T O M O O ・ T A K A F U J I | 高 藤 友 穂 A R C H I T E C T U R E P O R T F O L I O
2017-2019
Contents/目次
4
Floating CITY
B3 オフィス課題
18
銀座山脈
30
Urban GAP
42
ナゴヤセントラルパーク
50
点群庭園
60
湯の袋スクエア
M1 コンペティション
M1 ホール課題
M1 コンペティション
M1 ワークショップ
M2 コンペティション
2 2017-2019 Tomoo Takafuji Works
TOMOO TAKAFUJI 高藤友穂
Career
Awards
1995.9
大阪で生まれる
2015
学内優秀作品展-地域交流センター課題
現在
京都工芸繊維大学大学院 木下昌大研究室
2017
学内優秀作品展-オフィス課題
2014 - 2018
近畿大学 松岡聡研究室
Overseas Experience 2019.4-5
2018
2017-2018
竹中工務店/アルバイト
2019.4-
佐藤総合計画/アルバイト
NTTファシリティーズ/インターンシップ
学内優秀作品展-アートギャラリー課題 近畿大学卒業設計展 5選 芦田賞
第59回全国大学・高専卒業設計展示会
せんだいデザインリーグ 100選-セミファイナル37選
ヒューリックデザインコンペティション 佳作
The Culture of Water Workshop at HSLU
Work Experience
2018.9-10
2016
産学共同コンペ (清水建設主催)最優秀賞
About email tell
tomoo.takafuji@gmail.com
+81 090 9040 4643
Skill Adobe
Photoshop, Illustrator, InDesign
3D
Rhinoceros, Lumion
2D
AutoCAD
Tomoo Takafuji Works 2017-2019 3
Floating CITY 積層する大地が生み出す21世紀的風景 学部3年 オフィス課題 設計課題合同講評会出展 エマージング展出展
設計概要 都市に建ち並ぶ高層ビルはスラブの積層を繰り返し,空へと成長を続けてい る.その結果,内部は均質な閉ざされた空間となり多様性を失ってきた.しかし, 窓を開け放つとそこには地上とは別の世界が広がっている.そよぐ風や空を 飛ぶ鳥,眺望,すべてそれぞれのレベルで異なっている. この計画ではかつてのメタボリストらが提唱した人工土地や人工平面のよう にスラブを第二のGLとしてとらえ,現代の都市構造のように様々なレベルに 人の居場所が存在するような、積層するGLによる浮遊都市を設計する.
Tomoo Takafuji Works 2017-2019 5
1. Site
2. Plan concept オフィスビルは執務空間とコアにより構成される.コアは階段・エレベーターやトイレなどの共通部分を集めたもので,どのように 配置を行うかが重要となる.執務空間とコアという二分した空間構成を再考し,新たなオフィス形態を提案する.パソコン1台あれ ば仕事ができる現代においてもはや巨大なワンフロアの執務空間は必要なくなった.それぞれ目的をもった個人の集まりが群 を成しコミュニティを形成する.こうした形式が現代のオフィス像となりうるのではないだろうか.
A
B
本計画では執務空間とコアを同一のボリュームに内包し平面上に配置,内包する機能の決定を行った.従来の二分した空間構成
コア
A 社 ,B 社 ,
A
がなくなり執務空間とコアは互いに存在を失い等価に扱われるのである. C 社 ...
C C
A
コア
C
B コア・執務空間の存在がなくなり,すべてが等価
A 社 ,B 社 ,
A
C 社 ...
の存在になる.小さなまちのようなこれらの群れは
C
次第に色づき 「まちなみ」 を形成する.
C
C
WC
EV
街路の形成 従来コアとして集約された諸機能は等価に EV なりまちなみに溶け込む
WC 階段室
ミニマルな執務空間
街路の形成 従来コアとして集約された諸機能は等価に なりまちなみに溶け込む 階段室
街路にあふれだす
6 2017-2019 Tomoo Takafuji Works
街路にあふれだす
2 階へ(この層にいる人にとってここが 1 階となる) ミニマルな執務空間
2 階へ(この層にいる人にとってここが 1 階となる)
Tomoo Takafuji Works 2017-2019 7
8 2017-2019 Tomoo Takafuji Works
3. Diagram
1.
2. CORE
3.
4. GL
OFFICE ELEVATOR
容積を考慮しコアボリュームの配置を行う.コアボリュ
ビル設計において重要なコアはこうした配列複製的
こうしたコア配列に対して第二のGLとなりうる大地の
配列複製的コア配列により生まれた反復性はどこまで
ームは執務空間,エレベーターや階段室などすべての
ボリュームの並びにより存在を失う.この建築において
スラブの挿入を行う.大地のスラブが挿入された各層
も続く永続性を持っている.こうした反復性によりこの
機能を内包する.またこれらは同時に構造柱でもある.
は、設備コアと執務コア、階段室などの諸空間はすべ
はそれぞれでまちのような風景を形成し始める.
建築は風景が持つ広大さやまちのような連続性を持っ
て等価に扱われるのである.
たものとなる.
Tomoo Takafuji Works 2017-2019 9
55800 50100 3900
オフィス
6900
3900
オフィス
6900
3900
6900
3900
オフィス
オフィス
アトリエ
アトリエ
6900
EV
オフィス
34900
6900
アトリエ
6900
3900
32400
28500
3900
6900
6900
6900
オフィス
アトリエ
3900
6900
3900
オフィス
オフィス
EV
6900
オフィス
6900
3900
WC
オフィス
オフィス
EV
事務室
6900
オフィス
オフィス
吹き抜け
吹き抜け
オフィス
オフィス
オフィス
オフィス
オフィス
オフィス
吹き抜け
オフィス
オフィス
オフィス
オフィス
EV
3900
6900
オフィス
3900
28500
6900
アトリエ
3900
28500
アトリエ
オフィス
オフィス
3900
50100 6900
オフィス
オフィス
3900
3900
6900
6900
28500
3900
WC
オフィス
6900
6900
6900
オフィス
オフィス
アトリエ
Floor GL+5200
事務室
カフェ
57600
オフィス
6900
アトリエ
オフィス
アトリエ
3900
6900
3900
6900
3900
6900
3900
6900
オフィス
オフィス
アトリエ
オフィス
アトリエ
オフィス
オフィス
アトリエ
オフィス
6900
オフィス
EV
オフィス
オフィス
オフィス
アトリエ
オフィス
WC
アトリエ
EV
オフィス
アトリエ
アトリエ
6900
オフィス
オフィス
6900
3900
28500
3900
6900
69700
6900
3900
28500
3900
6900
6900
50100
オフィス
アトリエ
アトリエ
57600
Site & Plan GL±0 Floor GL+29700
3900
オフィス
6900
3900
6900
3900
6900
アトリエ
オフィス
オフィス
アトリエ
オフィス
オフィス
3900
オフィス
6900
3900
アトリエ
6900
50100 3900
6900
3900
6900
アトリエ
オフィス
オフィス
オフィス
作業室
オフィス
6900
32400
28500
34900
アトリエ
EV
3900
オフィス
オフィス
オフィス
オフィス
3900
オフィス
6900
3900
アトリエ
6900
3900
6900
3900
6900
オフィス
オフィス
オフィス
吹き抜け
EV
アトリエ
オフィス
アトリエ
オフィス
オフィス
オフィス
オフィス
オフィス
オフィス
オフィス
オフィス
オフィス
吹き抜け
吹き抜け
オフィス
オフィス
吹き抜け
オフィス
オフィス
アトリエ
28500
6900
アトリエ
6900
6900
オフィス
WC
アトリエ
オフィス
EV
オフィス
アトリエ
オフィス
オフィス
オフィス
オフィス
オフィス
3900
32400
6900
オフィス
3900
32300
28500
3900 6900
28500
3900
36000
オフィス
オフィス
オフィス
6900
アトリエ
オフィス
WC
アトリエ
EV
オフィス
アトリエ
アトリエ
オフィス
吹き抜け
オフィス
アトリエ
3900
会議室
EV
オフィス
6900
オフィス
オフィス
28500
アトリエ
WC
3900
オフィス
オフィス
オフィス
作業室
オフィス
6900
オフィス
3900
EV
6900
オフィス
6900
WC
3900
6900
オフィス
6900
73400
吹き抜け
EV
6900
オフィス
アトリエ
6900
20500
オフィス
6900
EV
28500
3900
アトリエ
6900
3900
6900
28500
アトリエ
3900 6900
6900
69800
吹き抜け
3900
6900
吹き抜け
6900
3900
オフィス
6900
6900
オフィス
3900
28500
6900
3900
3900
6900
会議室
6900
3900
3900
57600 50100
6900
オフィス
6900
6900
3900
3900
6900
6900
57597 50100
6900
50100
アトリエ
25200 61203
61200
Floor GL+12600
Floor GL+18800
3900
6900
6900
6900
オフィス
6900
6900
3900
6900
吹き抜け
オフィス
アトリエ
吹き抜け
3900
6900
6900
オフィス
オフィス
6900
オフィス
3900
6900
3900
6900
3900
6900
6900
オフィス
オフィス
オフィス
オフィス
20500
オフィス
オフィス
アトリエ
オフィス
オフィス
吹き抜け
3900
6900
オフィス
3900
6900
3900
6900
3900
6900
オフィス
アトリエ
カフェ
EV
オフィス
アトリエ
オフィス
オフィス
オフィス
オフィス
オフィス
オフィス
オフィス
オフィス
カフェ
アトリエ
オフィス
6900
オフィス
EV
オフィス
オフィス
吹き抜け
オフィス
吹き抜け
オフィス
6900
オフィス
オフィス
オフィス
オフィス
オフィス
オフィス
アトリエ
3900
28500
オフィス
アトリエ
アトリエ
オフィス
WC
オフィス
EV
オフィス
アトリエ
アトリエ
アトリエ
3900
WC
3900
3900 6900
28500
アトリエ
3900
32400
6900
アトリエ
3900 6900
28500
吹き抜け
オフィス
6900
吹き抜け
オフィス
EV
28500
吹き抜け
オフィス
オフィス
3900
吹き抜け
WC
アトリエ
吹き抜け
6900
オフィス
オフィス
6900
EV
6900
オフィス
アトリエ
6900
WC
6900
オフィス
3900
6900
69800
事務室
EV
3900
EV
28500
吹き抜け
6900
事務室
3900
3900
3900
オフィス
3900
3900
オフィス
6900
6900
6900
オフィス
オフィス
28500
EV
34900
6900
アトリエ
3900
28500
32400
3900
3900
6900
3900
3900
6900
6900
57600 50100
28500
3900
57600 50100
34900
6900
6900
3900
3900
6900
6900
50100
6900
50100
6900
55800
Floor GL+24500
6900
Floor GL+7200
オフィス
アトリエ
57600 32400
Floor GL+34900
Floor GL+39100
Floor GL+43300
Floor GL+48500
12 2017-2019 Tomoo Takafuji Works
Sect
5
tion
50 (m)
4. Section concept
2種類のスラブ 第二のGL的スラブ(大地のスラブ) を外部・半外部空間的空間を形成する要素とし,「まち」 を積層させる際の スラブとして用いる.大地のスラブはファサードに現れ,都市環境を取り込む
1F
1F
B1 1F
1F
2F 1F 1F
2F 1F 1F
1F
B1
B1
大地のスラブを基準とした空間展開
上下の大地が接続し、 ズレ合う空間.45度に大きくずれた階段により、街路に余白が生まれ、 コミュニケーションの場が生まれる.大地のズレは、 光が差し込む空隙となる. Tomoo Takafuji Works 2017-2019 13
5. Structure 3つの構造パタンをその用途,採光,視線の抜け等を考慮し配置を行う.
1
2
3
1
2
3
多様な視線の抜けが生まれる.
街路をまたいだつながり アイストップ , 視線の抜け 光が抜ける
1. 角に構造壁を設け真ん中を大きくくりぬく
街路をまたいだつながり アイストップ , 視線の抜け 光が抜ける
大きな開口を生かした街路をまたいだつながりや、小さなポツ窓による静かな 執務空間を構成する 2. 真ん中に構造壁を設け角をくりぬく 対角線上に開けられた開口により斜めからの採光、十字路に開放感を生む. 3. 正方形の各辺端に構造壁を設ける
1
2
14 2017-2019 Tomoo Takafuji Works
3
平面中央の大きなずれによるコアからの視線の抜け.その他階段室、水回りの コアとして機能.
多様な視線の抜けが生まれる.
GL+29700 plan scale=1/150
Concept model scale=1/200
16 2017-2019 Tomoo Takafuji Works
銀座山脈 第6回 ヒューリック学生アイデアコンペ 佳作
設計概要 日本最大の商業都市であり、 ショーウィンドウや歩行者天国などの消費型の 歩行体験が主体となる都市構造をもつ銀座において、 これからの銀座を担う 建築を提案する。そびえ立つ山は通りからの連続した歩行体験を可能とし、 上部の不動産価値を高める。山に対して浮遊する雲は、 まちの風景が映り込 み、隠れていた顧客階層を露わにする。山と雲は銀座のまちを体現し、銀座の 新たなシンボルとなる。
Tomoo Takafuji Works 2017-2019 19
1. Site 歩くまち
街区の形成
1873 煉瓦街完成
住民によるショウウィンドウ
歩くまち ショーウィンドウ ヒューマンスケール 銀ブラ
歩行者天国
中央通り
煉瓦街
煉瓦建築
裏通り
みゆき通り
銀座通り
江戸時代
1860
1880
銀座グリーンビル
路地
1900
1920
歩行者天国
列柱空間
1940
1960
1980
2000
2020
? これから
銀座は、銀ブラという言葉に代表されるように、商業都市の中でも歩くことが主におかれた 都市である。 それは江戸時代からのヒューマンスケールな区画や煉瓦街より誕生したショーウィンドウ などにより、長い年月をかけて歩くという性格が根付いてきたことにある。 こうした性格を生 かした新しい銀座の歩行空間を再考する。
一等地のまち 不動産価値
顧客階層
銀座は、一等地としての気品漂う性格も持つ。 賑わう歩行空間により、一階の不動産価値はより高まる。 また、一等地の銀座では顧客階層も高く、ハイブランドなどでは建物上部に、 こうした顧客 専用の空間も多く存在している。
20 2017-2019 Tomoo Takafuji Works
2. Concept
歩行空間の拡大 1 階レベルのにぎわいを立体的に展開し、 歩行空間を建物全体に拡張する
顧客階層の可視化 ヒエラルキーを分解し、あらわにすることで、 銀座のまちを象徴するシンボルとなる
銀座の山と雲 歩行空間と不動産価値の立体的展開、専用空間の可視化は、 銀座のまちを体現する山と雲となり銀座の象徴になる
Tomoo Takafuji Works 2017-2019 21
3. Design process 0
2
1
3
山と雲のボリューム操作を採光や歩行面、眺望等を 考慮して行う。
N
4
Site
Separate volume
Light
敷地115m×13m、容積率900%、高さ制限48m。
低層部と上層部のボリュームを分離する。
傾斜をつけることで前面道路への採光を確保する。
5
7
6
Extend walking space
Mountain 1
Mountain 2
Two mountains
傾斜は通りから連続した歩行体験を可能とし、上部の 不動産価値を高める。
歩行可能な傾斜によって通りでの活動が建物までオー バーラップする。
北西方向の眺望を確保するため、山頂を高く設定する。
2つの山は細長い敷地の双方から人々を引き込むよう な自然な流れを形成する。
8
9
10
11
Wind
Louver
Upper volume
Cloud
風が山間を通り抜け、都市に対しての冷却効果を生む。
建物を覆うルーバーは階段となり、山を登る感覚を抱き ながら上へと導かれる。
上部のボリュームは容積を確保し、分離された動線によ って限定層のためのプライバシーが保たれる。
山に対して雲のように浮遊する多面体のボリュームには まちの風景が映り込み、銀座の新たなシンボルとなる。
22 2017-2019 Tomoo Takafuji Works
4. Structure 樹木のような枝分かれ構造 雲と山を支える構造は自然の樹木から着想を得た枝分かれする複雑な構成をもつ。 枝分かれを繰り返しながら、雲からの力を伝達する。
雲 S 造によるラーメン構造 浮遊するボリュームはムラのない荷重を下部に伝える
山 巨大な鉄骨は枝分かれを繰り返し巨大な山を構成する。巨大な 山形の構造は人々をおおらかに包み込む
Tomoo Takafuji Works 2017-2019 23
6. Program Level 11 Level 10 Level 9 Level 8 Level 7 Level 6 Level 5 Level 4 Level 3 Level 2 Level 1
B1F B2F
歩行可能な山の形状が、 通りの賑わいを上へと展開する。 山間には、 山道が形成され、 屋上には山頂広場を設ける。 山を登る 過程では、 麓に気軽に立ち寄ることのできるショップ、 中腹には休憩所となるカフェ、 更に進むと眺望の良いレストランをもつ。 山の上には、 雲が浮かび、 銀座の富裕層向けの空間が展開する。
24 2017-2019 Tomoo Takafuji Works
雲 EV コアからのみアクセスできる雲は会員制の顧客専用の 空間で、 ショップやレストラン、 イベントスペースなどが入る。 都市の喧騒から離れた雲がこの建物の経済を回す。
山頂、 山間 山頂広場からは銀座のまちが一望でき、 東京タワーを望む ことができる。 また、 山間には切れ込みが入り、 テラスやエン トランスとなる開口として機能する。
山 ルーバーから木漏れ日が差込み、 柔らかな光が人々を包み 込み、 心地いい空間を作り出す。
Tomoo Takafuji Works 2017-2019 25
7. Detail and Environment Light Wind flow line of sight
0 80
キャッチ金物ボルト@335
柱 800φ
ガルバリウム鋼板形材
ネオプレンゴム(ア) 20×40×30 ジョイント目地 3mm
イペ材 t=20
165
190
床:フローリング (タモ) 厚15
ガラスクロス付GW-B
945
ロックウール吹付EP塗装
30
800
梁材
石膏仕上天井、 つやあり焼付仕上
ミラーガラス
柱 800φ
Low-E複層ガラ ス(8+A12+8)
165
190
ガルバニウム鋼板仕上浮床
ロックウール吹付EP塗装 945
800
ガラスクロス付GW-B
30
梁材
石膏仕上天井、 つやあり焼付仕上
連続するルーバーは強い日差しを遮り、 ルーバーとガラスの間には風が通る。 山を登る体験の中で内部の様子が垣間見える。 雲はミラーガラスを用い、 専用空間のプライバシーを確保する。 一部を開閉可能にすることで内部の熱を逃す。 分離された二 つのボリュームにより風の流れを作り、 雲の日射遮蔽によって、 都市に対しての冷却効果を生み、 環境装置として機能する。
26 2017-2019 Tomoo Takafuji Works
Tomoo Takafuji Works 2017-2019 27
Concept model scale=1/200
28 2017-2019 Tomoo Takafuji Works
Tomoo Takafuji Works 2017-2019 29
Urban GAP 修士1年 ホール課題
設計概要 梅田は大阪を代表する大都市である。 まちは賑わいであふれる一方で、都市 の様相は年々大きく変化している。均質な高層ボリュームが増え続けるまち は、同時に、外部を拒み、人々を遮断し続けている。 こうしたまちには人々が寄 り付く場所がなく、建築は資本主義による塊でしかない。本設計はこうした排 他的な都市空間に人々の居場所となるような空間を提供するとともに、 そうし た空間がシームレスにホールへとつながるような、開放的で誰もが気軽に入 ることができるような音楽ホールを提案する。
Tomoo Takafuji Works 2017-2019 31
都市とホールを繋ぐ大階段 大階段は梅田という繁華街の賑わいや人々の様々な活動を許容する都市に開かれた空間である。階段はそのままホワイエま で伸びており、人々は外部か内部かわからない大きな広場を上るなかで建物に引き込まれる。都市に開かれた大空間は常に広 場のような性格を帯び、 ときに階段下が舞台になり、都市の劇場となり、 ときにまちに対して開かれたオープンギャラリーとなる。 これらはいずれもホールの動線の一部として存在しているため、人々は自然となかへと引き込まれる。
円を描くようにホールへと人々を引き込んでいく。徐々にそのスケールを逓減させホールへと至る。
2450
2050
倉庫
荷解室
3100
4500
EV
2900
6700
2450
2050
4500
3100
EV
機械室
2900
6700
2450
楽屋1
楽屋2
2050
4500
EV
5310
6700
5310
2900
5310
3100
GL+400
7290
7290
事務・管理室
舞台裏
食料庫
GL-400
女子 WC
4700
GL±0
女子 WC
舞台
4700
上部吹き抜け
男子 WC
設備室 エントランス
4700
レストラン
7290
テラス
厨房 ホール(350 席)
7200
7200
7200
男子 WC
チケット売り場 受付
EV
配置図兼 1 階平面図 S=1/300
34 2017-2019 Tomoo Takafuji Works
4700 EV
4700
4700
EV ホール
EV
2 階平面図 S=1/300
ホワイエ
4700
4700
4700
多目的 WC
3 階平面図 S=1/300
ホール内部
レストラン内部
4290
最高高さ GL+18990
5915
LT
ホール 女子 WC
3FL
5800
絨毯 t=15
アルミパネル t=7 2FL
フローリング ホワイトオーク t=15
2985
レストラン 厨房
1FL GL±0
4500
2050
2450
6700
2900
3100
東西断面図 S=1/300
フレキシブルボード t=6
4290
最高高さ GL+18990
コンクリート平板 t=60
5915
LT
ホワイエ
設備スペース
ホール
3FL
5800
楽屋2
エントランス
機械室
2985
2FL
厨房
倉庫
女子 WC
1FL GL±0
4700
4700
7200
4700
7290
Detail section scale=1/80 巨大なボリュームのホールがまちに対し圧迫感を生まないよう、ファサードの面の細 分化を行う。細分化されたファサードは街並みに調和し圧迫感を軽減するとともに、 ヒューマンスケールの近接したスケール感をもつ。
5310
南北断面図 S=1/300
Tomoo Takafuji Works 2017-2019 37
ホールへのアプローチ 都市スケールの大階段は、少しずつその幅と天高を逓減し、 エントランス付近では少し暗くこもった空間へと変化する。 ここでホールへの 期待感を増幅し、 それまでのにぎやかな空間から落ち着きを生み出す。 さらに歩みを進めると、 トップライトから光が差し込む開けた空間 が現れる。 アイストップにはホワイエの大きな開口が見える。 空間のスケールや明暗を変化させながら、広場的な性格から、閉じたホールへと性格が変化していく。
ホワイエ
ホール
ホール
ホワイエ
エントランス チケット売り場
EV ホール
レストラン
アプローチ断面図 Scale=1/200
都市の広場、劇場、 ギャラリーとしてのエントランス 都市に開かれた大階段のエントランスは都市の広場や劇場、 ときにギャラリーとしても機能するおおらかなエントランスである。
40 2017-2019 Tomoo Takafuji Works
ナゴヤセントラルパーク 修士1年 産学協同学内コンペ (清水建設主催) 最優秀賞
設計概要 名古屋駅前にこれからのまちのシンボルを提案する。 それは都市スケールと 様々な都市の諸機能と関わりあう、名古屋のまちに浮遊する広場である。
Tomoo Takafuji Works 2017-2019 43
01. 都市の緑
02. 新しい都市広場のカタチ
名古屋駅の現状
名古屋城
新しい名古屋のシンボル
名古屋駅前は都市化が加速し、高密度な高層建 築が林立している。オフィス街では、その人口 増加とは裏腹に、人々が安らげる都市のオアシ スとなる居場所がない。地下に張り巡らされた 地下通路はこうした、排他的な都市の様相をま
久屋大通り公園 SITE
すます加速させ、人が外部環境と接続する機会 が失われていっている。
白川公園 Nagoya
New Nagoya
Castle of Nagoya
Sakae
名古屋駅前にこれからのまちのシンボルを提案する。それは都市スケールと 様々な都市の諸機能と関わりあう、名古屋のまちに浮遊する広場である。
栄にみる緑地効果
栄の中心に南北に伸びる久屋大通公園は、名古屋の商業の中心である栄の発展に大きく寄与した整備計
インフラ、自然を内包した都市広場
画のひとつである。通りの公園やインフラの整備により、栄は名古屋の商業の中心地として発展を遂げ たのである。それは周辺に大型文化施設や百貨店などの存在がある人々が集まる都市空間には、同じく そうした人々の活動を許容するおおらかな広場的空間が不可欠なのである。
インフラ、多様な外部環境を内包した広場をつくる。敷地地下に存在する巨 大な地下通路やターミナル機能を積極的に活用し、GL 以上に引き上げること で地下空間の活性化を図ると同時に、ショップやオフィス、まちなどが広場 を介してかかわり接続する。
44 2017-2019 Tomoo Takafuji Works
03. ダイアグラム 都市広場の形成とヒューマンスケール 03. ダイアグラム 都市広場の形成とヒューマンスケール 1
1
2
2
3
3
4
5
4
5
VOID
OP SH P O SH
TRAIN TRAIN
VOID
VOID
VOID
BUS BUS 既存の構成である南からの鉄道、バスイン フラを活用し、地下ターミナルを設ける 既存の構成である南からの鉄道、バスイン フラを活用し、地下ターミナルを設ける
6
6
ボリューム上部に、長さと面積を最大限 に利用した都市広場を形成する。 ボリューム上部に、長さと面積を最大限 に利用した都市広場を形成する。
46 2017-2019 Tomoo Takafuji Works
インフラの流れを上部へと展開し、すり 鉢上のボリュームを形成する。 インフラの流れを上部へと展開し、すり 鉢上のボリュームを形成する。 7
7
広場を明るく軽やかなファサードで包み 込む。外部と緩やかに連続しつつも、内 広場を明るく軽やかなファサードで包み 部に心地良いさわやかな空気を溜める。 込む。外部と緩やかに連続しつつも、内 部に心地良いさわやかな空気を溜める。
通りの流れを活かし、ボリュームの外周 にコンコースを回し、ファサードに賑わ 通りの流れを活かし、ボリュームの外周 いを作り出す。 にコンコースを回し、ファサードに賑わ いを作り出す。 8
8
オフィスとホテルのゾーニングを行う。 敷地を横断する道路軸に考慮しボリュー オフィスとホテルのゾーニングを行う。 ム間に大きな気積を持たせる。 敷地を横断する道路軸に考慮しボリュー ム間に大きな気積を持たせる。
賑わいを利用し、内部にショップを計画 する。 賑わいを利用し、内部にショップを計画 する。 9
9
LIGHT LIGHT
ヒューマンスケールなユニットによる構 成。これらが広場に光を落としながら展 ヒューマンスケールなユニットによる構 開する。 成。これらが広場に光を落としながら展 開する。
地下ターミナルからの動線と、東西の道 路軸の位置に縦断する巨大な吹抜を設け、 地下ターミナルからの動線と、東西の道 ショップ内部に一体的な連続感を生む。 路軸の位置に縦断する巨大な吹抜を設け、 ショップ内部に一体的な連続感を生む。 10
10
外皮に包み込まれた広場は外部的な内部 空間を形成し、オフィスやホテルに新た 外皮に包み込まれた広場は外部的な内部 な内部環境を生み出す。 空間を形成し、オフィスやホテルに新た な内部環境を生み出す。
Tomoo Takafuji Works 2017-2019 47
05. 構造
06. 全体構成
大臣柱
鉄骨ラーメン構造
メガトラス
ベルトトラス
大臣柱
48 2017-2019 Tomoo Takafuji Works
おわん状のボリュームと広場、 浮遊する上層ボリュームとい う3層構成よりなる。広場の 大空間を実現するため、メガ トラスとベルトトラスにより 上層の荷重を大臣柱へと伝え ている。上層ボリュームは s 造のラーメン構造を採用し、 自由な平面と浮遊感を実現し ている。
・動線
・2 つの吹き抜け
東通りに対して大きく張り出 すコンコースは通りからの 人々を上へと引き込む。また、 内部には、地下ターミナルか ら広場へと一直線に伸びる大 階段が縦断し、人々の流れを 鮮明に映し出し、生き生きと したショッピング空間を形成 する。
地下ターミナルと敷地を貫く 東西軸に走る道路に対し穿た れた吹き抜けは、広場へと抜 けるトップライトで上部まで 抜ける。また地下から広場ま で、北から南までの人々やイ ンフラの流れが可視化され、 空間の一体感と連続感のある ダイナミックな内部空間が展 開する。
レストラン
オフィス
ホテル
広場
百貨店
名鉄名古屋駅
バスターミナル
駐車場
南北断面図
南北断面図 Scale=1/1500
Tomoo Takafuji Works 2017-2019 49
点群庭園 修士1年 ワークショップ ETH(スイス連邦工科大学) との共同ワークショップ
設計概要 スイス連邦工科大学チューリッヒ校(ETH)のクリストフ・ジロー教授が主宰す るランドスケープ研究室と共同し、2つの寺院の3Dスキャンとサウンドレコー ディングを実施し、独自の方法で収録したデータを再構築した作品を制作し た。点群データを活用し、ARCHICADやRhinocerosによる、3Dモデルを点群 データに変換し、 スケールの横断や空間の音を含めた、3次元を超えた空間 設計を試みた。
Tomoo Takafuji Works 2017-2019 51
点群瑠璃光院 3D スキャンにより点群データとなった瑠璃光院。モデリン グデータと異なり、細かな植栽の様子や地面の色などが読み 取れる。また、一つ一つが点のデータであるため、スケール を横断した空間体験や断面移動が可能となる。 ワークショップでは約 1 週間かけて敷地全体に 3D カメラを 配置し、死角が生まれないよう慎重に建物や木々、建具に至 るまでをスキャンしていった。それらを統合し、ひとつの大 きな点群データとし、自由に移動横断可能なものとする。 ワークショップでは、同時にサウンドレコーディングも行っ た。空間の音に耳を傾け、そこに流れる音の要素を一つずつ 収録していった。時には敷地外にもおもむき、庭や諸室から きこえる川や電車などの都市の音も収録した。
52 2017-2019 Tomoo Takafuji Works
仏間から書院にかけて切断された断面。間の庭とレベル差の関係やアプローチからの諸室の関係が見て取れる。
茶室とアプローチの断面 室内から感じていた距離とは裏腹に、非常に近い距離に2つが位置していることがわかる。 これらはアイレベルに盛られた土や植栽、階段側のレベル操作により、繊細な関係が作られている。
Tomoo Takafuji Works 2017-2019 55
Re:Rurikoin 敷地内に瑠璃光院を体現するオブジェクトを制作した。 オブジェクトは瑠璃光院のよく知られた瑠璃の庭が反射する風景から着想を得た、 「反射」 をもとに、 「伝統」、 「自然」の2つのワードを加えた3つをキーワードとした屏風を模したものである。 このオブジェクトを音や自然に特徴のある4つのエリアに配置した。配置された オブジェクトは、空間を移動する動画として制作され、庭や室内から聞こえる多様な音を反射し、包み込む。動画では、 その場所ごとに聞こえると特徴的な音にフォーカスし、次第にその音に意識が向かっていく様子を表現した。
反射
nature sound
オブジェクトは瑠璃の風景と音を反射し 意識をむける。
room sound
伝統 オブジェクトは瑠璃光院の屏風による。 表面を鏡面加工することで、現代の瑠璃 光院が映し出され、今と昔が融合する。
Resound
water sound
Resound
water sound outside sound
Reflection
Reflection
自然
nature sound
オブジェクトは瑠璃光院の多様な風景を 映し出し、溶け込む。
Position 1
Position 2
room sound
Resound
Nature sound
room sound
Reflection Reflection
瑠璃の庭に置かれたオブジェクト
56 2017-2019 Tomoo Takafuji Works
Position 3
Position 4
点群データにオブジェクトを配置した断面
Short movie 瑠璃光院にオブジェクトを新たに配置し、動画を作成した。以下、5つの動画は各地点におけるオブジェクトの見え方や空間移動の中でのシークエンス、音の反射を表現している。
池に配置された「屏風」は水の音に注意を向け、次第に水の音に包み込まれる。
森に溶け込み佇む「屏風」は、シークエンスの中で、都市の音を取り込み、森から都市へと意識が向かう。
庭から広間へのアプローチ。室内のにぎわいが強調され、日常の瑠璃の風景が増幅される。
庭から広間へのアプローチ。少し奥まったところに位置する仏間の音に意識を向ける。外部の環境から一気に非日常な空間へと引き込まれる。
風景を反射し、増幅する瑠璃の風景はよく知られている。瑠璃の庭に配された「屏風」は庭の豊かなコケや木々の緑を反射しうつしこみ、庭の一部として溶け込む。
湯の袋スクエア 修士2年 ヒューリックデザインコンペ
設計概要 池袋は文化発信拠点のにぎわいあふれるまちとして発展し続けてきた。 この まちに、様々な人とモノを繋ぐ銭湯と常に文化情報を発信し続けるにぎわい を内包した都市広場( スクエア) をもつ新たな池袋のシンボルを提案する。
Tomoo Takafuji Works 2017-2019 61
1. Site
2. Stor y
池袋=人と人・人と文化がつながるまち ① 人が集う街 池袋は戦後から近年に至るまでの開発による巨大なエキナカの百貨店などの大型商業施 設が目立つが、一方で池袋公園や駅前の商業施設が並ぶ通りでは、人々が集まり活気に あふれた街並みが形成されており、人々が集うエリアとしてのポテンシャルをもっている。
② 文化発信のまち 池袋はかつてアトリエ村やトキワ荘など多くの芸術家が集い、 ともに文化を築き上げてき たまちである。現在もこうした文化的背景をもとに駅前の芸術劇場やマンガ館など文化発 信の場が作られている。 しかし街に目をやると人々が気軽に立ち寄れるような場やホテル などの宿泊施設が少なく、観光客だけでなく地元の人たちの受け皿となる場所が必要で あるといえる。
③ 人と人をつなぐ場の創出 ①、②より、池袋には過去から現在へと続く文化的な歴史と町が持つ活気がある。 ここで は、観光客と地元住人が各々目的を持って集まり、 自然と町に活気が生まれ、両者が自然 とつながるような場の創出を目指す。
池袋×銭湯 観光客と地元住人、老若男女問わずだれもが気軽に集い安らげる場 としての銭湯を提案する。 それは、池袋がかつての芸術村のように、 共同生活によって文化の発展、 ブランドの確立がされてきたが、 ここ でも銭湯という公的プログラムを介して、文化や情報を得たり、発信 したりできるような、様々な場所やプログラムとつながるようなおおら かな交流拠点としての銭湯。
62 2017-2019 Tomoo Takafuji Works
Tomoo Takafuji Works 2017-2019 63
3. Square Design 通りのにぎ わ いを建 築に取り込む サンシャイン通りという池袋の中でも娯楽施 設が集積し、常に活気であふれる敷地の特性 を最大限に生かせるよう広場(スクエア) を計 画する。足元のにぎわいはそのままに、上部 へとそれを引き上げることで街の活気が建物 内部へと浸透する。
通りのきらびやかな看板広告群を参照し、建 築言語としてスクリーンを取り入れる。 スクリ ーンはスクエアへと至る大階段に沿ってシェ 有機 EL ル状に引き伸ばされ、 それまで外部で起こっ
ていた広告による賑わいが建物内部へと展 開される。
情報 ・ 文化
広告 このスクリーンは広告や映像・情報が映し出
され、情報の発信のメディアとして機能する。
新たな経 済 循 環を生むスクエア空 間 雨水
夏の日差し 自然換気
銭湯
有機 EL
テナント
冬の日差し
情報 ・ 文化 熱交換
広告 有機 EL
まちの文化や情報、広告看板として機能し、常に情報を発信し続けるスクリーンを持った都市広場( スクエア)
エントランスの大階段脇から広場上部まで大きく伸びた巨大なスクリーンに、街のメディ 情報 ・ 文化
アとして情報の発信、 また一部広告により収益を得る仕組みを導入する。 人々が建物を 広告 行き来する中で、常に目に入り、広場にてその壁面積が最大になるスクリーンは、建物内 部ににぎわいを生み、 この建築の経済を回す。 有機ELを用いることで曲面を実現し、紫外線や赤外線なども含んでいないので、人の
雨水
自然換気
64 2017-2019 Tomoo Takafuji Works
(密度) 低
肌や目に優しい。 それに加え、高いエネルギー利用効率や少ない発熱に加え、水銀を使
夏の日差し
用しないなど、環境性能でも注目されている。省エネで人にも良い広場である。 (密度) 低 雨水
夏の日差し銭湯
自然換気
テナント
銭湯
高
テナント
高
外
4. Diagram
形態ダイアグラム 1. 銭湯としてのアイコン 1. 銭湯としてのアイコン 街のシンボルとしての建築。頭部ボリューム 街のシンボルとしての建築。頭部ボリューム の隙間に対し、緑あふれる屋外庭園を計画。 の隙間に対し、緑あふれる屋外庭園を計画。 都市の喧騒から離れた都市庭園を形成する。
都市の喧騒から離れた緑あふれる森のような空間。カフェや足湯を 併設し、ゆったりとした時間を過ごすことができる。
都市の喧騒から離れた都市庭園を形成する。
2. 上部のデザインを踏襲し、足元にも隙間 2.賑わいを引き込むデザイン を設ける。敷地角に対し大きく開き、大階段 上部のデザインを踏襲し、足元にも隙間を設 とともに人々を引き込んでいく。
地元住人と観光客がつながる場。煙突状の空間からはトップライトが 差し込み、煙突からの湯気は建物のアイコンになる。
ける。敷地角に対し大きく開き、大階段ととも に人々を引き込んでいく。
3. 娯楽施設が立ち並ぶ通りのにぎわいが足元 3. 新しい池袋のシンボル にまで浸透し、上へと引き込まれていく。 娯楽施設が立ち並ぶ通りのにぎわいが足元
観光客やオフィスワーカーの宿泊場。宿の少ない池袋の観光客の受け皿 になると同時に、災害時の非常宿泊所として機能する。
スクエアのにぎわいを感じながらくつろげる、おおらかな空間
にまで浸透し、 上へと引き込まれていく。
池袋のユニークな店舗や芸術作品の雑貨店などが並ぶ。
5. Program 動線
動線
全体構成
木漏れ日が差し込む都市広場。大階段は劇場や広場、スクリーンにサ ッカー等が映れば観戦会場として機能したりと多目的な交流空間であ る。さらに、緊急時には様々な情報を流したりと、まちの掲示板とし ても機能する。
全体 構成
エントランスとスクエアの間に位置し、池袋の芸術文化と新しい価値を 発信していく。
池袋の観光情報や歴史を気軽に尋ねることができる。
動線 EV 階段
ピロティ空間ではポップアップショップなど様々なイベントが開催される。
スクエアを中心としたプログラムの交錯 足元のエントランスは街に対し
断面 パース
66 2017-2019 Tomoo Takafuji Works
Tomoo Takafuji Works 2017-2019 67
広告
6. Envi ronment 木 漏れ日が 注ぐ環境装置のファサード (密度) 低
雨水
夏の日差し 自然換気
(密度) 低
雨水 銭湯
銭湯 高
冬の日差し テナント
高
テナント
熱交換
熱交換
低
全体構成
動線低
外壁
有機 EL
外壁
情報 ・ 文化 広告
外壁に開けられた三角形のフラクタルな開口は、建物内部に柔らかな木漏れ日を落とすと同時に、 自然換気を促す環境装置としての 動線 役割を持つ。開口はボリューム中央の広場に行くにつれ密度が高くなり、明るい空間が形成される。 また開口の大きさによって、夏の強 EV 階段
い日差しは遮られ、内部の温度上昇を防ぐ。
熱 交換システム
外殻
3層構成によるプログラムの交 錯 外殻 スクエアを中心としたプログラムの交錯 (密度) 低
雨水
足元のエントランスは街に対し て開かれたオープンな空間で あり主に案内所やギャラリーと して機能する。 上層部には銭 湯やホテルを配し、 これらが 中間に設けられた屋内広場(ス クエア) でつながるダイナミッ クな建築構成である。
銭湯 高
テナント
PLAY 屋上庭園 銭湯 スクエア カフェ
熱交換
低
ホテル 観光案内所 TOURISM
店舗 ギャラリー 行政 LOCAL
上下のプログラムの違いによって生まれる熱消費に着目し、
足元のエントランスは街に対して開かれたオープンな空間
熱を多く発生する下層商業施設と給湯に多くの熱を必要と
であり主に案内所やギャラリーとして機能する。3層目には
する上層の銭湯の相互で熱交換方式を導入する。 また、最
銭湯やホテルを配し、 これらが中間に設けられた屋内広場(
上階の屋上庭園では雨水を利用した水供給を行い環境負
スクエア) でつながるダイナミックな建築構成である。
外壁
荷の低減を図る。
68 2017-2019 Tomoo Takafuji Works 外殻
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70 2017-2019 Tomoo Takafuji Works
Credits 銀座山脈
Daiki Yamaguchi ・ Hiroyuki Haraとの共作
ナゴヤセントラルパーク
Kei Yamauchi ・ Hiroyuki Haraとの共作
湯の袋スクエア
Hiroyuki Haraとの共作
T O M O O・T A K A F U J I