龍谷大学 瀬田キャンパス
先端理工学部 教員研 究紹介
Ryukoku University Faculty of Advanced Science and Technology Research Focus
CONTE N T S 主に数理・情報科学課程の 教育を担当する教員
主に知能情報メディア課 程の教育を担当する教員
主に電子情報通信課程の 教育を担当する教員
主に機械工学・ロボティクス 課程の教育を担当する教員
1. 飯田 晋司 2. 角川 裕次 3. 川上 竜樹 4. 國府 宏枝 5. 阪井 一繁 6. 佐野 彰 7. 高橋 隆史 8. 中野 浩 9. 口 三郎 10. 馬 青 11. 松木平 淳太 12. 村川 秀樹 13. 森田 善久 14. 山岸 義和
15. 岡田 至弘 16. 奥 健太 17. 片岡 章俊 18. 芝 公仁 19. 曽我 麻佐子 20. 外村 佳伸 21. 野村 竜也 22. 橋口 哲志 23. 長谷 智弘 24. 藤田 和弘 25. 三好 力 26. 山本 哲男 27. 吉見 毅彦 28. 渡辺 靖彦
29. 石崎 俊雄 30. 植村 渉 31. 小野 景子 32. 海川 龍治 33. 川上 肇 34. 木村 昌弘 35. 木村 睦 36. 小堀 聡 37. 斉藤 光徳 38. 張 陽軍 39. 中川 晃成 40. 番 貴彦 41. 松室 尭之 42. 山本 伸一
43. 大塩 裕哉 44. 大津 広敬 45. 小川 圭二 46. 金子 康智 47. 譽田 登 48. 左近 拓男 49. 塩見 洋一 50. 渋谷 恒司 51. 田原 大輔 52. 上 哲也 53. 堤 一義 54. 永瀬 純也 55. 野口 佳樹 56. 前田 英史 57. 森 正和
主に応用化学課程の教育 を担当する教員
主に環境生態工学課程の 教育を担当する教員
主に教養教育を担当する 教員
実験実習
58. 青井 芳史 59. 岩澤 哲郎 60. 内田 欣吾 61. 大柳 満之 62. 糟野 潤 63. 河内 岳大 64. 白神 達也 65. 富 欣也 66. 中沖 隆彦 67. 服部 陽平 68. 藤原 学 69. 別府 孝介 70. 宮武 智弘 71. 和田 隆博
72. 浅野 昌弘 73. 市川 陽一 74. 奥田 哲士 75. 菊池 隆之助 76. 岸本 直之 77. 越川 博元 78. 丸山 敦 79. 三木 健 80. 水原 詞治 81. 宮浦 富保 82. 山中 裕樹 83. 遊磨 正秀 84. 横田 岳人 85. Lei, Thomas T.
P01
P34
P09
P42
2019 年 8 月時点の教員一覧です。今後変更になる場合もあります。
P17
P50
86. Augustine Jonathan 87. 大西 俊弘 88. 古賀 功 89. 里井 久輝 90. 谷 綾子 91. 道元 徹心 92. 渡辺 英児
P25
P54
93. 上原 徹 94. 熊野 雅仁 95. 小島 肇 96. 関本 達生 97. 藤井 大輔 98. 進藤 康則 99. 西村 和男 100. 本田 尚義 101. 今井 崇人 102. 白井 健士郎 103. 前田 尚志 104. 松中 岩男 105. 岩嶋 浩樹 106. 寄能 雅文 107. 林 珠乃 108. 桧尾 亮一
数理・情報科学課程 Applied Mathematics and Informatics Course ※先端理工学部の内容は予定であり、変更する場合があります。
物事を論理的に考え適切に表現する力、課題を数学的・数量的に分析し 解決する力、IT社会に柔軟に対応し活躍できる力を備えた人材を育成する。 伱のない思考と現実に柔軟に対応できる 技術を身につける
学びの Point
充実の演習・実習で体験することを通じて 心から理解する
「やってみる」 という意欲を教員のサポートで 結果に結びつける
履修イメージ
数理解析、現象の数理、データサイエンス、情報科学の4つのプログラムを履修する場合(これは一例です。)
1 年生
2 年生
前期 1Q
「数学」 と 「情報」2つの教員免許を 取得することができる
後期 2Q
専門基礎科目
3Q
1Q
後期 2Q
3Q
専門応用科目
1Q
後期 2Q
●
位相入門Ⅰ/Ⅱ★
微積分及び演習Ⅰ
●
微積分及び演習Ⅱ
●
微分方程式Ⅰ
●
微分方程式Ⅱ★■
●
代数入門Ⅰ/Ⅱ★
●
線形代数及び演習Ⅰ
●
線形代数及び演習Ⅱ
●
数値計算法及び演習
●
幾何入門 ★■
●
物理と微分方程式 及び演習
フーリエ 解析 及び演習
●
●
質点系の力学★
●
複素解析Ⅰ/Ⅱ★■
●
現象の数理モデルⅠ/Ⅱ★■
●
●
シミュ レーション 及び演習 ★■
●
プログラ ミング 及び実習Ⅰ
フレッシャーズセミナー
前期 4Q
1Q
●
応用幾何 ★
拡散現象の数理Ⅰ/Ⅱ★■
●
波動現象の数理Ⅰ/Ⅱ★■
●
データ分析
●
確率統計Ⅰ
●
多変量解析および演習◆
●
機械学習Ⅰ/Ⅱ◆
●
確率・統計Ⅱ/Ⅲ■◆
プログラミング及び実習Ⅱ
●
プログラミング及び実習Ⅲ
●
アルゴリズム 及び演習Ⅰ/Ⅱ□
●
データ構造と アルゴリズムⅠ/Ⅱ ◆□
●
最適化の数理Ⅰ/Ⅱ★◆□
●
ネット ワーク 及び演習 □
●
言語と計算Ⅰ/Ⅱ□
●
セミナーⅠ
●
情報処理システムⅠ
●
●
情報処理システムⅡ
●
集合と論理
プロジェクト演習
理工学のすすめ
オブジェクト 指向 及び演習 □
●
数理・ 情報科学の 学びと社会
●
数理情報 演習
●
●
後期 2Q
3Q
ベクトル 解析入門 ★■
●
●
●
3Q
●
●
情報基礎
□…情報科学
4 年生
前期 4Q
●
●
■…現象の数理
◆…データサイエンス
3 年生
前期 4Q
★…数理解析
グラフィックス 及び演習 ■◆□
●
確率 モデル 及び演習 ■◆
●
セミナーⅡ
●
特別研究Ⅰ
●
特別研究Ⅱ
プロジェクトリサーチⅠ
その他プログラムの科目など 教養教育科目
取得可能な 免許・資格
●
※ 中学校教諭一種免許状( 数学 )
●
※ 高等学校教諭一種免許状( 数学、情報 )
●
本願寺派教師資格
R-Gap
めざす 職業・進路
●
教員 ● 教育業界
●
証券アナリスト
●
情報通信業
●
システムエンジニア (SE) など
※課程認定申請中。 なお文部科学省における審査の結果、予定している教職課程の開設時期が変更となる可能性があります。
1
4Q
主に数理・情報科学課程の 教育を担当する教員
Professor:
1
飯田 晋司
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/math01.html
Title:
数学とコンピュータでいろいろな 現象を調べてみよう
専門分野 物性理論 研究課題(長期) 凝縮系物理の理論的解析 研究課題(短期) ランダム媒質中を伝播する波の 統計的性質
卒業研究では,いろいろな現象の数理モデルを学び,どのような結果が得られるかを調べます。いくつかの卒業研究を紹介します。
■ 打球の軌道計算
■ 虹の作画
主に数理・情報科学課程の 教育を担当する教員
Professor:
2
角川 裕次
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/kakugawa.html
Title:
分散システムのためのアルゴリズム
専門分野 計算機科学 研究課題(長期) コンピュータシステムの基礎理 論とアルゴリズム設計 研究課題(短期) 分散プロセス間の相互作用の研 究
現在では PC、スマートフォン、IoT など、様々な形態をした膨大な数のコンピュータが相互接続されて利用されるのが一般的となっ ています。分散アルゴリズムとは、 そのようなコンピュータ群(分散システム)を動かすためのアルゴリズムです。一台のコンピュー タによる集中制御ではなく、個々のコンピュータが自律的に動作しながらもネットワーク全体で整合した動作となる分散制御が大 きな特徴です。 性能を上げるには多数のコンピュータを同時に独立に動作させることが重 要ですが、そうすると逆に全体の統率がとれなくなります。全体の統率を とるには、離れたコンピュータ同士でも絶えず足並みを
える必要があり、
高速ネットワークを使ったとしても性能は低下してしまいます。そこで、 通信量を減らしつつも並行性を高める分散アルゴリズムが重要となってき ます。 また、ネットワークに接続されるコンピュータ数が増えてくると、システ ムの故障耐性や、接続コンピュータの動的な変化への対応も重要になりま す。このような問題を解決するために、障害が起きても自律的に復帰する 性質を持つ、自己安定分散アルゴリズムと呼ばれている分散アルゴリズム の一分野を中心に研究しています。そのほか,分散相互排除問題,分散グ ラフ問題,などの他,様々な分散アプリケーションを設計する際の理論的 基盤となる分散アルゴリズムを研究しています。
2
主に数理・情報科学課程の 教育を担当する教員
Professor:
3
川上 竜樹
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/math21.html
Title:
非線形偏微分方程式の漸近挙動と その周辺
専門分野 数学解析 , 大域解析学 研究課題(長期) 非線形偏微分方程式の漸近挙動 とその周辺 研究課題(短期) 動的境界条件 , 分数冪拡散方程 式 , 高次漸近展開理論
多くの科学現象は、拡散、反応によってモデル化され、しばしば非線形拡散方程式や異常拡散方程式によって記述されます。また 数理ファイナンスや金融工学などの実社会の様々な問題を考察する際にもこれらの問題が現れることが知られており、近年、応用 面からも非常に多くの研究が行われています。計算機の発展に伴い、様々な方法によって微分方程式を解析できるようになってき ましたが、拡散方程式などの時間発展する現象を記述する偏微分方程式、すなわち発展方程式によって記述された現象を数学的に 理解するためにまず初めにやるべきことは、その問題が時間局所解を持つかを調べることです。その後、時間大域可解性や解の漸 近挙動を考察していくことで、問題や方程式に内在する性質を抽出し、 現象の理解への足がかりを構築していくことができます。 本研究室では関数解析などの数学解析の手法を用いることで、非線形拡 散や異常拡散を記述する発展方程式の時間局所及び大域可解性を考察 し、それらを足がかりに時間大域解の漸近挙動やその分類、また高次漸 近展開を行うことで、解の形状や性質の数学的な解明を目的とします。 これらを通して、様々な拡散現象やそこに現れる非線形性の影響の本質 的な理解を深めていきます。図は線形熱方程式の基本解である Gauss 核の時間変化ですが、多くの典型的な非線形項を有する非線形拡散方程 式は初期値が十分小さい場合、その時間大域挙動はこの Gauss 核の定 数倍になります。
主に数理・情報科学課程の 教育を担当する教員
Professor:
4
國府 宏枝
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/math05.html
Title:
力学系とカオスの研究
専門分野 力学系理論 研究課題(長期) 力学系の位相的計算的研究 研究課題(短期) カオス力学系から生成されるア トラクタの理論について
「カオス」は物理学、工学、生物学等広い分野において、最近、注目を集めているテーマです。大雑把な言い方をすれば、それは決定論的なシ ステムに従うにもかかわらず、予測不可能な振舞いをする現象のことです。従って、現実のシステムにおいてのカオスの発現は制御不可能性 につながり、その予測、制御は重要な問題といえるでしょう。しかし、カオス現象の数学的な研究は、カオスが非常に複雑な現象であるため、 ごく一部しか解明されていません。当研究室では、カオスの実際的な応用、制御にも注意を払いつつ、カオスの数理的側面を研究しています。 カオスは複雑な現象ですが、その発生や構造を数学的に解析できる部分もあります。下中の図はカオス的な力学系としてよく知られているヘ ノン写像のある特徴を抽出したもので、これらの曲線の交わり方を調べる事によりいろいろな事がわかります。私たちはカオス的な力学系から、 計算機によってこれらの特徴を抽出するための方法を開発し、実際その系でどのようなことが起こっているのかをトポロジー的な観点から結 論づける研究をしています。 またカオスを利用していろんなものを作ることをここではやっています。写真はレゴを使って障害物を回避しながら光源によってくるロボッ トと、予測不可能な手を出すじゃんけんマシンです。
レゴを用いたじゃんけんマシン
3
へノン写像のトレリス
探索ロボットと遊ぶガン
主に数理・情報科学課程の
Senior Lecturer:
教育を担当する教員
5
阪井 一繁
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/math14.html
Title:
何でもコンピュータシミュレーション さまざまな現象の仕組みを方程式で表現して,その方程式を コンピュータで解き,現象をコンピュータグラフィックスで 再現する。これを「コンピュータシミュレーション」と言 います。うまくコンピュータシミュレーションができると, 現象の本質が明らかになったり,条件を変えた実験がコン ピュータの中でできるようになったりします。阪井研究室の 特別研究(卒業研究)では,4年生が数学や物理などのいろ いろな知識をもとに,コンピュータシミュレーションに取り 組んでいます。過去の研究テーマとその結果をいくつか列挙 します。
雪の結晶の成長シミュレーション
専門分野 数値計算、応用数理、計算科学 研究課題(長期) 非平衡・非線形現象の数理解析 研究課題(短期) 金属組織形成の数理モデルと計 算機シミュレーション
クレーターの形成シミュレーション
隕石の衝突によるクレーターの形成を「粒子法」という手法 でコンピュータシミュレーションしました。
スノーボードハーフパイプ競技の シミュレーション
赤く描かれているのがスノーボードの軌道。 気温が氷点下になれば空中の塵などを核にして水蒸気が・・・, 「エッジ」の利かせ方を変化させて,様々な滑りを再現しま した。 という原理にもとづきコンピュータで計算した結果です。
主に数理・情報科学課程の
Assistant Professor:
教育を担当する教員
佐野 彰
6
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/math17.html
Title:
ヒト知能の情報科学
専門分野 数理脳科学、実験認知科学 研究課題(長期) 脳の情報統合と内的意味付けの 問題 研究課題(短期) 階層的な統計学習に基づく感覚統 合モデル 自律ロボットによる人工認知実験
ヒトの脳と身体は、それをとりまく環境と相互作用しながら世界の意味や価値を構築し、同時にそれらを自分自身の内部に取り込 んでいきます。これは、自分自身を変化させるという生命そのものがもつしくみです。私たちは、計算機によるシミュレーション 実験や自律ロボットを用いた人工認知実験を通して、我々がもつヒト認知の在り方を考えています。 ヒトの知的な活動は、記憶・欲求・予測といった要素が密接に絡み合うことによって実現されています。我々は、不確定で複雑な 環境下に身を晒すことで、脳を取り巻く多感覚な環境情報を構造化(記 憶)します。そして、生物がもつ原初的な欲求を駆動力とし、全ての一 瞬において次の瞬間を構築する(予測)ことで行動や思考と呼ばれる活 動を生み出しています。私たちは、このような多感覚な記憶構造と予測 に基づいた人工認知システムの構築を行っています。 また、ヒト認知を生み出す神経システムは、近年の脳科学を待つまでも なく極めて複雑な様相をもっています。しかし、ヒト認知に発達過程が 不可欠であることからも、これらの複雑さは環境の複雑さの投影である ともいえます。ある人工物が「認知」システムとしての説得力をもつた めには、ある一定以上の複雑さをもち、そしてその行動様式が我々自身 が理解可能でなければなりません。 私たちは、説得力のある認知システムを具体的に構築するために、ヒト 型ロボットを身体として、複雑な実環境下で発達可能な認知システムの 構築を進めています。
4
主に数理・情報科学課程の
Associate Professor:
教育を担当する教員
高橋 隆史
7
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/math15.html
Title:
脳の仕組みをまねて賢くなるコン ピュータ
専門分野 知能情報学 研究課題(長期) 脳における視覚情報表現様式の 解明とその工学的応用 研究課題(短期) 脳における視覚情報表現様式の 解明とその工学的応用
AI を創る人・育てる人になろう. 使われる人ではなく. カメラに映った人や物体を自動で認識した り,将棋や囲碁でトップ棋士に勝ったり,近 年, 「AI(人工知能) 」が急速に進歩しています. この AI を支えているのは, 「機械学習」と呼 ばれる技術です.機械学習するコンピュータ は,大量のデータを処理して自ら学び,問題 の解を見つけ出すことができます. 私の研究室では,脳の仕組みにヒントを得た 機械学習の手法である「ニューラルネット ワーク」・「深層学習」のアルゴリズムや,そ の画像認識等への応用を研究しています.
主に数理・情報科学課程の
Associate Professor:
教育を担当する教員
中野 浩
8
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/math13.html
Title:
プログラミングに現れる論理構造 の解析
専門分野 構成的プログラミング、型理論、 λ計算 研究課題(長期) プログラミングに現れる論理構 造の解析 研究課題(短期) オブジェクト指向プログラミン グの論理
現代の社会では、いろいろな用途にコンピュータが使われていますが、それが役に立つのは、そのコンピュータがどのように働くべ きかを指示したソフトウェア(プログラム)が用意されているからです。本研究室のテーマは、このソフトウェアをどのように作れ ばよいのかを探求することです。 「イラストロジック」あるいは「お絵かきロジック」と呼ばれている、紙と鉛筆で楽しむパズルをご存じでしょうか? 下の左の図の ように、格子状に並んだマスの行と列のそれぞれに対して与えられた数列をヒントにマスを黒と白で塗りわけ、右の図のようなイラ ストを浮かび上がらせるパズルです。 数列は、その行や列の黒マスの塊の長さが順 にどうなっているのかを表していますが、人 間は、そこから様々推論を行ってマスの黒と 白を判定し、イラストを浮かび上がらせてい きます。コンピュータのソフトウェアを作成 する場合も、与えられた道具立てや様々な条 件を基に、論理的な思考を積み重ねることで 目標のプログラムを構築していきます。この ような論理的な思考がどのように行われてい るのかを分析・整理し、不具合のないソフト ウェアの実現を目指すのが本研究室の目標で す。
5
主に数理・情報科学課程の
Associate Professor:
教育を担当する教員
樋口 三郎
9
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/math16.html
Title:
確率モデルに基づくアルゴリズムと 学習教育支援システム
専門分野 理論物理学(場の理論と統計力 学) 研究課題(長期) 場の理論と統計力学に現れる組 み合せ的構造 研究課題(短期) ランダムなネットワークの統計 力学と計算困難問題
日本では畳を図 1 左のような四隅が集まるパターン(不祝儀敷)では敷かず右のようなパターン(祝儀敷)で敷く習慣があります . 部屋を決めたときに , そのような敷き方が何通りあるか ? コンピュータの得意な問題です . しかし , 部屋が大きく複雑な形であると きには計算時間がかかります . ランダムアルゴリズムであるマルコフ連鎖モンテカルロ法を用いると , 近似的な推定値ではあります が , 短時間に推定することができます . 様々な確率モデルに基づく高速なランダムアルゴリズムを研究して , 畳の敷き方の場合の数 も効率的に数えられるようになりました . 確率モデルは社会の現象を予測するのにも役立ちます . 学校で (集団で)または個人で学習する人間はそれぞれに個性的です が , ある側面は確率モデルでとらえられます . 学習者の確率モ デルに基づいて , 中学・高校・大学での学習・教育を効果的に 支援する PC・スマートフォン・タブレットで使える Web ア プリケーション(アプリ)などを作成し , 実際に使用して , そ の効果を明らかにしています . 図 2 は中学校の「資料の活用」 分野の授業で使用するための , タブレット上で動作する Web アプリケーションです .
図 1.畳の敷き方
主に数理・情報科学課程の 教育を担当する教員
Professor:
図 2.学習用アプリ
馬 青
10
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/math06.html
Title:
自然言語処理
専門分野 情報科学 研究課題(長期) 学習に基づく自然言語処理 研究課題(短期) 英 作 文 支 援 シ ス テ ム の 開 発、 Web 利活用の支援、情報抽出、 機械学習
自然言語処理は人間の読み、書き、話す言葉を如何にコンピュータで扱うかについて の学問です。自然言語処理の技術として、たとえば、「せんせいになった」を入力し て「先生担った」ではなく「先生になった」に変換してくれる(つまり私たちが日常 で使っている日本語入力)という身近な例があります。また、Google の Web 検索 エンジンや、外国語から日本語、日本語から外国語への自動翻訳の例もあります。私 たちの研究室では、これら関連の研究として、適切な検索キーワードの自動提示と いった Web の快適な利活用の支援や、英語を母語としない人々の英作文の支援に関 する研究を行っています。その一方、自然言語処理技術を生かした学習ツールとして のゲームの提案・作成や、様々な実用システムの開発も試みています。たとえば図 1 のような文字五目並べゲーム。これは人と人、人とコンピュータの二通りの方法でプ
図1
レイできます。従来の五目並べに加え、4 文字以上からなる言葉を作成する遊び方が できます。このようなゲーム遊びを通じて四文字熟語などを自然に覚えていき、語彙 力の向上につながることが期待されます。または図 2 のようなレシピー提案システム。 得意な料理や嫌いな食材を入力することで、Web 上に存在する十数万件のレシピー データからユーザの好みに合ったレシピーを提案してくれる(セットメニューやカロ リーの提示もできる)便利な生活ツールです。
図2
6
主に数理・情報科学課程の 教育を担当する教員
Professor:
松木平 淳太
11
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/math07.html
Title:
離散モデルによる現象の解析
専門分野 非線形波動、ソリトン、可積分系、 超離散系、セルオートマトン 研究課題(長期) 離散系、超離散系に対する数理 的枠組の構築 研究課題(短期) ソリトン系、セルオートマト ン系における Euler-Lagrange 対応
近年のコンピュータの計算能力の発達によって、数学的に取り扱いが困難な問題も、数値計算等で近似的に解くことができるよう になってきました。しかしながら、デジタル化に伴う離散化誤差は避けることはできず、どの程度の精度で結果が得られているか を常に意識する必要があります。それは現象の正確な把握を目的とする理学の分野のみならず、設計の精度が要求される工学の分 野にも当てはまります。ところで水波や光ファイバーの中にはソリトンと呼ばれる安定したパルス波が存在します。ソリトンは衝 突によっても壊れることのないという不思議な性質を持っています。長年に渡るこのソリトンの研究の中で、この安定性の背後に は「可積分性」と呼ばれる深い数学的な構造があり、それが安定的な数値計算などに関係していることもわかってきました。さら にソリトン・セルオートマトンと呼ばれる 0 と 1 だけで構成される完全に離散的なモ デルにも同じ構造が存在することが最近わかってきています。すなわちデジタル化さ れた離散モデルの中にも、数学的に厳密な取り扱いができるものがあるということで す。現在我々の研究室では、セルオートマトンと通常の微分方程式や差分方程式系を結 ぶ超離散化の研究を精力的に行っていま す。最近はセルオートマトンによる交通 流モデルにおいて、運転者の立場から見 た Lagrange 的見方と道路管制者側から 見た Euler 的見方を結びつけることに成 功し、さらなる拡張を試みているところ です。 ソリトンセルオートマトン
主に数理・情報科学課程の 教育を担当する教員
Associate Professor:
村川 秀樹
ソリトンの超離散化
12
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/murakawa.html
Title:
現象の数理モデリング・解析・数値 解析・応用
専門分野 応用数学、数値解析学 研究課題(長期) 数理モデリングと応用、非線形 偏微分方程式の解析・数値解析 研究課題(短期) 非線形拡散問題に対する数値解法の開 発と数値解析、反応拡散系の急速反応 極限、反応拡散系近似、細胞接着現象・ 細胞選別現象の数理モデリングと応用
自然現象、社会現象、諸科学における問題等、様々な現象の理解のために数理の立場から研究を行っています。特に、以下のようなことを包 括的に研究しています。 ・現象を微分方程式等で表現する ( 数理モデリング )。 ・そのモデルから得られる現象の数理的特長を解明する ( 解析 )。 ・現象の予測、再現、制御を目的とした数値解法の開発とその妥当性を保証する ( 数値解析 )。 ・上記を用いて、実社会、工学、生命科学などにおける問題を解明する ( 応用 )。 これまでに、氷の融解、水の凝固、地下水の流れ、生物種の競争及び協調、熱傷創感染、核廃棄物の埋設処分に関連する化学反応、原子配列の構造、 結晶成長等、様々な現象・問題を扱ってきました。特に、これらの問題に対する近似解法や効率的な数値解法の開発とその解析を行ってきました。 近年では、生命科学に興味を持ち、幹細胞、神経細胞、がん細胞などの振る舞いについて数理の立場から研究を行っています。
7
主に数理・情報科学課程の 教育を担当する教員
Professor:
森田 善久
13
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/math09.html
Title:
数理科学に現れる微分方程式の 定性的構造の解明と応用
専門分野 応用解析(数学) 研究課題(長期) 数理科学に現れる微分方程式の 定性的構造の解明と応用 研究課題(短期) ギンツブルグ・ランダウ方程式、 反応拡散方程式などにおけるパ ターン形成とダイナミクスの数 理的研究
物理学は数学という言葉で記述されるといわれますが、物理現象だけでなく、自然界の様々な現象は数理モデルを用いて表すこと ができます。その中でも微分方程式で記述される数理モデルは、天体の運動から始まって、流体の動き、化学反応、生物の個体数 変動、神経の興奮伝播、生物の形態形成、超伝導現象など様々な分野で現れます。近年は経済現象や社会現象にも応用が広がって います。我々の研究室では、このような現象、特に生物集団や細胞集団、感染症などの数理モデルをとりあげ、モデル方程式の解 の研究をしています。数学的な定理を証明するだけでなく、シミュレーションを利用してイメージをふくらましたり、背景の現象 を学んで数学的な解と対応させながら研究します。
体内時計の数理モデルの振動解 ' " & (横軸:時間,縦軸:複数のリン酸基の量) -!(0 +/$(0% ) *.
主に数理・情報科学課程の 教育を担当する教員
Associate Professor:
山岸 義和
平面上のリミットサイクルに巻き付く ,
微分方程式の解 # &
14
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/math18.html
Title:
折り紙と造形の幾何学
専門分野 応用幾何学 研究課題(長期) 複素力学系、葉序螺旋の数理、 準結晶の数理 研究課題(短期) 螺旋タイリングの幾何学
私の研究室では、タイル張りや折り紙などの幾何学を考えています。(1)ペンローズタイルは、細い菱形と太い菱形の 2 種類を非 周期的に並べたパターンですが、その上に縞模様を描いてみると、それも非周期的になります。(2)最近の作品としては、ねじれ のない一本の帯を折って、正四面体を作ってみました。(3)また、相似な四角形を平面に敷き詰めて、花のようなパターンのタイ ル張りを考えてみました。右回りと左回りの螺旋の本数が違っているのですが、数えてみると、フィボナッチ数という数が出てき ます。
8
知能情報メディア課程 Intelligent Media Informatics Course ※先端理工学部の内容は予定であり、変更する場合があります。
好奇心を実践的に伸ばし、知能情報時代の新しい メディア技術を駆使・創造できる人材を育てる。 学びの
頭も手も体も使って体験的に学べる
充実した最新施設・機器で学べる
少人数グループを重視した演習科目で学べる
さまざまなプログラミング言語を学べる
Point
履修イメージ
1 年生
2 年生
前期 1Q
◎…必修科目 ◆…リアル&バーチャルメディア
人工知能、 応用ソフトウェア、 リアル&バーチャルメディアの3つのプログラムを履修する場合(これは一例です。)
後期 2Q
3Q
3 年生
前期 4Q
1Q
後期 2Q
3Q
4 年生
前期 4Q
1Q
後期 2Q
■…応用ソフトウェア ★…人工知能
3Q
前期 4Q
1Q
後期 2Q
3Q
4Q
専門基礎科目 ●
●
情報とセキュリティ■
プログラミング ● プログラミング 基礎演習Ⅰ◎ 基礎演習Ⅱ◎
●
データ構造とアルゴ リズム・演習◎
ソフトウェア基礎◎
●
情報システム基礎◎
情報基礎◎ ●
●
メディア処理基礎◎
●
ネットワーク基礎◎
●
●
微分積分・演習◎
●
確率・統計
●
ハードウェア基礎◎
●
フレッシャーズセミナー
●
情報数学基礎
●
線形代数・演習◎
●
理工学のすすめ
●
データベース■
●
ディジタル 信号処理◆
専門応用科目
●
●
コンピュータ ビジョン★◆ ヒューマンコンピュータ インタラクション◆
教養教育科目
●
システムソフトウェア■
●
人間工学概論
●
応用アルゴリズム★■
●
ニューロとAI★■
●
ソフトウェア開発法■
●
データインテリジェンス★■
●
●
ネットワーク構成論■
実践プログラ ミング・演習
●
知能情報メディア演習◎
●
言語メディア処理論★◆
●
CGとVR◆
●
音声・音響メディア処理論◆
●
科学技術 計算・演習
●
画像メディア 処理論◆
●
環境としての情報技術◆
●
ネットワークシステム・ 演習◎
●
知能情報メディア セミナー◎
●
コラボレーション演習
●
最適化の 数理Ⅰ★
●
科学技術英語◎
●
特別研究◎
専門関連科目 ●
機械 学習Ⅰ★
●
機械 学習Ⅱ★
●
最適化の 数理Ⅱ★
その他プログラムの科目など
R-Gap
取得可能な 免許・資格
●
※ 高等学校教諭一種免許状 ( 情報 )
●
学芸員
●
本願寺派教師資格
めざす 職業・進路
●
音響、画像、 ゲーム関連企業
●
ソフトウェア開発者
●
システムエンジニア
●
情報セキュリティ関連企業 など
※課程認定申請中。 なお文部科学省における審査の結果、予定している教職課程の開設時期が変更となる可能性があります。
9
●
システムインテグレータ
主に知能情報メディア課程の 教育を担当する教員
Professor:
岡田 至弘
15
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/info01.html
Title:
3D で文化財を観る −新しい情報提示と見方−
専門分野 情報処理 研究課題(長期) コンピュータビジョン 研究課題(短期) ヒューマンインタフェースの研 究、デジタルアーカイブ方式の 研究
3 次元コンピュータグラフィックスは目覚しい技術の進歩に伴い、様々な分野で利用され、目にする機会が多いといえます。また、 物体の復元技術も進歩し、より高精細に三次元形状を計測する手法が確立されてきました。この技術は、CAD などの工業製品の設 計や、医用、建築、重要文化財の保存等において幅広い分野で必要とされています。より簡便に、短時間に、かつ高精細に三次元 形状の計測を行うことが必要であると考えます。3 次元形状計測技術は、国宝や重要文化財などの歴史的に貴重なものを後世に伝 えるために、劣化のない形でデジタル保存を行うことにつながります。今回、シルクロード伝来の文化財の 3D 形状計測と、その 表面形状の外殻に相当する微細な凹凸を再現します。
シルクロード伝来 舎利容器の 3D 計測データ
主に知能情報メディア課程の 教育を担当する教員
Senior Lecturer:
奥 健太
微細表面凹凸情報表示
16
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/info17.html
Title:
人とコンテンツとの出会いを支援 する情報推薦システム
専門分野 情報推薦システム 研究課題(長期) 情報推薦システム研究を通じて、 人の嗜好、コンテンツの特徴、 人とコンテンツの関係を解明 研究課題(短期) 観光情報推薦システム、音楽推 薦システム、クロスメディア推 薦システムなどの研究
情報推薦システムで人とコンテンツとの出会いを支援することが、本研究室の理念です。 本や音楽、映画、料理レシピ、レストラン、観光スポットなど、世の中には魅力的で 多種多様なコンテンツが
れかえっています。このようなコンテンツの中から、感動
するようなコンテンツに巡り会うことを考えるとワクワクしませんか。しかし、コン テンツの数があまりにも膨大過ぎてその多くは見過ごされてしまいがちです。情報推 薦システムは、膨大なコンテンツの中から、その時、その場、その人に合ったコンテ ンツを提供してくれます。 その実現のためには、人を知る、コンテンツを知る、人とコンテンツとの関係を知る ことが主要な課題となります。その人はどのような嗜好をもつのか、そのコンテンツ はどのような特徴をもつのか、またどのような人がどのようなコンテンツを好むのか、 これらを明らかにしていく必要があります。 そこで重要な手掛かりとなるのがデータです。商品の購入履歴や閲覧履歴、投稿レ ビュー、Twitter や Flickr といったソーシャルメディアなど、日々大量のデータが生み 出されています。このような大量のデータを解析することで、先の課題を解決してい きます。 大量データの管理にはデータベース技術や地理情報システム、大量データからのパター ンの発見には機械学習やデータマイニング技術、コンテンツの解析には自然言語処理 技術や音声処理技術、画像処理技術、ユーザへの情報提示にはヒューマンインタフェー ス技術といった様々な技術を駆使しながら情報推薦システムの実現を目指しています。
10
主に知能情報メディア課程の 教育を担当する教員
Professor:
片岡 章俊
17
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/info02.html
Title:
聞きたい人だけに 聞きたい音を届ける
専門分野 音声・音響信号処理 研究課題(長期) 人間の知覚能力の探求とその実 現 研究課題(短期) 音環境の理解と再生
スピーカで音を再生すると全方向に広がります。特定の方向だ け、特定のエリアのみに音(音声)を届けることができれば便 利です。例えば、美術館や博物館で展示物を見ながら、その作 品の説明を聞きたいことがあります。しかし、日本語だけの説 明では外国の人にはわかりません。そこで展示物の片側のエリ アには英語の説明のみが流れ、もう一方のエリアには日本語の 説明のみが聞こえれば、それぞれの人が快適に鑑賞することが できます。 目的の方向だけに音を届けるためには、1 つのスピーカでは実 現できません。数個のスピーカを用いてスピーカアレーを組み、 それぞれのスピーカから出す音を適切に制御する必要がありま す。音は波ですから、その振幅と位相を制御することによって、 目的方向では位相が合って元の音が再生され、他の方向では位 相がずれ、互いを打ち消し合い音量が小さくなります。
主に知能情報メディア課程の 教育を担当する教員
Assistant Professor:
芝 公仁
18
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/info11.html
Title:
並列分散処理とシステムソフト ウェア
専門分野 計算機科学 研究課題(長期) システムソフトウェア・オペ レーティングシステムの構成法 研究課題(短期) 並列分散処理,仮想化技術,セ キュリティ
計算機資源を効率的に活用するためのシステムソフトウェアの構成法について研究しています。例えば、オペレーティングシステ ムは、計算機システムにおいて最も重要な役割を果たすソフトウェアです。オペレーティングシステムによってメモリや CPU な どの資源の仮想化・多重化が実現されると、単一の資源を複数あるかのように利用することが可能になります。また、仮想化技術 を用いると、多数の仮想計算機を実現することができます。 このとき、資源を有効利用するためには、実資源をどのよ うに仮想計算機に分配するかが重要になります。 複雑な問題を短時間で処理するために、ネットワークで接 続された複数の計算機を使用して並列分散処理を行うこと は有効な手段のひとつです。また、インターネットには、 多く計算機が接続されています。これらの計算機をより積 極的に協調させることができれば、インターネット上の多 数の計算機を有効に活用することが可能になります。グ リッドや P2P の技術を用いて多数の計算機を協調させる ことができれば、高度な計算を短時間で行うことや、大量 のデータを共有し利用することが可能になります。
11
主に知能情報メディア課程の
Associate Professor:
教育を担当する教員
19
曽我 麻佐子
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/info12.html
Title:
CG・VR を使った文化・芸術の 学習支援システム
専門分野 人間情報学 研究課題(長期) 3DCG に よ る ダ ン ス の 解 析・ 編集・創作 研究課題(短期) ダンスの振付シミュレーション システムの開発
■タブレットで動作する振付シミュレーションシステム ヒップホップダンス、現代舞踊、少林寺拳法などの様々なジャンルを対象とした創作支援システ ムを開発しています。モーションキャプチャで取得した腕・脚・頭などの短い動作を合成したり、 コンピュータが自動で振付を生成する機能もあります。
■江戸時代のすごろくの遊び支援システム(※) 江戸時代の飛びすごろくをデジタル化しました。ルールがわからなくても画面の指示に従ってい けばゲームを進められます。センサ付きさいころを転がして出目を自動で検出したり、行先を投 影映像で確認したりできます。
振付シミュレーションシステム
■ HMD とペン型デバイスを使った万年筆の VR システム(※) 絵柄が描かれた蒔絵万年筆を 3D 化して、様々な方向からじっ くり見られるようにしました。Wii リモコンで万年筆を回し たり、HMD を被って視線で異なる万年筆に切り替えたりす ることができます。 ※国立歴史民俗博物館企画展「デジタルで楽しむ歴史資料」 (2017/3/14 ∼ 5/7)に出展 Motion Laboratory(曽我研究室)Web ページ 蒔絵万年筆の 3DCG
http://motionlab.jp
主に数理・情報科学課程の 教育を担当する教員
Professor:
外村 佳伸
20
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/info16.html
Title:
人に新しい体験をもたらすインタラク ティブ・アンビエント・メディアの研究
デジタルすごろくゲーム台
専門分野 知能情報学 研究課題(長期) 人をとりまく情報環境全体が調 和し、人と一体となって賢くふ るまう「環境知能」の確立 研究課題(短期) 人に新しい体験をもたらすイン タラクティブ・メディアの提案
人間は、五感や体を駆使して常に周囲の環境とやりとり(インタラクション)をしてい ます。一方で、ますます進歩する様々な情報機器は、道具として、空間として、私たち をとりまくまさに 環境的 な情報環境(アンビエント・メディア)となりつつありま す。そこで、私たちの研究室では、人がこうした情報環境とのインタラクションを通して、 新しい感覚の体験を得ることができるシステムを実現し、将来の情報環境を創造するこ とをめざしています。具体的には、 (1)「あったらいいな、おもしろいな」を形にする新しいコンセプト (2)人にとって自然に関われる直観的なインタフェース (3)様々なセンサーやディスプレイを駆使する情報処理方法 などを特徴とするシステムを提案・創造しています。最近特に力を入れているのは、複 数の人が関われるような公衆向けの大画面を用いた情報環境を対象に、新しいインタラ クションのスタイルを、そのコンセプトの提案とともにプロトタイプシステムとして実 現する研究です。アイデアを形にし、可視化、体験化して将来性を問いかけます。 私たちはこうした研究を通して、人とコンピュータあるいはシステムとの関わりが、さ らに豊かで楽しく、しかも自然な形で実現さ れる情報環境に発展していければと考えてい ます。さらにそうした情報環境が、人をとり まく環境全体の中で調和を保ち、人と一体と なって賢くふるまうしくみの実現をめざしま す。
12
Professor:
主に知能情報メディア課程の 教育を担当する教員
野村 竜也
21
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/info06.html
Title:
人間とロボットの心理的・社会的 関係
専門分野 人工知能、システム論、複雑系 研究課題(長期) 生命・意識・社会の数理モデル 構築と分析 研究課題(短期) 人工知能・ロボットの心理的・ 社会的影響
人が他者との対話場面において起こす心の動きを研究する学問分野が対人心理学であるとすれば、人が人工知能(Artificial Intelligence: AI)との対話場面において起こす心の動きや、ロボットとの対話場面において起こす心の動きを研究する学問分野を、 対 AI 心理学、対ロボット心理学と呼んでも差し支えはないでしょう。そして、AI やロボットとの対話において、人間同士の対話と 同様とまでは言えないまでも、使用者は心理的な反応を引き起こされる可能性が高いことが、90 年代から指摘されています。人間 同士の対話において引き起こされる心理状態には、当然当人にとって望ましい喜びや満足感などのプラスのものもあれば、望まし くない怒り、悲しみなどのマイナスのものもあります。とすれば、AI やロボットの設計を一歩間違えれば、使用者にとって望まし くない負の心理状態が引き起こされる可能性もあります。 本研究室では、人間とロボットが対話を行うとき、人間側のどのような心理的性質が対話の際の行動に影響を与えるかを、心理学 の手法を用いて調べようとしています。この研究では、心理尺度という人間の心理状態を測定するための手法を用いたり、実際に ロボットと人間を対話させる実験を行ったりしています。また、日本人のロボット好きは世界的には珍しいほうであると言われて いますが、これが本当かどうかを実際に調査し、意外にそうでない面があることや、年代によって意識差があることもわかってき ています。 この分野は研究自体の歴史が浅い分、非常にホットなテーマでもあり、一人一人の研究者に理工学と人文・社会科学の両方の視点 が要求される幅広さと面白さを持っています。
主に知能情報メディア課程の
Assistant Professor:
教育を担当する教員
橋口 哲志
22
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/info19.html
Title:
体験をもとに感覚をデザインする
専門分野 バーチャルリアリティ、ヒュー マンインタフェース、触覚 研究課題(長期) 次世代メディアに対応できる感 覚デザイン 研究課題(短期) 多感覚の組み合わせによる相互 作用の分析とその活用人
バーチャルリアリティ(VR)は,CG や動画像で作られたパソコン上の空間をまるで現実のように体験する技術です.この技術を用 いることで,自分が再現したい空間を自由につくりだし, ある体験の瞬間 を抜き出すことができます.例えば,VR 空間でスカイ ダビングを体験させるには,上空から落ちていく空間をつくりだすことが必要となります.しかし,それだけでこの体験を再現できる でしょうか?風切る音を聞き,空気の抵抗を肌で感じなければ,その体験を実感することはできません. このように一つの体験には,様々な感覚が関わっており,それらをうまく構成しなければなりません. そこで,私たちの研究室では VR 空間で自分のつくりたい体験を再現するために,各感覚刺激の組み 合わせから得られる体験をもとに感覚をデザインしていきます. 現在,取り組んでいる研究内容 ・多感覚の組み合わせによって生じる錯覚を活用したデザイン VR 空間では五感の組み合わせを単に同じようなに組み合わせるのではなく, 敢えて各感覚間に差異をつくると単独では起こり得ない錯覚現象が起きます. この錯覚現象を活用することで,簡易的でリアルな体験の実現を目指していま す ・触覚メディアのデザイン 現在は,特に温度感覚に着目しています.温度感覚には温覚,冷覚と全く別 の感覚として存在いますが,ひとつの感覚として統合する際に温度を錯覚する 現象を起こります.この現象を分析することによって,知覚の誤りがなく,効 率的な提示方法の開発を目指しています
13
主に知能情報メディア課程の
Professor:
教育を担当する教員
長谷 智弘
23
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/info04.html
Title:
人にやさしい情報技術
専門分野 映像・音響情報処理、有線・無 線通信伝送 研究課題(長期) 人に優しい情報家電の研究 研究課題(短期) エージェント技術の民生分野へ の応用
みなさんに身近な、携帯電話、携帯ゲーム機、テレビ、ビデオ機器、カメラ、などには、たくさんの組み込み型と言われるマイク ロコンピュータが搭載されています。 そのコンピュータは組み込み用のソフトウエアで動いており、これら全体を組み込みシステムと言います。昨年、小惑星のイトカ ワから無事帰還したことで話題になった探査機のはやぶさも、組み込みシステムで動いていました。この組み込みシステムは、パ ソコンで使われるシステムと大きく違う特徴があります。長谷研究室ではこの組み込みシステム技術の研究をしています。
主に知能情報メディア課程の
Professor:
教育を担当する教員
藤田 和弘
24
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/info07.html
Title:
メディア・フォレンシック
専門分野 画像処理工学、教育メディア科 学、コンピュータ法工学 研究課題(長期) 劣化画像の鮮明化、ICT を利用した教育、 司法解析を前提としたコンピュータ解析 研究課題(短期) 劣化 JPEG 画像の鮮明化、低解 像度ナンバープレート数字の識 別、布の汚れの鮮明化画像処理
犯罪捜査における DNA 鑑定などの科学捜査技術をフォレンシックといいますが,そのフォレンシックのうち,画像メディアや音 声メディアなどを対象とした科学捜査技術をメディア・フォレンシックと名付け,科学捜査研究所の研究員の方々といっしょに研 究を行っています. 具体的には,画像確率モデルに基づいた画像処理,特に,焦点ずれ劣化画像や運動劣化画像などの劣化画像の復元処理,JPEG 画 像の画質改善処理,衣類の付着物の鮮明化画像処理などの画像の鮮明化処理に関する研究,改ざん JPEG 画像の改ざん部分の抽出や, 防犯ビデオを対象とした低解像度ナンバープレート数字の識別の研究などを行っています. 研究方法としては,画像に対して確率的な数学モデルを適用し,改善画像に対する評価関数を最小化するアルゴリズムの研究など 応用数学的な研究です.また,その研究したアルゴリズムを実現するためのプログラムを作成し,計算機実験を行い,その結果よ りアルゴリズムの修正を行います. 研究目的も明確で,研究対象も実際的な画像ですので,非常にやりがいのある研究です.
図 1. 焦点ずれ JPEG 画像の鮮明化処理例
図 2. 布の汚れの鮮明化処理例
14
主に知能情報メディア課程の 教育を担当する教員
Professor:
三好 力
25
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/info05.html
Title:
自己組織化マップとその応用
専門分野 情報科学、知能情報学 研究課題(長期) 知的情報処理 研究課題(短期) 自己組織化マップ、アドホック ネット
自己組織化マップは、ニューラルネットワーク分野に属する技術です。ニューラ ルネットワークは、ベクトルで与えられる複数の入力データの特徴を自動的に学 習する特徴を持っています。自動的な学習には、あらかじめ利用者が望ましい答 えを与える教師あり学習と、入力データさえあれば学習を行う教師なし学習があ ります。自己組織化マップは、教師なし学習で、特徴ごとに分類した結果を視覚 的なマップとして出力することができます。似ていないデータは遠くに、 似かよっ たデータは近くに集まるので、入力データを人間にわかりやすい形で出力する
自己組織化マップの概念図
ユーザインタフェースともいえます。 データさえあれば自動で学習してくれる自己組織化マップを便利に利用するために、 高速で学習を行う方法を研究しています。学習速度が速くなれば、新しいデータに柔 軟に対応することができて応用分野が広がりますし、時間とともに性質が変化するよ うな対象への応用もできるようになると考えています。 また、似かよったデータが近くに集まるという特徴をうまく使って、正確な数値情報 などを知らなくても、あいまいな表現からデータベースの検索を行う研究もしていま す。人間は正確な情報表現よりも「これくらい」とか「こんな感じ」といったあいま いな表現が得意だと言われています。人間の得意な表現方法をつかってデータベース 検索を行えると、専門家でない一般の利用者にも使いやすい検索インタフェースにな ると考えています。
主に知能情報メディア課程の 教育を担当する教員
出力されたマップの一例
Associate Professor:
山本 哲男
26
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/info18.html
Title:
高品質なソフトウェアの実現に 向けて
専門分野 ソフトウエア工学 研究課題(長期) ソフトウェア開発環境・プログ ラム解析 研究課題(短期) コード推薦・補完
バグがなく決められた期間内にソフトウェアを開発することはは非常に難しい作業です。ソフトウェア開発支援とは、いかに効率 よくソフトウェアを開発できるかを考えて、その支援環境を提案する研究になります。また、研究を進める上ではソフトウェアの 開発者に実際に利用してもらえるツールや開発手法の構築を目指しています。 ソフトウェアの開発支援を研究していく中でも、 「ソースコード解析」と呼ばれる部分にフォーカスを当てて研究をしています。ソー スコード解析とは、ソフトウェア開発において重要な成果物であるソースコードを解析することによって、ソースコードに記述さ れた有益な情報からソフトウェアの開発や理解に必要となる情報を抽出する技術です。 例えば、これから開発しようとしているソースコードの断片を記述すると、残りのソースコードを自動的に生成してくれる機能や 今書いているソースコードとよく似たものを過去に作ったこと はないか探しだし提示してくる機能等が実現できます。このよ うに、開発者が適切な判断を下すために必要な情報を自動的に 収集し、その情報を開発者が利用しやすいようにツールとして 提供して、開発者にフィードバックをします。
15
主に知能情報メディア課程の 教育を担当する教員
Associate Professor:
吉見 毅彦
27
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/info08.html
Title:
人間の言語活動を支援するシステム
専門分野 自然言語処理、言語工学 研究課題(長期) 機械翻訳システムの高度化に関 する研究 研究課題(短期) コーパスからの翻訳知識の自動 獲得、英文読解過程の分析
私たち人間は、本を読む、文章を書く、人と会話をするということを普段何気なく行っています。しかし、ときには、日本語では なく英語の本を読んだり、内容の難しい本を読んだりしなければならな いこともあります。このようなときに、人間の言語活動を支援してくれ るコンピュータがあると、たいへん役に立ちます。 ・英日翻訳システム: 英語の本は、日本語の本よりも、読むのに苦労 します。もしコンピュータで翻訳ができたら、とても助かります。 ・要約システム :とても長い文章を全部読んでいる時間がないとき、 要点だけに目を通し、その他は読み飛ばすでしょう。もしコンピュー タが長い文章から要点を抜き出してくれたら、便利です。 ・言い換えシステム :難しい文章を、その意味を変えずに、簡単な文 章に言い換えるコンピュータがあると、すらすら文章を読むことが できます。 私たちの研究室では、このようなシステムの実現を目指しています。現 在のシステムは、翻訳や言い換えや要点の抽出をある程度行うことはで きますが、完璧にこなすことはできません。システムの翻訳能力を上げ るためには、様々な翻訳知識をシステムに持たせる必要があります。そ こで、現在、このような翻訳知識を自動的に獲得する手法に関する研究 を重点的に進めています。
主に知能情報メディア課程の 教育を担当する教員
Senior Lecturer:
渡辺 靖彦
28
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/info10.html
Title:
言語理解とコミュニケーション
専門分野 自然言語処理、メディア工学 研究課題(長期) 言語理解とコミュニケーション 研究課題(短期) インタラクティブな環境をつく る
「インタラクティブ(interactive) 」とは、お互いに影響を及ぼしあうという意味です。 では「インタラクティブな環境」とはなんでしょう。それは、 メディアとしてのコンピュー タを利用することで、情報的に拡張された環境です。情報的に拡張された環境では、わ たしたちの環境への働きかけと環境からのフィードバックに対して、その状況にふさわ しい新しい内容をコンピュータが加えようとします。空間的・時間的な距離、言語、文化、 感覚など、さまざまな理由でコミュニケーションが困難な場合に、わたしたちが話す内 容やふるまいをコンピュータが理解し、それらに新しい内容を加えることでよりよいコ ミュニケーションを実現する、そんな環境をつくろうとしています。 わたしたちの研究室では、インタラクティブな環境をつくりだす携帯電話の研究を行 なっています。研究している携帯電話は、ユーザがいまどんな場所でどんな状況に直
Translation Camera on Mobile Phone(TCMP)の利用例
面しているのか、そしてこれから何をしようとしているのかを考えて、状況に応じた 情報処理を実現しようとするものです。これまでに、外国語や難読文字など、ユーザ が読めない文字を読み取り、その内容を翻訳・解説する携帯電話 TCMP(Translation Camera on Mobile Phone)を試作しました。また、言語によるインタラクションを容 易にするため、対話、特に質問応答についても研究をすすめていて、WWW 文書を知識 とする質問応答システムの作成に取り組んでいます。
Translation Camera on Mobile Phone(TCMP)の利用例
16
電子情報通信課程 Electronics,Information and Communication Engineering Course ※先端理工学部の内容は予定であり、変更する場合があります。
電子・情報・通信の3分野の基礎から実践的応用までを系統的に学修し、 電子デバイス、情報システム、通信ネットワークなどの開発を推進し得る人材を育成する。 学びの Point
履修イメージ
技術の進化に対応した少人数による実験・実習、 最新設備が充実
ハードからソフトまで系統的に学べる カリキュラム編成
就職活動・大学院進学を見据え3年生から 研究科目がスタート
専任スタッフによる 徹底したマンツーマン教育を実施
「IoT・通信ネットワーク」 プログラムをメインにして、 「スマート情報システム」 プログラムをサブで履修する場合(これは一例です。)
1 年生
2 年生
前期
後期
1Q
2Q
3Q
3 年生
前期 4Q
1Q
後期 2Q
3Q
前期 4Q
専門基礎科目
情報基礎
●
基礎数学Ⅰ ・演習
●
●
●
●
計算機実習Ⅰ
1Q
後期 2Q
3Q
●
電気回路 基礎・演習
電子回路 基礎・演習
●
微分積分学Ⅱ ・演習
●
●
●
線形代数学Ⅰ ・演習
●
ベクトル解析Ⅰ ・演習
●
計算機システム 基礎
●
線形代数学Ⅱ ・演習
●
プログラミング 法Ⅰ・演習
●
●
●
ベクトル解析Ⅱ ・演習
●
フーリエ解析
●
確率および統計 ・演習
●
プログラミング 法Ⅱ・演習
●
●
高周波電子回路
微分方程式と フーリエ変換
●
伝送線路
電磁気学応用 ・演習
●
半導体デバ イス工学
●
組込みシステム
通信工学基礎
●
電磁気学基礎 ・演習
●
電気回路応用 ・演習
●
アルゴリズムと データ構造Ⅰ・演習
●
アルゴリズムと データ構造Ⅱ・演習
●
ディジタル論理
前期 4Q
IoT・通信ネットワーク プログラム科目
基礎数学Ⅱ ● 微分積分学Ⅰ ・演習 ・演習
情報通信 基礎
4 年生
1Q
●
無線通信工学
●
計測工学 ネットワーク 通信システム
●
電磁波工学
●
パワーエレク トロニクス
●
アナログ 電子回路
●
●
知能ロボット
●
符号理論
●
●
応用プログラ ミング・演習
●
ニューラル ネットワーク
後期 2Q
回路設計 ・演習
ディジタル信号 処理・演習
●
群知能
★ ●
物理・演習
●
●
●
基礎セミナー
●
フレッシャーズセミナー
●
統計的 機械学習
計算機実習Ⅱ
理工学のすすめ
●
電子情報通信実験Ⅰ
●
特別講義
●
電子情報通信実験Ⅱ
スマート情報システム プログラム科目 ★
●
専門基礎研究
●
応用セミナー
●
科学技術英語
●
特別研究
専門関連科目 ●
教養教育科目
メカトロニクスⅠ
●
メカトロニクスⅡ
●
ロボット工学Ⅰ
その他プログラムの科目など
R-Gap ★…スマート情報システムプログラム科目
取得可能な 免許・資格
●
※ 高等学校教諭一種免許状( 工業 )
●
本願寺派教師資格
めざす 職業・進路
●
電子機器技術者
●
電気通信技術者・研究者
●
半導体技術者・研究者
●
ITコンサル関連企業 など
※課程認定申請中。 なお文部科学省における審査の結果、予定している教職課程の開設時期が変更となる可能性があります。
17
4Q
専門応用科目
電子回路応用 ・演習 ●
3Q
主に電子情報通信課程の
Professor:
教育を担当する教員
石崎 俊雄
29
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/elec23.html
Title:
スマートフォン・無線給電を支える マイクロ波技術の研究
専門分野 マイクロ波工学、電子通信工学 研究課題(長期) マイクロ波・ミリ波新規デバイ ス・システムの研究 研究課題(短期) マイクロ波フィルター、メタマ テリアル、無線電力伝送の研究
スマートフォンはマイクロ波と呼ばれる電波を 使って通信します。マイクロ波デバイスの超小 型化により小型・軽量化され、どこにでも持ち 運びできる便利な機器になりました。また、マ イクロ波は無線給電や電子レンジでの加熱にも 使われ、スマホのバッテリーをどこででも充電 できたり、電気自動車がマイクロ波で動いたり するようになります。そんな夢を追って、当研 究室では最先端マイクロ波デバイスの研究開発 に日夜奮闘しています。
主に電子情報通信課程の
Senior Lecturer:
教育を担当する教員
植村 渉
30
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/elec17.html
Title:
自律移動ロボット
専門分野 情報通信工学、人工知能 研究課題(長期) 可視光通信の応用、自律移動ロ ボットの制御 研究課題(短期) 多重化無線通信、RoboCup Logistics League
人工知能(ソフトウエア)の発展に伴い、 ロボット(ハードウエア)への期待も高まっており、 工場のオートメーション化を想定したものづくり分野における多数のロボット競技が開催さ れています。 植村研では自律移動ロボットの世界大会である RoboCup、職人技を競う技能五輪と若年者 ものづくり競技大会、そして、政府の「新ロボット戦略」に基づいて 2020 年に実施する World Robot Summit に出場や運営という形で、日本のものづくり分野に関わっています。 また、それらの世界大会を通して、海外の大学や研究機関との連携も行っており、ドイツの 大学との学生交換もしております。
18
主に電子情報通信課程の
Senior Lecturer:
教育を担当する教員
31
小野 景子
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/elec24.html
Title:
数理最適化制御手法の体験
専門分野 最適化、並列処理 研究課題(長期) 知的処理の基礎アルゴリズムに関 する研究と実最適化問題への応用 研究課題(短期) 進化計算最適化手法を用いた自 律的照明制御手法に関する研究
制御手法に用いる数理最適化は構造物の最適設計やシステム制御など多く の分野で用いられ、皆さんの身近で社会を支えている技術です。 本研究室では、数理最適化手法の基礎研究から実問題への応用を研究して おり、数理最適制御手法を用いた 3 D空間における構造物の位置合わせ、 Google グラスを用いた明るさ感センサの開発やそのセンサを用いた照明 制御システムの開発を行っています。
Google グラスを用いた 明るさ感センサ
3D点群の位置合わせ
主に電子情報通信課程の 教育を担当する教員
照明制御
Professor:
海川 龍治
32
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/elec12.html
Title:
太陽電池を作ろう
専門分野 電子物性、電子材料 研究課題(長期) カルコパイライト系薄膜太陽電 池の研究 研究課題(短期) 酸化物超伝導体、イオン注入、 フラーレン
石油の可採年数が 40 年になった今、新しいエネルギーの開発が急務になっています。電子工学分野からのエネルギー問題の取り 組みとして、太陽電池が考えられます。 各種太陽電池の中でも、Cu(In, Ga)S2(CIGS)太陽電池は耐久性に富、安価であり、今後次世代の太陽電池としてもっとも期 待されています。また厚さが紙の 1/100 以下という利点を生かして柔軟性のあるフィルム状の太陽電池の作製も可能です。
太陽電池作製装置
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Cu(In, Ga)S2 太陽電池
主に電子情報通信課程の 教育を担当する教員
Senior Lecturer:
33
川上 肇
専門分野 画像処理・認識 研究課題(長期) ロバスト人工視覚システムのデ ザイン 研究課題(短期) 異種情報群のコラボレーション
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/elec14.html
Title:
ロボット視覚を計算機で実現しよう クイズ! 下の画像から を切り出しま した。切り出した場所を見つけ てください。
高度化 や などの変動混入時にも 正しく動作する画像照合
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計算機はこの例題を簡単に解きます。もっと易しい例題もあ ります。それに変動が混入すると、難しくなります。計算機 と共に簡単な照合ゲームで、自分の限界に挑戦しよう!
主に電子情報通信課程の 教育を担当する教員
Professor:
34
木村 昌弘
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/elec13.html
Title:
ウェブマイニング
専門分野 知能情報学、情報数理学 研究課題(長期) 機械学習とデータマイニングの 数理的研究 研究課題(短期) 統計的機械学習理論と Web マ イニングの研究
ウェブ(World Wide Web)は、誰もが国境を越えて自由に情報を発信および受信できるメディアとして急速に普及してきました。 そして今やウェブ空間は、巨大な情報貯蔵庫を形成するとともに、重要なコミュニケーションの場となってきています。 本研究室では、ウェブ空間というネットワーク情報空間を対象として、その中で爆発的に増大している多様で膨大なデータから、 どのようにしたら欲しい情報や有用な知識を効率良く取り出すことができるのか、また、そのような空間の構造やダイナミックス はどのようなものかなどについて、知能情報学の立場から研究しています。
図 1. ブログネットワーク上の情報拡散
図 2. 観光スポットの旬シーズンの可視化
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主に電子情報通信課程の 教育を担当する教員
Professor:
35
木村 睦
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/elec03.html
専門分野 薄膜トランジスタ・電子ディスプレイの特性解析、シ ミュレータ開発とアプリケーション開発
研究課題(長期) 薄膜トランジスタの特性解析による動作原理解明、プロセス・ デバイス・回路シミュレータモデルの開発、薄膜トランジス タを用いたアプリケーションの開発
Title:
研究課題(短期)
薄膜トランジスタの新規応用
薄膜トランジスタの特性解析・欠陥解析、電流電圧特性解析・ 容量電圧特性解析、低温成膜・レーザー結晶化・低温活性化 モデルの開発、回路シミュレータのコンパクトモデルの開 発、革新的ディスプレイ・エレクトロニクスの応用の検討
薄膜トランジスタ(TFT)は、液晶テレビや携帯電話などの液晶ディスプレイの駆動素子として用いられています。本研究室では、 TFT の特長を生かす LCD 以外への応用、すなわち、光ディスク書込素子・磁場エリアセンサ・グルコースセンサ・人工網膜・ニュー ラルネットワークの研究開発を行っています。また、最近は有機 EL ディスプレイ(OLED)が注目されていますが、そのプロトタ イプを展示します。この技術により、視るときはポスターのように壁に貼り、しまうときはクルクルと巻いておくポスターテレビ も考えられています。 薄膜トランジスタによる人工網膜は、透明で可曲な基板に作製でき、眼球への埋込に適している可能性があります。将来は、眼の みえないかたが光を取り戻すための、夢の素子となるかもしれません。 最近、有機ディスプレイは、携帯電話や次世代テレビとして発売されていますが、その画質や寿命は、まだまだ向上の余地があります。 本研究室では、電流均一化時間階調方式という、画質や寿命を圧倒的に向上する新発明を提案しています。
主に電子情報通信課程の 教育を担当する教員
Professor:
小堀 聡
36
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/elec05.html
Title:
認知科学って何? ―人間の認知・知能のしくみを探る―
専門分野 医用生体工学、人工知能、認知 科学 研究課題(長期) 人間の生体機能のメカニズムの 総合的研究 研究課題(短期) 人間の基本動作と知的機能の解 析
パソコンやスマホが普及し、ゲーム、ワープロ、インターネットといろいろなことができるようになりました。でも、それらは本 当に便利でしょうか? もっと融通が利いたらと思うことはありませんか? 人間の方が優秀だということはまだまだたくさんあ りますよね? では、どうすれば、コンピュータはもっと便利に、また賢くなるのでしょうか? その答えのひとつが、人間の優れた認知や知能のしくみをもっと調べて、それを応用するという方法です。本研究室では、そのよ うな「認知科学」と呼ばれる分野で、人間の目の動きを測定するアイカメラという装置を用いて、人間がものを認識したり、もの ごとを考えたりする過程について調べる研究を行っています。たとえば、錯視図形を認識しているときや楽譜を見て楽器を演奏し ているときの目の動きを測定し、分析しています。他にも、迷路の探索やトランプゲームのプレイなど、さまざまなものを題材に 用いています。
アイカメラによるギター演奏者の視線の測定
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主に電子情報通信課程の 教育を担当する教員
Professor:
斉藤 光徳
37
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/elec07.html
Title:
光と音の楽しい世界
専門分野 光材料、計測工学 研究課題(長期) 光や超音波の利用法に関する研 究 研究課題(短期) 機能性材料や計測法の開発
私たちの研究室では、光や超音波を使って、いろいろな材料や装置を作っています。その ひとつが蛍光ファイバ。太陽やランプの光を集めて機械の中や穴の奥にまぶしい光を送り 込んだり、レーザ光線を出したりするのに使えます。一方、省エネや防災に役立つのが蓄 光材料。昼間のうちに太陽エネルギーをため込んで、一晩中無電力で輝きます。 目に見える光だけでなく、紫外線や赤外線などの見えない光も研究しています。赤外線カ メラを改造したガス観察装置では、目に見えないガスを観察することができます。音の世 界にも、人間の耳には聴こえない音、超音波があります。超音波の力を利用する超音波ピ ンセットでは、ミドリムシやゾウリムシのような微生物を捕まえることができます。 このほかにも、胃袋の中をのぞきこむ胃 カメラ、透明になったり不透明になったりする液晶、磁石にくっつくおかしな液体 など、いろんな実験を行って、不思議な現象が起こるしくみを調べています。
主に電子情報通信課程の 教育を担当する教員
Associate Professor:
張 陽軍
38
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/elec15.html
Title:
電波応用計測・通信デバイスの研究
専門分野 電磁波工学 研究課題(長期) 電磁波計測・通信デバイスの研 究 研究課題(短期) 電磁波応用計測、計測システム、 人工誘電体アンテナ、共振器結 合の解析
情報通信社会においては、高分解能の計測技術や、機械の小型・ 軽量化、およびマルチメディア移動通信などが必要とされていま す。そのため、マイクロ波や光など超高周波に関する研究及び技 術開発は、通信やセンシングの領域すべてに必要不可欠となって います。 本研究室は、電磁波を用いることで今まで測定が困難であった様々 な計測対象を計測可能にする先端的計測技術を研究しており、マ イクロ波計測法の非接触、非破壊、かつ瞬時に測定できる特徴を 活かして、物質の誘電特性、含水率、密度などの計測に関する研 究に力を入れています。また、小型化、および高い実用性を持つ 計測システムの開発を目指して、システム中の重要なデバイスで 図1 電波暗室の一隅 あるアレーアンテナの開発も進めています。 一方、今日の計算機技術の向上によりデバイス材料のパラメータ の精密な計算が可能になり、また、フォトリソグラフィ技術によ り金属粒子の配置や大きさを自由に行うことができるようになり ました。本研究室は、これらの新しい技術を用いて以前実現でき なかった新しいデバイスの開発も行っています。研究の一例とし て、金属粒子の配列や、形状、寸法を変化させることによって任 意の誘電率を得ることで、フラット且つ薄型のレンズアンテナを 開発しました。さらにレンズに反射防止層を付加することにより 小型でシンプルな構造を保ちつつ、より実用的なレンズの開発を 進んでいます。その他、強い電磁波を防御できる自力制御式シー 図3 開発した人工誘電体フ ルドやマイクロ波フィルターや無線電力伝送の重要な素子である ラットレンズ 共振器の研究も推進しています。 (直径 50㎜、厚み 5㎜)
図2 マイクロ波による測定結果
図4 人工誘電体フラットレン ズの評価結果
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主に電子情報通信課程の 教育を担当する教員
Senior Lecturer:
中川 晃成
39
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/elec16.html
Title:
琵琶湖水域圏の景観、 その変遷と実相の情報的手法による解明
専門分野 空間物理学 研究課題(長期) 宇宙プラズマ 研究課題(短期) 太陽コロナの諸現象
琵琶湖の湖際(みずぎわ)の景観とその変遷について、情報的手法も援用して研究しています。景観の大きな改変が、耕地整備や 災害対策など、それ自身否定できない美名に隠れて、為政者の意向に基づく一元的な価値観の下になされ、公共水面である琵琶湖 水域が収奪されるということが、近世においても、また近代以降においても繰り返されてきています。本来、湖際の風土(= 景観)は、 多様で重層的な「用益」と「愉楽」の場であり、そこでは当事者による「普請」(= 保全や管理)がこうした受益と表裏一体のもの としてなされることが望ましい姿と考えます。一人ひとりが個人として人間の尊厳を保証される、そのことの一部としての「風土(= 景観)の享受と自決」の権利を担保するための哲学と法理の構築も指向しています。
主に電子情報通信課程の 教育を担当する教員
Assistant Professor:
番 貴彦
40
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/elec26.html
Title:
人間の脳を模した次世代記憶デバ イスに関する研究
専門分野 半導体工学 研究課題(長期) 抵抗変化材料を利用した脳型デ バイスの作製 研究課題(短期) 自己修復型抵抗変化素子の作製 各種脳機能を模した回路の設計
我々の社会はスマートフォンなどの情報機器が発達し、より便利に高度に進化しています。しかしその一方で我々の扱う情報量は 膨大に膨れ上がり、同時に複雑化しています。これからもよりよく社会を発展させていくには膨大な情報を記憶するデバイスや、 複雑化した情報を処理するデバイスが必要となってきます。当研究室では人間の脳を模したデバイスを作製することで、より高度 な情報処理機能を持たせた次世代の記憶デバイスの作製に取り組みます。 人間の脳内の神経回路はニューロンと、ニューロン同士をつなぐシナプスで構成されています。シナプスは刺激が与えられると ニューロン同士をつなぎ、逆に刺激が無いとつながりが弱くなります。このシナプスを模倣する回路として抵抗変化素子が注目さ れています。抵抗変化素子は金属酸化物を金属で挟んだ単純な構造を持っており、電圧の印加により抵抗が変化する記憶素子です。 当研究室では刺激が無いとシナプスが弱まることの模倣として、弱い刺激だけでは抵抗変化が元に戻る素子を作製します。具体的 には抵抗変化素子に一部のコンデンサが持つ自己修復能力を付与することで、一度抵抗が低くなっても、時間をおけば元に戻るよ うな素子を作製します。
図 シナプスと抵抗変化素子の模式図
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主に電子情報通信課程の
Assistant Professor:
教育を担当する教員
41
松室 尭之
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/elec27.html
Title:
「マイクロ波」で電気エネルギーを 送る
専門分野 マイクロ波工学、アンテナ工学 研究課題(長期) 宇宙太陽発電システムの要素技 術開発 研究課題(短期) マイクロ波送電システムの地上 応用技術開発
みなさんは、ふとしたときにスマートフォンを使って電話やインターネットができることを不思議に思ったことはありませんか? スマホにはひとつも線をつないでいないのに、離れた人に音声やメッセージを送れるのはどうしてなのでしょう。 実は、スマホからは目には見えない「マイクロ波」が飛び出ていて、音声や文字の情報を運んでくれています。スマホ以外にも、 電子レンジでコンビニ弁当を温めたりするときに「マイクロ波」は役に立っています。私たちの研究室では、この縁の下の力持ち である「マイクロ波」を使って電気エネルギーを送る研究を しています。 電気エネルギーを飛ばして送るなんて大丈夫?と思った人も 心配はご無用です。そのために私たちの研究室では、たくさ んのアンテナを使って狙った場所に正確にマイクロ波を送る 技術(レトロディレクティブ)の研究や、人体に影響がない 程度の薄いマイクロ波から出来るだけ多くの電気エネルギー を取り出す装置(レクテナ)の研究を進めています。 ご興味のある方は、お手持ちのスマホで「マイクロ波電力伝 送」を検索してみてください。
図:「マイクロ波」を用いたクリーンな電気エネルギーの伝送
主に電子情報通信課程の 教育を担当する教員
Professor:
山本 伸一
42
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/elec11.html
Title:
光る材料の研究開発
専門分野 材料物性学、薄膜工学 研究課題(長期) 原子・分子操作に関する研究 研究課題(短期) グリーンナノテクノロジーを用 いた電子デバイスの開発
様々な原子の組み合わせを研究:身の回りにあるいろいろな物質は、さまざまな種類の原子の組み合わせでできてい ます。発見されている原子だけでも、なんと100種類以上もあります。たったこれだけの種類の原子の組み合わせで、数え切れ ない種類の物質がつくられます。原子・分子などが自発的に集合し、規則的な形を作ることがあります。現在、自己組織化を利用 した新規デバイスの研究開発を行っています。
照明のための材料研究:明るさの感覚を人に生 じさせている電磁波は、一般的に光といわれています。 特に人の眼で捉えることができる光を可視光線とよんで います。人にとって感度のよい光は 500 nm(ナノメー トル)前後ですが、これは人間の目が太陽光のスペクト ルに合わせて進化してきたためと考えられています。太 陽の色が「赤」色ではなく、正確には「黄」色であるこ とからも理解できます。もし太陽が今より高温であれば、 可視光の範囲も違っていたことでしょう。照明等の光の 快適性は、光の明るさだけでなく、光色(色温度や演色性) 等の光の質も考える必要があります。さまざまな光を蛍 光体粒子に当てて、材料が光る様子をミクロレベルで観 察してみてください。ディスプレイへの応用も目指して います。
赤外線で光る蛍光体粒子
プラズマを用いた発光
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機械工学・ロボティクス課程 Mechanical Engineering and Robotics Course ※先端理工学部の内容は予定であり、変更する場合があります。
機械工学・ロボティクスの幅広い知識・技術を修得し、 それを実際に応用できる能力を身につけた人材を育成する。 学びの Point
履修イメージ
ものづくりの原点・本質を見極め、 最新領域にアプローチ
多彩な分野にわたり、 系統的かつ総合的にバランスよく学修
先進的な研究開発を力学系、エネルギー系、 システム系の3系列で展開
特別研究で深く掘り下げた 知識と創造力を育成
先進機械工学と航空宇宙の2つのプログラムを履修する場合(これは一例です。)
1 年生
2 年生
前期 1Q
後期 2Q
3Q
前期 4Q
1Q
専門基礎科目 ●
情報基礎
●
微分積分
●
●
基礎力学Ⅰ
●
●
機械工学・ロボティクス入門
3 年生 後期
2Q
3Q
4 年生
前期 4Q
1Q
後期 2Q
3Q
前期 4Q
1Q
後期 2Q
3Q
4Q
専門応用科目 偏微分
●
重積分
●
線形代数Ⅰ
●
線形代数Ⅱ
●
力学Ⅰ
●
力学Ⅱ
●
物理実験
●
微分方程式 基礎力学Ⅱ
●
数学・物理学演習Ⅰ
●
数学・物理学演習Ⅱ
●
フレッシャーズセミナー
●
理工学のすすめ
●
機械力学Ⅰ
●
機械力学Ⅱ
●
熱力学Ⅰ
●
熱力学Ⅱ
●
アナログ 電子制御Ⅰ
●
アナログ 電子制御Ⅱ
●
制御工学Ⅰ
●
制御工学Ⅱ
●
計算機プログラミング実習
●
機械工学基礎実験
●
機械製図Ⅰ
●
機械製図Ⅱ
●
機械工学・ロボ ティクス実験
●
材料力学・ 機械力学演習
●
電子・ 制御演習
●
セミナー
●
科学技術英語
●
設計製図
●
特別研究
●
材料 強度学Ⅰ
●
バイオ メカニクス
●
熱・流体 演習
先進機械工学プログラム科目 ●
振動 工学Ⅰ
●
基礎機械 材料学
●
材料力学Ⅲ
●
振動 工学Ⅱ
●
応用材料力学
●
機械 材料学
●
計算力学 実習Ⅰ
●
機械 加工学
●
材料加工学
●
●
機械設計
機械要素
●
弾性力学
●
構造力学
●
熱工学Ⅱ
●
材料力学Ⅰ
●
材料力学Ⅱ
●
熱工学Ⅰ
●
流体工学Ⅰ
●
流体工学Ⅱ
●
航空宇宙工学
●
伝熱工学Ⅰ
●
材料 強度学Ⅱ
●
解析力学
●
航空流体力学
●
伝熱工学Ⅱ
航空宇宙プログラム科目
教養教育科目 その他プログラムの科目など
R-Gap
取得可能な 免許・資格
●
※ 高等学校教諭一種免許状( 工業 )
●
本願寺派教師資格
めざす 職業・進路
●
下記製造業等における機械・ロボット系エンジニア・研究者 産業用機械(工作機械,精密機器,医療機器など)/ 輸送用機械(自動車産業,航空宇宙産業など)/電気・電子機器 など
●
教員 (工業高等学校)
※課程認定申請中。 なお文部科学省における審査の結果、予定している教職課程の開設時期が変更となる可能性があります。
25
主に機械工学・ロボティクス課程の 教育を担当する教員
Assistant Professor:
43
大塩 裕哉
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/ooshio.html
Title:
プラズマを利用した宇宙用推進機の 研究
専門分野 航空宇宙工学、プラズマ工学 研究課題(長期) 宇宙用先端プラズマ推進機の高 性能化と実用化 研究課題(短期) 小型無電極推進機の高性能化、 プラズマ推進用電子源の原理解 明
ロケットエンジンというと、ニュース番組なので打ち上げシーンが放送されるような宇宙に打ち上げるためのロケットが思いつく と思います。しかし、宇宙に行った後にも軌道維持・遷移や姿勢制御のために「エンジン」が必要となります。近年話題になって いる小惑星探査機はやぶさではイオンエンジンと呼ばれるプラズマを利用したエンジンが利用されています。 このようなプラズマを利用したエンジンは打ち上げなどに使われる化学反応を利用した「化学推進」に比べ高い燃費性能が得られ ます。宇宙では燃料の補給ができませんので、より重いものをより遠方に運び長い時間動作させるためには、燃費のよいエンジン が必要でです。そのため、プラズマを利用した推進機である「電気推進」の需要が高まっています。私たちの研究室では、より長 寿命化や大推力化、小型化などの将来の要求に答えるべく、先端的な電気推進機の研究を行います。
主に機械工学・ロボティクス課程の 教育を担当する教員
Professor:
44
大津 広敬
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/mecsys11.html
Title:
安全を目指した新しい飛行体の 研究開発
専門分野 航空宇宙工学、数値流体力学 研究課題(長期) 将来型再突入飛行体の開発 研究課題(短期) バルートを用いた再突入機の研 究、電磁力を利用した宇宙飛行 体の軌道制御、シンセティック ジェットの高効率化
大津研究室では、大気圏再突入飛行体と低速飛行体、これらに関連した流体力学に関連した研究を行っています。 大気圏再突入飛行体は、高速で飛行するため、その運動エネルギーが熱に変わることによって発生する空力加熱から飛行体を守る ことも重要な設計課題の一つです。私たちの研究室では、再突入飛行を安全にするための技術として、バルートという柔軟大型軽 量展開構造物を利用した減速装置の研究を JAXA の風洞試験設備による実験や数値流体解析などを用いて行っています。また、再 突入飛行中の高温状態から飛行体のまわりの大気がプラズマになることを利用した電磁力による大気圏再突入飛行における飛行制 御技術についても研究を行っています。(図 1) 低速飛行体としては、ドローンが注目を集めていますが、落下事故などの危険性があることが課題としてあげられます。飛行船は 浮力により浮遊するため、軽量かつ長時間の飛行が可能です。私たちの研究室では、飛行船の形状を工夫することにより様々な飛 行が可能となる飛行船の研究を行っています。(図 2) 飛行体の効率を良くするためには、飛行体まわりの流れを制御する装置が必要です。流れ場の制御にはいろいろな装置があります が、大型かつ複雑なものが多く、小型で効率の良い装置が求められます。そのような装置としてシンセティックジェットアクチュ エータというものがあります。この装置の高効率化を目指した実験・解析を行っています。(図 3)
図 1:バルート(左)と電磁力を利用した再突 入飛行体技術(右)
図 2:製作した飛行船
図 3:シンセティックジェットの流れの様子 26
主に機械工学・ロボティクス課程の 教育を担当する教員
Associate Professor:
小川 圭二
45
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/mecsys20.html
Title:
環境にやさしい生産加工技術
専門分野 生産工学・加工学 研究課題(長期) 先進的な生産加工技術およびシ ステムの開発 研究課題(短期) レーザ加工と機械加工のハイブ リッド化、オンマシン型レーザ 熱処理システム、サスティナブ ル・マニュファクチャリング
生産加工技術は、ものづくりを支える縁の下の力持ちです。 次世代を担う高度なものづくり技術の確立や環境対応型ものづくりシステムの確立を目指しています。 具体的には、ベッドサイドでの即時検査を可能にする医療分析チップ金型製造のための超精密マイクロエンドミル加工技術の研究。 レーザ加工を機械加工とハイブリッド化することで、超硬合金など削るのが難しい材料を高能率に加工するための技術の開発。工 作機械上で削るだけでなく、レーザを使ってクリーンな環境で熱処理もやってしまうオンマシン型レーザ熱処理システムの開発お よびその応用技術の研究。そして、日本において数少ない豊富な資源である竹(天然素材)を有効活用した資源完全循環型のサスティ ナブル(持続再生可能な)生産システムの開発などを行います。
オンマシン型レーザ熱処理システム
主に機械工学・ロボティクス課程の 教育を担当する教員
Professor:
金子 康智
竹を利用した資源完全循環型システム
46
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/mecsys04.html
Title:
ターボ機械の翼・インペラーの 振動に関する研究
専門分野 機械力学・振動工学 研究課題(長期) 回転機械の振動、流体関連振動 研究課題(短期) ターボ機械の翼やインペラの振 動に関する研究
ターボ機械や翼やインペラは、流体エネルギから機械的エネルギへの変換、またはその逆を行うターボ機械の心臓部であり、ター ボ機械の性能や信頼性に大きな影響を及ぼします。特に、インペラの損傷原因は振動に起因するものが最も多く、ターボ機械の信 頼性を向上させるためには、設計段階で翼やインペラの振動特性を正確に予測し、振動強度を向上させることが不可欠です。この ような観点から、現在、下記のテーマに取り組んでいます。 (1)翼やインペラの最適振動強度設計技術 (2)ミスチューンがある翼・ディスク系の振動特性予測技術 (3)摩擦や衝突を利用したダンパ翼の振動特性予測技術 (4)翼やインペラの振動応答低減技術
蒸気タービンロータ
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翼・ディスク系の振動モード
主に機械工学・ロボティクス課程の
Professor:
教育を担当する教員
譽田 登
47
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/mecsys24.html
Title:
構造材料の破壊機構の解明と それに基づく破壊防止技術の研究
専門分野 材料力学、機械材料、金属疲労、 破壊力学 研究課題(長期) 安全・安心社会への機械システ ム分野からの貢献 研究課題(短期) 構造物の破壊防止技術のさらな る発展
安全・安心な日々の暮らしは多分野の技術によって支えられている。日頃はその恩恵に気付きにくいが、事故を回避したとき、被 害を軽減できたときに、そのありがたさを痛感する。安全・安心な社会構築に向け、研究室では、航空機・船舶・橋梁・自動車な どに使われる構造材料の破壊防止技術の開発をテーマとしている。 具体的には鉄鋼材料を初めとする各種材料の破壊防止技術について研究している。破壊の仕方にはいくつかのパターンが知られて いるが、技術の進歩に伴い、克服されつつある破壊パターンもある。それに対し、疲労という破壊パターンは、小さな荷重でも割 れが発生することや初期の損傷領域が原子寸法レベルであるため、長年に渡り多大な検討がなされているにもかかわらず未だ完全 には解明されていない。研究室ではこの疲労破壊を主に取り扱っている。 疲労破壊は割れの発生とその後の進展という 2 つのプロセスに分けることがある。割れの進展プロセスに対しては、改善メカニズ ムを見出し破壊抵抗に優れる鋼材を実用化できた。一方、溶接継手の割れ発生プロセスに対しは、材料の工夫だけでは疲労特性を 改善することは難しい、と言われてきた。それに対し、割れにくい材料の設計指針を明らかにすべく永らく立ち向かってきたが、 最近になって解決の糸口と思われる現象を把握できた。 このように、研究室では社会の安全・安心に役立つ破壊防止技術を力学面から研究している。
疲労破壊によって客室上部が剥がれた航空機
主に機械工学・ロボティクス課程の
Professor:
教育を担当する教員
左近 拓男
48
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/mecsys21.html
Title:
機能性磁性材料の物性ならびに 磁性の研究
専門分野 磁性物理学、低温物理学 研究課題(長期) 磁性ホイスラー合金の構造相転 移と磁性の相関の研究 研究課題(短期) マイクロマシン用の超小型磁気 アクチュエータの開発
現代の工業材料の中には磁石や磁性体などの磁気材料が多く使われている。そうした材料は磁場中で利用されるために磁場中での 磁性(磁気的な性質)の評価が重要である。磁化はいわゆる物質のもつ磁石の性質の強さを測るもので、磁気材料の評価の上で一 番基本的な物理量である。また、最近では宇宙からあるいは砂漠の真ん中まであらゆる条件でも機械が動作することが求められて いる。本研究では、液体ヘリウム温度(-269 ℃)から摂氏 300 ℃程度の温度領域での磁気測定装置を作成し磁気機能性合金の研 究を行なっている。 本研究室には瞬間的で強い磁場を加えることが出来るパルス磁場発生装置があり、数 % もの歪みを発生する新規ホイスラー合金な どの磁場誘起歪みの研究を行っ ている。 また、核磁気共鳴(NMR)や電 子磁気共鳴(ESR)による原子 レベルでの微視的な磁性の研究 も行うことで、マクロ(巨視的) な状態からミクロ(微視的)な 状態までの物性・磁性を観察す ることでこれらの合金のもつ機 能性について探索している。 パルス磁場発生装置。 最高で 40T(40 万ガウス)の強磁場が発生可能。
核磁気共鳴(NMR)および磁気熱量実験装置。 電磁石と組み合わせて磁気的な性質を探る。
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主に機械工学・ロボティクス課程の
Professor:
教育を担当する教員
塩見 洋一
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URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/mecsys06.html
Title:
混相流および熱や流れに関する研究
専門分野 機械工学(流体工学、熱工学) 研究課題(長期) 混相流の流動特性、熱流体の数 値シミュレーション 研究課題(短期) オリフィスを通過する気液二相流 における騒音発生、各種流れの可 視化と画像計測、数値シミュレー ションソフトによる熱流体解析
本研究室では気体と液体が混在して流れる混相流の流動特性を明らかにすることをメインテーマにして研究を行っています。また、 PHOENICS という熱流体計算ソフトを用いて熱や流体の流れについて数値シミュレーションを行い、それらの温度分布や流れの様 子を可視化することにより、現象を把握しています。 数値シミュレーションでは、実験では計測が困難なものの分布も見ることが出来、さらに計算パラメータをいろいろと変えること によって、シミュレーション対象の特性を見つけるようにしています。 なお、現在行っている主な研究テーマは以下の通りです ・画像処理計測を用いた気液二相流の大気泡周りの液相速度特性 ・冷蔵ショーケースの温度と流れの数値シミュレーション ・流れるプールにおける流れ特性の数値シミュレーション ・スイマーにかかる流体力の数値シミュレーション ・LED 照明の排熱シミュレーション ・気泡により発生する気液二相流での音特性
主に機械工学・ロボティクス課程の 教育を担当する教員
Professor:
渋谷 恒司
50
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/mecsys12.html
Title:
バイオリン演奏ロボット・ ソフトロボティクス・脚型ロボット
専門分野 ● ロボット工学 研究課題(長期) ロボットによる感性表現の実現、生物型移動 ● ロボットの研究、ソフトロボティクスの研究 研究課題(短期) 研究課題(短期) ● バイオリン演奏ロボットの演奏表 現の追求、脚型ロボットの安定歩 行の研究、柔らかい素材を用いた 形態変形する触覚センサの開発
当研究室では,人や動物に学んだロボットの開発を行っています.バイオリン演奏ロボットの研究では,楽譜から自動的に演奏動 作を決定するシステムを構築中で,最終的には,人間型ロボットによる表現力豊かなバイオリン演奏を目指しています.4 脚ロボッ トの研究では,馬の様々な足の運び方を実現し,エネルギー効率の良い歩行をするロボットの開発を行っています.また,できる だけ簡単なしくみで様々な歩き方を実現できるような取り組みも行っています.ソフトロボティクスとは,シリコンなどの柔らか かい素材を使ったロボット研究のことで,当研究室では,現在,人間の皮膚のように柔軟な素材で物体の滑りを検知できるセンサ の開発を行っています.このように,本研究室では,様々なアイディアを基にロボットシステムや,それを構成する要素の研究開 発を行っています.
29
主に機械工学・ロボティクス課程の
Associate Professor:
教育を担当する教員
51
田原 大輔
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/mecsys14.html
Title:
医療に使えて役立つ機械工学: バイオメカニクス
専門分野 バイオメカニクス,計算力学, 医用生体工学・生体材料学 研究課題(長期) 生体組織の構造・機能の力学解 析とその工学応用 研究課題(短期) 筋骨格シミュレーションと骨の 力学解析の有機的連携構築
生体組織のかたちと役割を機械工学の立場から力学的に理解する「バイオメカニクス(生体力学) 」の考え方を用い、機械・構造物 の適応化のための新たな設計手法と、医療に役立つ新しい技術を開発しています。骨・歯、人工骨、補正下着、を対象とした実験 と計算を行っています。
■骨リモデリングを反映した骨質評価手法の開発 力と深く関連する骨のリモデリングの計算シミュレーション手法と、アパタイ ト結晶配向を考慮した骨の応力解析手法を開発しています。
■緩み抑制を狙った脊椎固定用スクリュー・ロッドの開発 脊椎固定用スクリューの緩みを抑制できる設計方法を研究しています。ロッド の剛性とスクリューの緩みの関係を調べています。
■筋骨格モデルによる歩行解析 病気による筋力低下のメカニズムを明らかにし、新たな筋力回復の治療戦略を 抽出するため筋骨格シミュレーションを行っています。
■新しい模擬骨の開発 外科医師の手術練習を想定して、実際の骨の力学的特性に近い新しい模擬骨を 開発中です。
■尿失禁改善下着の開発 筋骨格シミュレーション
改善効果が高いサポート下着の着圧比をコンピューター上で探っています。
主に機械工学・ロボティクス課程の
Professor:
教育を担当する教員
52
上 哲也
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/mecsys08.html
Title:
繊維強化複合材料の解析と 実験的評価
専門分野 複合材料力学、計算力学 研究課題(長期) 複合材料の力学的挙動評価に関 する研究 研究課題(短期) 織物複合材料のシミュレーショ ンおよび実験的評価
複合材料は,二種類以上の材料を組み合わせることで,お互いの欠点を補い,素材単体よりも優れた特性を持つ材料です。複合材 料は様々な形態のものがありますが,ガラス繊維や炭素繊維に代表される軽くて強い繊維強化プラスチック(FRP)が,航空機や 自動車用の材料として注目されています。特に,炭素繊維は日本の得意とする技術で,今後益々需要が見込まれています。身近な ところでは,テニスラケットやゴルフシャフト,自 䜹䞊䝪䞁⧄⥔⧊≀㻌
転車フレームなどに採用されています。複合材料
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は,異質な材料が複雑な形態を成しているため,力 学的に複雑な挙動を示します。当研究室では,複合
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材料の内部に発生する力をコンピューターの力を借 図 1 織物複合材料のコンピュータ解析
りて評価したり,実際に材料試験機を用いて測定し たりすることで,高機能複合材料の開発に取り組ん
୍⯡ⓗ䛺䝏䝍䞁ྜ㔠䝤䝺䞊䝗䛜ཷ䛡䜛Ⲵ㔜 ⨨ 䐦 䐥 䐤 䐣
でいます。図 1 は,カーボン繊維の織物複合材料に 力が掛かったとき,どの部分に大きな力が発生する
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かをコンピューターで解析し,可視化した結果です。 図 2 は,企業との研究プロジェクトで開発を行った ジェットエンジンブレードの強度解析結果で,十分
X ゅ㏿ᗘ13200 rpm
Y
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ᅽຊ 㼇㻼㼍㼉 8012 7504 6856 6153
14000
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12000 10000
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ᅇ㌿ᩘ㻌[rpm]
41.1 deg
8000 6000
ᐇ㦂1 ᐇ㦂2 ゎᯒ
4000
に強度があることを確認してから,図 3 のようなブ
2000
レードを試作し,回転試験を行いました。図 4 は,
0
ブレードの回転試験結果で,解析と実験結果がよく
0
0.0002
0.0004
0.0006
䜂䛪䜏
一致していることがわかります。 図 3 ブレードの試作と回転試験
図 4 ブレードの回転試験結果
30
主に機械工学・ロボティクス課程の 教育を担当する教員
Professor:
堤 一義
53
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/mecsys07.html
Title:
生物に学ぶ知能システムの構築
専門分野 知能システム工学 研究課題(長期) システムやロボットの知能化に関する研究、 人工神経回路網の理論と応用に関する研究 研究課題(短期) 1脚跳躍ロボットに関する研究、脚走行ロボットに関 する研究、脚歩行ロボットに関する研究、動的身体バ ランス制御能力評価訓練デバイスに関する研究、強化 学習に基づく機械システムの知能化に関する研究
私たちの研究室では、 「生物に学ぶ知能システムの構築」をモットーに、生物の神経系や筋・骨格系を参考にした、以下のようなイ ンテリジェントなロボットや機械システムに関する研究を進めています。
■バネ要素を有する脚型ロボット(1 脚:跳躍 ∼ 4 脚:走行) 4 足動物の走るメカニズムに注目した「走るロボット」について研究を進めており、その一環として、「ばね要素」を陽に取り入れ た 1 本足の「飛び跳ねるロボット」 、さらには 4 本足の「走るロボット(写真上)」を試作しています。 最近では「アクチュエータとしての DC モータ」と「バネ要素」の能力を最大限に引き出すため、 「クラッ チ機構」の導入も進めています。めざすは世界最速! めざすはブレイクダンス!
■学習に基づくロボットや機械システムの知能化 従来は、私たち設計者がロボットの動作を作り込むのが一般的でしたが、ロボットに知能を与え、ロボッ ト自身が跳躍や走行の動作を「思考錯誤によって学習的に獲得する」ことも可能になって来ました。私 たちの研究室では、 「人工神経回路網」や「強化学習」などのフレームワークを用いた、人工知能の制 御への応用研究についても、早い段階から積極的に推進しています。
■ヒトの動的身体バランス制御能力を鍛える! 「動的身体バランス制御能力評価訓練デバイス(写真下)」や「遠隔腕相撲システム」など、ヒトと機械 との相互作用に着目した研究にも積極的に取り組んでいます。これらのデバイスを活用すれば驚異の身 体能力を手に入れれるかも・・・・と期待したいところですが、実はそう単純ではなく、非常に複雑な ヒトと機械の関係性が研究で明らかになりつつあります。便利な機械に頼るようになると、ヒトの能力 は確実に衰えて行きます。複雑なシステムの信頼性を向上させ、より安全・安心なシステムを構築する ためには、ヒトの能力を自然に(無意識下で)鍛えることが必須であり、私たちはこの点を 21 世紀の 科学技術に求められる非常に重要な視点と考えています。
主に機械工学・ロボティクス課程の 教育を担当する教員
Senior Lecturer:
永瀬 純也
54
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/mecsys22.html
Title:
動植物にヒントを得たユニークな ロボットメカニズム
専門分野 ロボット工学、メカトロニクス 研究課題(長期) 生活支援・災害救助を目的とし たロボット・メカトロニクス機 器の開発 研究課題(短期) 表面剛性可変型ロボットハンドの開 発、ウォームラック機構に基づく円 筒状クローラ型ロボットの開発
動植物の構造や機能を解明し,新しいロボットメカニズムを生み出すことが研究室のテーマです.通常,高性能なロボットは,複 数のセンサおよび高度なコンピュータ制御によって達成され,またそれによってロボットには知性がもたらされます.一方,当研 究室では,自然の
を解明しそれを活かすことで,あえて " シンプルなメカニズムのみ " によってロボットに知性をもたらすこと
を追究しています. 研究テーマとしては,例えばアメーバの推進原理にヒントを得た移動ロボット メカニカルアメーバ の研究をしています.アメー バの細胞質流動に基づく推進原理をメカニカルな機構で再現し,ガス・水道管内やヒトの大腸内,さらに血管内といったこれまで 極めて困難とされていた環境も容易に走行可能な移動機構の実現を目指しています.また,生体筋のように軽くて力強い人工筋肉 の研究や,リハビリ機器への応用開発なども行っています.さらに動物のみならず植物にも着目しており,つる植物の巻きつき動 作を参考にした巻きつき推進メカニズムの研究開発にも取り組んでいます.
アメーバ規範型クローラロボット
31
つる植物規範型 巻きつきメカニズム
手指リハビリテーションデバイス
主に機械工学・ロボティクス課程の
Senior Lecturer:
教育を担当する教員
野口 佳樹
55
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/mecsys15.html
Title:
エネルギーの効率的な利用を考える
専門分野 反応性気体力学、燃焼工学 研究課題(長期) 乱流予混合火炎の火炎構造の解 析 研究課題(短期) 乱流予混合火炎の火炎面の挙動 と流れの相互作用の解析
野口研究室では、エネルギーの有効利用を目標に、燃焼利用した熱エネルギーの研究、太陽電池やバイオマスなどを利用した自然 エネルギーなどのようなエネルギーに関する研究をしています。
熱エネルギーの利用(燃焼技術の研究) ①乱流燃焼の研究…乱れを利用して燃焼を促進させる →エンジン出力の向上、燃費の向上 ②極めて小さな炎の研究…コンパクトで高エネルギー源 →乾電池にかわるハイパワー電池 ③高温空気燃焼…廃熱などを利用して 1000℃以上の環境下での燃焼させる →熱を捨てずにかつより少ない燃料でも燃焼可能で燃料の節約
自然エネルギーの利用 ④バイオマスエネルギー発電の研究…間伐材などの木材の廃棄物を利用した発電 →化石燃料を使用しないので CO2 削減に貢献 ⑤ソーラーカーの研究…太陽電池による発電エネルギーの効率のよい利用 → FIA 公認ソーラーカーレース鈴鹿に参戦 ⑥風力発電者の研究…車が走るときに前から受ける風力を利用して発電する →太陽電池と併用してより高出力の車の開発
主に機械工学・ロボティクス課程の 教育を担当する教員
Assistant Professor:
前田 英史
56
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/mecsys16.html
Title:
生活を支える鋳物 ∼鉄の組織を考える∼
専門分野 電気・電子工学、材料工学 研究課題(長期) 磁気駆動材料の微細構造と変態 におけるその場観察法の確立 研究課題(短期) 機能材料の粒界の結晶学的観 察、粒子線回折法を用いた磁性 合金の観察
我々の生活には、鉄は欠かせない物質です。自動車部品や産業機械部品、パイプ、構造材料と、様々 な形で必要とされています。特に、複雑な形状の製品を大量生産する場合には、鋳造による生産が主 とされています。鋳物と呼ばれる製品です。鋳造以外の工法で造ると、曲げや溶接など様々な加工法 の組合せが必要となり、生産性が低くコストがかかります。鋳造とは固体の鉄を溶解し液体に変えて 鋳型に流し込み成型する手法で、比較的自由度の高い形状を作製することが可能です。ここでは、工 程に比較的簡単な処理を加えることで材料の性質を改善する「高機能化処理」が望まれます。特定の 微量元素添加によって鉄に含まれる黒鉛組織の形を丸めた球状黒鉛鋳鉄は成功したその一例で、割れ がおこりにくく、強度も増すことから、現在も生産量が増えつつ あります。しかしながら、なぜ添加元素で含まれる黒鉛が丸くな るのかは定説が得られておらず、我々の研究室ではこの黒鉛組織 の成り立ちを結晶学の観点から詳しく解明することを近年のテー マとしています。 未処理の鋳鉄材(左)と Mg 微量添加による球状黒鉛鋳鉄∼片状 であった黒鉛組織が丸くなることで界面からの割れが起こりにく くなり、強度も増している。
32
主に機械工学・ロボティクス課程の 教育を担当する教員
Senior Lecturer:
森 正和
57
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/mecsys13.html
Title:
機械材料をより強く,より機能的 にする材料プロセス
専門分野 材料物性、薄膜合成 研究課題(長期) 新しい着色膜形成技術の開発 研究課題(短期) プラズマ援用エアロゾルデポジ ション法の開発
機械材料や機械構造物の強度や耐久性を高めることを目的として、その表面には様々な加工が施されています.これを表面処理と いいます.現在では、高周波焼入れ、ショットピーニング、浸炭、薄膜コーティングなどの様々な表面処理が施されています.摩 擦攪拌プロセス (FSP: Friction Stir Processing) は、固相接合法である摩擦攪拌接合 (FSW: Friction Stir Welding) の技術を金属 の表面改質に応用したものであり、欠陥の除去や組織微細化を目的として、近年盛んに研究が進められています.FSP を用いるこ とで、材料表面の結晶の大きさを小さくしたり、複合材料の形成を行うことができ、機械材料や機械構造物の強度や耐久性を飛躍 的に高めることができる可能性をもっています.
33
応用化学課程 Materials Chemistry Course ※先端理工学部の内容は予定であり、変更する場合があります。
自然の仕組みを理解し、私たちが直面している課題に対して化学の 立場から対応し、持続可能な社会を築くことができる人材を育成する。 学びの Point
履修イメージ
手厚く親切な指導が可能となる カリキュラム編成
さまざまな実験・実習を通じて 実践的な能力を育成
環境に優しい化学を志向した応用化学を学び、 社会で活躍できる技術者を養成
進路や興味に合わせて 4分野のコースから選択が可能
高機能新素材とエネルギーの2つのプログラムを履修する場合(これは一例です。)
1 年生
2 年生
前期 1Q
後期 2Q
3Q
3 年生
前期 4Q
1Q
後期 2Q
3Q
4 年生
前期 4Q
1Q
後期 2Q
3Q
専門基礎科目
前期 4Q
1Q
後期 2Q
3Q
4Q
専門応用科目(必修)
●
情報基礎
●
資源・エネルギーと環境
●
化学と安全管理
●
化学と社会
●
物理の基礎
●
化学と情報処理
●
数学の基礎
●
化学基礎実験
●
物理基礎実験
●
化学の基礎
●
物理化学Ⅰ
●
物理化学Ⅱ
●
プロジェクト演習Ⅰ
●
有機化学Ⅰ
●
有機化学Ⅱ
●
無機化学Ⅰ
●
無機化学Ⅱ
●
フレッシャーズセミナー
●
理工学のすすめ
●
●
物理化学 実験
●
物理化学Ⅲ
●
機器分析 化学実験
化学の 英語
●
化学合成 実験
●
プロジェクトリサーチⅡ
●
セラミックス 材料工学Ⅰ
●
界面化学
●
エネルギー 変換工学Ⅰ
●
固体物性 化学Ⅰ
●
固体物性 化学Ⅱ
●
半導体 材料Ⅰ
●
半導体 材料Ⅱ
●
科学技術英語
●
英語セミナー
●
研究デザイン演習
●
特別研究
専門応用科目(選択) ●
結晶学 入門Ⅰ
●
結晶学 入門Ⅱ
●
高分子 化学Ⅰ
●
高分子 化学Ⅱ
●
セラミックス ● 高分子構造 材料工学Ⅱ 材料物性Ⅰ
●
高分子構造 材料物性Ⅱ
高分子 材料工学Ⅰ
●
高分子 材料工学Ⅱ
●
高機能新素材プログラム科目
エネルギープログラム科目 ●
構造 解析学 半導体デバ イス工学
●
●
電子材料
●
薄膜デバ イス工学
教養教育科目 その他プログラムの科目など
R-Gap
取得可能な 免許・資格
●
※ 中学校教諭一種免許状( 理科 )
●
※ 高等学校教諭一種免許状( 理科 )
●
本願寺派教師資格
めざす 職業・進路
●
セラミックス・金属等の素材企業
●
エネルギー系、食品系企業
●
化学薬品・化粧品メーカ−
●
バイオ技術者・研究者 など
※課程認定申請中。 なお文部科学省における審査の結果、予定している教職課程の開設時期が変更となる可能性があります。
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主に応用化学課程の
Professor:
教育を担当する教員
青井 芳史
58
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/chem09.html
Title:
各種機能性材料の作製、物性評価
専門分野 機能性材料化学 研究課題(長期) 各種機能性材料の合成、物性評価 研究課題(短期) ・無機薄膜材料の合成および物 性評価 ・3 次元規則多孔質構造体の作 製
当研究室では、特に、 「薄膜」、 「表面」、 「構造」をキーワードとし、無機、金属、有機といった分野にこだわらず、各種機能性材料 の研究を行っています。主要な研究テーマは次の通りです。 ・アモルファス炭素系薄膜の合成およびその表面修飾による機能化 ダイヤモンド、カーボンナノチューブ、グラフェン等に代表される炭素系材料は、大きな注 目を集めている材料です。こ れら以外に、アモルファスの形態を有する「アモルファス炭素 (a-C)」は、優れた機械的・電気的特性、化学的安定性、高生体適合性等の特性を有しており、 様々な分野で活用されています。私たちの研究室では、これらの薄膜をプラズマを利用した 手法で合成し、その構造、物性を明らかにする研究に取り組んでいます。さらに、薄膜表面 に多様な機能を有する有機分子等を結合させて表面修飾することにより、新しい付加価値を 引き出すことを狙った研究を行っています。
生体関連分子で修飾した a-C 薄膜 表面への金ナノ粒子の吸着
・3 次元規則多孔質構造体の作製 光の波長程度で3次元的に規則的な構造を有する材料は、光学的に非 常に興味深い特徴を有しており、「構造色」を示すことが知られてい ます。本研究では、ポリスチレンやシリカのコロイド粒子の自己集合 を利用し、球状の形態を持つ 3 次元規則構造体を作製し、されにそれ らの反転構造体の作製も行っており、光学的応用や、それ以外の応用 の可能性についての研究を行っています。
主に応用化学課程の 教育を担当する教員
Professor:
岩澤 哲郎
僕らは分子の世界の建築家! 医農薬に貢献する有機合成を! 当研究室の専門は有機合成化学です。生命 を形作る「有機分子」を人間の手で「作る! 造る!創る!」研究をしています。この研 究は医療・医農薬品・食物・材料の開発と 関係が深く、将来役に立つ価値や夢を追求 する取り組みです。この夢を叶えるために 学生さんはフラスコを振って毎日「実験」 をします。実験をするには知力・体力・気 力を存分に使う必要があるため、とてもス ポーツ的な一面があります。実験を繰り返 すことで、有機合成の特殊なテクニックだ けではなく知力・体力・気力も自然に身に つきます。若者らしい逞しさを発揮できる 出会いを楽しみにしています!
35
59
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/chem10.html
Title:
学問ですので、エネルギーに
3 次元規則構造体
れた方との
専門分野 有機合成化学 研究課題(長期) 画期的な化学空間利用型分子触 媒の実用化 研究課題(短期) 化学空間利用型分子触媒の価値 創出
主に応用化学課程の 教育を担当する教員
Professor:
60
内田 欣吾
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/chem02.html
Title:
ハスの葉やカタツムリから学ぶ 光応答材料
専門分野 有機機能材料化学 研究課題(長期) 有機フォトクロミック化合物の 合成と機能化 研究課題(短期) 光応答機能薄膜、光応答性結晶 材料、光分子スイッチ、光応答 性超分子システム
光を当てることにより、色の異なる二つの状態 を交互にスイッチできる分子が存在します。こ れらは、フォトクロミック分子と呼ばれ、分子 メモリー、分子スイッチといったナノサイズの 科学材料として使われてきました。しかし , 最 近 , 複数の分子が協働して変化することで、光 照射により複雑でかつ目で見える応答をする システムの報告例が増えています。当研究室で は、リアルワールドで光駆動する分子集合系、 結晶や液晶の研究を行い、光照射で水滴を弾く ハスの葉の表面構造や、水滴が触れるや否や広 がるカタツムリの殻の表面構造、あるいは、光 を散乱するモスアイ効果を示す蛾の眼の表面 構造を光照射で生成するシステムを作ること に成功しました。最近は、ホウセンカの種飛ば しをまねた光刺激により内容物を放出するシ ステムを開発しました。
主に応用化学課程の 教育を担当する教員
Professor:
61
大柳 満之
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/chem03.html
Title:
超高温セラミックスエンジン素材の 研究と水素エネルギーの貯蔵・放出
専門分野 無機材料合成化学 研究課題(長期) 無機材料の低環境負荷プロセッ シング 研究課題(短期) メカノケミカルプロセス、燃焼 合成、誘導場活性化プロセス、 放電プラズマ焼結
航空機エンジンの高圧ガスタービンは、環境温度が、非常に高
次世代のクリーンエネルギーとして期待されている水素の貯蔵
くなるため、耐熱性や強度の観点から、素材開発が最も難しい
材料に関する研究も行っています。水素は燃焼エネルギーが大
部位であると言われています。現在、航空機エンジンのタービ
きく有望なエネルギー源である反面、爆発性の高い気体である
ンブレードの素材開発を目標に、高温強度、耐酸化性等に優れ
ため危険な物質です。本研究室では、この水素を安全でコンパ
た CMC(Ceramics Matrix Composite) の 研 究 が 国 を 中 心
クトに貯蔵するために金属を用いています。本研究室物質化学
に行われています。特に、スペースシャトル先端の耐熱材料と
科では特に Mg 金属表面で水素分子が水素原子に解離し拡散し
して知られている炭化ケイ素(SiC)がその素材として選ばれ、
ていく過程を基礎的に研究しています。最近は、触媒を用いると、
日本独自に開発された SiC 繊維をからなる織物を骨格にその空
ある温度から水素分子が極めて小さい活性化エネルギーで解離
伱を SiC 母材で埋めた SiC 繊維強化 SiC 複合材料(SiCf/SiC
することを発見しました。
composite)が、今世 界中で研究されていま す。図2は、龍谷大学 で開発した複合材料で す。 図 1. 左が SiC 繊維、右が SiC 繊維の織物 (宇部興産株式会社提供)
図2.SiCf/SiC 複合材料
図 3. 金属表面及び触媒表面で水素分子が解離する様子 36
主に応用化学課程の 教育を担当する教員
Senior Lecturer:
糟野 潤
62
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/chem16.html
Title:
新しい電気分析法の開発
専門分野 電気分析化学 研究課題(長期) 人工液膜系での生体類似反応の構築 研究課題(短期) 液膜界面でのイオン・電子移動反応 光合成生物を用いた光 - 電気エネ ルギー変換反応 新規フロークーロメトリー用全電 解用セルの開発
「電気」は、私たちの日常生活に欠かせないものです。テレビやパソコン、冷蔵庫といった電化製品はもちろんのことですが、動物 や植物が行っている呼吸や光合成にも電気が関与しています。当研究室では、実際に光合成をしている植物や細菌から効率よく電 気を取り出したり、生体類似反応を人工的に構築して生体反応の理解を深める研究をしています。また、電気が関与する反応を利 用して、生体関連物質や重金属イオンなどの新たな分析法・定量法の開発も目指しています。 下の写真は、近年作製したフロー系のイオン定量用電解セルです。同セルを用いれば、99 ∼ 101%の正確さと 0.1% 程度の精度で、 イオン種の定量が可能になりました。
主に応用化学課程の 教育を担当する教員
Associate Professor:
河内 岳大
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/chem26.html
Title:
分子を精密につなげてつくる新素材 「プラスチック」に代表される高分子は、ある構 成単位(モノマーユニット)が数多く繰り返し連 結した構造を有しています。タンパクや DNA な どの生体分子も高分子ですが、プラスチックとの 大きな違いは、化学構造、分子量、立体配置な どの分子のならび(一次構造)が精密に制御さ れていることです。この精緻にプログラムされ た一次構造に基づいて、αへリックスやβ - シー ト、二重らせんなど3次元構造(二次構造)を形 成し、さらにそれらが時空間特異的に組織化す ることで代謝や遺伝などの極めて高度な機能を 発現します。ありふれた合成高分子であっても、 一次構造を制御すれば生体にも匹敵する分子機 能を発現する・・・かもしれません。私たちは、 分子を精密に連結した高分子を合成し、それらを 合目的に組み上げることで高度な機能を発現す る高分子・超分子材料を開発しています。
37
63
専門分野 高分子合成、機能性高分子、分 子集積化材料 研究課題(長期) 一次構造制御を伴とする高分子 機能材料の創製 研究課題(短期) 精密重合、立体規則性高分子、 ネットワークポリマー、耐熱性 高分子、ナノ構造化材料
主に応用化学課程の 教育を担当する教員
Senior Lecturer:
64
白神 達也
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/chem13.html
Title:
セメントと蛍光体 ∼身近ながら知られていない物質∼
専門分野 材料物性測定学 研究課題(長期) 物性測定による、他の物性の動向予測。 特に構造解析につながる情報を得る。 研究課題(短期) ペロフスカイト関連化合物を母材 とした希土類蛍光体の結晶場分裂 セメント関連重水和物の物性と 構造解析
セメントと蛍光体は、建造物や蛍光灯など非常に身近なところに使われているにもかかわらず、とても
の多い物質です。
そもそもセメントは、なぜ水と混ぜると固まるのか分かってはいません。水と反応すると難溶性の様々な水和物が生じることは分 かっていますが、これらの水和物がどのような相互作用で付着しているのかは、まだまだ仮説の段階でしかありません。これらの 水和物は時間がたつとその相組成や分量が大きく変化し、きわめて複雑な挙動を示すことが研究を困難にしているのです。われわ れは困難ながらその複雑な水和物を、解きほぐしながら研究を続けています。これらの水和物の重水和物(重水 D2O で合成した 水和物)を一つ一つ作製し、その構造や熱分解特性、ラマン散乱などの機器を用いた分析を行うとともに、透過型電子顕微鏡(TEM) を用いての、主要水和物である C-S-H(これも全く正体不明!)の組成に ついて研究を始めています。また、これらの水和物は難溶性ながら、水に 溶けると塩基性を示すものがほとんどです。その性質があるため、鉄筋コ ンクリートに用いた場合、鉄筋や鉄骨をさびにくくしているのですが、長 期間、大気中にさらされますと、空気中の二酸化炭素と反応して炭酸塩と なり、中性物質へと変化します。そうなると中の鉄筋や鉄骨がさび始めて 建造物が傷んできます。この対策についても長年の課題です。 蛍光体はまだまだ なぜ光るか? という根本的な問題に答えられていな いのが実情です。それゆえ、手当たり次第に母材を選定し、未来の照明と しての可能性を追求しています。われわれは結晶の対称性を調べることに よって発光メカニズムの詳細を明らかにしようと取り組んでいます。写真 で示したように一種類の物質で白色に光る蛍光体もあります。われわれは、 ラマン散乱分光法を用いて、蛍光の微細構造について研究しています。 CaSnO3 に Pr を 0.25% ∼ 1.25% 添加した蛍光体
主に応用化学課程の 教育を担当する教員
Professor:
富
65
欣也
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/chem11.html
Title:
ペプチドを基体とするナノバイオテ クノロジーへの挑戦 富
専門分野 生体機能関連化学 研究課題(長期) ペプチドを基体とする機能性材 料の創製 研究課題(短期) ペプチド集合体を鋳型とする有 機ー無機複合材料の開発
研究室では、生物が進化の過程で獲得した機能に着目すること
で、革新的な未来材料創製を行っています。具体的には、アミノ酸 が数個から数十個連結したペプチドを基体として、有機―無機複合 材料や分子情報デバイス、人工酵素の創製にチャレンジしています。
図は、フルオレセインの水溶液の蛍光発光の様子
38
主に応用化学課程の
Professor:
教育を担当する教員
中沖 隆彦
66
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/chem04.html
Title:
実用的で環境を考えた高分子材料
専門分野 高分子の分子構造と機能性材料 研究課題(長期) 高分子のミクロ構造とマクロ物 性の関係 研究課題(短期) ・高分子ゲルの架橋点と結晶構 造の関係 ・生分解性高分子材料の生合成
中沖研究室では、地球環境を考えた生分解性プラスチック材料の研究を行っています。将来の地球環境を考えた時、石油に依存し ない循環型材料の開発は急務といえます。本研究室ではバイオマスを利用したバイオプラスチックの生合成や、実用化に向けた力 学物性の研究を進めています。また最新の設備を用いた合成高分子の分子構造解析によるアカデミックな側面からのサポートもし ています。大学院に進学した学生は自分で行った研究内容を高分子学会や時には国際学会で発表を行っています。 【研究テーマの例】 1) 微生物培養によるバイオプラスチックの生合成 2) 生分解性プラスチックの力学物性の改善 3) ゲル化過程を利用した超高強度材料 その他、企業との共同研究多数。 【学術論文の例】 大学院生の出してくれた研究成果を学術論文にしています。 Biosynthetic Process and Characterization of Poly (3-hydroxybutyrate-co-3-hydroxyvalerate)-block-poly(3hydroxybutyrate) by R. eutropha T. Nakaoki, R. Yamagishi, D. Ishii, J. Polym. Environ., 23, 487(2015).
主に応用化学課程の
Assistant Professor:
教育を担当する教員
服部 陽平
67
専門分野 光機能材料,金属錯体
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/hattori.html
Title:
ジアリールエテンと金属による新発 光物質開発 ジアリールエテンという有機分子のグループは、紫外線を当てた時と可視光を当てた時とで別の構造になることが知られています。 この現象により、色や導電性といった物質の特性を光でスイッチすることができ、メモリーやデバイスとしての応用が期待されて います。 龍谷大学では、ジアリールエテンを応用することで、光で結晶を変形させたり、あるいは弾けさせたりといったことや、熱と光を 組み合わせることでミクロな表面の構造を制御して 超撥水性 のような性質を引き出したりといったこともできることを発表して います。 一方、有機分子が金属原子を囲った、金属錯体と呼ばれる物質の中には、様々な蛍光や燐光を示すものが多くあり、発光材料とし て有用なことが知られています。 私は、ジアリールエテンと蛍光性や燐光性の金属錯体を組み合わせて新たな結晶を合成することによって、光によって蛍光や燐光 を複雑にスイッチできる物質や、強力な発光を示す結晶を得ることを目的として研究を進めています。
39
主に応用化学課程の 教育を担当する教員
Professor:
68
藤原 学
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/chem06.html
Title:
電磁波を用いた科学分析
専門分野 分析化学 研究課題(長期) 金属化合物、金属錯体および関 連化合物の構造と電子状態の解 明 研究課題(短期) 金属材料、環境試料、考古試料 などを対象とした分析化学
分析機器が発達したおかげで、多量のサンプルを簡単にすばやく、しか も精度よく分析することが可能となりました。しかし、まだまだ分析す ることが難しい分野が残されています。それは、いろいろなものが複雑 に共存している環境試料(特に土壌)、傷つけることができない貴重な 考古試料、有機物と無機物が共存する金属錯体試料です。我々はこの難 しい課題に対して、できるだけ多くの有用な情報をとりだすことができ るように、いくつかの科学分析法を組み合わせたり、新しい解析法を考 えたりしています。今回は、主に X 線・紫外線・可視光を用いた簡単 な分析装置を紹介し、いくつかの興味深いデータについても説明します。 土壌試料は琵琶湖周辺の松・竹・杉・落葉広葉樹などの異なる植生を有
土壌試料のサンプリング
する森林土壌を種々のポイントで採取し、一般的な前処理を行った後分 析しました。考古試料としては龍谷大学大宮図書館が所蔵している『大 谷コレクション(中国西域地区からの将来品)』の古銭および奈良絵本 などを選択し、表面および裏面の各ポイントで測定しました。これらは、 X 線顕微鏡および反射スペクトル計を用いて、大気中で測定しています。 一方、金属錯体試料では、主に X 線光電子分光装置を用いて、試料中 に含まれている元素の種類と量だけでなく、状態(電子密度や化学結合 の強さなど)についての情報を得ています。これらのデータの正しさを 検証するために、分子軌道法を使った理論計算も行っています。
主に応用化学課程の 教育を担当する教員
Assistant Professor:
考古試料(古銭・せん類)
別府 孝介
69
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/chem27.html
Title:
環境問題に配慮した機能性無機材料 の開発
蛍光 X 線装置
専門分野 無機材料化学 研究課題(長期) 機能性無機材料の動作機構の解 明 研究課題(短期) 環境問題に配慮した機能性無機 材料の開発
エネルギー問題や環境問題の解決は私たちが直面している喫緊の課題です.私たちの研究室で は無機材料化学を用いたアプローチから,この問題解決を目指しています. 私の主な研究テーマは以下の 3 つです. ・非鉛系圧電材料の開発 現在,優れた性能を示す圧電材料として Pb(Zr,Ti)O3(PZT)が実用化されています.PZT は優れた圧電特性を示すものの有毒な鉛が多量に含まれているため,その代替が求められてい ます.私たちの研究室では NaNbO3 や KNbO3 をベースとした鉛フリーな圧電材料に着目し 検討を進めています. ・p 型透明導電膜の開発 透明導電性酸化物(TCO)は高い可視光透過性および,電気伝導性を有する材料のことです. 新たに実用化が期待される化合物太陽電池への適用を考えると,p 型の電気伝導性を示すほう が好ましいのですが,p 型 TCO は電気伝導性が低いという欠点を有しています.そこで私たち は高い p 型電気伝導性を示す TCO の開発,並びに太陽電池への応用を目的に検討を進めてい ます. ・XAFS を用いた機能性無機材料の構造評価 XAFS 測定のセットアップの一例 現在までに様々な材料が報告されています.その構造を調べることは物性や電気特性を調べる 上で非常に重要となってきます.そこで私たちは SPring-8 などの放射光施設で測定することのできる XAFS と呼ばれる評価手法 を用いて構造の解明を目指します.XAFS とは X 線吸収微細構造(X-ray Absorption Fine Structure)の略でターゲット元素周 囲の局所構造及び電子状態を解析することができる非常に強力な解析手法です.
40
主に応用化学課程の 教育を担当する教員
Professor:
宮武 智弘
70
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/chem12.html
Title:
生物が持つ分子を使った物質化学
専門分野 有機化学、超分子化学 研究課題(長期) 機能性分子集合体の構築 研究課題(短期) 集光アンテナのモデル構築・リ ポソームを用いたセンシングシ ステムの開発
生物の体の中で働く分子は非常に高い効率で反応を進めたり、決められた分子だけを見極めて反応させたりなど、人工のシステム では到底できないような優れた特長を持っています。当研究室では生体分子の構造や性質を調べて、以下①、②のような分子シス テムを人工的に創ることを目標にしています。
① 光合成をまねた光捕集システム 光合成生物は太陽光を効率よく吸収するために、たくさんのクロロフィル分子が 集まった「集光アンテナ」とよばれる組織をもっています。当研究室では、さま ざまな分子構造をもつ人工クロロフィル分子を合成し、その分子集合体の構造や 機能を調べることで、光合成の集光アンテナと同じように光エネルギーを効率よ く捕集できる超分子システムの構築を目指しています。 人工クロロフィル分子の集合体
② 細胞モデルを用いた分子センサー リポソームとは脂質分子が集まってできた分子膜によるカプセル状の構造体で、細 胞のモデルとなるだけでなく、薬物輸送などさまざまな応用が期待されています。 当究室では、リポソームの内部に蛍光色素を封入し、ポリペプチドなどの(生体) 高分子がリポソームの分子膜を透過する現象を利用して、光によって 酵素活性の 評価や分子の検出・定量が行える分子センサーの開発を行っています。
酵素活性を測る蛍光性リポソーム
主に応用化学課程の 教育を担当する教員
Professor:
和田 隆博
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/chem08.html
Title:
エネルギー問題や環境問題の解決を 目指した機能性無機材料の研究 1. 2. 3. 4. 5.
71
専門分野 無機材料科学 研究課題(長期) 多元系無機材料の開発 研究課題(短期) エネルギ問題や環境問題の解 決を目指した材料開発
化合物薄膜太陽電池の高効率化および低コスト化の研究開発 非鉛圧電セラミックスおよび薄膜の研究開発 透明導電膜を中心にした新機能酸化物薄膜の研究開発 セラミックスの省エネルギ製造プロセスの研究開発 計算科学を用いた材料研究とその応用
物質化学の基礎は新物質の創成です。現在までに様々な物質が合成され、それらの構造や性質が研究さ れてきました。 しかし、無機材料の分野では新物質の合成は試行錯誤で行われるのがほとんどでした。 最近では、無機材料の結晶構造や電子構造、それに様々な性質に関して各種の評価技術が開発され、計 算科学を活用して電子構造や材料物性を予測できるようにもなってきました。私たちの研究室では最
CuInSe2 の化学結合
新の評価手法や計算科学を取り入れて、無機材料の結晶構造と電子構造、ならびにそこから出現する 物性との関係について研究しています。特に、地球環境問題の解決を目指した新材料の開発や新プロ セスの開発を目指しています。 上の図は、太陽電池に用いられる CuInSe2 の化学結合の様子で、In と Se が強く結合していることを 示しています。下の図は p 型の電気伝導性を示す Cu-Nb-O 膜の外観と透過率です。熱処理前の CuN-O 薄膜(a)や熱処理した Cu2O 膜(c)では光をほとんど透過しませんが、熱処理した Cu-Nb-O 膜(b) では可視光を透過することがわかります。
41
Cu-Nb-O 系薄膜の透過率
環境生態工学課程 Ecology and Environmental Engineering Course ※先端理工学部の内容は予定であり、 変更する場合があります。
生態学に立脚した自然への理解と環境工学的な課題解決アプローチを学修し、 環境問題に対して創造的に課題解決法を提案できる人材を育成する。 学びの Point
履修イメージ
環境工学と生態学を融合させながら、 人と自然の共生を追究
4年間を通じて実験・実習などの フィールドワークを重視
博物館の学芸員資格、 中高の教員免許(理科)が取得可能(予定)
最新の研究設備を整え、 環境問題に対する実践的な学びを実現
生物多様性サイエンス、SDGs (持続可能な開発目標)の2つのプログラムを履修する場合(これは一例です。)
1 年生
2 年生
前期 1Q
後期 2Q
情報基礎
●
環境実習ⅠA
●
3Q
前期 4Q
地域環境概論A
●
地域環境概論B
●
●
環境寄席
生物学概論
●
生物学実験
フレッシャーズセミナー
●
理工学のすすめ
●
●
●
環境生態工学概論
●
数学概論
●
化学概論
●
●
3 年生
1Q
地球環境概論A
●
地球環境概論B
生態学概論Ⅰ
●
生態学概論Ⅱ
★
後期 2Q
3Q
4 年生
前期 4Q
1Q
後期 2Q
3Q
前期 4Q
1Q
地学概論
●
デザインシンキング
●
地学実験
●
化学実験
●
自然の 浄化機構
●
個体群生 態学
●
環境分析 化学実験
●
環境実習ⅢA
●
生態系生態学
●
応用生態学
●
気象学
●
生理生態学
●
森林生態学
●
環境毒性学
●
環境移動 現象論
●
数値計算法 基礎及び演習
●
数理生態学
●
空気調和工学
●
廃棄物管理学Ⅰ
●
廃棄物管理学Ⅱ
●
先端技術
●
セミナーⅠ
●
●
後期 2Q
3Q
4Q
プロジェクトリサーチⅡ
◆
専門基礎科目
専門応用科目 ●
大気環境 科学
生物多様性サイエンスプログラム科目★ ●
水環境科学
●
●
里山の生態学
●
SDGs概論
進化学
●
環境実習 ⅡA
●
土壌地質学
●
環境微生物学
●
環境計測学
●
資源循環論
●
保全生態学
●
社会調査法 及び演習
●
環境社会学
●
環境政策論
●
環境倫理学
●
環境経済学
●
データサイエンス 及び演習
●
群集生態学
●
資源管理学 及び演習
●
地理情報学
●
水域生態学
●
環境調査
●
●
環境アセス メントB
●
環境アセス メントA
●
微生物生態学
●
景観生態学
●
セミナーⅡ
●
特別研究
●
セミナーⅢ
生物資源利用
SDGs( 持続可能な開発目標)プログラム科目 ◆ ●
資源・エネル ギーと環境
専門関連科目 その他プログラムの科目など
教養教育科目
R-Gap
★…生物多様性サイエンスプログラム科目 ◆…SDGs (持続可能な開発目標) プログラム科目
取得可能な 免許・資格
●
※ 中学校教諭一種免許状 ( 理科 )
●
※ 高等学校教諭一種免許状( 理科 )
●
学芸員
●
本願寺派教師資格
めざす 職業・進路
●
公務員
●
環境プラント技術者・研究者
●
環境保全エンジニア
●
建設土木のコンサルタント など
※課程認定申請中。 なお文部科学省における審査の結果、予定している教職課程の開設時期が変更となる可能性があります。
42
主に環境生態工学課程の 教育を担当する教員
Senior Lecturer:
72
浅野 昌弘
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/est13.html
Title:
下排水に含まれる微量有害化学物質 の高度処理に関する研究
専門分野 水処理工学 研究課題(長期) 下排水に含まれる微量有害化学 物質の高度処理に関する研究 研究課題(短期) オゾン、紫外線を併用した排水 の高度処理技術の低コスト化へ の試み
昨今における私たちのライフスタイルの急速な変化に伴い、私たちの身の回りにある品々 においては多くの化学物質が用いられています。これらの化学物質は、その使用後におい て下排水を介して下水処理場へと送られ、標準活性汚泥法を中心とした今日の処理技術に より下排水と共に処理がなされ、やがて処理水として自然環境中へと排出されます。とこ ろが、近年の研究において、これらの処理水中に環境ホルモン様物質等といった、生態系 へ悪影響を与える恐れのある微量有害化学物質が含まれていることが報告されています。 浅野研究室では、これら微量有害化学物質を除去し、かつ処理水の安全性を容易に確保出 来ることが期待される下排水の高度処理技術の開発を行っています。下左図は、オゾンと 紫外線を併用した下排水の高度処理技術の一例です。下 排水で満たされた反応器内へオゾ ンガスを供給すると共に紫外線を照射すると、オゾン分子から生成される 1 重項酸素原子
オゾン紫外線併用下排水処理実験装置
と水分子との反応により先ずは過酸化水素が生成され、続く紫外線照射によりこれら 過酸化水素から強い酸化力を有する OH ラジカルが発生します。この強い酸化力を持 つ OH ラジカルのはたらきにより下排水中の微量有害化学物質を分解することが出来 るのです。(下右図)。現在、発展途上国等の下排水処理場への導入を視野に、本処理 技術の低コスト、省エネルギー化に関する検討を行っています。
オゾン紫外線併用による微量有害化学物質 (1,4- ジオキサン)の分解
主に環境生態工学課程の 教育を担当する教員
Professor:
73
市川 陽一
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/est01.html
Title:
瀬田丘陵の大気を調べる
専門分野 大気環境工学 研究課題(長期) 適正な都市の大気環境設計 研究課題(短期) 都市化の環境影響評価、里山の 大気浄化機構の解明、合理的な 環境アセスメント手法の開発
私たちの研究室では、瀬田のキャンパスや隣接す る龍谷の森で大気環境や熱環境を観測しています。
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観測と並行して、龍谷の森を模擬した模型実験を 大型の風洞設備(気象庁気象研究所)で行ってい ḟ⏕ᡂ
ます。また、大気浄化や環境アセスメント、越境
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汚染の評価に役立てるために、大気汚染物質の輸 送や拡散をパソコンで計算しています。
PM2.5
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瀬田のキャンパス周辺は丘陵地帯にあり、あまり
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人間活動の影響を受けていないと思われます。し かし、大気汚染物質は、近隣の大都市や東アジア
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の国々からも輸送されてきます。例えば、黄砂が
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飛んでくるときは瀬田のキャンパス周辺は霧のよ う に 真 っ 白 に な り ま す。 こ れ は、 黄 砂 に よ っ て
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PM2.5 などの粒子状物質の量が増加するためです。 龍谷の森内では樹木の浄化作用と遮風作用でオゾ ンや二酸化窒素の濃度減少が観測されました。
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大気環境工学研究室の取り組み
43
主に環境生態工学課程の 教育を担当する教員
Associate Professor:
奥田 哲士
74
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/est17.html
Title:
環境技術の進化
−水・土・余物を対象に−
専門分野 環境工学 研究課題(長期) 水処理技術の開発、資源の有効 利用技術、環境中の物質動態 研究課題(短期) 水・鉄鋼スラグ・汚泥・プラス チック等のオゾン・凝集・膜分 離による処理
当研究室では「水」や「未利用資源・廃棄物」 、「土壌」の汚染 等の問題に、物理・化学を基礎とした【ナノ粒子】 【ナノバブル】 【膜】【凝集】【オゾン】といった技術で挑戦しています。 例えば水の問題としては、濁りや色、病原菌や害のある化学物 質の混入がありますし、日本は製鉄の国ですので鉄を取った後 の鉄鋼スラグと呼ばれる石に近い副産物は、有効利用したいも のです。 砂粒子の表面を 実験で用いている 【ナノ粒子】関連では、土壌の粒ひとつずつをナノ粒子で薄くコー 覆うナノ粒子 セラミック膜 ティングすることで、土に付着したセシウムや重金属が水に溶 け出てこないようにする技術の確立に挑戦しています。 【膜】処 【真ん中の黒い三角のエリア 【セラミックス(陶磁器)製 が直径数 mm の砂粒子の断面 なので薬品に強く、様々な薬 理は細かい目があいた樹脂フィルムやセラミックで水の汚れを で、その表面の Ca 濃度が高 品を使って(効率的に)洗浄 濾(こ)す方法ですが、それらに関する研究では、膜の目詰ま く、薄くコーティングできた する研究をしています】 り(ファウリング:膜の汚れ)を効率よく除去する(洗う)方 事が分ります】 法や汚れにくくする技術の開発を行っています。 【凝集】は水の 中の小さい粒同士を薬剤でくっつけて大きくして沈殿、除去し やすくする技術ですが、その薬剤(凝集剤)を植物の種から抽 出したり生分解性ポリマーから合成したりして、安全かつ沈殿 させた汚泥が農地などに利用しやすい凝集剤を開発することに チャレンジしています。 【その他】マルチコプター(ドローン) 水中の茶色い濁り成分が凝集して を使った水質把握やナノバブルでのスケール防止などの新しい 沈殿してきれいな水ができる様子 ことにもチャレンジしています。 【この凝集を起こす成分を汚泥が地球に還りやすい木の実に求め る研究などをしています】
主に環境生態工学課程の 教育を担当する教員
Professor:
菊池 隆之助
75
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/est15.html
Title:
環境問題・自然保護への総合アプローチ
専門分野 環境科学、環境工学、環境政策 研究課題(長期) 然科学・工学技術から社会科学までを含む 総合的アプローチの理論・実践体系の確立 研究課題(短期) レアメタル回収、オイルスラッジ、廃棄物と燃料製造、広域汚染処理、 温暖化対策と社会開発、生物多様性と動物虐待、発展途上国におけ る環境リスク、KT境界における地球変動と生態系変遷、バイオエ コノミー、クリーンエネルギーが及ぼす生態系へのインパクト。
当研究室では環境問題の解決に向けて、理学/農学と工学の両面に文系的側面(社会・経済・政策)の要素をさらに加えた総合的 アプローチを模索しています。環境学を「自然科学・工学技術から社会科学までを含む多様要素に関する学問体系」として定義づ けし、個々のアプローチを統括・融合させていくことが重要だと考えています。 「全てのいのちを大切する」ことを建学の精神の第 一項目にかかげる龍谷大学の一研究室として、世界から動物虐待国(年間約 2 千万頭)と非難されている日本の現状と解決策やクリー ンエネルギーが自然生態系へ及ぼす潜在インパクトなどを検証・研究しています。人と自然の一体化「ともいき」という建学理念 を具現化する研究成果や方策提案を国内外へ発信することに取り組んでいます。
研究事例:胆汁採取のための「月の輪熊(
)飼育」を撲滅させるスキームの研究 44
主に環境生態工学課程の
Professor:
教育を担当する教員
76
岸本 直之
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/est03.html
Title:
健全な水循環・利用システム構築に 向けた取り組み
専門分野 水質システム工学 研究課題(長期) 健全な都市水循環システムの構 築 研究課題(短期) 新規促進酸化処理法の開発と適 用、排水からの資源回収技術の 開発、高度 水処理技術の開発、 湖沼や河川の汚濁機構解析
水質システム工学研究室(岸本研究室)では健全な都市水再生利用システムの構築を目指し、水質形成に関連するシステム(水質 システム)を工学的な視点から捉え、これを理解し、制御するために以下のような研究を進めています。 ① 琵琶湖の水質形成に関する研究 ② 水処理・資源回収技術の開発 ③ 自動制御分散型再生水生成システムの開発 皆さんは近い将来「石油が枯渇する」という話 しを聞かれたことがあると思います。また、地 球温暖化問題も突き詰めるとエネルギー問題に 帰着します。加えて、新興国の経済発展に伴っ て、私たちの生活に欠かすことのできない鉱物 資源やリンなどの栄養塩類の枯渇、それによる 価格の高騰が危惧されています。 そこで、本研究室では省エネルギー型排水処理 プロセスの開発や排水からの資源・エネルギー 回収・再利用技術の開発を積極的に行っていま す。 図 2. 省エネルギー型排水 処理システム実証試験装置
図 1. 水質システム工学研究室の取り組み
主に環境生態工学課程の 教育を担当する教員
Associate Professor:
77
越川 博元
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/est09.html
Title:
ヒトと微生物との関わり合い =安全な水環境の実現のために
専門分野 環境工学、環境微生物工学 研究課題(長期) 水環境の微生物学的安全性、廃 棄物からの資源回収 研究課題(短期) 環境水中に存在する抗生物質と 薬剤耐性細菌の挙動,有機性廃 物などからのリンの回収
私たちが生きているように、微生物もまた、私たちの身近で生きています。そんな私たちは、微生物と うまくつきあう工夫をしてきました。例えば、微生物を利用して水をきれいにしたり、資源の回収にも 役立たせています。また、抗生物質に代表されるような薬も作らせたりして、私たちの生活をより改善 してきました。 その一方で、抗生物質が効かない「耐性菌」も生まれてきています。それらは病院などの限られた場所 から、私たちの住む「自然環境」中に広がっているのではないか、 そんな心配も現実になりつつあります。 そこで本研究室では、主に次の研究を進めています。 ①微生物を用いた、資源・エネルギー回収の試み
①反応装置を使ったエネルギー回収
②水・大気環境における、抗生物質耐性細菌の挙動 反応装置の工夫や分析技術はもちろん、DNA 技術、 酵素化学的手法などを利用して研究をすすめ、私たち の生活の質と安全性の向上に役立たちたいと考えてい ます。
②抗生物質耐性細菌の分離と、その DNA の分析
45
主に環境生態工学課程の
Associate Professor:
教育を担当する教員
78
丸山 敦
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/est12.html
Title:
同位体比と環境 DNA の分析による水生生物群集構造 の把握と可変性の解明、および移動パターンの解明
専門分野 陸水生態学 研究課題(長期) 水域生物群集の環境応答にパ ターンをみつける 研究課題(短期) 水域生態学における簡便な調査 手法の開発と活用
水環境への社会的な関心が高まるなか、魚類生態学の経験や知識を基盤に、淡水生物群集の維持管理に求められる研究に取り組ん でいます。とりわけ、動物の行動によって環境変動の影響が生物群集全体に波及する現象について興味を持っています。また、こ のような興味を満足させるための新しい技術の開発・確立についても取り組んでいます。 アフリカにあるマラウイ湖では、世界一多様な淡水魚群集に注目した研究をしてきました。現在は、細分化されたニッチが伱間な く敷き詰められたように構成されるマラウイ湖のシクリッド群集が、その一方で動的で柔軟な側面を持っているらしいことに注目 し、その詳細な把握と要因解析を目的に、潜水調査、胃内容分析、安定同位体分析などを駆使した調査を行っています。環境 DNA を用いた多様性把握にも挑戦しています。 魚類の同位体比は粘液を分析した方がいいのではないか、という提案をすべく研究を展開しています。上述の通り、同位体比の分 析は水生生態系の食物網構造把握において非常に役立つ道具ですが、魚類の筋肉の同位体比は置換が遅すぎて他の生物と時間ス ケールが一致しません。従来通り筋肉を使って同位体 比分析をしている限り、移動や食性の季節変化による ノイズがあっても、それに気づくことすら出来ません でした。粘液の同位体比は置換がはるかに早く、しか も検体を生かしたまま分析できるため、同位体比分析 の適用範囲を広げることができそうです。現在は、希 少な魚類を育む岐阜県南部の水田地域において、この 手法の活用を進めています。 河川生態系の群集構造を把握するこ とを目的とした生物の定量採集
主に環境生態工学課程の 教育を担当する教員
Professor:
79
三木 健
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/est20.html
Title:
小さきものが支える生態系の進化と 安定性
SCUBA 潜水によるマラウイ湖での 環境調査
専門分野 数理生態学、微生物生態学 研究課題(長期) 生態系の安定性の決定機構の解 明と応用 研究課題(短期) 生態系機能の安定性の定量化技 術の開発
地球上には、数十メートルを超える巨木群、色とりどりの花々や虫たち、大小さまざまな魚たちなど多種多様な生き物に満ち満ち ています。そしてこれらの生き物たちが折り重なって、サンゴ礁、湖、森林等の美しく多彩な生態系を形作っています。しかし私 たちが肉眼で見ている世界は複雑な生態系のほんの一部に過ぎ ません。数十億年前に最初の生命が誕生した時が現在まで、地 球上のさまざまな生態系は目には見えない小さきもの、 「微生 物」に支えられています。生態系の目に見える部分の歴史的な 移り変わり(=進化)の方向性や環境変動に対してその変動を 吸収し一定のふるまいを続けることができること(=安定性) の仕組みはよく分かっていません。私たちの研究室では、DNA メタバーコンディング技術や表現型マイクロアレイ解析、シン グルセル顕微鏡タイムラプス撮影などの新しい微生物調査テク ノロジーと、数学や統計学、計算機を利用したモデリングアプ ローチを組み合わせることで、微生物と生態系のかかわりの解 明に挑戦しています。
細菌や真菌等さまざまな微生物は、海、湖、森林に至るまで多様 な生態系の進化と安定性を支えている(写真提供:横川太一博士、 Pak-Yin Cheung 氏) 。
46
主に環境生態工学課程の 教育を担当する教員
Senior Lecturer:
水原 詞治
80
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/est18.html
Title:
木質バイオマスの有効利用
専門分野 廃棄物工学 研究課題(長期) 廃棄物の資源循環および適正処 理 研究課題(短期) バイオマス系廃棄物の有効利用
化石燃焼の枯渇、地球温暖化などの環境問題への意識の高まりから、バイオマスの利用が注目されています。バイオマスの中でも、 樹木由来の資源のことを「木質バイオマス」と呼びます。木質バイオマスは、天然林や間伐材・製材所から出るおが
などの木材
生産の副産物など多様で膨大な賦存量を有しており、木質バイオマスの利用は有用な選択肢の一つです。 当研究室では、木質バイオマスの家庭系用途として薪ストーブに着目した熱利用の可能性、燃焼灰の安全性評価について研究を行っ ています。
薪ストーブ
主に環境生態工学課程の 教育を担当する教員
Professor:
宮浦 富保
薪材
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URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/est05.html
Title:
森林のしくみを知りたい!!
専門分野 森林生態学 研究課題(長期) 樹木個体群の動態の解析 研究課題(短期) 森林内の樹木の枯死過程、里山 の利用に関する生態学的研究
森林の樹木の成長の仕方を物質生産の観点から研究しています。葉や枝の枯れる量と成長の関係を調べて、こ れらの情報から樹木の成長曲線の特徴を探っています。森林を構成する個々の樹木の動態が、森林全体にどの ようにインテグレートされていくのか、またそれがどのように個体に反映するのかということに関心がありま す。 スギやヒノキなどの、林業に使われる樹木を中心に、その成長量や木材の性質などの遺伝の仕方についても研 究を行っています。貴重な遺伝(子)資源の保全や、林業に役立つ樹木の育成といった仕事をお手伝いするた めに、いくつかの国を訪れました。世界の中で日本が果たすべき役割がとても大きいということを実感しました。 身近な自然環境である里山に関する生態学的な研究を行っています。里山は、かつて燃料や肥料の供給源でし たが、現在はほとんど利用されることなく放置されています。森林生態学の視点から、里山の現代的な利用方 法を提案するのが目的です。
ケヤキの巨木 幹の直径が2mを超える大きな ケヤキ。 優れた遺伝的性質の保存と利用 の方法を探索しています。 47
主に環境生態工学課程の 教育を担当する教員
Senior Lecturer:
山中 裕樹
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URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/est16.html
Title:
魚の DNA を追う! んだ水から魚の種類を特定する 川や海から
専門分野 環境 DNA 分析、水域生態学 研究課題(長期) 環境変動が動物個体の生理状態 と行動の変化を介して群集に与 える影響の予測 研究課題(短期) 環境 DNA による生物相・生物 量推定手法の高精度化
んできた水を分析すると、その中には様々な生き物の DNA が含まれています。こうした DNA は環境 DNA と呼ばれ、
古くから微生物の研究者がその場所に存在する微生物の種類を明らかにするために用いてきました。しかし、実際には濾過して取 得した DNA の中には微生物以外の、例えばカエルや魚や、果てはクジラやカワウソなど、水に関わって暮らしている他の生物の DNA も含まれていることが明らかになってきました。この環境 DNA 分析を環境保全や資源解析に利用しようとする研究が近年急 速に進展しています。 私たちの研究室では実用化が始まったばかりのこの環境 DNA 分析技術のさらなる発展を目指して基礎研究に取り組んでいます。 水から DNA を効率よく集めるにはどうしたらいいか、そして、そこに生息している生物を高い感度で検出するにはどうしたらい いか、これらの課題に果敢に取り組んでいます。環境 DNA 分析技術が成熟して一般的に利用できるようになれば、これまでの生 き物の調査が一変します。短時間で、広範囲にわたって生物の生息場所を明らかにできるのです。
群集の種組成解析(数万種をカバー)
主に環境生態工学課程の 教育を担当する教員
Professor:
遊磨 正秀
83
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/est06.html
Title:
里川・里地における人為作用と 生物の応答
専門分野 動物生態学 研究課題(長期) 環境に対する人為作用と景観変 遷、および生物の応答 研究課題(短期) 琵琶湖と河川を回遊する魚類生 態と保全
地球上に限られた量しかな い淡水に依存して暮らす生 物は実に多い。人もそうで あるがゆえに、自然生態系 とさまざまな干渉が続いて きた。しかし一方で、水田 や水路などは人手が加わり 続けた場所であればこそ、 自然の湿地の代償として多 くの淡水生物を残存させて きた。かつて、人手が加わ り続けたことにより生物多様性が維持されてきた里山自然もしかりである。そしてわたしたちは、これらの身近な自然に囲まれて、 それぞれの人の原風景が形成され、地域の文化を築かれてきた。身近な自然における生物多様性とそれから形成される自然文化を 維持するために、里川や里山における人為作用とそれに対する生物の応答について、残されている多く疑問に挑んでいきたい。
48
主に環境生態工学課程の
Associate Professor:
教育を担当する教員
横田 岳人
84
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/est11.html
Title:
森林の生産性と更新に及ぼす動植物 の相互作用
専門分野 森林生態学、自然環境保全 研究課題(長期) 森林生態系のバランスと持続可 能性 研究課題(短期) 森林植生荒廃の原因分析と森林 再生技術の開発
私は、人間活動や野生動物が森林の植生変化にどのような影響を与えているのかについて調査研究している。森林を構成する植物 は、生態系へエネルギーを取り組む生産者として重要な役割を果たしているが、森林を利用する消費者である人間や野生動物の活 動が、森林生態系に大きな影響を与えている。生態系は種々の生物のバランスの取れた活動の中で維持されているが、そのバラン スが崩れれば、生態系の様相は一変し、多様性 の高い自然が失われていく。特に生産者 である植物が被害を被ると、生態系を利用する動物も大きな影響を受け、自然の荒廃を加 速させる。ひどい場合は図に示した例のように、森林植生の荒廃の結果、植生の単純化と 植被の消失が進み、急傾斜地では土壌が流亡し、樹木が土壌を保持できずに倒伏し、土砂 崩れや山腹崩壊を引き起こすこともある。こうした植生荒廃のメカニズムと本来の生態系 の状態を探るため、比較的健全な森林生態系 を舞台に、主に物質収支の観点から、森林 生態系を構成する動植物の相互関係を調査し、持続可能な森林生態系の状態を見出そうと 研究している。また、自然が荒廃していくメカ ニズムを探り衰退している森林を健全な方向に 誘導し、自然を再生する技術を開発するのが、 最近の研究テーマになっている。
林床植生の荒廃による山腹崩壊の危険
主に環境生態工学課程の 教育を担当する教員
Professor:
Lei,Thomas Ting
85
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/est07.html
Title:
植物の不思議な環境適応
林床植生の荒廃による山腹崩壊の危険森 林植生が荒廃した結果、植生の単純化と 植被の消失が進み、急傾斜地では土壌が 流亡し、樹木が土壌保持できずに倒伏し、 土砂崩れが起きることもある。
専門分野 植物生理生態学 研究課題(長期) 植物の環境適応:進化、分布と 表現型 研究課題(短期) ジンチョウゲ属植物の葉フェノ ロジー多型の進化適応
植物は世界中のいろいろな場所に生育し、進化してきました。生育場所では様々なストレスにさらされるため、それぞれの環境に 適応しないと生き残ることはできません。研究室公開では、植物の多様な展葉時期、開花時期、落葉時期の不思議な環境適応につ いて説明します。植物の適応度は、光合成を通じた年間の炭素獲得と密接に関わっていると考えられている。多くの植物は資源獲 得システムのありかたは各種の生育環境状況において、機能的特性を生かしながら適合していく。その不思議な環境適応を持つ、 いくつの植物例を展示する。
オニシバリの越冬葉
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光環境を測る全天写真
葉の炭素収支モデルと機能的合意性
主に教養教育を担当する教員 主に教養教育を 担当する教員
Associate Professor:
Augustine Jonathan
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URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/chem22.html
Title:
ハワイ移民史 二十世紀アメリカ音楽史
専門分野 思想史、比較文学、東アジア史 研究課題(長期) ハワイ移民史 二十世紀アメリ カ音楽史 研究課題(短期) 清朝末期の新聞史
専門は東アジア史です。歴史学は「暗記が多く難解な分野だ」という印象を学生は持っているようですが、決してそんなことはあ りません。社会思想史は、教科書の政治史とは異なり、古の一般民衆が何を食べ、どんな服を身に纏い、どのような夢を抱いてい たかを探求する学問です。グローバル史の視点から考えれば、文化の衝突は必然的なプロセスに思えるかもしれませんが、実は異 文化理解の最大の問題点は、 「言語の壁」ではなく、宗教、歴史、倫理感の 知識不足から生じるものだと実感しております。より相 対的な歴史観を身につけることが、東西文化交流史の研究者にとって不可欠だと思います。
主に教養教育を 担当する教員
Professor:
大西 俊弘
87
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/math12.html
Title:
数学教育 (テクノロジーを利用した数学科の教材・カリキュラム開発)
専門分野 数学教育、科学教育、情報教育、教 育工学、教育課程、形の科学
研究課題(長期) 数学教育を中心とした今後の科学教育の あり方 中等教育における教育課程全般のあり方
研究課題(短期) 1. 数学教育におけるテクノロジー利用 2. 統計リテラシーの育成 3. 高校の教育課程・学習指導要領に関する研究
中学生・高校生の多くは、数学を難解なものと思っており、どうしても嫌われがちな教科である。しかし、コンピュータでグラフ や図形などを描き、数学を視覚化すると、イメージが掴みやすくなり、数学学習のハードルを下げることが可能である。欧米では、 中学・高校段階から数学の授業でコンピュータ等のテクノロジーを積極的に利用し、数学の美しさや有用性を生徒に伝えることに 熱心に取り組んでいる。また、生徒も数学学習の道具として、コンピュータや電卓を積極的に活用している。 一方、日本では、従来型のカリキュラムと整合性がとりにくい等の理由で、数学教育へのテクノロジー利用はあまり普及していな い。当研究室では、数学教育用ソフト GeoGebra を用いて、日本の学校教育に適した教材(幾何分野が中心)を開発している。ま た、テクノロジーの利用を前提とした数学教育のカリキュラムについても研究している。
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主に教養教育を 担当する教員
Associate Professor:
古賀 功
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URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/koga.html
Title:
英語学習動機と会話意欲
専門分野 英語教育学 研究課題(長期) 英語学習要因の変動 研究課題(短期) 協働活動を用いた会話・動機要 因の変化
動機づけの研究は、私たちが何らかの行動を起こす理由を解明しようとする研究ですので、どの分野でも応用できま す。例えば、本当に楽しくて何かをやることはありますか。ゲームをする、読書をする、映画を見るなどといった趣味の ようなものは、誰かから強制されなくても自ら行うでしょう。このような行動は内発的動機によって引き起こされると考え られます。反対に、勉強が本当に楽しくてやっている学生は少ないかもしれません。単位、成績、将来の仕事といった 外的なプレッシャーを感じ仕方なくやることは、外発的に動機づけられていると考えます。 英語を勉強することも決して興味深いものではないかもしれません。しかし、英語を話したら通じた、英語で何かができ た、といったポジティブな経験をたくさんすることができたら、自信や達成感につながりもっとやってみようと思うかもしれ ません。また、近年留学生や海外からの旅行者も増えつつありますし、海外に行く機会もあるかもしれません。その際 に英語でコミュニケーションを取ろうという意欲が大切です。その意欲を高めるためには、不安を軽減し、自分は英語で 話せるんだ、という自信が必要になります。 動機づけ研究の 1 つの課題が、何がこのような自信・達成感・意欲を高めるのかを追求することです。
主に教養教育を 担当する教員
Professor:
里井 久輝
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URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/elec25.html
Title:
自然な英語音声(英語らしさ)の 習得
専門分野 音声学・言語学、英語教育 研究課題(長期) 自然な英語音声(英語らしさ) の解明 研究課題(短期) 言語リズム・イントネーション などの超分節的特徴の研究 母音・子音など個々の分節音の 研究
音声学は、英語教育はもちろん、工学や医学などとても多くの分野に応用できる学問ですが、一般には「発音」に深く関わる学問 と言えば分かりやすいかもしれません。ところで、 「何年も英語を勉強しているのにいっこうに英語がうまくならない」ということ を耳にすることがありますが、英語の発音に関しても、学習した年数に比例してどんどんうまくなるという話はあまり聞きません。 もともとリズムも音の体系も異なる日本語と英語ですから、日本語を母語とする日本人にとって英語の発音が難しいのはむしろ当 然のことです。「カタカナ英語でも通じさえすれば発音など問題ではない」とする考え方ももちろんあるでしょう。しかしながら、 より分かりやすく、またより容易にお互いの意思疎通をはかるためには、なるべく判明度・明瞭度(intelligibility)の高い英語らし い音声を習得することが重要になってきます。 そこで、英語母語話者ではない私達が、英語らしい自然な英語音声を習得するにはどうすればよいのだろうか、そのような問題意 識のもと、主として次のような研究に取り組んでいます。 Ⅰ 子音や母音といった個々の分節音に関する研究 Ⅱ アクセント・リズム・イントネーションなどの個々の分節音に付随してかぶさるように生じる超分節的音声特徴の研究 Ⅲ 音声に関わる心理言語学的研究 何気ない普段の会話も、実際には、まるでオーケストラのスコアのように、上記のさまざまな音声要素が組み合わさり処理される というとても複雑なプロセスを経て発話されます。そのようなプロセスを少しずつ解き明かし、得られた知見を大学から小学校に いたるまでの英語音声教育の場に還元できるよう研究を進めています。
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主に教養教育を 担当する教員
Senior Lecturer:
谷 綾子
90
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/math19.html
Title:
アイデンティティとイギリス文学
専門分野 ヴィクトリア朝文学 研究課題(長期) ヴィクトリア朝期における人々 の文化的アイデンティティ 研究課題(短期) 精神分析論から検証するジョー ジ・エリオット作品の個人化の 過程
私は、19 世紀のイギリス文学を中心に研究しております。文学の研究というと、ぴんとこない方もいるかもしれませんが、実際は 様々な分野の研究と交差する形で進められています。例えば、私の主な研究テーマは 19 世紀イギリス文学に表されている個人主義 やアイデンティティの形成ですが、一言に個の形成といってもそれについて調べるためには、精神分析学や哲学、または社会学的 な視点をもつ必要があり、ただ本を読んで感想を書く訳ではありません。文学のテキスト上における登場人物の
藤や苦悩の経験を、
精神分析学や社会学的なアプローチで読み解き、さらに文章の背景にある歴史的な事実を突き止めた上で、彼らの精神史を研究し ていくのです。私はジョージ・エリオットの作品を中心に、自我の形成というテーマを探求していますが、今後はエリオットに限 らず他の作家の様々な作品を資料として取り入れていく予定です。
主に教養教育を 担当する教員
Professor:
道元 徹心
91
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/math20.html
Title:
日本仏教における思想展開
専門分野 仏教学、日本仏教 研究課題(長期) 日本における仏教思想の展開 研究課題(短期) 比叡山を拠点とした浄土教、日 本天台の教学研究
龍谷大学の建学の精神にもとづく全学部必修科目「仏教の思想」を担当しています。仏教は、 およそ 2500 年前にインドで釈尊によっ て開かれた教えで、インドからチベット・中国・東南アジアや朝鮮半島そして日本へと伝わりました。仏教の中心思想は縁起とい う教えです。その思想は一貫性を持ちつつ、それぞれの風土と溶け合い、歴史事情や民族性を反映して多様に広がりました。 日本では聖徳太子によって仏教が本格的に導入され、奈良時代から平安時代、鎌倉時代へと移る中で思想的に大きく展開してきま した。平安期から鎌倉期にかけての思想展開が私の研究テーマであり、特に比叡山を中心とした教学に焦点を絞って研究していま す。 研究対象となるものは仏教文献です。龍谷大学の図書館は貴重な仏教文献が数多くあることで知られており、仏教研究には大変恵 まれた環境といえます。最近では経典や仏教論書などの多くがデジタル化されており、仏教研究にもパソコン使用が欠かせません。 私はここ数年、データベース解析を使った独自の研究手法で複数の仏教典籍の比較検討を進めています。今後も、既存の仏教文献 をはじめ大学の内外に新出の仏教文献を求めて研究を進めたいと考えています。
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主に教養教育を 担当する教員
Professor:
渡辺 英児
92
専門分野 スポーツ運動心理学
URL: https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/teachers/chem14.html
Title:
運動・スポーツの実践による 心理的効果 私の主な研究活動としては、1)スポーツや運動によるヘルスプロモーションと 2)スポーツパフォーマンスの向上に関する 2 点 であります。私はこれまでに特別な運動習慣がない高齢者を対象に運動教室を運営する中で運動による心理的、身体的効果に関す る一連の研究を行ってきました。具体的には、1)運動が高齢者の生活の質(quality of life : QOL)の向上や心理的安寧や社会的 健康に対する影響、2)運動量や運動強度が及ぼす心身への効果、などについて検討してます。従来からエアロビクスにおける生 理的効果を求める場合にはアメリカスポーツ医学会などによれば週 3 ∼ 5 日、中等度、20 分程度というガイドラインが出されて おります。私の研究成果からは、心理的効果、社会的効果を求める場合においても、週 2 日以上、中等度(乳酸性閾値水準) 。ウ エルラウンドエクササイズなどを取り入れることによって大きな効果が認められることを報告してます。 一方、スポーツ競技力向上を目的としての研究は、最高のパフォーマンスを発揮するための心理的準備などが挙げられます。ロン ドンオリンピックやリオデジャネイロオリンピックにおいても、心理的な立場から全日本女子バレーボールチームに対して心理的 スキルの活用法について選手やコーチに対して指導を行いました。ロンドンオリンピックでは 28 年ぶりのメダル獲得にも貢献し ました。 以上のように、私が行っている 2 つの研究は、対象者の違いがあるものの実際のフィールドでデータを収集し、得られた知見がメ ンタルヘルスの獲得や競技力向上のための具体的な方法としてフィードバックされています。
53
実験実習 上原 徹
93
藤井 大輔
97
担当
担当
情報処理教育システ ム運用
電 子 情 報 通 信 実 験・ 計算機実習等
熊野 雅仁
進藤 康則
94
98
担当
担当
電 子 情 報 通 信 実 験・ 計算機系実習
物 理 実 験・ 機 械 シ ス テム工学実験等
小島 肇
西村 和男
95
99
担当
担当
学部共通情報環境の 運用管理
物 理 実 験・ 機 械 シ ス テム工学実験
関本 達生
本田 尚義
96
100
担当
担当
学部共通情報環境の 運用管理
工 作 室・ 機 械 シ ス テ ム工学実験
54
今井 崇人
101
105
担当
担当
電子顕微鏡
カメラなどの映像/ 録音機器を用いた演 習等
白井健士郎
102
寄能 雅文
106
担当
担当
無 機 合 成 化 学 実 験・ 化学基礎実験等
計 算 機・ 情 報 機 器 を あつかう演習
前田 尚志
林 珠乃
103
107
担当
担当
有 機 合 成 化 学 実 験・ 化学基礎実験等
生 物 多 様 性 実 習・ 野 外調査実習他
松中 岩男
桧尾 亮一
104
担当
機 器 分 析 化 学 実 験・ 物理化学実験等
55
岩嶋 浩樹
108
担当
「測量学及び実習」
4年間のプロセス
※先端理工学部の内容は予定であり、 変更する場合があります。
確かな専門性と広い視野を養う教育を展開。 持続可能な社会の発展に貢献で 先端理工学部は分野を横断した柔軟な学びができることが特徴ですが、入学後はまずそれぞれの課程で、専門性を高めます。そのうえで、自身の興味関心に
意欲を引き出し自主的な人を育てる先端教育
1
2
年生
4年間の土台を作る
年生
専門基礎を学ぶ
基礎の学び 基礎をしっかり 身につけられるように 学びの土台をつくる
確実な学び 所属する課程の専門分野の 基礎知識をしっかり学び、 実験・実習の基礎技術を体得
充実した初年次教育 教養科目 フレッシャーズセミナー ● 理工学のすすめ ● 情報基礎 ● ●
6つの課程で それぞれの 専門性を高めつつ 興味に応じて他分野にも
サポート体制 初年次学修支援センター ● オンライン学修システムMaple T. A ● 到達度試験 (数学) ●
学びの領域を広げる
チューター(学部)大学院生による個別指導。
グローバルな視点を養うSTEP Intensive English Program
英語コミュニケーション能力とグローバル実践力を養成
ネイティブ講師による英会話力向上を目的としたアクティブラーニング形式の少人数プログラム。
ASEANグローバルプログラム
学修の仕方、学びに対する動機づけ
就職へのSTEP
キャリア意識・職業観を育成
社会的自立につなげる実践的キャリア(人間力育成)教育を実施
就 職を意識した初年次科目
デザイン思考
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Eye 100 龍谷大学のすべてを体感、
きる人材を育成します。 基づいて、学びの分野を広げていきます。
3
100人の目線ムービー
(左)研究室公開 (右)強磁場パルス着磁用電源の開発 機械システム工学科 4年生 端山 拓臣さん(滋賀県立八日市高校 出身)
4
年生
専門力を鍛える
卒業後の進路
年生
研究に没頭する
主体的学び 専門科目が本格化 自身の興味関心に応じて 他分野プログラムの履修も可能
深く広い学び
理工学研究科
4年間の集大成、 卒業研究がスタート 進路を明確にして具体的な活動を
充実した専門教育により 専門性を深める
環境インフラ
数理解析
SDGs(持続可能な開発目標) 都市環境テクノロジー
現象の数理
R-Gap
情報科学
生物多様性サイエンス
環境 生態工学 課程
先端環境モニタリング 生命機能化学
人工知能
● 長期
インターン シップ
数理・ 情報科学 課程
データサイエンス
● 留学
大学院へ進学
リアル&バーチャルメディア
など
応用ソフトウェア
知能情報 メディア 課程
25の多彩な プログラム
電子 情報通信 課程
スマート情報システム IoT・通信ネットワーク
応用化学 課程
機械工学・ ロボティクス 課程
電子デバイス・マテリアル
より専門的な研究で、
環境共生 エネルギー
高度な知識と技術を
高機能新素材
習得する
先進エコマテリアル バイオニックデザイン
航空宇宙
モバイルロボティクス
先端ロボティクス
先進機械工学
さらなる国際性と倫理観を養う 理工学研究科の国際展開 海外留学研究プログラム ● RUBeC演習の実施 ●
グローバル人材育成プログラム
インターンシップなどで 社会とのつながりを実感する
実社会への理解を深め、 進路目標に 即して求められる能力を知り、 身につける
社会発展に貢献する 世界水準の人材・研究者に
理工インターンシップ プロジェクトリサーチ
就職
先端理工学部教務課
(お問い合わせ)
〒520-2194 大津市瀬田大江町横谷 1-5 TEL : 077-543-7730(ダイヤルイン) FAX : 077-543-7749
https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/