立 松 裕 規
Yuki Tatematsu
[ 行為のカタチ ]
form from the behavior.
2
行為のカタチ
form from the behavior.
建築は、多様な要素の入れ子装置のようであるべきだと思う . 風土、敷地、表皮、肌理、寸法、 テクスチャ . これらが有機的にに関わることで内部に、外部に環境を作っていく . 私は設計する時、これらの要素を同時に規定しうる、1つのパラメータを探すようにしてい る . そのふるまいが変化すれば、同時に他の尺度も揺り動かすような関数 . 言葉の切り分 けを前提にせず、連続した関係性のなかで出来る建築は、だらだらと連続する人の行為を許 容する受け皿のような環境を作り上げていると思う . 行為の流れにカタチのふるまいが接続して見えてくるような、そんな環境を目指しています .
3
01 空 間
|
02
空 感
03
After the incomplete
建築に孔を開けてみる
- La chapelle de Ronchamp -
43 イ エ ガ タ
- 回転する小さな小屋 -
4th grade , February 2012
Station plaza
3rd grade , June 2010 コンヴァージョン
3rd grade , Augast 2010
卒業設計日本一決定戦 2012 100 選
学内優秀賞
シェルター学生設計コンペ 2010 佳作
信州大学卒業設計展 優秀賞
2010 建築新人戦 100 選
p08 - 22
04
4th grade , July 2011 商業施設
hut
p22 - 36
p32 - 37
p38 - 45
05
06
大 小 の 扉
07
街の Diagonal
お お き な 煙 突
4th grade , September 2011 リノベーション
2nd grade , February 2010 office
4th grade , May 2011 house
EXPO JAPAN 2011 全国学生リノベーションコンペ
学内最優秀賞
JACS 2011 住宅設計コンペ 佳作
- ヒーローのためのリノベーション -
最優秀賞
Academic works
p46 - 51
p52 - 57
p58 - 65
[ 行為のカタチ ]
Academic works 2009 - 2012
01
空 間 | 空 感
- La chapelle de Ronchamp -
Jury
坂牛 卓 加藤 比呂史 神山 義浩 Taku Sakaushi Hiroshi Kato Yoshihiro Kamiyama
Second prize
stat ion plaza
4th grade 2012
February 8
theme
駅前広場
行為
station plaza
behavior
光
sunlight
駅前広場とはどういう場なのか考える .
行為と行為の間には、たくさんの連続した行
連続している行為を壁や屋根など、具体的なオブ
駅に向かう人も、出てきた人も、どこか目的地
為が存在する .
ジェクトで場所を分節するのではなく、光とテク
に行くための通過点としての場で、動線や行為
ここに現れる空間は、自分と空間のかかわり
スチャが相まって作る空間の状態が、人の行為を
が絡み合う . 場自体に、○○する所、と、行為
方が、あらかじめ規定されているのでなく、
支える受け皿になると考える .
を言語化することはできないような空間 .
空間と行為が対等な場所が必要だと考えた .
9
Analysis
光の状態と空間の関係について
La Chappele de Ronchamp
ロ ン シ ャ ン の 礼 拝 堂 を 教 会 と し て の 空 間 で は な く、 現 象 の 集 積 と し て 捉 え る . 光 を 指 標 に 用 い 空 間 を 解 体 す る . ロンシャンの礼拝堂に現れる光の現象として、時刻変化における床面の照度分布の変化に着目し、検証を進めた。対象建築をモデリングした後、床面に対し垂直に視点を設定し、8:00 - 16:00 まで、1時間置 きにレンダリングする。その後 Adobe photoshop を用い、グレースケール 5 階調化した。
8 : 00
9 : 00
方向性を持った光
Conclusion 1 10
2 本の方向性
:
10 : 00 中心の明度が高くなる
11 : 00 全体がぼんやり照らされる
12 : 00 輪郭がぼやける
13 : 00 強い光が点在する
14 : 00 グラデーション状の明度分布
16 : 00 一様に暗くなる
床面照度分布の変化は、太陽の照度や角度に同調せず、常に断続的な変化が見られる。" 祈りをささげるための空間 " というひとつの目的で構成された空間であるにもかかわらず、 多義的な意味を持ち合わせた場ができている。
Analysis 2
the piecr of La Chappele de Ronchamp
検証 1 で現れた照度分布の原理を明らかにするため、開口の形態より推考する。礼拝堂の断面形状は以下の 3 つのモデルに分類できる。また、それらのモデルの部材を、水平垂直に還元したモデルも作成する。 それらをレンダリング、グレースケール 5 階調化する。
レンダリング
a
b
c
光を制御する空間
a, 壁の厚みによる開口 5 階調化
b, 棟状の空間を介す開口 c, フラップによる開口
ronchamp
Conclusion 2
:
horizontal and vertical
光を制御する空間を介して、採光する開口形態を採っている。また水平垂直モデルに比べ、ロンシャン内のモデルは、現象に広がりを持たせながら空間内に作用させていることが分かる。 開口に何らかの変数を加えることで、現象の変化を積極的に取り込む形態。
11
1f
ロータリー
前項の検証をふまえ、光の状態が空間に偏差を生じさせるような場を計画する . bf
12
駅前広場
空間生成
generation of the space
1
2
3
4
5
2*
2**
4*
4**
5*
閉じた六面体を空間と呼ぶとする . その六面の1面または2面を取ることで出来るカタチは果たして空間と呼ぶのだろうか . また曲面を用い、面同士を有機的につなげたり、分断したりしていく . 空間として未完成な状態のカタチは、操作を重ねるにつれてどこまでも曖昧になってゆき、1つでは場を規定する力はなくなってゆく . カタチが場を規定する のでなく、人が使うことで空間が規定されていくような状態 . そのような状態こそ、行為を受け入れる受け皿として相応しいと考えた .
13
間 接 光
上階と地階、それぞれ異なる形態と質量を持った空間を , 相互に貫入し合うように掛けあわせます . 異なる空間内を縫った光が , 地階に現象する .
14
減 衰 す る 光
2000
bus cafe
2700 2500
3100
bus
10000
car
void 3200
section それぞれのカタチに固有の意味を持たない幾何学の集合は、抽象的な空間を作り出し、そこに光という現象が折り重なり、人が介在することで、場と呼べるものが生まれる . 現象により具象化する空間 .
15
r=3500
City
7245
backyard 10000
1000
2000
3000 1500
-4500
r=1500
1500 500
r=2000
r=2800
1500 2000 r=4000
10000
-4500
-4000
1500 500 -4500
Shop
-3500
1000
Hotel
-4000
10800
w.c.
-4800
5400
r=4200
shop
11910
w.c.
r=4600
15650
r=4000
r=4000 r=4000
Nagano sta.
31215
27535
4000
29025
28205
119980
16
0
2
10
30
48120
8000
28965
12300
r=9500
13310
2000
r=23000
-7000
-3500
-4500
bf plan
5000
cafe
piece of the plan
円弧の中にいると、そこが表で欠き取られた反対側が裏のように感じるが、光の状 態が変化するとその逆のことが起こる . 空間の意味が優劣なく同格に入れ替わる .
17
section
うつろいゆく変化の中、人は歩みを進めていきます . さっき人が集まっていた所はもう誰もいないかもしれないし、昨日明るかったところは、暗すぎて空間と呼べないかもしれない . カタチを伴ったはらっぱのような場所 .
18
bf plan
それぞれの空間の大きさや性格は異なっているが、裏表など、隣り合う空間に優劣はない . どちらも図で、どちらも地になり得るということ . 動線の一部としての空間 . ここを通る人は , 光に導かれ , いつも少し異なる道筋を取りながら , おぼろげにまちの雰囲気を受け取ります .
19
cross section
店舗
shop
百貨店
長野駅
department
飲食店
20
cafe
Nagano station
宿泊施設
店舗
待合室
hotel
shop
空隙
void
waiting space
21
02
建築に孔を開けてみる Jury
坂牛 卓 広瀬 毅
Taku Sakaushi
Tsuyoshi Hirose
conversion complex 3rd grade 2010 June
Hirose prize
22
deta Existing building use / community center Existing building area / 550m² Number of stories / 4F Structure / RC Completion / since 1967
コンバージョンとは、新しい寸法を挿入する事で、既存の建築に内在していた行為を 整理する事のように思う。" 整理する " という事は、単に並べ替える、という事ではない。 ある行為は拡張し、またある行為は間引きながら、全体を再構成していくこと。既存 建築に対し、付加するヴォリュームに与える気積の大きさとテクスチャ。それらの重 ね合わせ方のレイアウトこそ、行為を整理する鍵だと考えた。
蔵春閣
23
site
敷地 / 既存建築 Site / Architecture
nagano Japan
長野県長野市の街を見下ろせる丘の頂上に建つ . 敷地東側には住宅地 西側には善光寺を中心とした歴史的な街並みが広がっている .
* theme モ ダ ニ ズ ム の 原 理 よ ろ し く、 均 質 な 空 間 が 積 層 さ れ た 内 部 空 間 を 持 つ . そ れ に 対 し、 階 段 室 や 機 械 室 な ど、 付 加 さ れ た サ ブ ヴ ォ リ ュ ー ム が 外 観 に 表 情 を 与 え、 表 層 を 形 作 っ て い る . 内 側 と 外 側、異なる原理で作られているが、それぞれが1つの形式のもと形作られているように思えた . ここに単一の操作を加えることで、表層と内部の構成が絡み合いながら展開される空間を考えた .
24
*concept
the architecture
この建築の形式を壊さない最小限の操作を考えた .
the architecture'
ただ、孔をあける . そしてその切り取られたヴォリュームをとなりに置く .
25
west elevation
26
plan
-3500 k
b
a
c
i
c
c
l
±0
n o
m
d
h
f
-11000
e
f
g j
1F
2F
0
5
15
3F
4F
a エントランス b 開架書架 ( 孔 1) c 書架 d 受付 e 開架書架 ( 孔 1, 増築 ) f 小ホール ( 孔 2, 増築 ) g ギャラリー ( 孔 3, 増築 ) h 事務所 i 閲覧スペース ( 孔 3) j テラス k 雑誌 , 資料スペース l カフェ ( 孔 2) m 読み聞かせの場 n 自習スペース o 自販スペース
27
corduroy steel
既存の建築に対し孔のスケールを合わせていく .
28
孔の仕上げはコールテン鋼とする .
n
section
l
b 開架書架 ( 孔 1)
i
d 受付 i 閲覧スペース ( 孔 3) l カフェ ( 孔 2) n 自習スペース
d
0
5
15
b
孔は 重なりあったり つながったりしながら 全体を再構成していくきっかけを与えていく . すると既存の形式は少しだけ崩れ始める . しかし完全に崩れることはなく それでいて様相は残しながら 新たな秩序が付加された建築ができる .
29
0m
section
15m
0
5
15
detail section
コールテン鋼 t=0.5 PB t=12.5 胴縁 20 × 45@450 通気層 防水シート 構造用合板 t=12 グラスウール t=100
03
After the incomplete - 回転する小さな小屋 -
シェルター学生設計コンペ 2010 佳作
Jury 千葉 学 トム・ヘネガン 古谷 誠章 中田 千彦 元倉 眞琴
hut 3rd grade 2010 September
32
Manabu Chiba Tom Henegan
Nobuaki Furuya Senhiko Nakata
Makoto Motokura
* concept 当たり前という感覚 先入観によって現代という世界は形成される . それらが固有の意味を持ち マニュアルに沿って扱われる . その感覚を疑ってみることが 現代において原始を見出しうる手段ではないか . 原始という状態を 人と建築の間に見いだします .
33
ロージェ 「原始の小屋」 かつてロージェが、建築史論の口絵に描いた建築の原始的なイメージ . 簡素な木材で作られた、柱と梁とにより生み出された空間 . それが建築の本質であるとした .
建築を取り巻く状況が変わっても
私たちは大きな先入観のもと、このカタチを使っているように思える . 変化する状況と変わらないカタチ .
現代における「原始」という状態を「イエガタ」という形式を用いて考える .
34
* theme
行為 家型
shape of house
床
floor
壁
wall
屋根
behavior
roof
ことにイエガタというカタチは
水平は床面で垂直は壁面で斜めは屋根 .
純粋にその場所で過ごすということだけを考える .
大きな先入観のもと用いられているように思える .
このカタチは、私たちに住まうという意味を与えると同時に
そこで行為が生まれることで、中身が、空間が意味づ
行為や使い方も限定する .
けられていく、そんな状態が「原始」たるものではな いかと考える .
35
* diagram
36
転がすことのできる木箱 . さっき床だったところが天井に 天井だったところが壁になる . その変化の中で人の行為は多様化していく .
先入観にとらわれず そのモノに対して人が反応し 行動する . この空間にはモノしか存在しない . この状態こそ「原始」だといえる .
37
04
41イ エ ガ タ
Jury 柳澤 孝彦
Takahiko Yanagisawa
川上 恵一
Keiichi Kawakami
児野 登
shop complex 4th grade 2011 July
38
Noboru Chigono
concept 先の作品で述べた通り、イエガタというカタチは、先入観を持って使われる . つまりある程度、そこで起こり得る行為が想定されるということだ . その反面、誰しもの意識の中に溶けている、慣れ親しんだカタチだともいえるだろう . 「イエガタ」のもつ、床 壁 屋根、などの概念を取り払い、単なる「モノ」として見る . 既出の形式に新たな関係性を与える . すると、イエガタの持つ意味は解体され、変化していくだろうと考えた .
39
concept " 奥 " を知覚させるイエガタ . 左記のカタチが生む状態について考察する。 隣の空間の様相の大方を把握することはでき るが、すこしだけ見えない、奥まっている場 所がある。 その「奥」に誘われて人々は空間内を進む。 iegata
unit
walk...
様相はシークエンシャルに変化していき、視 覚的に訴える空間は、人々を奥へと誘う行動
イエガタの屋根面を合わせたときに生まれるカタチについて考える .
1
40
2
を喚起させる。
3
4
単独のイエガタが持っている特性と、イエガタの屋根面を重ね合わせることで生じる特性の、 2
3
diagram
両者を拾い上げながら積み上げていく。人に留まって欲しい場所には、空間にひとまとまりの 5
1
4
印象を与える前者を用い、人の流れを作り出したい場所には、空間に動きを与え得る後者のカ タチを用いる。全体としては、敷地内を長く回遊することの出来る螺旋状の動線と、コアが作 る垂直動線がかみ合いながら場所を作っていく動線計画となっている。
41
絵巻物を読む際の、視覚的変化と行動の関係を建築化する .
巻物を拡げて、一見で物語すべてを把握するのではなく、片方の手で軸を繰り出し
絵巻物
ながら、もう片方の手で巻き取りつつ読み進める .
自分自身で読み進める範囲を設定しながら、場面の継起的な展開を楽しむ鑑賞方法 .
east elevation
south elevation
長野県長野市駅前に位置する敷地。周囲は、商業施設で囲まれており、人の往来が多い場所。
42
site
次に現れる空間の様相を思い描くことにより、先へ進む .
絵巻物的空間
自分が動くことによって空間が展開され、見えなかった「奥」を知覚する .
43 section
GL + 1500 plan
GL + 7000 plan
sequence 1
2
空間のほぼ全体を見渡すことができるが、右奥に奥まって
奥に誘われて進むと休憩スペースがあった .
3
後ろを振り返って見ると、明るい奥が広がっている .
4
階段を登ると何かありそうな雰囲気 .
いる場所がある .
- 奥に誘われるような内部空間 -
44
この建物の中に入った人は、自分と空間との関係を確かめながら次へ次へと " 奥 " へ向かって進んでいく . 視覚的に訴えることにより、人の行動を喚起させる .
GL + 10000 plan
5
GL + 15000 plan
6
服屋と大きな階段がありました .
7
振り返ると、明るい場所と暗い場所が重なって見える .
8
左手の階段を登ると、平面的にも断面的にも奥まっているよ
花屋がありました . またその先に見える奥へ向かって、人は進ん
うな場所が見えてくる .
でいきます .
8
view points (GL ± 0 ~ +9000plan)
3
7 6
5
4
1 2
45
05 大
小
の
扉
- ヒーローのためのリノベーション -
EXPO JAPAN 2011 全国学生リノベーションコンペ 最優秀賞
Jury 石井 健 馬場 正尊 長坂 常 曽我部 昌史 島原 万丈
small house 4th grade 2011 September
46
Ken Ishii
Masataka Baba Jyo Nagasaka
Atsushi Sogabe
Manjyo Shimabara
context
theme
hero
architecture
site
大 道 芸 人
小さな木造2層の小屋
長野 県長野市 善光寺界 隈
施主が敷地を購入し、建物を依 頼する . これが通常の設計だと 思う . 本コンペでは、制作者が 施主として自らのヒーローを選 び、その人に相応しい土地、既 存物件を選定する . 順序こそ違 えど、実務と同じような条件下 での課題 .3 つのコンテクストを どう読み込み、どうすりあわせ て行くのかを考えました .
47
5200
2730
site / architecture / neighboring area 2730
plan
section
site
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
1/ 善光寺界隈に位置します 2/ リノベーションの動きが盛んな地域です 3/ 毎年催し物が多く開催される地域です 4/ 敷地の隣には小川が流れています 5/ 周囲との関係が少し疎遠です 6/ 三角形の小さな庭を持つ一戸建てです 7/2730 × 2730 の平面を持ちます 8/ 現在は倉庫として使われています 9/ 車通りの多い道に面します 10/ 周囲は閑静な住宅街が広がります
48
hero / character
低所得のため、大きな家は購入する事が難しい .
背の高い大道芸人がそのまま家に帰るには大きな扉が必要 .
パフォーマーと一般人、2つの顔を持ち合わせた大 道芸人は、家の中に2つのスケールが必要だ .
- proposal 以上の条件を踏まえてリノベーションする .
既存 改修
小さな家だが、大きな扉と隣り合う吹き抜けを持ち合わせ、2つのスケールを行き来する事の出来る家 . 人が住まうのに最低限の水回りを設える .
49
- theme a day , as a man...
a day , as a hero...
hero のままでは家に帰れない .
50
大きな扉と吹き抜けが必要だ .
phase 1
phase 2
二つの三角形の余白を持つ敷地 .
壁1面に大きな扉を設える .
phase 3
壁の内側に、内部の延長として、柔らかく 囲まれた領域が生まれる .
phase 4
隣地の壁や樹木や小川など、周辺環境を巻き込み ながら場が作られる . 行為がはみ出す事でコミュ ニティーが生じるきっかけを作る .
scene1
出入り口としての扉
scene2
生活の中の扉
scene3
仕切りとしての扉
大道芸人は大きな姿のまま家へ帰って行く . 大きな扉は、単なる出入り口とし
吹き抜けと絡み合いながら展開される生活は、小さな家を少しだけ大きく見せ
壁一面の扉を大きく開ける . 1人で練習する時、道に対して目隠しとなる扉は、同
ての機能だけでなく、子供達のヒーロー増を守る装置でもある .
る . 吹き抜けと隣り合う扉の開閉が、内部の生活を大きく規定する .
時に小さなたまり場をつくり、小さな発表会が行われる際の舞台装置にもなる .
51
06
街 の Diagonal Jury
坂牛 卓 松田 達 新 雄太
Taku Sakaushi Tatsu Matsuda Yuta Shin
first prize
office
2nd grade 2010
February 52
Nagano city
city level
introduction 長野市中心部に計画する貸しオフィス 貸しオフィスというプログラムを 考える際に、使いやすさ以外に どのようなを要素を付加できるのか考えた そしてその小さな要素が全体を構成する タネのようなものになればいいと思った きっとそのタネは身近な所にあるし すごく人に関与することのように思えた
site
交差点に面したシキチ 一日中交通、人通りの多い大通りと、地域の 人が井戸端会議をするような路地 スピード感の違う 2 つのミチをつなげる場所 そこに建つオフィスの真ん中に道を通す 2 つの異なる速さをつないでみる そんなところから設計を始めた
53
section diagram
plan diagram
要求されたボリューム
要求されたヴォリューム
ヒトのための道を通す 前面道路のアクティビティ―を 引き込むように道を通す
周囲の建物にスケールを近づけていく
途中で折り曲げる形状とする
ヴォイドをもうける
54
±0
bank 1/15
gallery
w.c w.c
office showroom machine room cafe 1/10
-1500
hall office
w.c
reflesh space ±0
w.c
0m
5m
15m
1F plan
55
56
鉛直から角度を振って立ち上がる三角のカベ、ガラス . 点在する開口、ヴォイド . 斜めだけで構成された空間の真ん中を通る道 . 途中で折り曲げ、少し掘りこむ形状としたことにより、よどみのような場を作りなが らヒトに多様な加速度を与えていく . サンクンガーデンのようでもあるし、ポケットパークのようでもあるし、もちろん道でもある . 積層されていくオフィス空間は、隣り合う道を歩くヒトの 速さ 密度 距離に よって性格づけられていく .
展開図
Principal use / office Site / Nagano city Site area / 2520m² Building area / 832m² Total floor area / 4282m² Number of stories / B1F , 5F Structure / S + RC
meeting room office
meeting room
void
reflesh space
office
office
office
office
office
office
gallery
public space
bank
office void
office
showroom
warehouse cafe parking
parking
section
meeting room
reflesh space office bank hall machine room
office office gallery showroom parking
north elevation
east elevation
57
07
お お き な 煙 突
2011 JACS 住宅設計コンペ 佳作
Jury 吉田 研介
Kensuke Yoshida
宮 晶子
Akiko Miya
豊田 正弘
house 4th grade 2011 September
58
Masahiro Toyoda
*diagram
” 光と風 ” という昔から変わら ず存在する現象 普遍的なテーマには、今ある当 たり前の要素を再考することで 応えうるのではないかと思う。 煙突という古くから排気のため に使われてきた住宅の 1 要素。 従来は風に対してだけであった 煙突の振る舞いを、形態を変え ることで光も同時に規定できる ものにはならないかと考えた。 光と風を内包する煙突 閉ざされた内部に光と風をを呼 び込み、内に対し開くと同時に 外にも開く。 煙突が都市の中の小さなコミュ
切り妻屋根と煙突
切り妻屋根と大きくなった煙突
ニティースペースを作るファク ターにもなればいいと思った。
59
*images
sun light
direct light
cimney wind
house wind indirect light
sunlight
60
flow line
city wind
wind
behavior
煙突は光を纏う .
煙突は風を纏う .
煙突は人を纏う .
大きな上部開口より光を取り込み、内部に溜め込む .
風が吹いてくると大きな吹き抜けを介して
光や風に誘われ、人、物、動物が絡みつく .
町の風が家の中を吹き抜ける .
煙突が基点となって生活が展開される .
5
6 4
1
2
3
1.atrium 2.study 3.kitchen,dining 4.living 5.child room 6.terrace 7.chimney yard 8.outside
7
8
0
1
3
section
61
plan
8
2
6
5
3
9
10 4
7
1
1f
2f
1. entrance 2. study 3. kitchen,dining 4.bathroom 5.chimney yard 6. living 7.bedroom 8. terrace 9. chird's room 10. child's bedroom
62
3f
0
1
3
5
1
fig.1
fig.2
2
3
1/1 階から屋根まで吹き抜ける煙突空間 2/ 煙突に巻き付く階段 3/ 家と煙突、それぞれのヴォリュームの間の空間
fig.3
大きな同じ図式が 1F - 3F まで続いている . 各階の構成は似ているが、煙突が環境要因を受け止めるフィルタとなることにより、場所により性格の異なる、柔らかな場所が点在している .
63
煙突展開図 GL+1000 から始まる都市の隙間に挿入された半透明の煙突 . 外部、内部の余条件を等価に扱うことにより、境界の定義が少し揺らぐ .
64
site
north
west
east
south
半透明の大きな空間は、時に大きなトップライトのようであったり、また時に障子から漏れる柔らかい光のようであったりする . 生活は、煙突が作る光の環境に巻き付くようにして展開される .
Principle use / house Site area / 119.33m² Building area / 44.25m² total floor area / 83.55m2 Number of stories / 3F Structure / wooden
65
立 松 裕 規 Yuki Tatematsu
66
data
学歴 / educational background 名古屋市立大学院 / 芸術工学研究科 / 伊藤研究室 / 意匠設計 / 都市解析 信州大学 / 工学部 / 建築学科 / 早見研究室 私立東海高等学校
Master of Nagoya City university, Nagoya, Japan Belongs to Ito laboratry and studying atchitectural design theory
2012 -
Shinshu university, the facutly of engineering , Nagano, Japan Belongs to Hayami laboratly and studying architectual design.
2007 - 2011
Tokai highschool , Nagoya , Japan
2002 - 2006
主な賞歴 / main achivement 信州大学卒業設計展 優秀賞
Second prize in Graduate exhibition , at the shinshu university / Fev. 2012
全国学生リノベーションコンペ 2011 最優秀賞
First prize in Renovation EXPO Japan competition 2011 / Oct. 2011
JACS 2011 住宅設計コンペ 佳作
Fine work prize in JACS2011 competition / Aug. 2011
3 年次設計課題 蔵春閣のコンバージョン 広瀬賞
Hirose prize in third grade , "conversion of Zoushunkaku" at shinshu univercity / May 2010
2 年次設計課題 貸しオフィスの設計 最優秀賞
First prize in second grade , "Lental office" , at shinshu university / Fev. 2009
実務経験 / work experiences 日建設計 インターンシップ
NIKKEN SEKKEI / 2009
D.I.G Architect インターンシップ
D.I.G Architect / 2010
シーラカンスアンドアソシエイツ 名古屋 インターンシップ
Coelacanth and Associates Nagoya (CAn) / 2011
山田建築設計室 アルバイト
Yamada Architect's office / 2011
PC スキル / computer skills
Vecterworks 11 / Photoshop CS5 / Illustrator CS5 / InDesign CS5 / Sketchup 8 - kerkythea 2008
67