Architecture portfolio Yu_Nakaie
中家 優 | Nakaie Yu
Profile
1996.12.20 三重県桑名郡木曽岬町に生まれる 2012.04 四日市工業高等学校建築学科
入学
2015.03 同高校
卒業
2015.04 愛知工業大学工学部住居デザイン専攻 入学 2017.11 ~ 同大学安井秀夫研究室
所属
Self-PR 自分は高校を含め 5 年間建築を学び、建築という行為の可能性には どんな可能性があるのかを考えて設計してきました。 都市や集落、住宅街などの場には、様々な要素・資源があります。 その既存の要素・資源の価値を見出し、可視化させる建築を構築し ていくことで、その場に適した価値の向上が図れる事が建築の意味 だと考えます。 そのようなことを考えて設計した作品を紹介します。
YU NAKAIE 中家 優
Contact
YU_NAKAIE+PORTFOLIO-2
telephone
080-2668-7056
inhouse.m1123@gmail.com
Line
milksan1123aqua
Skill ・Competition
・Qualification 100 選
2012.07 レタリング技能検定 3 級
2017.12 建築系愛知 10 大学共同企画展 8 選
2013.02 建築 CAD 検定 3 級
2018.03 福岡 DesignReview2018
2017.09 建築新人戦 2017
66 選
2013.07 福祉住環境コーディネーター 2 級
2018.04 E&G DESIGN 学生デザイン大賞 最優秀賞
2013.12 色彩コーディネーター 2 級
2018.09 日本建築学会設計競技 佳作
2014.03 危険物取扱棄権者免状 乙種 4 類
2018.09 日本建築学会設計競技 タジマ奨励賞
2015.12 CAD 利用技術者試験 2 級
2018.10 愛知建築士会 学生コンペ 2018 優秀賞 2018.11 歴史的空間再編コンペティション 40 選 ・Extracurricular activities 2013.01 三重県高校新人卓球大会個人の部 ベスト 8
・jw cad・Vector Works・Sketch Up・Adobe Illustator・Adobe Photoshop
2013.05 全国高校総体三重県予選団体の部
第三位
2013.12 東海高等学校新人卓球大会団体の部 出場
Vectorworks 90%
Illustrator 80%
Photoshop 80%
YU_NAKAIE+PORTFOLIO-3
Freehand 70%
Microsoft 70%
SketchUp 30%
Pentablet 30%
AutoCAD 10%
Index
Profile 2-3
Index.Data 4-5
建築作品集 No.01-05
01
移ろいゆく洞窟 6-13
02
GIVING TREE
03
都市に挿入するガラス棟
04
渡り漁業
05
CLOUD TREE
14-21
32-41
42-49
Architectural model
YU_NAKAIE+PORTFOLIO-4
24-31
49-53
Design Activity
” 金魚ミュージアム”
” 相持ち構造による小空間”
” 山折り谷折り”
” 都会のオアシス”
” 移ろいゆく洞窟”
高校三年後期 美術館+公共施設
学部二年前期 小空間
学部二年後期 公共施設
学部三年前期 商業施設
学部三年前期 大学施設
四日市工業卒業設計 銀賞 (2 位 )
設計課題 学内順位 1/80
設計課題 学内順位 1/80
設計課題 学内順位 1/80
建築新人戦 2017
“GIVING TREE”
” 都市に挿入するガラスの棟”
” キャンパスのアウトドア・リビングルーム”
” 渡り漁業”
学部三年後期 都市型公園
学部三年後期 住宅
学部四年前期 大学キャンパス
学部四年前期 まちづくり
学部四年前期 遊具
福岡 DesignReview2018
ウッドフレンズ
ランドスケープ課題
日本建築学会設計競技
愛知建築士会 学生コンペ 2018
E&G DESIGN 大賞
YU_NAKAIE+PORTFOLIO-5
” CLOUD TREE”
01. 移ろいゆく洞窟 - ラーニングメディアセンターの設計 -
移
ろいゆく
洞窟
学部三年前期 ( 2017 年 9 月 ) 建築新人戦 2017 100 選 大学施設
Campus 計画敷地は愛知工業大学八草キャンパスである。 そこに、あらゆる分野が集結し多目的な施設である、ラーニングメディアセンターを計画する。 キャンパスは、山を切り崩して作られているため傾斜地であり、建物・外部施設以外、 水平のない特殊なキャンパスである。 そのポテンシャルを抽出し、ラーニングセンターに取り込み設計する。 そして、キャンパス全体に建築が影響し、全体がラーニングセンターとなるものを設計する。
00. 設計課題:ラーニングメディアセンター
01. 大学の生い立ち 雨水
本校キャンパス内に、各専門分野の最先端技術、
雨水
尾根
研究が融合する施設であるラーニングメディアセンターを設計せよ。
谷 ( 建物 )
尾根
今回の課題では、大学内の全ての学科との共同研究、交流する場を設計し、 棚田
設計を思考と捉え、施設プログラム自体から考える。
谷
棚田
そして、設計にあたっては、研究の場として建築を捉え、 各自が建築のプログラムを構築していくこととする。
計画敷地である愛知工業大学八草キャンパスは、尾根と谷の間の地盤が最も安定する場に建てられたキャンパスである。 そのキャンパスの建築は水平を取る為に、盛り土切土をして建設されたが、様々な可能性のある部分も消失させてしまっ た。その為、豊かな形状を生み出してきたこの地の流れを断ち切らない建築の建て方はないかと考える。
01. 大学の特徴
02. すべてがラーニングメディアセンターとなる
計画敷地
落ち着いた雰囲気の
活気が立体的に見える
秘密基地のような
現在のキャンパスは、専門分野ごとに分棟配置になって
様々な専門分野を学習する学生が集まる場を
傾斜地を使いこなした学生は、キャンパス全体がラーニ
テニスコート
メインストリート
実験棟の先
おり、学生が同じキャンパスで学ぶ必要がないと考える。
キャンパスの中心に設計する。
ングセンターとなり、キャンパス全体で交流が生まれる。
緩やかな傾斜地が山によって作り出され様々な魅力的な環境がある。学生はキャンパスを
未来には、自分だけの知識だけでなく協力し課題を突破していく力が必要である。他学科との新しい交流を生み出し
上り下りし移動するが、その移動の道を苦としか思っていない。そこには多くのポテンシャル
新しい分野における研究が進化する。それが、大学で学ぶということ。そんな様々な交流が誘発される施設を設計する。
があり、そこを利用する学生ならそのポテンシャルを引き出せると考える。
YU_NAKAIE+PORTFOLIO-8
大きな開口部からは中を見渡し、その先の外をも映す。
上からの光に人が集まる
庇の役割をし光を和らげる。
YU_NAKAIE+PORTFOLIO-9
03. 形態ダイアグラム
1
2
3
4
その断面をグラデーション上に繋いでいった。
地面を隆起させる。
その地面を、床や壁に変換させた断面をつくる。
自由で様々な居場所ができる。
様々な場面を検討して、断面を緩やかにつながるように複数つくる。
そうすることで、誰の行為にも適応するもの ができる。そして、交流の場が生まれる。
5
洞窟同士が分岐・合流することで、
それは、チューブのような洞窟となって、
敷地から広がる道が生まれる。
一つの道となり、外部にも反転し影響する。
魅力的な傾斜地の使い方を学び、かつ、人々の交流の場を作るためのコンセプトである。このコンセプトは、内部空間のみだが、この断面形状は外部へと反転し、様々な学生が集まるラーニングメディアセンター から傾斜地の使い方を学んだ学生がキャンパス全てを大きなラーニングメディアセンターのように利用する。
04. 構成ダイアグラム 1
2
3
4
5
計画敷地
周辺の校舎配置からゾーニングを行う。
周辺の校舎配置からゾーニングを行う。
以前の機能である各校舎のアプローチ動線を
動線に沿ってチューブを配置して
チューブに多様な変化をつけて
断絶しないように 動線計画を行う。
部屋の機能によって太さを変える。
様々な空間を生み出す。
キャンパスの中心ということを最大限に活かすためのゾーニングを行い、配置計画を行う。チューブのような形は一つの道であり、道の利用としてもラーニングメディアセンターを使用できる。そのため、歩き ながら交流が生まれる施設であり、その可能性はキャンパス全体へと広がる。
YU_NAKAIE+PORTFOLIO-10
小高い丘のようになっていて、ステージのように使う。
アクティビティを誘発する道。
YU_NAKAIE+PORTFOLIO-11
庭 南北に2mの崖があり分断されていた。 それらをなだらかにして、外部に様々 な居場所ができるよう特徴をつけた。
A
カフェ
プリントステーション
オフィス
B
オフィス・ショップ・プリントステーション
ショップ
交流・企画室
交流・企画室 自主的に何かを行う場。何を行っていくかは学生 が主体となって考え、自主性を育てていく。新し いものを生み出す。
クリエイティブルーム
クリエイティブルーム 新しいものを創造する場。 フラットな部分と勾配がある部分が 入り混じっているためどんなことに も対応できる。
業務的な作業が行うことができるよう、 フラットな床の面積が多く、様々な壁 が多様性を生む。
中庭 研究室 プレゼンテーションルーム
多目的ホール 小
プレゼンテーションルーム 中心が小高い丘のようになっていて、 ステージとして使える。多目的ホール と高低差でつながっているため、必要 な時だけ繋がる。
研究室 大学院の方たちが主に作業を行う場。上下関係の 上とのつながりが生まれる。
多目的ホール 大 多目的ホール大
ものづくり室
中心に向かって窪みがあり、全体を見
ものづくり室 工業系の大学らしく、物を制作する場。色々な専門 の作品制作に触れて刺激を受ける。入口が大きく専 門棟と距離が近い、専門棟との延長のような存在。
渡すことができる。ぐるりと回りを囲 んで会議等を行う。
B
国際交流センター
開架書庫 開架書庫・開架書庫 変形した壁に座ったり、もたれ掛かっ たりしながら自分に適した場所を探し、 読書を行う。
閉架書庫 メディア図書コーナー
カフェ
国際交流センター 洞窟内の中心に向かって緩やかに沈んでいて、見え ないが声は響き、いろんな国の言葉が行き交うよう に聞こえる。
A
N
一階平面図 S1/600
中庭 クリエイティブルーム オフィス
多目的ホール 大
メディア図書コーナー
A-Aʼ 断面図 S1/400
多目的ホール 大
多目的ホール 小
交流・企画室
B-Bʼ 断面図 S1/400
02. GIVING TREE
- 都市型公園の提案 -
GIVING TREE
人と植物がせめぎあう、都市と植物の新しいあり方
学部三年後期 ( 2017 年 11 月 ) 建築系愛知 10 大学共同企画展作品 最終審査選出作品 8 選 福岡デザインレビュー 2018 66 選 E&G DESIGN 学生デザイン大賞 最優秀賞
Future Theque 私はアスファルトで作られた形だけの公園と駐車場を再編し、次世代の未来の学ぶ場として提案する。 敷地は名古屋駅周辺である名駅五丁目の一角で、主要地方道や高層のオフィスビルに囲まれ住宅地が谷のように 存在している場所である。 そこに都市のアイデンティティである人口環境とコンクリートを変換し、人口減少や自動車の自動運転化による 使われなくなり価値が無くなるであろう場所を、植物育成・他の生き物と共存 ( せめぎあい ) することで新しい 活動や価値を生み出すことが出来ると考えた。
駐車場や川の護岸など、未来に必要のなくなったコンクリート達が 変換され、人々を植物で癒していくそんな未来の想像である。
00. 設計課題:Future-theque
01. これからの植物と都市のあり方 利用
現在
未来
同等
今日、アートや音楽、映画、ファッションなどは多様化しており、 それれに親しむ環境や情報の取り入れ方次々に変化し、
利益なし
文化の学び方、 伝え方、 観る側と観られる側の関係などに決まった型がなくなりつつあるかのようだ。
使用 ( 再利用 )
花壇
その為、現実の社会が求めるコンテンツを集める器としての建築のあり方も
使用 ( 生息域 )
日々変わることが要請されているのかもしれない。 そこでこの課題では、建築の将来のあり方を提示するような新しい発信拠点となる Future-theque を計画する。
都市
Future-theque には、アート・デザイン、音楽、映画、ファッションなど様々な文化の交流拠点
壁面緑化
屋上緑化
植物
都市の一部 ( コンクリート )
新しい都市と植物のあり方
植物 ( 野草 )
現在、緑と都市は共存関係ではなく都市が一方的に利益を得ている。しかし都市といえど未来の人口は減少する。
として人と人が出会い、文化活動をサポートするための開かれたコミュニティ機能を持つ、
人が使うだけのものでなく人以外の生物が使えるものに変換する。
知の広場として先進的なモデルとなる建築のイメージを提案することを求める。
そのため、都市にある問題を都市にある素材 ( コンクリート ) と植物の力で解決する。すると野草が成長し生物多 様性が生まれ、緑と都市の共存関係、そして平等な関係(せめぎあい)が生まれる。
02. 都市の環境=自然環境 × 人口環境
03. 名古屋駅周辺
04. 西柳公園の再編
現在
未来
利用
ビルの人口排熱 利益なし
オフィスビル・店舗
道路の蓄熱
車の排熱
使用 ( 生息域 )
SITE
放射冷却量の低下 川の水蒸気
オフィスワーカーの動線
使用 ( 再利用 )
日射捕捉率の増加 住宅の人口排熱
同等
メトロ風
名古屋駅
都市
SITE
花壇
公園 駐車場
SITE
SITE
直線上 に接続
地域住民の動線
壁面緑化 屋上緑化 広がる コンクリートジャングル
住宅街
緑を広げ 植物 都市の一部 未来の広がる緑を管理する ( コンクリート )
新しい都市と植物のあり方 堀川
植物 ( 野草 )
都市は、作り出された人口環境とわずかに残る自然環境によって構成
名古屋市周辺は都市化によってコンクリートで埋め尽くされた。そし
敷地は西柳公園とその東側の堀川に面した駐車場である。そのコンク
されている。それは、自然本来のものよりはるかに多様なものになっ
てリニア開通でさらに都市化が進むと考えられる。植物や動物はさら
リートで作られた形だけの公園を建築と植物の力で再編し、次世代の
ている。その環境を活かした建築が都市のアイデンティティとなる。
に追いやられてしまう。その為、植物と人の緑の拠点を考える。
都市公園の在り方を提案する。
YU_NAKAIE+PORTFOLIO-16
ヴォールト内部の先は、道路へと続き、オフィスワーカーと地域住民が混ざり合う。
YU_NAKAIE+PORTFOLIO-17
アスファルト再利用、植物を建築へ取り込む混凝土
マグネシウムセメント
骨材
垂直の根しか生えない
力
植物も生育する
圧縮力
現在
未来
コンクリートで埋め尽くされた場
水が通り植物が芽吹く
植物と都市の共生関係に
不必要になったコンクリートを再利用してポーラスコンクリートというコンクリートを製作し、建築をつくりさらに植物の生息域を増やす。
コンクリート
圧縮力
ヴォールト構造
ポーラスコンクリート
(緑が挿入され、都市が美しく癒される空間となり、新しい都市に集まる理由となる。)
(現在、都市のオープンスペースの大半は駐車場である。)
ポーラスコンクリート
ポーラスコンクリートが構造の一部を担うために引張力の
※ポーラスコンクリート=ポーラス(多孔質)という性状が持つコンクリートで、ポーラスコンクリートの連続空隙に養分を充填して、植物の生長を促すことが出来る。 負担が少ない構造とし、植物も生育しやすい形とする。
ポーラスコンクリート制作
1
2
コンクリート ( アスファルト )
人と植物のせめぎあい
3
砕いて骨材に
形を形成する
4
5
コンクリートを直接吹付
ポーラスコンクリート
西柳公園のコンクリート、駐車場のアスファルト、堀川のコンクリート護岸など、不必要になったコンクリートを 再利用して、ポーラスコンクリートブロックを制作する。都市の地産地消を行い都市の野生をつくり出す事である。
YU_NAKAIE+PORTFOLIO-18
人が使えばコンクリートに
ポーラスコンクリート
人が使わなければ土壌に
ポーラスコンクリートは、植物と人がせめぎあい、未来の方向によって変化していく。
橋は、フィルターのような働きをし、植物と生育させ水を浄化させる。
ビル排熱を利用した温室は、都市の人口環境を可視化させる装置となる。
堀川の水をエネルギーに変化させる場を設ける。
YU_NAKAIE+PORTFOLIO-19
06. 形態ダイアグラム
計画敷地である名駅五丁目の一角。 崖のような高低差がある。
コンクリートで覆われた計画地を土の
南北の敷地外の道路のグリッドがずれ
コンクリート再利用のヴォールトは人口
人と植物が混ざり合いせめぎあう
空間に戻す。高低差をなだらかにしつ
ていることを活かし、敷地内から道路
環境からエネルギーをつくり温室で植物
新しい都市公園の形が作られる
つ堀川の水系ラインまで掘り下げる。
へと続くように計画する。
たちへと変換する。
70%
60%
堀川
50%
90% ヤマユリ
スハマソウ
ヒメタイヌビエ
オニバス
シデコブシ
トテネンツキ
100%
湿度パーセンテージ
地面が様々に変化しているため、一階部分が獣道になったり、
開口部は周りの建物の視線の抜けを活かす。水の通り道も
様々な種類の植物がこの環境に配置していくために、湿度分布を
ピロティ空間となる
自然と開口が開けられる。
利用して系統保全が必要な植物の、環境を調べ配置していく。
YU_NAKAIE+PORTFOLIO-20
ヴォールト内部は階数で植物と人を分けつつ、ゆるやかに交流する。
YU_NAKAIE+PORTFOLIO-21
11000 3000
3000
2500
6500
3000
7000 6000
ビニールハウス
7000 3500 2000
2000
1000
5500
7500
2500
緑道
2000
広場
85000 6000
5500
9500
11000
3000
2000
2000
6000
3500
2500 15 00
3000
植物園
7000 4000 2000 4000
6500
6000
農業体験施設
2500
3500
500 300 0 1000 3000 10 00
3000
6500
2500
7000
7000
3000
3000
3000
広場 広場
緑道 植物園
6000
緑道
栄駅
20000
名古屋駅
堀川
配置図兼平面図 S1/400 N
ポーラスコンクリートの
拡大
拡大
透水シート・透水マット
ツル性植物
特殊保水排水パネル 防水保護シート
ホース 灌水装置
t=30mm
拡大
防水シート 設備
フラットバー
メッシュフェンス
ポーラスコンクリート
(φ2.6×2.6)
( アスファルトの再利用 )t=200mm
拡大
鉄骨
ポーラス
コンクリート ( 壁式 )t=300mm
コンクリート コンクリート
(□100×100mm)
自然土壌
部分詳細図 : 温室
( プレキャスト )
水を吸い上げ植生する
部分詳細図 : 温室屋根
農業・農業体験施設 ( ビニールハウス・加工施設 )
温室(堀川利用)
外部空間・橋・床下
公共施設
(マルシェ・フリーマーケット・青空教室)
仕上げ材 珪藻土 ( 除湿 )
部分詳細図 : 屋根
※部分的に屋根面に組み込む
ポリカーボネートプレート t=4mm 鉄骨 □100×100mm
水力発電所
蓄熱で水を温め利用する 灌水装置
植物園
( 図書館・小中学校分棟 )
温室(コンクリート蓄熱・堀川利用)
部分詳細図 : 躯体壁
商業施設 ( カフェ・食堂 )
温室(ビル排熱利用)
長手方向断面図 S1/400
03. 都市に挿入するガラスの棟 - 木造密集地域における住宅の提案 -
都市 に
挿入
ガラス の棟
する
学部三年後期 (2018 年 3 月 ) アイデアコンペ
Hosue 高密度に住まう都市空間において、「内向きの空間」を生きることは、ごく自然なことになっている。 一方で多様で複雑な周辺環境の中でも開放的な暮らしを同時に手に入れる方法を考える。 生活に必要なインフラ部分と、活動する部分を二極化させて、活動する部分をガラスで囲う。 生活を外へ広げ、エネルギーを発電し、周辺と混ざり合いながら個性を生み出す。 新しい長屋の風景として木造密集地に、ガラスの棟が入り込む。 風景を、均質化された冷やかな都市を、彩るガラスの棟。新しい都市の住宅の提案である。
00. コンペ概要:都市における小住宅
01. リニア開通と都心回帰
02. 歴史的町並みと木造密集地域
私たちの国では年々 “こどものいる世帯” の数が減りつづけ、 高齢夫婦や DINKS といった小家族世帯が増え、単身世帯は全世帯の 3分の1を超えつつある。
SITE
環境面では「2030 年までに新築住宅の平均で ZEH の実現を目指す」
円頓寺商店街
とする政策目標が掲げられ、ゼロ・エネルギーに対する関心が高まっ
SITE
ている。並行して都心回帰が進む中で、都市におけるゼロ・エネルギー
名駅
を目指すライフスタイルはどうあるべきか。また、日本文化の思想は どう受け継がれていくのか。
一極集中
郊外
高密度の都市において環境と共存する “小住宅” を具体的に提案 してください。
03. 都市における小住宅
大規模開発
N 名駅との関係
周辺敷地図
RC マンションや、商業ビルが建ち歴史的な名古屋の街並みは無くな
敷地は愛知県名古屋市西区那古野。名古屋でも屈指の下町であり、
りつつある。開発のアンチテーゼとなりながら都市の住まい方の
小さな長屋が密集し、採光、通風、防火等の、様々な問題がある。
提案を行う。
このような長屋形式を変化させ、新しい更新方法を提案する。
04. ガラスでつくる小住宅 リビング
リビング
自由な空間
自由な空間
屋内と屋外が 曖昧になった環境 リビング
WC
WC キッチン
玄関
玄関
単結晶セル
自由な空間
キッチン
単結晶セル
180
4
生活する為だけの空間
インフラと家具の層
人の活動の層
積層する配置
インフラと家具の棟
人の活動の棟
二極化させ役割を分ける
インフラと家具の棟
人の活動するガラスの棟
半屋外に開く
180
太陽光パネル
190
浴槽
週末・平日夜利用
190
浴槽
4
ベッド
ベッド
95
95
85
85 85
100
100100
ガラスブロック
プリズムガラス
太陽光発電シート
都心回帰等で都市に住む人は、平日の昼間に自宅で過ごさず夜仕事帰
太陽光発電シート・単結晶セルは、ガラス
ガラスブロックの内部は空洞になっており、
プリズムガラスは、入射光線を拡散し、
りと週末を過ごす。その為、キッチンや風呂などの生活に必要なイン
に内蔵し、電気を発電しつつ光を和らげる。
軽量で熱貫流率が低く、断熱性・防火性・
時間や季節によって様々な空間をつくる。
フラと、住宅内の活動・滞在する場を分け二極化させることで、イン
( エネルギー生産 )
遮音性に優れている。( 壁利用 )
( 屋根利用 )
フラ部分以外をよりオープンにする。
YU_NAKAIE+PORTFOLIO-26
ガラスの棟の光はインフラと家具の棟も明るく照らし、行動を積極的にガラスの棟に引き込む。
YU_NAKAIE+PORTFOLIO-27
ガラスと環境 採光
遮音・断熱
防火
周辺の音を響かせない 周辺の音を響かせない 周辺の音を響かせない 周辺の音を響かせない 周辺の音を響かせない 太陽光を柔らかく取り込む
太陽光を柔らかく取り込む 太陽光を柔らかく取り込む 太陽光を柔らかく取り込む 太陽光を柔らかく取り込む 太陽光を柔らかく取り込む
反射
防火壁となる 防火壁となる 防火壁となる 周辺の音を響かせない 防火壁となる 防火壁となる
発電
周辺環境を取り込み、混ざり合う 周辺環境を取り込み、混ざり合う 周辺環境を取り込み、混ざり合う 周辺環境を取り込み、混ざり合う 周辺環境を取り込み、混ざり合う 防火壁となる
太陽光で発電する
+ 木造部分の 木造部分の 木造部分の 木造部分の 木造部分の 吸収・拡散 吸収・拡散 吸収・拡散 吸収・拡散 吸収・拡散 光を拡散 光を拡散 光を拡散 光を拡散 光を拡散
開口部 開口部 開口部 開口部 開口部
暗い長屋形式に光を取り込む 暗い長屋形式に光を取り込む 暗い長屋形式に光を取り込む 暗い長屋形式に光を取り込む 暗い長屋形式に光を取り込む
木造部分の
防炎 防炎 開口部 防炎 防炎 防炎
ガラスブロック ガラスブロック ガラスブロック ガラスブロック ガラスブロック 吸収・拡散 光を拡散 断熱 断熱 断熱 断熱 断熱木密地域は特殊で 木密地域は特殊で 木密地域は特殊で 木密地域は特殊で 木密地域は特殊で
10
防炎
ガラスブロック 断熱
単結晶セル
炎は上から下へ広がる為 ファイアライト ファイアライト ファイアライト ファイアライト ファイアライト ファイアライト ガラスの棟を縦に配置 ガラスの棟を縦に配置 ガラスの棟を縦に配置 ガラスの棟を縦に配置 ガラスの棟を縦に配置 夕焼 雨天 木々 青空 青空 青空 夕焼 青空 雨天夕焼 木々雨天 青空ガラスの棟を縦に配置 夕焼 夕焼 雨天 雨天 木々 木々 木々 冷房負荷軽減 冷房負荷軽減 暗い長屋形式に光を取り込む 冷房負荷軽減 冷房負荷軽減 冷房負荷軽減 冷房負荷軽減 ( 非常時の防火 ) ) ( 非常時の防火 ) ( 非常時の防火 ( 非常時の防火 ( 非常時の防火 )) ( 非常時の防火 )
10
=
木密地域は特殊で
炎は上から下へ広がる為 炎は上から下へ広がる為 炎は上から下へ広がる為 炎は上から下へ広がる為 炎は上から下へ広がる為
90
光をやわらげる 青空 夕焼
雨天
木々
発電
ガラスブロッ ( 空気層 )
内部が空洞のガラスブロックは、断熱性・
ファイアライトを用いたガラスは、
ガラスは、周辺環境を映し出す鏡となり、
太陽光発電シートを内蔵したガラスブ
GB メジ
にも光を取り込み生活する場を照らす。
気密性が高く、住宅内部の防音・冷房
木密地域の延焼を防ぐ防火壁となり、
年月が経ち傷がつくことで、様々な空
ロック、単結晶セルをユニット化した
φ5 補強筋
地上付近の暗い環境を明るくし、外部
負荷低減となる。
周辺の建築や命を守る。
間をつくり光が拡散する。
ガラス屋根は、発電効率を維持しながら
5
190
太陽の光を拡散・吸収する。住宅内部
光をやわらげ取り込む。
190
へと拡張する。
1000
YU_NAKAIE+PORTFOLIO-28
太陽光発電シ
ファイアライ
φ5 補強筋
10
90
10
ガラスブロック
太陽光発電シート t=4
190
GB メジ φ5 補強筋
5
5
190
( 空気層 )
φ5 補強筋
190
190
ファイアライト t=4
シート t=4
5
筋
190
ック
筋
190
イト t=4
ガラスの棟は、生活の中心となりながらエネルギーをつくり出す部屋となる。
部分詳細図 S=1:10
YU_NAKAIE+PORTFOLIO-29
7300 6300
庭
テラス
アウターダイニング 3000
3000
WC
脱衣室
浴室
キッチン
300
300 1250
3640
135
135 2730
2730
9000
1820
9000
1820
2730
1820
9000
3640
3640
135
1250
1250
庭
2730
庭
1820
9000
2730
1820
135
135
テラス
2730
Aʼ アウターダイニングテラス アウターダイニング
910
910
1250 135
Aʼ
SC
A
道や隣家は開口を設けず、南側にガラスの棟を配置し、 道や隣家は開口を設けず、南側にガラスの棟を配置し、 日射取得を最大化させる。 日射取得を最大化させる。 アウターリビング アウターリビング
WC
リビング
寝室
寝室
物入 B
SC 135
135
N
SC
リビング 物入
N
脱衣室 WC
1820
脱衣室
910
Bʼ
浴室
1820
Bʼ
玄関
インフラと家具の棟は、改修等の既存利用も考える インフラと家具の棟は、改修等の既存利用も考える キッチン 浴室
910
玄関 キッチン
6000
6000
インナーガーデン インナーガーデン
前面東側道路前面東側道路 ( 幅員 3M) ( 幅員 3M)
YU_NAKAIE+PORTFOLIO-30
1000
CL
アウターリビング
寝室
リビング
物入
3000
3000 7300
6300
庭
テラス
アウターダイニング 3000
3000
SC
WC
脱衣室
浴室
キッチン
300
300 1250
3640
135
135 2730
9000
2730
1820
2730
1820
9000
1820
9000
3640
135
3640
1250
1250
910
910
1820
9000
1820
2730
135
1250 135
135
A Aʼ
YU_NAKAIE+PORTFOLIO-31 テラス
庭
庭
2730
アウターダイニング アウターダイニングテラス
2730
Aʼ
道や隣家は開口を設けず、南側にガラスの棟を配置し、 道や隣家は開口を設けず、南側にガラスの棟を配置し、 日射取得を最大化させる。 日射取得を最大化させる。
04. 渡り漁業
- 季節移住共同体の再考 -
学部四年後期 (2018 年 6 月 ) 日本建築学会設計競技 佳作 日本建築学会設計競技 タジマ奨励賞 歴史的空間再編コンペティション 40 選
Hosue+Fishing industry 敷地は、石川県舳倉島。 かつては漁業で栄えた島であったが、漁業衰退と共に過疎化が進み、限界集落となっている。 その為、島の伝統である季節移住を再考し、住むと漁業を結びつける。 そこでは、島という環境を活かし、島にあるもので島にないものをつくる。 それはやがて、島に適した住むと漁業という関係を構築し、島を再建していく。 一時だけ賑わい、稼ぎ、暮らしていく島。渡り漁業という島での暮らしを提案する。
00. コンペ概要:「住宅に住む、そしてそこで稼ぐ」
01. 敷地:石川県舳倉島 暖流
今、供給されている「1住宅=1家族」という形式の住宅は、 マンションであろうと戸建て住宅であろうと、隣の住宅に住んでいる人とは無関係に住むことができる。
48KM
そんな住宅ばかりになってしまった。住宅は孤立している。 その最大の原因が、用途地域制によって住居専用地区が経済圏から切り離されたことだった。 住宅は単に消費のための場所でしかなくなってしまったのである。それでいいのだと思い込んでしまった私たち 建築家は、そんなプライバシーのための住宅をせっせと設計してきたのである。 そこで、である。住宅が経済活動に参加するにはどうしたらいいのか考えたいと思う。
石川県
単純に言うと住みながら稼ぐ。 もしそうした住宅が集まったら、従来までの住居住宅地区の風景とは劇的に変わると思うのである。 その集合の風景と共に考えてください。
02. 問題点:漁業離れによる過疎化 主産業である小規模漁業の衰退
寒流
舳倉島全体図
N
敷地は、石川県海土町舳倉島。能登半島の北約 48km に位置する離島である。面積としては 0.552km² と小さいが、暖流と寒流がぶつかる大陸棚が広がる好漁場であり、石川県における水産業の拠点の一つ に挙げられている。
03. 環境:日本海の影響を強く受ける島 冬の季節風(北西)
灯台無人化
小中学校廃校
少子高齢化
20M
夏の季節風(南東) 海食崖
草原
公共施設
住宅群 漁港・漁場
交わらない関係 海女業
底引き網漁業・一本釣り漁業
漁業者
1000M
観光客
この島には様々な問題がある。もっとも重要なのは、漁業衰退による過疎化である。漁業を生業とし、この島に訪れ ていた人々は、利便性を求めこの島を訪れなくなっている。その結果、人口減少・少子高齢化・公共施設廃止と問題 が起こり、さらに人は減り続けている。その為に、島ならではの新しい漁業の関わり方を提案し、新規漁業者を呼び込み、 漁業によって栄えた島を漁業によって復活させる。
YU_NAKAIE+PORTFOLIO-34
溶岩が固まり安山岩によって構成されたこの島は、北西岸は激浪により高さ 10M 以上の海食崖であり、 北西から吹く強烈な季節風によって、大きな樹木は育たず大部分が湿原性草原となっている。夏は人々 が生活しやすい快適な南東の季節風が吹く、しかし建築にとって夏の季節風は蝕む物であり、島に大工 がいないこの島では老朽化が進み、空き家は危険と判断され、昨年一斉倒壊させて瓦礫の山がつくられ ている。
配置図:島全体が季節移住漁業の場と捉える 現在の舳倉島
これからの舳倉島
観光客と漁業者が交わらない関係。 漁業者同士も独立し、高齢化、 空き家の瓦礫が様々な場に点在する。
空き家や高齢化した漁業者の 住宅に、希望があれば、 季節移住漁業者を招き入れる。 季節漁業者が入ることで、 様々なものを共有、補い合う ことで島が活性化する。
舳倉島全体図
舳倉島の水産物出荷時刻は 16 時であり、漁業可能時間である 9 時から 15 時に捕れた水産物は コンクリート護岸で整備された場を活かし
一時保管されている。その時間差を利用し、朝とれた食材を販売に出すことで価値を上げ販売し、
拡大
中型漁船で沿岸漁業を中心に営む
売れ残った水産物を漁場に出荷することでバランスを保つ。
09. 経済:季節移住の再考による島経済 小屋と住宅が複数繋がり 集合漁業住宅を営む
共有
提供
みんなで補修し、みんなで漁業を営む
永住漁業者
漁場提供
漁業権分与
漁業道具
漁業施設
空室
舳倉島に住む永住漁業者。漁業に関われなくなっても新しい漁業の稼ぎ方を季
の利点を発揮し利益を生む。
DIY→補修
デザイナー
の一歩として、永住漁業者に漁業を学び、自分の能力を活かして島に貢献する。
消費
公共
ときに稼ぎ、バカンスではない誰 もが行える二拠点居住となる。
永住漁業者+季節漁業者 住宅 + 季節漁業者 住宅
住宅と小屋に挟まれている防災用道路は
漁業者 動線
旬な水産物で商業を営む一本の道となる
住民・来訪者動線
島民
住民・来訪者
観光客
買付業者
警察官
医師
住民・来訪者。経済活動の関係は漁業と観光客の関係を深くする。また、季節漁 業者がいることで一季節だけ人口が増加し、一時的に公共が復活する。
YU_NAKAIE+PORTFOLIO-35
消費
までをシームレスにつなぐ
¥
安山岩
季節漁業者はその場で住んでいる
倒壊住宅(瓦礫使用後、商業場)
漁業動線は生産加工販売住宅
空き家瓦礫撤去
季節漁業者。一季節という枠があるため漁業の敷居が軽くなり、経験や漁業者
小屋(作業場) 空き家(季節漁業者住宅)
建築
消費 公共
栽培・養殖漁業を中心に営む
季節漁業者
料理人→飲食
訓練→外的生物の駆除
能力
漁業者住宅
内職→加工
能力
共に住み、双方が互いにお互い
営業→販売
栽培漁業推進事業
¥
節漁業者に提供・共有することで獲得する。季節漁業者の特技の恩恵を受ける。
能力
海岸が現存することを活かした
提供 共有
漁業指導 季節移住漁業者住宅は
水産物
水産物 建築
篠材 消費することで島活性化
島
06. 提案:住んでいるときに稼ぐ、季節移住の再考
04. 概念:季節移住の再考 従来の季節移住
海士町 11 月 12 月
1月
水産加工
6-1. 現在の平均化された 水産物の日本
季節移住の再考
船での移動 2月
3月
販売
4月
5月
ワカメ
海士町での暮らし
6月
7月
8月
アワビ・サザエ
船での移動
本島
舳倉島 9月
舳倉島
自由に選択する
10 月 本島での多様な生業
漁業を生業とする(短期間)
本島での暮らし
舳倉島での暮らし
イカ・ブリ
舳倉島での暮らし
舳倉島は、農繁期である夏場に漁業者が舳倉島に渡り人口が増加 し、冬季には数十人に減少する季節移住の文化が存在している。
季節移住の伝統を再考し、本島での他の生業と島漁業の二拠点生活 を考える。漁業・島と少しでも関わりたい人が一時的に島に住み、 住むことで体験で終わらない漁業を提案する。
夏季
秋季
05. 提案:共に住み漁業を支える 季節移住再考提案
島固有の小さな漁港 漁業育成
販売
加工
飲食
補修
商品デザイン
漁業
営業職
内職
料理人
DIY
デザイナー
宣伝
春季
コピーライター
農繁期に ともに住む 永住漁業者
冬季
季節移住漁業 ( 二拠点漁業 )
漁業に季節移住という伝統を組み込む。漁業者と季節移住者が農繁期だけ共に住み、強すぎず弱すぎない関係で漁業を生業とする共 同体をつくる。短所を補い合い、農閑期の仕事や特技を活かし漁業という生業を発展させていく。そして、島は小さな漁港として成 り立ち、この場でしか味わえない水産物を利用し、島の固有性を獲得していく。
YU_NAKAIE+PORTFOLIO-36
6-2. 島々で固有性が表れ、一時だけにぎわう地域漁村と日本
島と本島の二拠点での季節移住する、住んでいるときに稼ぐ季節移住の再考を構築 する。島を渡り、移住し稼ぐ。旬な住・食・稼ぎを味わい一時だけにぎわう、それ が現在の地方漁村の在り方だと考える。
夏。夏の舳倉島では、海士・海女業で、旬の鮑や栄螺、ワカメで漁業を営む。夏の季節風が吹き、快適な生活を営みながら、島の 春。春の山口県の見島 では、旬のマグロを一本釣りを営む。石州瓦の廃材を利用し、赤いの建築が風景を彩る。
秋。秋は宮城県の江島でサンマを棒受け漁業を主流に営む。傾斜地を利用し産業を営む。
安山岩や住宅の瓦礫で住宅を構成する。
冬。冬でも暖かい沖縄県慶留間島は、彩の魚介類や甲殻類を生業として生きていく。入居者のいないアパートを増減改築し、 次にこの島の大半を占める森林の木で港に開くように増築し島を栄えさせる。
YU_NAKAIE+PORTFOLIO-37
07. 建築提案:島による島の為の漁業住宅改修 住宅(ネマ)
共有部肥大化及び冗長性の獲得
舳倉島の住宅 板張りの外観と、季節移住 の住民を考慮している小さめ二階建て住宅
安山岩
既存の素材を使用し、バラック的に可変する 共有できる横のつながりを設ける
道(ミチ)
防災用として整備された道
島の素材
作業場(コヤ)
篠竹
着替えや、簡易的な作業をこなす、 シンプルな作業場
仕事場(ウミ)
竹害による独自植生破壊の被害緩和
漁業道具
漁業という生業から、海を見てないと 不安という多数あり 船が小屋傍の海 岸に停留できる 応用・転用
使用
+
漁業者動線の確保
生産から加工、販売、住宅まで、 シームレスに漁業者の動線を繋げる
安山土間 篠竹稲架 投網漁業小屋 瓦礫栽培養殖施設
衰退による放置
個人空間
瓦礫資材
漁業者動線 生業に直結したシンプルな構成
倒壊危険により解体放置 工業製品
船による簡易持ち込み
舳倉島漁村の特徴 季節風の関係から南東の沿岸部にしか住宅を建てること ができない。そして、零細漁業主体の漁村の為、高密に 建てられているのにも関わらす個人空間の強い漁村と なっている。
舳倉島の歴史的生業空間
季節移住共同体の再考に合わせた 漁業動線確保と共有部肥大化及び冗長性の獲得
季節移住の再考としての枠組みを建築提案として行う。枠組みとして、既存の建築を活かし、 リノベーションする。その為に、島にあるもので島にないものを作る。流通の確保が難し い島では、島以外の素材の確保・廃棄は困難である。その為、島の材料で、島民が作り、 島民が直し、季節によって変えられる建築をつくる。それは、島民によって、島に根差し 島に合った建築へと形を徐々に変えていく。
季節移住者が永住漁業者と共に住むことや、空き家に季節移住者が挿入されることを前提 とした、漁業住宅の提案。小さく様々なものを増減築し、季節移住を再考することで、共 有の可変性が必要であることを考える。その為、既存の漁業動線を確保しつつ、横に共有 部を肥大化させることで、季節移住者が共に使う為の冗長性を獲得する。こうした、島民 が作り、島民が直し、季節によって可変する建築提案。
YU_NAKAIE+PORTFOLIO-38
朝忙しい漁業の動線を妨げず、水揚げ・加工の作業の空間を確保し、昼は水産物を売り捌く空間や、 観光客と島民の触れ合いが発生する賑わいの空間となる
YU_NAKAIE+PORTFOLIO-39
夕方には、二つの住宅を繋げ、季節移住者、永住漁業者が分け隔てなく交流する空間となる
08. 建築機能:漁業と住むの間
安山土間
篠竹稲架
投網漁業小屋 半屋外空間の生成
ポリカーボネート波板 垂木 篠竹 + 漁業用ロープ
光を取り込む 半屋外空間
住宅前の屋根設置土台 網掛け設置土台
加工空間(機械使用)
個人空間兼道具置き場
小さい漁業加工 が行える水捌けと調湿
篠竹
トタンやワカメ干しの設置
生産量上昇 下板目
共有空間を肥大化、 二つの住宅が一つになる。
安山岩
加工空間(手作業空間)
連続させた漁網が 視覚的に空間を延長させる
冬の季節風の受け流し
奥壁
壁減築
瓦礫栽培養殖施設
小屋の壁減築により 共有部肥大化及び冗長性の獲得
簡易固定
安山岩 + 蛇篭
ブイ
浮き利用 廃材の瓦、ポリカーボネート 鮑の付着版
住宅が隣り合って建てられているということを活かし、 壁を減築し、住宅の間に島の安山岩で土間空間を、島 に放置されているポリカ波板を屋根材に使用し半屋外 空間をつくる。
過去、建材や漁業道具作成のために運ばれ、現在は 島に竹害被害を及ぼしている篠竹を、漁業の簡易加 工、季節風の対処のために利用するため稲架をつく る。
作業場 ( コヤ ) の壁を減築する。海側は季節風対策 に残し、道と平行の壁を骨組みだけにし、コヤ同士 を投網でつなげる。
YU_NAKAIE+PORTFOLIO-40
空き家強制倒壊の瓦礫の下目板、漁業道具の浮きや、 網を利用し、瓦礫栽培養殖施設をつくり、三住宅から 五住宅で共有し漁業の生産量を上げる。
土間は、各住戸をつなげ、季節移住者、永住漁業者が分け隔てなく共有し交流する。
栽培漁業で捕るものを育て、単一だけでない漁業を経験する
YU_NAKAIE+PORTFOLIO-41
料理人の季節移住者は特技を生かし、レストランを営む
相乗り船で七つ島まで漁業を営みに来る
05. CLOUD TREE
学部四年後期 (2018 年 9 月 ) 愛知建築士会 学生コンペ 2018 優秀賞 共同設計:川瀬清賀 , 駒田浩基 , 中城裕太郎 , 中村勇太 , 松本樹
Play equipment 雲は「旅」をしている。 雲は気候・場所によって移動し、雨・地下水・水蒸気などに変化しながら、循環する旅をしている。 この曇を「旅の建築」として可能性を見出し、雲建築を生み出す。この雲建築は集団で作り出され、 自由気ままに姿形を変えながら、都市に住まう人々に空間と潤いを与える。
00. コンペ概要:旅する建築
01.「雲は旅をしている」 WIND IS BLOW
UPDRFT
RAIN
GROUNDWATER
「旅」とは、定まった地を離れて、ひととき他の土地 ( 場所 ) へゆくこと。 その「旅」にたずさわる建築を考えてほしいのです。それは「旅」先で出迎える建築かもしれませんし。 共に行動する「建築」かもしれません。
TRIP
あこがれの場所を訪れるのも「旅」ですし、行く先も目的も決めず出かけるのも「旅」です。
雲は「旅」をしている。雲は発生するのも消えるのも 突発的であり、自由気ままに行く先もあてもなく、気 候によって姿形を変えながら様々な場を旅している。 私達はこの曇に「旅の建築」としての可能性を見出し、 雲建築を生み出すことに挑戦する。
まだ、物理的な移動だけが「旅」ではないとも言えます。 様々な「旅」のシーンを思い描き、そのシーンにふさわしい「旅の 建築」を提案してください。
02. 雲の現象
03. 雲を建築化する 塵
雲発生
塵を核として結合
可視化
雲移動 シャボン膜
冷却装置
ポンプアップ
熱く乾いた空気
パイプ
シャボン膜
雲移動 シャボン液
雲発生
水蒸気
気圧・気温 ( 低 )
地面
水の粒
気圧・気温 ( 高 )
水蒸気
ちり
雲排出
暖かく乾いた空気
雲は空気が上昇気流により上空に打ち上げられ、温度が 低下し、飽和水蒸気量を超えることによって発生する水 蒸気が、空気中の塵と結合することで生まれる。地上に 存在する塵や水蒸気は、雲粒となることで可視化され、 太陽光を散乱することで白く見える。
YU_NAKAIE+PORTFOLIO-44
冷たく乾いた空気
冷却装置
シャボン玉装置
雲は空気が上昇気流により上空に打ち上げられ、温度 が低下し、留めることでアンダールーフの空間を生み 出す。風によって雲屋根が移動することで物理的な「旅 する建築」となり、終尾にはシャボン膜が割れ雲はま た空気中を旅してゆく。
旅するアンダールーフの空間を生み出してゆく
YU_NAKAIE+PORTFOLIO-45
04. 集団で創る体験型の建築 休む
05. 都市熱を緩和する避暑地として
触れる 割れる
雲分散
空地だった都市公園に彩りを与える
熱
ビル熱
ビル熱
雲
冷
熱 熱
作る
本提案は集団でつくり上げることで生まれる体験型 の建築である。設置場所を人が集まる公園や広場と することで更なるアクティビティを誘発し、公共空 間の既存価値を高める働きをする。
06. モックアップ / 実験
内部の圧力差により
接着面を大きくすることで
シャボン玉内に
雲を発生させる実験。
安定感を増加させるスタディ。
雲を挿入する実験。
YU_NAKAIE+PORTFOLIO-46
冷気
水 水
水 熱
割る
水
水
水
温
空気を加圧することで発生させた雲建築は冷たい空気を 内包している。ヒートアイランド現象の深刻化が叫ばれ る都市部において、設置場所を高温域が出現する可能性 の高い個所に設定した場合、都市を冷やす冷却装置・避 暑地のシンボルとして街に貢献する建築となる。
雲建築は人の行為を生み出し、公共空間としての既存価値を高める。
YU_NAKAIE+PORTFOLIO-47
現象が雲建築の新たな表情をつくる。
YU_NAKAIE+PORTFOLIO-48
雨がシャボン膜を割り、姿を消すことで建築の領域が曖昧となる。
YU_NAKAIE+PORTFOLIO-49
0 25
PLAN S=1:40
3000
アクティビティを生み出すと共に都市を冷却する アクティビティを生み出すと共に都市を冷却する
3000
SECTION SECTION S=1:40 S=1:40
プロペラを用いて持続的にシャボン膜を生成する。 プロペラを用いて持続的にシャボン膜を生成する。 流れてくる空気によりプロペラが回転することで 流れてくる空気によりプロペラが回転することで シャボン装置(減圧弁・流量制御弁) シャボン装置(減圧弁・流量制御弁) 膜を張り続ける。 膜を張り続ける。 雲発生装置(柱上部) 雲発生装置(柱上部)
圧力を減圧し、流れる空気量を制御することでしゃぼん膜を 圧力を減圧し、流れる空気量を制御することでしゃぼん膜を 割れないようにし、持続的に作り出すために設置する。 割れないようにし、持続的に作り出すために設置する。
径を大きくすることで大きなシャボン玉を安定して作り出す。 径を大きくすることで大きなシャボン玉を安定して作り出す。
冷却装置(膨張弁) 冷却装置(膨張弁) 上昇してくる空気を冷却し、2FL 上昇してくる空気を冷却し、2FL 上に冷却層を作り出し、 上に冷却層を作り出し、 シャボン玉を浮かせるために空気の温度を下げる。 シャボン玉を浮かせるために空気の温度を下げる。
雲発生装置(逆流防止弁) 雲発生装置(逆流防止弁) 上部の球体をポンプアップすることで空気を送り出し、 上部の球体をポンプアップすることで空気を送り出し、 パイプ内で圧力を高めピンを外すことにより減圧し、雲を発生させる。 パイプ内で圧力を高めピンを外すことにより減圧し、雲を発生させる。
500
冷却装置(コンプレッサー・凝縮器) 冷却装置(コンプレッサー・凝縮器)
雲(シャボン膜) 雲(シャボン膜)
天端=▽GL+2300 天端=▽GL+2300
外気と熱交換させることで内部の気体を冷却する。 外気と熱交換させることで内部の気体を冷却する。
2800 2000
2800
シャボン玉は表面張力の影響により球体に近づく。 シャボン玉は表面張力の影響により球体に近づく。
2000
ビルの輻射熱により熱せられる都市 ビルの輻射熱により熱せられる都市
500
天端=▽GL+2800 天端=▽GL+2800
雲発生装置 雲発生装置
▽2FL=GL+300 ▽2FL=GL+300 冷却装置冷却装置
500
500
2200 3000
▽1FL=GL+150 ▽1FL=GL+150
シャボン装置 シャボン装置
2200 3000
▽GL±0▽GL±0
300
300
Architectural model
Architectural Model 模型制作
学部二年前期 ~ 学部三年後期
Model 学部二年前期から学部三年後期の模型の作品集を紹介する。 素材感(テクスチャ)、生活感(人の行動・動き)、を大切に、 実際の建築空間にどれだけ近づけるかを目標に制作した。
Architectural model Sophomore
Architectural model Junior