Edelrid ropes 2019 JP

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エーデルリッド ロープカタログ

2019


こだわりの自社製造

エーデルリッド – ロープメーカー 私たちエーデルリッドは核となる製品を、ここドイツ南部アルゴイ地方の街イズニーで150年以上にわたり製造し続けています。 今⽇エーデルリッドでは、売上⾼全体の60%超を「Made by EDELRID」の自社製品から生み出しています。 1953年、カーンマントルロープの発明により、私たちは登⼭界に

従業員は会社の最も重要な財産です。なぜなら彼らは私たちの価値観を

⾰命を起こし、それによって現在の「エーデルリッド – ロープメーカ

⽇々実践しているからです。彼らの創造性、⾰新性、潜在能⼒と情熱に

ー」としての⽴場を確⽴しました。

より、私たちは前進することができます。重要なのは向かっていく先で はなく、向かっていく⼈なのです。

このような沿⾰から、私たちがどこから来てどこへ向かっていくのかを 知ることができます。創業当初から私たちは開拓精神を持ち、この精神

私たちが共有する価値観は、国境によって制限されるものではありませ

がエーデルリッドの製品を真にオリジナルなものとしています。それは

ん。1863年以降、私たちはイズニーという地域の枠を超えて成⻑

⾰新的な⼒の源であり、私たちの⾃⼰像をかたち作るものです。私たち

を続けてきました。ドイツ国内だけでなく世界中のどこでも、私たちは

は⻑年にわたりこの伝統に磨きをかけ、その価値観を確かなものとして

同じ製造、安全、品質基準を適⽤しています。なぜなら「EDELRID」

きました。

の表⽰がある製品は、全てその中に「EDELRID」の精神が含まれてお り、それ故に私たちは胸を張って「Made by EDELRID」と⾔うこと ができるからです。

コンテンツ こだわりの自社製造

1

安定の製品クオリティ

2

テクノロジー

3

構造

4

セミスタティックロープ

5

ダイナミックロープ

6

テクニカルインフォメーション

1

ROPES 2019

7 - 10


安定の製品クオリティ

年月をかけて築き上げた信頼の品質と安定性 この10年間での持続的な成⻑、従業員数の倍増、新製品の開発など、変化が速く激しい世界において、私たちは堅実で持続的な成⻑ を続けています。

1863年の創業以来、エーデルリッドは常に成⻑し続けてきました。今⽇、私たちは⼀年に何百万メートルものクライミングロープを製造し、 ブランドとしても国際的な成功を収めています。また、ファウデグループの⼀員でありながら、未だ独⽴した家族経営会社です。これまで私たち は、決して⾃分たちの価値観を⾒失うことがありませんでした。その価値観は私たちの活動、パートナーシップへの取り組み、製品、環境だけで なく、相互の関係をも形作っています。 エーデルリッドでは、協⼒して⼀緒に働く⼈たちを

お互いに理解しています。私たちは同僚の強みと弱みを互いに理解し、⼀⼈⼀⼈を⾼く評価し

ています。これにより、私たちは団結し強くなり、従業員に新たなことに挑戦する⾃由を与えることができます。私たちの⾰新性という強み、効 率的な業務や⽬標の達成を可能にするものの考え⽅は、私たちが安定的で健全に成⻑するための⼟壌となっています。⾰新性と安全性という信条 に基づき、私たちは⼀丸となってより優れたものを追求し、新しい創造的なテクノロジーを開発していきます。

ROPES 2019

2


テクノロジー

直径 [mm]

外皮の パターン数

ロープタイプ

9.0

1

直径

9.5

1.5

ロット番号

10.0

2

長さ

10.5

2.5

製造年

11.0

3

適合規格

12.0

4

ロープ末端のマーキング

近年エーデルリッドは、革新的な編み合わせ加工のテクノロジーを開発し、ロープの全体的な特性と耐用年数を改善しました。これら のテクノロジーにより、エーデルリッドロープの安全性能が向上しました。

LINKTEC

リンクテック・テクノロジー

BLUESIGN®

する工程を追加します。これにより、外皮のずれを最小限に抑え、ロ

界ではじめて認証を受けることに成功したロープメーカーです。この

ープの寿命を大幅に長くします。この技術は、高い耐摩耗性が要求さ

基準は、原材料から化学成分、水とエネルギー資源にいたるまで、全

れるクライミング用のダイナミックロープにおいて、長年にわたり採

ての原料を洗練されたインプットストリーム管理システムにより分析

用されてきた実績があります。

することを要求しています。全ての構成要素を撚糸から処理工程ま

リンクテック・テクノロジーは、ロープを編む工程に外皮と芯を接着

エーデルリッドは厳格な bluesign®基準に、ロープ製品としては世

で、生態系に与える毒性の影響に基づいて評価し、生産が始まる以前 に潜在的な有害物質を取り除きます。我々はこの認証を得ることに多 大な情熱を注いできたため、製品がクリーンなものであると自信をも

サーモシールド

って宣言できます。

サーモシールド処理は、全てのエーデルリッドロープに標準採用され

bluesign®についての詳しい情報はウェブサイトで確認できます:

ている最終処理です。エーデルリッドロープ特有の柔軟性とハンドリ

www.bluesign com

ングを生み出します。熱により状態を安定させるこの工程は、芯と外 皮の撚糸のバランスを完璧なものにします。この特殊な熱処理は、繊 維を一度ゆるめた後に収縮させます。これにより個々の撚糸の状態が 均一になり、製品の使用期間を通して密度が高くしなやかな状態が保 たれます。その結果、収縮せず、容易に硬くならないロープが生まれ ます。

EMAS

環境管理監査制度 (EMAS) は EU によって確立されました。EMAS は、関係者や一般に向けて情報公開を行いながら、EU

企業・機関の

環境パフォーマンスを継続的に改善していくことを目的としていま す。EMASの認証を受けた企業は有効な環境管理システムを導入し、

縫製処理済の末端(CE認証)

定期的な環境監査と改善を行う必要があります。EMAS と ISO 14001

末端はコンピューター制御によって縫製され、高品質なプラスチック

環境マネジメントシステムの枠組みに基づいて、エーデルリッドが定

製の保護スリーブが取り付けられます。保護スリーブにより、縫製箇

めた環境への影響とパフォーマンスに関する目標については、独立し

所を損傷からしっかりと保護します。ロープは結び目を作る必要がな

た監査機関により 36ヵ月ごとに監査および認証が行われます。

く、すぐに使用できます。

TRACER THREAD

外皮のパターン

ドイツ製

数により素早く明確に確認できます。

とにより、環境フットプリントを削減することができます。

エーデルリッドのセミスタティックロープの直径は、外皮のパターン

3

ROPES 2019

MADEINGERMANY

これらの製品はドイツで製造されています。輸送ルートを短くするこ


構造 様々なニーズに対応するため、エーデルリッドロープの芯と外皮には、 いくつかの異なる構造があります。重要なのは、それぞれの構 成要素の絶妙なバランスです。

芯:

Twined(加撚)

Braided(編み合わせ)

って、加撚工程において、撚糸3~6本が撚り合わされて芯を構成す

ように撚糸を編み合わせます。この結果、非常に密度の高い構造が実

る撚糸が製造されます。その撚糸 13 ~ 22 本により、セミスタティッ

現します。「編み合わせ」の工程を経た芯のロープは、「加撚」の工

クロープの強度に関係する芯が構成されます。

程を経た芯のロープと比べ、寸法安定性とエッジに対する耐性が高く

芯の構造を形成する標準的な方法です。製造されるロープの種類によ

この方法は、製造されるロープの種類によって、1~3層構造になる

なります。これらのロープはスプライス加工がしやすく、また末端を 縫製処理した際により高い強度を発揮します。

外皮:

Twined(加撚)

Twined and Shrunked(加撚と収縮)

で撚り合わせます。撚糸を撚り合わせることにより、外皮の表面積が

工程により、使用期間を通してロープが柔軟で操作性に優れた状態に

増えるため、耐摩耗性が向上します。

保たれ、また激しく使用してもロープが更に収縮しなくなります。撚

この方法は、外皮の撚糸2~5本を適切なテンションと回転スピード

この方法は、加撚の後にオートクレーブで撚糸を収縮させます。収縮

り合わされた外皮の構造は、優れた耐摩耗性を発揮します。

Multiple-wound(加撚していない撚糸をスプールにセット)

Multiple-wound twines(加撚した撚糸をスプールにセット)

す。これにより繊維を最大限に活かすことができ、破断強度の値を最

ることができ、高品質なロープの製造を可能にします。外皮の撚糸

大化できます。この方法が採用されたロープの短所は、加撚加工によ

は、加撚工程を経た後にスプールに並行に巻かれます。この複雑な工

るロープと比べ、耐摩耗性が弱冠劣る点です。

程は、エーデルリッド ロープの中でも、破断強度と耐摩耗性の両方を

この方法は、加撚されていない撚糸をスプールに並行に巻いていきま

この方法は、加撚と「multiple-wound」の両方の良さを組み合わせ

最大限に高める必要のある最上級のロープにのみ採用されています。

ROPES 2019

4


セミスタティックロープ

SUPERSTATIC LINK TEC

スーパースタティック リンクテック

83233 / 83234

このロープはエーデルリッドのロープ製造における技術の粋を 集めたものです。非常に優れた耐摩耗性、高い寸法安定性と操

直径

作性を特徴としています。

カラー スノー

10.5 mm

• リンクテック・テクノロジーにより外皮のずれを抑制 • 特殊な外皮構造(Multiple-wound twines)による優れた耐摩耗性と高

ロイヤル

イエロー

い破断強度 • 視認性の高い明るいカラーリング

スノー

• ロープの直径は外皮のパターンで簡単に確認することが可能

11.0 mm

• サーモシールド処理による優れたハンドリング

スレート

長さ

価格  (税別)

50 m

¥ 20,200

100 m

¥ 40,300

200 m

¥ 80,500

50 m

¥ 23,300

100 m

¥ 46,500

200 m

¥ 92,900

50 m

¥ 21,400

100 m

¥ 42,600

200 m

¥ 85,200

50 m

¥ 24,800

100 m

¥ 49,600

200 m

¥ 99,100

MADEINGERMANY

SAFETY SUPER II

直径

破断強度

重量

長さ

カラー

83233

10,5 mm

28 kN, EN 1891 Typ A

68 g/m

50, 100, 200 m

047 スノー, 360 ロイヤル, 100 イエロー

83234

11,0 mm

33 kN, EN 1891 Typ A

78 g/m

50, 100, 200 m

047 スノー, 663 スレート

セーフティスーパー II

83215 / 83216

エーデルリッドのセミスタティックロープにおける代表製品で す。『セーフティスーパー  II 』は、優れた耐摩耗性、低い収縮

直径

率と伸び率を提供します。下降器やビレイ器、またその他のレ

スキュー/高所作業用器具においてロープがスムーズに流れる ようにデザインされており、幅広い使用に適しています。

カラー スノー

10.5 mm

グラス

• 加撚加工された芯の構造により、ロープの形状が安定 • 加撚・収縮加工された外皮構造による優れた耐摩耗性と低い収縮率 • ロープの直径は外皮のパターンで簡単に確認することが可能

スノー 11.0 mm

• サーモシールド処理による優れたハンドリング

ファイア

ターコイズ

長さ

価格  (税別)

50 m

¥ 20,200

100 m

¥ 40,300

200 m

¥ 80,500

50 m

¥ 23,300

100 m

¥ 46,500

200 m

¥ 92,900

50 m

¥ 20,900

100 m

¥ 41,800

200 m

¥ 83,600

50 m

¥ 24,800

100 m

¥ 49,600

200 m

¥ 99,100

MADEINGERMANY

X-P*e 12,3 mm

直径

破断強度

重量

長さ

カラー

83215

10,5 mm

27 kN, EN 1891 Typ A

74 g/m

50, 100, 200 m

047 スノー, 467 グラス

83216

11,0 mm

30 kN, EN 1891 Typ A

81 g/m

50, 100, 200 m

047 スノー, 214 ファイア, 379 ターコイズ

エクスペリエンス 12.3 mm

83409

アーボリストのためのロープ『エクスペリエンス』は、ユーザ ーやプロフェッショナルと共同で開発されました。操作性に優 れています。

• 加撚加工された厚手の外皮による優れた耐摩耗性

長さ

価格  (税別)

30 m

¥ 24,000

40 m

¥ 31,000

50 m

¥ 37,700

• 蛍光色のベースカラーによる高い視認性 • サーモシールド処理による優れたハンドリング • 片側の末端は縫製処理されています

MADEINGERMANY

5

ROPES 2019

直径

破断強度

重量

長さ

カラー

83409 EV1

12,3 mm

32 kN, EN 1891 Typ A

118 g/m

30, 40, 50 m

374 ティンバーブルー


ダイナミックロープ

DYNAMITE 10,4 mm

ダイナマイト 10.4 mm

83642

高所作業やアドベンチャーパークにおける確保用ランヤード、 ロープシステムでの使用に適しています。

長さ

価格  (税別)

50 m

¥ 24,800

• 特殊な外皮構造による高いグリップ性能 • サーモシールド処理による優れたハンドリング

MADEINGERMANY N°

直径

耐墜落回数

重量

長さ

カラー

83642

10,4 mm

7

68 g/m

50 m

403 オリーブ

ターミネーション

エッジへの耐性

耐摩耗性の高い外皮

柔軟性 / 操作性

短い使用期間で交換 が必要となるような使 用 (例:汚染環境等)

乾いた環境での使用

濡れた環境での使用

低い伸び率

外皮のパターン

頻繁な下降

ロープクランプでの 頻繁な登高

使用による収縮

Twined

サーモシールド

ロープタイプ

直径 [mm]

製品名 スーパースタティック リンクテック スーパースタティック リンクテック

Twined

結索性

PES

非常に低い

水による収縮率 [%]

16

Twined

外皮率 [%]

エクスペリエンス 12.3 mm

Twined

外皮のずれ [mm]

PA/PA

末端に縫製処理をし た状態での破断強度 [≥ kN]

40

伸び率(静荷重)[%]

セーフティスーパー II

Multiple-wound twines Twined and Shrunked

末端に8の字結びを 作った状態での破断 強度 [> kN]

PA/PA

最小破断強度 [> kN]

40

重量/メートル [g/m]

スーパースタティック リンクテック

芯の構造

外皮の構造

製品名

機械タイプ

原材料(外皮 / 芯)

セミスタティックロープ スペック

10.5

A

68

28

17

4.2

--

0

47

2.9

1.0

--

11.0

A

78

33

22

3.7

--

0

41

2.8

1.0

--

セーフティスーパー II

10.5

A

74

27

18

3.9

20

0

39

1.1

1.0

--

セーフティスーパー II

11.0

A

81

30

22

3.6

23

0

40

1.3

1.0

エクスペリエンス 12.3 mm

12.3

A

118

25

16

2.2

25

0

65

0.0

0.9

---

ダイナマイト

10.4

68

36

8

9.1

33

8.5

縫製処理済の末端 (CE認証)

サーモシールド

外皮のずれ [mm]

伸び率(静荷重)[%]

伸び率(動荷重)[%]

衝撃荷重 [kN]

耐墜落回数

外皮率 %

重量/メートル [g/m]

ロープタイプ

直径 [mm]

製品名

ダイナミックロープ スペック

0

--

ロープの製造と公差 直径

± 0.2 mm

外皮のずれ

重量

± 8 mm

耐墜落回数

±2

± 2 g/mm

外皮率

±3%

最小破断強度

± 3 kN

伸び率(静荷重)

±1%

結索性

± 0.1

収縮率

±1%

伸び率(動荷重)

±4%

衝撃荷重

± 1 kN

エーデルリッドのダイナミックロープとセミスタティックロープの全ての技術上の数値は、UIAA によって承認された独立試験機関によって決められています。

ROPES 2019

6


テクニカルインフォメーション セミスタティックロープに関するヨーロッパ規格:EN 1891 1.

タイプ

2.

素材

3.

直径

4.

結索性

タイプ A

タイプ B > 195℃ 8.5 ~ 16 mm M = 10 kg

< 1.2 ≦ 20 mm + 10(D - 9 mm)

5.

D ≦ 12 mm の場合

外皮のずれ

≦ 15 mm

≦ 20 mm + 5(D - 12 mm) 12.1 mm ≦ D ≦ 16 mm の場合

6.

伸び率

7.

外皮率

8.

衝撃荷重

9.

耐墜落回数

10.

破断強度

≦5%

M = 50 → 150 kg

≧(4D - 4)/ D x 100 2

≦ 6 kN

M = 100 kg  落下率:0.3

≧5回

M = 100 kg  落下率:1

≧ 22 kN

M = おもりの質量

M = 80 kg  落下率:0.3 M = 80 kg  落下率:1

≧ 18 kN

ノットなし

≧ 15 kN

D = ロープの径

1. タイプ:

5. 外皮のずれ :

タイプAとタイプBの2種類があります。タ

ロープの芯と外皮のずれを表す数値です。

高い性能が求められます。

し、他方の末端はそのまま処理しない状態に

イプAのロープにはタイプBのロープよりも

7. 外皮率 :

片方の末端は芯と外皮を熱処理して一体に

したロープ(長さ2.25 m) を用意します。ロー

プを規定の装置に通して一定の力ではさみ、

2. 素材 :

その状態からロープを引き抜きます。これを

ロープの芯と外皮の素材の融点は、195 ℃ より

5回繰り返した後の芯と外皮のずれの長さを

上であることが求められています。

測ります。

テスト方法

3. 直径 : 10kgの静荷重をかけた時のロープの直径を 計ります。

ロープの結びやすさ(柔軟性)を示す数値です

目の内径がロープの直径の1.2倍未満であるこ

とが求められます。柔軟なロープほどこの数

※結び目の内径:ロープにオーバーハンドノッ トを結び10kgの静荷重を一分間かけた後、荷

重を 1 kg まで下げ、その状態で結び目に専用

「外皮のずれ」があるということは、荷重す るたびに外皮と芯がこすれあうことを意味し ます。外皮と芯の摩擦はロープの耐久性に影 響するため、「外皮のずれ」の数値が低いほ ルリッドのすべてのロープは「外皮のずれ」 がゼロになるようつくられています。

8. 衝撃荷重 : ロープにより墜落が止められた時に人体、コ ネクター、支点にかかる荷重を表します。タ プBのロープには 80 kgのおもりを使用し、

長さ2m(両端の8の字結びを含む)のロー

プを使って墜落距離0.6 mの落下(落下率0.3) をさせた時の衝撃荷重を量ります。

ロープがおもりの墜落に耐える回数です。タ イプごとに定められた質量のおもりを、長さ 2mのロープを使って2m落下させ(落下率 1)、ロープが切断するまでの回数を計ります。

10. 破断強度 : ロープの両端を、結び目を作らずに固定した 時と、8の字結びで固定した時の破断強度を

6. 伸び率 : 50 kg 荷重時と 150 kg 荷重時のロープの長 さの差を測ります。セミスタティックロープ

は、伸び率が5% 以下であることが求められ ます。ロープ登高やホーリングにはこの数値

ROPES 2019

の高さは耐摩耗性に関係します。

ど耐久性に優れたロープと言えます。エーデ

の物差しを差し込み結び目の内径を測ります。

結索性の測定方法

す。外皮は芯を守る役割を持つため、外皮率

9. 耐墜落回数 :

( K = 結び目の内径※ / ロープの直径 ) 。結び

値が低くなります。

ロープに占める外皮の質量の割合を表しま

イプAのロープには100 kgのおもりを、タイ

4. 結索性 :

7

≧ 12 kN

8の字結びで固定

が低めのもの…など、用途や好みによりロー プを選ぶ際の目安になります。

測定します。ロープは結び目を作ったり折り 曲げたりすることにより強度が落ちます。実 際の使用ではほぼ必ず結び目を作ってハーネ スや支点にロープを連結するため、8の字結 びで固定した際の破断強度は重要です。


ダイナミックロープに関するヨーロッパ規格:EN 892 1.

タイプ

2.

外皮のずれ

3.

伸び率(静荷重)

4.

5.

シングルロープ

ダブルロープ

ツインロープ

≦ 20 mm

伸び率(動荷重)

衝撃荷重

≦ 10 %

≦ 12 %

≦ 10 %

M = 5 → 80 kg  ロープ 1 本

M = 5 → 80 kg  ロープ 1 本

M = 5 → 80 kg  ロープ 2 本

≦ 40 %

≦ 40 %

≦ 40 %

M = 80 kg  ロープ 1 本  落下率:1.7

M = 55 kg  ロープ 1 本  落下率:1.7

M = 80 kg  ロープ 2 本  落下率:1.7

≦ 12 kN

≦ 8 kN

≦ 12 kN

M = 80 kg  ロープ 1 本  落下率:1.7

M = 55 kg  ロープ 1 本  落下率:1.7

M = 80 kg  ロープ 2 本  落下率:1.7

≧5回 6.

耐墜落回数

M = 80 kg  ロープ 1 本  落下率:1.7

≧ 12 回 M = 55 kg  ロープ 1 本  落下率:1.7

M = 80 kg  ロープ 2 本  落下率:1.7

M = おもりの質量

1. タイプ:

5. 衝撃荷重

シングルロープ: リード/セカンドともに1

上記の「伸び率(動荷重)」と同様のテスト

ダブルロープ: リードの際は2本で使用し、

に、おもり、コネクター、支点にかかる荷重

き1本で使用できるロープです。

ーザーに加わる衝撃は低くなります。ただ

本で使用できるロープです。

2人のセカンドをビレイする際には1人につ

ツインロープ: リード/セカンドに関わら ず、常に2本で使用するロープです。

し、衝撃吸収能力のみ高めようとすると、ロ

2.3 m

ープの耐久性が低下します。エーデルリッド 能力のバランスが理想的になるようにつくら れています。

セミスタティックロープと同様のテストを行 います。

300 mm

実際の墜落では、衝撃荷重はロープの衝撃吸 収能力だけでなくダイナミックビレイ等幾つ かの要因により吸収されます。逆に、岩角へ

30 度

のロープのジャミング等により落下率が大き

3. 伸び率 ( 静荷重 ) 静荷重時のロープの伸び率を表します。   5kg 荷重時と 80 kg 荷重時のロープの長さの

2.5 m (衝撃による伸

くなるために衝撃荷重が増加する場合もあり

びのない状態)

ます。

墜落時(1回目)の

差を測ります。

最大衝撃荷重

6.耐墜落回数

≦ 12 kN

ロープがおもりの墜落に耐える回数です。ロ

4. 伸び率 ( 動荷重 ) 衝撃荷重時のロープの伸び率を表します。 そ れぞれのロープタイプごとに定められた重量

のおもりを、長さ2.8 mのロープを使い の伸びを計ります。

を量ります。この数値が低いほど墜落時にユ

のダイナミックロープは、耐久性と衝撃吸収

2. 外皮のずれ:

4.8 m落下(落下率 1.7 )させた時のロープ

半径 5 mm

を行い、ロープにより墜落が止められた時

ープタイプごとに定められた重量のおもりを 使って上記「衝撃荷重」と同様のテストを行 い、ロープが切断するまでの回数を計りま す。

ロープは伸びることにより墜落の衝撃を吸収 するため、この数値は「衝撃荷重」と関係し ます。

耐墜落回数  ≧ 5回

伸び率  (動荷重)  ≦ 40 %

ダイナミックテスト概略: シングルロープ

ROPES 2019

8


テクニカルインフォメーション ロープ末端の切断・処理について 外皮のずれや末端のほつれを防ぐため、ロープの末端を切断する際は注意を要します。 • 傷んだ箇所からすぐの所でなく、1〜2mほど余分に切断します。

• 中央にマーキングのあるロープの場合、片側の末端を切断することで マーキングの位置がずれてしまうため、マーキングの位置を修正する

• 傷んだ箇所を切りとったら、末端側5mの箇所に向けて手でしごきま す。外皮にずれが生じている場合、余分な外皮を末端の外に出すこと ができます。

必要があります。

• EN規格では、全てのロープに適切なラベルの表示が求められていま す。新しい末端には、必要な情報を全て記載したマーキングラベルを

• 末端に外皮の余りができたら、その外皮の端から20cmさかのぼっ た所で改めてロープを切断します。こうすることで、将来的に外皮の

貼り直す必要があります。ラベルもしくはテープを貼り付け、熱収縮

ずれが生じるのを抑えます。

カバーで保護してください。

• 最後に、末端がほつれないように結着します。一番良い方法は適切な

• ロープをカットしてメートル単位で販売する場合、販売者はロープ末

ホットカッターを使用する方法です。無い場合は、ライターを使用す

端のマーキング情報と取扱説明書をコピーし、ユーザーに配布する必

ることもできます。繊維を溶かし、慎重に手で断面を平らにします。 ロープを焼かないように注意してください。

要があります。

個人保護用具の点検 ロープは使用されるために作られていますが、使用するとその痕跡が残ります。使用の前後に注意深くロープを点検する必要があるのはそのため です。これは特にロープの縫製処理済の末端に当てはまります。また、職場で使用する場合は、個人保護用具に精通した担当者が最低でも12ヶ

月に1度全ての個人保護用具を点検する必要があります(ドイツ法定損害保険 112-198/199)。この過程を適切に記録し、トレーサビリティを 維持するため、使用記録を残す必要があります。使用記録は厳密な要求事項ではありませんが、これにより個人保護用具の点検と評価がしやすく なります。結果として、ユーザーが個々の用具の使用時間を把握し、目に見えない損傷の可能性に対して一歩進んだ安全対策を検討することがで きます。

目視点検に加え、ロープは触診による点検をおこなう必要があります。わかりにくい小さな変形や損傷の痕跡を見つけることができる唯一の方法 です。以下の情報は、当社の個人保護用具に関するトレーニングコースで使用している、カーンマントルロープ点検マニュアルより抜粋したもの です: 1.

ラベルの確認と最長耐用年数:CEマークとシリアル番号が読め

る状態で表示されていることを確認してください。製品の最長耐 用年数を過ぎていないことを確認してください。そのためには、 ロープの製造年を確認する必要があります。セミスタティックロ ープでは、ロープ末端のラベルに記載されたシリアル番号もしく はロープ内部の識別テープから、この情報を確認できます。

最長耐用年数に関する情報は、メーカーの取扱説明書でいつでも

確認できます。取扱説明書は購入するロープに付属しているほか、 メーカーのウェブサイトからダウンロードすることもできます。 マーキングや情報が見当たらない場合や、ロープの耐用年数を経 過した場合は、使用を中止してください。

ロープ末端のマーキング 製造年識別糸 色の違いにより、製造年の識別を可能にします。セミスタティックロープでは、識別糸が芯の中に入っています。 製造年

ロープタイプ 2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

製造年 カラー

9

パープル

適合規格

ROPES 2019

直径

2018

2019

2020

ロット番号 グレー

ピンク

ブラック

ブラウン

レッド

オレンジ

イエロー

グリーン

ブルー

パープル

グレー

長さ

ピンク

ブラック


個人保護用具の点検 2.

ロープの長さおよび中央のマーキングの確認:表示されているロープの長さが正しいこと、また中央

にマーキングがあるロープについては、そのマーキングが正しい位置にあることを確認してください。   短時間でロープの長さを確認する方法:ロープを広げて半分の長さに折り、さらに半分に折ります。 その状態で長さを測り、計測した値を4倍します。

3.

外皮の目視点検:外皮に物理的な損傷(切れ目、摩耗、融解、硬化した箇所、変色や外皮のずれ等)

が無いことを確認してください。切れ目は、ロープが損傷を受けたことを示しています。融解や硬化 した箇所は、ロープが高温にさらされたことを示しています。変色は、ロープが化学物質と接触した 可能性を示しています。これらの内のいずれかに該当するロープは使用を中止してください。

4.

触診による点検:ロープの全長にわたり芯の感触を確かめてください。ロープをしっかりと曲げ、そ

のあと両手の中を流します。硬い、もしくは柔らかい箇所がないか。異常に太くなっている箇所がな いか。変形や硬化、潰れた箇所がある場合は、ロープの芯が損傷したり劣化したりしていることを示 しています。ロープの使用を直ちに中止する必要があります。

5.

縫製処理済の末端および結び目の点検:縫製箇所および結び目を確認してください。必要な場合は、

保護カバーを取り外して隠れた縫製箇所を適切に点検できるようにしてください。縫製箇所が切れた り、裂けたり、摩耗したりしている場合、ロープの使用を中止してください。

原則:ユーザーが、いかなる理由でもロープが使用に適した状態にあることに確信を持てない場合は、使用を中止し必要に応じて個人保護用具に 精通した担当者による点検を実施してください。

摩耗した外皮

摩耗した外皮

損傷した外皮

切れ目

摩擦による融解

摩擦による融解

変色

変色

汚れ

芯の変形

ラベルが判読できない

縫製処理済の末端の縫製が裂 けている

ROPES 2019

10


エーデルリッド社(SAFETY)輸入販売元

株 式 会 社 アルテリア

〒350- 1305   埼玉県狭山市入間川 2-3 7 -1   T EL :04- 2969- 1718

https://www.alteria.co.jp 本カタログに表記されている価格は2019年4月1日現在の消費税を含まない税別の価格です。 製品の仕様・デザイン・価格等については予告なく変更される場合があります。

© Ulrich Mertens


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