wonder architecture
yoshihito nakano tezuka lab 2020 - 2021
1
中野慶仁
YOSHIHITO NAKANO
TIMELINE 1998
AWARD
埼玉県蕨市に産まれる
B1
週末住宅
学内 1 位
神奈川県横浜市桜木町で過ごす
B2
木造住宅
学内上位
2005
神奈川県茅ヶ崎市で過ごし始める
コミュニティセンター
学内 1 位
2017
神奈川県立鶴嶺高校を卒業する
集合住宅
学内上位
カフェ
福島加津也賞
手塚貴晴研究室配属
キャンパス
学内 2 位
東京都市大学工学部建築学科を卒業する
サードプレイス
学内上位
小学校
学内 1 位
自由が丘再開発
学内上位
卒業設計
学内 1 位(蔵田賞) 山梨知彦賞(学外賞)
東京都市大学工学部建築学科に入学する 2021
B3
東京都市大学大学院総合理工学研究科建築都市専攻に入学する
SKILL app action
B4
冨永美穂賞
建築新人戦 100 選
遠藤克彦賞
autocad/rhinoceroce/flowdesigner
高塚章夫賞(学内賞)石田有作賞(学内賞)
photoshop/illustrator/indesign
赤れんが全国卒業設計展 3 位
make model/sketch/guitar/snowboard/hitchhike
JIA 東京都卒業設計展 3 位
ADDRESS e-mail
yoshihito.tennis@gmail.com
tell
080-4788-2511
金沢歴史的コンペティション 4 位 M1
仮設的建築
学内 2 位
能作淳平賞
不気味な家
学内 2 位
ムトカ 村山徹賞
プレゼン賞
CONTENTS
STATEMENT
P3
卒業設計
砂象風景 / 砂に埋まる街
title
wonder architecture = sense of wonder = thaumazein
P 27
不気味な家
澄めるアソート / 欲望と理想を叶える住宅
text
私は身近な生活の中に、 「本質」を発見することができ、その「本
P 51
仮設的建築
機微の浸透 / 住宅転用できるオフィス
質」が人を豊かにすると考えている。だから、環境や人との対話
P 73
ポートフォリオ製本
inch W/ 伸び縮みする情報体
の中で常に「本質に繋がる驚き」を探している。この「驚きの感覚」 を常に受ける続ける建築を作りたいと考えている。
2
砂象風景 卒業設計 / 砂に埋まる街
KANAGAWA, CHIGASAKI 2020
砂に埋もれる街が、再び海とつながる 私の地元の茅ヶ崎は砂丘に栄えた街である。砂丘は海から街を守る存在であった。ある時、海沿いに国道ができ、海 との関係が切れ、それから街のあり方が変わった。そこで国道を埋め、砂丘を復活させることを前提に、砂丘と既存
海
砂丘
の街の間に砂を受け入れる建築を設計する。これは街と自然両者の存在を変えるきっかけを作る提案である。そして この先、自然と共に一体となった街のあり方、砂と共にどう時を刻んでいくかを表現する。 国道が砂丘にもどり、さらに時が経つと街の方へ砂が流れてくることが予想される。実際にさまざまの模型を砂丘に 持っていくと、どの模型も砂に埋まった。これが自然なら、砂を防ぐのではなく、流れることを許容し、受け止め、 埋まる。これが建物のあり方で、ここで暮らすということであると考えた。 自然の循環の一部として、立ち現れて、消えていく。人間社会の利害関係を超えた建築になることを願う。
5
1800 年代 砂丘が自然堤防として機能していた昔
農村
海
国道
駅側に向く街
海
砂丘(国道)
砂を受け止める建築
海へ向く街
海
砂丘
2000 年代
提案
一億年後
国道により海と街が切り離された現在
海と繋がりながら、流れてくる砂丘を受け入れる
この建築が広がり、砂丘の一部となる未来
砂丘際の新たな街のあり方
6
砂の街
7
海まで繋がる砂丘ピロティ
↓中庭玄関から入る砂丘の街
将来の玄関となる屋上庭園
8
9
0
5
10
20
50m
既存の木々を避けてできた中庭が建物の玄関口となる /2040 年 Plan
10
11
2040 年 /Section 0
5
10
20
高床によって砂を踏みしめながら海まで歩いていける /2040 年 Section
12
50m
0
5m
砂丘を拒絶する街から受け入れる街へ 後退する海岸線と侵攻する宅地化の間 から、砂丘の存在を発見する。現在は 砂を受け入れない街の作り方になって いる。毎年何億円もかけて砂を海まで 戻しているのである。既存の街はすぐ には変えられない。そこで、街と海の 間に砂を受け入れる街を提案する。砂 と共にある街のあり方を考え直す。
学校の運動場もに担っていた砂丘
茅ヶ崎から海を切り離す国道
1870 年
1900 年
1960 年
1870 年
海
小舟と地引き網の網
1900 年
海
徒歩が唯一の海への移動手段
1930 年
海
海浜公園計画の始まりの湘南道路
1960 年
海
国道に制定され、交通量が多くなる
1990 年
海
砂防林の成長と交通量で海と町を断絶する
2020 年
海
国道
2040 年
13
船屋や網の保管場だった砂丘
海を感じさせない街の
自然堤防の役割も果たす広大な砂丘
患者のために松原を植えて環境を整え始める
薪につかわ
老人ホームがで
の建ち方
海沿いに広がっていた砂丘
宅地化で埋め立てられる砂丘
国道整備と波により侵食される砂丘
2020 年
1870 年
1960 年
2020 年
密度の低い松林
村はずれの砂丘の中で南湖院開設
われ何度も植え直した松原
できて海と町から切り離される
老人ホーム拡大
計画敷地
14
地引き網と桑や芋を生業とする茅ヶ崎村
大山からやってきた神社
駅から南湖院までの道が賑わう
最新の医療機器と公共施設が揃う南湖院の最盛期
参道と神社
住宅地
南湖院は解体しキャンプチガサキとして軍に使用された
参道と神社
高砂緑地周辺は古い住宅地が残る
参道と神社
高砂緑地周辺は古い住宅地が残る
参道と神社
高砂緑地周辺は古い住宅地が残る
1870 年
南湖からのコレラの病死者を埋める砂山
東海道へ接続する小さな集落
高砂緑地の別荘
1900 年
戦時中に高砂緑地の砂山から砂が取られる
別荘とお見舞いのための商店と宿ができる
高砂緑地の別荘
1930 年
駅
商店街拡大
駅前ロータリー
1960 年
戦後で別荘地を手放す人が増える
空き地や田んぼが減って商業地区が形成され始める
駅前ロータリー
1990 年
老朽化により取り壊す別荘
テナントビルが増えて繁華街化が進む
駅前ロータリー
2020 年
旧別荘地に美術館開館
テナントビルが増えて繁華街化が進む
茅ヶ崎駅が改築される
2040 年
15
海中が隆起した時に残った沼
桑と芋を育てる畑
平塚宿と藤沢宿の間の東海道
駅ができたことで町の中心が変わる
駅開設で北側に広がる農村
茅ヶ崎駅
南湖院の患者だったヒトが始めた製糸工場
茅ヶ崎駅
北側の駅前商店街が広がる
茅ヶ崎駅が一新される
北側に工場が増えて町が拡大
戦争を機に大型の広場や施設が立ち並ぶ
大型の商業施設が立ち並び始める
茅ヶ崎駅
立体歩道が追加される
0
16
20
50
100
200m
海までの道を阻む国道と公共施設をときほぐす 住宅地は旧道の形状を残している。しかし、現在は国道と公共施設が海沿いに並んでいる。そのため、海へ行くための道路が削られ、一度、歩車混在している車道に出てから海に歩いていかなけれ ばならない。そこで現在の位置のまま国道と国道にアクセスする車道をトンネル状にして砂丘の下を通す。歩行者は住宅地を抜け、砂丘を伝って歩いて行けるようになる。既存の公共施設は、新た な砂丘の街に受け継がれ、生活が継続される。
17
18
砂を受け入れる構造体のスタデイ
砂と共に変わり続ける構造体 街の新たな骨格を模索した。実際に茅ヶ崎の砂浜にいき、模型を置いてみた。徐々に海風が模型を徐々に埋めていき、構造の弱い模型はすぐに壊れてしまった。その中で、砂をうまく受け止めたフ ラクタル状の構造体を選んだ。ハニカム構造が壁柱で紡がれていく構造である。この連続するハニカム構造は、壁柱が海に斜めに面していたため、うまく砂を受け流し、柔軟に街を展開させられる。 また、この構造は大部分が砂に埋まっても、時代を超えて、街の当時の姿が想像することができる。
19
20
宙を舞う 飛砂
200
跳ねる
防砂林
200
200
転がる
茅ヶ崎は転がる砂が最も多い
風除けが飛砂も防ぐ
堆砂量は年間約 200mm
未来 砂に埋もれてからの動線
木々 屋内 屋内
現在 砂に埋もれるまでの動線
中庭玄関
砂丘ピロティ
砂を受け止め人を流す中庭玄関と砂丘ピロティ 砂丘ピロティと中庭玄関があることで、 砂に左右されず使い続ける建物となる。ハニカム構造体を海沿いの既存の木々を避けながら展開していくことで中庭ができる。建物の周辺から砂に埋まるため、 中庭は永遠の玄関口として機能する。中庭玄関は、海風の影響を受けにくいため、洗濯物を干したり、生活の軸として機能する。断面的には高床にすることで砂丘のピロティが生まれる。砂丘を踏 みしめながら海まで歩いていくことができる。砂丘ピロティは、漁業の道具の保管場所として使われる。砂がきても、綺麗に埋まることはないと予想されるため、天然の種子の保管庫としての役割
モノと自然の種子が貯蔵されていく保管庫 / 砂丘ピロティ ↓砂を掃きながら使われる生活拠点 / 中庭玄関
もはたす。
21
22
23
図書館、保育園、カフェなど公共機能 /2F
集合住宅、シェアハウス、テラスなど住居機能 /3F
この建物は海沿いに建ち、海 風に晒される。塩害対策とし て、無筋コンクリートで建て ることを検討する。この建物 は砂と共にあり続ける。全て 埋まるころにはこの建物も崩 れてなくなる。
24
モルタル構造模型 /S=1:100
砂と共にあり続ける街の構造
25
26
不気味な家 / 欲望と理想を叶える住宅
澄めるアソート TOKYO, AZABU 2021
29
儀式に潜む願いを住宅に取り込む 住宅に潜む儀式とは、住空間としては過剰な設えで不気味なモノに思える。儀式には人の願いや思いがこもっている。そこで、家の機能を儀式に見立てて考え直した。そこにはだらしない自分を際 限なく甘やかす、吸音材寝室やドレスアップして社交的に振る舞うことができる階段室リビングが現れる。この住宅を通じて、人の欲望を受け入れたり、生きるポテンシャルを発揮できる両儀的な 家になることを願う。
納戸 / 麻の床 / 寝床
ミクヴェ / 階段沐浴 / 湯船
ヒヌカン / 三つの石 / 竈門
天啓シャワー
前室
吸音寝室 階段室リビング
トイレ 脱衣所
前室 提灯玄関
30
1|儀式としての生活
2|儀式の表面に見せる
3|何かに見える余白
4|欲と理想
現代では効率のために最小化や排除されて
水回りや寝床は儀式の場から派生してきた。
人は見立てる力を通して儀式に神を感じて
それぞれの欲望を叶える場所、理想を体現
きた諸室がある。人の日常の行為のレベル
隠してきた見られたくない諸室も儀式化し
いた。微妙な距離感で余ったスペースが、
できるかもしれない空間。人の両儀的な感
まで見直し、人の儀式の歴史から諸室のあ
て、道の表面に並べる。
大きなワンルームのリビングや街の入りく
情を満たす家になる。
り方を捉え直す。
31
ねる路地裏にも見えてくる。
32
33
連なって生活動線となる脱衣所・トイレ
↓温泉あるいは沐浴の瞑想湯船
34
7150 1650
4400 1650
敷
地
境
↓水浴びあるいは滝行の天啓シャワー
5
界
階段上の瞑想湯船
線
欲を叶える儀式空間が思考を研ぎ澄ます 生活の各行為に応じた空間を作る。シャワーでは、高 いところから水滴が降り注ぎ、体に当たる。それはま るで滝行のような儀式である。具体的には、給水管を 周囲に張り巡らせ、高所からお湯を降らせる。光と共 に光とともにお湯が降り注ぐ空間となる。一般的に湯 船に入るための作業となっている。しかし、ここでは、 体中に流れるお湯を纏わせる特殊な行為として再認識 される。このシャワーを浴びると、泉で遊んだ子供の 頃の思い出が蘇るかもしれないし、邪念が消えて良い アイディアが浮かぶかもしれない。
110
110
135
20
20
36
90
90
天啓シャワー
内壁: コンクリート打ち放し (普通ベニヤ型枠)
上部トップライト 内壁: 水道管 φ=20~60mm 配管固定用 SUSアングル金具 (U ボルト共)
リビング 水道管 φ=200mm
コンロツメ シンク
35 リビング FL +2750
外部吹き抜け
36
37
提灯戸と階段下カフェ
↓提灯戸から見上げた階段小部屋
提灯戸玄関側 / 立面
38
4400 975
165 1650
1625
敷
地
境
界
線
何かに見える歪な空間 儀式空間を作っていく上で生まれた歪なワン ルーム。日本には、火の神様を祭るために 3 つの石を並べるヒヌカンという儀式がある。 ただの石に見えるが、調理に使う鍋を支える ための石にも見える。これと同じように、机 の脚やコンロのツメ、クッションの発するサ インから、この部屋の用途を読み取ることも できるかもしれない。解釈次第では、食事を する台所や語らう階段、社交の場として使わ れることもあるだろう。
上部トップライト
110
110
135
20
20
90
天啓シャ
90
内壁:
36
t=30mm 外部壁乾式工法
上部トップ
内壁: コンクリート打ち放し (普通ベニヤ型枠)
階段小部屋 FL +4250
テーブルレッグ
内壁: 水道管 φ=20~60mm 配管固定用 SUSアングル金具 (U ボルト共)
水道管 φ=200mm
コンロツメ シンク
リビング FL +2750
床:ブナフローリング t=12mm 内壁: PB t=12.5mm
クロス仕上げ 外部吹き抜け
20
90
90
33
クッション 450角
t=250mm
20
110
70
内壁: コンクリート打ち放し (普通ベニヤ型枠)
20
90
20
外部吹き抜け
内壁: ミラー貼り t=8mm (両面粘着シールマット t=3mm) PB t=12.5mm
36
90
39 リビング リビング
FL +1750
20
内壁: PB t=12.5mm クロス仕上げ
62 110
110 47
@455 内壁: モルタル t=20mm 掻落し撥水剤塗布 ラス網・防水紙 PB t=12.5mm
階段小部屋 FL +1250
@455
56 90
90 60
40
41
反射するリビング
↓吸音する寝室
90
33
クッション 450角
t=250mm
110
70
内壁: コンクリート打ち放し (普通ベニヤ型枠)
20
90
90
20
20
36
ある行為のための空間と何かのための空間
内壁: ミラー貼り t=8mm (両面粘着シールマット t=3mm) PB t=12.5mm
リビング
リビング
儀式に特化した精神的空間と、何かをする FL +1750
内壁: PB t=12.5mm クロス仕上げ
ための社会的空間。どちらも人が持ってい
@455
56 90
90 60
る側面であり、切り離すことはできない。
110 47
90
内壁: モルタル t=20mm その関係性は、住宅の配置関係として現れ 掻落し撥水剤塗布 ラス網・防水紙 る。寝室とリビングの場合、吸音する材の PB t=12.5mm
62 110
0
裏に反射する鏡面壁が現れる。リビングか 階段小部屋
@455
らは、外出するために使われる大きな姿見 FL +1250
内壁: 吸音材 300mm角 t=30mm PB t=12.5mm 不燃断熱材吹き付け t=25mm
鏡があるように感じる。寝室からは、部屋
吸音寝室
上部トップライト のどこでも寝転がれる一室と感じる。
FL +3640
寝室における儀式性は、納戸にある。物置 の他に寝室や産場として使われ、麻敷きの ふかふかした床であった。柔らかく全てを 受け入れる姿勢を踏襲し、そこで寝室全体
m
に音も光も痛みも吸収する仕上げとした。
床: マットレス h=190mm スノコ t=30mm ラワン合板t=5.5mm 構造用合板 t=12mm 乾式二重床システム
外壁: コンクリート打ち放し 浸透系撥水剤塗布
敷地
62 110
110
20
62 110
110 62
62 110
110
20
吸音寝室 FL +3640
床: 吸音材 300mm角 t=30mm 下地PB t=9.5mm
FL +4600
内壁: 吸音材 300mm角 t=30mm PB t=12.5mm 不燃断熱材吹き付け t=25mm
境界
線
2775 42
760
7150
715
600
1050
7150 1100
4400 975
1625
1650
敷
地
線
FL +4250
20 110
110
上部トップライト
135
内壁: PB t=12.5mm
36
t=30mm 外部壁乾式工法
内壁: 水道管 φ=20~60mm 配管固定用 SUSアングル金具 (U ボルト共)
クロス仕上げ
テーブルレッグ
内壁: PB t=12.5mm
床:ブナフローリング t=12mm
90
90
20
110
70
20
内壁: コンクリート打ち放し (普通ベニヤ型枠)
FL +2750
外部吹き抜け
33
前室
クッション 450角
t=250mm
外部吹き抜け
70
20 20
20 110
内壁: 鏡貼り t=8mm (両面粘着シールマット t=3mm) PB t=12.5mm
FL +1750 33
110
110
20
@455
階段小部屋 FL +1250
775
上部トップライト
56 90
内壁: 吸音材 300mm角 t=30mm PB t=12.5mm
110 62
FL +3640
床: マットレス h=190mm スノコ t=30mm ラワン合板t=5.5mm 構造用合板 t=12mm 乾式二重床システム
不燃断熱材吹き付け t=25mm
110 62
62 110
110
クロス仕上げ
内壁: モルタル t=20mm 掻落し撥水剤塗布 ラス網・防水紙 PB t=12.5mm
20
2285
62 110
内壁: PB t=12.5mm
1525
110
1300
20
吸音寝室
90 60
1100
内壁: ガルバリウム鋼板小波 t=12mm
6610
90
上部トップライト
1600
3300
クロス仕上げ
リビング
20
6610
シンク 内壁: 水道管 φ=200mm
2725
床: タイルカーペット 500mm角 t=9mm レベル調整モルタル t=9mm コンクリート金コテ t=65mm 硬質スタイロフォーム t=50mm
36 90
925
コンロツメ
FL +3250
1600
20
天啓シャワー
90
内壁:
90
敷 地 境 界 線
1250
界
階段小部屋
上部トップライト 外壁: コンクリート打ち放し 浸透系撥水剤塗布
境
1625
150
1650
760 敷地 境界 線
760
床: 吸音材 300mm角 t=30mm 下地PB t=9.5mm
敷地
外壁: コンクリート打ち放し 浸透系撥水剤塗布
境界
648
602
線
2775
760
7150
43
715
600
1050
瞑想湯船 / 儀式空間
天啓シャワー / 儀式空間
20
上部トップライト
90
敷 地 境 界 線
外壁: コンクリート打ち放し 浸透系撥水剤塗布
90
内壁:
36
t=30mm 外部壁乾式工法
階段小部屋 FL +4250
テーブルレッグ 脱衣所 / 儀式空間
前室
階段小部屋 / 社会空間 コンロツメ
トイレ / 儀式空間 前室
吸音寝室 / 儀式空間
リビング FL +2750
床:ブナフローリング t=12mm 内壁: PB t=12.5mm
クロス仕上げ
提灯玄関 / 儀式空間 20
90
90
33
クッション 450角
t=250mm
上部トップライト
意識の切り替えができる前室 外部吹き抜け
人が空間によって使い方を切 り替えることは容易ではない。 前室を介して階段室リビング とそれ以外の儀式の部屋を行 き来させることで、人の意識 を 切 り 変 わ る。 そ れ に内壁: よ り、 ミラー貼り t=8mm (両面粘着シールマット t=3mm) 使い方の変化を自然に引き起 PB t=12.5mm
前室
110
110
こす。2 つの前室には同じ仕
20 110 47
FL +3250
33
内壁: ガルバリウム鋼板小波 t=12mm
上げを使用し、前室であるこ とがわかるようにしてある。
62 110
@455
リビング
床: タイルカーペット 500mm角 t=9mm レベル調整モルタル t=9mm コンクリート金コテ t=65mm 硬質スタイロフォーム t=50mm
内壁: 吸音材 300mm角 t=30mm PB t=12.5mm 不燃断熱材吹き付け t=25mm
吸音寝室 FL +3640
20
110
吸音寝室 FL +3640
床: マットレス h=190mm スノコ t=30mm ラワン合板t=5.5mm 構造用合板 t=12mm 乾式二重床システム
62 110
110 62
62 110
44
床: マットレス h=190mm スノコ t=30mm ラワン合板t=5.5mm 構造用合板 t=12mm 乾式二重床システム
外壁: コンクリート打ち放し
吸音寝室 FL +3640
床: 吸音材 300mm角 t=30mm 下地PB t=9.5mm
45
46
階段下カフェ側 / 立面
47 隣地境界線
1450
810
2975
595
1227
最高高さ=GL+8279
道路境界線
1725
屋根: 防水コンクリート (コンプラスト)
水勾配 50
5650
1
天井: コンクリート打ち放し
内壁:
内壁: ガルバリウム鋼板小波 t=12mm @455 内壁: PB t=12.5mm
クロス仕上げ
t=30mm 外部壁乾式工法
階段小部屋 LF +4250
テーブル 外壁: コンクリート打ち放し 浸透系撥水剤塗布
リビング LF +2750 シンク
階段小部屋 屋根: 防水コンクリート (コンプラスト)
水勾配 50
内壁: コンクリート打ち放し
LF +2250
1
1 内壁: ミラー貼り t=8mm (両面粘着シールマット t=3mm) PB t=12.5mm
クッション 450角 t=250mm
2FL=GL+2629
水勾配 50
外壁: コンクリート打ち放し 浸透系撥水剤塗布
扉: 青紫ビニールカーテン t=0.5mm
提灯玄関
天井: ポリウレタン t=15mm 貼り付け
床: ナラ無垢フローリング t=15mm 捨て合板 t=15mm
階段下カフェ
内壁: コンクリート打ち放し 浸透系撥水剤塗布
2750
LF ±0
真鍮ボックス
床: ゴムチップウレタン (競技用タータン) t=9mm アスファルト t=50 砕石 t=150
床: 石タイル t=9mm モルタル t=20mm
1FL=GL-121
瞑想湯船 LF-1000
1680
内壁: タイル貼り t=10mm モルタル t=25mm スタイロフォーム t=30mm
コンクリートスラブ t=400mm 捨てコン t=50mm 砕石 t=60mm
1974
921
2050
2004
925
700
B1FL=GL-1801
700
a'
排水槽
1450
瞑想湯船
825
1177
FL-1000
天啓シャワー
600
くつろぎの多様なかたちを感じとるカフェ 階段室リビングと同じように階段からの影響を受けるカフェ。
2161
階段下カフェ
人々は外に出ると活動的になる。ここでは、階段下を利用して、 1819
脱衣所 上部吹き抜け
531
トイレ
つろいだり、バーカウンターとして立ち飲みをするかもしれない。 それぞれの持つ特性を感じ取ることでくつろぎが幾重にも展開す ることを期待する。
カフェ厨房 階段小部屋 FL +1000 前室
GL -150
提灯玄関
a' GL -450
975
1800
900
850
1325
1050
2500
2250
床には陸上競技用タータン、階段の裏側にはポリウレタンの生地 を張っている。これらのサインから、座敷のように靴を脱いでく
上部吹き抜け
1974
さまざまなくつろぎ方を見つける。階段下には真鍮の箱を置き、
1050
GL +300
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仮設的建築 / 住宅転用できるオフィス
機微の浸透 TOKYO, TODOROKI 2021
災害に備える公共建築 私たちの住んでいる日本は、多くの災害に見舞われてきた。しかし、仮設住宅などは、災害後に、準備し建て始める。そこで常に災害に備える公共建築を設計した。これは特殊技能がない一般の人 でも住宅を形作ることができるスキームを持つ。これからも災害と付き合っていく日本だからこそ、公共施設が住宅に転換できる新たな建築のあり方を提案する。 スキームを作る考え方として、普段は、仕事に集中できる閉じられた時間貸しオフィスとして利用する。災害時には、環境と人とがつながる開放的な住戸となる。この建築は、社会からの変化の浸 透具合を調節する。人の意識の機微にまで寄り添う建築になることを目指した。
くなる
子
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く
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昼
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会
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寝したくな
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仮設的 建築
日常時 の社会
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ク
社会の変化を調節する建築
人の行為の方向で変化する建物
日常は作業に集中したい。震災の後は、癒しを欲する。建築は、
日常は内側に閉じ、災害時は外側に開く。日常生活では、さまざまな目的を達成するための箱となる。震災後は、人を癒す
周囲の環境と私たちの関係を調整する。
ための開かれた家となる。
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外部環境や住民と交流する生垣 アーチの生垣レイヤー
プライベートを確保する奥まった玄関 路地レイヤー
オフィスとキッチンを切り替える仕掛け 回転建具レイヤー
オフィスと住居を支える 3 つのレイヤー 3 つのレイヤーを用意することで、異なる二つの用途に対応 する。まず、アーチの生垣レイヤーである。オフィス利用時 には、公道と距離を取ることができ、作業に集中できる環境 を提供する。住宅利用時には、自然や近隣住民との交流の場 となる。次に路地のレイヤーである。路地はオフィスの各部 屋を柔らかく仕切り、全面庭に開放したまま、遮音性を確保 する。住宅利用時には、公道から奥まったところに中庭の玄 関があるため、人の目を気にせず出入りできる。最後に回転 家具のレイヤーである。オフィスの各部屋を仕切るものにな る。回転させると、外でくつろぐための家具に変わる。
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浸透圧によってプランが変容
日常時
非常時
日常と災害時で動線の流れが変わる 高圧の状態
低圧の状態
回転家具が生活の軸に 日常は、時間貸しオフィスとして使われる。一つの入り口から入り、各居室の拡散する。非常時は住宅に転用される。各光庭が家庭ごとの入り口となる。
日常と災害時での動線と中心が変化する
光庭とオフィス
中庭キッチンと住戸
会議の拠点が、食卓の拠点へ テーブル付きの建具が回転する。会議室のテーブルと給湯室の洗い場だったものが、中庭キッチンとダイニングテーブルになる。
コワーキングスペースと光庭
住居と中庭キッチンへ転用
道沿いの会議室だったものが、個人の部屋になると読書会の拠点へ 中庭に向いた給湯室は、昼食のための土間キッチンへ
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光風を取り込むボイド / 俯瞰写真
道から引き込むことで作り出した光庭。住宅転用される際には 上部の吹き抜けから風が吹き下ろされる。さらにアーチの生垣 の隙間から周辺に風が吹き抜ける。2 階の銭湯は中庭周辺に配 置している。人目を気にすることなく、新鮮な光と風を取り込 むことができる。
中庭から風をいれる様子 / 風解析
住環境を整える中庭
地震から住人を守り、周囲の視線を遮る生垣アーチ 外側に開く回転式の家具と生け垣のアーチが人を包み込む。また、周囲の住宅から の視線をカットしながら、 シェアキッチン、 銭湯のある 2 階にも光を届ける。生垣アー チは二回スラブに接続され、地震力を受け止める壁となる。
緑を育て、風の抜け道になる建物 / 立断面パース
回転家具と生垣アーチ
個人デスク 2 個人デスク 1
光庭 4 光庭 6
個人カウンター
エントランス
個人デスク 3
光庭 5
エントランス
ミーティングルーム 1
オープンスペース
光庭 1 ミーティングルーム 2
光庭 3
オーディオルーム
光庭 2
ミーティングルーム 3 ミーティングルーム 4
日常時の時間貸しオフィス /Plan 1F
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10m
住戸 1-3
住戸 1-1
住戸 2-1
土間キッチン 1
住戸 4-1
住戸 2-2
住戸 1-2 土間キッチン 2
住戸 4-2
土間キッチン 4
住戸 2-3
土間キッチン 3 住戸 5-1
住戸 5-2
住戸 4-3
住戸 3-1 住戸 3-2
土間キッチン 5
住戸 7-2
住戸 6-2
住戸 5-3
住戸 7-1
住戸 5-4
住戸 6-1
住戸 7-3
土間キッチン 7
土間キッチン 6
住戸 6-3
住戸 7-4
住戸 7-5
住戸 6-4
非常時の住宅 /Plan 1F
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10m
エントランス 2
脱衣所 2
脱衣所 3
銭湯 1
銭湯 2
エントランス 3
光庭 4 光庭 6
脱衣所 1
脱衣所 4
光庭 5
エントランス 1
シェアキッチン 1
光庭 1 中庭テラス
光庭 3
光庭 2
エントランス 4
シェアキッチン 2
メインエントランス
間仕切れる銭湯とシェアキッチン /Plan 2F
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1
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10m
男女で二分する銭湯が家族 単位の風呂に変わる 日常時は、男性と女性で二つ 脱衣所 2
脱衣所 2
脱衣所 3
脱衣所 1
脱衣所 5
脱衣所 6
に分かれる銭湯。しかし、災 害が起きてここに何年か住む
男湯
女湯
家族 1
家族 5
ことになる家族にとって、常
家族 6
に他人の目があることはスト レスにである。そこで、災害 後は、各家族に時間貸しする
家族 2
できる7つの風呂に変わる。 洗い場や湯船の位置は変えら れない。脱衣所の場所を分散
家族 3
脱衣所 1
脱衣所 3
しておくことで、風呂を分け
脱衣所 4
脱衣所 7 家族 4
家族 7
脱衣所 4
日常の男性と女性で分かれる銭湯
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非常時は家族単位に間仕切られる風呂
ることを可能にする。
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ポートフォリオ製本 / 伸び縮みする情報帯
inch W ROLl PAPER, 339×246 2021
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尺取り虫 (inchworm)のように伸び縮みする製本 伸び縮みする製本を考えた。蛇腹に折り込むことでコンパクトに読める本になり、 伸ばすことで大勢で読める帯になる。帯状の紙を折り畳むことで紙が二重になり、 張りがでてめくりやすい紙質になっ ている。また、折り畳むだけの簡素な製本で、本にアソビができている。このアソビが、開閉時の本とカバーのズレを調節してくれている。作りやすくて、読みやすく、収納しやすい、素直な製本 を目指した。
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