Enable, Enhance, Simplify. 第2号 - 2018
pg 68
編集 Amanda Loh
編集者 amanda.loh@wilhelmsen.com
制作&グラフィックデザイン Milk Design
www.theudderones.com
発行元 Wilhelmsen Ship Management Malaysia 19th Floor, 1 Sentral Jalan Rakyat, Kuala Lumpur Sentral 50470 Kuala Lumpur Malaysia T +6 03 2084 5600 © All rights reserved 2018
pg 18
第2号 - 2018
1
特集 2
WManager
第2号 - 2018
3
特集 4
WManager
第2号 - 2018
5
特集 6
WManager
第2号 - 2018
7
特集 8
WManager
第2号 - 2018
9
最新ニュース 10
WManager
第2号 - 2018
11
最新ニュース 12
WManager
第2号 - 2018
13
最新ニュース 14
WManager
第2号 - 2018
15
最新ニュース 16
WManager
第2号 - 2018
17
最新ニュース 18
WManager
第2号 - 2018
19
最新ニュース 20
WManager
第2号 - 2018
21
最新ニュース 22
WManager
第2号 - 2018
23
最新ニュース 24
WManager
第2号 - 2018
25
最新ニュース 26
WManager
IOTを活用した 船体 の改善
今日では燃料消費量と二酸化炭素排出量を減 らすことは船主や傭船者にとって大きな課題で す。WSMでは船上センサーなどの様々な技術を 駆使し、 この課題解決に取り組んでいます。 船舶の燃料消費量と二酸化炭素排出量を減らすには多くの方法があります。従来行われている船体
のクリーニングやスクリューの研磨の他に、最近では設計変更や再生可能エネルギー・代替エネル
ギーの使用なども試みられおり、成果をあげるために海運業界は常に進化しています。 ここでの課題 は「いかにして真の経済的価値を証明するか」 ということです。
第2号 - 2018
27
インダストリアルIoT スマートカーが道路を駆け抜けるように、 スマートシップが 洋上を航行するようになりました。WSMでは高周波データ 収集用のセンサーを装備した船舶を管理しています。船上
の多数のセンサーから集められたデータは処理・エンリッ
チ化された後、当社のデータウェアハウスに送られ、 さらに 分析プロセスとアルゴリズムを経由して、意思決定支援ツ
ールに具体的な情報として提供されます。
最新ニュース
データウェア ハウス
データ処理と エンリッチ化
センサーを装備した船舶
28
WManager
「 この分野では、IoTの登場によりダイナミックな変化 が起こっており、障壁も取り除かれつつあります。新た なツール、 より膨大なビッグデータ、 そして変化するお 客様の期待への対応は、船舶管理者にとって競争力 を維持するための新たな常識と言えます。」 WSMクルーズ部門フリートマネージャー Paal Berg Lande
分析
リアルタイム更新
陸上施設で
の意思決定 支援ツール
による分析
第2号 - 2018
29
船体の状態基準保全のための意思決定支援ツール
この船体の性能に関する意思決定支援ツールは、いつ船体のクリーニングや塗装検査を実施
すれば良いかを知らせてくれます。船舶に働く抵抗を計測することで、船体クリーニングの最適 な時期を把握して、船体を最適な状態に保つことができます。 基準抵抗値に 対する比率 1.5 1.4 1.3 1.2
最新ニュース
1.1 1.0
船舶X
0.9 0.8
船体抵抗の増加が
ないことを示すライン
0.7
2015年9月1日 2015年11月1日 2016年1月1日 2016年3月1日 2016年5月1日 2016年7月1日 2016年9月1日
上記のグラフは「船舶X」の船体抵抗
抵抗値がピークに達すると、船体クリー
を算出したものです。Y軸は基準抵抗
ニングを計画し、最適なタイミングと場
ています。つまり、 この数値が「1.0」 で
ニングの方法とタイミングを最適化する
値に対する抵抗の増減の程度を示し
あれば、抵抗の増加がなく、新造船並 みであることを示しています。 この数 値が「1.1」になると10%抵抗が増加
所でクリーニングを実施します。 クリー
ことで、船主と傭船者は燃料消費量を
大幅に節約することができます。 このグ
ラフからもわかるように、船体クリーニ
し、単純に言えば燃料消費量も10%
ングのタイミングを最適化することで、
明らかなように、船体クリーニング後
減らすことができます。 これは1日あたり
増えることになります。 このグラフから 数日で比率が「1.2」から 「1.0」に減少
しています。
船舶1隻あたりの燃料消費量を20%も
C重油30トンを消費するとして、金額に
換算すると1日あたり1,800米ドル(重油
価格300米ドル/トンとした場合)の節約
につながります。
30
WManager
意思決定支援ツールが
指示した船体クリーニン
グのタイミング
抵抗が20%減少
2016年11月1日 2017年1月1日 2017年3月1日 2017年5月1日 2017年7月1日 2017年9月1日 2017年11月1日
今後導入予定のツール
コモディティ・プランナー
航海プランニング・ツール
の真水、 ゴミ回収費、 スラッジ回収費
際に、区間ごとに最適な航行速度や
航路上のすべての寄港先に、港ごと
などのコストを地図上に表示するもの
で、事前の経費計画策定や運用コス
トの低減に役立ちます。
船長や機関長が航海計画を策定する エンジン設定に関するアドバイスを提 供するツールです。エンジンの設定と 特性に基づき、当該船舶の過去の航
行実績が詳細に分析され、燃料の大 幅な節約が可能となります。
第2号 - 2018
31
2018年NTNU学生の研修旅行を受け入れ NTNUトロンハイム校の学生がWSM Malaysiaを訪問 WSM Malaysiaは、研修旅行でマレー
さらにWSM Malaysia ドライバルク
術大学(NTNU)の学生40名の訪問を
Nigam、WSM人材・組織開発担当副
シアを訪れていたノルウェー科学技 受けました。
WSM Malaysiaはノルウェー大使館と 共同で、学生にノルウェーとマレーシ
ア間のビジネス環境や当社がアジア
の海運業で果たす役割についての理
解を深めてもらうための包括的な研修
社長のKenny Lee、WWデジタルトレ
ーニーのMagnus Dickensが、乗組員 管理におけるWSMのベストプラクテ
ィス、会社の組織と業務、WSMでのデ ジタルトレーニーの研修についてプ
レゼンテーションを行いました。
プログラムを用意しました。駐マレー
プレゼンテーションとそれに続く質疑
らノルウェーとマレーシアの友好関係
大使館員とともに、マレーシア料理と
シア大使のGunn Jorid Roset閣下か について説明があり、WSMアジア地
域担当副社長のPaal Gunnulfsenは、 当社の概要、歴史、 アジアでの海運業
最新ニュース
部門ゼネラルマネージャーのRajiv
における実績を紹介しました。
応答の後、学生たちは、WSM社員や
各国料理が並ぶランチを楽しみなが
ら、WSMやマレーシアへの理解をさ らに深めました。
WSMのPaal Gunnulfsen副社長が歓迎の挨拶を述べ、当社の概要とアジア地域での実績を紹介
32
WManager
マレーシアでの研修に参加された学
生の皆さんが、無事に帰国され、当社
での経験を一つの糧として、今後ま
すます活躍されることをお祈りしてい
ます。
Gunn Jorid Roset大使(左) と当社のPaal Gunnulfsen副社長
第2号 - 2018
33
特集 34
WManager
WSMは中国における新造船監督 事業に関しWESTEAST MARINE CONSULTING社と提携
第2号 - 2018
35
WSMの経験豊富な新造船チームは、 WESTEAST MARINE CONSULTING社との 提携により技術ノウハウを強化して、 中国の巨大造船市場において 新造船監督サービスを提供します。
WSMは新造船監督事業強化のた
め、WestEast Marine Consulting
(WEM)社との間で、造船監督サービ
スに関する戦略的提携を結びました。 WSMアジア地域担当副社長のPaal
Gunnulfsenは、 「WEM社との提携によ
り、当社の新造船監督事業を拡大す
るとともに、お客様により総合的なソリ
ューションを提供できることは大変喜
ばしいことです。提携相手としてWEM 社を選んだのは、造船業が急速に伸
びている中国において、同社が優れた
ノウハウ、実績、市場カバレッジを持っ
特集
ているからです。 」 と語っています。多
くの有力企業を顧客に持ち、当社と同 様に高い基準を掲げてビジネスを実 践しているWEM社と協業できること
を嬉しく思います。
「 中国の造船所における専 門知識と業務プロセスを備 えたWEMの定評あるチーム は、今後もお客様に付加価 値を提供し続けます。中国 の造船所の作業環境を熟知 した当社との提携は、WSM の中国における事業目標の 達成に必ずや力となるでし ょう。」 WEM取締役 Chen Hao
36
WManager
WSMは新造船監督事業の強化に
WestEast Marine Consulting社
精力的に取り組んでいます。WSM
について
WEM社との提携により技術的ノ
WestEast Marine Consulting社は2007年
の経験豊富な新造船チームは、
ウハウを強化し、中国の巨大造船 市場において新造船監督サービ
スを提供します。WEM社は当社と
の創業以来、中国に拠点を持つ国内外の 船主にサービスを提供しています。同社は あらゆる船種の新造船プロジェクトを現場
共同で、造船監督に対する健全な
で監督し、中国各地の造船所で230件を超
質の新造船監督サービスを提供
きました。同社は独立した、 プロジェクトソ
業界慣行に従って、効率的で高品 する計画です。
える船舶修理・改装プロジェクトに参画して リューション提供会社で、専門技術者を正 規社員として抱え、国内外の顧客に献身的 な優れたサービスを提供しています。
第2号 - 2018
37
特集 38
WManager
船上での優れたチームワーク と責任感が、 クルーズ客の心 をつかむ
第2号 - 2018
39
WSMの社風の根幹には、 公平・公正な業務遂行 文化があり、 それが 卓越したクルーズ船管理に つながっています。
クルーズ船管理のためには、船舶管
理者は信頼性の高い組織を作る必要 があります。航空産業に従事する企業
と同様、 クルーズ船管理は複雑かつリ スクの高い業務で、 ミスが安全や環境
に重大な悪影響を及ぼしかねません。 公平・公正に船上業務を遂行する文
化を創ることは、 ミスを極力抑え、 あっ
たとしても対処可能な信頼できるプ
ロセス構築の要です。 このような文化 は、乗組員が自らの行為、 あるいは周
囲の環境について意見を自由に気兼
ねなく述べることのできる環境を生み
特集
出す原動力となります。
「とがめない」 「 とがめない」環境作りも重要です。 そこでは、乗組員が業務の質や安全
性が損なわれていると思えば、何ら不
安や気まずさを感じることなく、 ストレ
ートに懸念を表明し、助けを求めるこ
とができます。 それにより、乗組員は
お互いが「持ちつ持たれつ」の関係を 築くようになり、チーム全体が共通の
目標に向かって固く結ばれ強くなれま す。 クルーズ船Viking Sun号の乗組員
が、優れたクルーズ船管理を実現する
ためにひとりひとりがどのような責任 感を持って仕事に臨んでいるかを語
ってくれました。
40
WManager
Atle Haakon Knutsen Viking Sun号船長
「 船内に35カ国もの乗組員がいる
と、彼らに親しみやすく接する必要が あります。 オープンなミーティング、意
見交換などを通して、船内では幹部と 一般乗組員とのコミュニケーションを 密にし透明性を確保することが非常
に重要です。 とがめられて嬉しい人は
いません。何か問題が発生したとき、
あるいはもう少しで問題になりそうだ
ったときには、 オープンに話し合うこと が最も重要です。 」
Ola Huseby
Viking Sun号副船長
「 乗組員にはできるだけ気さくに接
するようにしています。 そのため乗組
員は私には何でも聞いてきます。会社
の『とがめない』 という方針には賛成
で、 ここでは大いにそれが実践されて いると感じています。 」
第2号 - 2018
41
Zorko Radobuljac Viking Sun号主任電気士
「 乗組員はお互いのことをよく知っ
ていて理解し合っています。 まるで家
族のようなものです。私も急いで重要
な決断をしなければならないときがあ
りますが、乗組員はいつも私の判断を
特集
支持してくれます。 」
Chris Alonzo
Viking Sun号一等航海士
「 チームのメンバーは自由に意見を
言い合いますが、同時に互いに敬意
を払っています。職場の環境は非常に
良いです。苦労する日もありますが、や
りがいもあります。Aの港からBの港ま
で安全にスケジュール通りに到着でき たときに達成感を覚えます。 」
42
WManager
Viking Ocean Cruises社は、 クルーズ旅行の口コミ評価サイトCruise Criticによ
る中小型クルーズ船(乗客400〜1,199名)の評価で、2018年に以下のカテゴリ ーでCruiser’s Choice賞の1位にランクされました。
クルーズ全体
コストパフォ
客室
サービス
食事
上陸ツアー
公共スペース
娯楽
フィットネス&リ
クルーズ初心者
下船
クリエーション
ーマンス
第2号 - 2018
43
最新ニュース
液化ガス運搬 船フリートの 拡大
WSMが管理するLNG(液化天然ガス) タンカー、LPG(液
化石油ガス) タンカーの隻数が伸びています。現在25隻を 管理し、2018年末までにさらに数隻が加わる予定です。 こ
れはアジア地域においてLNG産業が再び成長軌道に乗っ
たことが一因です。
数年前にLNG市場がまだ低迷していた頃、当社はLNGタ
ンカーの管理事業の強化を開始しました。将来LNGの需
要が再び伸びることを見越して、思い切って市場に切り込
み追求する賭けに出たわけです。何ヶ月にも及ぶ激務と努
力、いくらかの直観の結果、LNGタンカーフリートが出港し
ました。
44
WManager
WSMが管理する液化ガス 運搬船の隻数推移 現在25隻
30
25
20
隻数
15
10
5
0 1994
1996
1999
2000
2003
2004
2005
2007
2008
2009
2010
2013
2014
2015
2016
2017
2018
第2号 - 2018
45
最新ニュース
事業拡大には苦労も伴いました。次々
また、LNGタンカーとLPGタンカーの
る新たなLNGタンカーに対応するに
策、正確な運用、特別な訓練を積ん
にフルサービスの技術管理を開始す
は、人員を揃えるだけでなく、 タンカー
を効果的・効率的に運航するのに必
要な経験とスキルを持った優秀な人 材が必要でした。
「 闇雲にビジネスの成長を 追い求めたのでは、チーム にストレスを課すだけだとわ かっていました。幸い社内に LNGの専門家がいましたの で、彼らが中心となって常に 新人メンバーを教育し、正し いやり方やプロセスを伝授 して送り出しています。」 WSMアジア副社長 Paal Gunnulfsen
両方を管理するには、高度な安全対
だ乗組員が必要ですので、LPGチー
ムも協力してリスク管理のノウハウや 乗組員の連携に関する知識を提供し
ました。
アジア地域のLNGチームは、LPGチ ームの経験を踏襲したり、欧米地域
のLNGチームが行ったこれまでの管
理業務の経験を参考にしたりすること
で、すでに確立し実績を上げているプ ロセスや作業フローをベースに前進
してきました。
当社は、透明性を確保し、腐敗を許さ
ない姿勢を常に崩さないことで、世界 有数の船舶管理会社になるという目
標に向かって、ぶれずに真摯に活動を 続けます。
46
WManager
当社は、TRACE、MACN(Maritime
ーやレポート作成を効率化する様々
(国際ガスタンカー運航者及び基地
アプリケーションを導入しています。
Anti-Corruption Network)、SIGTTO 操業者協会)の公認会員として、液化
ガス市場の発展と持続性に寄与すべ
く、今後とも実行責任、結果責任を果 たしていきます。
なインテリジェントツールを開発し、
また当社は船主と密に連携し、船上セ
ンサーをフルに活用して、センサーか
らの各種データをセキュリティの高い データベースに登録しています。 この
「 当社は信頼できる船舶管 理会社として評価をいただ いており、お客様にとって頼 りになるパートナーであると 自負しております。 また、常に 前向きな姿勢で、お客様に よりご満足いただけるよう新 しい方法の模索を続けてい ます。」 WSMアジア副社長 Paal Gunnulfsen
ます。当社のビジネスインテリジェン
当社では業務プロセスの改革に取り
もとにリアルタイムでレポートを生成
組み、 デジタルツールを積極的に取り 入れて、業績を上げています。2014年
データベースには、当社のその他のレ ポート作成ツールからの情報や海岸
地域のシェアードサービスチームから
の入力情報も収集されます。
当社のIoTソリューションは、 データベ
ースに登録された膨大なデータを統
合したもので、 シームレスに取り込み、 分析して有意義な洞察とすることで、 他に類を見ないデータ分析を提供し
スツールはIoTで収集されるデータを
し、ユーザーに通知します。
以降、社内の専門チームが業務フロ
第2号 - 2018
47
WSM液化ガス運搬フリートの安全運航実績 ゼロ
- 休業災害発生頻度 (LTIF) - 死亡事故件数
ゼロ
- PSC拘留比率
ゼロ
- 油濁による海洋汚染比率
最新ニュース
- 環境事故件数
当社が管理するLNG/LPGタンカーにおける乗組員の定着
率は96%を超えています。WSMは能力重視の組織で、有能
な乗組員を常時確保するために多目的のフレームワーク の整備に尽力しています。
「 チームの規模の拡大に伴い、常に目標を明確にし、船上、陸 上において優秀な人材を確保しなければなりません。当社で は、乗組員や社員がそれぞれの任務に集中できる時間を確保 しながら、相互協力も奨励しています。ポイントは、何から何ま で指示せず、判断を部下に任せる、 ちょうど良いバランスを見つ けることです。」 LNG/LPGグループ ゼネラルマネージャー Sundeep Dhaliwal
48
WManager
今後は、WSMはアジア地域で、国際基準や規則を遵守した
上で、 レポート作成プロセスを簡略化し、統合することを計画
しています。LNG/LPGグループでは、船上での安全や技術革 新について乗組員に適宜研修を受けさせます。
LNGチームは今後はデータ分析の範囲を広げ、予測ツール が、船長や機関長が燃料消費を抑える航海を計画する際に 適切な助言を提供できるようにします。
Paal Gunnulfsen
アジア地域担当副社長
Hoegh LNG Fleet Management社
でLNGタンカー、FSRU(浮体式LNG 貯蔵・再ガス化設備)の技術管理を
7年間担当。2011年から2014年まで SIGTTO総務委員会委員。
Sundeep Dhaliwal LNG/LPGグループ
ゼネラルマネージャー 液化ガス部門での勤務歴22年、 う
ち7年間は液化ガス運搬船での乗 船勤務。
第2号 - 2018
49
極海域の環境保護 WSMは海運業界ではいち早く
最新ニュース
2017年末までに極海域運航手引書 (PWOM)の承認を受けました。
年1月1日以前)については、2018年
両極海を航行する船舶の運航業者に
検査)の最初の中間検査または更新
遵守を義務付ける極海コードは2017
年1月1日に施行されました。北極海、
検査のいずれか早い方の時期までに Part 1-A(安全要件)の要件を満たさ
なければなりません。 ただし、2017年
Certificate)の搭載、並びに資格を持っ
船は、Part II-A(環境保護要件)の強
た乗組員の乗船が義務付けられてい
ます。極海船証書は船種および検査ス ケジュールに従って発行されます。 国際海事機関(IMO)によれば、極海
コードは既存の「1974年の海上に
おける人命の安全のための国際条
1月1日以降に極海を航行する既存
制要件を満たしていなければなりま せん。 」
(IMOによる) 極海コードは船舶の設計、構造、装
備、運航、乗組員訓練、捜索救助、環境 保護など幅広い領域をカバーしてい
約 (SOLAS条約)」および「船舶に
ますので、当社ではタスクフォースを
(MARPOL条約)」 を補完し、極海域を
ト用のマニュアルの策定と要件への
よる汚染の防止のための国際条約
航行する船舶に対する危険性に関す
る要件を追加したものです。
「極海コードは既存のSOLAS条
約、MARPOL条約を改正するという
形で施行されましたので、同コードの
WManager
1月1日以降、SOLAS検査(安全建設
南極海を航行する船舶には、PWOM
および極海船証書(Polar Ship
50
Part I-AとPart II-Aの適用時期は異な
っています。既存船(起工期日が2017
結成し、Viking Ocean Cruisesフリー 対応を行いました。
タスクフォースの構成:衛生安全環境品質(HSEQ)責任者Haakon Olaisen船長、HSEQチーム、
クルーズ部門チーム
運航評価
PWOMおよび船舶の装備
担当:
担当:
Lloyd’s Register Consultancy社が中
HSEQ チームおよび船舶管理者
チーム、上級乗組員がアシスト
活動内容:運航およびリスク評価要件に
活動内容:この必須評価では、船舶が
PWOMには以下の手順が含まれます。
心となり、当社の船舶管理者、HSEQ
満たすべき条件、制約、極海コード満
たすために必要な対応策を特定しま
す。評価時点では、当社が管理するク ルーズ船は同コードの船体構造や装
備に関する要件のほとんどを満たして いました。追加で装備が必要だったの
は、氷山探照灯、非常用の保温具、蓄
電池室用ヒーター、それに氷結除去・ 防止用の簡単な器具などでした。
基づきマニュアルが作成されました。 • 運航能力と制約 • 戦略計画策定 • 船舶の運航 • 人員
• 汚染防止
• 非常時への備え • リスク管理 • 共同運航
• その他の運航チェックリスト Lloyd’s Register社がPWOMを監査し承
認しました。当マニュアルは運航経験や将
来の規約改定に基づき適宜内容を改訂す
ることになっています。
第2号 - 2018
51
最新ニュース
PWOMを担当したクルーズチーム: (左から)Paal Berg Lande(フリート管理) 、Tove Nilsson(要員管理) 、Yngve Beite(船舶管理) 、 Merethe Sellæg(要員管理) 、Øyvind Krapf-Sterner(研修・能力開発) 、Ingrid Skarholt(乗組員管理) 、Haakon Olaisen(HSEQ) 、 不在:Tore Stang(船舶管理) 、Steinar Johannessen(船舶管理)
乗組員認定
船舶証明書
担当:
担当:
乗組員管理および研修・能力開発担 当マネージャー
活動内容:2017年の初めから、当社
船舶管理マネージャー 活動内容:極海航行が航行計画に含ま
れる船舶については、船舶管理マネージ
の航海士は3日間の氷海航行訓練コ
ャーはPWOMの規定に沿って、必要な装
の上級氷海航行訓練コースを修了し
当社の運航船はLloyd’s Register社の検
ースを修了し、船長と甲板長は5日間 ました。
2018年7月1日に、 デンマークとノルウ
備が搭載されていることを確認します。 査を受けた後、極海域航行船証書を受 領します。
ェーはそれぞれの旗国が発行する技
極海船証書には当該船舶が極海域を航
や訓練コースの修了を含む) を公表し
す。例えば、Viking Ocean Cruises社のク
認定証を受領しました。
ゴリーCに該当) は水温摂氏零下10度以
能認定証の要件(氷海での航行経験
ました。当社の航海士はこれに申請し
行する際の制約条件が記載されていま
ルーズ船(極海コードの船舶分類でカテ
下の海域の航行は避け、氷山には近づか
ないようにしなければなりません。 この証 書は更新のためには検査が必要です。
当社の管理船で極海域航行船証書を受 領した第一号はViking Sky号で2018年 1月でした。
52
WManager
仕事は終わらない
これらの一連の作業を通じてタスクフォースは多くの貴重な経験を積むことができ、PWOM の承認と当社が管理する船舶の認証に多大な貢献をしました。
「極海コードへの適合が複雑なのは船舶が予定している航 行エリアによって異なる点にあります。 より過酷な環境を航 行する予定の船舶にはより厳しい要件が設定されています。 乗組員に対する認定証を得るのは大変な苦労が伴いまし た。認定要件が公表されてから乗組員が実際に航海に出る まであまり時間がなかったからです。 タスクフォースはチーム として船主と密接に連絡を取りながら、極海コードの要件を 満たし、私たちが航行する極海の環境保護に向けて取り組 みました。」 WSMノルウェーHSEQ責任者 Haakon Olaisen船長
第2号 - 2018
53
最新ニュース
WSMはグローバルなプレゼンス 拡大に向けて英国にオフィスを開設
サウサンプトンオフィスが業務開始
11ºW
54
WManager
10ºW
9ºW
8ºW
7ºW
6ºW
WSMは、 グローバルなプレゼンスの
拡大のため、英国南部のサウサンプト
ンに新たな船舶管理オフィスを開設
しました。
WSM社長のCarl Schouは、 「サウサン
プトンは最も古くから海運業が栄えた 都市の一つです。 ここには、当社の成 長にすぐにでも利用できる海運関係
のインフラが整っており、 また人材も
豊富です。英国に拠点を設けるという
のは、当社にとって成長の当然の証し
(左から) Haakon Lenz、Carl Schou
であり、船舶管理ビジネスで築いてき た一つのグローバルな記念碑だと言 えます。 」 と語っています。
WSMのサウサンプトンオフィスは当
初5名のスタッフでスタートし、現時点
で管理を担当する船舶は11隻です。
「英国内に拠点を開設したことで、英国における管 理船および保有船の総トン数に占める当社のシェア が増えることを期待しています。 この地域は、今後大い に成長する可能性を持っている、 と考えています。」 WSM欧州・米州地域担当副社長 Haakon Lenz 当社は全世界6ヶ所(シンガポール、マ
レーシア、韓国、 ノルウェー、米国、そし て新たに英国)に船舶管理オフィスを 展開しています。
今年の初めに、当社は、 グローバルな
ビジネス拡大戦略として、 グループ本
社をマレーシアのクアラルンプールか
らシンガポールに移転しました。
5ºW
第2号 - 2018
55
最新ニュース
Energy Orpheus号の船長と乗組員に対して、 「人命救助賞」が贈呈されました。 これは2017年12月1日にインド洋 における捜索救助活動により9名の漁師の命を救ったことに対するものです。
チームビルディングセッションにおいてシナリオに反応する参加者たち 。
WSMが マレーシアで 幹部会議を開催 2018年4月24日から26日 まで クアラルンプールで幹部会議
56
WManager
2018年4月24日から26日までマレー
シアのクアラルンプールにあるシェラ
トン・インペリアル・ホテルで開催され た幹部会議に全世界から様々な職責
際してのメディア対応や検査で好成績
を上げるための方法について講演が 行われました。
の参加者が集いました。
また、主要顧客の船主の代理人が参
WSMアジア地域担当副社長のPaal
ました。
た。 フリートグループは大きく 「ドライ
その後参加者はグループに分かれ、
かれましたが、全体会合ではチームビ
面する課題について深掘りし、意見交
Gunnulfsenが開会の辞を述べまし
グループ」 と 「液化ガスグループ」に分 ルディングなどのセッションを行い、
いずれも全員に役立つトピックが取り 上げられました。
会社のシステムや最新の法規制動向
についてのプレゼンテーションの後、
ゲストスピーカーから、不測の事態に
加し、船主からの視点での洞察を語り
それぞれのフリートタイプにおいて直 換を行いました。
幹部会議は対話形式で行われ、出席
した幹部には大変好評で、そこで得
られた友情や学びを胸に帰路につき ました。
第2号 - 2018
57
IMTCの著者
IMTCの研修責任者が新著を出版 インドにあるInternational Maritime Training Center(IMTC)の研修責
任者でFIEの公認技術者でもある
Jagabandhu Majumderさんが『船舶
高電圧技術』 というタイトルの新著を 出版しました。
船舶工学分野では初めて取り上げら れるテーマで、2018年4月に出版、発 売されました。
機関士、電気工学海技士に必要とされ
内容は諸規則に始まり、高電圧安全手
る知識と訓練内容を提供します。
電気推進など多岐に渡り、船舶高電圧
Jagabandhu Majumderさんが専門書
順、高電圧発生器・開閉装置、AMP、
最新ニュース
(特にディーゼル電気船)に乗船する
についての優れたガイドブックとなっ
を出版するのはこれが初めてではな
ています。
く、 これまでに「船舶コントロール技
この本は、 「船員の訓練及び資格証明
り、いずれも多くの機関士、電気工学
並びに当直の基準に関する国際条約
(STCW条約)」の2010年マニラ改正に 準拠し、 コンテナ船、LNGタンカー、客 船、一部の特殊なオフショア船など、 高圧発電機を搭載した最新式船舶
術」 「 船舶電気工学」の2冊を著してお 海技士に好評を博しました。
Jagabandhu MajumderさんはWSM
の管理船に12年間乗船した後、5年前 にIMTCに加わりました。 またインド政 府海運局から嘱託を受けた電気工学 海技士資格審査官でもあります。
今回の新著出版のお祝いを申し上げ
るとともに、今後のご成功をお祈りし ています。
58
WManager
IMTC講師が最優秀トレ ーナー賞を獲得
当社の講師TA.P. Valodiさんが「2018年OFFING Maritime Choice Award」の「電気コース最優秀ト レーナー賞」 (全インド) を受賞しました。 OFFING Awardは、海上、陸上勤務の船員のみによるイン
ターネット投票によって受賞者が決定されますので、今回 の受賞は特に意義のあるものです。
Valodiさんは、IMTCの常勤上級講師を12年間務めていま
す。 またこの4年間はIMTCの専属コンサルタント契約も結
んでいます。
それ以前はValodiさんはインド海軍訓練校INS Valsuraで
講師を務め、電気士として30年以上に渡り様々な船舶に勤 務していました。 うち10年間はWSM管理船です。
OFFING Awardについて Offingグループは2018年4月19日から 21日までインド南西部のゴアで「Offing Maritime Carnival」 を主催しました。 そ こではインドの船員訓練校が参加する インド最大のフェスティバルが実施され
電気技術分野での専門家であるとともに、Valodiさんは水 力学、 自動化についても精通しています。
今回の受賞のお祝いを申し上げるとともに、今後のご活躍
をお祈りしています。
た他、 「2018年Indian Maritime Choice Awards」の受賞式も行われました。
第2号 - 2018
59
WSM KOREAの 地域貢献活動
最新ニュース
3年目に入りました!
WSM Korea社員は、同社の全社的な
のホリスティックな学習意欲を高める
地域貢献活動の一環として、2018年6
ためのもので、子どもたちは芸術療法
を訪問しました。 このボランティア活
由に表現します。
月9日に児童福祉施設Hee Rak Won
動は2016年にスタートし、今年で3年
目になります。
今回は子どもたちの作品を展示した
絵画工作展が行われました。 この展示
会は自然との交流を通じて子どもたち
を通して、 自らの個性、考え、感情を自
またWSM Koreaは同施設に1,000米
ドルを寄付し、施設の環境に優しい
補修に充ててもらうとともに、 「林」 と
名付けられた環境プロジェクトの一環
として施設内の庭園美化にも活用さ れます。 こうした活動は、地域に健全
でポジティブな影響を与えることがで きるはずです。 また、私たちが事業を
営んでいる地域への恩返しの意味も
あります。
このようにWSM Koreaが、ボランティ ア活動や寄付を通して、企業の社会
的責任を実践していることを誇りに思 います。
60
WManager
WSM NORWAYが 将来の船員を支援
2018年6月13日に訓練生が当社
のLysakerオフィスを訪れました。
訪問には訓練生の選抜を手助けし
てくれているTønsberg のMaritimt
Kompetansesenter (MKS)のJohan
Wiese Mathesonさんが同行しました。 当社では甲板員、電気士、機関士とし
て訓練生を受け入れており、研修後に
はノルウェーの国旗を掲げたクルーズ
船で乗船勤務に就きます。今回当社を 訪れた訓練生は乗組員部門の担当者
とのミーティングの後、当オフィスに併 設されているWilhelmsen博物館を見 学しました。
現在当社が管理するクルーズ船には 20名のノルウェー人訓練生が交代で 2018年から2019年に乗船勤務に就く予定の、将来有望な訓練生たち (後列左から)Johan Wiese Matheson (MKS)、Anton Dahl (甲板)、Trym Hansen (機関)、Jørgen Randby (機関)。 (前列左から)Mathias Olsen (甲板)、Herman Abrahamsen(電気)、Attcha Prommetta (電気)、Eirik Dilling Rusten
乗船しており、彼らが船員になるため
の教育を支援できることを誇りに思い
ます。
第2号 - 2018
61
VIKING ORION号が WSM NORWAYの 管理船として就航
当社が管理するViking Ocean Cruises 社のクルーズ船としては5隻目 2018年6月7日にイタリアのアンコーナにあるフィンカンテ
ィエリ造船所で、Viking Orion号が船主のViking Ocean
Cruises社と管理会社のWSM Norwayに引き渡されました。 同船は2018年6月14日にイタリアのリヴォルノで元NASA
宇宙飛行士のAnna Fisherによって命名されました。Viking
Orion号は全長227.2m、総トン数47,800トンで、乗客930名
最新ニュース
を収容できます。WSMが管理を担当する姉妹船同様、同船 はノルウェー国旗を掲げます。
(左から)Monia Knup(三等航海士) 、Anders Steen(船長) 、 Per Ole Godtlibsen(副船長、受領当日にノルウェー国旗を掲揚)
62
WManager
第2号 - 2018
63
最新ニュース
WSM KOREA の社員ハイキング WSM Koreaでは社員の健康増進の 一環として、2018年6月8日に釜山の
Soemi山でハイキングを行いました。 16名の参加者は朝早くストレッチ体 操を行なった後、ハイキングをスタ
ート。
WSM Koreaには壮健な社員が多く、 一人の落伍者を出すことなく全員が
完歩しました。 もちろん、それはお互い
に励まし合った結果でもあります。
64
WManager
仕事に熱心に取り組むのと同じくら
い、参加者は完歩を目指して頑張り、 同時に仲間意識を高めることができ
ました。
上りは長い道のりでしたが、清々しい空気が堪能できました。
自然に触れ合えたことで、心身ともに満ち足りた気持ちで帰宅の途につきました。
第2号 - 2018
65
最新ニュース
VIKING SUN号での 乗船研修
66
WManager
GPS Mumbaiのチームが、2018年4月
その後、Atle Haakon Knutsen船長の
までViking Sun号の航海(約248海里
ーに臨みました。
6日に、 インド西岸のゴアからムンバイ
の1泊旅行)に同乗するというまたとな い機会を得ました。
船上では、チームは上級士官や倉庫
招待でチームは上級士官とのディナ
翌日、接客担当ゼネラルマネージャ
ーのSujith Mohanと会い、衛生担当
責任者の案内で調理室を見学しまし
長全員とミーティングを行なった後、
た。責任者から調理室の設備・備品の
関室を見学しました。機関長は各設備
た。次にチームはランドリー室で実際
影響しているかを説明しました。 また
ました。
機関長のPero Pavlicevicの案内で機 の機能やそれぞれが船の航行にどう チームは倉庫長から倉庫管理のシス
機能について詳しく説明を受けまし
に作業が行われている様子を見学し
テムについて説明を受けました。
第2号 - 2018
67
最新ニュース
Viking Sun号がマレーシアやフィリピ
ンの港に入港した際には同様の乗船 研修がそれぞれの地元のスタッフを 対象に行われました。
素晴らしい教育のチャンスを与えて
いただいたことに対し、Viking Ocean
Cruises社のご協力とWSMフリートマ
ネージャーのPaal Berg Landeの尽力 に感謝します。
68
WManager
また、Viking Sun号のAtle Haakon
Knutsen船長、Ola Huseby副船長、
その他乗組員の皆さんに厚くお礼申
し上げます。
今回の乗船研修を通して、陸上勤務の
スタッフは旅客船の運航がいかに複
雑かつ大規模なものであるかを実感
できました。
第2号 - 2018
69
The ship manager you can trust.
マレーシア
シンガポール(本社)
韓国
Wilhelmsen Ship Management Malaysia 19th Floor, 1 Sentral, Jalan Rakyat, Kuala Lumpur Sentral 50470 Kuala Lumpur Malaysia
Wilhelmsen Ship Management Singapore 1 Kim Seng Promenade #09-06 Great World City, East Tower Singapore 237994
Wilhelmsen Ship Management South Korea 10F, Marine Center Building 52 Chungjangdaero, 9 Beongil (Jungang-Dong 4 Ga) Jung-Gu Busan, Republic of Korea 48936
T +6 03 2084 5600
T +65 6513 4670
T +82 51 711 0711
ノルウェー
アメリカ合衆国
英国
Wilhelmsen Ship Management Norway AS Strandveien 20 PO Box 33, NO-1324 Lysaker Norway
Wilhelmsen Ship Management USA 9400 New Century Drive Pasadena, Texas 77507 USA
Wilhelmsen Ship Management UK Limited
T +47 67 58 47 00
T +1 281 842 3826
T +44 0 23 8038 6196
免責事項:本冊子に記載した全情報は当社が知る限り正しく、各記事はあくまでも当社の見解によるものです。
3rd Floor, Friary House, Briton Street Southampton, United Kingdom SO14 3JL