Summary of RYUKOKU Vision 2020 龍谷大学第5次長期計画 第1期中期計画総括
瀬田キャンパス
Summary of RYUKOKU Vision 2020 龍谷大学第5次長期計画 第1期中期計画総括
CONTENTS
2
0 1. OUTLINE
第5次長期計画について
6
02. RESULT
これまでの事業概要と主な取組・成果
8
03. METHOD
第5次長期計画の推進方策
18
04. PROGRESS
アクションプランの進
20
05. VISION
第5次長期計画の今後の展望
22
06. for the NEXT GENERATION
ポスト5長や創立400周年を見据えた取り組み
23
第5次長期計画 第1期中期計画総括
状況
深草キャンパス
第5次長期計画 第1期中期計画総括
3
■第5次長期計画 第1期中期計画 主な実施事業 2010年度
2011年度 政策学部開設(2011.4)
政策学研究科開設(2011.4)
教学改革
2012年度 文学部臨床心理学科開設 文学研究科臨床心理学専攻
短期大学部 こども教育学科開設(2011.4)
ハワイオフィスを開設 (2011.4)
国際化政策
国際交流会館 「りゅうこく国際ハウス」を開設 (2013.3)
新たな「課外活動支援方策」
教
【硬式野球部】 2012年全日本大
育
【バドミントン部】 2014全日本学生
課外活動支援
2013全日本学生 【端 艇 部】 2014関西選手権 【柔 道 部】 2013ユニバーシ 【吹 奏 楽 部】 2014全日本吹奏 【陸 上 競 技 部 】 2013日本学生陸
入試政策
【卓 球 部】 2013年度全日本
「龍谷大学入試基本戦略」 を策定(2011.2)
【女子バレーボール部】 2014年度西日本
「障がい学生支援委員会」 の設置(2012)
学生生活支援
キャリア支援
多様な「キャリア支援施策」 を開始(2010∼)
研
進路決定率の推移 93.3%(2011)
93.6%(2012)
研究者データベースの 構築(2011.4)
究
「社会連携・社会貢献 連絡会議」の設置(2012)
社 会 貢 献
大 学 運 営 ・ 財 政
4
第5次長期計画 第1期中期計画総括
大学執行部体制を 整備・強化 「広報基本戦略」の策定 (2010)
新しい「龍谷ブランド」 の開発(2012.9)
「財政基本計画」の改訂 (2010.7)
深草キャンパス 22号館(2012.9)
2013年度
2014年度
(2012.4) 開設(2012.4)
2015年度 国際学部を深草キャンパス に設置(2015.4)
教養教育センターの設置 (2013.5)
農学部を瀬田キャンパス に設置(2015.4)
「龍谷大学国際化ビジョン 2020」を策定(2014.7)
留学生受入プログラム 「JEP Kyoto」を展開(2015.4)
第2期中期計画の主な課題
● 龍谷スタンダードの形成 ● 既存学部の改革 ● 大学院改革 ● グローバル化の推進 ● 課外活動の充実 ● 志願者の安定的な確保策
を展開(2012 ∼)
● 高大連携方策
学選手権大会 ベスト4 バドミントン選手権(女子)準優勝 2013関西 学生リーグ(春・秋)男女優勝
● 自律的学生支援
選手権 女子シングルス 優勝 他 男子舵手付きフォア 優勝 2014全日本大学選手権 男子 ダブルスカル 準優勝 他 アードカザン大会女子57kg級3位 2013年全日本学生体重別選手権大会 全日本強化指定選手2名 他 楽コンクール銀賞 2014全日本吹奏楽コンクール関西大会金賞(代表) 他 上競技個人選手権 3000m障害 優勝(大会新記録) 他 大学総合卓球選手権大会ベスト8(女子団体) 2014秋期関西学生卓球リーグ 女子団体優勝 他 インカレ準優勝 2014年度秋期関西リーグ優勝 2013年度関西リーグ春秋優勝 他
「障がい学生支援推進委員会」を設置(2014.10) 「障がい学生支援室」の設置(2014.10)
93.8%(2013)
94.7%(2014)
世界仏教文化研究センター の設置(2015.4)
社会連携推進会議を設置(2014.4) 「社会連携支援室」を開設(2014.4)
● 世界的研究拠点の整備
● COCへの対応 ● 学内シーズの総合化
深草町家キャンパスを 開設(2013.5) 龍谷ソーラーパークを 開設(2013.11) 学校法人平安学園との 法人統合(2015.4) 深草キャンパス 和顔館(2015.4) 瀬田キャンパス 9号館(2015.4) コモンズスペースの整備
● ガバナンス改革への対応 ● IRの実質化 ● ブランディングの発展的展開 ● 財政基本計画の骨太化
第5次長期計画 第1期中期計画総括
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Summary of RYUKOKU Vision 2020
01. OUTLINE 第5次長期計画について
はじめに
第5次長期計画とは
本学は1975年に第1次長期計画を策定してから今日に至るまで、 5次にわたって長期計画を整備・展開し、全学的な改革に取り組 んできました。本学が「総合大学化」をめざし大学発展を図って きた近年、約40年の歩みに密接不可分に関係してきたのが長期 計画です。換言するならば、長期計画の策定と実施展開を繰り 返すことによって、本学は今日の8学部1短大9研究科1専門職大 学院、そして約2万人の学生を擁する総合大学に発展してきたと 言えます。
現在は、2010年度から2019年度までの10年間の計画期間を定 め、 「進取と共生、世界に響き合う龍谷大学」をスローガンとし て掲げ、全学を挙げて「第5次長期計画(以下、 「5長」という。)」 を推進しています。この5長では、大学の役割を 「教育」 「研究」 、 「社 、 会貢献」の三つに区分し、さらにこれを実行する上で不可欠な機 能として、 「大学運営」、 「財政・施設整備計画」の二つの要素を 加味した5つの視点から、全学で55の課題を掲げ、改革・改善 に取り組んでいます。 「5長」という共通の目的や到達目標に基づ いた様々な施策を講じることで、大学全体の活性化に取り組むと ともに、大学機能の充実を図り、高等教育機関として社会からの 負託に応え、社会をリードする大学をめざしています。
第1次長期計画を開始した1975年は、ちょうど「私立学校振興助 成法」が制定された年であり、私学助成が法的に定められ開始 された時期に重なります。当時は、中央教育審議会による「今後 における学校教育の総合的な拡充整備のための基本的施策につ いて (答申)」、いわゆる46答申によって高等教育計画が策定され、 量的規制が施されていた時代ですが、本学はこのような国の文 教政策によって「高等教育計画の策定」と「各種規制」が施され ていた時代から長期計画を策定・展開し、進取の姿勢をもって大 学改革に取り組んできました。
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第5次長期計画 第1期中期計画総括
5長は5年1期の中期計画を2期に渡って展開していますが、2014 年度末で第1期中期計画(以下、 「第1中計」という。 )が終了しま す。本冊子は、第1中計において計画した事業の推進状況を取り まとめ、主な事業成果を紹介するものです。
5長でめざすもの 5長では、そのグランドデザインにおいて、本学が果たすべき「使命」 、教育・研究・社会貢 献分野における3つの「基本方針」を掲げるとともに、5長完了時に到達すべき将来像として 「2020年の龍谷大学」を定め、これを実現するために様々な改革を推進しています。
使命 龍谷大学は、建学の精神(浄土真宗の精神)に基づく、すべての「いのち」が平等に生かさ れる「共生(ともいき)」の理念のもと、 「人間・科学・宗教」の3つの領域が融合する新た な知の創造に努めるとともに、人類社会が求める「次代を担う人間」の育成を図り、学術 文化の振興や豊かな社会づくり、世界の平和と発展に貢献することを使命とする。
基本方針 1.
教育にかかる基本方針 建学の精神に基づいて、 「平等」、 「自立」、 「内省」、 「感謝」、 「平和」の意味を深く理解 し、豊かな人間性と共生(ともいき)の精神を涵養するとともに、人間教育、教養教育、 専門教育を通じて、 「広い学識」と「進取の精神」を持って人類社会に貢献する人間を 育成する。
2.
研究にかかる基本方針 総合大学としての多様性と学際性を生かし、伝統と地域を基盤にした特色ある研究や 国際水準の強みのある研究に取り組み、国際的な学術文化の向上と科学技術の振興、 地域社会の発展に寄与する。
3.
社会貢献にかかる基本方針 社会の要請に応じて、産業界や行政、NPO、NGO等と連携を図りながら、社会人等 に対して、生涯にわたる多様な学びの機会を提供するとともに、研究や社会連携活動 を通じて持続可能な社会形成に寄与する。
2020年の龍谷大学(将来像) 1.
建学の精神に基づく人間教育によって、豊かな人間性と創造性を育み、広い学識と進 取の精神を培い、共生(ともいき)の精神を備えた人間を養成し世界に誇ることがで きる教育力のある大学になる。
2.
正課・課外活動を通じて、学生の主体的な活動を積極的に支援するとともに、学生自 らの人間的な成長を促し、自律的に行動する学生を輩出する大学になる。
3.
地域社会と国際社会に貢献することのできる優れた研究基盤を形成し、教育を重視す る大学を実現し、社会の幅広い分野で貢献しうる有為な人間を輩出する大学になる。
4.
長い歴史に育まれてきた伝統や京都・滋賀という地域を基盤にした特色ある研究を展 開するとともに、総合大学ならではの学際的かつ個性豊かで国際的に通用する研究を 推進する。そして、その成果を大学における研究・教育のみならず、広く社会全体に 還元することにより地域に貢献するとともに世界で躍動する大学になる。
5.
学生・教職員のそれぞれが、国際的な交流や共同研究をおこない、教育・研究の国際 化をさらに進め、多文化共生キャンパスを展開するとともに、教育・研究・社会貢献に おいて、情報基盤が整備された広範な国際的ネットワークを有する大学になる。
第5次長期計画 第1期中期計画総括
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Summary of RYUKOKU Vision 2020
02. RESULT これまでの事業概要と主な取組・成果 ませんでした。しかし、全体の78.2%にあたる43件の事業が進 段階③(60%)以上となっており、第1中計の事業全体の3/4 以上が事業展開を図っている状況にあります。
第1期中期計画の総括
第1中計では、 「教育」 「研究」 「社会貢献」 「大学運営」 「財政・ 施設整備計画」の5つの分野において、全学で55の事業を展開 しました。これらの事業については、それぞれの進 状況を6 種5段階に定義し、全体の進 管理を行いました(表1. 事業段 階の種類と進 割合の定義参照)。 進 の見られない、あるいは実施展開が難しいと判断し、事業 中止や執行部預かりとなった事業が5件、進 段階が20%に留 まった事業が4件、実施案としてとりまとめるに至らなかった進 段階40%の事業が3件、合計12件の事業が成案化するに至り
表1. 事業段階の種類と進
割合の定義
種類
進
計画・立案
進
段階①
進
段階②
実施準備・環境整備
進
段階③
実施展開
進
段階④
進
段階⑤
評価・改善
表2. 事業全体の進
概要
進
度
20%
実施案の「計画立案」段階に留まっている場合 実施案の「意思決定」段階に至っている場合
40%
(大学執行部へ上程し審議中の案件を含む) 意思決定を経て、事業の実施展開に向け、
60%
「実施準備・環境整備」の段階にきている場合
80%
実施展開へ移行し、改革が現在進行形で進んでいる場合 事業を実施した結果・成果が現れ始めている場合
100%
事業が完了し、評価及び改善段階に至っている場合
状況比率
事業分野
事業数
1
教育
27
2
研究
6
3
社会貢献
6
4
大学運営
11
5
財政・ 施設整備計画
5
総事業数
55
事業数比率
8
段階
意思決定
結果・成果
また、事業分野ごとに見ると、 「社会貢献」 、 「大学運営」 、 「財政・ 施設整備計画」など、大学執行部が一定のイニシアティブをとり 事業推進支援を行った事業は概ね80% ∼ 100%程度の事業進 状況になりました。一方で、 「教育」分野では70.4%、 「研究」 分野では50%の進 状況に留まっており、事業推進に課題を残 す結果とりました(表2. 事業全体の進 状況比率参照)。
第5次長期計画 第1期中期計画総括
第1段階
第2段階
第3段階
第4段階
第5段階
検討停止
20%
40%
60%
80%
100%
預かり
2
3
6
10
3
3
19
7.4%
11.1%
22.2%
37.0%
11.1%
11.1%
70.4%
2
0
3
0
0
1
3
33.3%
0%
50%
0%
0%
16.7%
50%
0
0
0
6
0
0
6
0%
0%
0%
100%
0%
0%
100%
0
0
0
5
6
0
11
0%
0%
0%
45.5%
54.5%
0%
100%
0
0
0
3
1
1
4
0%
0%
0%
60%
20%
20%
80%
4
3
9
24
10
5
60%以上の総事業数
43
7.3%
5.5%
16.4%
43.6%
18.2%
9.0%
60%以上の事業比率
78.2%
第3段階 以上の比率
補足説明
7割の進 度だが、第1段階に留まる事 業も3件ある 事業の実施展開が計画の半分に留まっ ている 全てが実施展開段階に至り、 ほぼ事業を達成した ほぼ、全ての事業を達成した 執行部預かりの1事業を除き、 ほぼ事業を達成した
第5次長期計画 第1期中期計画総括
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事業毎の主な成果 2010年度の5長開始以来、これまでの5年間に全学を挙げて様々 な大学改革に取り組んできました。その主な成果として次のよう なものがあります。 教育
教学組織の見直しと 既存学部の教学改革・新学部創設 国際文化学部を深草キャンパスへ移転・改組し、 新たに「国際学部」を設置
社会全体のグローバル化が加速する中、多様な人種、言語、文化 や価値観が共存し、それらを尊重し合うことができる「多文化共生 キャンパス」を国際都市「京都」で実現すべく、2015年4月に国際 文化学部を瀬田キャンパスから深草キャンパスへ移転し、同時に「国 際学部」へ改組します。新たに設置する国際学部は、多様な言語・ 文化を学びながらそれぞれの国や地域の社会問題を理解することを めざす「国際文化学科」と、高い英語運用能力(コミュニケーショ ン能力)と、グローバルな視点からの知識・思考力、世界でも通用 する倫理観を身につけることをめざす 「グローバルスタディーズ学科」 の2学科で構成されます。グローバルスタディーズ学科では実践的 な英語力を育成するため、新たに卒業要件として、TOEIC®730点 以上の取得が課されます。
10
第5次長期計画 第1期中期計画総括
瀬田キャンパスに「農学部」を新設
本学にとって9つ目の学部となる、 「農学部」を2015年4月に瀬 田キャンパスへ新設します。農学部では、生きていく上で欠かす ことのできない「食」とそれを支える「農」を「食の循環」という 観点で捉え、これに伴う様々な問題に向き合うことのできる人材 育成をめざします。 龍谷大学農学部では、 「農学」を総合的な学問と位置づけ、 「植 物生命科学科」 「資源生物科学科」 (自然科学系) 「食品栄養学科」 、 (家政学系)、 「食料農業システム学科」 (社会科学系)の4学科を 設置します。これらの学科では「食の安心・安全」や「持続可能 な社会」をキーワードに龍谷大学農学部ならではの多様な教学 展開を図る予定です。
学士課程教育の充実と学位の質保証 「3つのポリシー」の策定
全ての学部(8学部)及び短期大学部において、 「3つのポリシー」 (学位授与の方針/教育課程編成・実施の方針/入学者受入の方 針)を策定しました。これらは、本学各学部の教育に対する考え 方を表すものであり、受験生や保護者、一般社会に対する姿勢 を示すものです。今後はこれらをより実質化させていくことが課 題と言えます。
新たに早期卒業制度を整備
学生の多様な学びのスタイルに対応し、成績が優秀で、かつ学修 に対する高い意欲を持つ学生の能力をさらに伸ばす機会を提供す ることを目的に、本学大学院への入学を前提とした「早期卒業制 度」を整備しました。このことにより、5年間(学部3年+修士2
これまでの事業概要と主な取組・成果
年)で、2つの学位(学士及び修士)を取得することが可能とな りました。
大学院教育の再構築に向けた重点政策の検討 「3つのポリシー」の策定
大学院においても、10研究科全てにおいて、 「3つのポリシー」 (学 位授与の方針/教育課程編成・実施の方針/入学者受入の方針) を策定しました。今後は学部と同様にこれらを実質化させていく ことが課題と言えます。
教育の国際化の推進 多文化共生キャンパスの実現をめざす龍谷大学では、国際化を 更に推進させるために次のような取組を実施しています。また、 2015年度から供用を開始する深草キャンパス和顔館(旧1号館) には、国際化教育を促進させるため、グローバルコモンズを整備 し、イングリッシュラウンジ、マルチリンガルラウンジ、交流ラウ ンジ、自律型語学学修エリアなどを設ける予定です。同様に瀬田 キャンパスにもイングリッシュラウンジや各種コモンズ機能を整 備し、これらの取組を通じて、国際舞台で活躍できるグローバル 人材の育成をめざします。
海外拠点の充実と教育・研究の国際化推進
• RUBeC(Ryukoku University Berkeley Center) で 展 開 されるBIE Programの充実
• 新たな海外拠点としてハワイオフィスを新設 • マードック大学(豪州)とのDual Degree Programに関する
02. RESULT
協定を締結(国際文化学部)
教育の国際化の促進
• 受入留学生プログラム「JEP Kyoto(Japanese Experience Program in Kyoto)」の開発
• 学生交換協定校、海外派遣者学生数、受入外国人留学生数の 拡大
• 留学生と日本人学生が同居する留学生寮「りゅうこく国際ハウ ス」を開設
学生支援の充実 課外活動の活性化・強化に向けた取組
課外活動の活性化と強化を目的に2011年度に「重点・強化サー クル制度」の見直しを図りました。その結果、吹奏楽部、硬式 野球部、バドミントン部、柔道部、端艇部、女子バレーボール 部など、多くのサークルが全国的な活躍を見せています。今後は、 これらサークルの活躍を、本学全体の活性化に繋げていくことが 課題だと考えられます。
障がいのある学生支援に向けた取り組み
誰もが安心して学べる大学であるために、障がいを抱える学生の 支援を目的とした「障がい学生支援推進委員会」及び「障がい学 生支援室」を設置しました。障がい学生支援室では学生の自立 を支援し、学生が抱える様々な課題を自分自身で解決していける ようにサポートを行います。
第5次長期計画 第1期中期計画総括
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第5次長期計画 第1期中期計画総括
これまでの事業概要と主な取組・成果
「就職に強い大学」の実現 「就職に強い龍谷大学」の実現に向けた取組
龍谷大学では、 「就職支援に熱い大学」をキャッチフレーズに就 職支援の強化・充実に取り組んでいます。 「就職状況把握システ ム」の導入により、4,000人を超える卒業年次生の就職状況を 100%把握し、学生一人ひとりに応じたサポート体制を構築して ■龍谷大学 進路決定率〈グラフ1〉 95.0%
94.7%
94.0%
93.6%
入学者の質を重視した新たな入試戦略の構築 入学者の質を重視した入試戦略の構築
新 た な 入 試 戦 略 と し て「 龍 谷 大 学 入 試 基 本 戦 略2020 (RAS2020)」を策定し、多くの取り組みを展開しました。特 に高校や予備校への訪問活動を強化した結果、少子化で18歳 人口が減少する中、2012年度から志願者数が3年連続で増加
多様な層への学習機会の提供
93.3%
全学的な生涯学習機会の提供 91.7%
91.0%
90.0%
いる他、正課・正課外に限らずキャリア教育に係る様々な取り組 みを展開し、入学後4年間を通じた包括的なキャリア支援プログ ラムを提供しています。この結果、2013年度は、就職・進路決 定率94.7%、就職満足度87.5%という高い成果を達成しました。
しました。
93.8%
93.0%
92.0%
02. RESULT
2010年
2011年
2012年
2013年
2014年
龍谷大学が持つ多様な教学資源(シーズ)を活用し、生涯学習 機能の更なる充実を図りました。各拠点(京都、滋賀、大阪、東京) のコンセプトに応じて開催されるRECコミュニティカレッジは、 年間約400講座を展開し、1万人以上が受講しています。さらに、 企業連携講座(パナソニック、野村證券 他)や自治体連携講座(鳥 取県、京都市伏見区 他)、他大学連携講座(明治大学 他)の開 設など、幅広いニーズに対応した講座を提供しています。
第5次長期計画 第1期中期計画総括
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地域貢献型メガソーラー発電所 「龍谷ソーラーパーク」を開設
研究
特色ある研究の推進 本学の特色を活かした研究センターとして、2015年度から「世界 仏教文化研究センター」を設置すべく、全学的な検討を進めてい ます。ここでは世界レベルでの国際的な仏教研究の拠点形成を めざすとともに、本学独自の研究成果を創出し、それらを世界に 向けて発信していくことを計画しています。
研究者データベースの構築 本学が有する教育研究資源を、学内外に広く開示し、様々な分 野で役立ててもらうことを目的に、研究者データベースを構築し ました。この結果、本学に所属する教員とその研究分野、業績 が簡易に検索することが可能となりました。
東日本大震災の発生とそれに伴う諸問題の現状を踏まえ、中長 期的な課題解決に資する社会貢献方策を検討した結果、再生可 能エネルギーを活用した事業モデルとして、全国初となる地域貢 献型メガソーラー発電所「龍谷ソーラーパーク」を整備しました。 これは、本学と和歌山県印南町、 (株)京セラソーラーコーポレー ション、 (株)PLUS SOCIAL及びトランスバリュー信託(株)の 5者が連携してメガソーラーを建築し、その運用を通じて生じる 売電収益の一部を地域へ還元する地域貢献型事業モデルです。 2013年度の後期から稼働し、既に売電収益を和歌山県及び京 都府の地域社会や市民活動の資金として提供しています。
社会貢献
地域との多様な連携を推進する「社会連携推進会議」 「社会連携支援室」を設置 龍谷大学が従来から取り組んできた地域貢献活動や社会連携活 動に関わる6組織(REC、ボランティアNPO活動センター、矯正・ 保護総合センター、地域公共人材・政策開発リサーチセンター、 京都産業学センター、地域協働総合センター)を横断し、地域 貢献を推進する組織として「社会連携推進会議」を設けるととも に、その事務を処理し、対外窓口としての機能を担う「社会連携 支援室」を設置しました。これにより、地域の多様なニーズや課 題に対し、迅速かつ的確に対応することが可能となりました。
地域連携の拠点として深草町家キャンパスを設置 町家の利活用を通じて、教育・研究上の成果や学内資源を地域 に還元し、地域に開かれた大学として、地域社会と共に発展する ことを目的に、新たに「深草町家キャンパス」を設置しました。
地域貢献型メガソーラー発電所
エコキャンパスの実現 に向けた取組
深草キャンパス 2 号館屋上
本学は「温室効果ガス等、環 境への負荷低減がはかられ たキャンパスで、将来世代に向け全ての学生・教職員が環境問題 への取組を実践し、 その意識を醸成する場」をめざすべきエコキャ ンパスの姿として位置づけ、地球温暖化対策を実施展開していま す。2013年度は2005年度と比較し、建物1㎡当たりの原油換算 値で△8.65%、 CO2排出量で△12.22%を達成しました。 またソー ラーパネルを設置するなど、再生エネルギーの積極的活用を行っ ています。
■地域貢献型メガソーラー スキーム図
京セラソーラーコーポレーション 協力・協働
龍谷大学
社会的責任投資 (信託) 配当 (元本償還 20 年)
設置 ・運営
関西電力
トランスバリュー 信託株式会社 配当 信託
売電収入 (20 年固定 買取契約)
信託事業体 返済
融資
金融機関
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第5次長期計画 第1期中期計画総括
龍谷 ソーラーパーク
売電
事業会社 (株)PLUS SOCIAL 配当
協力・協働
利潤 寄付
印南町
助成
公益財団法人など
地域の NPO 社会福祉施設 学校/幼稚園
信託
これまでの事業概要と主な取組・成果
02. RESULT
深草キャンパス和顔館
深草町家キャンパス
第5次長期計画 第1期中期計画総括
15
大学運営
大学執行部体制の整備 副学長(常務理事)の1名増員や、担当理事制度の実質化、寄附 行為の内容を実態に即して改訂するなど、大学運営の執行体制 を整備・強化しました。
調査分析機能(IR機能)の整備 本 学の現 状 や 他 大学との相 関 関 係 等を客 観 的に捉 えるため に、多面的な視 点で比較 分析した資料として、 「Institutional research Report」 (IR冊子)を作成し、全構成員に配付しまし た(2013年度版はHPへ掲載)。これにより学内においてデータ 活用の有用性や、数値的根拠に基づく業務改善の取り組みが浸 透していると考えられます。
事務職員養成に資する人事制度改革の実施 大学を取り巻く外部環境が一層厳しさを増している中で、大学運 営を支え牽引していくべき立場にある事務職員を養成することが 求められています。こうした状況を踏まえて、事務職員の「資格 制度」 「給与制度」 「評価制度」 「研修制度」を改訂・新設するな どし、総合的な人事制度改革を実施しました。
内部質保証システム(自己点検・評価活動の実質化 と教員評価制度)の導入・推進 本学独自の内部質保証システムとして、各組織が毎年実施する「自 己点検・評価制度」と教員が自らの活動内容を点検する「教員 活動自己点検」を導入しました。また、これらの制度を支えるツー ルとして、 「自己点検・評価データベース」 、 「教員活動自己点検シ ステム」を運用し、組織的な資質向上に取り組んでいます。
大学広報機能の充実と強化 新たに「広報基本戦略」を策定し、 『龍谷ブランド』を開発しまし た。新ブランドでは、スローガンやロゴマークを一新し、龍谷大 学の新たなイメージ創出を図りました。 また、積極的な広報活動の結果、2013年度の広報件数は2009 年度と比較し、大幅に増加しました。 (リリース件数:172%、報道件数:293%)
財政・施設整備計画
「財政基本計画」に基づく5長事業の推進 5長の各種事業が財政的な裏付けを持ち確実に推進できるよう教 員・事務職員定員枠(人件費枠)や財務検証システム(財政ガイ ドポスト)、 「長期財政計画」を含めた全面的な「財政基本計画」 の見直しを図りました。これにより健全な財政基盤に基づき、安 定的な大学運営を実施しています。
教学施設の充実を目的としてキャンパス整備 深草キャンパスでは、多様化する学びへの対応や国際学部の設 置に備え、2011年度に「22号館」を、2014年度には「和顔館(旧 1号館)」を建築整備しました。また、狭隘化した深草キャンパス における教育環境の改善を目的に、近隣地も取得しました。瀬田 キャンパスにおいても、 「9号館(農学部新棟)」の建設や「コモン ズスペース」を設置するなど、全学を通して、学生が充実したキャ ンパスライフを過ごせるよう整備計画を推進しています。
■報道件等の推移〈グラフ2〉 (件)
4,500 4,084
リリース件数
4,000
報道件数
3,500
3,228
3,000 2,500 2,000 1,500 1,000
1,110
927
1,100
500 0
16
第5次長期計画 第1期中期計画総括
81
118
2009年
2010年
139
129
138
2011年
2012年
2013年
02. RESULT
これまでの事業概要と主な取組・成果
第1期中期計画への社会的評価 5長第1中計では、アクションプランとして55の事業を計画し、教 育、研究、社会貢献の各分野で、様々な事業成果を創出してき ました。とりわけ全国で35年ぶりとなった農学部の設置や、卒 業要件としてTOEIC®730点以上の取得を義務づけた国際学部 (グローバルスタディーズ学科)の設置は、時代のニーズに対応 した事業として、高校・大学の教育現場に留まらず企業や行政も 含め、各所から注目を集めることとなりました。 また、これらの事業展開に加え、大学広報機能の強化を図った ことにより、本学が新聞や雑誌等に掲載されるメディア露出度は 大幅に増加しました<グラフ2>。 大学の知名度や興味・関心度といった観点から捉えると、事業成 果の創出(アウトプット)と、それに伴うメディア露出度の増加(ア ウトカム)は5長の成果として着実に現れていると言えます。しか し、これらに対する社会的評価(インパクト)は、現時点では劇 的に向上しているとは言えない状況です。2014年度の志願者数 を2010年度と比較すると微増するに留まっています<グラフ3>。 また、リクルート進学総研が毎年実施している「進学ブランド力 調査」において、本学への「知名度」 「志願度」 (共に関西地区) はほぼ横ばいの状況です<グラフ4,5>。こうした社会的評価が 現れるためには、一定の期間が必要であり、改革をさらに進めて いくことが求められます。 とはいえ、志願者数においては2010年度から2014年度にかけ て18歳人口が3.3%減少し、関西8私大の中で3大学が100%を 割り込んでいる状況の中で0.6%増加していることは、徐々に改 革成果が現れていると言えます。また「進学ブランド力調査」で は、農学部の設置計画もあって2014年度の「理系」志願度が大
幅に上昇したことや、同じく「進学ブランド力調査」のイメージラ ンキングにおいて、2009年度と比較しランクイン項目の数が増 えていること<グラフ6>など、徐々に改革成果は現れており、こ の動きを本格的な志願者増加に結びつけるためにも継続した改革 への取り組みが望まれます。
■龍谷大学知名度ランキング推移(関西エリア) 〈グラフ4〉 リクルート「進学ブランド力調査」 (位)
2009年
2010年
2011年
2012年
2013年
2014年
1 2 4 6 8 10 12 14
全体
文系
理系
■龍谷大学志願度ランキング推移(関西エリア) 〈グラフ5〉 リクルート「進学ブランド力調査」 (位)
2009年
2010年
2011年
2012年
2013年
2014年
1 5 10 15
■18歳人口と大学別志願者数の推移〈グラフ3〉
20
140
130
龍谷大学
関西大学
京都産業大学
関西学院大学
近畿大学
同志社大学
甲南大学
立命館大学
25
全体
文系
理系
■リクルート「進学ブランド力調査」ランクイン項目〈グラフ6〉
18歳人口
リクルート「進学ブランド力調査」の各イメージ調査において、本学が 15 位 以内にランクインした項目の数
120
30
110
25 20
100
15 10
90
5 0
80
2010年
2011年
2012年
2013年
2014年
2009年 2014年
2009年 2014年
2009年 2014年
全体
男子
女子
第5次長期計画 第1期中期計画総括
17
Summary of RYUKOKU Vision 2020
03. METHOD 第5次長期計画の推進方策 【第5次長期計画の構造】
プロジェクト・マネジメントの特徴
グランドデザイン 龍谷大学の使命
5長では、事業を推進する上で様々な工夫を凝らし、 従来にはない新たな取り組みを行っています。
5つの基本方針
2020年の将来像
中長期計画としての特徴
ポスト5長へ
その一つが計画期間のターム設定とそのあり方です。 これまでは、1期10年の長期計画方式であったものを、 社会情勢の動きや文教政策動向など、外部環境の急 激な変化に対応すべく、1期5年の「中期計画」を改 善しながら2期にわたって展開する「ローリングプラン 手法」の「中長期計画方式」を取り入れました。
新(次期)中期計画 評価
軌道修正
第2期中期計画 評価
軌道修正
第1期中期計画
多重化した事業展開手法 また、計画を具体化していくための取り組みとして、 構想段階である『グランドデザイン』から、 『アクショ ンプラン』 、 『実施計画案』 、 『実施案』に至るまで、事 業の実現に向けたステップを4段階で整備し、各々の 事業の実効性を高めるように留意しました。
中期計画
具体的な事業実施計画は、事業目的、到達目的、必要な資源、実施行程、マイ ルストーン、実施体制、実施に要する戦術、評価基準などを具体的に設定する。 各中期計画は、事業方針から具体的な方策に至るまで以下の通り策定。 ①「アクションプラン」→ ②「実施計画案」→ ③「実施案」
ローリングプラン 計画の進 状況や学内外の環境変化を機敏に捉え、軌道修正を行い、常に適正 な中期計画へとブラッシュアップさせる。
① グランドデザイン <抽象的・概念的な位置づけ> 5長期における本学の使命を改めて取りまとめ、5長を展開する上での基本方針や事業の完遂段階 (10年後)の到達イメージ、 改革のあり方等を提示したもの。
② アクションプラン<改革の方向性をイメージできるものとしての位置づけ> グランドデザインに基づいた改革の方向性や実施手段、責任の所在、実施時期等を包括的に取りまとめたもの。
③ 実施計画案 <事業計画としての位置づけ> アクションプランに基づいた事業展開計画を具体的に明示したもの。
④ 実施案<実行プラン(実施展開プラン)としての位置づけ> マイルストーン、予算、所管部局、事業実施後の見通しや成果目標などをとりまとめた最終的な事業の実施計画プラン。
【5長事業の段階的整備】 各段階
① グランドデザイン
位置づけ
責任所在
概念的
抽象的
概要
総論
トップ主導
大学執行部
具体的
実践的
詳細
各論
ボトム主導
所属部局
② アクションプラン ③ 実施計画案 ④ 実施案
18
第5次長期計画 第1期中期計画総括
第5次長期計画の推進方策
事業推進に向けたプロジェクト・マネジメント
03. METHOD
①「中期計画推進委員会(中期計画策定委員会)」を編成
これまで本学では、現行計画を含め過去5次にわたって長期計画を 展開してきましたが、PDCAサイクルに基づく事業評価手法を含め、 組織的なプロジェクト・マネジメントに取り組んだのは、今般の5長 が初めてです。5長では、4長期における事業推進上の課題を踏ま え、アクションプランで掲げた事業を確実に実行し、その成果を創 出するために、プロジェクト・マネジメントの観点から様々な事業推 進上の工夫を凝らし、プロジェクト管理に取り組むことになりました。 5長全体の執行責任を担う「中期計画推進委員会」の設置や、大学 執行部とライン部局との連携を緊密に行うための「担当理事制度」 の実施、 「進 管理報告書」の定期的な提出の義務化などに取り組 んだ結果、4長期に生じたような事業全体の停滞を生じさせること なく、全学で一体感をもった事業推進を実現することができました。
大学執行部が所管する事業、各部局が所管する事業 の双方について、進
役割
管理を含め、事業全体の統括
管理を担う。本委員会が、大学執行部としての5長各 事業にかかる執行責任を担う。
②「5長推進会議(5長調整会議)」を編成 大学執行部が所管する5長事業の策定・立案を行うと ともに、各部局が所管する事業の後方支援、並びに5
役割
長全体の進
管理を含めたプロジェクト・マネジメン
トを担う。
【大学執行部とライン部局が連携した5長の執行体制】 2020年の龍谷大学像 ● 世界で躍動する大学
● 自律的・主体的な学生を育成する大学
● 多文化共生を展開する大学
第5次長期計画の概要と検討及び実施体制 第5次長期計画の検討・実施体制
第5次長期計画の概要 ①使命と基本方針 【ミッション】
グランドデザイン
第1期中期計画
部局長会
【ビジョン】 ②2020年の龍谷大学(将来像)
進
(5年間を規定)
アクションプラン
実施計画案
(5年間を規定)
(将来構想担当理事者)
担当理事参加
管理・相談
全学的検討プロジェクト(PJ)
実施案
各組織主体、検討プロジェクトが策定
第2期中期計画
5長推進会議
中期計画推進委員会
③課題と改革の方向性 【各種改革方策】
各検討主体で検討
検討PJ ①
検討PJ ②
各教学主体
検討PJ ③
検討PJ ④
各種会議
各種委員会 各種センター
●第1期中期計画の改善 ●第1期中期計画で不十分であった 事業の重点強化
部 局
●社会環境の変化へ対応 ●新たな課題への対処など
部 局
部 局
部 局
学内構成員への浸透方策
部 局
Concept Book等の作成・配布
実施事務局
事業内容の理解の深化・改善意識の浸透
財政基本計画
全学構成員の改革意識を発揚するための工夫
5長では本学の構成員全員が事業実施者としての立場を認識し、積極的に担当事業に取 り組めるように、4種類の学内浸透用冊子をインナーコミュニケーションツールとして作成 しました。 グランドデザイン
アクションプラン
5長の理 念や基 本方針、めざすべき将 来 像、 改革の在り方等を示したもの
グランドデザインに基づいた改革の方向性や 実施手段、責任の所在、実施時期等を包括的 に取りまとめたもの
Concept Book
–Ryukoku Vision 2020-
5長で取り組む改革内容やその計画を構想する に至った経緯、外部環境の厳しさ等を取りま とめたもの
Institutional Research Report 競合関係にある関西の主要8大学間における 本学の相対的なポジション(比較可能な入試・ イメージ・外部ランキング評価などを活用)を データに基づき可視化したもの
第5次長期計画 第1期中期計画総括
19
Summary of RYUKOKU Vision 2020
04. PROGRESS アクションプランの進 5長第1中計で実行された55のアクションプランの進 Act-P NO
大 項 目
1-1-2
教学組織の見直しと 既存学部の教学改革・ 新学部創設
1-1-3
アクションプランの概要
キャンパス配置転換とそれに伴う 学部教学の充実方策検討
100%
既存教学組織の教育内容とキャンパス配置について、社会情勢や受験動向、地域性などを考慮 して最適な配置転換を行う。
瀬田キャンパスへの新学部 設置の検討
100%
「人間・科学・宗教」の教学理念に基づいた新たな教学展開を図るために、瀬田キャンパスに 新学部の設置を検討する。
新教学展開の検討
事業中止
既存の教学資源(学部)を基礎に、建学の精神に根ざした本学独自の新たな教学展開の検討 を行う。
検討項目
「龍谷スタンダード」の形成
1-2-1
40%
本学の教育力を表すものとして「龍谷スタンダード」を確立し、国内外に発信する。
3 つの方針(ポリシー)の策定
80%
「学位授与の方針」 「教育課程編成・実施の方針」 「入学者受け入れの方針」の3つのポリシー を策定し、本学の個性化・特色化を具現化する。また、それらを学内外に積極的に公開し、本 学の教育姿勢をアピールする。
1-2-3
個性的で充実した教育を実現する ための教育システムの再構築
60%
「教育課程編成・実施の方針」 (CP)を定めていく中で、各教学主体の CP 達成のための現行 の諸手法、支援体制を精査・見直し、教育力の向上に寄与する。
1-2-4
教養教育のあり方の検討
80%
教養教育のあり方を、組織体制の改革も含めて見直す。
1-3-1
3 つの方針(ポリシー)の策定
60%
各研究科は、修士、博士課程ごとに人材養成の目的及び、課程ごとの「学位授与の方針」 「教 育課程編成・実施の方針」 「入学者受け入れの方針」 (3 ポリシー)を明示・公表し、個性化・ 特色化を具体化する。
大学院カリキュラムの再構築
40%
各研究科が有する人的・知的資源を有効に活用し、魅力あるカリキュラムを実現し、学生の安 定的な確保を図ると共に、大学院教育を向上させる。
大学院入試制度の再構築と 国際化の推進
40%
大学院規模を見直すと共に、入試制度、広報戦略、留学生の受入環境の整備等を検討し、定 員充足率の安定化を図る。また、研究と教育の高度な連携を実現することにより、国際的に通 用する大学院教育を実現する。
海外拠点の拡充と教育・研究の 国際化推進【RUBec の充実】
60%
海外拠点の拡充と教育・研究の 国際化推進【海外拠点の拡充】
60%
海外拠点の拡充と教育・研究の 国際化推進【海外協定校との教育促進 】
60%
教育の国際化の推進【受入】
80%
教育の国際化の推進【派遣】
80%
主体的活動の推進と 自立性・公共性の醸成
20%
学生の自主性を高めるための方策
20%
1-5-2
奨学金制度の充実
60%
意欲と能力のある学生や優秀な学生が本学で学ぶ機会を確保するために、経済的困窮学生への 支援方策を含め、本学独自の奨学金制度を受験生にも分かりやすい形で一層充実させる。
1-5-3
課外活動強化策の検討
80%
これまでの課外活動強化策を総括し、全国トップレベルのサークルを戦略的に育て、本学の知 名度・ブランド力の向上を目指す。
80%
戦略的なキャリア支援ポリシーを確立し、就職実績の底上げを行うことによって、就職に強い大 学としての社会的評価とブランドを形成する。
「入学者受け入れの方針 (アドミッション・ポリシー)」の策定
100%
本学の「アドミッション・ポリシー(AP) 」を策定し、本学入学までに学んでおくべき科目や身 につけておくべき素養などを明示する。
志願者数の新たな目標設定と安定化
80%
「志願者5万人政策」を総括するとともに新たな志願者目標を設定し、大学経営の安定化や教 育の質向上に資する入試制度を確立・展開する。
入学者の質を重視した入試戦略の構築
80%
AP に基づいた新たな入試制度について検討し、 入学者の「質」を重視した入試戦略を構築する。
接続教育の拡充
80%
高大連携方針の見直しを行い、接続教育のあり方を再構築する。
80%
多様な層の様々な学習意欲に対応できうる学習機会を提供し、本学の知的資源や教育・研究成 果の社会への還元を図る。
龍谷総合学園や他法人との連携充実
事業中止
龍谷総合学園を中心とした高大連携と幼児・初等教育段階からの一貫教育を推し進め、龍谷 大学独自の特色ある教育を確立するとともに、本学に対する帰属意識の喚起と、龍谷ブランド の向上を果たす。
他大学(短期大学を含む)との連携
事業中止
近隣大学(短期大学、大学院を含む)との教育連携を推進し、教育・研究の多様化・学際化 を図ると共に学生間交流を通じて学生の資質向上・人間性の涵養に取り組む。
1-2-2
1-3-2
学士課程教育の 充実と学位の質保証
大学院教育の再構築 に向けた重点政策の 検討
1-3-3
1-4-1 ① 1-4-1 ② 1-4-1
教 育 1-4-2 ③
教育の国際化の推進
① 1-4-2 ② 1-5-1 1-5-4
学生支援の充実
1-6-1
就職支援の充実
1-7-1
1-7-2 1-7-3
入学者の質を重視した 新たな入試戦略の 構築
1-7-4 1-8-1
1-9-1
多様な層への 学習機会の提供
教育連携の さらなる充実
1-9-2
20
状況は、次のとおりです。 進 状況
中項目
1-1-1
状況
第5次長期計画 第1期中期計画総括
「就職に強い大学」の実現
全学的な生涯学修機会の提供
グローバル化が進み、国際的な教育・研究の質保証が求められる現代社会にあって、本学が教 育・研究の両面において、国際水準の高等教育機関としての認知を獲得するための施策を全学 的に講じる。
各学部・研究科において国際化政策を策定し、それを踏まえて全学的な施策を確立する。それ に基づいて、優秀な人材を確保するため、受入留学生数の規模や方策を検討し、実施する。ま た、送り出し学生を増加させるための方策も併せて検討し、多文化共生キャンパスを確立する。
学生の主体的な活動を促すと共に、関連部署と協力の上、次代のリーダー養成を目指したプロ グラムを開発・実施するとともに、自立性・公共性を高める取り組みを実施する。
アクションプランの進
Act-P NO
大 項 目
中項目
重点研究政策 研究①
強みのある研究と特 色のある研究を推進 するための環境整備
研究②
研究③
研 究
研究④
適正な研究評価制度 に基づく研究員制度 の柔軟化と研究資金 の重点配分 社会から評価される 研究の推進と外部研 究資金の確保 研究成果の社会に向 けた発信力強化
研究⑤
検討項目
評価結果を用いた改革の推進 【研究プロジェクト】
進 状況
60%
評価結果を用いた改革の推進【付置研究所】
20%
評価結果を用いた改革の推進【研究員】
20%
研究成果・研究者情報データベースの構築 と積極的広報展開
60%
その他 【学外研究資金の確保】
60%
事業中止
状況
04. PROGRESS
アクションプランの概要
■ これまでの研究活動を総括し、総合大学として学問研究の全体的なバランスの取れた発展 を基本としつつ、強みや特色を有する研究分野の選択集中化を図り、本学の個性化・特色化を 実現し他大学に類を見ない研究拠点を形成する。 ■ 研究員・付置研究所・研究プロジェクト等に対する研究評価制度を構築するとともに、研 究員制度の抜本的見直しを行う。 ■ 研究成果や学内シーズ、保有知財等を把握・データベース化するとともに、積極的に広報・ 公開することにより、社会に対する説明責任を果たし、本学の研究活動に対する社会的評価を 向上させる。また、学外研究資金の積極的な獲得をめざすとともに、その円滑な運用を行うべく、 事務組織の見直しを行う。 ■ 各付置研究所等の特色や役割を再検証し、付置研究所等の統廃合や新設を含めた検討を 行う。本学の特色や強みに加えて、基礎的・萌芽的研究を遂行するに相応しい研究推進体制を 構築する。
2-4-1
研究支援体制の整備 と新展開
高度専門職人材の配置
3-1-1
地域社会への貢献
地域社会への貢献
80%
地域社会と連携を図りながら本学の教育・研究を発展させ、その成果や学内資源を地域に還元 し、地域に開かれた大学として、ともに発展する。
3-2-1
産官学連携の推進
産官学連携の推進と連携体制の再構築
80%
REC 創設以来、他大学に先駆けて推進してきた産官学連携事業について、時代や社会ニーズ の変化等を考慮しその総括・見直しを行い、本学における産官学連携事業の再構築を行う。
産官学連携の推進
知的財産ポリシーの策定等
80%
知的財産ポリシーを策定し、知財マインドの啓発をはかり組織的な知財展開を行うとともに、学 部・大学院における知財教育も強化する。
社会貢献活動におけ る新たな拠点形成
大阪梅田キャンパスでの新たな拠点展開
80%
京都・滋賀地域を中心に展開してきた社会貢献事業について、大阪梅田キャンパスを新たな活 動拠点として、大阪・兵庫地域を中心とした広域展開を行い、関西圏における本学のイメージ 向上と地位の確立を図る。
3-4-1
ボランティア活動の推 進
ボランティア活動の推進と「市民社会の担い 手」の育成
80%
学生や教職員のボランティア活動を積極的に支援・推進し社会貢献に資するととに、建学の精 神や共生の理念を具現化した豊かな人間性と行動力を兼ね備えた「市民社会の担い手」を輩出 する。
3-5-1
環境問題への積極的 取組み
環境問題への積極的な取組みとエコキャンパ スの実現
80%
環境問題への積極的な取り組みを通じてエコキャンパスを実現し、持続可能社会の構築に貢献 するとともに、全構成員の環境に対する意識の向上・啓発を図る。
100%
昨今の急激な外部環境の変化を踏まえ、これに柔軟に対応したトップマネジメント(大学運営) 体制を整備する。また、現状の大学運営実態に即して、寄附行為の見直しを行う。
80%
担当理事制度を実質化させるための方策を検討するとともに、担当理事の業務を明確にし執行 権限と責任をわかりやすくする。また、ライン上における責任体制を明確化する。
3-2-2
3-3-1
社 会 貢 献
大学執行部体制の見直しと整備
4-1-1
4-1-2
大学執行部体制の 整備
4-1-3
4-1-4
4-2-1
4-2-2
大 学 運 営
大学運営を支援する 事務体制の整備
担当理事制度の実質化
研究支援・産学連携コーディネートが出来る高度専門職人材を配置する。
団地単位の運営体制の検討
100%
団地単位の運営体制について検討する。
理事職としての資質向上に向けた取り組みの 実施
100%
大学経営者としての意識と知識を培うとともに、理事職としての資質向上を図るため、大学執行 部を対象とした組織的な研修および研究を実施する。
調査分析機能(IR 機能)の整備
100%
大学経営を支え、意思決定を支援する調査分析機能(IR:Institutional Research)を学長 室に整備する
渉外機能の充実
100%
大学執行部レベルで対外的な渉外機能の向上を果たし組織的に対応できる体制を確立する。
4-3-1
事務職員人事制度改 革の促進と人材育成
事務職員人事制度改革の促進と人材育成
80%
大学運営を支える事務職員を養成するための人材育成計画の充実を図る。
4-4-1
自己点検・評価活動 の実質化
自己点検・評価活動の実質化と教員評価の 導入
80%
龍谷大学独自の自己点検・評価・改善・実行システム(内部質保証システム)の整備を図る。また、 社会への説明責任を果たす一方策として教員評価制度を導入する。
4-5-1
大学広報機能の強化・ 大学広報機能の強化・充実 充実
100%
広報基本戦略に基づき、計画的に広報活動を全学展開することにより、広報目標を効果的、か つ効率的に達成する。また、新たな龍谷ブランドの発信と浸透により、内外に統一した大学イメー ジを形成する。
4-6-1
保護者・卒業生との 連携強化
保護者(親和会)・卒業生(校友会)との 連携強化
80%
本学の就職率の向上や産学連携の拡大推進、寄付金の増大、本学の全国的知名度の向上とブ ランド価値向上などを図るべく、親和会・校友会と大学との連携を強化する。
4-7-1
危機管理体制の整備
危機管理体制の整備
80%
日常から危機発生時の即応体制を組織的に整備する(クライシス・マネジメント)とともに、危 機回避策(未然防止策)に係る体制を整備する(リスク・マネジメント) 。また、リスク回避に 向けた日常的な啓発活動に取り組む。
5-1-1
財政基本計画の見直 し
財政基本計画の見直し
100%
今日の社会情勢や、現行の財政基本計画の運用実態に鑑み、これまでの基本方針を継承し つつその内容を全般的に見直し、5 長を支え、ポスト 5 長の基盤となる財政基本計画を策 定する。
5-2-1 ① 5-2-1 ② 5-2-1 ③
その他
財 政 ・ 施 設 整 備
キャンパス施設整備計画と財政についての 検討 キャンパス施設整備 計画と財政について
キャンパス施設整備計画と財政についての検討 (瀬田隣接地の具体的な利用方策の検討)
新学部設置に係る新棟建設計画の推進につ いて 「龍谷ラーニングコモンズ」の形成
80% 事業中止
キャンパスの施設を全学的に再整備するための施設整備計画を構築する。また、瀬田隣接 地の利用方策についても検討する。
80% 80%
学生の学習成果(ラーニングアウトカムズ)を高める支援を提供し、各教学主体の特性に配慮 した効果的な学習支援空間を構築する。
第5次長期計画 第1期中期計画総括
21
Summary of RYUKOKU Vision 2020
05. VISION 第5次長期計画の今後の展望
第2期中期計画に向けて 第5次長期計画の前半期計画である第1中計は2014年度で終了 し、2015年度からは後半期計画である「第2期中期計画」 (以下、 「第2中計」という。 )が始動します。第2中計における基本的な 方向性として、第1中計事業をそのまま継続することは想定してい ません。第1中計における事業は原則として、①事業の完了、② 経常事業への移行、③事業中止のいずれかの措置がとられること となります。このことでメリハリのある事業運営を進め、選択と 集中を図り、限られた経営資源を有効に活用していきます。
第2中計における事業展開の方向性としては、以下のとおり、大 きく分けて3つの方策(カテゴリー)、5つの事業領域が考えられ ます。これらの枠組みの中で、各々の事業のプライオリティーを 決め、重点的な事業展開を図っていくことになります。
事業区分
第 2 期中期計画にむけての課題
教育
自律的学生支援、グローバル化(国際化)方針、龍谷スタンダード、大学院政策の抜本的見直し、3 ポリシー の実質化、既存学部の改組・改革、志願者の安定的な確保策、平安高校との有機的な連携、今後の高大連携 方策、課外活動施設の充実など
研究
世界的研究拠点の整備、外部資金の獲得、既存研究の見直しなど
社会貢献
COC への対応、農学部を含むシーズの総合化など
大学運営
ガバナンス改革への対応、IR の実質化、ブランディングの発展的な展開など
財政・施設整備計画
中長期的な施設更新計画、財政基本計画の骨太化など
Category - A 個性化(特色化)戦略
Category - B 経営基盤の盤石化戦略
Category - C 機動的対処戦略
22
しかしながら、それでも重要な事業や今後の発展が見込まれる 事業、社会的ニーズの高まりにより対応が不可欠な事業などがあ ります。それらを踏まえ、第2中計における政策課題を、次のと おりまとめました。
第5次長期計画 第1期中期計画総括
1)特色化戦略、個性化方策として展開する事業領域 (Individual Scheme) 2)第1期中期計画の事業から進化させ発展させていく事業領域 (Evolution Scheme) 3)第1期中期計画の事業から深化させ充実させていく事業領域 (Enhancement Scheme) 4)財政的な側面を含め、本学の持続可能性を高めていく事業領域 (Sustainability Scheme)
5)外部環境の変化へ機動的かつ柔軟に対処する事業領域 (Flexibility Scheme)
Summary of RYUKOKU Vision 2020
06. for the NEXT GENERATION ポスト5長や創立400周年を見据えた取り組み
将来への持続可能性 本学は今から25年前に創立350周年を迎え、瀬田キャンパスを 開学するとともに理工学部と社会学部を設置し、文理総合大学 の実現と学生数1万5千人体制を確立しました。これからの未来 を俯瞰すると、25年後の2039年に本学は創立400周年を迎え ます。その時代においては、少子高齢化はさらに加速度を増し、 大学存立に関わる厳しい経営環境を迎えていると推測されます。 そのような時代にあっても、本学の個性と特色を活かし、持続 可能性を備え発展する大学にしていくことが、今の時代に生きる
我々現役世代の使命です。このため、今後、厳しい経営環境に 入る5長の後半期、第2中計を策定するにあたっては、5長がめざ す「2020年の龍谷大学」の実現もさることながら、2030年代 の龍谷大学、さらには創立400周年を迎える2039年、すなわち 2040年代という四半世紀先をも見据えた取り組みが求められま す。 25年後の世の中を予測することは不可能に近いですが、その時 代に本学が発展し社会的な使命を果たしている大学となることを めざし努力していくことが、その実現に向けた近道であると認識 します。そのためにも、なお一層、全学が協力し一丸となって5 長改革を進めていく必要があります。
大宮キャンパス 本館
第5次長期計画 第1期中期計画総括
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2014 年(平成 26 年)12 月 発行 龍谷大学 学長室(企画推進)