6年間を 忘れない為の ポートフォリオ
立松 裕規
Portforio as a note of six years.
ACADEMIC WORKS ARCHIVE アカデミックワークス・アーカイブ
Designed by Yuki Tatematsu
6年間を 忘れない為の ポートフォリオ
Portoforio as a note of six y 目次 Contents
4
MUDDLER Hans Cristian Andersen / House of Fairytales Competition 2013 美術館
22
建築に孔を開けてみる コンバージョン 2010 図書館
40
空間 | 空感 2011 駅前広場
54
街の diagonal 2009 オフィス
62
KIRIKABU 2010 幼児施設
70
43 イエガタ 2011 商業施設
84
お お き な 煙 突
2011 全国学生 JACS 住宅設計コンペ 「光と風」 2011 住宅
ACADEMIC WORKS ARCHIVE アカデミックワークス・アーカイブ
Designed by Yuki Tatematsu 2
years.
る
94
田の字プランの家
大 小 の 扉
142
2012JACS 全国学生住宅設計コンペ 「自分の家」 2012 住宅 ここのつ
98
2
3 屋 根 の 家 2013JACS 全国学生住宅設計コンペ 「郊外住宅の新定義」 2013 住宅
104
リノベーションアイデアコンペ 2011 住宅
うつろいゆくうちのなかで
152
TEPCO インターカレッジデザイン選手権 2010 小屋
After the incomplete
154
Lの家
シェルター学生設計競技 2010 小屋
2009 住宅
114
屋根並みの融和
Double spiral volume + In between volume
158
愛知建築士会コンペ 2013 公共施設
130
7 の屋根を持つ 9 の住宅 リッチライフデザインコンペ 2013 集合住宅
134
吉阪隆正 - Villa Coucou を読み解く
180
2012 リサーチ
Like an umbrella 日新工業設計競技 2012 小屋
138
Taichung city cultual center competition 2013 図書館、美術館
3DCG・視領域を用いた 建築空間の記述方法
196
文脈の無い風景
2013 検証
ユニオン造型デザインコンペ 2012 概念
3
Hans Cristian Andersen / House of Fairytales Competition
MUDDLER When people through this museum, they feel two spaces are MUDDLED. That is likes reading books. The reading activity comes from relationship between two worlds: one'sown world and fairytale's world. Turning pages, which means that walk around in the museum, people can go into the fairytale's world deeply. That is filled with discovering or surprising of the other world. Sometimes they understand the character in the story by running oneself with him/her. Additionally, sometimes return pages. Thus, our proposal is that convert the character of reading to an architecture.
人々がこの美術館を訪れる時、2つの空間が混ざっ たように感じられるだろう。私達が思うに、この状 態は本を読む事と似ている。 童話を楽しむ時の事を思い返して欲しい。 本のページをめくるに従って発見や驚きに満ちた童 話の世界にずんずんと引き込まれていくような感覚 に陥って行く。ときおり主人公と自身の境遇を重ね 合わせて理解を深めるだろうし、さらに理解を深め ようと話をさかのぼって過ぎたページを読み返す事 もあるだろう。つまり読書するという行為は、その 人の生き方によって蓄積された世界と、本の持つ世 界観の2つで成り立っているのである。 この状態が私達の考える " 読書する " 状態であり、 読書する様に建築を体感する状態こそ本建築の提案 である。
4
Project deta Principle use | museum Site | Odence, Denmark Number of stories | 2F Structure | S Year | 2013
5
About competition
fig.1 Map of participant
Hans Cristian Andersen まで通り街の延長として、市民だけでなく町を訪れた人々 にも解放された広場を設ける事に加えて、アンデルセン 童話の世界観を表現した空間を設える事が求められた。 また本課題はアイデアコンペではあるものの、世界中か ら参加者を募っており、実際多くの国から応募があった (fig.1)。優秀者は実務設計の候補者として次のステージに 進める事になっている。
アンデルセン童話の名で世界中で子供たちに親しまれて いる、クリスチャン・アンデルセン。 彼の生涯を記録した美術館は、故郷であるデンマークの オーデンセに現在も建っており、開放された庭園と共に 市民に親しまれているが、老朽化が進んでいるのが現状 である。本課題は、既存のアンデルセンミュージアムの 改築アイデアコンペである。コンペの主な規約には、今
ⅰ
ⅱ
ⅰ | 既存アンデルソン美術館俯瞰 ⅱ | アンデルソン美術館外観 ⅲ | 敷地周辺の街並
6
ⅲ
Competition site
Odense, Denmark
city level
Site map
7
town level
Concept
ページをめくりめくり本を読み進めるような体験を空間化したい。 それは本の世界と自分の世界。その2つが徐々に交じり合っていくような ... The experience comes from walking around like turning pages. And muddling two worlds by that ...
Image Andersen's world
One's world
Across two world
Failytale of ANDERSEN
Someone
Reading book
8
Scheme イメージに対し、非常に簡素な渦巻きの図式を採用した。 2つの世界、双方がが付かず離れずの関係を持つ平面的な関係に加え、 断面の操作を与え、体験する事で生まれる時間軸の操作を行った。
Diagram A (plan)
Separated two world
Nested world
本建築は2つの特徴的な空間で構成されている。
Separeted two World
This architecture is constituted with two characteristic areas. One of these is the area which is to draw activities from city into the museum, and the another is to draw the Andersen's world from exists. By twisting these two, we propose the architecture like a spiral.
1つ目は、都市から建築内に入ってくる人々の流れをな ぞらえるように作った空間。もう1つは、アンデルセン の世界観に満たされた空間です。この2つが交じり合う 様を渦巻状の図式と見立て、建築に落とし込んだ。
Diagram B (section)
see
see Phase 1
Phase 2
Phase 3
本建築は、展示経路内を進むに連れてレベルが上昇して
This museum has a composition that the more go deeply,
いくように構成されている。またスパイラル状の図式を
the higher floor level. And, the plan is like a spiral,
採用しており、自分が以前居た場所を客観的に俯瞰する
therefore, the space where you are now stands by the
ような場所ができる。結果、1つの座標を時間軸を持っ
space where you were. As a result, people can see the
て多角的に見ることのできる視点が、建築内に点在する
place where they were from the other point of view.
事となった。
9
Civic plaza - Entrance People are drawn into the museum by the wide slope. Entrance hall is opened to everyone and you can see existing townscape from the hall." 10
entrance hall civic plaza approach
導入部 大きなスロープに導かれて美術館内に入って行きます。 人々を建築内に招くだけでなく、都市公園の一部として人々の憩 いの場としても機能します。エントランスホールは誰でも訪れる ことができ、窓の外には既存の街並を垣間見る事ができます。
11
Plaza
Tram
Bikelane
Plaza
Exhibition2
Exhibition3
EV
Lo
+ +4,500
Exhibition ±0 Pedestrian flow
Civic Plaza
Plaza
Activity Visitors walk around in the museum through circulation space and Andersen's space.There are openings on the walls, and going deeply, people see areas which experienced before through these.
existing
来訪者は、アンデルセンの展示空間と、動線 空間をまたぎながら美術館を回遊します。館 内を進むにつれて、建物の中心部に向かい、 開口を通して以前通過した空間を垣間見ます。
Andersen s Exibition Area Circulation area Activity
12
2
Preserve Townhouse
Memorial Hall Connection Area Townhouse
Exhibition1
ounge
+6,000
n4
Birthplace
Cafe Kitchen WC WC
+2,500
Cloakroom Reception Staff
Shop
Andersen Garden
Entrance Hall
2F plan 1:600
Relationship between Existing and New Exibition Area We removed and use the most important part of the existing building. At the same time, put the lobby as a connector for new museum and exists. By this method, we set both of them have same
lobby
value, not one attached to the another. 既存の美術館の内、最も重要な箇所のみ残し保存 します。同時にロビーには新築のミュージアムと 既存を繋ぐハブの役割を持たせます。新規と既存、 どちらも同じ価値と考え、場を設えます。
Existing Exibition Area New Exibition Area Open area
13
Plaza
Tram
Bikelane Workshop Space
Exhibition5 EV
Plaza Storage Office
±0 Pedestrian flow
Plaza
Outdoor program The idea for this is to create a gently terraced landscape of terrain.Many surrounding blocks have an o-planning apartment which has a patio .To open a block up to the city, put the closed patio outside.
Patio
このアイデアは、敷地周辺の建物の状況から導 かれました。多くの街区はロの字に建物が配置 されており、中心にパティオが位置しています。 本計画は街区を開放する事で閉じたパティオを 町の延長として位置づける試みです。
14
Civic plaza
Preserve Townhouse
Birthplace
Townhouse
Memorial Hall
Connection Area
Townhouse
Machine Room
Repository
Andersen Garden
1F plan 1:600
Material This architecture are separated by two walls in plan view. One is a Glass curved wall and the others are structural RC wall. Two elements of opposite each other affects, exhibition room is constructed.
Glass Wall Connect Andersen s Exibition Area with Circulation Area
RC Wall Divide Andersen s Exibition Area from Circulation Area
この建築は平面的に2つの壁面で区切られている。 1つは湾曲したガラス壁、もう1つはRCの構造壁 である。相反する2つの要素が影響し合い、展示室 は構成されている。
15
Exhibition Visitors wander through the museum by back and forth two spaces. Through openings, visitors can see the place experienced before from other angle.
window B
window A
Scene 1
Scene 2
16
展示空間 展示空間と動線空間の2つを行ったり来たりしながら館内を進む。 開口部を通して、来訪者は以前体験した空間を別次元から眺める。
window B
window A
Scene 3
Scene 4
17
Circu
Exhibition3 Workshop space
Circulation
Circulation Area
Exhibition3
Exhibition3
Lobby
Workshop space
Exhibition5
Machine Room section A
Circulation Area Exhibition3
赤数字 - 経路順序 Exhibition5
Circulation Are Staff
Exhibition3
Cafe
人々は以前 Through
Storage
Repository
展示室は、ハイサイドライトより取り込まれた柔らかな間接光で満たされています。 The room is fullfield with gently bounded Circulation Arealight comes from highside window.
Exhibition3 Storage
Reception Lobby Repository
wind
Lounge Exhibition1
Workshop space
18
4
2 Exhibition5
5
Circulation Area
ulation Area
Exhibition3
Lobby
Staff
Exhibition5
Machine Room
Area
Cafe
Repository
Circulation Area Staff
Exhibition3
Cafe
Reception Lobby
Storage
Repository
Repository
section B
section C
ea Reception Lobby
前体験した空間を、開口を介して別の角度から眺める事となります。 openings, visitors can see the place experienced before from other angle. Repository
プラザは、市民と来訪者に対し開放されています。 Civic plaza is opened to the city and civilian.
sun
3 Exhibition4
1 Storage
19
Section 1:250
scene 1
A
scene 2
B
Explode section
City park
20
Approach
Lounge
C
D
B
A
scene 3
scene 4
C
D
Exibition
21
Existing
建築に孔をあけてみる コンバージョンとは、新しい寸法を挿入する事で、 既存の建築に内在していた行為を整理する事のよう に思う。 " 整理する " という事は、単に並べ替える、という 事ではない。ある行為は拡張し、またある行為は間 引きながら、全体を再構成していくこと。既存建築 に対し、付加するヴォリュームに与える気積の大き さとテクスチャ。それらの重ね合わせ方のレイアウ トこそ、行為を整理する鍵だと考えた。
学部 3 年次課題 Project deta Principle use | libraly Site | Nagano city, Nagano Number of stories | 4F Structure |RC Year | 2010 Existing building name | 蔵春閣 Existing building use | community center Existing building area | 550㎡ Completion | since 1967
22
23
既存建築 長野県長野市の街を見下ろせる丘の頂上に建つ建築。モ ダニズムの原理よろしく、均質な空間が積層された内部 空間を持つ。それに対し、階段室や機械室など、付加さ れたサブヴォリュームが外観に表情を与え、表層を形
24
作っている。内側と外側、異なる原理で作ら それぞれが1つの形式のもと形作られてい えた。ここに単一の操作を加えることで、 の構成が絡み合いながら展開される空間を
られているが、 いるように思 、表層と内部 を考える。
敷地、コンテクスト 対象敷地に建ち周囲を見渡すと、東西南北それ ぞれで異なる周辺環境を持つ事が分かる。この 状態により敷地から見る風景が「遠景」「近景」 と明快に変化する事を敷地の持つ魅力と捉えた。 View from the site north
west
east
south
東
長野市街地 ( 遠景 )
西
善光寺 ( 中景 )
南
敷地の木々 ( 近景 )
北
盆地を囲む山々 ( 遠景 )
25
Diagram 建築の形式を壊さない最小限の操作を考える。 既存のヴォリュームを引き出し、マテリアルを置き換えて隣に並べる。
生成過程 step1
step2
既存の躯体に孔を開け、大きくスペースを2分する。増
既存空間のアクティビティーを誘発する。増築空間は、敷
築空間は長野市を臨む大きな階段を持ったホールとなる。
地に自生する森を借景に取り込むギャラリーとなる。
view to Nagano city view to forest active
26
Concept 敷地から周辺を見回すと、周辺環境の見えが「遠景」「近景」と明快に変化することがわかる。 その変化を最大限取り込むようにヴォリュームを設定する。
長野盆地を囲む山々
蔵春閣
長野市街地
敷地に自生する木々
step3
全体形
既存空間に光を取り込み、上方への視線を誘発するヴォイ
ヴォリュームが立体的に繋がり、既存と増築のアクティビ
ドを設ける。増築空間は地下に深く埋め、静かな空間を創
ティーが交差する空間構成。外観にもコンバージョン手法
出する。
の痕跡が現れる。
void quiet
27
a. b. c. d. e. f. g. h. i. j. l. m. n. o.
エントランス 開架書架 書架 受付 開架書架 小ホール ギャラリー 事務所 閲覧スペース テラス カフェ 読み聞かせの場 自習スペース 自販スペース
28
Plan c
o
4F
n
m k 3F
N
l
void
0
h c
j
i
2F
b
5 void
15m
h
g
c d
1F
既存
b
f
増築
e
a 29
Program
a. b. c. d. e. f. g.
スラブの積層により形作られた既存の空 間に、様々なプロポーションを持つ空間 を付加する。マテリアルの対比が空間を 柔らかく分節したり、筒状の空間が視線 を誘導したりする。
h e
30
エントランス 書架 受付 小ホール ギャラリー 事務所 閲覧スペース
h. i. j. l. m. n. o.
テラス カフェ 読み聞かせの場 自習スペース 自販スペース ステージ 新聞、雑誌コーナー
d
Construction
Material
既存
増築 既存
増築
+ コンクリート 静的な空間(書架)
C o n c r e t e
動的な空間
コールテン鋼
corduroy steel
(ホール、ギャラリー、カフェ etc)
n
l
b
m
b
i
j
g a f
c
o
0 31
5
15m
section
内観 外の環境に対し決定したヴォリューム のレイアウトが、内部空間を創出する。
case 1
長野市を望む階段を持った、小さなホールに。
case 2
ピクチャウインドウで木々を切り取るギャラリー スペースに。
32
case 3
善光寺を眺めながらくつろげるカフェに。
33
Section A
Section B
n
l
i
d b
0
5
15m
34
a
b
35
36
幾層にも渡り開けられたヴォイドが、利用者のアクティビティーを映し出す。 開けられた孔とヴォリュームは、重なりあったりつながったりしながら全体を再構成して いく。既存の様相を残しながら新たな秩序を付加していくコンバージョン。
37
38
model
39
空 間 | 空 感 駅前広場とはどういう場なのだろう。 駅に向かう人も出てきた人も、どこか目的地に行くための通過点としての場で、動線や行 為が複雑に絡み合っている。○○する所、と、行為を言語化することはできないような場 所ではないだろうか。 今回の課題ではその曖昧な行為というものを壁、屋根など具象的なオブジェクトで定義す るのではなく、陰影やスケールの差異で表現する事を試みた。体験者と空間の関係があら かじめ規定されているのではなく、空間と行為が対等な有り方を探した。
40
学部 4 年次課題 Project deta Principle use | station plaza Site | Nagano city, Nagano Number of stories | 1F/B1F Structure |SRC Year | 2011
41
Site
長野県長野市長野駅前
site Nagano station
map
42
駅前広場
station plaza
連続する高架と、その土木空間の続きで作られる駅 . 住空間が集積することで作られる街並。 駅前広場は、両者のちょうど境目に位置している。土木と建築、どちらの影響も受ける立ち 位置にありながら、そのどちらもに背を向けるようなデザインがされているように思える。
space
light
土木的空間 Infrastructure
水平方向にどこまでも広がっていく .
均質な強い光
柱や吹き抜けなどにより、立体的に空間が
多様な表情の光
建築的空間 architecture
関係しあう .
43
Diagram スケルトンとしての土木構造体 / インフィルとしての建築的要素と いうように両者を対立的に扱うの ではなく、肩を貸し合いながら空 間を作っていく。 それぞれが独立した 2 つの構造体 が重なり、1つの場ができます。
スラブ ( 建築 )
スラブ ( 建築 )
柱 ( 建築 )
地盤 ( 土木 )
土台 ( 土木 )
Spaces idea 1
idea 2
idea 3
土木と建築 .
土木が空間の大きさを規定し、
土木的操作が生む均質な影
構造体のスケールの差異で場を作る .
建築が人の行為を誘発する .
多様な明暗の重なり合いで
建築 建築
平面
土木
土木
断面
44
土木
Concept model
影、建築的操作が作る
idea 4
idea 5
上階の空間を介して、地階に光が現象する .
ヴォイドを抜けて射す光が明度の差を作り、 地上への目印となる .
で場を作る .
45
BF 平 面
7,500 2,700 1,000
r=6,000
2,000 1,000
C
-3500
9,000
9,500
-3500
-4500
B ±0
2,400 1,000
r=1,50
c
7,500
r=3,000
r=3,500 r=2,500
-4500
r=1,500 1,200 600
32,500
d
r=3,500
-4800
-4500 12,000
45,000
断 面
46
面 図
3,800,
5,800
r=20,000
-4000
a
23,500
7,500
-4000
e A -4000
r=2,200
00
1,500 500
b
-4500
±0
800 2,000
8,500
9,000
D
r=3,000
N
r=2,500
3,000
23,000
20,000
面 図
47
plan
a.
b.
c.
d.
e.
小さな空間の集まりで大きな空間を考える .
駅からの人の流れと、街からの人の流れが断面的に重なり合う。 屋根の重なり合いが明度の差を作り、空間をうつろわせる。
city
terrace
cross section 0
10
48
30m
waiting
section
A.
C.
B.
D.
場の大きさを規定する平面 . 場の性質を規定する断面 .
bus lane
kiosk
Nagano station
49
model
50
photo
51
平面アクティビティパース
その場が元来持っているような要素を顕在化させながら場を構成する事で空間と人の行為が、対等に 土木と建築が相まってできる、行為の受け皿のような駅前広場。
明度の高く広い場所は、講演会などが行われる . 少し裏側にある行為のたまり場 .
壁に守られた静かなギャラリー .
明度の安定した場所 .
宿泊施設へ
駅からの動線
狭くなった場所は、展示空間への入り口 .
52
列柱が人の流れを導く .
アクティビティーの交差
になるような場所を目指した。
はらっぱのような場所 . 空間を規定するのは人の密度感 .
市街地へ .
階段が観客席になる .
商業施設へ
N
差点 .
休息をアフォードする曲面 .
大きな空間だが、人の密度は低い .
53
多くの人々が腰をかける、広場に面する階段 .
54
学部 2 年次課題 Project deta Principle use | office Site | Nagano city, Nagano Number of stories | 5F Structure |SRC Year | 2009
街の diagonal 貸しオフィスというプログラムを考 える際に、使いやすさ以外にどのよ うなを要素を付加できるのか考えた。 そしてその小さな要素が全体を構成 するタネのようなものになればいい と思った。きっとそのタネは身近な 所にあるし、人に関与することのよ うに思えた。 交差点に面したシキチ。スピード感 の違う 2 つのミチをつなげる場所。 そこに建つオフィスの真ん中に道を 通す。 2 つの異なる速さをつないでみる。 そんなところから設計を始めた。
55
Section diagram 1
3
要求されたヴォリューム
周囲の建物にスケールを合わせる
2
4
人の為の道を通す
ヴォイドを設ける
Plan diagram
要求されたヴォリューム
前面道路のアクティビィティー を引き込むように道を通す
56
途中で折り曲げる形状とする
Âą0
bank
1/15 gallery
WC WC
office showroom cafe
machine room
1/10 -1500 reflesh space office
0
5
15m
WC WC
57
1F plan
角度を振って立てられた壁。その真ん中を通る道。 途中で折り曲げ、少し掘り込む形状としたことにより、よどみのような場所を作りながら人に多様な加速度を与えていく。 サンクンガーデンの様でもあるし、ポケットパークの様でもあるし、もちろん道でもある。 積層されていくオフィスは隣り合う道を歩く人の速さ・密度・距離によって決められていく。
展開図
58
north elevation
east elevation
section meeting room
meeting room
office
reflesh
office office gallery
public
office
office
office
office
bank
office reflesh
office bank
office
parking
cafe
hall parking
parking
59
office
gallery showroom
60
61
big tree
Pi
Climb tree, toward the light shine
balance...
hide and seek
62
KIRIKABU 日常に隠れているキラキラに近づくための、 遊具と建築の間のような幼児施設です。
学部 3 年次課題 Project deta Principle use | space for children Site | Nagano city, Nagano Number of stories | 1F Structure |RC Year | 2010
ick up falling leaves
twilight...
Look through a gap
63
日常の小さな発見を建築化する
SITE
Wakasato park
64
fig. 1
fig. 2
fig. 3
fig. 4
fig. 5
fig. 6 65
Diagram
少しずつプロポーションの異なる、起源の同じ形の連続により作られた空間。 次の空間はどんな場所が広がっているのだろう。 想像力を継ぎ木しながら子供たちは建築内を歩き回ります。
section A
66
section B
67
+500
-300
+250
-400
+3
-400 -500
±0
-600 ±0
+250 +500
-400 -400
ground floor plan
68
+750
+1250
+1000 +1250
+1500
+900
3000 +1000
+1750
+600
+750
+750 +750 +1750 +2000 +750 +500 +500
roof plan 0
GL+500 plan
1
5m
幼児の体に合わせて作られたスケールと、時々現れるスケールアウトしたカタチ。 そのズレが重なり合い、多様な場を生み出します。
69
43 イエガタ
誰もの意識の中に存在するカタチを使うということ。 そのカタチに内在する意味を捉え新たな関係性を与えること。普通のカタチを普通に用い るのではなく普通でない関係性の中で構成した際に生まれる 空間の意味に着目しました。 住まうという意味を失ったイエガタ。奥を知覚させる空間を持つ商業施設を提案します。 70
学部 4 年次課題 Principle use | Department Site | Nagano city, Nagano Number of stories | 4F Structure |RC Year | 2011
71
奥を知覚させるイエガタ 平面的なイエガタを、屋根面で重ね合わせたようなカタチ。
手前の人は歩き始めは誰も見えないが、奥へと進んでいくと2人を く構成になっている。
つまり隣の空間の様相の大方を把握することはできるが、すこしだ
て人々は空間内を進んでいく。様相はシークエンシャルに変化して 自分と空間との関係を確かめながら次へ次へと展開していく。
この空間構成は、人の動線を長くすることで、購買欲を上昇させる
72
を見ることができる。同じ空間内にいながら、奥行きが変化してい
だけ見えない奥まっている場所があるという事。その「奥」を求め
ていき、視覚的に訴える空間は、人々を奥へと誘う行動を喚起させる。
ることに意味のある、商業施設に応用できるのではないかと考えた。
1
73
2
2nd floor
74
1st floor
4th floor
3rd floor 75
絵巻物を読む際の、視覚的変化と行動の関係を建築化する 絵巻物は一見で物語すべてを把握するのではなく、片方 の手で軸を繰り出しながら、もう片方の手で巻き取りつ つ読み進める。自分自身で読み進める範囲を設定しなが ら、場面の継起的な展開を楽しむ鑑賞方法である。
絵巻物
76
絵巻物的空間 次に現れる空間の様相を思い描くことにより、先へ進む。自分が動 くことによって空間が展開され、見えなかった「奥」を知覚する。 視覚に作用する事で行動を喚起する。
77
Model photo
78
79
Sequence
1.
2.
5.
6.
1. 空間のほぼ全体を見渡すことができるが、右奥に奥まっている場所がある 2. 奥に誘われて進むと休憩スペースがあった 3. 後ろを振り返って見ると、明るい奥が広がっている 4. 階段を登ると何かありそうな雰囲気
80
3.
4.
7.
8.
5. 服屋と大きな階段がありました 6. 振り返ると、明るい場所と暗い場所が重なって見える 7. 左手の階段を登ると、平面的にも断面的にも奥まっているような場所が見えてくる 8. 花屋がありました . またその先に見える奥へ向かって、人は進んでいきます
81
住
82
住宅
House
83
おおきな煙突 ” 光と風 ” という昔から変わらず存在する現象。 普遍的なテーマには、今ある当たり前の要素を再考することで応えう るのではないかと思う。 煙突という古くから排気のために使われてきた住宅の 1 要素。従来 は風に対してだけであった煙突の振る舞いを、形態を変えることで光 も同時に規定できるものにはならないかと考えた。光と風を内包する 煙突閉ざされた内部に光と風をを呼び込み、内に対し開くと同時に外 にも開く。 光と風の力を借りて、まちと家を少し近づけること。境界の定義を揺 るがすこと。 おおきな煙突。
Jacs 2011 [「光と風」 Project deta Principle use | House Site | Somewhere Number of stories | 3F Structure | Wood Year | 2011
84
85
Diagram
切り妻屋根と煙突
Image
切り妻屋根と質量を変えた大きな煙突
sun light
光 direct light
light
煙突が光を纏う。
indirect light
大きな上部開口から直接光を取り入れるととも に、煙突内部に光を溜め込む。
chimney wind
風
wind
煙突が風を纏う。 house wind
外から風が吹き込むと、吹き抜けを介して町の 風が家の中を駆け抜ける。 city wind
行為
behavior
煙突が人を纏う。 光と風に誘われて、煙突に人やもの、動物も絡 みつく。煙突に纏わり付くように、生活が展開 される。
86
section
5
6
1
4
7
3
8
2
0
1
3m
1.atrium 2.study 3.kitchen,dining 4.living 5.child room 6.terrace 7.chimney yard 8.outside
87
1
1. 奥に煙突を見る
3
2 4
2. 3層吹抜けの煙突空間
5
3. 煙突に包まれた外部テラス 4. 光たまりが奥に見える 5. エントランスを抜けると右手には煙突空間
88
elevation scale 1 : 100
north
south
west
89
east
煙突断面展開図 大きな同じ図式が 1F - 3F まで続いている . 各階の構成は
在している。GL+1000 から始まる都市の隙間に挿入され
似ているが、煙突が環境要因を受け止めるフィルタとなる
た半透明の煙突 . 外部、内部の余条件を等価に扱うこと
ことにより、場所により性格の異なる、柔らかな場所が点
により、境界の定義が少し揺らぐ .
9
6
2
1. entrance 2. study 3. kitchen,dining 4.bathroom 5.chimney yard 6. living 7. bedroom 8. terrace 9. chird's room a'
5
8 4 3 6
1
2 a
1F plan 1:100
90
9
9
8
3
5
9
7
3F plan 1:100
2F plan 1:100
91
92
model 500 × 600 × 600
93
田の字プランの家 10 年後、20 年後、” 住まう ” という概念自体が徐々に曖昧になっていくように思う。 家を構成するヤネ、カベ、ユカ。雨風をしのぎ、場を区切り、生活の縁を規定する、とい うふるまい。これらの要素を言葉の切り分けを前提にせず、もう一度家の中に配列しなお す。言葉の意味とふるまいがずれた関係の中で作られる住まいは、不明確な人の住まい方 を許容する受け皿のような環境が作られるのではないだろうか。 行為の流れにカタチが連続してくるような、もしくは自分の行為にカタチがまとわり付い てくるような、そんな田の字プランを目指しました。
Jacs 2012「自分の家」 Project deta Principle use | House Site | Somewhere Number of stories | 3F Structure | Wood Year | 2012
Diagram
切り妻屋根の家
ヤネ、カベ、ユカを田の字に切り分ける
それぞれが作る環境が重なり 合うよう配列しなおす
94
95
1f a
2
3 -350
Âą0
4 1
parking(car)
yard
5 5
10
8
7
4
5
8
1
4
3
section a
section b 96
2f
3f
+2250
9 6
5
+6000
8
0
plan 1 : 100
10
7
+2700
b
+6000
1
3
7(m)
1.entrance 2.bedroom 3.study 4.piloti 5.terrace 6.kitchen 7.dining 8.living 9.bathroom 10.void
5
5
5
4
4
south elevation
east elevation 97
ここの
32 つ 屋 根 の 家
Diagram
1roof , 1spa
屋根は空間のまと
郊外の ” 住まい方 ” は、これまでもこれからも、絶えず変化してい くものだ。 郊外の住宅。工業的に大量生産された間取りは、全てを1と 0 に分 けてしまった。 そこで間取りと機能が 1 対 1 で対応せず、住まい方に応じて自ら間 取りを書き換えていけるような住宅を提案する。 具体的には、異なる勾配や向きを持つ大屋根を敷地に 3 枚掛け、さ らにそれぞれを 3 枚おろしにする。すると家の中に、3 つの屋根が 持つ 3 の大きな流れと、屋根を割る事によって生まれた9つの小さ な流れが絡み合う。ある時は高い屋根と低い屋根を、またある時は 屋根勾配が 90°ずれたもの同士を 1 つの空間と捉え、住まい手は自 分の居場所を発見する。結果として「屋根」という言葉の切り分け を前提にせず、連続した関係性の中で空間が認識されていく。 家族形態や生活様式が変化しても、間取りに縛られて住まうのでは なく、住まい手が思い思いの場所を流れの中で選択できる余地を残 した住宅の提案です。
Jacs 2013「郊外住宅の新定義」 Project deta Principle use | House Site | Somewhere Number of stories | 2F Structure | S Year | 2013
98
ace
とまりを作る
3roof , 3space
32roof , universal space
異なる形態の屋根が作る3つのまとまり
それぞれを3分割することで屋根形状に縛られ ず、自由に屋根のまとまりを選択できる
99
roof plan 1:150
Loft space C
Void
roof C
N
roof C'
roof A"
roof B
roof C" roof A"
roof A'
roof B'
roof A
Loft space A
Void roof B roof B'
roof B"
100
2f plan 1:100
1f plan 1:100
Bath
Space C
Loft space B Space B
Kitchen
a roof B"
a' Parking space Space A
Entrance
101
C
C'
C"
B"
Loft space B Loft space C
Void
この住宅は 3 つの屋根を 3 枚おろしすることで生まれ た、9つの小さな屋根の集合で成り立っている。 住まう人は、" 屋根 " という空間のまとまりに縛られず、 隣り合う屋根を、A" と B , C" と B" , B' と B" など、自
roof A'
Space B
Kitchen
Bath
roof B'
roof C
roof C'
roof B"
Loft space A
Space A Parking space
a - a' section 1:100 102
身の好みで意識的に繋ぎ合わせ、新しい屋 見しながら生活する。家族形態の数だけ間取 ンがあり、屋根形式がある、そんな住宅の
roof C
roof C'
roof C"
roof B
B
B'
A
A'
A"
Loft space A
Space A
Parking space
展開図
屋根形式を発 取りのパター の提案です。
roof A" roof A'
roof A
roof A
west elevation 1:100
roof C
roof C'
roof B
south elevation 1:100 103
L の家 敷地周辺には計画途中の住宅が多く密度の低い場所が広がっている。 特に特徴のないような場所とも言えるところだった。 これから周りに建っていくであろう住宅に対立することなく、この場所から生えて きたような場を作りたいと思った。 壁が一枚立ち上がるだけで空間が決定されるような。 その壁の向きを変えるだけで全体が構成されていくような家を目指した。
学部 2 年次課題 Project deta Principle use | House Site | Suzaka city, Nagano Number of stories | 1F Structure |RC Year | 2009
104
105
Diagram
L 字の壁を置く。 微かに場と呼べるものが表れる。
壁の裏側も場として認識され始める。
小さな場が重なり合い 1 つの空間 となる。たくさんの裏と表が同時に 干渉し合う空間。
106
bathroom bedroom
free space childroom
living
kitchen guest room
kura
dining
107
0 1
3
8m
108
109
110
うちの中を歩き回るたびに壁の裏表がひらひらと変わりゆくような空間。 すこし場所を変えると建築と自分の関係もうつろいゆくような大きなワンルーム。
111
コン
112
ンペ
Competition
113
屋 根 並 み の 融 和 犬山市に内在する魅力として、 「観光地と住民の生活が混在している事」そしてそれを支える「屋根並み」が挙げられます。 この2つの魅力を補強すべく、私たちは様々な勾配を持った切妻屋根が道を跨ぎ連なっていく建築を計画します。屋根 の連なりによって括られる様は、一方では日常の風景であり、もう一方では犬山市らしさを体感できる観光としての風 景となるでしょう。 犬山市に点在する歴史的な風景を統合し、それらを総じて核とすることが提案です。
114
愛知建築士会学生コンペ Project deta Principle use | Community center Site | Inuyama, Aichi, Japan Number of stories | 2F Structure | S Year | 2013
115
Competition site
犬山城
犬山駅
敷地
対象敷地の特徴 城下町
城下町の屋根並み
祭り
犬山城を基点に南方に向かって城下町が 城下町の位置する本町通は多くの家 毎年4月には町全体で盛り上がる犬山 延びています。此処は現在でも町の生活 屋が平入りの切妻です。城から俯瞰 祭りが開催されます。重要無形文化財 すると、特徴的な街並を確認する事 でもあり、対象敷地は、山車の通り道 の中心です。 でもあります。 ができます。
116
Context まちにあふれ出す生活
平入切妻の連続
main road
shop
shop
house
shop
shop
house
" 観光地 " としてパッケージングされず、市民の生活が観
まちに住まう人々の生活の拠り所であり、犬山の景観の
光地にまであふれ出している事が魅力であると考えます。
特徴として「平入りの切り妻屋根の連続」を挙げます。
本計画もあくまで観光客の為だけならず、まちに住まう
本計画はこの形式を踏襲しつつ再解釈を加える事で、街
人々の生活の延長としてもふるまえるような施設を提案
並と連続しながらも地域の核を作るきっかけとなるよう
します。
な建築を提案します。
Plan diagram activity
courtyard
yard
alcove
短冊敷地の並ぶ街区
街区に両側にアルコーブを設け、 中庭が表裏を繋ぐハブとなる
Section diagram 道路
道路
向かい合う平入り切妻
共有する平入り切妻
(2architecture, 2space)
(2architecture, 1space)
117
内観 / 外観
1
1. 街並を延長する屋根
2
街に広がる平入りの切妻。その形式を踏襲し
作られた本施設は、公共的な場所でも、歴史
3
並のようなどこか懐かしい雰囲気を感じられ
118
2. アイコンとしての屋根
3. 非日常を演出する屋根
しながら
2階に昇り、外を眺めると、連続する屋根並みを望む事
犬山祭の車山行事の際、連なる屋根の下に人々は集い、市
史的な街
ができます。屋根の重なりの隙間から見る風景は、街の
民も観光客も一緒になって祭りを楽しみます。周囲から
人々にとっては普段見ている景色の延長であり、観光者
少し高い位置に設けられた外部テラスからは、臨場感を
にとっては犬山らしさを体感できる場所でもあります。
持ってお祭りを眺める事ができます。
れます。
119
storage
観光情報コーナー CH=2,400
食堂 CH=2,800∼4,500
ショップ CH=2,400
食堂 CH=2,800∼4,700
市場スペース CH=2,800∼4,000
休憩スペース (市場スペース) CH=2,800∼4,600
オフィス(SOHO) CH=4,200∼5,400
ミュージアムショップ 展示スペース CH=2,400 CH=2,400∼11,000
展示スペース CH=2,800∼4,800 オフィス(SOHO) CH=4,200∼7,600
住居スペース CH=2,400
WC CH=2,400
休憩スペース (市場スペース) CH=2,800∼4,700
多目的スペース CH=2,400∼6,200
オフィス(SOHO) CH=4,200∼6,200
ショップ CH=2,800∼4,200
休憩スペース (市場スペース) CH=2,800∼3,500
会議スペース CH=2,400
会議スペース CH=2,400
1F plan 120
A 表と裏のアルコーブ 短冊状に並ぶヴォリューム毎に異なる奥行きを与える 事で、アルコーブ状の空間が表裏に構えられます。表 は建物からのあふれ出しを受けとめる場として、裏は 駐車場や中庭として機能します。
B ハブとしての中庭 表裏に構えられたアルコーブ状の空間を繋ぐハブとし て中庭を設えます。建築の外周にまとわる行為が連続 し、アクティビティーとしては表裏のない状態を作り ます。
C
あふれ出しを受け止める余白 アルコーブ空間や中庭は、室内からあふれ出すアク ティビティーを受け止める余白として機能します。ふ らりと寄れる所に明確な機能の無い場を設える事で、 建築と観光客、そして市民との距離感が近くなります。
D
機能の転換 この建築は使われ方の転換が可能な空間を有していま す。朝市場だった所が、昼間は集会所や休憩スペース になり、お祭りのときは出店のテント代わりになる様 な使われ方を想定しています。
121
休憩スペース CH=3,200∼4,700
A
B
ショップ CH=1,300∼5,300
住居スペース(SOHO) CH=2,600∼3,500
C
D
展示スペース CH=5,000∼7,000
住居スペース(SOHO) CH=4,600∼6,000
E
展示スペース CH=1,400∼3,200
F
G
多目的スペース CH=3,400∼4,500
H
住居スペース(SOHO) CH=3,400∼4,500
会議スペース CH=2,700∼3,500
I
2F plan 122
休憩
短軸断面ルール
観光案内
食堂
A
この建築は短冊状に並ぶ9つの断面で構成されてい る。それぞれの断面は間に道路を挟み、どちらかが 1層でもう一方が2層となっており、高い方の軒が 4500mm、低い方が 2500mm に設定されている。 互いの屋根は連続している為、尾根の位置を与える
ショップ
事で屋根勾配が自動的に決定される。 食堂
ショップ
B
博物館
D
休憩
住居
E
博物館
オフィス
博物館 住居
WC
F
多目的 多目的
休憩
G
住居
H
オフィス
会議 休憩
会議
I 123
2500
C
市民スペース
4500
住居
Model photo
1
2 4
3
1. 北東から俯瞰 2. 南から俯瞰。勾配の異なる屋根が連なる。 3. 屋根伏。屋根の平面形状もプランと同様雁行している。 4. 中心の通りから西を見る。
124
125
この建築は使われ方の転換が可能な空間を有しています。お祭りの練習に使ったり、ミーティン グスペースになったり、またある時は市場になったりして、街の人々の生活を支えます。
126
屋根伏せ図
127
128
129
7 の屋根を持つ9の集合住宅 一戸建てと集合住宅の " 屋根 " の持つ働きについて考える。 一戸建ての屋根は、" 家族をまとめる " 働きを持つ。一方集合住宅の屋根は、" 複数の生活をまと める " 働きをする。 私が提案する集合住宅は、7 つの屋根を9つの生活が取り囲んでいる。つまり屋根単位で生活が 完結せず、屋根の重なりに合わせて複数の生活が絡み合いながら全体が展開される。屋根を共有 する事で生活の気配を共有すること。 その状態こそ戸建てと集合住宅の間ではないかと考えた。
130
リッチライフデザインコンペ Project deta Principle use | Housing Site | Somewhere Number of stories | 2F Structure | S Year | 2013
131
Diagram 1 House
1roof - 1life 家族をまとめる屋根
1 Housing
1roof - 10 life 複数の生活をまとめる屋根
4
1 Proposal
3
7
6
2
7roof - 9ife 屋根を共有することで、
5
生活の気配を共有する
house I
house A house B
house C
Section A house D
house C house E
house F
Section B house G
132
house H
house E
house F
house G
courtyard
house A
house H
courtyard
house B
house C
house D
1f plan 1:200
house C
house H
void
void
void house A a
void
house I
2f plan 1:200
3
6 7
1
4 2
5 133
roof plan 1:200
Like an umbrella 色彩々に姿を変える環境と共に . 雨や雪が降ったり、強い日差しが降り注いだり、時に強い風が吹 いたり、めまぐるしく移り変わる環境を受け容れる屋根 . 私が提案する屋根は、傘のように閉じたり開いたりして、取り巻く環境との取り合いを変化させ ます . そよ風を呼び込んだり、やわらかい日陰を作ったり、暖かさを溜めこんだり . 風土と屋根が 織り成す空間は多様な関係を抱き込み、人と人との拠り所を作ります . 環境の力を借りて居場所が生まれる、そんな小さなすみかの提案です . 134
日新工業建築設計競技 Project deta Principle use | Hut Site | Somewhere Number of stories | 1F Structure | S Year | 2012
135
Image
Diagram A
axis roof
axis
roof
switch
same length
switch 傘は自立する構造を持つと言う意味で建 築的でもあると同時に、使い手が環境の 変化を調節する為に開く / 閉じるの選択 をするという意味でインタラクティブな ツールでもある。
傘のように、開いたり閉じたりす る屋根を持つ建築を提案します .
snowy , cold , less sunlight
雪が舞い降りるような寒い日は、屋根を小さくたたんで、みんなで集まって過ごします . 広くなった外の空間を大きく使って、子供たちが雪合戦をして遊ぶのかもしれません . 136
寄棟屋根の稜線の長さを保ったま ま、角度だけを調節します . この操 作により生まれる状態に着目します .
rainy , high
急に雨が降ってきた時は、屋根を少しだけ開い るのかもしれません . 濡れ縁となった軒先では
Diagram B
roof section
懐厚 懐薄 floor
roof plan
軒浅
floor 軒深
屋根の深さと厚さの関係 . 屋根を開くことで深い軒ができ、懐は薄くなります . 反対 に屋根を閉じれば軒は浅くなり、深い懐を得ることができます . 稜線の長さが一定という条件を与えることで、「懐」と「軒」が相関して変化します。
h humidity
いて、通りすがりの人に雨やどりをさせてあげ は、草花が雨の恵みを受けてぐんぐん育ちます .
shiny , hot , soft wind
太陽の照りつける暑い日は、屋根を大きく開いてみんなのための日影を作ります . そよ風が吹く床の上 でお昼寝を始めたり、軒下にテーブルを引っ張り出して井戸端会議をする人がいるのかもしれません . 137
新 し い 風 景
文 脈 の な い 風 景 インターネットの普及と共に一般的になった Facebook, twitter 等の SNS や google, yahoo 等の検索エンジン。 これらメディアは生活に利便性を生むのみでなく、使い手の検索や閲覧によって無作為に 情報が並べられることとなった。そして今私たちはネットを介してでしか繋がりえない情 報同士を客観視している。3次元の世界では隣り合うはずのなかった任意の風景が関係し 始める。この状態こそネット社会における新しい風景ではないかと考えた。
Phase 1- 情報化社会 現地に出向いて風景を見ること 現地に出向いて風景を見ること
Phase 2- 画像検索 ヴァーチャルな世界で風景を見ること ヴァーチャルな世界で風景を見ること
33 11
22 44
現地に出向いて風景を見ること
メディアを通して風景を見ること
本来風景とは , その土地の持つ風土や生活感が途切れる ことなくつながり影響しあう , 連続的なものである . 一方 で , 私たちがメディアを通して見ることができる風景は , 一部の断片的なイメージのみである .
138
「検索無し」 1 1
2 2
3 3
4 4
1つのキーワードをもとに複 無作為に並べられる . それは のない複数のイメージに , 関係
ユニオン造型デザインコンペ Project deta Principle use | Site | unbuild Number of stories | Structure | Year | 2012
Phase 3 - 視点の転換 rotate
slide
「赤」
複数の断片的なイメージが は、本来つながりあうこと 係性を見出すことである .
文脈のないイメージを寄せ集め , 新たなつながりや関係性を見 出すことで , 当たり前にあった秩序や価値観を , 違った視点で見 ることができる .
139
Phase 4- 習作
ウェブ| |動画|地図|辞書 画像
有名建築
検索
検索者は , テクスチャ , スケール , ヒエラルキー . そのすべてが等価に なった風景の羅列から , 渾然一体の風景を , 思い思いの解釈で導き出す . 思いがけないことでつながり , 途切れてしまう . そんな文脈のない風 景の集積が , ネット社会における新しい風景なのではないだろうか .
140
Alley in Ciena
bilding of AIC
Guggenheim museum in Bilbao
Tokyo tower
Mont-Saint-Michel
Bridge of Kyoto
Ryuanji
Robie house
G u g g e n h e i m museum (interior)
Wall of Portugal
Kura in Suzaka
La chapelle de Ronchamp
Wall of Italy
Aomori museum
G u g g e n h e i m museum (exterior)
Imperial Palace
highway
Landscape 1
Landscape 2
Landscape 3
141
Kimbell art museum
a day as a hero
142
大 小 の 扉
大道芸人のための家
小さいころ親に連れられて行った大道芸大会。 そこには胴と顔は普通なのに、足だけ長い何かの物語から 飛び出してきたような人がたくさんいた。 彼らは僕に、たくさんの笑顔をくれた。 大道芸人。彼こそが、僕の幼いころのヒーローだった。 そんな彼らの家はどんなものなのだろう。 彼らが家に入るには大きな扉が必要だ。
リノベーションアイデアコンペ 2011 「ヒーローの為のリノベーション」 Project deta
a day as a man
Principle use | House Site | Nagano city, Nagano Number of stories | 2F Structure |Wood Year | 2011
143
Hero/Charactor
大道芸人 hero / character
低所得のため、大きな 低所得の為、大き
が難しい。
- proposal 以上の条件を踏まえてリノベーションする .
Site 長野県長野市
Archit
2730 × 既存 改修
小さな家だが
Neighbording area 国宝善光寺界隈に位置します。 リノベーションの動きが盛んな地域です。 毎年催し物が多く開催される地域です。
144
な家は購入する事が難しい .
きな家を購入する事
背の高い大道芸人がそのまま家に帰るには大きな扉が必要 . 背の高い大道芸人がそのまま家に帰る
パフォーマーと一般人、2つの顔を持ち合わせた大 パフォーマーと一般人、2つの顔を持ち合
には大きな扉が必要。
わせた大道芸人は、家の中に2つのスケー
道芸人は、家の中に2つのスケールが必要だ .
ルが必要。
tecture
× 2730 の平面を持つ倉庫
2700
が、大きな扉と隣り合う吹き抜けを持ち合わせ、2つのスケールを行き来する事の出来る家 . 人が住まうのに最低限の水回りを設える .
2700
49
5200
plan
section 145
改修後 plan 小さな家だが、大きな扉と隣り合う吹き抜けを持ち合わせ、 2つのスケールを行き来する事の出来る家 . 人が住まうのに最低限の水回りを設える .
- theme -
a day , as a he
hero のままでは家に帰れない .
大きな扉と吹き抜けが必要だ .
1F
phase11 phase
phase 2 phase
二つの三角形の余白を持つ敷地 .
壁1面に大きな扉を設える .
2 つの三角形の余白を持つ敷地
50
2
壁一面に大きな扉を設える
146
壁の内 壁の内側に内部 囲まれ
改修後 section
a day , as a man...
ero...
2F
phase phase3 3
内側に、内部の延長として、柔らかく 部の延長として柔らかく囲まれた領域が作られる。 れた領域が生まれる .
phase 4 phase
4
隣地の壁や樹木や小川など、周辺環境を巻き込み 隣地の壁や樹木や小川など、 周辺環境を巻き込みながら場が作られる . 行為がはみ出す事でコミュニティーが生じるきっかけを作る . ながら場が作られる . 行為がはみ出す事でコミュ
ニティーが生じるきっかけを作る . 147
scene1
scene 2
出入口としての扉
生活の中の扉
大道芸人は大きな姿のまま家へ帰って行く . 大きな扉は、単なる出入り 吹き抜けと絡み合いながら展開される 口としての機能だけでなく、子供達のヒーロー像を守る装置でもある .
148
く見せる . 吹き抜けと隣り合う扉の開閉
scene 3
仕切りとしての扉
る生活は、小さな家を少しだけ大き
壁一面の扉を大きく開ける . 1人で練習する時、道に対して目隠しとな
閉が、内部の生活を大きく規定する .
る扉は、同時に小さなたまり場をつくり、小さな発表会が行われる際の 舞台装置にもなる .
149
150
151
大きな隙間のある家
うつろいゆくうちのなかで 内になりきれなかった家。 その時々で移ろいゆく、自然と隣り合わせの空間。 この空間を支配するのは光と風だけ。 そのなかでヒトは動物のようにふるまい、 自分自身が存在しているという価値を見いだすのだろう。
TEPCO インターカレッジデザイン選手権「ダメハウス」 Project deta Principle use | House Site | Somewhere Number of stories | 1F Structure |RC Year | 2010
152
am 8:00 家の中はまだ寒い。 朝日が作る光の帯によりそう ようにして、家族で朝食を取 るのでしょう。
am 10:00 風が吹きこんできました。 光のみちと風のみちはかさな り、お母さんはそこで洗濯物 を干したくなります。
am 12:00 日差しが一番強くなる時間。 光の粒子がまぶしいうちの中 で、ピクニックをするように 昼食を取るのでしょう。
pm 3:00 子供は日なたぼっこをはじめ ました。心地よいそよ風がほ ほをかすめます。それを横目 に、お母さんは晩ごはんの準 備をはじめました。
pm 6:00 日が傾いてきました。 テーブルを半分だけ出して、 夕日を眺めます。1日をふり かえりながらお父さんの帰り を待っています。
pm 9:00 風が吹き抜けるだけの世界。 もはや外部でも内部でもなく なった空間で、ぼんやりとし た月明かりの下、家族は眠り につきました。
153
After the incomplete 回転する小さな小屋
当たり前という感覚。先入観によって現代という世界は形成される。 それぞれが固有の意味を持ち、マニュアルに沿って扱われる。 その感覚を疑ってみることが現代において原始を見出しうる手段ではないか。 「原始」という状態を 人と建築の関係の中に見出す。 先入観に左右されず、そのものに対して人が反応し、行動する。 この空間には、モノしか存在しない。 その状態こそ原始だと言える。
シェルター学生設計競技「原始の小屋」 Project deta Principle use | Hut Site | Somewhere Number of stories | 1F Structure |RC Year | 2010
154
155
床
floor
壁
家型
shape of house
ことにイエガタというカタチは
水平は床面で垂直は壁面で
大きな先入観のもと用いられているように思える .
このカタチは、私たちに住
ると同時に行為や使い方も
転がすことの さっき床だったところが天井に
その変化の中で 人の行動
156
wall
屋根
行為
behavior
roof
で斜めは屋根 .
純粋にその場所で過ごすということだけを考える .
住まうという意味を与え
そこで行為が生まれることで、中身が、空間が意
も限定する .
味づけられていく、そんな状態が「原始」たるも のではないかと考える .
のできる木箱 に 壁だったところが床になる
動は多様化していくだろう
157
Double spiral Volumes + In-between Void Taichung city cultural center competition
This architecture is formed from two interlocking volumes that ascend within the site in spirals and a continuous threedimensional void that is created in-between. One of the volumes is the museum, which is a closed volume. The second is the library,
wrapped up in a translucent envelope. A transparent 'void' exists between the two inter-related volumes and functions as the transition/intermediate zones that would support the two primary programmes of the building. 158
該建築
術館,
另一個
的空間
空間,
Project deta
築由兩個螺旋體所構成。第一個体量是美
Principle use | cultural center
,是完全對外封閉的空間。
Site | Taichung - Taiwan
個體量是圖書館,由半透明外皮覆蓋形成
Number of stories | B1F - 5F
間。這兩個體量之間存在著透明的“ 空的“
Structure | SRC Year | 2013
,形成了連接圖書館和美術館的中間領域。
Building area | 40000m2
159
Competition site
Taichung, Taiwan
The Project site is included within the Taichung Gateway District and located on the northern end of Taichung Gateway Park.
Sou Fujimoto Taichung tower
160
Ito Laboratory Competition team
We make great number of study model.
Competition winner - SANAA
161
Composition
構成
The two main volumes contain specifically functioning zones that are suitable for quiet activities such as the exhibition spaces and reading rooms. In contrast, the transparent 'void' zones minimises restrictions for the users/ management of the building, enabling the
断面展開
communal areas for flexible use. The 'transparency' of the spaces also helps visitors see glimpses of activities and liveliness where ever they are within the building, getting a real sense of 'public place' and the scale of the facility.
solid volume
exploded section
162
兩個 間,因 與此 有著 能夠 受到
transpa
Solid volume Museum
封閉體量 美術館
This voluvme consists of the museum, storerooms and associated service spaces. The lighting, temperature and humidity are precisely controlled within the spaces, ensuring any exhibited items are maintained in an ideal condition.
該體量裡包含了美術館的展覽室和收藏
Translucent volume Library
半透明體量 図書館
The 'library' volume holds all the book collection with reading spaces and office rooms located in convenient proximities. The translucent skin of the volume allows for natural daylight to enter the space but also prevents any problem of direct glare.
該體量裡包含了書架和閱覽空間,以及
Transparent void Common space
封閉體量 美術館
The two volumes that interlock to each other create large in-between voids within the architecture. These become integral continuous 'freeflowing' spaces that connect the museum and the library. Public accessible spaces are all located within the 'transparent' zone.
成
個體量的內部空間是針對各個功能所特化的空 ,因此能夠對應美術觀賞以及閱覽等安靜的活動。 此相反,“空的”空間沒有被特定的用途所限制, 著靈活的特點。由於在設施內被舉行的各種活動 夠呈現在該空間內,因此不管處在何處都能夠感 到充滿活力的氣氛。
arent space
translucent volume
163
室,以及支持以上服務的各種房間。 在该空间里,光線,溫度以及濕度得到 了完全的控制,能将美术品在理想的环 境中展示和保存。
支持整個圖書館運作的各種辦公室。 半透明的外皮不但能夠引進充分的自然 光,而且能夠阻止直射光的進入,給室 內提供了穩定的光環境。
該建築的兩個螺旋體相連部分形成了 “空的”空間。將連接兩個不同功能的 體量-美術館和圖書館-形成連續的空 間。在該空間裡包含了入口,會客室, 平台,休息室,書店以及禮品店等等。 來館者能夠在該空間內自由走動,並能 夠促進整個設施鏈接的流動性。
164
165
ઘ࣊ᚺܯ U[ZYOJK VKXSGTKTZ K^NOHOZOUT GXKG
࣊ᚺʩ㿴͔ K^NOHOZOUT ZKXXGIK
3F plan ᙰᝮ IUTLKXKTIK NGRR
ᎀཀੁخ IUTY[RZGZOUT YKX\OIK
Ϊࣦܯ LU_KX ]I
Ꮘ ۃਿᏈۃ᎘˚ܯ JOXKIZUX Y ULLOIK
ऐᔉ͔ YKIXKZGXOGZ ʇܯ .8 XUUS
нݭᙰ] ܯI GJSOT SKKZOTM
K R
]I
4F
park avenue 2
іܯ UVKXGZOUT XUUS
exhibition center
ੑᏇੈ XKLXKYNSKTZ GXKG
нੈݭˁ͛Ꮳᕆܯ IKTZXGR GJSOT YZUXGMK
ઘ࣊ᚺܯ 6KXSGTKTZ K^NOHOZOUT GXKG
ኍն᎘˚ੈ IOXI[RGZOUT ULLOIK
3F
ࡵʇߨԦܯ XKYKGXIN XUUS
ਜ਼୯ܯ
ᕨᚼ࢙ ܯՖܯ LOXYZ GOJ YZGZOUTT[XYOTM XUUS
:OIQKZ HUUZN
іܯ UVKXGZOUT XUUS
]I
ྑ༄ཋ৯ˁ˼ IUSV[ZKX OTLUXSGZOUT IKTZKX
]I
2F
ዖஒཋກੈ RKGSOTM XKYU[XIKY GXKG
˳ۍϷኍᚺੈ _U[TM GJ[RZ Y XKGJOTM GXKG
Ϊዜܯ RU[TMK
ϡᝃႪႏཕཋກੈ S[RZOSKJOG OTZKXTKZ XKYU[XIKY ੁخᔉᔎ YKX\OIK IU[TZKX
̃ᑗ IRUGQ
˚ᘖܯ 68 ULLOIK
ࡵʇʴіܯ YZ[JOU ऐұႪ܈ቘੈ HUUQYZUXKY MOLZ YNUVY
࣊ᚺᝮ K^NOHOZOUT NGRR
॑बնᕆੈ YVKIOGR IURRKIZOUT
ࠁீ૦ܯ GXZ IRGYYXUUSY
৬ ܯ JOYI[YYOUT XUUS
Ꮳᕆܯ YZUXGMK
ۙϬܯ GXINO\K
ᗠβΠੈޠ )UXVUXGZK GXZ K^INGTMK GXKG
ऐཋअܯ
exibition ROHXGX_ center
=)
=)
ᙰܯ JOXKIZUX ULLOIK SKKZOTM XUUS
ైতኍᚺੈ TK]Y XKGJOTM GXKG
park avenue
ጆྑஈ᎘˚ ܯወӫܯ
]I ]I
GL
3 + ULLOIK KW[OVSKTZ XUUS
cafe ఠіʩ㿴͔ gateway park ]UXQYNUV :KXXGIK
Ꮘ ۃਿᏈۃ᎘˚ܯ
1F
ᗠீऐן HUUQYZUXKY
ձഭኍᚺੈ INORJXKT Y XKGJOTM XUUS
ၥેܯ )UTZXUR XUUS
ཋ৯ܯ OTLUSGZOUT XUUS
॑܈йੌੈ܈ MOLZ YNUV
Ꮘ࢝᎘˚ܯ YZGLL ULLOIK
=)
ձഭఠіੈ ʩீࠁܔʴіґ reading INORJXKT Y ]UXQ GXKG RGXMK GXZ ]UXQYNUVY
reading・shelf
࠴ܯ ϡᝃіੈ GIIU[TZOTM XUUS S[RZOSKJOG UVKXGZOUTY
shop
library
=)
administer
lounge
museum gateway park
exhibition・administer・archive
1F plan
common lounge・workshop・cafe
166
2F plan
ሇ᎘˚ੈ KJOZOTM ULLOIK
ᅪቄ VXUSUZOTU YKIZOUT
4F
ʩ㿴͔ :KXXGIK
ઘ࣊ᚺܯ 6KXSGTKTZ K^NOHOZOUT GXKG
3F
Ϊࣦੈ 2U[TMK
2F exhibition
]I
study
]I
administer lounge
1F
lounge, workshop, cafe
]I
GL
administer
ʩ㿴͔ :KXXGIK
ᄀኧ૰અੈ YKTOUX Y XKGJOTM GXKG
ᆛуዖஒ૦ܯ RKGXTOTM IRGYYXUUSY
reading shelf library
exhibition, workshop, cafe reading・shelf
administer
museum exhibition・administer・archive
common lounge・workshop・cafe 4F
]I ]I
3F ॑ѥ࣊ᚺܯ
ੑᏇੈ XKLXKYNSKTZ GXKG
exhibition
9VKIOGR K^NOHOZOUT GXKG ᗠீઅੈ GXZ
ወӫܯ KWOVSKTZ XUUS
study bookshelf
2F
ఖܯ VXKVGXGZOUT XUUS
ᆛуˣіܯ JOMOZGR UVKXGZOUT ڋ߱ዖੈ YUIOGR YIOKTIK նᕆࣘ 'XINO\K
1F
Ϊࣦੈ 2U[TMK
ᅭܯ VNUZUMXGVN_ XUUS
დ̂અੈ ROZKXGZ[XK
ʯܯݴ؟ܔ YSGRR ZNKGZKX
षܯޙ YZKXORO`GZOUT XUUS ]I
в߱ዖੈ TGZ[XGR YIOKTIK
]I
GL
]I
]I
͚̂ੈ LUXKOMT RGTM[GMK
вࡹܯ YKRL YZ[J_ GXKG
library reading・shelf
administer
museum exhibition・administer・archive
4F plan
common lounge・workshop・cafe
167
5F plan
Common space
Senior reading space in TRANSPARENT VOLUME
168
Senior reading space in TRANSPARENT VOLUME
169
語文專區 literature
section
大阳台 Terrace
常設展覽室 outside permanent exhibition area
常設展覽室 Permanent exhibition area
咖啡餐飲區 refreshment area
語文專區 literature 社會科學區 social science 會議廳 conference hall
大阳台 Terrace
休息室 foyer
藝企交流區 Corporate art exchange area
公關室 PR office
儲藏室 storage
ex
汽車停車場 car parking
地下入口 underground entra
外文區 foreign language 自然科學區 natural science
人事室 HR room 大阳台 Terrace
行政會議室
170
Museum 秘書櫃台 lounge on SOLID VOLUME secretariat
大型美術工作坊 large art workshops
咖啡餐飲區 refreshment area
器材室 eqipment room
典藏庫房 Archive
wc
特別展覽室 Special exhibition area
大阳台 Terrace
多媒體與網路資源區 multimedia & internet resources 兒童閱覽區 children's reading room
汽車停車場 car parking
器材室 eqipment room
典藏庫房 Archive
特別展覽室 Special exhibition area
休息區 Lounge
多媒體與網路資源區 multimedia & internet resources
展覽廳 xhibition hall
兒童閱覽區 children's reading room
ance
汽車停車場 car parking
典藏庫房 Archive
器材室 eqipment room
銀髮族專區 大阳台 senior's reading area Terrace
Multi media internet resouses in TRANSLUCENT VOLUME
數位學習教室 e-learning classrooms
多媒體作業區 會計室 accounting room multimedia operations
171 採編辦公區 editing office
推廣課 promotino section
動線計画
circulation diagram
This facility will be accessed by a diverse type of users - general visitors, museum staff, library staff, coaches/cars and deliveries. It is important these are managed with a clear and efficient strategy to ensure stress-free access for all users.
172
該設施混雜著各種動線,例如來館者,美術館 職員,圖書館職員,來客車輛以及巴士,運輸 車輛等等通道。為了不讓各種通道相互干擾, 動線計劃將被明確地整理出來,保證使用者通 暢的移動。
study
EV
administer
4F
lounge reading
3F
reading
2F
reading
1F EV
GL library
bookshelf , reading cafe lounge
exhibition
shop
lounge
EV
bookshelf , reading
3F
study
EV
2F
administer
1F
lounge
lounge,terrace
bookshelf , reading
4F
archive
exhibition
museum
EV
4F
lounge reading
GL EV
loading
3F
reading
B1F
2F
reading car
1F EV
美術館動線
GL
図書館動線 cafe
lounge
4F
archive
exhibition
exhibition
shop
lounge
EV
3F 2F 1F
lounge
GL EV
loading
B1F car
173
R
PRE Cooling
machine room under ground water
環境計劃
environment system
roof greening
archive
SOLID
Aluminum panel
exhivision area
TRANSLUCENT
reading area
Aluminum Cast
TRANSPARENT lounge area
Glass
administer area
封閉體量
Solid volume
包含美術館的該体量外表將採納外牆 保溫技術,且由鋁鑲板所覆蓋。在隔 熱材料和外牆板之間製造空氣層,能 夠達到提高隔熱性能的作用。
Outer wall is a complete external insulation, this Volume encapsulating an art museum is covered with a panel of aluminum.Providing an air layer between the outer wall panel insulation and, I have to increase the thermal insulation performance.It adopts the air-conditioning system of the highest specifications, the room make a complete temperature and humidity control.
半透明體量
Translucent volume
包含圖書館的該體量的外圍由雙層中 空玻璃以及鋁鑄件鑲板的雙層結構所 組成。鋁鑄件鑲板能夠起到遮蔽陽光 直射的作用。由於鑲板和雙層中空玻 璃之間的空氣不斷循環著,因此能夠 避免博裡面的溫度持續上昇。一方面 排除由日射引起的熱負荷,另一方面 能夠將無亮度對比的穩定光線引入室 內,給閱讀空間提供了優異的環境。
This volume which encloses the library, and double skin with aluminum casting panel that is perforated processing and pair glass outer periphery. I want to shield the direct sunlight by the casting panel. Air between the paired glass panels are cast have always circulated, it is possible to avoid also the temperature of the glass surface is increased. This ensures that while eliminating the heat load by solar radiation, is incorporated in the internal space of light stable with no luminance contrast becomes possible, an optimum environment is made as a reading space.
透明空間
Transparent volume
來館者能夠在該空間內自由地走動, 也 是 鏈 接 整 個設施的具有開放性空 間。該空間的外圍全部由透明的雙層 中空玻璃所構成。該透明的玻璃面都 被設置在外牆以後 4 米處,因此一般 不會受陽光直射的影響。在外部安置 了平台,能夠從內部遙望周邊的風景。
Can visitors roam freely, it is open space to piece together the entire facility. An outer peripheral portion of the space is paired glass transparent. The transparent glass surface, because it is disposed in a portion that was retracted than 4m from all outer wall surface, that it is not affected by sunlight basically. Seating is provided on the outside, it is possible to watch the scenery around the inside.
174
空調方式 Air conditioning system
june 21 89.25°
Sep
tem ber 21 66.9 2°
direct rays
exhaust
FCU
6°
.5
r be
21
42
m
ce
De
reflect rays
FCU
FCU
FCU
R
PRE Cooling
machine room under ground water
1. 利用地下水作為熱源
1.Using underground water as thermal source
空调系统中产生的冷水会被热泵带出, 利用地下水作为热源。由於一年四季 地下水的溫度將低於空氣的溫度,因 此能夠有效被利用在空調系統上。
Cold water production operating in air conditioning system will be carried out by heat pump that utilizes underground water as thermal source. Throughout the year, underground water has lower temperature than the air. This can be used effectively in the air conditioning system.
2. 冷卻管道引進新風
2.Cool tube for fresh air
從外界引進新風時,在冷卻管內形成 空氣流動。遇冷區的空氣相對傳統空 調系統所消耗的能量會減少。
When introducing outside fresh air, the flow come through cool tube. Pre-cooled air will be using less energy than conventional air conditioning system.
3. 組合两个空调系统 空气处理机组的
3. Combination of Two Air Conditioning Systems
类型和水风机盘管冷 / 暖类型空气处 SOLID 理机组的类型和水风机盘管冷 / 暖类 型
Air Handling Unit Type and Cold/Warm Water Fan Coil Unit Type.
Areas with high air volume such as the entrance, exhibition rooms and
Aluminum panel 入口,美術館的展覽室,圖書館的閱 reading rooms will be air conditioned through air handling units. Rooms 覽空間等等氣體體積較大的空間使用 that are used during specific times such as offices, meeting rooms and TRANSLUCENT AHU,該空調方式能夠有效進行熱 work spaces will be air conditioned independently by fan coil units. 回收。辦公室,會議室,工作空間等 等利用時間被限定的各個房間將採用 FCU, 以此對應個別房間的空調方式。 Aluminum Cast
roof gre
archive
exhivisi
reading
TRANSPARENT 175 Glass
lounge
構造計劃
structure system
垂直負載和水平負載的分離
Separation of Vertical and Horizontal Loads
該建築由承擔自重等垂直負載的柱子 和承擔地震力等水平負載的撐柱所構 成。將兩個主要結構要素分離,不但 能夠使地震造成的損害最小化,還能 確保平面計劃的自由度以及降低構造 體的成本。
The building is supported by the primary columns that take the
1. 垂直荷載的支撐
1. Support for Vertical Load
支撐垂直荷載的柱子將採用鋼管混凝 土,既能有效支撐荷載,還能滿足耐 火性能。關於無柱子大空間的需求, 通過底部柱子支撐該空間下部地板, 屋頂桁架垂吊該空間頂部地板所實現。
Other CFT concrete filled steel pipe, effectively support the
2. 水平荷載的支撐载
2. Support for Horizontal Load
在 1 ~ 4 樓我們將計劃採用防屈曲钢 支撑阻尼器(磁滯阻尼器)。該構造能 夠對未知的地震動發揮穩定的減衰性 能,進行損傷控制設計。對於及其罕 見的地震力也能將其引起的損傷停留 在可更換的撐住上,在災害後能夠以 最小限度的成本迅速進行修復。由於 頂樓包含了一層樓高度的桁架梁以支 撐平台上部的物體,因此將水平力作 用在桁架的斜撐上,將該層設計為高 強度的樓層。
Buckling-restrained braces (Hysteresis Dampers) are proposed for
3. 停車策略
3.Car Park Strategy
由於該場地的地下水位很高,大規模 的挖掘實施比較困難,因此我們將柱 子盡可能均勻擺置,使停車場的規劃 達到最高的效率。
Due to the high ground water level, the existing site does not allow
building load and the horizontal bracings that resist force from earthquakes. The separation of the two main structural elements minimises damage to the structure in the event of an earthquake and also maximises the open-plan feel within the architecture. The simplification of the combined system also help reduce the overall cost for the structures.
vertical load of the load, and the pillars, but also to meet the fire performance. Column-free space for some of the requirements, you can do hanging from the support pillar floor space truss beam is placed in the roof slab surface.
Floors 1-4. These are renowned for their high cost-performance and their ability to attenuate unpredictable earthquake forces. The strategy is to control and minimise damage to the structure but also to focus the force to these bracings so any repair afterwards can be carried out swiftly and with minimum cost. The top floor will have a structural layer consisting of trusses to support the volume oversailing the terraces. The diagonal bracings will take the horizontal load, enabling the roof become a highly robust structural layer .
for a great amount of excavation. The layout ensures a balanced spread of columns whilst providing as many car park space as possible on one level.
176
A section
B elevation
truss structure
A section
B elevation
free column space
freepost column space tension post structual control damper truss structure TRU
tension post post structual control damper truss structure
SS
structual control damper truss structure
section image
Image of Horizonal force Resistance
section image
Image of Horizonal force Resistance
structual control damper
TRU
SS
MO
DE
MO
L
DE
RDG
L
O / WLFD
㴾 U 㦢⧣ RU 9H 㗴 I Ⓘ UW
㺉 XSSR
As
6
ect
S CO TRUC NT TUR RO AL LD AM PER
ion
㴾 㦢⧣ RU 9H 㗴 I Ⓘ UW
S
n io
ion
at
ev el
6
ect
S CO TRUC NT TUR RO AL LD AM PER
㺉 XSSR
B
As S
B
G
ev
el
/RD
n io
at
DO RQW
㴾 L] ㊿⧣RU +RU 㙦 I Ⓘ UW 㺉 XSSR 6
DG \ O /R D WHJ W D Q U W R ␉ 㴾 L] 6 ㊿⧣RU +RU 㟗⒝ U 3DUN 㙦 I D Ⓘ UW & 㺉 XSSR 6 J\ WUDWH ␉ 6 ⒝ UN 㟗 DU 3D & 177
DG
/R
DO UWLF
その
178
の他 Others
179
吉 阪 隆 正 -Villa Co
Study on villa couco's dec
180
oucou を 読 み 解 く
cisions of design process
181
[ theme ] 過去の作品や経歴など、相関する物事をヒントに " Villa coucou " の構成を読み解きます。
師匠 吉阪が若手時代に勤務していた Le Corcusier 事務所の思考、実作から。
実作 吉阪が手がけた実作から。
模型 コルや吉阪が手がけたプロジェクトを模型におこして検証する。
182
吉阪隆正
Villa Coucou
Takamasa Yoshisaka
since 1957
経歴
deta
1923 東京に生まれる 1941 早稲田大学建築学科卒業 1944 早稲田大学建築学科助手就任 1950 ル・コルビジェアトリエ勤務 1953 U 研究室設立 1969 早稲田大学理工学部学長就任 1973 日本建築学会会長就任
principle use | house site | Tokyo city total floor area | 67㎡ number of stories | 2F structure | RC
183
Coucou's elements
Le Corbusier
modulor
scale
書籍 [ 吉阪隆正の迷宮 ]
書籍 [DISCONT]
書籍 [ 吉阪隆正とル・コルビュジェ ]
浦邸
浦邸平面
浦邸断面
La chapelle de Ronchamp section
ドアノブ詳細図
自邸外構図
184
sketch
La chapelle de Roncchamp section
Sarabhai house
書籍 [ 不連続統一性を ]
書籍 [ 吉阪隆正集 ]
雑誌 [ 建築文化 ]
自邸
Jaoul house seion
Jaoul house model
ヴェネチアビエンナーレ日本館
セミナーハウス
Villa coucou 現況
185
Drawing
186
187
Approach
引き算的手法 subtraction approach
敷地に対し最大限建てることのできるヴォリュームを設定す る。その後日射、眺望、隣地との関係など諸条件に合わせ、段
階的にヴォリュームを削っていくような設計手法。吉阪が対 象建築の着工以前に設計した「浦邸」 「自邸」などより導いた。
生成過程
引き算的手法+批判的地域主義 1. mass volume
Plan
2. cut
mass
3.cut
view
cut
Section
mass
平面が黄金比で構成されるマッ スなヴォリュームを配置する。
4. parallel
winter sunlight
view
唯一開いた西側に視線が向くよ う、平面をカットする。
188
空間にヒエラルキーを持たせる 為、東側のヴォリュームを絞る。 同時に冬の西日を部屋の置くま で届ける。
ヒエラルキーのあ しながらも、空間 たせる為、東西の する。
批判的地域主義 Critical regionalism 傾斜地
西への眺望
密実な住宅地
吉阪は、周囲の様相が変化してもその場に永続的に影響を及ぼ 品の物理的な境界を時間軸を伴う境界として提示したのであ す要素に着目して設計を進めている。オブジェとしてではなく、 る。これは、活動初期に所属していた師である「ル・コルビュ その場の要素を翻訳したような建築を目指す事で、自らの作 ジェ」の影響を受けている為と考えられる。
5. cut
6. add
7. curve
parallel
ある場所を形成 間に一体感を持 の線分を平行に
morning sun
push
push
summer sunlight
夏場の西日を押さえるため、屋 根を西に傾ける。
pull
エントランスのヴォリュームを 設ける。同時に平面の役割を柔 らかく区切る役割を果たす。
189
屋根を湾曲させ、壁で隔てることな く2階の寝室にプライベートを確保 する。同時にトップライトを儲け、 照度を確保する。
elevation
190
西
東
南
北
俯瞰
191
192
193
Interior
鉱物を穿いて作ったような内部空間。平面系は簡素であるが厚さ、大きさ、形状の異なる開口部が明度の階調を作り、居場所を生んで また、周囲の状況が変化しても唯一永続的に環境の変化しない西側に向けて開かれている事が分かる。
高密な都心部に建つこの住宅に付けられた "villa" という言葉に、西側傾斜値における建ち方の批評が込められているのではないだろう
194
でいる。
B A
C A
C
うか。
195
B
thesis
3DCG, 視領域を用いた建築空間の記述方法
建築平面から建築毎の空間体験の相違を読み込む為の検証。 そもそも建築を説明する為にしばしば用いられる平面図は、俯瞰的視点で描かれている。全体構成を あるが、場面展開などの体験的視点を伴う空間の特性は記述されづらいのである。つまり紙面と図面 よる実空間体験の理解度は読み手の能力に委ねられる事となり、設計者の意図を汲み取る際解釈にに 合があると考えられる。 加えて、近年 3DCG 技術の発達により、バーチャルリアリティーがより身近な存在となり、実空間体験 ション可能となってきた。情報量が多く数値化が困難な為、研究・分析には不向きという特徴はある ログラミングツールと組み合わせ、同時に多量の情報を処理することで図面を読み解く一ツールとし
Balcerona pavilion
Falling water
vp1
2
3
4
5
6
7
8
vp1
2
3
4
9
10
11
12
13
14
15
16
9
10
11
12
17
18
19
20
21
22
23
24
17
18
19
20
25
26
27
28
29
30
31
32
25
26
27
28
33
34
35
36
37
38
39
40
33
34
35
36
21century museum
White U
vp1
2
3
4
5
6
7
8
vp1
2
3
4
9
10
11
12
13
14
15
16
9
10
11
12
17
18
19
20
21
22
23
24
17
18
19
20
25
26
27
28
29
30
31
32
25
26
27
28
33
34
35
36
37
38
39
40
33
34
35
36
196
を把握する事は容易で 面という2次元媒体に にズレが生じている場
験を容易にシュミレー るが、本検証では、プ して用いている。
Villa Rotonda 5
6
7
8
vp1
2
3
4
5
6
7
8
13
14
15
16
9
10
11
12
13
14
15
16
21
22
23
24
17
18
19
20
21
22
23
24
29
30
31
32
25
26
27
28
29
30
31
32
37
38
39
40
33
34
35
36
37
38
39
40
Shigouin 5
6
7
8
vp1
2
3
4
5
6
7
8
13
14
15
16
9
10
11
12
13
14
15
16
21
22
23
24
17
18
19
20
21
22
23
24
29
30
31
32
25
26
27
28
29
30
31
32
37
38
39
40
33
34
35
36
37
38
39
40
197
空間体験を記述する為の手順 1. 視領域 ” 人がある地点に立った時に見通す事の 出 来 る 領 域 ” を「 視 領 域 (fig.1)」 と し、 3Dモデル空間に ” 視点 ” を動線に沿っ て複数箇所設置する事で空間体験を読み
視領域外周
半径 r=12m
不可視領域
取る事が本検証の目的である。 平面図という2次元的な記録媒体に対し て視領域を適応するため、見上げ角度に
可視領域 視点位置 (ViewPoint)
ガラスは 100% 透過
関しては0°で固定するものとする。ま た、視領域に影響を与える要素としては 「柱、梁、床、壁、屋根」とし、各要素
壁面 , 柱 , 床屋根 , 梁 遮蔽物
視界が遮蔽される事で視領域形状が変化 するものとする。可視領域を黒、不可視 領域を白で塗り分け、人が建築を体験す
建具は最大限開く
fig.1 視領域
る上で認識可能な空間の形を記述する。
2. 視点位置の設定方法 建物のエントランスから主空間に向かっ て 床 面 +1500mm の 高 さ に 視 点 位 置
1.
視点位置設定
の規模や動線の設え方は各建築異なるた め、同数の視点を設定すると建築間で視
#9 バルセロナパビリオン
#10 サヴォア邸
26
平 面 図
40
30
10 20
( 1 : 1 0 0 0)
(ViewPoint) を 設 定 す る。 こ の 時 建 築
#4 ヴィラ・ロトンダ
20
10 vp1 vp1
10
vp1
40
30
r=12m
点位置間の距離に差が生じる。 本検証では、建築空間内の視体験を扱っ ており、体験の仕様に個体差が生じては ならない。よって視点位置同士の距離は
代 表
全ての対象建築において一定の1m( 時 速4km で歩行した際、約1秒で到達可 能な距離 ) とし、設定する視点の数で建 築規模や動線の長短に対応するものとす る。その後設定した視点数に合わせて複
2.
視領域図取得
域
vp1
22
4
19
5
25
21
10
30
7
( 1 :2 0 0 0 )
連続的な変化として記述する。
16
的 な 視 領 図
数の可視領域図を得て、視体験を図形の
vp1
10
最後に、得た図形より「エッジ数」「面 積」 「周長」 「重心」の4要素を抽出する (
13
fig.2)。 なおこの一連の行程は、コンピューター
15
22
24
20
35
40
視点番号 1
のプログラミングを介す事で多量のデー タを同時に扱う。
3.
各指標算出
5 10 15 20 22 25 30 35 40 1 5 10 15 20 22 25 30 35 40 1
5 10 15 20 22 25 30 35 40
エ ッ 103 72 52 44 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 14 21 42 34 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 59 35 15 37 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ジ 数
面 191 136 152 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 300 268 370 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 219 103 48 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 積 周 171 152 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 150 175 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 130 38 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 長 重 1482 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 2721 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1897 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 心
fig.2 視点位置の設定と指標算出
198
E 0
0.9
* 左図は、 CCCCC / EEE / BBBBBB と3つのまとまりが 確認でき、E と B の間は ドラスティックに空間が変化している状態と読める
1.8
周長 / 面積 (1/m)
3. 各分析指標 前章で得た要素を元に分析指標を得る。
a. 形態指標 各視領域図の形態を分類する指標として エッジ数と周長 / 面積 ( 以下 L/A) の2
エッジ数 ( 個 )
指標を挙げる。というのも、L/A は空間
140
の規模を捨象した図形的な複雑さを示す
領域 A
領域 D
計算式であり、エッジ数は視領域概念に おいて、中心から放射状に伸びる枝の分
領域 C
70
節度合いを示す指標である。2つの指標 を同時に扱う事で、複数の視領域の図形
領域 E
領域 B
的特性を把握する事が可能である。こ れらを両軸に据えた散布図を作成する (
バルセロナパビリオン 桂離宮 0.9 1.8
0
周長 / 面積 (1/m)
fig.3)。その後 A~E に領域を分割する。
fig.3 形態指標
面積変化 (m2) バルセロナパビリオン 桂離宮 100 バルセロナパビリオン 桂離宮 面積変化 b. 面積変化 (m2) 100 n 番目の視領域面積と (n-1) 番目の視領 面積変化 (m2) 域面積の差分を取るグラフを作成する。 100
(fig.4)数値が高い程1つ前の視点位置と
極大値は、閉じた空間から 開いた空間に移行する際の境界を示す 極大値は、閉じた空間から 開いた空間に移行する際の境界を示す 極大値は、閉じた空間から 挙動が小さい程、 開いた空間に移行する際の境界を示す 緩やかに空間が接続される
0
挙動が小さい程、 緩やかに空間が接続される 挙動が小さい程、 極小値は、開いた空間から 緩やかに空間が接続される 閉じた空間に移行する際の境界を示す
比べ視界が開いた状態を、低い程閉じた 状態を示しており、数値の絶対値が大き
0
い程その度合いが強い。つまり波形の極
0
大は閉じた空間から開いた空間へと移動
-100 0
10
20
-100 0 -100 0
30 35 視点番号
10
20
30 35 視点番号 30 35 視点番号
する視覚的な境界を示しており、極小は その逆である。なお値が0に近い程、ゆ るやかに空間が接続される状態を示す。
10
20
バルセロナパビリオン 桂離宮 重心と原点との距離 (mm) バルセロナパビリオン 桂離宮 5000 バルセロナパビリオン 桂離宮 視点位置と視領域図の重心間距離との 重心と原点との距離 (mm) 推移を記述する (fig.5) 。値が大きい程、 重心と原点との距離 5000 (mm) 視点から見ていずこかの方向に偏りを持 5000
極小値は、開いた空間から 閉じた空間に移行する際の境界を示す 極小値は、開いた空間から 閉じた空間に移行する際の境界を示す
fig.4 面積変化グラフ
c. 重心距離
極大値は方向性を持って視界が開ける 景観用語で言うヴィスタのような場所
つ視領域図である事を示している。方向
極大値は方向性を持って視界が開ける 景観用語で言うヴィスタのような場所 極大値は方向性を持って視界が開ける
を限定して可視領域が配分される程値は 大きく、自身の周りに散漫に領域が広が
景観用語で言うヴィスタのような場所
る程値は低く表示される。つまり建築空
0
間に置き換えると、方向性が強い場所程 数値が高く表示され、本研究では、景観 用語を参照してヴィスタと定義する。
d. エッジ数 / 面積 私たちが空間を認識する際、壁面間の隙 間や連続性といった空間の縁 ( エッジ ) の関係性は、空間の印象と大きく関わる。 本指標はエッジ数を面積で割る事で、単 位面積あたりの空間に内在するエッジの 量を算出する。値が大きい程エッジの密 度が高い事を示しており、縁を知覚する 機会が多い事を意味している。つまり値 の大きさはエッジが規定する空間の細か さ(複雑さ)を示している。
0 0
10 10 10
20
30 35 視点番号
20
30 35 視点番号 30 35 視点番号
20
fig.5 重心距離グラフ
バルセロナパビリオン 桂離宮 エッジ数 / 面積 (1/m2) バルセロナパビリオン 桂離宮 1.8 バルセロナパビリオン 桂離宮 エッジ数 / 面積 (1/m2) 1.6 エッジ数 / 面積 1.8 (1/m2) 1.8 0.6 1.6
縦軸の数値は、空間の複雑さを表す 縦軸の数値は、空間の複雑さを表す
1.6 0.4 0.6
縦軸の数値は、空間の複雑さを表す
0.6 0.2 0.4 0.4 0 0.2 0.2 0 0
10
20
30 35 視点番号
10
20
30 35 視点番号 30 35 視点番号
199 10
20
fig.6 エッジ数 / 面積グラフ
4. 分析方法 先ず形態指標の散布図を建築毎に作成 し、視領域の形態そのものから読み取れ る特徴を把握する。次に、面積変化グラ フ , 重心距離グラフ , エッジ数 / 面積グラ フをそれぞれ読み込み、各視点毎の微細 な様相の変化を理解する。最後にこれら 複数指標をシークエンス空間としてノー テーションし、各建築が同一評価軸上で 比較可能な記述を行う(fig.7)。
視点番号
1
形態指標
C C C C C C E E E E E E B C C C C C E E E C C C C C C C C B B B B B B B B B B B
まとまり
視点番号
5
1
5
10
10
15
15
20
20
25
25
30
30
35
35
40
40
視覚的境界C C C C C C E E E E E E B C C C C C E E E C C C C C C C C B B B B B B B B B B B 形態指標 ヴィスタ まとまり
1.0
450(m2)
( 個 /m2)
視覚的境界 ヴィスタ
1.0
450(m2)
( 個 /m2)0.5
複 雑
視 225
認 面
視
複性0.50.0
225
認
雑
面
0
積
fig.7 ノーテーション 形態指標: 3.1. 項で記述した表より、各視点位置毎に参照し記述する。 性 0.0 0 積 まとまり: 視点番号順に並べられた形態指標の連続 / 不連続を記述する。 形態指標: 3.1. 項で記述した表より、各視点位置毎に参照し記述する。 視覚的境界: 3.2.1. 項で記述した。面積変化グラフの正と負の両極値と対応する視点番号にプロットする。 まとまり: 視点番号順に並べられた形態指標の連続 / 不連続を記述する。 は閉じた場所から開いた場所に移動する状態を示し、 はその逆を示す。 視覚的境界: 3.2.1. 項で記述した。面積変化グラフの正と負の両極値と対応する視点番号にプロットする。 はその逆を示す。 ヴィスタ: は閉じた場所から開いた場所に移動する状態を示し、 3.2.2. 項で記述した。重心距離グラフの正の極値と対応する視点番号に をプロットする。 ヴィスタ:
複雑性 :
3.2.2. 項で記述した。重心距離グラフの正の極値と対応する視点番号に をプロットする。 方向性の強い場所を示す。景観用語を引用してヴィスタと定義する。 方向性の強い場所を示す。景観用語を引用してヴィスタと定義する。
3.2.3. 項で記述した。エッジ数 / 面積グラフの縦軸が複雑さを現す事に着目し、
3.2.3. 項で記述した。エッジ数 / 面積グラフの縦軸が複雑さを現す事に着目し、 折れ線グラフとして変化を記述する。 (左の縦軸) 折れ線グラフとして変化を記述する。 (左の縦軸) 面積グラフ: 視点から視認可能な面積の総和を記述する。( ) 面積グラフ: 視点から視認可能な面積の総和を記述する。( 右の縦軸右の縦軸 ) 複雑性 :
5. 動画作成 本検証では、建築空間体験の理解の手だ てとして、視領域形状を用いた動画を2 種作成した。具体的な内容を以下に示す。 1. 視点移動型動画 平面図内を進むように視点位置を動か す。その際各視点位置での視領域図も視 点位置に習って移動する様に設定し、あ たかも空間体験をしているようなコマ送 り動画を作成する。平面的な身体の位置 と視認情報の関係を検証する事を目的に したヴィジュアルである。 2. 視点固定型動画 領域図の変化のみに着目する。視点位置 は移動させず、図形の変化のみをコマ送 り動画として記述する。
200
本検証は、図形的情報を動的にヴィ ジュアル化することで、空間体験に近い 状態を記述するという試みである。動的 にする事で、個々の微細な特徴を視認す る事は難しくなるが、隣り合う視領域図 の形状変化や、総体としての場面展開の 理解が容易になる事が分かる。なお本論 考は紙面媒体であるため、作成したヴィ ジュアルを掲載する事は出来ないが、動 画 デ ー タ を http://ja.padlet.com/wall/ giqmy46svo にアップロードする。
5. 対象建築 本検証は、試験的に以下の住宅規模の建
建築名
設計者
築を対象 (fig.8) に視領域概念を適応し、
#1
イスラム系伝統住居
-
設計年
視体験を読み解く事を試みる。
#2
四合院
-
1200 頃
#3
大徳寺大仙院
-
1509 年
#4
ヴィラ・ロトンダ
アンドーレア・パッラーディオ
1570 年
#5
桂離宮
-
1883 年
#6
ヒル・ハウス
チャールズ・レニー・マッキントッシュ
1903 年
#7
ロビー邸
フランク・ロイド・ライト
1906 年
#8
バルセロナパビリオン
ミース・ファンデル・ローエ
1929 年
#9
サヴォア邸
ル・コルビュジェ
1931 年
#10
マイレア邸
アルヴァー・アアルト
1931 年
#11
落水荘
フランク・ロイド・ライト
1935 年
#12
ファンズワース邸
ミース・ファン・デル・ローエ
1951 年
#13
白の家
篠原一男
1966 年
#14
フィッシャー邸
ルイス・カーン
1967 年
#15
中野本町の家
伊東豊雄
1976 年
#16
住吉の長屋
安藤忠雄
1976 年
#17
T-house
藤本壮介
2003 年
fig.8 対象建築
■公共建築 建築名
設計者
設計年
#1
カステルベッキオ
カルロ.スカルパ
1929 年
#2
国立西洋美術館
ル・コルビュジェ
1959 年
#3
キンベル美術館
ルイス・カーン
1972 年
#4
森の学校キョロロ
手塚貴晴 + 手塚由比
2003 年
#5
21世紀美術館
SANAA
2004 年
25
201
#1 バルセロナパビリオン Balcerona
Pavillion
1929 MIes van der Rohe plan 1:600
視領域図 (1:2000) vp1
21
2
3
4
5
6
7
8
9
10
22
23
24
25
26
27
28
29
30
ノー 面積変化グラフ
重心距離グラフ
複雑性指標
視点
形態 面積変化 (m2)
100
重心と原点との距離 (mm)
エッジ数 / 面積 ( 個 /m2)
5000
1.0
まと
視覚
ヴィ 0
-100
0.5
2500
2
10
20
30
40
視点番号
0
1
10
20
30
40
視点番号
0
1
終始低い値で横ばいの複雑性指標をなぞるように、ゆったりとした大きな 波形で可視領域面積も変化している。それに準じてか、形態指標もプロット した視点位置からは全て同一な指標が得られた。まずこの3点から対象建築 は複雑な形態操作をしておらず、劇的に空間が変化する事の無いシームレス な空間体験を内包した建築である事がうかがえる。 別指標に目を移すと、変化量の少ない上記3指標に内包される様に視覚的境 界・ヴィスタがそれぞれ2つずつ配置されている事が分かる。視覚的境界の 位置は視点番号(以後 vp)9,36 であり、この番号を平面図と照らし合わせると、 それぞれエントランスより内に入りしばらく進んだ場所 (vp9) と、内部空間 から出て体験者に寄り添うように配された壁面が切れる場所 (vp36) である事 202
10
20
30
40
視点番号
が確認できる。つまり内部空間体験の という事である。さらに vp9 の視領域面 またヴィスタの位置を確認すると vp18 置している。
つまり一見シームレスで無限定な空間 分かる。まず空間体験の前後には視覚的 最大の強い境界である事。そしてその 設えられている事。総体として、形態や 境界とヴィスタの入れ子関係が豊かな はと考えた。
40
35
25
15 vp1
5
30
20
10
12m
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
ーテーション
点番号
1
5
10
15
20
25
30
35
40
態指標
B B B B B B B B B B B B B B B B B B B B B B B B B B B B B B B B B B B B B B B B
とまり
覚的境界
ィスタ
1.0
450(m2)
0.5
225
( 個 /m2)
視 複
面
雑 性 0.0
始まりと終わりの位置とほぼ一致する 面積は、本建築最大の値を取っている。 8,29 であり、内部空間の中央付近に位
間の中には、幾つかの仕掛けがある事が 的な境界があり、” 前 ” 側は視認面積が 境界の内側にパースペクティブな場が や複雑性に大きな変化が無いからこそ、 体験を生み出す一助となっているので
認
0
積
最後に香山壽夫の見解を引用する。『建築意匠講義』( 東京大学出版会、1996 年 ) において次のように述べている。 " ミースの建築のガラスの壁は薄く透明でありながら、古典建築の重厚な壁に劣らず、むしろそ れ以上に内部と外部の空間を限定し、切断して建っているのです。( 香山 ,1996,p.230)"
本研究ではガラスを 100% 視界を透過するものとして扱っているので、ガラ スと視覚直接の関係を明らかにする事は出来ないが、” 内部と外部の空間を限 定し切断して建つ ” という状態は、視覚的境界の配置位置と視領域面積から も十分その意思を読み取る事が出来た。
203
#2 サヴォア邸 Villa Savoye
1929 Le Corbusier plan 1:600
視領域図 (1:2000) vp1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
ノ 面積変化グラフ
重心距離グラフ
複雑性指標
視点
形態 面積変化 (m2)
100
重心と原点との距離 (mm)
エッジ数 / 面積 ( 個 /m2)
5000
1.0
まと
視覚
ヴィ 0
-100
0.5
2500
2
10
20
30
40
視点番号
0
1
10
20
30
40
視点番号
0
1
形態指標を概観すると、B.C.E 等複数の指標を確認する事が出来、かつそれら がリズミカルに配分されている事が分かる。また複雑性指標や面積グラフを 概観すると、全体としては大きな波形だが、それに内包されるように小さな 波形を確認する事が出来る。 ここで平面図と照らし合わせると、小さな波形や形態指標の変化等は、特に スロープ部分 (vp3~21) に集合している事が分かる。この区域を精査に見て いく。まず面積変化グラフと重心距離グラフに拠れば、約 20m の斜路を登 る間に3つの視覚的境界 (vp13,17,21) と2つのヴィスタ (vp14,21) が存在 している。また形態指標も細かく分節されており、視界の遮蔽と現出等、自 身を取り巻く環境を変化させながら体験者は2階主室に導かれていく事が分 204
10
20
30
40
視点番号
かる。加えて終点には境界と視点場が重 中心に鎮座するスロープを空間体験の 考えられる。スロープ部分を抜け主室 形態指標のまとまりの単位も大きくな vp40 と屋上庭園に位置しているが、そ (vp34~39) から続いており、室名として た空間を確認する事が出来、かつ前述 ているのではと考えられる。つまり空 る部分とそうでない部分の2つに大別 が、後述部分にはピロティ , 屋上庭園 , が分かった。
1F
2F
10 5
15 20
12m
40
vp1 30
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
ノーテーション
点番号
1
5
10
15
20
25
30
35
40
態指標
C C C C C C E E E E E E B C C C C C E E E C C C C C C C C B B B B B B B B B B B
とまり
覚的境界
ィスタ
1.0
450(m2)
0.5
225
( 個 /m2)
視 複
面
雑 性 0.0
重複して存在しており (vp21)、建築の ハイライトとして位置づけたのではと に入ると、複雑性指標の値が低くなり なる。最大可視領域面積を取る場所こそ それとほぼ相違ない値が主室の中心部 ても視体験としても同一の様相を持っ 部分とは異なる意図を持った設計をし 間体験としては、劇的に空間が変化す 別する事が出来、前述部分にはスロープ 主室等それ以外の部分が当てはまる事
認
0
積
最後にコルビュジェの自書である『建築をめざして』( 鹿島出版 ,1967 年 ) よ り、次の文書を参照する。 " 平面というものは内から外へ生ずるのだ。すなわち、外面は内面によって生まれる。建築の要 素とは、光と陰であり、壁と空間である。そして、建築における秩序とは、目的に序列を与える ことであり、あるいは、意図に階層を与えることである。"(Le Corbusier,1967,p.20 )
コルが何に重きを置いて平面に序列をつけたかは定かではないが、視覚的 情報あるいは体験的多様さが階層性を作ると読み替えられるならば、おそら くスロープ部分の優位性は揺るがないだろう。全体計画の 1/15 程の建築面 積だが、空間体験の骨格部分と考えられる。 205
#3 フィッシャー邸 F i s h e r
H o u s e
1967 Louis I Kahn plan 1:600
視領域図 vp1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
ノー 面積変化グラフ
重心距離グラフ
複雑性指標
視点
形態 面積変化 (m2)
100
重心と原点との距離 (mm)
エッジ数 / 面積 ( 個 /m2)
5000
1.0
まと
視覚
ヴィ 0.6
0
2500
0.2 -100
2
10
20
30
40
視点番号
0
1
10
20
30
40
視点番号
0
1
まずこの建築の特徴として、エントランスから渦巻き状に動線が展開されて いる事が挙げられる。渦巻き動線に沿って来訪者は奥へと導かれ、徐々に室 の大きさも狭くなっていくという構成である。本研究でもそれをなぞるよう に視点位置を設定した。 複雑性指標を見てみると、大小の振幅を繰り返しながらも徐々に値は奥に行 くに連れて減少して行く事が分かる。同時に形態指標を確認すると、まと まりの単位も細かくなっている。なおまとまりの境としては vp14,15 の間、 vp19,20 の間と、それぞれ空間単位の分節点でもある。さらにこの分節点に ついて精査に見ていくと、vp15 には視覚的境界が、vp20 には視覚的境界と ヴィスタの双方が配されている。これは形態のみならず視覚的にも強い境界 206
10
20
30
40
視点番号
を持ち合わせているという事である。 動線を進むに連れて形態のまとまりの 相の変化点もそれに重なっているという
また、対象建築はこの場所のみならず、 体的には vp4,6,11,12 がそれに当たるの える場所とほぼ一致する。特に vp4 は と同時に注視点である事もうかがえる。
上に示したように、各分析指標を説明 要になる。これは多くの視覚的な要素
10
20
vp1
12m
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
ーテーション
点番号
1
5
10
15
20
態指標
E E E E E E E E E E E E E E C C C C C B B B
25
30
35
40
とまり
覚的境界
ィスタ
1.0
450(m2)
( 個 /m2)
視 複 0.5 雑 性 0.0
。つまり平面図で確認できる状態同様、 の単位も小さくなり、さらに視覚的な様 う事がわかる。
225
認 面
34
0
積
る為である。 すなわち一室空間ではあるが、平面的形態に視覚的特徴がオーバーレイして いる事が空間を分節する一助になっていると考えられる。
ず、多くの視覚的境界が確認できる。具 のだが、これは動線上で体の向きを変 は同時にヴィスタも存在しており、境界 。
明する際 ” 動線 ” という言葉が何度も必 が動線上の特徴的な点に配置されてい 207
#4 桂離宮 K a t s u r a
1883 -
plan 1:600
視領域図 vp1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
ノー 面積変化グラフ
重心距離グラフ
複雑性指標
視点
形態 面積変化 (m2)
100
重心と原点との距離 (mm)
エッジ数 / 面積 (1/m2)
5000
1.8
まと
視覚
1.6
ヴィ
0.6
0
2500
0.2 -100
2
10
20
30
40
視点番号
0
1
10
20
30
40
視点番号
0
1
全体を通して複雑性指数が非常に高い値で変動しており、それに呼応するよ うに面積変化グラフ、重心距離グラフ等もせわしない変化を見せている。一 方形態指標のみ、ほぼ全域が領域 D で一定している。つまり面積やエッジ数 など空間を構成する各要素の値は変動しても全体を通して空間の質は一定、 という事が各指標を概観して読み取れる対象建築の特徴である。 ここで、視覚的境界とヴィスタの配列を見ていく。この2指標は本建築内で 豊富に見受けられるが、全体に散布されている訳ではなく、vp13 辺りを境に 急激に増えていることが特徴である。そしてこの場所を平面図で確認すると、 丁度室内から雁行する縁側に移動する視点位置である事が分かる。縁側に配 置された視点 (vp14~40) には非常に短いスパンで2指標が繰り返し配置され 208
10
20
30
40
視点番号
ており、視界の遮蔽と現出が頻繁に起 境界は、大体2m 置きに現れている。
結果として、対象建築の空間体験は大 各指標の値は軒並み高いが、視覚的境 (vp1~13)。そして各指標の値の変動も に存在する縁側空間 (vp14~40) である 間特性は明らかに異なるのにも関わら 事。これらが対象建築の視覚的特徴であ
40
35 30 20 25
5
15
12m
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
ーテーション
点番号
1
5
10
15
20
25
30
35
態指標
D D D D D D D D D D D D D D D D D D D D D D D D D D D D D D D D D D C C C C
40
とまり
覚的境界
ィスタ
1.0
450(m2)
0.5
225
( 個 /m2)
視 複 雑 性 0.0
認 面
45
0
きている事が確認できる。なお視覚的
大きく2分できる。まず複雑性指標等、 境界やヴィスタは存在しない室内空間 も大きく、視覚的境界、ヴィスタも高密 る。加えて特有の現象として、2つの空 らず、空間の質としてはほぼ一定である ある。
209
積
#5 ロビー邸 Robie House
1906 Frank Lloyd Wright plan 1:600
視領域図 vp1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
ノー 面積変化グラフ
重心距離グラフ
複雑性指標
視点
形態 面積変化 (m2)
100
重心と原点との距離 (mm)
エッジ数 / 面積 ( 個 /m2)
5000
1.0
まと
視覚
ヴィ 0
-100
0.5
2500
2
10
20
30
40
視点番号
0
1
10
20
30
40
視点番号
0
1
まず各指標を見比べる前に視領域図の形そのものを見比べると、非常に似た形 状が多い事を確認できる。多くの視領域図が、中心付近から放射状に伸びる細 い枝を持っているのである。さらに形態指標をを同時に概観すると、一種類の みで構成されており、案の定図形的な平面形状は似通っているという事が分か る。確かに平面図と照らし合わせても、主室は四角いシンプルな構成なのであ る。 また vp17 に視覚的境界、vp4,16 に視点場が存在する事が確認でき、中心に 位置する階段室を挟んでワンルームを大小2つの場所に分割する意思が見て 取れる。しかしこの状態も、平面図より何とはなしに読み取れる事柄であり、 今回の分析により新規に明らかになった事とは言えないだろう。ただ唯一特徴 210
10
20
30
40
視点番号
と言えるのが、複雑性が非常に高い値で は、主室周りに配された列柱に拠る事も
もう一度面積変化グラフに立ち返って考 またいで振幅している事が分かる。これ いう事である。空間を構成する要素は列 ので、この要因はおそらく列柱によるも て、視覚的には遮蔽と現出の反復が柱に のみならず、視界の継起的な変化の一助
ここからは私の考察である。ここまで視
35
vp1
20
10
12m
2F
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
ーテーション
点番号
1
5
10
15
20
25
30
態指標
D D D D D D D D C C C C D D D D D D D D D D D D D D D D D D
35
40
とまり
覚的境界
ィスタ
1.0
450(m2)
0.5
225
( 個 /m2)
視 複
性 0.0
で変動していることである。そしてこれ も明らかであろう。
考察する。すると、折れ線グラフが0を れは可視面積が増減を繰り返していると 列柱とコアのみであるのは前述の通りな ものであろう。空間内を体験するに従っ により起こっている。即ち列柱は複雑さ 助にもなっていると考えられる。
視覚的特徴は複雑性と可視面積の増減の
認 面
雑 0
積
みで、その理由も容易に想像可能であると記述して来た。しかしそうではなく、 ライトは列柱が生むリズムや複雑さを評価し、この現象を際立たせる為に今回 の構成を選択したとは考えられないだろうか。つまり列柱を採用した事で増加 するエッジを複雑さとして認識させない為に、" スクエアな平面に入れ子のコ ア " という極力簡素な形式を取り、エッジ数以外の視覚的情報を抑制したので はないだろうか。結果内観写真を見ると、空間の外形としては美術館のホワイ トキューブのような形態を持つが、リズミカルに配された柱と自然光により フォトジェニックな空間が完成しているように感じられる。加えてそれは水平 方向に強調された外観からは容易に想像し難い状態でもある。すなわちライト は、外部から想像できない内部の意外性と内部空間自体の豊かさを目指し、そ れを列柱と言うヴォキャブラリーで架橋したのではないか。 211
212
6 年間を忘れない為のポートフォリオ Portforio as a note of six years.
立松 裕規
213