英語の時制を習得する ~時制を学び取り、正しい英語を使えるようにする~
無料版
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【はじめに】
このレポートは無料版になります。 有料で説明してきたことの一部抜粋になります。 しかし時制を最低限学べるものとなっています。 この無料版だけでも時制を学べるものなので、しっかりと読み進めて 時制を学んでください。
無断転載等は厳禁です。
英語の時制は 12 種類あるもので、時間をかけて学ぶことが大事です。 実践ではとても大事になるものなので、確実に理解しなければなりません。 英会話でも時制は大事です。 時制を間違うとおかしな意味になり、意味が伝わらないこともあります。 時制を正しく使えるように、基礎から学んで行って下さい。 e-book の説明は以下でしていますので、参考にしてください。
時制を学びネイティブ英語を身に付ける
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【第 1 回】
第 1 回目は現在形についての説明です。 現在形と言ってもたくさん説明することがあるので、少しずつ説明をして行きたいと 思います。 焦らずじっくりと進めていきます。
それでは第 1 回目を始めて行きます。
《現在形》
☆I go to work by train. 「電車で通勤しています」
☆He gets home at six. 「彼は 6 時に帰宅している」
☆She washes the dishes. 「彼女は皿を洗っている」
「現在の習慣」の意味で使われている例です。
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体を動かす意味の動詞が使われているので、動作を 意味していることになります。 現在している動作を意味しているということは、現在の習慣を 意味していることになります。 体を動かさなければ出来ないものなので、習慣となりますが 現在時制に変わりはありません。 現在時制とは前回説明しましたが、現在だけではなくて 過去も、未来も意味が少し入ってくるということです。 現在を中心に過去、未来を言っているので、非常に幅広い 意味を出します。 このことは常に意識していなければなりません。 さて、動作を意味する現在の習慣ですが、前回にも言いましたが 現在時制は、全て、現在の状態を意味することになるのです。 状態とは、動きのない意味を持つ動詞を用いている場合に なりますが、動作を意味している動詞がある時でも、現在の 状態を意味していると言えるのです。 例えば
☆I go to work by train.
この文は、電車で通勤している、という意味ですが もちろん「go」が使われているので、動作を意味しています。
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動作を意味しているということは、現在の習慣を意味しています。 しかし、これも結局は現在の状態を意味しているのです。 なぜかというと、動作と言っても「~をする状態に入っている」 「~をする状態にある」ということになると考えられるので 常に現在形は「現在の状態」と考えることが出来るのです。
☆I go to work by train. 「現在、電車で通勤するという状態にある」
となります。 「行く」という意味の動詞が使われていますが、何にしても 「現在の状態」を意味することになります。 ここでは「通勤するという状態にある」となります。 この考え方で、現在形は理解が出来ます。 なお、現在時制なので、もちろん過去、未来も入ってきます。 電車で通勤するというのは、今日だけではなくて、昨日も 先週も、先月も入っていることになると考えられます。 そして、明日も来週も来月もその通勤手段は変わらないと 考えるのが普通です。 ですから、細かく訳せば
☆I go to work by train.
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「過去から現在未来にかけて、電車で通勤するという状態に入っている」
となります。 現在、過去、未来と幅広い意味を持つのが現在時制なので このことを忘れてはいけません。
他の英文も同じことです。
☆He gets home at six. 「彼は 6 時に帰宅している」
これも、「帰宅する」という意味を出しており、現在の習慣を 意味しています。 しかし「~をする状態にある」と考えることが出来るので そう考えるようにします。 また、過去、未来も含んでいるということも忘れてはいけません。 今日だけ、6 時に帰宅するのではありません。 昨日も明日も、先週も来週もというように、過去も未来も 入っているのです。 ですから、日本語に細かく出せば
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☆He gets home at six. 「過去から現在未来にかけて、彼は 6 時に帰宅するという状態にある」
となります。 こう見ると、この人は常に 6 時に帰宅しているということが わかります。 過去から現在未来にかけて、なので、本当にいつもという 意味になります。 さて、最後の文を見ておきます。
☆She washes the dishes. 「彼女は皿を洗っている」
これも同じことです。 過去から現在未来にかけて、という意味が入ってきます。 そしてさらに、状態の意味も考えます。 ですから
☆「過去から現在未来にかけて、彼女は皿を洗うという状態にある」
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となります。 毎日毎日皿を洗っている場面を想像してください。 毎日毎日休みなく皿を洗っているのです。 主婦の人はまさにこの状態でしょう。 毎日皿を洗うという状態にあるのです。
さて、現在の習慣を意味する場合ですが、「状態にある」と 考えることが出来るので、結局は状態の意味になります。 しかし、動作を意味する動詞を使っている場合に限るので 動作を意味しているかどうかをしっかりと判断しなければなりません。 これは、現在時制よりも現在進行形の時に重要になってきます。
動作を意味している動詞なのか、状態を意味している動詞なのか しっかりと区別をしてから、意味を出すようにします。 まず「go」「get」「wash」が出てきましたが、他にも数え切れないほど 動作を意味する動詞はあります。
☆I walk home. 「歩いて帰宅している」
☆I drink wine. 「ワインを飲んでいる」
☆I clean my teeth. 「歯を磨いている」
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☆I sell cars. 「車を売っている」
などなど、他にも数え切れないほどあります。 動作を意味する動詞であれば、現在形で使っている時は 現在の習慣を意味します。 そしてそこから 「~をする状態にある」 という意味になります。 なお、最後にあげた「車を売っている」というような言い方は 職業を意味していることになります。 この言い方は大事なので、覚えておいて下さい。 職業を意味する場合は、現在形を用いて簡単に言うことが出来ます。 どうして、現在形を用いて言うことが出来るかと言えば、既に 説明した通り、過去から現在未来にかけて、という意味が含まれているからです。 そして、何をしているのか、簡単に言うことが出来るので 現在形で職業を表すことが出来るのです。 例えば
☆I teach math in junior high school.
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こう言えば、中学校で数学を教えているということがはっきりとわかります。 もちろん、過去から現在未来にかけて、なので、昨日も先週も 先月も、来週も、来月も、ということになってきます。 この現在形は見ての通り、期間が限定されていません。 限定されていないということは、いつからいつまでなのかが 不透明になっています。 どうして不透明なのかと言えば、言っているのは現在を中心と したことなので、現在のことがわかれば良いということに なっているからになります。 過去、未来が入ってきますが、過去未来は漠然としたもので良いのです。 大事なのは、現在の意味があることなのです。 ですから、このことを意識すると
☆I teach math in junior high school. 「中学校で現在、数学を教えている状態にある」
となります。 ただし、この日本語では、現在時制の意味をはっきり表しているとは 言い切れません。 やはり、過去、未来をしっかりと意識しなければなりません。 こう考えると、現在時制の意味を日本語にしっかりと出すのは 非常に難しいということになります。
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☆He makes sushi. 「過去から現在未来にかけて、彼はすしを握っている状態にある」
こういうようにしておくのが、無難となります。 こうしておけば、間違うことはまずありません。 常に、過去、未来を意識することが大事になります。
さて、現在の習慣ですが、結局は現在の状態になるということを見ました。 「~をするという状態にある」 という意味になります。 このことをいつも頭に入れていれば、間違うことはありません。 また、過去から現在未来にかけて、なので、本当に長い期間 という意味になってきます。 ですから、「いつも」などの意味が含まれているということになってきます。
☆I walk home. 「いつも歩いて帰宅している」
とすれば、日本語でも現在時制のイメージが出てくるのでは ないかと思います。 「いつも」とあることで、過去から現在未来にかけて、という意味が 入っていると思います。
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日本語で簡単に言えば「いつも」となるかもしれませんが 英語の現在時制は日本語にないものなので、これが正解とは 言い切れません。 自分で考えた上で使うようにして下さい。
さて、今回は現在の習慣の場合を見たので、次回は本家本元 現在の状態の場合を見て行きます。 状態の場合は、体を動かさない意味の動詞を用いている場合になります。 既にサンプルでも取り上げていますが、例えば
☆I have blue eyes.
☆He lives in London.
☆She thinks he is wrong.
などの場合の本当の意味をしっかりと見て行きます。 また、今回の場合との意味の違いも見ていきます。 現在時制は、結局は現在の状態を意味することになりますが 現在の習慣と現在の状態にまずは分かれます。 その 2 つの違いをまずはしっかりと理解することが大事になります。
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【第 8 回】
前回まで、現在時制を見ていました。 現在時制に関する説明が終わったので、今回から 過去時制を見て行きます。 過去時制は、現在時制ほど複雑ではありません。 時制の中でも、かなり単純なものとなります。 時制は複雑なものが多いですが、過去時制に関しては 簡単ということが出来ます。 なお、過去時制は簡単ですが、過去進行形、過去完了形 現在完了形との使い分けが大事になって来ます。 ここでは、過去時制の説明だけなので、過去時制をしっかりと見て行きます。 他の時制は、それぞれしっかりと説明をして行きます。
それでは、早速見て行きましょう。
《過去時制》
☆I had a car.
☆He went to Tokyo last night.
☆She studied English for five years.
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過去時制が使われています。 現在時制の場合は、現在の状態と習慣になり、結局は 現在時制は、現在の状態を意味するということを見ました。 しかし、過去時制にはまず状態と習慣というものがなく 過去の状態であるとか、そんな考えはありません。 細かく考えれば、過去の状態であるとか考えることも 出来ますが、過去形には細かいことは必要ではありません。 過去時制は、単に過去の出来事を言っているに過ぎません。 過去の出来事だけを言っているものなので、状態であろうが 習慣であろうが、そんなことは気にしないのです。 過去のことである、ということだけを言っているので それ以外のことは、気にする必要はありません。 ですから、意味を取る時にも、他の事を気にすることなく 過去のことであるということだけを理解すれば良いのです。 さて、例文の訳を取ると
☆I had a car. 「車を持っていた」
となります。 これで十分になります。 状態であるとか、習慣であるとか、そんな考えは全く不要になります。
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過去における出来事、過去の事実を言っているということになります。 「過去において、車を持っていた」と言っているだけに なるので、他の意味は何も入ってきません。 状態、習慣などややこしいことがないのが、過去時制の特徴となります。
こう見てくると、過去時制というのが簡単であるということが わかると思います。 過去時制は、過去形で訳せば良いものなので、過去形で 訳していれば、間違うことはありません。 さて、次の例文ですが
☆He went to Tokyo last night.
これは、はっきりと「昨夜」ということを言っています。 もちろん、過去の出来事なので、過去形が当然のように使われています。 日本語に訳すと
☆「彼は昨夜、東京に行った」
となります。
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過去の出来事を、過去時制を用いて言っているだけになります。 現在時制でも、副詞などを用いて、時間の幅を限定することが ありましたが、過去時制でも同じことがあります。 過去時制の場合は、はっきりと過去とわかるものが来る場合も 多いので、わかりやすいものとなっています。 ここでは「昨夜」なので、見た瞬間に過去のこととわかりますが その前に「went」が来ているので、これを見た瞬間に 過去時制だと理解が出来ます。 さて、最後の例文を見ておきます。
☆She studied English for five years.
これも、過去時制が使われています。 これは「5 年間」というものが、最後に来ています。 先ほどの例文は「昨夜」だったので、わかりやすかったですが 今回の場合は「5 年間」となります。 「5 年間」と期間を意味するものが来ているので、過去時制を 使うかどうか迷うことになります。 しかし、過去の出来事、過去の事実を言うだけなので 過去時制を用いることになります。 「5 年間」であろうが、「10 年間」であろうが、過去であれば 過去時制を用いるのです。
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期間を示すものが来る場合は、現在完了、過去完了などを使う と覚えていれば間違いますが、過去の事であればどんな場合でも 過去形を用いるのです。 ここは、過去のことなので、過去時制が用いられているだけなので 難しく考える必要はありません。 単なる過去時制です。 ですから
☆She studied English for five years. 「彼女は、5 年間英語を勉強した」
となります。 過去において、5 年間英語を学んだ、ということになります。 あくまでも、過去のことを言っているだけになるので、現在時制とは 明らかに違うものとなり、他の時制とも違うものとなります。
過去のことを言う場合は、過去時制だけを用いることになります。 他の意味を出す時には、過去完了形や過去進行形などを用いることも ありますが、過去のことを単純に言う場合は、過去時制のみを用いれば良いのです。
さて、先ほどから、過去のこと、過去の出来事、などと言っていますが このことをしっかりと理解しなければなりません。 過去のことなので、現在のことでは絶対にありません。
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もちろん、未来のことでもありません。 過去のことは、過去のことにしかならないので、このことを しっかりと理解しなければなりません。 もう一度例文を見ておきます。
☆I had a car.
☆He went to Tokyo last night.
☆She studied English for five years.
これらは、全て過去時制ですが、過去のことしか言っていません。 現在のことは何も意味していません。 ですから、現在は意味していない、現在は含まれていないと言う ことを確認しておかなければなりません。 また、過去時制で言われているということは、その出来事が既に 終わったということを意味しています。 既に過去において終わったので、過去形が用いられているということになります。 過去において終わったから、過去の出来事、ということになります。 過去において終わったということは、現在とは何の関係もないということになります。 過去において終わり、現在とは関係がないということは
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現在では、その出来事は起こっていない、ということになります。 つまり、現在と過去では反対になると言うことになります。 過去に起こったものは過去に終わり、現在には起こっていない となるので、過去と現在は反対になります。 このことをしっかりと理解しておかなければなりません。 ですから
☆I had a car. 「過去において、車を 1 台持っていた」 (現在は、車を 1 台所有はしていない)
☆He went to Tokyo last night. 「昨夜、彼は東京に行った」 (現在、彼が東京に行くという行為はしていない)
☆She studied English for five years. 「彼女は、5 年間英語を学んだ」 (現在、彼女は英語を学んではいない)
となります。 過去形なので、言われていることは終わっていることになります。 ですから、全て現在とは反対になるのです。 過去のことと、現在のことは、直接繋がりはありません。
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ですので、反対を意味することになります。 過去の出来事とは、過去において終わっていることになります。 過去において終わっているものなので、過去形が用いられるのです。 なお、過去のことが、現在も直接関係がある場合は 現在完了形を用いることになります。 ですから
☆She has studied English for five years.
とすることになります。 こうすれば、現在も関係があるということを意味します。 現在完了形の説明は、現在完了形のところでしっかりとして行きます。
過去時制は現在とは関係がない、ということも大事になって来ます。 過去時制は、単純なものなのですが、現在時制とは関係がない ということを見落としがちなので、しっかりと理解しておかなければなりません。 過去において終わっていることを言っているので、必然的に 現在とは反対になります。 現在と反対になるのが過去形になるので、しっかりと 理解して、過去形を使わなければなりません。
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さて、過去時制の基本は、簡単なものなので、詳しい説明は それほどありませんが、ややこしい場合もあるのでしっかりと見ておきます。 今回は、過去時制の基本を説明したに過ぎませんが、まだ 過去時制で見ておくべき箇所は当然あります。 例えば、時制の一致はしっかりと見ておくべきものとなります。 また、過去の出来事を複数述べる場合も大事になって来ます。
まずは、今回見た過去時制の基本をしっかりと理解しておいて下さい。 過去時制は過去のことのみを言っているのであり、他の事は 気にすることはありません。 また、過去時制は現在時制と反対の意味を出すので、現在とは 繋がりがないということも大事になって来ます。
☆I was a student. 「学生だった」
という英文は、もちろん過去時制なので、過去のことをしっかりと 意味しています。 そして、現在は学生ではないということも言っています。 過去において学生であり、現在は違うということになります。 日本語でもわかると思いますが、英語の時制はかなり敏感なもの なので、時制の違いをしっかりと理解しなければなりません。
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次回は時制の一致というものを見ていきます。 別に難しいものではありませんが、時制の一致というルールを しっかりと見ておきます。 時制の一致を理解している人は少ないと思うので、しっかりと 見て行きます。 例えば
☆I thought he was right.
というものになります。 なお、英語の時制の一致は、日本語にはないものとなります。 ですから、日本語訳は考えて出さなければなりません。 英語の直訳で時制の一致を訳すことは出来ません。 時制の一致は、英語と日本語の違いを出しているものと言えます。
それでは。
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【第 13 回】
前回まで、時制の一致をしっかりと見ていました。 過去時制の中で唯一難しいのが時制の一致でしたが 一度理解すると、理解が出来るものとなりました。 時制の一致の説明が終わったので、今回からは未来時制を見て行きます。 未来と言うと「will」を思い浮かべると思いますが、「will」で 未来を意味することになります。 「will」は未来をしっかりと意味しているので、非常に区別がしやすく また、わかりやすいものとなっています。 しかし、この「will」の意味や、未来の意味をしっかりと理解しないと 意味を勘違いしてしまうこともあるので、しっかりとその意味を見て行きます。 「will」だけで未来を意味しますが、「will」以外にも未来を 意味するものがあるので、それらも「will」の後、しっかりと見ていきます。
それでは、早速見て行きましょう。
《未来時制》
☆He will be there tomorrow.
☆She will get a new job soon.
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これらは前回最後に載せておいたものです。 さて見ての通り「will」が使われています。 「will」が使われているということは、未来の意味を出していることになります。 未来なので、未来とわかるように訳す必要が出てきます。 前回「will」は「だろう」「でしょう」ではないということを 少し説明しておきましたが、未来の意味とわかるようにしなければなりません。 さて「will」の意味ですが、辞書を引けば多く載っています。 どれにするか迷うかもしれませんが「will」は未来を 意味しているものなので、未来とわかればそれで良いのです。 未来ということをもっと単純に考えて、「will」を理解していきます。 さて、例文ですが
☆He will be there tomorrow.
これは「tomorrow」があり「will」もあるので、誰がどう見ても 未来を意味しています。 これを、そのまま訳してみると
☆「彼は明日、そこに行くでしょう」
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という感じになります。 しかし、先ほども説明しましたが「でしょう」ではおかしな意味になります。 ここでは「明日」と明らかに未来があるので、未来の意味が しっかりとあることになります。 しかし、しっかりと「will」の意味を理解しておかなければなりません。 「will」は未来、を意味しているのです。 未来、ということは、過去でも現在でもありません。 簡単に言えば、「これからのこと」となります。 明らかに現在ではないのです。 現在ではなく、これからのことを言っているに過ぎないのです。
☆He will be there tomorrow.
この英文では「明日」と言っていますが、「明日」はもちろんこれからのことです。 これから明日はやって来るのです。 これから、ということが大事になって来ます。 「でしょう」「だろう」は断定を避けている表現であり 未来を意味しているものではありません。 これから、ということを踏まえなければなりませんが、これを そのまま日本語に出すのは難しいです。 「will」で未来とはっきりとわかれば良いということを優先させると 日本語訳は
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☆He will be there tomorrow. 「明日、彼はそこに行く」
となります。 「だろう」「でしょう」も何もありません。 しかし、これで未来をしっかりと意味しています。 これからのことである、ということは「明日」でわかります。 「明日」がしっかりと未来を意味しているので、何も言わなくても未来とわかります。 このように、未来をはっきりと意味しているものがある場合は 「will」の訳を出さなくても良い場合が多いのです。 「will」は未来のことを意味しているのであり、未来とわかれば 訳を表に出さなくても良いのです。 これからのことである、とわかれば良いのです。 現在でも過去でもない、未来とわかればそれで良いのです。
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さて、次を見ておきます。
☆She will get a new job soon.
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この英文は「soon」という単語があります。 これは「すぐに」という意味で、未来を意味しています。 ですから
☆「彼女はすぐに新しい仕事に就きます」
となります。 これは少し説明が必要かもしれません。 「すぐに」とは未来を意味していますが、それほど先のことではありません。 明日かもしれませんし、今日中かもしれません。 しかし、現在ではないことは確かです。 現在ではなく、これからのことになります。 ですから「will」が使われているのです。 現在は、まだ仕事を見つけていない状況になります。 現在彼女は、求職中なのです。 しかし、間もなく仕事を見つけるという雰囲気のようなものがあり この文を言っていると考えられます。 英文の意味をしっかりと取ると
☆She will get a new job soon. 「彼女は現在求職中だが、間もなく新しい仕事に就きます」
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ということになります。 ここでも「間もなく」とあるので、これからのことであるとわかります。 ですから、無理に「will」の訳を前に出す必要はありません。 未来とわかれば「will」の訳は必要ではありません。 「will」は未来を示すものであり、未来が示されていればそれで良いのです。 なお
☆She will get a new job soon. 「彼女は現在求職中だが、間もなく新しい仕事に就くでしょう」
と「でしょう」を用いて表現することも可能です。 しかし、これでは、「will」と少し離れた意味になります。 「でしょう」は断定を避けている感じになります。 しかし「will」にはそんな感じはありません。 「will」はしっかりと言い切っているのです。 未来というと、物事がまだ確定していないこともあり 断定を避けている感じがありますが、そんなことはありません。 「will」が用いられているだけのことであり、「will」は しかも、未来しか意味していないので、断定を避けている感じはありません。 「will」は何を言っているのかというと、これから起こることを言っているのです。 「未来において~が起こる」というようなことを言っているのです。 しっかりと断定しているのが「will」なので、断定を避けている 感じを与えるのは間違いになります。
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「will」が意味しているのは、未来になります。 さて
☆She will get a new job soon.
この英文ですが、仕事に就くのは、これからのことである ということだけを言っていることになります。 そして、具体的に未来のいつか、ということを「soon」で言っているのです。 ですから「間もなく新しい仕事に就く」という意味になるのです。 未来に起こる出来事を言っていることになるので これは新しい仕事に就く、ということになります。 ただし、現在はまだ仕事に就いていないことになります。 仕事に就くのは、未来なのです。
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「will」は未来をしっかりと意味しているということを忘れてはなりません。 「だろう」「でしょう」などという訳に気をとられてはなりません。 「will」は未来をしっかりと意味しているとわかれば 「will」の使い方で困ることはないでしょう。 なお「will」は未来を意味していますが、そこから色々な 意味、使い方に発展して行きます。 他の意味などは回を改めてしっかりと見ていきます。
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さて、ここで、「will」以外に未来を示すものが何もない場合を見ておきます。 例えば
☆I will pick you up at the station.
という英文です。 これは、「will」が使われていますが、それ以外は、どこにも 未来を示すものがありません。 「will」だけが未来を示しています。 こういう場合は普通にありますが、こういう場合はしっかりと 「will」の意味を出さなければなりません。 「will」だけが未来を意味しているので、この「will」の意味が 一番大事になって来ます。 さて「だろう」でも「でしょう」でもない「will」ですが 未来を示しているということをしっかりと出さなければなりません。 そういう場合は
☆I will pick you up at the station. 「これから駅に、迎えに行きます」
というようにします。
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はっきりと未来ということが、わかるようにしなければならないので このように「これから」と入れておけば、未来ということがしっかりとわかります。 なお、ここでは未来のいつのことなのかわかりません。 「これから」とすると、これからすぐ、という感じもありますが これが例えば、明日のことなら、そのようにわかるようにしなければなりません。 しかし、未来のいつのことなのかわからないのであれば 未来とわかるようにするだけで良いです。 これは幾つか日本語が出てきますが、はっきりと未来である ということがわかるようにすれば
☆I will pick you up at the station. 「未来において、駅に迎えに行きます」
とします。 こうすると、100%未来のことであるとわかりますが、しかし こんな言い方はしないのが普通です。 こんな言い方はしませんが、これは「will」の意味をしっかりと 表に出した意味になっています。 「駅に迎えに行くでしょう」 「駅に迎えに行くだろう」 ではないことは確かです。 「will」は未来しか意味していないので、その未来の意味を しっかりと出さなければなりません。
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「will」ですが、非常に単純なものとなります。 未来をしっかりと意味しているというだけのことになります。 未来とは、現在でもない、過去でもないもので、未来しかないのです。 未来しかないので、未来とはっきりとわかるように訳さなければなりません。 中途半端な訳では、間違ってしまいます。 辞書には色々な意味が載っていますが、「will」は「未来」と 覚えておけば、間違うことはありません。 「will」の適切な訳が日本語にないので、日本語が難しくなりますが 未来とわかればそれだけで良いのです。
☆I will be twenty next week.
はしっかりと「来週」とあるので「will」の意味を前に出す必要はありません。 ですから
☆「来週、20 歳になります」
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で良いのです。 これが「will」が使われている英文の正しい訳になります。
さて、「will」は未来を意味しているものですが、次回は 少し応用的な場合を見て行きます。 まずは疑問文の場合を見て行きます。 例えば
☆Will he come here?
☆Will you be free tomorrow?
という場合を見て行きます。 疑問文の場合も、辞書を引けば色々載っていると思いますが 疑問文であっても「will」に違いはないので、簡単なものとなります。 詳しい説明は次回にしていきますが、まずは「will」の基本を しっかりと抑えておいて下さい。 「will」は「未来」を意味しているのです。
それでは。
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【第 18 回】
前回まで「will」を見ていました。 「will」の本当の意味を知ることで、「will」が使えるようになったと思います。 「will」の意味をしっかりと理解しないと、とんでもないことになってしまいます。 さて、今回から予告通り、現在進行形を見て行きます。 現在進行形は「ing」形ですが、現在時制の仲間になるものです。 ですから、現在形との違いを理解する必要があります。 また「will」と似ている意味を出す場合もあるので、「will」との 違いも大事になって来ます。 英語の時制はかなり細かい意味があるので、使い分けが 大事になって来ます。 まずは現在進行形の基本を抑えることから始めて行きます。
それでは、早速見て行きましょう。
-----------------------------------------------------------《現在進行形》 ------------------------------------------------------------
☆He is studying English.
☆She is cleaning off the table.
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見ての通り「ing」形が使われています。 現在進行形は「be 動詞 ing」という形になります。 もちろん「be 動詞」は現在時制になります。 さて、現在時制なので現在の意味になりますが、「ing」の 意味をしっかりと踏まえておかなければなりません。 「ing」形が使われているということは、普通の現在形とは 異なるということになります。 しかし、日本語にはこの違いがなかなか出てこないので しっかりと本当の意味を見て行きます。 まず
☆He is studying English.
これはそのまま訳すと 「彼は英語を勉強している」 となります。 これはこれで正しい日本語訳となります。 しかし大きな問題が出てきます。 それは
☆He studies English. 「彼は英語を勉強している」
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という普通の現在形と全く同じ日本語になってしまうのです。 この現在形の日本語訳も正しいものなのです。 ということは、現在形、現在進行形、共に同じ意味に なるということになります。 しかし、あくまでもこれは日本語の話であって、英語では もちろん現在形と現在進行形は異なるものです。 英語ではしっかりと現在進行形の意味があります。 まず現在形の復習をしておきます。 現在形は、過去から現在そして未来にかけて、という意味になりました。 ですから
☆He studies English. 「彼は過去から現在、そして未来にかけて英語を勉強する状態にある」
となります。 見ての通り、非常に幅広い意味を持っています。 これに対して、現在進行形は、もちろんこんな意味はありません。 現在進行形は、「現在のみ」意味しているものなのです。 「現在のみ」とは言い換えると「今だけ」ということになります。 今の今、という感じの意味が、現在進行形にはあります。 過去、未来などの意味は現在進行形にはありません。 ですから、こういうことを踏まえると
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☆He is studying English. 「彼は本当に今現在だけ、英語を勉強している」
という感じになります。 これは例えば、目の前で行われていることが考えられます。 目の前で行われているものなので、今の今、ということになります。 まさに今、ということなので、現在進行形が使われているのです。 このように、今だけを意味するものが現在進行形なのです。 ですから、本当に現在だけを意味しているものとなるのです。
現在形は過去から未来までと幅広い意味を持つものでしたが 現在進行形は、今だけ、と非常に狭い意味しかありません。 ですから、使われる場面も限られてきます。 この「今だけ」ということを理解しておくと、現在進行形が しっかりと使えるようになります。
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さて、次を見ておきます。
☆She is cleaning off the table.
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これも今だけの行為を言っているのです。 そして、目の前で行われているという感じになっています。 今目の前で、まさに行われているので、現在進行形が使われているのです。 ですから
☆She is cleaning off the table. 「彼女は、今まさにテーブルを拭いている」
となります。 目の前で、テーブルを実際に拭いているので、現在進行形が使われています。 これは現在形になると
☆She cleans off the table. 「彼女は、過去から現在、未来にかけてテーブルを拭くという状態にある」
となります。 これは簡単に言えば「いつもテーブルを拭いている」という ことになります。 テーブルを拭くことを習慣にしているので、仕事でしている ということも考えられます。 いずれにしても、現在進行形と現在形の場合は大きく意味が
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異なることになります。
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さて、ここまで見てきたことをまとめておきます。 現在進行形は、「今だけ」を意味しているものです。 そして「be 動詞 ing」形になります。 この 2 点が現在進行形の特徴になりますが、注意点は 使われる動詞になります。 動詞とは「ing」形になっているもののことで、この動詞に特徴があります。 現在進行形で使われる動詞は、原則として動作動詞になります。 つまり、動きを意味している動詞になります。 動きを意味していない動詞は状態動詞と言いますが 状態動詞は原則として使いません。 しかし、使う時は使います。 動作動詞を用いることで、動作が進行している様子を 表現することが出来ます。 動作動詞なので、色々とありますが、動きを意味していれば動作動詞になります。 逆に状態動詞を覚えれば、動作動詞がわかってくることになります。 状態動詞は、例えば
☆think,love,like,hope
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などになります。 これらは体を動かさないものです。 「考える」「愛する」「好む」「期待する」などは、体を動かす必要の ないものとなります。 体を動かさないので、状態動詞となります。 なおこの状態動詞も現在進行形で言うことが出来るのです。 ですから
☆She is thinking something.
などとすることも可能です。 しかしこの場合は意味が少し変わってきます。 まずは動作動詞の場合をしっかりと理解して行きます。
動作動詞が使われている時は、今まさに目の前で行われている という感じになります。 目の前で行われているので、現在動作が進行中であるという ことがしっかりとわかります。
☆He is running the park.
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このように言えば、今まさに目の前で公園を走っていることになります。 実際に目で見ているので、現在走っているということがしっかりとわかるのです。 現在進行しているものなので、現在進行形が用いられています。 本当に、今まさに、という意味になります。 なおこれも現在形で言うと
☆He runs the park. 「彼はいつも公園を走っている」
となります。 簡単に言えば「いつも」なのでこうなります。 現在形で言う場合と、現在進行形で言う場合は 大きく意味が異なるものなので、その意味の違いを しっかりと理解しておかなければなりません。
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現在進行形は、今の今だけを意味するものです。 ですから現在形とは大きく異なるものになります。 過去から現在、未来にかけて、という現在形と現在進行形は 全く違うものです。 こう見てくると、現在進行形こそが現在を意味しているということになります。 今の今だけを意味しているものなので、真の現在を意味している ものが現在進行形になります。
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もちろん現在形で現在を意味することが出来るのですが 現在形の場合は、長い期間を意味するので、どうしても 過去、未来の意味が入ってきます。 しかし、今の今だけを意味する現在進行形には、今しか 意味がないので、他の意味は全くないのです。
☆I go to work by bus. 「バスで通勤しています」
という英文は、昨日も今日も明日も含まれている感じになります。 通勤方法が毎日変わるとは考えられません。 決まっているのが普通なので、過去も未来も含むと考えられます。
☆He is going to work by bus. 「彼は今まさに、バスで通勤している」
と現在進行形で言う場合は、本当に今行われている 動作を言っているだけになります。 ですから、昨日は電車で通勤したのかもしれませんし 昨日は歩いて会社まで行ったのかもしれません。
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現在進行形からわかることは、今だけになります。 今だけしかわからないので、昨日のことなど何もわからないのです。 現在進行形は、本当に「今だけ」を意味しているものです。 日本語では現在形と現在進行形の違いがないのですが 英語を日本語に訳す際は、その違いがわかるようにする必要があります。 「今だけ」なのか「いつも」なのかわかるようにしておくことが大事になります。 例えば
☆「彼女はいつも読書をしている」
☆「彼女は今まさに読書をしている」
この日本語だと、すぐに英語で表現が出来ます。 「いつも」「今まさに」があるので、英語ですぐに表現が出来るはずです。 ですから
☆She reads books.
☆She is reading a book.
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となります。 なお「books」と「a book」の違いですが、いつも読書しているのなら 一冊であるはずがありません。 絶対に何冊も読んでいます。 ですから複数形になります。 今まさに読書をしているという場合は、1 冊の本を読んでいる ということになります。 まさか同時に何冊も読まないと思うので、1 冊を読んでいる となり、単数形になります。 このように現在形、現在進行形で名詞も変わってくるので 名詞の変化にも注意しなければなりません。
今回はまだ現在進行形の基本的なことだけしか見ていないので まだまだ説明が足りませんが、それでも大事な点はしっかりと説明しました。 現在進行形は今だけを意味しているものであり、現在形とは 大きく異なるものです。 そして原則として現在進行形は動作動詞が使われます。 「考える」「思う」「好む」など体を全く動かさないで 出来るものは、普通使いません。
次回は、その普通使わない状態動詞の場合を見て行くことにします。 例えば
☆I’m loving the weather today.
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☆I’m living in London.
などを見て行きます。 状態動詞の場合はもちろん他にもありますが、有名な状態動詞の 場合から、しっかりと見て行きたいと思います。
それでは。
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【第 24 回】
「be going to do」、現在進行形を見てきました。 これらの説明が終わったので、今回から過去進行形を見て行きます。 過去進行形は現在進行形が過去になったものとなります。 過去時制自体が、現在が過去になったものとなるので考え方は単純になります。 しかしあくまでも英語では単純なものであり、日本語では 単純とは言い切れません。 日本語にはもちろん英語の時制などないので、英語の時制を しっかりと学んでいかなければなりません。 過去進行形は過去形との区別が大事になってくるものです。 どう違うのかも見て行きます。 それでは、早速見て行きましょう。
-----------------------------------------------------------《過去進行形》 ------------------------------------------------------------
☆When I knocked the door, he was studying English.
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過去進行形が使われている例です。 過去進行形は「was/were ~ing」という形を取ります。 この形は別に難しいことではありません。
大事なのは意味になってきます。
さて、この英文の意味を取るのは簡単です。 日本語に訳しておきます。 日本語は
☆When I knocked the door, he was studying English. 「ドアをノックした時、彼は英語を勉強していた」
ということになります。 この日本語訳ですが、過去進行形の意味が出ているとも言えますし 出ていないとも言えます。
過去進行形は過去のことを言っていることになりますが 過去の出来事が進行していたことを示していることになります。 過去において、出来事が進行していたのです。 まさに進行している、という感じがなければなりません。
「~していた」だけでは、物足りません。 過去の出来事が進行している感じを出さなければなりません。
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こういうことを踏まえると
☆When I knocked the door, he was studying English. 「ドアをノックした時、彼はまさに英語を勉強している最中だった」
というようにしなければなりません。 これくらいしないと過去進行形の意味を出しているとは言えません。 過去進行形の意味をあやふやにすると、過去形との区別が 出来なくなるので、過去進行形が使われている場合は しっかりとその意味を出さなければなりません。
------------------------------------------------------------
さて、次は日本語から見て行きます。
☆「彼女は図書館で英語を勉強していた」
この日本語を英語にするとどうなるか見ていきます。
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この日本語は見ての通り「勉強していた」となります。 ですから
☆She was studying English in the library.
と出来ると考えられます。 しかし先ほども説明しましたが、過去進行形は過去の出来事の 進行を意味しています。 「まさに~している最中だった」 という感じの意味になります。 「勉強していた」だけでは物足らないのです。 この日本語は
☆She studied English in the library.
とすることも出来ます。
日本語には英語の時制がないので、日本語だけでは 過去形なのか過去進行形なのか不明になります。 「勉強していた」ですが、過去の状態を言っているとも考えられます。
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過去形は過去の出来事を言う場合に用いられるので 過去の出来事だけを言っていると考えられるので あれば、過去形だけでも十分となります。
日本語から英語を考えることは絶対に止めてください。 英語を使う場合は、英語だけで考えるようにしなければなりません。
英語をしっかりと理解した上で、英語で表現する練習を 積まなければなりません。
☆「彼女は図書館で英語を勉強していた」
という日本語ですが、これは過去進行形にも出来ますし 過去形にも出来ます。 しかし英語では意味が異なるものです。
☆She was studying English in the library. 「彼女はまさに、英語を勉強している最中だった」
☆She studied English in the library. 「彼女は過去において英語を勉強していた」(単なる過去の出来事)
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という意味になってきます。 これのどちらが正解か、ではなくて、どちらも正解となります。 どちらも正解なのですが、使い分けが大事になってきます。
過去の出来事が進行していた、とはっきりさせたい時は 過去進行形を用い、過去の出来事だけを伝える時は過去形を用いることになります。
日本語にはないものなので、日本語で勝手に考えることは 止めなければなりません。 日本語を都合よく考えるということはしてはなりません。
------------------------------------------------------------
さて、過去進行形ですが、過去の出来事が進行している、という ことを意味するものとなります。 しかし見方を変えれば意味も若干変わってきます。 進行している、ということはその出来事が完了していないということにもなります。 また進行しているので、途中である、ということにもなってきます。
これは「ing」形の基本的な意味になるのですが、動作の完了を 意味していないことになります。 進行形は「途中」という意味を出すものなので、動作が終わっていない ということになります。
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こういうことを踏まえて、もう一度進行形の文を見ておきます。
☆When I knocked the door, he was studying English.
これは「ノックした時、英語を勉強している最中だった」 という感じの意味になりますが、意味を変えると
☆「ドアをノックした時、彼は英語を勉強している途中だった」
ということになってきます。 意味に大きな違いはありませんが「途中」という意味で覚えておくと とても分かりやすくなります。 もちろん「途中」などという意味は過去形にはありません。
もう一つの文ですが
☆She was studying English in the library.
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これも同じことです。 これも「途中」で考えることが出来ます。 ですから
☆「彼女は図書館で英語を勉強している途中だった」
となります。 「途中」で考えると過去進行形が理解しやすくなってきます。 しかし日本語にはあまり出てこないものとなります。 日本語で「途中」とあれば、進行形を使うと考えれば良いでしょう。 例えば
☆「彼は駅に向う途中だった」
とあれば
☆He was going to the station.
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とすることが出来ます。 もちろん他にも表現の仕方がありますが、過去進行形なので 動作の完了は意味していないことになります。 動作の途中を言っていることになります。
「途中」という意味が入ってきていることを理解しておいて下さい。
------------------------------------------------------------
過去進行形ですが、過去の出来事が進行していることを意味している ものとなりますが、出来事の完了を意味していないので 「途中」ということになってきます。
とりあえず「途中」と覚えておけば、理解が出来てくるものとなります。
まだ過去進行形に関しては見ておくことがあるので、次回もしっかりと 見て行きます。 まずは今回の復習をしっかりとしておいて下さい。
それでは。
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【第 28 回】
過去進行形を見ていました。 説明が終わったので、今回から、未来進行形を見て行きます。
未来進行形は難しい時制と言われているもので、なかなか理解が 難しいものです。 まず「will」自体が日本語にないものなので、この意味を理解する ことから始めなければなりません。 既に「will」の説明は終わっているので、「will」の意味が何なのか まずは復習して、理解しておいて下さい。 「will」の意味を踏まえて、未来進行形を見て行きます。
それでは、早速見て行きましょう。
-----------------------------------------------------------《未来進行形》 ------------------------------------------------------------
☆I will be meeting with him.
☆I will meet with him.
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この 2 つの英文ですがもちろん異なります。 この違いを理解することが大事になります。 さて、まず未来形の方の意味を取っておきます。
☆I will meet with him. 「(未来において)彼と会う」
となります。 「will」は「でしょう」「だろう」ではありません。 未来について断定しています。
さて、この「will」の場合は何の問題もないものです。 しかし未来進行形の方は、かなり難しいものとなっています。
まず進行形ですから、基本から考えて行きます。 進行形は、行為が進行していることを意味しています。 ですから「~している」となります。 未来進行形なので、未来において、行為が進行している、という ことになります。 また行為が継続している、とも言えます。
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☆I will be meeting with him.
この英文は、「会う」という行為が進行している、と考えられますし 継続しているとも考えられます。
ただし、この英文の意味は難しいです。 なぜなら、「会う」という行為が進行していると言っても、どんな意味に なるのかがわかりにくいのです。 「会う」という行為が進行する、では意味が不明になります。
こういうところが未来進行形の難しさなのですが 行為が進行する、という感じでは理解するのは難しくなります。
では何なのか? ということですが、この未来進行形は 未来において「~することになる」という感じになってきます。
未来進行形には、計画などとは関係なく、また誰の意思も挟まない 意味があります。 その場合は「未来において~することになる」という意味を出します。 これは成り行きの未来、とも言われているものですが、未来において 成り行きで~することになる、という感じになってきます。 ですから
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☆I will be meeting with him. 「未来において、彼と会うことになる」
という感じになります。 これは、誰の意思も挟んでいない、ということであり 計画されているものでもない、ということになります。
自然の成り行き、という感じがこの英文にはあります。 成り行きで彼に会う、ということになりますが、これは会いたいと 思っているのではありません。 意思がないことが大事になります。
------------------------------------------------------------
この未来進行形ですが、本当に難しいものとなります。 未来形との区別が必要なのですが、単に未来のことを言いたい場合は 未来形を使えば良いのです。
☆I will meet with him. 「未来において、彼と会う」
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このように「will」を用いれば良いのです。 未来進行形を使う場合ですが、普通はありません。 余程の理由がない限り、未来進行形を使うことはありません。
なお「will」を使っている未来形ですが、これはもちろん未来のことを 断定しているので、未来の予定を言っていることになります。 それに対し、未来進行形は、予定などは言っていなく、自然の成り行きを 言っていることになります。
成り行きを言っている未来進行形と覚えていれば、良いかと思います。 ですから
☆Will you be using the camera tomorrow? 「明日、そのカメラを(成り行きとして)使うことになりそう?」
と疑問文で使うことが出来ます。 これは意思など関係なく、成り行きで使うことになりそうなのか ということを聞いています。 大事なのは、意思がない、ということになります。 意思がないので、疑問文で未来のことを聞くことが出来るのです。 もちろん
☆Will you use the camera tomorrow?
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と言えば、意味は変わってきます。 相手の未来のことを断定しているので、きつい意味になってきます。 言い方にもよりますが、きつい言い方をしてしまうと、ほとんど命令形に なります。 相手の未来を断定しているので
☆Will you use the camera tomorrow? 「明日、あのカメラを使うでしょ?」
という感じになります。 相手の未来を断定して聞いているので、こんな感じになります。 「使いますか」などという丁寧な意味にはなっていません。 「will」は未来を断定しているものなので、そのことを忘れてはなりません。
------------------------------------------------------------
未来進行形ですが、例外的なものなので、詳しい説明はそれほど ありません。 未来において行為が進行している、という意味になりますが 大事なのは、自然の成り行きとして~することになる、という 意味があることを理解することです。
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しかし、それでも未来進行形はあまり使われないものとなります。 一応例を見ておくと
☆We will be walking to the town.
これは動作が進行していると考えられるものですが その場合は、進行している感じを出さなければなりません。 ですので
☆We will be walking to the town. 「未来において、街まで、歩いている」
という感じになります。 「でしょう」「だろう」とするのはおかしくなりますが こんな感じになると思います。
いずれにしても未来進行形は難しいものなので しっかりと意味を理解しなければなりませんが、ある程度 忘れても良いものと言えます。
使われることはありますが、未来のことを表現したい時は 「will」を使えば良いので、「will」を使うことをまずは考える
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ようにすれば良いのです。 また「be going to do」や現在進行形、そして現在形でも 未来を意味できるので、こういうものの意味の違いを 理解する方がよほど大事になります。
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未来進行形は例外的なものなので、説明は以上までにしておきます。 もっと大事なものがあるので、大事なものの説明に入って行きたいと思います。 さて、大事なものとは、それは現在完了形になります。
☆I have lived in Japan for three years.
この英文を日本語に訳せ、と言われると、色々な訳が出てくると思いますが
☆「3 年間、日本に住んでいた」
☆「3 年間、日本に住んでいたことがある」
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などとすると思います。 しかし、これは不十分な日本語訳になります。
英語の時制は日本語にないものとなりますが、この現在完了形は 本当に日本語にないものなので、しっかりと理解しなければならないものです。
この現在完了形は過去形との区別がとても大事になってきます。
☆I lived in Japan for three years.
このように表現することも可能なのです。 こうしても間違いではありません。 この英文の訳は
☆「3 年間、日本に住んでいた」
となります。 日本語に訳すと、過去形も現在完了形も同じことになりますが 英語では異なることになります。 どう違うのか、次回から説明して行きます。
それでは。
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【第 29 回】
前回は未来進行形を見ました。 未来進行形は例外的なものとなるので、そんなに見るところは ありませんでした。 今回からは、いよいよ完了形を見て行くことにします。 完了形ですが、まずは現在完了形を見ていきます。 おそらく時制の中で、一番難しいものではないかと思います。 現在完了形は日常会話でも普通に用いられるものですが 日本語にないものなので、しっかりと基礎から理解しなければなりません。 また過去形との区別が必要になってくるものです。 現在完了形が理解できると、かなり英語の時制は楽になってきます。 現在完了形を使えるようになると、微妙なニュアンスを出すことが 出来るようになってきます。
それでは、早速見て行きましょう。
-----------------------------------------------------------《現在完了形》 ------------------------------------------------------------
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☆I have lived in Japan for three years.
☆I lived in Japan for three years.
この 2 つの文ですが、もちろん意味は異なるものとなります。 しかし日本語に訳すと
☆「3 年間、日本に住んでいた」
となってきます。 なお
☆「3 年間、日本に住んでいたことがある」
とすることも出来ます。 「~していたことがある」という日本語を見ると、「経験」だ と考えて、すぐに現在完了形を思い浮かべる人もいるかと 思いますが、それは非常に危険な考えです。
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現在完了形は日本語にないものなので、決まった日本語訳が あるわけではありません。 「経験」という意味があると考えられますが、だからと言って 「~したことがある」という日本語で決め付けてしまうのは間違いになります。 さて、現在完了形ですが、これはまずしっかりと確認しておかなければ ならないことがあります。 それは、現在の意味がある、ということです。 現在完了形は、しっかりと現在の意味があるのです。 ですから、現在の意味を考えなければならないのです。
先ほどの「経験」ですが「~したことがある」という場合は まるで過去のような意味になっています。 これは本当に過去になるので、現在の意味があるとは言い切れません。 現在の意味があるものなので、過去を意味する場合は、現在完了形は 使えません。
☆I have lived in Japan for three years.
☆I lived in Japan for three years.
この 2 つは、現在を意味しているものと過去を意味しているものなので 当然違うことになります。
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ただし、ややこしいのは、現在完了形には過去の意味も入ってきて いるのです。 ここが難しいところなのです。 現在完了形は、過去と現在の意味が入っているのです。 ですから、過去と間違うことが多いのですが、現在と間違うことも 多いものなのです。 現在形の場合は
☆I live in Japan.
となります。 これは現在の状態を言っていることになります。 現在の状態ですが、時間の幅があるもので、過去から現在 そして未来にかけて、ということになります。 過去から日本に住んでいて、現在も住んでいます。 そして未来も日本に住むということを言っています。 ただし、未来と言ってもそんなに遠い未来という感じではありません。 それでも、過去から現在、未来を含んでいるものとなります。
過去の場合は
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☆I lived in Japan for three years.
これは過去の事実を言っているだけになります。 過去の出来事を言っているだけになります。 過去の出来事なので、過去形が使われているのです。 過去形なので、過去のことだけを意味しています。 なお期間を意味する「for」が使われていますが、別に何の問題もありません。 「for」は過去形と一緒に使えるものなので、ここで使われていても 何の問題もありません。 「for」があるからと言って、完了形になるわけではありません。
☆I lived in Japan for three years. 「3 年間、日本に住んでいた」
となります。 これは過去の事実を述べているだけのもので、過去しかありません。 現在の意味などもちろんありません。 さて
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☆I have lived in Japan for three years.
これですが、これは過去と現在の意味が入っていることになります。 というよりも、過去から現在にかけて、ということになります。 どうしても「~した」「~したことがある」などと過去の感じに 訳してしまうのですが、それでは間違いになるので しっかりと過去と現在を含んでいる意味を理解しなければなりません。
この現在完了形の文は、「日本に住んでいた」だけではなくて 過去から現在にかけて繋がっている、という感じを しっかりと出さなければなりません。 ですから、「日本に住んでいた」だけでは弱いのです。 これだけではおかしくなるのです。
☆I have lived in Japan for three years.
この英文は、これだけではどんな意味になるのかはわかりません。 前後の流れがあると、もっと意味がはっきりしてきます。 しかし、現在完了形なので、過去と現在が入っていることに なるので、そのことは理解しておかなければなりません。
過去と現在が入っているということを踏まえると
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☆I have lived in Japan for three years. 「日本に住んで 3 年になる」
という感じになってきます。 これだと、過去から現在にかけて、という感じになっていると考えられます。 「3 年になる」ということは、もちろん 3 年前から住み始め 今も住んでいる、という感じになります。 ですから、こういう感じが良いかと思います。
------------------------------------------------------------
現在完了形は、日本語に訳すのがとても難しいものです。 日本語にはないものなのですが、しっかりと理解していないと 過去形なのか何なのか不明になってくるので、しっかりと 意味を出さなければなりません。 「~したことがある」だけでは、意味がとても弱いです。 ですので、しっかりと過去形とは違うことを明らかにしなければなりません。
現在完了形は、過去から現在にかけて、ということになりますが これはこれでまた難しいものとなります。
☆I have lived in Japan for three years. 「日本に住んで 3 年になる」
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日本語をこのようにしましたが、これ以外の日本語訳ももちろん考えられます。 例えば
☆I have lived in Japan for three years. 「日本に 3 年間住んでいた」
となる場合もあります。 ただ、これだけでは勘違いを引き起こす可能性もあるので これだけでは不十分な日本語となります。 しかし、こういう感じにしか訳せない場合もあります。
ここでは過去形と現在完了形が明らかに異なるということを 意識して見て行きますが、まずは過去と現在の意味を含んでいる ということを理解しておいて下さい。
過去と現在の意味を含んでいるものなので「~した」程度では おかしな訳となります。 こんな感じでは過去形と変わらなくなるので、過去形と違う ということをしっかりと意識して行きます。
今回はまだ現在完了形を見始めたばかりですが、これからさらに 本格的に見て行きます。 今回は今回で大事なことを説明しましたので、しっかりと復習を
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しておいて下さい。
現在完了形は過去形とは異なるものであり、過去と現在の意味を 含むものである、ということをしっかりと理解しておいて下さい。 また現在完了形は現在の意味を含んでいますが、現在を中心に 言っていることになります。 これは大事なので絶対に忘れないで下さい。
現在完了形は、現在時制の一種なのです。
それでは。
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【第 37 回】
前回まで、現在完了形を見ていました。 説明が終わったので、今回から過去完了形を見ていきます。 過去完了形は、現在完了形が過去になったような ものなので、現在完了形をしっかりと理解していればわかってきます。 過去完了形は現在完了形と同じように、過去形との 区別が必要になってきます。 同じ過去を意味しているものですが、過去完了形と過去形は違うものです。 しかし、日本語にはこの違いが出てこないので 安易に日本語に訳すことは出来ません。 過去完了形はしっかりと理解しないと、過去形と 混同してしまうので、過去完了形が意味するところを しっかりと理解しなければなりません。
それでは、早速見ていきましょう。
《過去完了形》
☆The student was in the 7th grade and had studied Japanese for two years. 「その生徒は 7 年生(中学 1 年)で、日本語を 2 年間学んでいた」
☆By the time she was twelve she had gone through Shakespeare. 「12 歳までに、彼女はシェークスピアを読み終えていた」
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☆This was the place where they had started. 「ここが、彼らが出発した場所である」
過去完了形が使われています。 過去完了形の意味は、現在完了形と同じになります。 同じになるので、詳しい説明は割愛します。 日本語では完了・結果、継続、経験の 3 つにわかれることに なりますが、もちろん英語では過去完了形は常に一つです。 一つしかないので、過去完了形をしっかりと 理解すれば、自然と意味が出てくるようになります。 過去完了形というものが日本語にないので、理解しやすいように 意味を分けているだけのことであり、この 3 つの意味が しっかりと区別されて使われているわけではありません。 さて、過去完了形ですが、当然ながら過去を意味していることになります。 しかし、過去形とは違います。 現在完了形は、過去から現在までということになり 過去形とは決定的に違いましたが、過去完了形は 過去から過去までという複雑な意味を持っています。 過去形は過去のことを意味していますが、過去完了形は 過去から過去までのことを意味しています。 こう説明すると、頭が混乱してきますが、過去完了形は 過去から過去までのことを言っているものなのです。 過去から過去までとはどういうことなのか、という ことになりますが、過去から過去までとは、例えば 10 年前から 5 年前まで、という感じで、既に終わっているということになります。
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現在完了形は、現在を含んでいるのでまだ終わっていない 現在も続いている、という意味が含まれていましたが 過去完了形は、過去に始まり、過去に終わっているという意味になります。 例文をもう一度見ておきます。
☆The student was in the 7th grade and had studied Japanese for two years.
これはまず、7 年生ということが過去であったということがわかります。 当然今は、7 年生ではないということになります。 そして、日本語を 2 年間勉強していた、ということを言っています。 当時 7 年生で、日本語を 2 年間勉強し、その勉強が 終わっていた、という意味になっています。 ですから、6 年生と 7 年生の 2 年間で日本語を勉強していた ということが考えられます。 そして、その日本語の勉強は終わっていることであり 現在とは関係がないということになります。 ですから、細かく訳せば
☆The student was in the 7th grade and had studied Japanese for two years. 「その生徒は、当時 7 年生であり、その 2 年前に日本語の勉強を始め 2 年間で日本語の勉強を終えた」
という感じになります。
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とにかく大事なのは、過去のことであるということです。 過去のことなので、今は日本語を勉強していないということになります。 過去 2 年間日本語を学んだだけであり、どれだけ出来るかは この文からはわかりません。 しかし、少なくとも現在は日本語を学んでいないという ことがわかるので、それほど日本語が出来るという印象はありません。 過去完了形で使われているので、終わったことという感じが強いです。 なお、日本語を現在も学んでいるのであれば、当然現在完了形を使います。 例えば
☆He has studied Japanese since he was in the 6th grade. 「6 年生の時から、彼は日本語を学んでいる」
というようにすれば、過去から現在にかけて 日本語を学んでいるということがはっきりとわかります。 そして、現在も日本語を学んでいるので、おそらく 日本語が多少出来るということになると思います。 既に終わっていることであれば、過去完了形を使い 現在も続いているのであれば、現在完了形を使います。 他の例文も見ておきます。
☆By the time she was twelve she had gone through Shakespeare.
☆This was the place where they had started.
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「シェークスピア」を読み終えたのは、当然過去のことです。 12 歳までに読み終えたと言っていますが読み始めたのは、当然もっと前のことです。 ですから、細かく訳すと
☆By the time she was twelve she had gone through Shakespeare. 「何歳かわからないが、過去からシェークスピアを読み始め、12 歳になるまで 彼女はシェークスピアを読み終えた。今はもう読んでいない」
となります。 シェークスピアを読むのは大変なことですが、時間をかけて読み終えているのです。 12 歳までに読み終えたということは、かなり幼くして シェークスピアを読み始めたということになります。 日本語には出てきませんが、読み始めたということも大事になってきます。 読み終えたということは始まりがあるので その始まりも意識しなければなりません。 さて、最後の例文ですが
☆This was the place where they had started.
これも過去のことなので、過去完了形が使われています。 「had started」は「出発した」ということですが これは過去において出発したということを意味しています。 いつのことなのかわかりませんが、しかし過去に出発をしたということは確かです。 そして、今は関係がないということにもなります。
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なお、勘違いしては行けないのが、過去完了が使われている からといって、大昔のこととは限らないということです。 この「had started」ですが、いつのことかは この文ではわかりませんが、しかし、大昔とは限りません。 別に昨日でも良いですし、3 時間前でも良いのです。 また 10 年前でも構いませんし、50 年前でも良いのです。 過去のことなら過去形が使えるので、過去完了形も 過去のことであれば使えるのです。 過去完了形を見ると、反射的に大昔をイメージしてしまう 人が多いと思いますが、それは間違いです。 ほんの少し前であっても、過去完了形を使うことが出来ます。 過去完了形は過去から始まり、過去に終わっていることを 意味しているので、例えば、1 時間前に始まり 5 分前に終わっていることを言う時も、過去完了形を使うことになります。
☆The break had been over five minutes ago. 「休憩は、5 分前に終わった」
というように 5 分前でも、終わっていることは過去完了形で使えます。 なお、5 分前に終わっているということは当然、始まりがあるのです。 10 分間の休憩なら、15 分前に始まり、5 分前に 終わったということになります。 過去に始まり過去に終わるのが過去完了形なので 日本語には出てきていませんが、始まりの意味が当然あります。
ここまで、ざっと、過去完了形を見てきましたが
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意味を取るのにそれほど苦労はないと思います。 意味は、現在完了形と同じで 3 つに分かれていますが 英語では常に同じなので、その流れに任せていれば、自然と意味は出てきます。 現在完了形も過去完了形も日本語にないものなので 強引に日本語に訳していては、理解が出来なくなってしまいます。 特に、過去完了形は、過去に始まり過去に終わるという 意味を持っているので、日本語に安易に訳していると意味を勘違いしてしまいます。 また、過去完了形は大昔のことを言うものではないということも大事になってきます。 勝手に昔のことだと判断しては行けません。 先ほど挙げたように、5 分前のことでも過去完了形で表現出来ます。 過去に始まり過去に終わったと判断できれば、使う側の 判断で、過去完了形を使うことが出来ます。 なお、過去完了形は過去形との区別が大事になってきます。 今回はまだ詳しく見ていませんが、過去形と過去完了形は 同じ過去を意味するものですが、違うものなので使い分けが必要となってきます。 この過去形と過去完了形の使い分けが難しいと思うので しっかりとこの 2 つの違いはこれから見ていきます。 過去完了形の意味に関しては、新しい意味はないので 詳しく取り上げることはしません。 意味をしっかりと知りたい人は、現在完了形を復習しておいて下さい。 過去完了形をしっかりと理解するには、現在完了形と 過去形の知識が必要となってきます。
次回は、過去完了形と過去形の違いをしっかりと見ていきます。
それでは。
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【第 46 回】
前回まで過去完了形をずっと見ていましたが、説明が 終わりましたので、今回から未来完了形を見ていきます。 未来完了形は当然ながら完了形なので、現在完了形 過去完了形を基本は同じになってきます。 過去から現在までが現在完了形で、現在完了形を 過去にずらし、過去から過去までを意味しているものが過去完了形でした。 未来完了形も当然ながら、時間の幅を意味してきます。 時間的に幅があることを言っているので、完了形になります。 単なる未来のことを言うのならば、未来形で十分になります。 未来完了形も未来形との区別が必要になってきます。 未来形と未来完了形がどう違うのかをしっかりと区別しなければなりません。
それでは、早速見ていきましょう。
《未来完了形》
☆She will have studied English for five years.
☆He will have lived here for ten years.
☆By the time next year,he will have had all the stamps he ever wants.
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未来完了形が使われています。 未来完了形なので、当然のことながら「will」が使われています。 「will」に関しては既に説明してあるので、詳しい説明は割愛します。 さて、未来完了形ですが、言っていることは未来のこととなります。 しかし、未来完了形は非常に曖昧な意味を持つものなのです。 現在完了形は、過去から現在まで、という意味があり 過去完了形は、過去から過去まで、でした。 2 つとも始まりも終わりもあらかじめわかっていましたが 未来完了形は、終わりはわかっていても、始まりは わかっていないのです。 未来完了形は未来から未来まで、とは言い切れないのです。 未来完了形の意味がどんなものかしっかりと見ていきます。 まず
☆She will have studied English for five years.
この文ですが、「5 年間、英語を勉強することになるだろう」 という意味になります。 ここで大事なのは 5 年間がいつからいつまでなのかということになります。 未来完了形は、未来において完了する、という意味があります。 ですから、5 年間が経つのは未来ということになります。 未来のいつかは不明ですが、未来において、英語を勉強する という期間が 5 年になるということになります。
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では、始まりはいつかということになります。 未来において 5 年となるということはわかりますが 始まりがいつなのかはこの文からは不明です。 不明の場合は、2 つ可能性が考えられます。 まず、過去において始まり、未来において終わる場合です。 例えば 2 年前に英語の勉強をし始め、3 年後には 5 年間英語を勉強したことになるという場合は 英語の勉強を始めたのが、過去ということになります。 ですから
☆She will have studied English for five years. 「(2 年前という過去に英語を勉強し始め、3 年後という未来に) 彼女は英語を 5 年間勉強することになるだろう」
ということになります。 大事なのは、未来において 5 年間が経過するということであり 始まりは、明確にはされていないということです。 未来に 5 年間という年月が経過するのです。 もう一つは、未来から未来までということです。 例えば、来年に英語の勉強をし始め、そこから 5 年間 英語を勉強すると、未来から未来までという意味になります。 英語の勉強を始めるのも未来になり、もちろん英語の 勉強を終えるのも未来になります。 ですから
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☆She will have studied English for five years. 「(来年から英語の勉強を始め、6 年後まで)彼女は 5 年間英語を勉強することになる」
ということになります。 未来から未来までなので、始まりも終わりも未来ということになります。 この 2 つのパターンが未来完了形の基本となります。 どちらかわからない場合は、この 2 つどちらの意味も 取らなければなりません。 さて、これを踏まえると、次の例文は簡単です。
☆He will have lived here for ten years.
これも先ほどと全く同じ考えで理解が出来ます。 過去において始まり、未来において終わる 未来において始まり、未来において終わる この 2 つのパターンが考えられます。 期間が 5 年だろうが 10 年だろうが関係ありません。 まず、過去において始まり、未来において終わる場合は
☆He will have lived here for ten years. 「(過去にここに住み始め、未来のいつかに)彼は 10 年間 ここに住んでいることになる」
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となります。 過去から未来までとなります。 未来に 10 年間住んでいることになるので、未来完了形が使われます。 これに対し、未来から未来までは
☆He will have lived here for ten years. 「(未来において彼はここに住み始め、未来のいつかに) 彼はここに 10 年間住んでいることになる」
となります。 いつかは不明ですが、彼は未来、ここに住み始めるのです。 そして 10 年間ここに住んでいることになると言っています。 始まりも終わりも不明ですが、始まりも終わりも未来であることになります。 この 2 つの意味は常に可能性として存在するので しっかりと理解しておかなければなりません。 さて、最後の例文ですが、これは未来完了形らしい文になっています。
☆By the time next year,he will have had all the stamps he ever wants.
これはしっかりと未来が限定されています。 「来年まで」と言っているので、未来は「来年」となります。 しかし問題は、始まりがわからないことです。
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始まりがわからないので、やはり過去と未来両方を考えなければなりません。 このように未来がしっかりと限定されている場合が実際は多いです。 しかし、始まりがいつか不明な場合も多いので 過去と未来常に両方考えなければなりません。 まず、過去の場合を考えます。
☆By the time next year,he will have had all the stamps he ever wants. 「来年までに、彼はずっと欲しかった切手全てを集めることになる」
これは「過去において切手を集め、来年までに欲しかった 全ての切手を集める」ということになります。 はっきりとわかることは、来年までに切手全てを集めるということです。 来年までなので、未来になり、未来完了形が使われています。 始まりは不明ですが、大事なのは「来年まで」なので 始まりはあまり関係がないと思われます。 さて、未来から未来の場合ですが
☆By the time next year,he will have had all the stamps he ever wants. 「(未来において切手集めを始め)来年まで彼はずっと欲しかった 切手全てを集めることになる」
となります。
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いつかは不明ですが、来年までの未来に切手集めを始め 来年までに切手集めが終わるということになります。 この意味の可能性もありますが、この意味で使われているとは考えにくいです。 まず「ever」という単語が使われています。 これは言い換えると「always」とほぼ同じになり 「いつも、ずっと」というような意味になります。 日本語からもわかると思いますが、長い期間を自然と意味することになります。 「ずっと欲しがっている」と日本語で言っても 意味に大きな変化はありませんが、こういう意味では 普通「過去からずっと欲しがっている」と考えられます。 「ずっと欲しがっている切手全てを来年までに集める」のですから やはり、切手集めは、過去から始めているということになります。 英文でははっきりと始まりを限定していませんが 少なくとも、切手集めは過去に始まっていると 考えて間違いはありません。 未来において始めるのであれば「ever」の意味が あいませんし、また未来において始め、来年までに 全ての切手を集めるというのは、常識的に考えてまずないことでしょう。 そんな短期間で、欲しかった全ての切手を集めることなど まず出来ないと思われます。 意味で考えても、期間の短さからしても、未来から始まるとは考えられません。 ですから、やはり過去から未来までとなります。
☆By the time next year,he will have had all the stamps he ever wants.
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「(過去から切手集めを始め)来年までに、彼はずっと欲しかった切手 全てを集めることになる」
という意味が正しい意味となります。 始まりが限定されていませんが、文をしっかりと読んで 考えると、過去に始まったと十分考えられます。 なお、日本語に訳す時ですが、英語で未来だけを しっかりと言っているので、日本語でも未来だけを しっかりと表に出せば良いことにはなります。 しかし、意味をしっかりと理解していないと、いざ使う時に困ってしまいます。 なぜなら「未来」完了形なのに「過去」の意味が 入ってくる場合が普通にあるからです。 過去から始まり未来まで、なのに「未来」完了形を 使うことは出来なくなってしまうので、やはり 意味をしっかりと理解しておく必要があります。 英文を理解すること、訳すことは出来ても、使えなければ何の意味もありません。 未来完了形は
☆過去から未来まで ☆未来から未来まで
この 2 つの場合があるということをしっかりと まずは抑えておかなければなりません。 そして、始まりは不明確でも、終わりはしっかりと
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明示されている場合が多いということも大事になってきます。 今回見た
☆By the time next year,he will have had all the stamps he ever wants.
この文のように、未来がしっかりと明示されている場合が 多いので、いつまでなのかがわかりやすくなっていることが多いです。 しかし、大事なのは、始まりになってきます。 始まりは明示されないことがよくあるので、過去なのか 未来なのかをしっかりと判断しなければなりません。 今回は、始まりは過去とわかりましたが、そんな簡単に 過去なのか未来なのかがわからない場合も多いです。 分からない場合は、常に 2 つの意味を取らなければなりません。 未来完了形だからと言って、「will」が使われているからと言って 全て未来だけを意味しているわけではありません。 過去の意味も入ってくる場合もあるのです。 未来完了形は、過去の意味も含むことがある、非常に 幅広い意味を持つものなのです。 未来完了形に関しては、まだ説明することがあるので次回もしっかりと見ていきます。 今回と同じような場合を見ていきますが、意味が異なる場合を見ていきます。 また未来完了形の未来での意味の変化を見ていきます。 例えば
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☆By the time he arrives,she will have studied English for three years.
という文を見ていきます。 この文で使われている未来完了形はどんな意味に なるのでしょうか? まずは、基本を抑えることが大事になってきます。
それでは。
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【最後に】 英語の時制は日本語にはないものです。 12 種類あるものを使い分けるのは実は大変なのです。 日本語にないものなので、意味を基礎から理解していないと、使い分けが 出来ません。 正しい英語を使うためにも、時制の学習は必須です。 いい加減な理解をしないで下さい。 時制をしっかりと学び取り、ネイティブと同じ英語を身に付けて欲しいと思います。 完了形は特に大事で、日本人からするととても難しいものです。 完了形は必ず何度も学び直して、必ず使えるようにして下さい。 さらに時制を学んで行きたい人は、有料版で本格的に学んでください。 1 年かけて、英語の時制を身に付けられるようになっています。 英語の時制を身に付けるには、最低でも 1 年くらいはかかります。 週 1 回のペースで 1 年と計算しているので、週 2 回しっかりと学べば 半年で英語の時制を身に付けることも可能です。 しかし焦らないで下さい。 時制を身に付けられるまで、何度も復習をすることが大事です。 英語の時制を学んで、ネイティブレベルの英語を確実に身に付けて下さい。 ↓
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時制を学びネイティブ英語を身に付ける
田中聡一郎
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