(長期) 先進的な生産加工技術およびシ ステムの開発 研究課題(短期) レーザ加工と機械加工のハイブ リッド化、オンマシン型レーザ 熱処理システム、サスティナブ ル・マニュファクチャリング

生産加工技術は、ものづくりを支える縁の下の力持ちです。 次世代を担う高度なものづくり技術の確立や環境対応型ものづくりシステムの確立を目指しています。 具体的には、ベッドサイドでの即時検査を可能にする医療分析チップ金型製造のための超精密マイクロエンドミル加工技術の 研究。レーザ加工を機械加工とハイブリッド化することで、超硬合金など削るのが難しい材料を高能率に加工するための技術 の開発。工作機械上で削るだけでなく、レーザを使ってクリーンな環境で熱処理もやってしまうオンマシン型レーザ熱処理シ ステムの開発およびその応用技術の研究。そして、日本において数少ない豊富な資源である竹(天然素材)を有効活用した資 源完全循環型のサスティナブル(持続再生可能な)生産システムの開発などを行います。

オンマシン型レーザ熱処理システム

機械システム工学科

Researcher:

金子 康智

竹を利用した資源完全循環型システム

37

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/mecsys04.html

Title:

ターボ機械の翼・インペラーの振 動に関する研究

専門分野 機械力学・振動工学 研究課題(長期) 回転機械の振動、流体関連振動 研究課題(短期) ターボ機械の翼やインペラの振 動に関する研究

ターボ機械や翼やインペラは、流体エネルギから機械的エネルギへの変換、またはその逆を行うターボ機械の心臓部であり、 ターボ機械の性能や信頼性に大きな影響を及ぼします。特に、インペラの損傷原因は振動に起因するものが最も多く、ターボ 機械の信頼性を向上させるためには、設計段階で翼やインペラの振動特性を正確に予測し、振動強度を向上させることが不可 欠です。このような観点から、現在、下記のテーマに取り組んでいます。 (1)翼やインペラの最適振動強度設計技術 (2)ミスチューンがある翼・ディスク系の振動特性予測技術 (3)摩擦や衝突を利用したダンパ翼の振動特性予測技術 (4)翼やインペラの振動応答低減技術

蒸気タービンロータ

翼・ディスク系の振動モード

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機械システム工学科

Researcher:

譽田 登

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URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/mecsys24.html

Title:

構造材料の破壊機構の解明と それに基づく破壊防止技術の研究

専門分野 材料力学、機械材料、金属疲労、 破壊力学 研究課題(長期) 安全・安心社会への機械システ ム分野からの貢献 研究課題(短期) 構造物の破壊防止技術のさらな る発展

安全・安心な日々の生活は多くの技術によって維持、向上されている。日頃はその恩恵を感じにくいが、地震や事故が発生し たときには、そのありがたさを痛感する。安全・安心な社会の構築の一助とすべく、研究室では、船舶・橋梁・自動車などの 破壊防止技術のさらなる発展をテーマとしている。 具体的には鉄鋼材料を初めとする各種材料の破壊防止技術について研究している。破壊の仕方についてはいくつかのパターン が知られているが、技術の進歩に伴い、ある程度克服されつつある破壊パターンもある。それに対し、疲労という破壊パター ンは、小さな荷重でも発生することや初期損傷領域がナノメータレベルであるため、長年に渡り多大な検討がなされているに もかかわらず完全には解明されているとは言えない。研究室 ではこの疲労破壊を主に取り扱っている。 疲労破壊は割れの発生とその後の進展という2つのプロセス に分けることがある。割れの進展に対しては図に示すような 改善メカニズムを見出し、破壊抵抗に優れる鋼材を実現でき た。一方、溶接を行うと、割れの発生に対し材料の工夫では 疲労特性を改善することは難しい、と見なされてきた。疲労 荷重を受けても割れにくい材料の設計指針を明らかにすると いう極めて高いハードルの課題に対し、永らく立ち向かって きた。最近になって漸く解決の糸口と思われる現象を把握で きた。このように、研究室では社会の安全・安心に役立つ破 壊防止技術について力学的に研究している。

機械システム工学科

Researcher:

左近 拓男

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URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/mecsys21.html

Title:

機能性磁性材料の物性ならびに 磁性の研究

専門分野 磁性物理学、低温物理学 研究課題(長期) 磁性ホイスラー合金の構造相転 移と磁性の相関の研究 研究課題(短期) マイクロマシン用の超小型磁気 アクチュエータの開発

現代の工業材料の中には磁石や磁性体などの磁気材料が多く使われている。そうした材料は磁場中で利用されるために磁場中 での磁性(磁気的な性質)の評価が重要である。磁化はいわゆる物質のもつ磁石の性質の強さを測るもので、磁気材料の評価 の上で一番基本的な物理量である。また、最近では宇宙からあるいは砂漠の真ん中まであらゆる条件でも機械が動作すること が求められている。本研究では、液体ヘリウム温度(-269 ℃)から摂氏 300 ℃程度の温度領域での磁気測定装置を作成し 磁気機能性合金の研究を行なっている。 本研究室には瞬間的で強い磁場を加えることが出来るパルス磁場発生装置があり、数 % もの歪みを発生する新規ホイスラー 合金などの磁場誘起歪みの研 究を行っている。 ま た、 核 磁 気 共 鳴(NMR) や電子磁気共鳴(ESR)によ る原子レベルでの微視的な磁 性の研究も行うことで、マク ロ(巨視的)な状態からミク ロ(微視的)な状態までの物 性・磁性を観察することでこ れらの合金のもつ機能性につ いて探索している。 パルス磁場発生装置。 最高で 40T(40 万ガウス)の強磁場が発生可能。

28

核磁気共鳴(NMR)および磁気熱量実験装置。 電磁石と組み合わせて磁気的な性質を探る。


機械システム工学科

Researcher:

塩見 洋一

40

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/mecsys06.html

Title:

目に見えない熱と流れを見てみよう

専門分野 機械工学(流体工学、熱工学) 研究課題(長期) 混相流の流動特性、熱流体の数 値シミュレーション 研究課題(短期) オリフィスを通過する気液二相流 における騒音発生、各種流れの可 視化と画像計測、数値シミュレー ションソフトによる熱流体解析

空気の流れや温度分布は普通では目で見ることが出来ません。それを目で見えるようにするのが「流れや熱の可視化」です。スー パーやコンビニなどにある冷蔵ショーケースの冷気の流れや温度分布、プールにおける流れの様子などを計算機でシミュレー ションして、その計算結果を可視化して、どのように流れているのかをお見せします。 さらに、模型自動車周りの空気の流れを煙とレーザーシート光を用いて可視化した結果をお見せします。また、それらの得ら れた画像を解析することで速度分布を求めることも出来ます。普段目には見えない流れや温度分布がこんなふうになっていた んだと、そこに新しい何かが発見できるかも知れません !?

冷蔵ショーケースの数値シミュレーション結果

機械システム工学科

Researcher:

渋谷 恒司

模型自動車まわりの流れの可視化結果

41

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/mecsys12.html

Title:

人間や動物に学ぶロボットの開発

専門分野 ロボット工学 研究課題(長期) ロボットによる感性表現の実 現、移動ロボットの機能と制御 研究課題(短期) バイオリン演奏ロボット、4脚 走行ロボット、水中ロボット

本研究室では,人や動物に学んだロボットの開発を行っています.人間型バイオリン演奏ロボットの研究では,楽譜から自動 的に演奏動作を決定するシステムを構築中で,最終的には,豊かな表現力でのバイオリン演奏を目指しています. 4 脚ロボッ トの研究では,馬の様々な足の運び方を実現し,エネルギー効率の良い歩行をするロボットの開発を行っています.また,水 中ロボットの浮力調整装置の研究では,「個体と液体間での体積変化による浮力変化を利用している」というマッコウクジラ の浮力調節に関する仮説に基づいて,浮力調節装置を開発しています.柔軟センサの研究では,人間の皮膚のように柔軟な素 材で物体の滑りを検知できるようなセンサの開発を行っています.そして,人間の脳波のデータを使って複数のロボットを操 作するシステムの開発にも取り組んでいます.このように,本研究室では,様々なアイディアを基にロボットシステムや,そ れを構成する要素の研究開発を行っています.

29


機械システム工学科

Researcher:

42

田原 大輔

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/mecsys14.html

Title:

医療に役立つ機械工学: バイオメカニクス

専門分野 バイオメカニクス,計算力学, 医用生体工学・生体材料学 研究課題(長期) 生体組織の構造・機能の力学解 析とその工学応用 研究課題(短期) 骨リモデリングの力学的適応機 能のモデル化・解析

生体組織のかたちと役割を力学的に理解する「バイオメカニクス(生体力学)」の考え方を用い、機械・構造物の適応化のため の新たな設計手法と、医療に役立つ新しい技術を開発しています。骨・歯、 人工骨、補正下着、細胞を対象とした実験と計算を行っ ています。

■骨リモデリングを反映した骨質評価手法の開発  力と深く関連する骨のリモデリングの計算シミュレーション手法と、アパタ イト結晶配向を考慮した骨の応力解析手法を開発しています。

■緩み抑制を狙った脊椎固定用スクリュー・ロッドの開発  脊椎固定用スクリューの緩みを抑制できる設計方法を研究しています。ロッ ドの剛性とスクリューの緩みの関係を調べています。

■筋骨格モデルによる歩行解析  病気による筋力低下のメカニズムや体の中の筋力バランスの変化を明らかに するため,筋骨格シミュレーションを行っています。

■新しい模擬骨の開発  外科医師の手術練習を想定して、実際の骨の力学的特性に近い新しい模擬骨 を開発中です。

■尿失禁改善下着の開発

筋骨格シミュレーション

改善効果が高いサポート下着の着圧比を計算で探っています。

機械システム工学科

Researcher:

43

上 哲也

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/mecsys08.html

Title:

繊維強化複合材料の解析と実験的 評価

専門分野 複合材料力学、計算力学 研究課題(長期) 複合材料の力学的挙動評価に関 する研究 研究課題(短期) 織物複合材料のシミュレーショ ンおよび実験的評価

複合材料は,二種類以上の材料を組み合わせることで,お互いの欠点を補い,素材単体よりも優れた特性を持つ材料です。複 合材料は様々な形態のものがありますが,ガラス繊維や炭素繊維に代表される軽くて強い繊維強化プラスチック(FRP)が, 航空機や自動車用の材料として注目されています。特に,炭素繊維は日本の得意とする技術で,今後益々需要が見込まれてい ます。身近なところでは,テニスラケットやゴル 䜹䞊䝪䞁⧄⥔⧊≀㻌

フシャフト,自転車フレームなどに採用されてい

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ます。複合材料は,異質な材料が複雑な形態を成

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しているため,力学的に複雑な挙動を示します。 㻠㻡ᗘ᪉ྥᮦ㻌

当研究室では,複合材料の内部に発生する力をコ 図 1 織物複合材料のコンピュータ解析

ンピューターの力を借りて評価したり,実際に材 料試験機を用いて測定したりすることで,高機能

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ボン繊維の織物複合材料のどの部分に大きな力が

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発生するかをコンピューターで解析し,可視化し

᏶඲ᣊ᮰ X

た結果です。図 2 は,企業との研究プロジェク トで開発を行ったジェットエンジンブレードの強

ゅ㏿ᗘ13200 rpm

Y

䐥 䐤

ᅽຊ 㼇㻼㼍㼉 8339 8509 8463 8330

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ᅽຊ 㼇㻼㼍㼉 8012 7504 6856 6153

12000 10000

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8000 6000

度解析結果で,十分に強度があることを確認して

4000

から,図 3 のようなブレードを試作し,回転試

2000

験を行いました。図 4 は,ブレードの回転試験

0

結果で,解析と実験結果がよく一致していること がわかります。

30

14000

ᅽ ᅽ ຊ ຊ 䛾 䛾 ᪉ ᪉ ྥ ྥ

ᅇ㌿ᩘ㻌[rpm]

41.1 deg

複合材料の開発に取り組んでいます。図 1 は, カー

ᐇ㦂1 ᐇ㦂2 ゎᯒ

0

0.0002

0.0004

0.0006

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図 3 ブレードの試作と回転試験

図 4 ブレードの回転試験結果


機械システム工学科

Researcher:

堤 一義

44

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/mecsys07.html

Title:

専門分野 知能システム工学

研究課題(長期) システムやロボットの知能化に関する研究、 人工神経回路網の理論と応用に関する研究

研究課題(短期) 1 脚跳躍ロボットに関する研究、脚走行ロ ボットに関する研究、脚歩行ロボットに関 する研究、動的身体バランス制御能力評価 訓練デバイスに関する研究、強化学習に基 づく機械システムの知能化に関する研究

生物に学ぶ知能システムの構築

私たちの研究室では、「生物に学ぶ知能システムの構築」をモットーに、生物の神経系や筋・骨格系を参考にした、以下のよう なインテリジェントなロボットや機械システムに関する研究を進めています。

■バネ要素を有する脚型ロボット(1 脚:跳躍 ∼ 4 脚:走行) 4 足動物の走るメカニズムに注目した「走るロボット」について研究を進めており、その一環として、「ばね要素」を陽に取り 入れた 1 本足の「飛び跳ねるロボット」 、さらには 4 本足の「走るロボット(写真上)」を試作しています。最近では「アクチュ エータとしての DC モータ」と「バネ要素」の能力を最大限に引き出すため、「クラッチ機構」の導 入も進めています。めざすは世界最速! めざすはブレイクダンス!

■学習に基づくロボットや機械システムの知能化 従来は、私たち設計者がロボットの動作を作り込むのが一般的でしたが、ロボットに知能を与え、 ロボット自身が跳躍や走行の動作を「思考錯誤によって学習的に獲得する」ことも可能になって来 ました。私たちの研究室では、「人工神経回路網」や「強化学習」などのフレームワークを用いた、 人工知能の制御への応用研究についても、早い段階から積極的に推進しています。

■ヒトの動的身体バランス制御能力を鍛える! 「動的身体バランス制御能力評価訓練デバイス(写真下) 」や「遠隔腕相撲システム」など、ヒトと 機械との相互作用に着目した研究にも積極的に取り組んでいます。これらのデバイスを活用すれば 驚異の身体能力を手に入れれるかも・・・・と期待したいところですが、実はそう単純ではなく、 非常に複雑なヒトと機械の関係性が研究で明らかになりつつあります。便利な機械に頼るようにな ると、ヒトの能力は確実に衰えて行きます。複雑なシステムの信頼性を向上させ、より安全・安心 なシステムを構築するためには、ヒトの能力を自然に(無意識下で)鍛えることが必須であり、私 たちはこの点を 21 世紀の科学技術に求められる非常に重要な視点と考えています。

機械システム工学科

Researcher:

永瀬 純也

45

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/mecsys22.html

Title:

動植物にヒントを得たユニークな ロボットメカニズム

専門分野 ロボット工学、メカトロニクス 研究課題(長期) 生活支援・災害救助を目的とし たロボット・メカトロニクス機 器の開発 研究課題(短期) 表面剛性可変型ロボットハンドの開 発、ウォームラック機構に基づく円 筒状クローラ型ロボットの開発

動植物の構造や機能を解明し,新しいロボットメカニズムを生み出すことが研究室のテーマです.通常,高性能なロボットは, 複数のセンサおよび高度なコンピュータ制御によって達成され,またそれによってロボットには知性がもたらされます.一方, 当研究室では,自然の

を解明しそれを活かすことで,あえて " シンプルなメカニズムのみ " によってロボットに知性をもた

らすことを追究しています. 研究テーマとしては,例えばアメーバの推進原理にヒントを得た移動ロボット メカニカルアメーバ の研究をしています. アメーバの細胞質流動に基づく推進原理をメカニカルな機構で再現し,ガス・水道管内やヒトの大腸内,さらに血管内といっ たこれまで極めて困難とされていた環境も容易に走行可能な移動機構の実現を目指しています.また,生体筋のように軽くて 力強い人工筋肉の研究や,リハビリ機器への応用開発なども行っています.さらに動物のみならず植物にも着目しており,つ る植物の巻きつき動作を参考にした巻きつき推進メカニズムの研究開発にも取り組んでいます.

アメーバ規範型クローラロボット

つる植物規範型 巻きつきメカニズム

手指リハビリテーションデバイス

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機械システム工学科

Researcher:

野口 佳樹

46

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/mecsys15.html

Title:

エネルギーの効率的な利用を考える

専門分野 反応性気体力学、燃焼工学 研究課題(長期) 乱流予混合火炎の火炎構造の解析 研究課題(短期) 乱流予混合火炎の火炎面の挙動 と流れの相互作用の解析

野口研究室では、エネルギーの有効利用を目標に、燃焼利用した熱エネルギーの研究、太陽電池やバイオマスなどを利用した 自然エネルギーなどのようなエネルギーに関する研究をしています。

熱エネルギーの利用(燃焼技術の研究) ①乱流燃焼の研究…乱れを利用して燃焼を促進させる  →エンジン出力の向上、燃費の向上 ②極めて小さな炎の研究…コンパクトで高エネルギー源  →乾電池にかわるハイパワー電池 ③高温空気燃焼…廃熱などを利用して 1000℃以上の環境下での燃焼させる  →熱を捨てずにかつより少ない燃料でも燃焼可能で燃料の節約

自然エネルギーの利用 ④バイオマスエネルギー発電の研究…間伐材などの木材の廃棄物を利用した発電  →化石燃料を使用しないので CO2 削減に貢献 ⑤ソーラーカーの研究…太陽電池による発電エネルギーの効率のよい利用  → FIA 公認ソーラーカーレース鈴鹿に参戦 ⑥風力発電者の研究…車が走るときに前から受ける風力を利用して発電する  →太陽電池と併用してより高出力の車の開発

機械システム工学科

Researcher:

前田 英史

47

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/mecsys16.html

Title:

生活を支える鋳物 ∼鉄の組織を考える∼

専門分野 電気・電子工学、材料工学 研究課題(長期) 磁気駆動材料の微細構造と変態 におけるその場観察法の確立 研究課題(短期) 機能材料の粒界の結晶学的観 察、粒子線回折法を用いた磁性 合金の観察

我々の生活には、鉄は欠かせない物質です。自動車部品や産業機械部品、パイプ、構造材料と、 様々な形で必要とされています。特に、複雑な形状の製品を大量生産する場合には、鋳造による 生産が主とされています。鋳物と呼ばれる製品です。鋳造以外の工法で造ると、曲げや溶接など 様々な加工法の組合せが必要となり、生産性が低くコストがかかります。鋳造とは固体の鉄を溶 解し液体に変えて鋳型に流し込み成型する手法で、比較的自由度の高い形状を作製することが可 能です。ここでは、工程に比較的簡単な処理を加えることで材料の性質を改善する「高機能化処 理」が望まれます。特定の微量元素添加によって鉄に含まれる黒鉛組織の形を丸めた球状黒鉛鋳 鉄は成功したその一例で、割れがおこりにくく、強度も増すことから、現在も生産量が増えつつ あります。しかしながら、なぜ添加元素で含まれる黒鉛が丸く なるのかは定説が得られておらず、我々の研究室ではこの黒鉛 組織の成り立ちを結晶学の観点から詳しく解明することを近年 のテーマとしています。 未処理の鋳鉄材(左)と Mg 微量添加による球状黒鉛鋳鉄∼片 状であった黒鉛組織が丸くなることで界面からの割れが起こり にくくなり、強度も増している。

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機械システム工学科

Researcher:

森 正和

48

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/mecsys13.html

Title:

機械材料をより強く,より機能的 にする材料プロセス

専門分野 材料物性、薄膜合成 研究課題(長期) 新しい着色膜形成技術の開発 研究課題(短期) プラズマ援用エアロゾルデポジ ション法の開発

機械材料や機械構造物の強度や耐久性を高めることを目的として、その表面には様々な加工が施されています.これを表面処 理といいます.現在では、高周波焼入れ、ショットピーニング、浸炭、薄膜コーティングなどの様々な表面処理が施されてい ます.摩擦攪拌プロセス (FSP: Friction Stir Processing) は、固相接合法である摩擦攪拌接合 (FSW: Friction Stir Welding) の技術を金属の表面改質に応用したものであり、欠陥の除去や組織微細化を目的として、近年盛んに研究が進められています. FSP を用いることで、材料表面の結晶の大きさを小さくしたり、複合材料の形成を行うことができ、機械材料や機械構造物の 強度や耐久性を飛躍的に高めることができる可能性をもっています.

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34


Researcher:

物 質 化 学 科

青井 芳史

49

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/chem09.html

Title:

各種機能性材料の作製、物性評価

専門分野 機能性材料化学 研究課題(長期) 各種機能性材料の合成、物性評価 研究課題(短期) ・無機薄膜材料の合成および物 性評価 ・3 次元規則多孔質構造体の作 製

当研究室では、特に、 「薄膜」、 「表面」、 「構造」をキーワードとし、無機、金属、有機といった分野にこだわらず、各種機能性 材料の研究を行っています。主要な研究テーマは次の通りです。 ・アモルファス炭素系薄膜の合成およびその表面修飾による機能化 ダイヤモンド、カーボンナノチューブ、グラフェン等に代表される炭素系材料は、大きな 注目を集めている材料です。こ れら以外に、アモルファスの形態を有する「アモルファス 炭素(a-C) 」は、優れた機械的・電気的特性、化学的安定性、高生体適合性等の特性を有 しており、様々な分野で活用されています。私たちの研究室では、これらの薄膜をプラズ マを利用した手法で合成し、その構造、物性を明らかにする研究に取り組んでいます。さ らに、薄膜表面に多様な機能を有する有機分子等を結合させて表面修飾することにより、 新しい付加価値を引き出すことを狙った研究を行っています。

生体関連分子で修飾した a-C 薄膜 表面への金ナノ粒子の吸着

・3 次元規則多孔質構造体の作製 光の波長程度で3次元的に規則的な構造を有する材料は、光学的 に非常に興味深い特徴を有しており、「構造色」を示すことが知ら れています。本研究では、ポリスチレンやシリカのコロイド粒子 の自己集合を利用し、球状の形態を持つ 3 次元規則構造体を作製 し、されにそれらの反転構造体の作製も行っており、光学的応用や、 それ以外の応用の可能性についての研究を行っています。 3 次元規則構造体

Researcher:

物 質 化 学 科

岩澤 哲郎

50

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/chem10.html Title:

僕らは分子の世界の建築家!医農 薬に貢献する有機合成を!

専門分野 有機合成化学 研究課題(長期) 画期的な化学空間利用型分子触 媒の実用化 研究課題(短期) 化学空間利用型分子触媒の価値 創出

当研究室の専門は有機合成化学です。生 命を形作る「有機分子」を人間の手で 「作る!造る!創る!」研究をしていま す。この研究は医療・医農薬品・食物・ 材料の開発と関係が深く、将来役に立つ 価値や夢を追求する取り組みです。この 夢を叶えるために学生さんはフラスコを 振って毎日「実験」をします。実験をす るには知力・体力・気力を存分に使う必 要があるため、とてもスポーツ的な一面 があります。実験を繰り返すことで、有 機合成の特殊なテクニックだけではなく 知力・体力・気力も自然に身につきます。 若者らしい逞しさを発揮できる学問です ので、エネルギーに

れた方との出会い

を楽しみにしています!

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物 質 化 学 科

Researcher:

内田 欣吾

51

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/chem02.html

Title:

ハスの葉やカタツムリから学ぶ 光応答材料

専門分野 有機機能材料化学 研究課題(長期) 有機フォトクロミック化合物の 合成と機能化 研究課題(短期) 光応答機能薄膜、光応答性結晶 材料、光分子スイッチ、光応答 性超分子システム

光を当てることにより、色の異なる二つの 状態を交互にスイッチできる分子が存在し ます。これらは、フォトクロミック分子と 呼ばれ、分子メモリー、分子スイッチといっ たナノサイズの科学材料として使われてき ました。しかし , 最近 , 複数の分子が協働し て変化することで、光照射により複雑でか つ目で見える応答をするシステムの報告例 が増えています。当研究室では、リアルワー ルドで光駆動する分子集合系、結晶や液晶 の研究を行い、光照射で水滴を弾くハスの 葉の表面構造や、水滴が触れるや否や広が るカタツムリの殻の表面構造、あるいは、 光を散乱するモスアイ効果を示す蛾の眼の 表面構造を光照射で生成するシステムを作 ることに成功しました。最近は、ホウセン カの種飛ばしをまねた光刺激により内容物 を放出するシステムを開発しました。

物 質 化 学 科

Researcher:

Augustine Jonathan

52

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/chem22.html

Title:

ハワイ移民史 二十世紀アメリカ音楽史

専門分野 思想史、比較文学、東アジア史 研究課題(長期) ハワイ移民史 二十世紀アメリ カ音楽史 研究課題(短期) 清朝末期の新聞史

専門は東アジア史です。歴史学は「暗記が多く難解な分野だ」という印象を学生は持っているようですが、決してそんなこと はありません。社会思想史は、教科書の政治史とは異なり、古の一般民衆が何を食べ、どんな服を身に纏い、どのような夢を 抱いていたかを探求する学問です。グローバル史の視点から考えれば、文化の衝突は必然的なプロセスに思えるかもしれませ んが、実は異文化理解の最大の問題点は、「言語の壁」ではなく、宗教、歴史、倫理感の 知識不足から生じるものだと実感し ております。より相対的な歴史観を身につけることが、東西文化交流史の研究者にとって不可欠だと思います。

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物 質 化 学 科

Researcher:

大柳 満之

53

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/chem03.html

Title:

超高温セラミックスエンジン素材の 研究と水素エネルギーの貯蔵・放出

専門分野 無機材料合成化学 研究課題(長期) 無機材料の低環境負荷プロセッ シング 研究課題(短期) メカノケミカルプロセス、燃焼 合成、誘導場活性化プロセス、 放電プラズマ焼結

航空機エンジンの高圧ガスタービンは、環境温度が、非常に

次世代のクリーンエネルギーとして期待されている水素の貯

高くなるため、耐熱性や強度の観点から、素材開発が最も難

蔵材料に関する研究も行っています。水素は燃焼エネルギー

しい部位であると言われています。現在、航空機エンジンの

が大きく有望なエネルギー源である反面、爆発性の高い気体

タービンブレードの素材開発を目標に、高温強度、耐酸化性

であるため危険な物質です。本研究室では、この水素を安全

等に優れた CMC(Ceramics Matrix Composite)の研究

でコンパクトに貯蔵するために金属を用いています。本研究

が国を中心に行われています。特に、スペースシャトル先端

室物質化学科では特に Mg 金属表面で水素分子が水素原子に

の耐熱材料として知られている炭化ケイ素(SiC)がその素

解離し拡散していく過程を基礎的に研究しています。最近は、

材として選ばれ、日本独自に開発された SiC 繊維をからなる

触媒を用いると、ある温度から水素分子が極めて小さい活性

織物を骨格にその空伱を SiC 母材で埋めた SiC 繊維強化 SiC

化エネルギーで解離することを発見しました。

複 合 材 料(SiCf/ SiC composite) が、 今 世 界 中 で 研 究 さ れ て い ま す。 図 2 は、 龍 谷 大 学 で開発した複合材 料です。

図 1. 左が SiC 繊維、右が SiC 繊維の織物 (宇部興産株式会社提供)

図2.SiCf/SiC 複合材料

物 質 化 学 科

Researcher:

糟野 潤

図 3. 金属表面及び触媒表面で水素分子が解離する様子

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URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/chem16.html

Title:

新しい電気分析法の開発

専門分野 電気分析化学 研究課題(長期) 人工液膜系での生体類似反応の構築 研究課題(短期) ・液膜界面でのイオン・電子移動反応 ・光合成生物を用いた光 - 電気 エネルギー変換反応 ・新規フロークーロメトリー用 全電解用セルの開発

「電気」は、私たちの日常生活に欠かせないものです。テレビやパソコン、冷蔵庫といった電化製品はもちろんのことですが、 動物や植物が行っている呼吸や光合成にも電気が関与しています。当研究室では、実際に光合成をしている植物や細菌から効 率よく電気を取り出したり、生体類似反応を人工的に構築して生体反応の理解を深める研究をしています。また、電気が関与 する反応を利用して、生体関連物質や重金属イオンなどの新たな分析法・定量法の開発も目指しています。 下の写真は、近年作製したフロー系のイオン定量用電解セルです。同セルを用いれば、99 ∼ 101%の正確さと 0.1% 程度の 精度で、イオン種の定量が可能になりました。

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物 質 化 学 科

Researcher:

55

河内 岳大

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/chem26.html

Title:

精密合成高分子を集積化した分子 機能材料の創製

専門分野 高分子合成、機能性高分子、分 子集積化材料 研究課題(長期) 一次構造制御を伴とする高分子 機能材料の創製 研究課題(短期) 精密重合、立体規則性高分子、 ネットワークポリマー、耐熱性 高分子、ナノ構造化材料

高分子は、ある構成単位(モノマーユニット)が数多く繰り返し連結した構造を有しています。タンパクや DNA に代表され る生体分子の多くも高分子であり、化学構造、分子量、分子量分布、立体配置(立体規則性) 、末端基などの一次構造が精密に 制御されています。この一次構造に基づいて、 αへリックスやβ - シート、二重らせんなど 二次構造を形成し、さらにそれらが精密に配 置された集合構造をとることで代謝や遺伝な どの極めて高度な機能を発現します。すなわ ち、モノマーユニットを望みの位置に配列す る一次構造制御は、生命機能発現の伴といっ ても過言ではありません。合成高分子であっ ても、一次構造を制御し、その集積化プロセ スまでをコントロールすれば、生体にも匹敵 する高度な分子機能を発現する材料が創製で きるはずです。このような考えのもと、当研 究室では、①一次構造を制御する重合系の開 発、②構造制御した高分子の特性評価、③分 子を集積化した機能材料の創製 について研 究を行っています。

物 質 化 学 科

Researcher:

白神 達也

56

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/chem13.html

Title:

セメントと蛍光体 ∼身近ながら知られていない物質∼

専門分野 材料物性測定学 研究課題(長期) 物性測定による、他の物性の動向予測。 特に構造解析につながる情報を得る。 研究課題(短期) ・ペロフスカイト関連化合物を母材とした 希土類蛍光体の結晶場分裂 ・セメント関連重水和物の物性と構造解析

セメントと蛍光体は、建造物や蛍光灯など非常に身近なところに使われているにもかかわらず、とても の多い物質です。 そもそもセメントは、なぜ水と混ぜると固まるのか分かってはいません。水と反応すると難溶性の様々な水和物が生じること は分かっていますが、これらの水和物がどのような相互作用で付着しているのかは、まだまだ仮説の段階でしかありません。 これらの水和物は時間がたつとその相組成や分量が大きく変化し、きわめて複雑な挙動を示すことが研究を困難にしているの です。われわれは困難ながらその複雑な水和物を、解きほぐしながら研究を続けています。これらの水和物の重水和物(重 水 D2O で合成した水和物)を一つ一つ作製し、その構造や熱分解特性、ラマン散乱などの機器を用いた分析を行うとともに、 透過型電子顕微鏡(TEM)を用いての、主要水和物である C-S-H(こ れも全く正体不明!)の組成について研究を始めています。また、こ れらの水和物は難溶性ながら、水に溶けると塩基性を示すものがほと んどです。その性質があるため、鉄筋コンクリートに用いた場合、鉄 筋や鉄骨をさびにくくしているのですが、長期間、大気中にさらされ ますと、空気中の二酸化炭素と反応して炭酸塩となり、中性物質へと 変化します。そうなると中の鉄筋や鉄骨がさび始めて建造物が傷んで きます。この対策についても長年の課題です。 蛍光体はまだまだ なぜ光るか? という根本的な問題に答えられて いないのが実情です。それゆえ、手当たり次第に母材を選定し、未来 の照明としての可能性を追求しています。われわれは結晶の対称性を 調べることによって発光メカニズムの詳細を明らかにしようと取り組 んでいます。写真で示したように一種類の物質で白色に光る蛍光体も あります。われわれは、ラマン散乱分光法を用いて、蛍光の微細構造 について研究しています。 CaSnO3 に Pr を 0.25% ∼ 1.25% 添加した蛍光体

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物 質 化 学 科

Researcher:

57

欣也

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/chem11.html

Title:

ペプチドを基体とするナノバイオ テクノロジーへの挑戦 富

専門分野 生体機能関連化学 研究課題(長期) ペプチドを基体とする機能性材 料の創製 研究課題(短期) ペプチド集合体を鋳型とする有 機ー無機複合材料の開発

研究室では、生物が進化の過程で獲得した機能に着目する

ことで、革新的な未来材料創製を行っています。具体的には、 アミノ酸が数個から数十個連結したペプチドを基体として、有 機―無機複合材料や分子情報デバイス、人工酵素の創製にチャ レンジしています。

図は、フルオレセインの水溶液の蛍光発光の様子

物 質 化 学 科

Researcher:

中沖 隆彦

58

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/chem04.html

Title:

実用的で環境を考えた高分子材料

専門分野 高分子の分子構造と機能性材料 研究課題(長期) 高分子のミクロ構造とマクロ物 性の関係 研究課題(短期) ・高分子ゲルの架橋点と結晶構 造の関係 ・生分解性高分子材料の生合成

中沖研究室では、地球環境を考えた生分解性プラスチック材料の研究を行っています。将来の地球環境を考えた時、石油に依 存しない循環型材料の開発は急務といえます。本研究室ではバイオマスを利用したバイオプラスチックの生合成や、実用化に 向けた力学物性の研究を進めています。また最新の設備を用いた合成高分子の分子構造解析によるアカデミックな側面からの サポートもしています。大学院に進学した学生は自分で行った研究内容を高分子学会や時には国際学会で発表を行っています。 【研究テーマの例】 1) 微生物培養によるバイオプラスチックの生合成 2) 生分解性プラスチックの力学物性の改善 3) ゲル化過程を利用した超高強度材料 その他、企業との共同研究多数。 【学術論文の例】 大学院生の出してくれた研究成果を学術論文にしています。 Biosynthetic Process and Characterization of Poly (3-hydroxybutyrate-co-3-hydroxyvalerate)-block-poly(3hydroxybutyrate) by R. eutropha T. Nakaoki, R. Yamagishi, D. Ishii, J. Polym. Environ ., 23, 487(2015).

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物 質 化 学 科

Researcher:

59

兵藤 憲吾

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/chem23.html

Title:

医農薬品合成につながる新規触媒 反応の開発

専門分野 有機合成化学,不斉合成,触媒 研究課題(長期) 触媒を基軸とした有機合成法の 開発 研究課題(短期) 酵素模倣型反応法の開発,光学 活性ニトリルの不斉合成

医薬品は,人々の健康生活を保つためには,必須であるだけでなく,病で苦しむ患者様に安らぎを与え,時には命をも救うこ とが出来る,社会貢献性が極めて高い物質である。そして,その医薬品の中でも合成医薬品の存在感は大きく,例えば 2013 年アメリカで処方された医薬品売上上位 10 品目の内 7 製品が合成医薬品であることからも読み取ることができる。現在,こ の合成医薬品を創る上では,有機合成化学の技術が必要不可欠かつ強力なツールとなり,これらの薬の種・原型を創り出して いる。 私は,触媒反応を中心とする有機合成化学を基盤とした新たな合成手法の提案や,その合成を可能とする新規触媒の開発,従 来法では合成が困難な新規化合物の創出を目指している。具体的には,人や環境にやさしく,持続可能社会の実現に向けて, 自然界で起きている化学反応を参考にすべき例と捉え,酵素反応に着目した反応開発を行っている。また,従来の合成法では, 合成が困難な光学活性ニトリル化合物の触媒的不斉合成に着目し,新規化合物の創成による新たなキラルビルディングブロッ クや医薬品候補化合物の合成展 開を行っている。

不斉シアノメチル化反応及びその展開例

物 質 化 学 科

Researcher:

藤原 学

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/chem06.html

Title:

電磁波を用いた科学分析 分析機器が発達したおかげで、多量のサンプルを簡単にすばやく、 しかも精度よく分析することが可能となりました。しかし、まだ まだ分析することが難しい分野が残されています。それは、いろ いろなものが複雑に共存している環境試料(特に土壌) 、傷つける ことができない貴重な考古試料、有機物と無機物が共存する金属 錯体試料です。我々はこの難しい課題に対して、できるだけ多く の有用な情報をとりだすことができるように、いくつかの科学分 析法を組み合わせたり、新しい解析法を考えたりしています。今 回は、主に X 線・紫外線・可視光を用いた簡単な分析装置を紹介し、 いくつかの興味深いデータについても説明します。 土壌試料は琵琶湖周辺の松・竹・杉・落葉広葉樹などの異なる植 生を有する森林土壌を種々のポイントで採取し、一般的な前処理 を行った後分析しました。考古試料としては龍谷大学大宮図書館 が所蔵している『大谷コレクション(中国西域地区からの将来品)』 の古銭および奈良絵本などを選択し、表面および裏面の各ポイン トで測定しました。これらは、X 線顕微鏡および反射スペクトル 計を用いて、大気中で測定しています。 一方、金属錯体試料では、主に X 線光電子分光装置を用いて、試 料中に含まれている元素の種類と量だけでなく、状態(電子密度 や化学結合の強さなど)についての情報を得ています。これらの データの正しさを検証するために、分子軌道法を使った理論計算 も行っています。

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専門分野 分析化学 研究課題(長期) 金属化合物、金属錯体および関連 化合物の構造と電子状態の解明 研究課題(短期) 金属材料、環境試料、考古試料 などを対象とした分析化学

土壌試料のサンプリング

考古試料(古銭・せん類)

蛍光 X 線装置


物 質 化 学 科

Researcher:

別府 孝介

61

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/chem27.html

Title:

環境問題に配慮した機能性無機材 料の開発

専門分野 無機材料化学 研究課題(長期) 機能性無機材料の動作機構の解 明 研究課題(短期) 環境問題に配慮した機能性無機 材料の開発

エネルギー問題や環境問題の解決は私たちが直面している喫緊の課題です.私たちの研究 室では無機材料化学を用いたアプローチから,この問題解決を目指しています. 私の主な研究テーマは以下の 3 つです. ・非鉛系圧電材料の開発 現在,優れた性能を示す圧電材料として Pb(Zr,Ti)O3(PZT)が実用化されています. PZT は優れた圧電特性を示すものの有毒な鉛が多量に含まれているため,その代替が求め られています.私たちの研究室では NaNbO3 や KNbO3 をベースとした鉛フリーな圧電 材料に着目し検討を進めています. ・p 型透明導電膜の開発 透明導電性酸化物(TCO)は高い可視光透過性および,電気伝導性を有する材料のことで す.新たに実用化が期待される化合物太陽電池への適用を考えると,p 型の電気伝導性を 示すほうが好ましいのですが,p 型 TCO は電気伝導性が低いという欠点を有しています. そこで私たちは高い p 型電気伝導性を示す TCO の開発,並びに太陽電池への応用を目的 に検討を進めています. ・XAFS を用いた機能性無機材料の構造評価 現在までに様々な材料が報告されています.その構造を調べることは物性や電気特性を調

XAFS 測定のセットアップの一例

べる上で非常に重要となってきます.そこで私たちは SPring-8 などの放射光施設で測定することのできる XAFS と呼ばれる 評価手法を用いて構造の解明を目指します.XAFS とは X 線吸収微細構造 (X-ray Absorption Fine Structure) の略でターゲッ ト元素周囲の局所構造及び電子状態を解析することができる非常に強力な解析手法です.

物 質 化 学 科

Researcher:

宮武 智弘

62

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/chem12.html

Title:

生物が持つ分子を使った物質化学

専門分野 有機化学、超分子化学 研究課題(長期) 機能性分子集合体の構築 研究課題(短期) 集光アンテナのモデル構築・リ ポソームを用いたセンシングシ ステムの開発

生物の体の中で働く分子は非常に高い効率で反応を進めたり、決められた分子だけを見極めて反応させたりなど、人工のシス テムでは到底できないような優れた特長を持っています。当研究室では生体分子の構造や性質を調べて、以下①、②のような 分子システムを人工的に創ることを目標にしています。

① 光合成をまねた光捕集システム 光合成生物は太陽光を効率よく吸収するために、たくさんのクロロフィル分子 が集まった「集光アンテナ」とよばれる組織をもっています。当研究室では、 さまざまな分子構造をもつ人工クロロフィル分子を合成し、その分子集合体の 構造や機能を調べることで、光合成の集光アンテナと同じように光エネルギー を効率よく捕集できる超分子システムの構築を目指しています。

② 細胞モデルを用いた分子センサー リポソームとは脂質分子が集まってできた分子膜によるカプセル状の構造体で、

人工クロロフィル分子の集合体

細胞のモデルとなるだけでなく、薬物輸送などさまざまな応用が期待されていま す。当究室では、リポソームの内部に蛍光色素を封入し、ポリペプチドなどの(生 体)高分子がリポソームの分子膜を透過する現象を利用して、光によって 酵素 活性の評価や分子の検出・定量が行える分子センサーの開発を行っています。

酵素活性を測る蛍光性リポソーム

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物 質 化 学 科

Researcher:

和田 隆博

63

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/chem08.html

Title:

エネルギー問題や環境問題の解決 を目指した機能性無機材料の研究 1. 2. 3. 4. 5.

専門分野 無機材料科学 研究課題(長期) 多元系無機材料の開発 研究課題(短期) エネルギ­問題や環境問題の解 決を目指した材料開発

化合物薄膜太陽電池の高効率化および低コスト化の研究開発 非鉛圧電セラミックスおよび薄膜の研究開発 透明導電膜を中心にした新機能酸化物薄膜の研究開発 セラミックスの省エネルギ­製造プロセスの研究開発 計算科学を用いた材料研究とその応用

物質化学の基礎は新物質の創成です。現在までに様々な物質が合成され、それらの構造や性質が 研究されてきました。 しかし、無機材料の分野では新物質の合成は試行錯誤で行われるのがほと んどでした。最近では、無機材料の結晶構造や電子構造、それに様々な性質に関して各種の評価 技術が開発され、計算科学を活用して電子構造や材料物性を予測できるようにもなってきました。 私たちの研究室では最新の評価手法や計算科学を取り入れて、無機材料の結晶構造と電子構造、

CuInSe2 の化学結合

ならびにそこから出現する物性との関係について研究しています。特に、地球環境問題の解決を 目指した新材料の開発や新プロセスの開発を目指しています。 上の図は、太陽電池に用いられる CuInSe2 の化学結合の様子で、In と Se が強く結合しているこ とを示しています。下の図は p 型の電気伝導性を示す Cu-Nb-O 膜の外観と透過率です。熱処理 前の Cu-N-O 薄膜(a)や熱処理した Cu2O 膜(c)では光をほとんど透過しませんが、熱処理し た Cu-Nb-O 膜(b)では可視光を透過することがわかります。 Cu-Nb-O 系薄膜の透過率

物 質 化 学 科

Researcher:

渡辺 英児

64

専門分野 スポーツ運動心理学

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/chem14.html

Title:

運動・スポーツの実践による 心理的効果 私の主な研究活動としては、1)スポーツや運動によるヘルスプロモーションと 2)スポーツパフォーマンスの向上に関する 2 点であります。私はこれまでに特別な運動習慣がない高齢者を対象に運動教室を運営する中で運動による心理的、身体的効果 に関する一連の研究を行ってきました。具体的には、1)運動が高齢者の生活の質(quality of life : QOL)の向上や心理的安 寧や社会的健康に対する影響、2)運動量や運動強度が及ぼす心身への効果、などについて検討してます。従来からエアロビ クスにおける生理的効果を求める場合にはアメリカスポーツ医学会などによれば週 3 ∼ 5 日、中等度、20 分程度というガイ ドラインが出されております。私の研究成果からは、心理的効果、社会的効果を求める場合においても、週 2 日以上、中等度(乳 酸性閾値水準)。ウエルラウンドエクササイズなどを取り入れることによって大きな効果が認められることを報告してます。 一方、スポーツ競技力向上を目的としての研究は、最高のパフォーマンスを発揮するための心理的準備などが挙げられます。 ロンドンオリンピックやリオデジャネイロオリンピックにおいても、心理的な立場から全日本女子バレーボールチームに対し て心理的スキルの活用法について選手やコーチに対して指導を行いました。ロンドンオリンピックでは 28 年ぶりのメダル獲 得にも貢献しました。 以上のように、私が行っている 2 つの研究は、対象者の違いがあるものの実際のフィールドでデータを収集し、得られた知見 がメンタルヘルスの獲得や競技力向上のための具体的な方法としてフィードバックされています。

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情報メディア学科

Researcher:

岡田 至弘

65

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/info01.html

Title:

3D で文化財を観る −新しい情報提示と見方−

専門分野 情報処理 研究課題(長期) コンピュータビジョン 研究課題(短期) ヒューマンインタフェースの研 究、デジタルアーカイブ方式の 研究

3 次元コンピュータグラフィックスは目覚しい技術の進歩に伴い、様々な分野で利用され、目にする機会が多いといえます。 また、物体の復元技術も進歩し、より高精細に三次元形状を計測する手法が確立されてきました。この技術は、CAD などの工 業製品の設計や、医用、建築、重要文化財の保存等において幅広い分野で必要とされています。より簡便に、短時間に、かつ 高精細に三次元形状の計測を行うことが必要であると考えます。3 次元形状計測技術は、国宝や重要文化財などの歴史的に貴 重なものを後世に伝えるために、劣化のない形でデジタル保存を行うことにつながります。今回、シルクロード伝来の文化財 の 3D 形状計測と、その表面形状の外殻に相当する微細な凹凸を再現します。

シルクロード伝来 舎利容器の 3D 計測データ

情報メディア学科

Researcher:

奥 健太

微細表面凹凸情報表示

66

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/info17.html

Title:

人とコンテンツとの出会いを支援 する情報推薦システム

専門分野 情報推薦システム 研究課題(長期) 情報推薦システム研究を通じて、 人の嗜好、コンテンツの特徴、 人とコンテンツの関係を解明 研究課題(短期) 観光情報推薦システム、音楽推 薦システム、クロスメディア推 薦システムなどの研究

情報推薦システムで人とコンテンツとの出会いを支援することが、本研究室の理念です。 本や音楽、映画、料理レシピ、レストラン、観光スポットなど、世の中には魅力的で多種多様なコンテンツが ます。このようなコンテンツの中から、感動するようなコンテンツに巡り会うこ とを考えるとワクワクしませんか。しかし、コンテンツの数があまりにも膨大過 ぎてその多くは見過ごされてしまいがちです。情報推薦システムは、膨大なコン テンツの中から、その時、その場、その人に合ったコンテンツを提供してくれます。 その実現のためには、人を知る、コンテンツを知る、人とコンテンツとの関係を 知ることが主要な課題となります。その人はどのような嗜好をもつのか、そのコ ンテンツはどのような特徴をもつのか、またどのような人がどのようなコンテン ツを好むのか、これらを明らかにしていく必要があります。 そこで重要な手掛かりとなるのがデータです。商品の購入履歴や閲覧履歴、投稿 レビュー、Twitter や Flickr といったソーシャルメディアなど、日々大量のデー タが生み出されています。このような大量のデータを解析することで、先の課題 を解決していきます。 大量データの管理にはデータベース技術や地理情報システム、大量データからの パターンの発見には機械学習やデータマイニング技術、コンテンツの解析には自 然言語処理技術や音声処理技術、画像処理技術、ユーザへの情報提示にはヒュー マンインタフェース技術といった様々な技術を駆使しながら情報推薦システムの 実現を目指しています。

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れかえってい


情報メディア学科

Researcher:

片岡 章俊

67

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/info02.html

Title:

聞きたい人だけに 聞きたい音を届ける

専門分野 音声・音響信号処理 研究課題(長期) 人間の知覚能力の探求とその実現 研究課題(短期) 音環境の理解と再生

スピーカで音を再生すると全方向に広がります。特定の方 向だけ、特定のエリアのみに音(音声)を届けることがで きれば便利です。例えば、美術館や博物館で展示物を見な がら、その作品の説明を聞きたいことがあります。しかし、 日本語だけの説明では外国の人にはわかりません。そこで 展示物の片側のエリアには英語の説明のみが流れ、もう一 方のエリアには日本語の説明のみが聞こえれば、それぞれ の人が快適に鑑賞することができます。 目的の方向だけに音を届けるためには、1 つのスピーカで は実現できません。数個のスピーカを用いてスピーカア レーを組み、それぞれのスピーカから出す音を適切に制御 する必要があります。音は波ですから、その振幅と位相を 制御することによって、目的方向では位相が合って元の音 が再生され、他の方向では位相がずれ、互いを打ち消し合 い音量が小さくなります。

情報メディア学科

Researcher:

芝 公仁

68

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/info11.html

Title:

並列分散処理とシステムソフト ウェア

専門分野 計算機科学 研究課題(長期) システムソフトウェア・オペ レーティングシステムの構成法 研究課題(短期) 並列分散処理,仮想化技術,セ キュリティ

計算機資源を効率的に活用するためのシステムソフトウェアの構成法について研究しています。例えば、オペレーティングシ ステムは、計算機システムにおいて最も重要な役割を果たすソフトウェアです。オペレーティングシステムによってメモリや CPU などの資源の仮想化・多重化が実現されると、単一の資源を複数あるかのように利用することが可能になります。また、 仮想化技術を用いると、多数の仮想計算機を実現する ことができます。このとき、資源を有効利用するため には、実資源をどのように仮想計算機に分配するかが 重要になります。 複雑な問題を短時間で処理するために、ネットワーク で接続された複数の計算機を使用して並列分散処理を 行うことは有効な手段のひとつです。また、インター ネットには、多く計算機が接続されています。これら の計算機をより積極的に協調させることができれば、 インターネット上の多数の計算機を有効に活用するこ とが可能になります。グリッドや P2P の技術を用いて 多数の計算機を協調させることができれば、高度な計 算を短時間で行うことや、大量のデータを共有し利用 することが可能になります。

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情報メディア学科

Researcher:

69

曽我 麻佐子

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/info12.html

Title:

CG・VR を使った文化・芸術の 学習支援システム

専門分野 人間情報学 研究課題(長期) 3DCG に よ る ダ ン ス の 解 析・ 編集・創作 研究課題(短期) ダンスの振付シミュレーション システムの開発

■タブレットで動作する振付シミュレーションシステム ヒップホップダンス、現代舞踊、少林寺拳法などの様々なジャンルを対象とした創作支援シス テムを開発しています。モーションキャプチャで取得した腕・脚・頭などの短い動作を合成し たり、コンピュータが自動で振付を生成する機能もあります。

■江戸時代のすごろくの遊び支援システム(※) 江戸時代の飛びすごろくをデジタル化しました。ルールがわからなくても画面の指示に従って いけばゲームを進められます。センサ付きさいころを転がして出目を自動で検出したり、行先 を投影映像で確認したりできます。

振付シミュレーションシステム

■ HMD とペン型デバイスを使った万年筆の VR システム(※) 絵柄が描かれた蒔絵万年筆を 3D 化して、様々な方向からじっくり見られるようにしました。 Wii リモコンで万年筆を回したり、HMD を被って視線で 異なる万年筆に切り替えたりすることができます。 ※国立歴史民俗博物館企画展「デジタルで楽しむ歴史資料」 (2017/3/14 ∼ 5/7)に出展 Motion Laboratory(曽我研究室)Web ページ http:// motionlab.jp 蒔絵万年筆の 3DCG

情報メディア学科

Researcher:

外村 佳伸

70

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/info16.html

Title:

人に新しい体験をもたらすインタラク ティブ・アンビエント・メディアの研究

専門分野 知能情報学 研究課題(長期) 人をとりまく情報環境全体が調 和し、人と一体となって賢くふ るまう「環境知能」の確立 研究課題(短期) 人に新しい体験をもたらすイン タラクティブ・メディアの提案

人間は、五感や体を駆使して常に周囲の環境とやりとり(インタラクション)をし ています。一方で、ますます進歩する様々な情報機器は、道具として、空間として、 私たちをとりまくまさに 環境的 な情報環境(アンビエント・メディア)となり つつあります。そこで、私たちの研究室では、人がこうした情報環境とのインタラ クションを通して、新しい感覚の体験を得ることができるシステムを実現し、将来 の情報環境を創造することをめざしています。具体的には、   (1)「あったらいいな、おもしろいな」を形にする新しいコンセプト   (2)人にとって自然に関われる直観的なインタフェース   (3)様々なセンサーやディスプレイを駆使する情報処理方法 などを特徴とするシステムを提案・創造しています。最近特に力を入れているのは、 複数の人が関われるような公衆向けの大画面を用いた情報環境を対象に、新しいイ ンタラクションのスタイルを、そのコンセプトの提案とともにプロトタイプシステ ムとして実現する研究です。アイデアを形にし、可視化、体験化して将来性を問い かけます。 私たちはこうした研究を通して、人とコ ンピュータあるいはシステムとの関わり が、さらに豊かで楽しく、しかも自然な 形で実現される情報環境に発展していけ ればと考えています。さらにそうした情 報環境が、人をとりまく環境全体の中で 調和を保ち、人と一体となって賢くふる まうしくみの実現をめざします。

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デジタルすごろくゲーム台


情報メディア学科

Researcher:

野村 竜也

71

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/info06.html

Title:

人間とロボットの心理的・社会的 関係

専門分野 人工知能、システム論、複雑系 研究課題(長期) 生命・意識・社会の数理モデル 構築と分析 研究課題(短期) 人工知能・ロボットの心理的・ 社会的影響

人が他者との対話場面において起こす心の動きを研究する学問分野が対人心理学であるとすれば、人が人工知能(Artificial Intelligence: AI)との対話場面において起こす心の動きや、ロボットとの対話場面において起こす心の動きを研究する学問分 野を、対 AI 心理学、対ロボット心理学と呼んでも差し支えはないでしょう。そして、AI やロボットとの対話において、人間 同士の対話と同様とまでは言えないまでも、使用者は心理的な反応を引き起こされる可能性が高いことが、90 年代から指摘 されています。人間同士の対話において引き起こされる心理状態には、当然当人にとって望ましい喜びや満足感などのプラス のものもあれば、望ましくない怒り、悲しみなどのマイナスのものもあります。とすれば、AI やロボットの設計を一歩間違 えれば、使用者にとって望ましくない負の心理状態が引き起こされる可能性もあります。 本研究室では、人間とロボットが対話を行うとき、人間側のどのような心理的性質が対話の際の行動に影響を与えるかを、心 理学の手法を用いて調べようとしています。この研究では、心理尺度という人間の心理状態を測定するための手法を用いたり、 実際にロボットと人間を対話させる実験を行ったりしています。また、日本人のロボット好きは世界的には珍しいほうである と言われていますが、これが本当かどうかを実際に調査し、意外にそうでない面があることや、年代によって意識差があるこ ともわかってきています。 この分野は研究自体の歴史が浅い分、非常にホットなテーマでもあり、一人一人の研究者に理工学と人文・社会科学の両方の 視点が要求される幅広さと面白さを持っています。

情報メディア学科

Researcher:

橋口 哲志

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URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/info19.html

Title:

体験をもとに感覚をデザインする

専門分野 バーチャルリアリティ、ヒュー マンインタフェース、触覚 研究課題(長期) 次世代メディアに対応できる感 覚デザイン 研究課題(短期) 多感覚の組み合わせによる相互 作用の分析とその活用人

バーチャルリアリティ(VR)は,CG や動画像で作られたパソコン上の空間をまるで現実のように体験する技術です.この技 術を用いることで,自分が再現したい空間を自由につくりだし, ある体験の瞬間 を抜き出すことができます.例えば,VR 空間でスカイダビングを体験させるには,上空から落ちていく空間をつくりだすことが必要となります.しかし,それだけで この体験を再現できるでしょうか?風切る音を聞き,空気の抵抗を肌で感じなければ,その体験 を実感することはできません.このように一つの体験には,様々な感覚が関わっており,それら をうまく構成しなければなりません. そこで,私たちの研究室では VR 空間で自分のつくりたい体験を再現するために,各感覚刺激の組 み合わせから得られる体験をもとに感覚をデザインしていきます. 現在,取り組んでいる研究内容 ・多感覚の組み合わせによって生じる錯覚を活用したデザイン  VR 空間では五感の組み合わせを単に同じようなに組み合わせるのでは なく,敢えて各感覚間に差異をつくると単独では起こり得ない錯覚現象が 起きます.この錯覚現象を活用することで,簡易的でリアルな体験の実現 を目指しています ・触覚メディアのデザイン  現在は,特に温度感覚に着目しています.温度感覚には温覚,冷覚と全 く別の感覚として存在いますが,ひとつの感覚として統合する際に温度を 錯覚する現象を起こります.この現象を分析することによって,知覚の誤 りがなく,効率的な提示方法の開発を目指しています

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情報メディア学科

Researcher:

長谷 智弘

73

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/info04.html

Title:

人にやさしい情報技術

専門分野 映像・音響情報処理、有線・無 線通信伝送 研究課題(長期) 人に優しい情報家電の研究 研究課題(短期) エージェント技術の民生分野へ の応用

みなさんに身近な、携帯電話、携帯ゲーム機、テレビ、ビデオ機器、カメラ、などには、たくさんの組み込み型と言われるマ イクロコンピュータが搭載されています。 そのコンピュータは組み込み用のソフトウエアで動いており、これら全体を組み込みシステムと言います。昨年、小惑星のイ トカワから無事帰還したことで話題になった探査機のはやぶさも、組み込みシステムで動いていました。この組み込みシステ ムは、パソコンで使われるシステムと大きく違う特徴があります。長谷研究室ではこの組み込みシステム技術の研究をしてい ます。

情報メディア学科

Researcher:

藤田 和弘

74

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/info07.html

Title:

メディア・フォレンシック

専門分野 画像処理工学、教育メディア科 学、コンピュータ法工学 研究課題(長期) 劣化画像の鮮明化、ICT を利用 した教育、司法解析を前提とし たコンピュータ解析 研究課題(短期) 劣化 JPEG 画像の鮮明化、低解 像度ナンバープレート数字の識 別、布の汚れの鮮明化画像処理

犯罪捜査における DNA 鑑定などの科学捜査技術をフォレンシックといいますが,そのフォレンシックのうち,画像メディア や音声メディアなどを対象とした科学捜査技術をメディア・フォレンシックと名付け,科学捜査研究所の研究員の方々といっ しょに研究を行っています. 具体的には,画像確率モデルに基づいた画像処理,特に,焦点ずれ劣化画像や運動劣化画像などの劣化画像の復元処理, JPEG 画像の画質改善処理,衣類の付着物の鮮明化画像処理などの画像の鮮明化処理に関する研究,改ざん JPEG 画像の改ざ ん部分の抽出や,防犯ビデオを対象とした低解像度ナンバープレート数字の識別の研究などを行っています. 研究方法としては,画像に対して確率的な数学モデルを適用し,改善画像に対する評価関数を最小化するアルゴリズムの研究 など応用数学的な研究です.また,その研究したアルゴリズムを実現するためのプログラムを作成し,計算機実験を行い,そ の結果よりアルゴリズムの修正を行います. 研究目的も明確で,研究対象も実際的な画像ですので,非常にやりがいのある研究です.

図 1. 焦点ずれ JPEG 画像の鮮明化処理例

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図 2. 布の汚れの鮮明化処理例


情報メディア学科

Researcher:

三好 力

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URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/info05.html

Title:

自己組織化マップとその応用

専門分野 情報科学、知能情報学 研究課題(長期) 知的情報処理 研究課題(短期) 自己組織化マップ、アドホック ネット

自己組織化マップは、ニューラルネットワーク分野に属する技術です。ニュー ラルネットワークは、ベクトルで与えられる複数の入力データの特徴を自動 的に学習する特徴を持っています。自動的な学習には、あらかじめ利用者が 望ましい答えを与える教師あり学習と、入力データさえあれば学習を行う教 師なし学習があります。自己組織化マップは、教師なし学習で、特徴ごとに 分類した結果を視覚的なマップとして出力することができます。似ていない データは遠くに、似かよったデータは近くに集まるので、入力データを人間 にわかりやすい形で出力するユーザインタフェースともいえます。

自己組織化マップの概念図

データさえあれば自動で学習してくれる自己組織化マップを便利に利用する ために、高速で学習を行う方法を研究しています。学習速度が速くなれば、新し いデータに柔軟に対応することができて応用分野が広がりますし、時間とともに 性質が変化するような対象への応用もできるようになると考えています。 また、似かよったデータが近くに集まるという特徴をうまく使って、正確な数値 情報などを知らなくても、あいまいな表現からデータベースの検索を行う研究も しています。人間は正確な情報表現よりも「これくらい」とか「こんな感じ」といっ たあいまいな表現が得意だと言われています。人間の得意な表現方法をつかって データベース検索を行えると、専門家でない一般の利用者にも使いやすい検索イ ンタフェースになると考えています。 出力されたマップの一例

情報メディア学科

Researcher:

山本 哲男

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URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/info18.html

Title:

高品質なソフトウェアの実現に向 けて

専門分野 ソフトウエア工学 研究課題(長期) ソフトウェア開発環境・プログ ラム解析 研究課題(短期) コード推薦・補完

バグがなく決められた期間内にソフトウェアを開発することはは非常に難しい作業です。ソフトウェア開発支援とは、いかに 効率よくソフトウェアを開発できるかを考えて、その支援環境を提案する研究になります。また、研究を進める上ではソフト ウェアの開発者に実際に利用してもらえるツールや開発手法の構築を目指しています。 ソフトウェアの開発支援を研究していく中でも、 「ソースコード解析」と呼ばれる部分にフォーカスを当てて研究をしています。 ソースコード解析とは、ソフトウェア開発において重要な成果物であるソースコードを解析することによって、ソースコード に記述された有益な情報からソフトウェアの開発や理解に必要となる情報を抽出する技術です。 例えば、これから開発しようとしているソースコードの断片を記述すると、残りのソースコードを自動的に生成してくれる機 能や今書いているソースコードとよく似たものを過去に作っ たことはないか探しだし提示してくる機能等が実現できま す。このように、開発者が適切な判断を下すために必要な情 報を自動的に収集し、その情報を開発者が利用しやすいよう にツールとして提供して、開発者にフィードバックをします。

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情報メディア学科

Researcher:

吉見 毅彦

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URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/info08.html

Title:

人間の言葉が分かるコンピュータ をめざして

専門分野 自然言語処理、言語工学 研究課題(長期) 機械翻訳システムの高度化に関 する研究 研究課題(短期) コーパスからの翻訳知識の自動 獲得、英文読解過程の分析

私たち人間は、本を読む、文章を書く、人と会話をするということを普段何気なく行なっています。しかし、ときには、日本 語ではなく英語の本を読んだり、内容の難しい本を読んだりしなけ ればならないこともあります。このようなときに、人間の言葉が分 かるコンピュータがあると、たいへん役に立ちます。   ・英日翻訳システム: 英語の本は、日本語の本よりも、読むの に苦労します。もしコンピュータで翻訳ができたら、とても 助かります。   ・要約システム :とても長い文章を全部読んでいる時間がない とき、要点だけに目を通し、その他は読み飛ばすでしょう。 もしコンピュータが長い文章から要点を抜き出してくれたら、 便利です。   ・言い換えシステム :難しい文章を、その意味を変えずに、簡 単な文章に言い換えるコンピュータがあると、すらすら文章 を読むことができます。 私たちの研究室では、このようなシステムの実現を目指しています。 現在のシステムは、翻訳や言い換えや要点の抽出をある程度行なう ことはできますが、完璧にこなすことはできません。システムの翻 訳能力を上げるためには、様々な翻訳知識をシステムに持たせる必 要があります。そこで、現在、このような翻訳知識を自動的に獲得 する手法に関する研究を重点的に進めています。

情報メディア学科

Researcher:

渡辺 靖彦

78

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/info10.html

Title:

言語理解とコミュニケーション

専門分野 自然言語処理、メディア工学 研究課題(長期) 言語理解とコミュニケーション 研究課題(短期) インタラクティブな環境をつく る

「インタラクティブ(interactive) 」とは、お互いに影響を及ぼしあうという意味で す。では「インタラクティブな環境」とはなんでしょう。それは、メディアとして のコンピュータを利用することで、情報的に拡張された環境です。情報的に拡張さ れた環境では、わたしたちの環境への働きかけと環境からのフィードバックに対し て、その状況にふさわしい新しい内容をコンピュータが加えようとします。空間的・ 時間的な距離、言語、文化、感覚など、さまざまな理由でコミュニケーションが困 難な場合に、わたしたちが話す内容やふるまいをコンピュータが理解し、それらに 新しい内容を加えることでよりよいコミュニケーションを実現する、そんな環境を つくろうとしています。 わたしたちの研究室では、インタラクティブな環境をつくりだす携帯電話の研究を

Translation Camera on Mobile Phone(TCMP)の利用例

行なっています。研究している携帯電話は、ユーザがいまどんな場所でどんな状況 に直面しているのか、そしてこれから何をしようとしているのかを考えて、状況に 応じた情報処理を実現しようとするものです。これまでに、外国語や難読文字な ど、ユーザが読めない文字を読み取り、その内容を翻訳・解説する携帯電話 TCMP (Translation Camera on Mobile Phone)を試作しました。また、言語によるイ ンタラクションを容易にするため、対話、特に質問応答についても研究をすすめて いて、WWW 文書を知識とする質問応答システムの作成に取り組んでいます。

Translation Camera on Mobile Phone(TCMP)の利用例

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環境ソリューション工学科

Researcher:

79

浅野 昌弘

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/est13.html

Title:

下排水に含まれる微量有害化学物質 の高度処理に関する研究

専門分野 水処理工学 研究課題(長期) 下排水に含まれる微量有害化学 物質の高度処理に関する研究 研究課題(短期) オゾン、紫外線を併用した排水 の高度処理技術の低コスト化へ の試み

昨今における私たちのライフスタイルの急速な変化に伴い、私たちの身の回りにある 品々においては多くの化学物質が用いられています。これらの化学物質は、その使用 後において下排水を介して下水処理場へと送られ、標準活性汚泥法を中心とした今日 の処理技術により下排水と共に処理がなされ、やがて処理水として自然環境中へと排 出されます。ところが、近年の研究において、これらの処理水中に環境ホルモン様物 質等といった、生態系へ悪影響を与える恐れのある微量有害化学物質が含まれている ことが報告されています。浅野研究室では、これら微量有害化学物質を除去し、かつ 処理水の安全性を容易に確保出来ることが期待される下排水の高度処理技術の開発を 行っています。下左図は、オゾンと紫外線を併用した下排水の高度処理技術の一例で す。下 排水で満たされた反応器内へオゾンガスを供給すると共に紫外線を照射すると、 オゾン分子から生成される 1 重項酸素原子と水分子との反応により先ずは過酸化水素

オゾン紫外線併用下排水処理実験装置

が生成され、続く紫外線照射によりこれら過酸化水素から強い酸化力を有する OH ラジカルが発生します。この強い酸化力を持つ OH ラジカルのはたらきにより下 排水中の微量有害化学物質を分解することが出来るのです。(下右図)。現在、発展 途上国等の下排水処理場への導入を視野に、本処理技術の低コスト、省エネルギー 化に関する検討を行っています。

オゾン紫外線併用による微量有害化学物質 (1,4- ジオキサン)の分解

環境ソリューション工学科

Researcher:

80

市川 陽一

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/est01.html

Title:

瀬田丘陵の大気を調べる

専門分野 大気環境工学 研究課題(長期) 適正な都市の大気環境設計 研究課題(短期) 都市化の環境影響評価、里山の 大気浄化機構の解明、合理的な 環境アセスメント手法の開発

私たちの研究室では、瀬田のキャンパスや隣接 する龍谷の森で大気環境や熱環境を観測してい

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ます。観測と並行して、龍谷の森を模擬した模 型実験を大型の風洞設備(気象庁気象研究所) ஧ḟ⏕ᡂ

で行っています。また、大気浄化や環境アセス メント、越境汚染の評価に役立てるために、大 気汚染物質の輸送や拡散をパソコンで計算して

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います。

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瀬田のキャンパス周辺は丘陵地帯にあり、あま り人間活動の影響を受けていないと思われま

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す。しかし、大気汚染物質は、近隣の大都市や 㒔ᕷᅪ

東アジアの国々からも輸送されてきます。例え ば、黄砂が飛んでくるときは瀬田のキャンパス 周辺は霧のように真っ白になります。これは、

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黄砂によって PM2.5 などの粒子状物質の量が 増加するためです。龍谷の森内では樹木の浄化 作用と遮風作用でオゾンや二酸化窒素の濃度減

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少が観測されました。 大気環境工学研究室の取り組み

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環境ソリューション工学科

Researcher:

81

奥田 哲士

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/est17.html

Title:

環境技術の進化

−水・土・余物を対象に− 当研究室では「水」や「未利用資源・廃棄物」、「土壌」の汚 染等の問題に、物理・化学を基礎とした【ナノ粒子】【ナノ バブル】【膜】【凝集】【オゾン】といった技術で挑戦してい ます。 例えば水の問題としては、濁りや色、病原菌や害のある化学 物質の混入がありますし、日本は製鉄の国ですので鉄を取っ た後の鉄鋼スラグと呼ばれる石に近い副産物は、有効利用し たいものです。 【ナノ粒子】関連では、土壌の粒ひとつずつをナノ粒子で薄 くコーティングすることで、土に付着したセシウムや重金属 が水に溶け出てこないようにする技術の確立に挑戦していま す。【膜】処理は細かい目があいた樹脂フィルムやセラミッ クで水の汚れを濾(こ)す方法ですが、それらに関する研究 では、膜の目詰まり(ファウリング:膜の汚れ)を効率よく 除去する(洗う)方法や汚れにくくする技術の開発を行って います。【凝集】は水の中の小さい粒同士を薬剤でくっつけ て大きくして沈殿、除去しやすくする技術ですが、その薬剤 (凝集剤)を植物の種から抽出したり生分解性ポリマーから 合成したりして、安全かつ沈殿させた汚泥が農地などに利用 しやすい凝集剤を開発することにチャレンジしています。 【そ の他】マルチコプター(ドローン)を使った水質把握やナノ バブルでのスケール防止などの新しいことにもチャレンジし ています。

環境ソリューション工学科

Researcher:

専門分野 環境工学 研究課題(長期) 水処理技術の開発、資源の有効 利用技術、環境中の物質動態 研究課題(短期) 水・鉄鋼スラグ・汚泥・プラス チック等のオゾン・凝集・膜分 離による処理

砂粒子の表面を 覆うナノ粒子

実験で用いている セラミック膜

【真ん中の黒い三角のエリア 【セラミックス(陶磁器)製 が直径数 mm の砂粒子の断面 なので薬品に強く、様々な薬 で、その表面の Ca 濃度が高 品を使って(効率的に)洗浄 く、薄くコーティングできた する研究をしています】 事が分ります】

水中の茶色い濁り成分が凝集して 沈殿してきれいな水ができる様子

【この凝集を起こす成分を汚泥が地球に還りやすい木の実に 求める研究などをしています】

82

菊池 隆之助

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/est15.html

Title:

専門分野 環境科学、環境工学、環境政策

研究課題(長期) 然科学・工学技術から社会科学までを含む 総合的アプローチの理論・実践体系の確立

研究課題(短期)

環境問題・自然保護への総合アプ ローチ

レアメタル回収、オイルスラッジ、廃棄物と 燃料製造、広域汚染処理、温暖化対策と社会 開発、生物多様性と動物虐待、発展途上国に おける環境リスク、KT境界における地球変 動と生態系変遷、バイオエコノミー、クリー ンエネルギーが及ぼす生態系へのインパクト。

当研究室では環境問題の解決に向けて、理学/農学と工学の両面に文系的側面(社会・経済・政策)の要素をさらに加えた総 合的アプローチを模索しています。環境学を「自然科学・工学技術から社会科学までを含む多様要素に関する学問体系」とし て定義づけし、個々のアプローチを統括・融合させていくことが重要だと考えています。 「全てのいのちを大切する」ことを 建学の精神の第一項目にかかげる龍谷大学の一研究室として、世界から動物虐待国(年間約 2 千万頭)と非難されている日本 の現状と解決策やクリーンエネルギーが自然生態系へ及ぼす潜在インパクトなどを検証・研究しています。人と自然の一体化 「ともいき」という建学理念を具現化する研究成果や方策提案を国内外へ発信することに取り組んでいます。

研究事例:胆汁採取のための「月の輪熊(

)飼育」を撲滅させるスキームの研究

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環境ソリューション工学科

Researcher:

83

岸本 直之

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/est03.html

Title:

健全な水循環・利用システム構築 に向けた取り組み

専門分野 水質システム工学 研究課題(長期) 健全な都市水循環システムの構 築 研究課題(短期) 新規促進酸化処理法の開発と適 用、排水からの資源回収技術の 開発、高度 水処理技術の開発、 湖沼や河川の汚濁機構解析

水質システム工学研究室(岸本研究室)では健全な都市水再生利用システムの構築を目指し、 水質形成に関連するシステム(水 質システム)を工学的な視点から捉え、これを理解し、制御するために以下のような研究を進めています。  ① 琵琶湖の水質形成に関する研究  ② 水処理・資源回収技術の開発  ③ 自動制御分散型再生水生成システムの 開発 皆さんは近い将来「石油が枯渇する」とい う話しを聞かれたことがあると思います。 また、地球温暖化問題も突き詰めるとエネ ルギー問題に帰着します。加えて、新興国 の経済発展に伴って、私たちの生活に欠か すことのできない鉱物資源やリンなどの栄 養塩類の枯渇、それによる価格の高騰が危 惧されています。 そこで、本研究室では省エネルギー型排水 処理プロセスの開発や排水からの資源・エ ネルギー回収・再利用技術の開発を積極的 に行っています。 図 1. 水質システム工学研究室の取り組み

環境ソリューション工学科

Researcher:

84

越川 博元

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/est09.html

Title:

ヒトと微生物との関わり合い=安 全な水環境の実現のために

図 2. 省エネルギー型排水 処理システム実証試験装置

専門分野 環境工学、環境微生物工学 研究課題(長期) 水環境の微生物学的安全性、廃 棄物からの資源回収 研究課題(短期) 環境水中に存在する抗生物質と 薬剤耐性細菌の挙動,有機性廃 物などからのリンの回収

私たちが生きているように、微生物もまた、私たちの身近で生きています。そんな私たちは、微生物 とうまくつきあう工夫をしてきました。例えば、微生物を利用して水をきれいにしたり、資源の回収 にも役立たせています。また、抗生物質に代表されるような薬も作らせたりして、私たちの生活をよ り改善してきました。 その一方で、抗生物質が効かない「耐性菌」も生まれてきています。それらは病院などの限られた場 所から、私たちの住む「自然環境」中に広がっているのではないか、そんな心配も現実になりつつあ ります。 そこで本研究室では、主に次の研究を進めています。 ①反応装置を使ったエネルギー回収

①微生物を用いた、資源・エネルギー回収の試み ②水・大気環境における、抗生物質耐性細菌の挙動 反応装置の工夫や分析技術はもちろん、DNA 技術、 酵素化学的手法などを利用して研究をすすめ、私た ちの生活の質と安全性の向上に役立たちたいと考え ています。 ②抗生物質耐性細菌の分離と、その DNA の分析

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環境ソリューション工学科

Researcher:

85

丸山 敦

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/est12.html

Title:

同位体比と環境 DNA の分析による水生生物群集構造 の把握と可変性の解明、および移動パターンの解明

専門分野 陸水生態学 研究課題(長期) 水域生物群集の環境応答にパ ターンをみつける 研究課題(短期) 水域生態学における簡便な調査 手法の開発と活用

水環境への社会的な関心が高まるなか、魚類生態学の経験や知識を基盤に、淡水生物群集の維持管理に求められる研究に取り 組んでいます。とりわけ、動物の行動によって環境変動の影響が生物群集全体に波及する現象について興味を持っています。 また、このような興味を満足させるための新しい技術の開発・確立についても取り組んでいます。 アフリカにあるマラウイ湖では、世界一多様な淡水魚群集に注目した研究をしてきました。現在は、細分化されたニッチが伱 間なく敷き詰められたように構成されるマラウイ湖のシクリッド群集が、その一方で動的で柔軟な側面を持っているらしいこ とに注目し、その詳細な把握と要因解析を目的に、潜水調査、胃内容分析、安定同位体分析などを駆使した調査を行っていま す。環境 DNA を用いた多様性把握にも挑戦しています。 魚類の同位体比は粘液を分析した方がいいのではないか、という提案をすべく研究を展開しています。上述の通り、同位体比 の分析は水生生態系の食物網構造把握において非常に役立つ道具ですが、魚類の筋肉の同位体比は置換が遅すぎて他の生物と 時間スケールが一致しません。従来通り筋肉を使っ て同位体比分析をしている限り、移動や食性の季 節変化によるノイズがあっても、それに気づくこ とすら出来ませんでした。粘液の同位体比は置換 がはるかに早く、しかも検体を生かしたまま分析 できるため、同位体比分析の適用範囲を広げるこ とができそうです。現在は、希少な魚類を育む岐 阜県南部の水田地域において、この手法の活用を 進めています。

環境ソリューション工学科

河川生態系の群集構造を把握するこ とを目的とした生物の定量採集

Researcher:

86

三木 健

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/est20.html

Title:

小さきものが支える生態系の進化 と安定性

SCUBA 潜水によるマラウイ湖での 環境調査

専門分野 数理生態学、微生物生態学 研究課題(長期) 生態系の安定性の決定機構の解 明と応用 研究課題(短期) 生態系機能の安定性の定量化技 術の開発

地球上には、数十メートルを超える巨木群、色とりどりの花々や虫たち、大小さまざまな魚たちなど多種多様な生き物に満ち 満ちています。そしてこれらの生き物たちが折り重なって、サンゴ礁、湖、森林等の美しく多彩な生態系を形作っています。 しかし私たちが肉眼で見ている世界は複雑な生態系のほんの 一部に過ぎません。数十億年前に最初の生命が誕生した時が 現在まで、地球上のさまざまな生態系は目には見えない小さ きもの、「微生物」に支えられています。生態系の目に見え る部分の歴史的な移り変わり(=進化)の方向性や環境変動 に対してその変動を吸収し一定のふるまいを続けることがで きること(=安定性)の仕組みはよく分かっていません。私 たちの研究室では、DNA メタバーコンディング技術や表現 型マイクロアレイ解析などの新しい微生物調査テクノロジー と、数学や統計学、計算機を利用したモデリングアプローチ を組み合わせることで、微生物と生態系のかかわりの解明に 挑戦しています。

細菌や真菌等さまざまな微生物は、海、湖、森林に至るまで多様 な生態系の進化と安定性を支えている(写真提供:横川太一博士、 Pak-Yin Cheung 氏) 。

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環境ソリューション工学科

Researcher:

水原 詞治

87

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/est18.html

Title:

木質バイオマスの有効利用

専門分野 廃棄物工学 研究課題(長期) 廃棄物の資源循環および適正処 理 研究課題(短期) バイオマス系廃棄物の有効利用

化石燃焼の枯渇、地球温暖化などの環境問題への意識の高まりから、バイオマスの利用が注目されています。バイオマスの中 でも、樹木由来の資源のことを「木質バイオマス」と呼びます。木質バイオマスは、天然林や間伐材・製材所から出るおが などの木材生産の副産物など多様で膨大な賦存量を有しており、木質バイオマスの利用は有用な選択肢の一つです。 当研究室では、木質バイオマスの家庭系用途として薪ストーブに着目した熱利用の可能性、燃焼灰の安全性評価について研究 を行っています。

薪ストーブ

環境ソリューション工学科

Researcher:

宮浦 富保

薪材

88

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/est05.html

Title:

森林のしくみを知りたい!!

専門分野 森林生態学 研究課題(長期) 樹木個体群の動態の解析 研究課題(短期) 森林内の樹木の枯死過程、里山 の利用に関する生態学的研究

森林の樹木の成長の仕方を物質生産の観点から研究しています。葉や枝の枯れる量と成長の関係を調べて、 これらの情報から樹木の成長曲線の特徴を探っています。森林を構成する個々の樹木の動態が、森林全体 にどのようにインテグレートされていくのか、またそれがどのように個体に反映するのかということに関 心があります。 スギやヒノキなどの、林業に使われる樹木を中心に、その成長量や木材の性質などの遺伝の仕方について も研究を行っています。貴重な遺伝(子)資源の保全や、林業に役立つ樹木の育成といった仕事をお手伝 いするために、いくつかの国を訪れました。世界の中で日本が果たすべき役割がとても大きいということ を実感しました。 身近な自然環境である里山に関する生態学的な研究を行っています。里山は、かつて燃料や肥料の供給源 でしたが、現在はほとんど利用されることなく放置されています。森林生態学の視点から、里山の現代的 な利用方法を提案するのが目的です。

ケヤキの巨木 幹の直径が2mを超える大きな ケヤキ。 優れた遺伝的性質の保存と利用 の方法を探索しています。

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環境ソリューション工学科

Researcher:

89

山中 裕樹

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/est16.html

Title:

魚の DNA を追う! んだ水から魚の種類を特定する 川や海から

専門分野 動物生理生態学、魚類生態学 研究課題(長期) 環境変動が動物個体の生理状態 と行動の変化を介して群集に与 える影響 の予測 研究課題(短期) 環境 DNA による生物相・生物 量推定手法の高精度化

んできた水を分析すると、その中には様々な生き物の DNA が含まれています。こうした DNA は環境 DNA と呼

ばれ、古くから微生物の研究者がその場所に存在する微生物の種類を明らかにするために用いてきました。しかし、実際には 濾過して取得した DNA の中には微生物以外の、例えばカエルや魚や、果てはクジラやカワウソなど、水に関わって暮らして いる他の生物の DNA も含まれていることが明らかになってきました。この環境 DNA 分析を環境保全や資源解析に利用しよ うとする研究が近年急速に進展しています。 私たちの研究室では実用化が始まったばかりのこの環境 DNA 分析技術のさらなる発展を目指して基礎研究に取り組んでいま す。水から DNA を効率よく集めるにはどうしたらいいか、そして、そこに生息している生物を高い感度で検出するにはどう したらいいか、これらの課題に果敢に取り組んでいます。環境 DNA 分析技術が成熟して一般的に利用できるようになれば、 これまでの生き物の調査が一変します。 短時間で、広範囲にわたって生物の生息 場所を明らかにできるのです。

群集の種組成解析(数万種をカバー)

環境ソリューション工学科

Researcher:

遊磨 正秀

90

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/est06.html

Title:

里川・里地における人為作用と 生物の応答

専門分野 動物生態学 研究課題(長期) 環境に対する人為作用と景観変 遷、および生物の応答 研究課題(短期) 琵琶湖と河川を回遊する魚類生 態と保全

地球上に限られた量し かない淡水に依存して 暮らす生物は実に多い。 人もそうであるがゆえ に、自然生態系とさま ざまな干渉が続いてき た。しかし一方で、水 田や水路などは人手が 加わり続けた場所であ ればこそ、自然の湿地 の代償として多くの淡 水生物を残存させてきた。かつて、人手が加わり続けたことにより生物多様性が維持されてきた里山自然もしかりである。そ してわたしたちは、これらの身近な自然に囲まれて、それぞれの人の原風景が形成され、地域の文化を築かれてきた。身近な 自然における生物多様性とそれから形成される自然文化を維持するために、里川や里山における人為作用とそれに対する生物 の応答について、残されている多く疑問に挑んでいきたい。

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環境ソリューション工学科

Researcher:

91

横田 岳人

専門分野 森林生態学、自然環境保全 研究課題(長期) 森林生態系のバランスと持続可 能性 研究課題(短期) 森林植生荒廃の原因分析と森林 再生技術の開発

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/est11.html

Title:

森林の生産性と更新に及ぼす動植 物の相互作用

私は、人間活動や野生動物が森林の植生変化にどのような影響を与えているのかについて調査研究している。森林を構成する 植物は、生態系へエネルギーを取り組む生産者として重要な役割を果たしているが、森林を利用する消費者である人間や野生 動物の活動が、森林生態系に大きな影響を与えている。生態系は種々の生物のバランスの取れた活動の中で維持されているが、 そのバランスが崩れれば、生態系の様相は一変し、多様性 の高い自然が失われていく。 特に生産者である植物が被害を被ると、生態系を利用する動物も大きな影響を受け、 自然の荒廃を加速させる。ひどい場合は図に示した例のように、森林植生の荒廃の結 果、植生の単純化と植被の消失が進み、急傾斜地では土壌が流亡し、樹木が土壌を保 持できずに倒伏し、土砂崩れや山腹崩壊を引き起こすこともある。こうした植生荒廃 のメカニズムと本来の生態系の状態を探るため、比較的健全な森林生態系 を舞台に、 主に物質収支の観点から、森林生態系を構成する動植物の相互関係を調査し、持続可 能な森林生態系の状態を見出そうと研究し ている。また、自然が荒廃していくメカニ ズムを探り衰退している森林を健全な方向 に誘導し、自然を再生する技術を開発する のが、最近の研究テーマになっている。

林床植生の荒廃による山腹崩壊の危険

環境ソリューション工学科

Researcher:

Lei,Thomas Ting

92

URL: http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/est07.html

Title:

植物の不思議な環境適応

林床植生の荒廃による山腹崩壊の危険森 林植生が荒廃した結果、植生の単純化と 植被の消失が進み、急傾斜地では土壌が 流亡し、樹木が土壌保持できずに倒伏し、 土砂崩れが起きることもある。

専門分野 植物生理生態学 研究課題(長期) 植物の環境適応:進化、分布と 表現型 研究課題(短期) ジンチョウゲ属植物の葉フェノ ロジー多型の進化適応

植物は世界中のいろいろな場所に生育し、進化してきました。生育場所では様々なストレスにさらされるため、それぞれの環 境に適応しないと生き残ることはできません。研究室公開では、植物の多様な展葉時期、開花時期、落葉時期の不思議な環境 適応について説明します。植物の適応度は、光合成を通じた年間の炭素獲得と密接に関わっていると考えられている。多くの 植物は資源獲得システムのありかたは各種の生育環境状況において、機能的特性を生かしながら適合していく。その不思議な 環境適応を持つ、いくつの植物例を展示する。

オニシバリの越冬葉

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光環境を測る全天写真


実験実習 上原 徹

93

藤井 大輔

97

担当

担当

情報処理教育システ ム運用

電 子 情 報 通 信 実 験・ 計算機実習等

熊野 雅仁

進藤 康則

94

98

担当

担当

電 子 情 報 通 信 実 験・ 計算機系実習

物 理 実 験・ 機 械 シ ス テム工学実験等

小島 肇

本田 尚義

95

99

担当

担当

学部共通情報環境の 運用管理

工 作 室・ 機 械 シ ス テ ム工学実験

関本 達生

西村 和男

96

100

担当

担当

学部共通情報環境の 運用管理

物 理 実 験・ 機 械 シ ス テム工学実験

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前田 尚志

101

105

担当

担当

有 機 合 成 化 学 実 験・ 化学基礎実験等

カメラなどの映像/ 録音機器を用いた演 習等

松中 岩男

寄能 雅文

102

106

担当

担当

機 器 分 析 化 学 実 験・ 物理化学実験等

計 算 機・ 情 報 機 器 を あつかう演習

今井 崇人

桧尾 亮一

103

担当

白井健士郎

107

担当

電子顕微鏡

60

岩嶋 浩樹

「測量学及び実習」

104

林 珠乃

108

担当

担当

無 機 合 成 化 学 実 験・ 化学基礎実験等

生 物 多 様 性 実 習・ 野 外調査実習他



理工学部オープンラボ(研究室公開) 理工学部の教育研究施設・設備を公開し、各研究室で日々行われている最先端の研究活動を紹介します。 一部の研究室では、実際に研究で使用している機器・装置に触れていただける体験型研究紹介を行います。 約 50 の研究室を公開する予定です。 ■夏のオープンラボ(例年、瀬田キャンパスの夏のオープンキャンパスと同時開催)  2018 年度の日程:8 月 4 日(土)・8 月 5 日(日)/ 8 月 25 日(土) ・8 月 26 日(日) ■秋のオープンラボ(例年、瀬田キャンパスの龍谷祭と同時開催)  2018 年度の日程:10 月 27 日(土)/ 10 月 28 日(日)

Eye 100

オープンラボ(研究室公開)HP はこちらから

龍谷大学の全てを体感、 100人の目線ムービー (http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/laboratory.html)

オープンラボ(研究室公開)

アクセス JR東海道本線で(瀬田駅まで)

大阪から約1時間、 京都から約30分の 快適通学

理工学部教務課

(お問い合わせ)

〒520-2194 大津市瀬田大江町横谷 1-5

直通バス 直通バスなら通学時間が短縮 全員座れて快適通学

TEL: 077-543-7730(ダイヤルイン) FAX : 077-543-7749

http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/ 2018 年 7 月発行


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