Master Thesis

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Labyrinth Architecture - 迷宮としての建築 -


迷宮という一つの言葉が持つ曖昧かつ強力な共有性

彷徨うこと

迷宮という言葉を通して、あなたは何を思い浮かべますか . あなたが思い浮かべるものも迷宮であり、私が思い浮かべるものも迷宮である . 迷宮の持つ曖昧かつ明瞭な、それでいて強力な「物事の共有性」を建築、空間、まちを体験し、共有すための可能性と捉える .

A 氏の迷宮

広辞苑 めいきゅう【迷宮】 :簡単には出口がわからないようにつくられた宮殿 .

道筋のない壮大な旅に足を踏み入れた瞬間から、私は迷宮ということばの曖昧さが作り出す混沌とした 世界に取り憑かれていった .

建築大辞典 第 2 版 めいきゅう【迷宮】labyrinth: ギリシァ語の Labyrinthos に由来する . 人間の内的世界と結びつく神秘的シンボル .

確かにそこには入り口が存在し、自分自身の意思によって踏み入った世界のはずなのに、気付けば自分

Labyrinth World

の居場所、目的、意味すらもわからなくなってしまいそうになっていた .

Longman Advanced Amwrican Dictionary 1. a large network of paths or passages which cross each other,

進めば進むほど自分の中の迷宮がわからなくなり、掴もうとするその輪郭は次第に見えなくなる . それ

making it very difficult to find your way 交差する通路や道路の大規模なネットワークによって行き先がわからなくなってしまうもの .

でも、私は歩みを止めることなく、自分自身の中にある、追い求める解を目指してあがき続ける .

2.something that is very complicated and difficult to understand 非常に複雑で理解しがたいもの .

もがき、あがき続けた先にあったのは、不安げに彷徨う事で、結果残された自分自身の足跡であった . 目的や意味、中心部を求め続け、歩き続けたことによってかすかに形を残すその痕跡は、迷宮という世界

私の思う迷宮

を彷徨い続けた過程そのものであり、確かに迷宮という世界に自分自身が存在した証であった .

めいきゅう【迷宮】 :座標感覚を失う体験 .

B 氏の迷宮

迷宮を彷徨い続けている時にふと思う瞬間がある「ああ、そういえば自分は迷宮とは何であるかを探して いる旅の途中だったんだ」と .  - 夢を見ている人は、その最中自身が夢の中であるという認識はない . ある時ふと目を覚まし、それまで

迷宮世界の一つの側面を「座標感覚の消失」と捉える . この認識のような体験と感覚を探求する迷宮の様相として扱っていく .

の物語を振り返ることができる .寝起きの朝の虚ろな記憶と回想の瞬間と同じように、迷宮においても世界の中にいる最中に自分が彷徨う という自覚はない . ある地点最中から俯瞰して見えた瞬間にその状況とそして自分自身の存在を認識でき るのではないだろうか . きっとこの探索で見えた迷宮の世界など、ほんのひとかけらの大きさにすぎないだろう . 一度入った迷宮 の世界から未だ抜け出すことはできていない . それどころか、きっと一生をかけて彷徨うことになるだろう .

迷宮を5つの探索ルートによって彷徨う 迷宮世界を建築的な可能性として捉えるために、私の中に漠然と広がる主観的な迷宮体験の要素を、キーワードをもとに分析し、抽象化し、形に することによって、目に見える事象として、共有できるもの、つまりは建築空間への翻訳を行う . 自分自身の主観的迷宮を、共有することのできる形をもった要素として翻訳するにあたり、複数の探索ルートによって迷宮にアプローチをしていく .

しかし、私は歩くことを止めはしない . その歩みの痕跡は確かに残り、私はそれをふと振り返ることで自 分自身の存在と対峙する . 迷宮の世界は誰の中にも入り口を開いていて、さらにはもうすでに迷宮の世界に迷い込んでいるのかもし

曖昧

れない . 人はその迷宮という世界を通して、幾度となく自分自身の存在と向き合っているに違いない .

伝わらない

私は私が歩いてきた旅路を残し、そして表現することで、誰の中にも広がる迷宮の世界へと皆を道連れ にすることを目指し、混沌とした世界をともに彷徨いたいと願う .

探索ルート 1_ イメージによる探索

漠然と広がる主観的な迷宮体験

探索ルート 2_ テキストによる探索 Kupotea njia ndiyo kujua njia - 道に迷うことは道を知ることである .

キーワード (criteria) を契機に

探索ルート 3_ 歴史による探索 抽象化 / 翻訳

カタチ化 目に見える 共有できる存在

探索ルート 4_ 現象による探索 探索ルート 5_ 空間による探索


探索ルート1:スケッチによる「イメージとしての迷宮」の抽出 ここでは自身の中に漠然と広がる 28 の情景をスケッチによってアウトプットし、簡潔な文章によって整理することで、 自分の中の迷宮的体験と感覚的なイメージの関係を紐解いていく . このスケッチによるイメージをキーワードによって整理することによって、自身の中の迷宮体験を判断する 14 つのク ライテリアの生成を行った . 1

2

3

4

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1. トンネル

反復 ( リズム )

2. 路地 3. とうもろこし畑

暗闇

4. 螺旋階段の塔 6

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5. 雪上リフト

遮断

6. 鍾乳洞 7. ショッピングモール

蛇行

8. 砂漠 9. ジャングルジム 11

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10. 逆さ富士 11. エスカレーター 12. 歌舞伎町 13.ヴェネチア 14. 重なる

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15.ヴェネチア路地 16. 荒野 17. ハリーポッター階段 18. 摩天楼

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19. 谷中墓地 20.Babel 21. 雪道 22. 森 23. 茶畑

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24. 蜘蛛の巣 25. 棚田 26. グッゲンハイム 27. 靄 28. 風車

移動 過密 アトモスフィア 均質 距離(スケール) 垂直 螺旋 変化 交差 上下なし


探索ルート2:言語化による「テキストとしての迷宮」の抽出 画像検索エンジン「ピンタレスト」における迷宮のキーワードの検索結果画像50枚に対して、自身の言葉による迷宮 の文章化を行う . 画像の意図や意味ではなく、その画像に対して自分自身がどのように迷宮として解釈するか、潜在的 な要素をあぶり出し、さらにそのテキストのもつ言葉の構造によって先程のクライテリアをそれぞれのキーワードの関 係性と抽象度、従属性をマトリクス化によって整理する . 1

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25 中心に向かって色彩が暗くなることで、見えない奥行きのような空間を感じる .04(b)/50

ボリュームの配置に規則性を感じられないため、見えない部分のボリューム、空間の広が り方が予測しづらい .08(c)/50

チューブ状の空間によって光が限定された洞窟のような空間に感じる .05(a)/50 極端に空間を認識する情報が少ない . 一本に延びる道は、画角の上下にどこまでも伸びて いく想像を掻立てさせる .02(a)/50 同じ部材(素材・組み方モジュール・部材モジュール)立体格子の連続によって部材と部 材が重なり合い、空間・座標の輪郭が曖昧になる .07(b)/50 単菅足場のような細い部材の集合によって、建物の全体としてのカタチを曖昧にしている . 08(a)/50 縦横それぞれ壁材のようなものの連続によって空間が構成しているため、視線が通りづら いと予想できる .09(b)/50

5

6

7

暗闇で、遠近感覚が失われる . 上部の天井材のつなぎ目のリズムによって、自然とトンネ

8

ルの先の世界へと視線が誘導される .10(b)/50 鏡面の反射によって、四方八方に空間が広がっているような錯覚を起こす .17(a)/50

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柱のような垂直材が配置され、それらが鏡に写り込んでいくことで、次々に広がり続ける 空間の広がり方を認識する手がかりとなっている .17(c)/50 階段の先にも、開口や、道が複数繋がれて、その先にさらに空間が広がっているような想 像を掻き立てさせる .28(b)/50 階段が様々な方向へと伸びていくため、あらゆる方向に空間が広がっていくような想像を 掻き立てさせる .38(a)/50

トップライトによって、ボリュームと

間の陰影が際立つ .06(b)/50

構図の中心が暗くなっていて、奥行きが把握しづらく、どこまでも続いていくような感覚 を感じる .07(a)/50

11

階段の先にも、開口や、道が続いているため、その先にさらに空間が広がっているような

12

想像を掻き立てさせる .44(a)/50 建物外部に階段や通路、渡り廊下などが存在するが様々な方向につながり、延びていくこ とで、空間があらゆる方向に広がっていく想像を掻き立てさせる .50(b)/50

樹木と思われるものに建物と思われるものが入り込んでおり、それが暗く描かれているこ

14

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とで、場所や空間を正確に認識できない .32(a)/50

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暗闇の部分があることによって、その見えない場所に空間の広がりを想像する余地を与え

塔というさらに垂直へと伸びる空間があり、さらにその内部が見えないことによって、こ のオブジェクトから想像される空間は曖昧になり、さらに広がりの余地を持つ .27(c)/50 道の部分だけがかなりのスケールで返そりたっていて、暗くフェードアウトした下の世界 がどこまで続いているかが想像できない .03(b)/50 手前の狭くて低い街のスケールに対して奥の開けた高いスケールという、スケールの対比 によって、それぞれの大きさが強調され特異なスケール空間として捉えられる .20(a)/50

街をめぐる道や、広場といった地の部分が見えないことによって空間の広がり方や、街の

ている .49(b)/50

旗に描かれた、アクソメのオブジェクトの空間のわかりやすさがこの絵の空間の複雑さを

ある空間が断面のようにトリミングされているため、手前や奥方向に空間が広がっている

強調している .24(c)/50

ような想像を掻き立てさせる .30(c)/50

上下左右の概念なく、あらゆる角度に階段が繋がれ、

モノとフィクションの空間が混じり合い、特異な世界を構築している .27(a)/50

箱の中の空間の広さがどう広がっていて、どうつながっているかがわからないようになっ

表情からこの人物の感情を読み取りづらく、人物の情報がなく物語がより不思議で、様々

細い部材の集合の組み方が垂直水平だけでなく斜め方向にも組まれているため、より複雑

岩という実寸のスケールと、塔と階段道の縮小されたスケールが混在することで、現実の

周囲の環境から独立した風景は別の時間軸や場所へ入り込んだ感覚を得られる .35(b)/50

空間全体に対して、えぐられた

な解釈となる .26(b)/50

写り込んでいるため、空間の正確なスケールを認識しづらくなっている .26(a)/50

横への広がり方にも想像の余地を与えている .33(c)/50

複数の異なるファサードが組み合わさり、不思議な建築の雰囲気を纏っている .18(a)/50

さを把握しづらい .06(a)/50

人というスケールの基準となる手がかりが写っているにもかかわらず、それらが連続して

両側に広がる竹林は正面の灯篭とは対照的に、薄暗く見えにくい . それによって、竹林の

て構成されていて、全体で一つの自然の世界・風景を作り出している .01(a)/50

建物が樹木と一体になっていることで建物全体のカタチや大きさを把握することができな

ている .40(c)/50 通路の幅が狭く、視線の抜けが少ないため、全体として空間を認識しづらい .43(b)/50

岩という実寸のスケールと、塔と階段道の縮小されたスケールが混在することで、現実の

吊り橋が奥へと伸びているが、霧によって先が見えないようになっているため、その先が

モノとフィクションの空間が混じり合い、特異な世界を構築している .42(a)/50

本というオブジェクトが様々な物語を連想させるため、概念的にこの場所にたくさんの世 界が広がっている印象をうける .30(a)/50

の違いを認識しづらい .13(b)/50

綺麗に手入れされた、竹林と苔の地面が神聖な空間を演出し、非日常的な風景をつくり出

雑多な街の要素の過密ともいえるいくつもの同じような室外機がいたるところに設置され

している .33(b)/50

ているため、同じような部分の集合の集まりであり、空間が単調に感じる .13(c)/50

この空間を把握しようとしても、必ず整合性を合わすことのできない仕掛けによって、見

大空間から小空間と細分化され、大小多くの空間の広がりを感じる .( 上図 )19(a)/50

るものはいつまでもこの空間の把握のための思考をと続けてしまう .36(b)/50

どん詰まりと抜けの展開によって空間をより広く知覚させる .20(c)/50

箱には穴が空いていて窓のように見立てられることで、中には別の世界が広がっているよ

な部分に視線が行き交う .24(a)/50

建物がゴシックのような装飾や日本的な装飾、様々な雰囲気が混在していることによって、

出せない .45(a)/50

不思議な世界観を演出している .34(b)/50

何か明確なカタチと目的があるように見えるものの、それが現在の自身にとっては、何の

城と迷路空間の間には、森のような場所が見える . それは迷路空間とは違う空間の複雑さ

意味を見出せないため、別の世界、時間を投影してるような感覚をうける .48(a)/50

金属の薄い板の素材で交差するトップライトが幻想的な空間を演出している .09(c)/50 がり、枝分かれするため、奥行きを認識しずらくなっている .29(b)/50 建物の垂直の広がりに対して、水平の道や橋の広がりがあることによって、様々な方向に

垂直と奥行きが把握しづらい .45(b)/50

ル、時間軸によって変化する .11(b)/50

であると感じる .10(c)/50

ある場所では壁の役割を果たしていた場所が、次第に道へと変化していくことで空間を正

見立ての表現によって、別の世界を表現している . つまり実際の世界の実寸の空間と、別

確に認識することが難しくなっている .16(a)/50

の世界の異なるスケールの空間という、拡張、拡大された空間の解釈が行われる .11(a)/50

ヴォイドの空間からマッシブな空間へと徐々に切り替わっていて、地と図の関係が逆転す

建物の開口が同じスケール感で設けられており、色も統一感があるため、一つの風景や世

ることで、空間体験がいつの間にか切り替わるような感覚が予想できる .( 下図 )19(b)/50

界観を作り出すとともに、それぞれの建物に特有の印象を持ちづらくなる .14(b)/50

ある方向、目的地に対して、いろんな行き方ができ、そこで見る風景の一連の流れはそれ

上下左右に合わせ鏡をすることで、あらゆる方向感覚が薄くなる .17(b)/50

ぞれで異なると予想される .47(b)/50

一つの絵の構図に、枠取られたそれ影や陰影をつけない2次元的な表現によって、空間の

光の照明自体が吊るされることによって、浮いているような見え方をする . それによって、 重力や質量を意識しにくくなる .15(b)/50 地面が雨に反射して、地表面以下の空間の広がりを感じる錯覚をうける .22(b)/50 う姿は、重力や上下の感覚を鈍らせている .24(b)/50

上下左右階段が細い部材で面として構成されているため、上下や裏表の概念がなく、空間

合の集まりであり、空間が単調に感じる .31(b)/50

のそれぞれの座標や、方向をわかりにくくしている .28(c)/50

空間全体のテクスチャが統一されているため、空間の構成する要素を分けて認識しづらい

光の入り方も様々で、上下左右の概念が存在していないことを感じる .37(b)/50

(壁・屋根・床など)38(c)/50 光源の強弱はあるものの、大きさは同じように見える . そのため、光の居場所は均質に感

はしごによる空間の把握を促すこととそれによる柱の位置関係の整合性のなさの発見は、

じられ、自身の座標を感じづらい .39(b)/50

だまし絵であり、立体としての構図を崩すことによって、正しい空間の把握が困難となり そこで描かれている空間がより複雑で、広がりを持つ空間として認識される .36(a)/50

緑の高さは一定で、平坦で水平に広がる大地で、視線はどこまでも広がる .47(a)/50

細かな小さな光の集合によって全体として光のカタチのまとまりをつくっているため、全

ずらくなる .05(b)/50

階段の裏面が表に現れ、表面が建物内に隠れることで、上下の感覚を鈍らせる .24(d)/50

いくつもの同じような室外機がいたるところに設置されているため、同じような部分の集

れているため、様々な部分に視線が行き交う .43(a)/50

チューブ状に空間が広がっているため、壁、床、天井といった上下左右を資格的に認識し

トカゲが天井を

奥行きや立体感を、見る側の想像に委ねることができる . 21(c)/50

を持っている .41(a)/50

階段が垂直方向だけでなく、水平方向に広がっているため、空間の上下左右の感覚が弱く なっている .38(b)/50 階段が細い部材で面として構成されているため、上下や裏表の概念がなく、空間のそれぞ れの座標や、方向をわかりにくくしている . 44(b)/50 様々なカタチと大きさの光の集合に見えるが、ある程度のまとまりとして水平、垂直、斜

体の輪郭を正確にはっきりとは認識しづらい .49(a)/50 建物が

断面が連続して見えるため、空間や建物の部分を認識しづらい .09(a)/50

見立ては観る者によって異なる印象を与えるため、それぞれの空間の広がりは別のベクト

トンネルという、壁と天井の境目、角がでないのは、空間の大きさを曖昧にしている要素

がり、城という中心性、特別性を強調していると考えられる . 41(b)/50 意味を見出せないような形の集合によって空間ができているため、空間としても意味を見

金属の薄い板のような素材で、交差するように組まれた空間 . 同一素材であり、薄い材の

よる散策が行われる .01(c)/50

うな想像がはたらく .40(a)/50

の認識が難しくなる .31(a)/50

なりによって、空間のカド、角、奥が認識しづらい .07(c)/50

いるため、上下左右の概念が存在していない .37(a)/50 斜面を登ったり、降ったり、風景を見る目線が様々に変化することで、より複雑な視覚に

城壁は城を取り囲むように繋がれている . この迷路空間と森は、城を中心に四方八方に広

雑多な街の要素の過密ともいえる集合の仕方によって、圧倒的な情報量となり、空間全体

どの場所も同じ部材の交わりかたであるため、特定の座標を指定しにくい . 立体格子の重

木材の集合によって空間が構成されていて、その重なり方が複雑であるため、それぞれの

様々な方向へといくつも掘り続けているキャタクターから、この空間がさらに広がり続け

いくつかの建物があるにもかかわらず、部分の集合として風景を作り出しているため、個々

幾重にも重なり合ったような幾何学によって、不思議な立体感となって見える .04(a)/50

この構図の中で空間が水平方向への広がりと垂直方向の広がりのどちらとしても描かれて

の生物が行き交っている .28(a)/50

の認識が難しくなる .13(a)/50

のオブジェクトから想像される空間は曖昧になり、さらに広がりの余地を持つ .42(b)/50

空間の広がりを感じる .34(a)/50

架構のみの姿カタチのように見え、そこから壁や、屋根、断片の先といった建物としての 不足分の要素をそれぞれの想像によって、カタチづくられる .48(b)/50

るかもしれないという想像を掻き立てさせる .29(c)/50

塔というさらに垂直へと伸びる空間があり、さらにその内部が見えないことによって、こ

断面図のような2次元的な表現にもかかわらず、穴は手前、奥に複雑に絡まり合い、つな

い . 32(b)/50

永遠と伸びているような想像を掻き立てさせる .46(a)/50

雑多な街の要素の過密ともいえる集合の仕方によって、圧倒的な情報量となり、空間全体

部にはこの上る動線が現れていない .40(b)/50

こから想像される風景がより広く、複雑に解釈される .21(b)/50

登りきった先に塔があり、その塔の内部はうかがい知ることができない .27(b)/50

山の起伏、茶畑の緑、周囲の山々、多くの視覚的要素が自然(緑)によってまとまりあっ

箱は全てマッシブなボリュームであり、全てが一つのカタチとして上へと伸びていく . 外

異なるスケールのオブジェクトや風景が、一つの構図に収まることで、絵の中の風景やそ

動きを読み取ることが難しくなっている .25(b)/50

得体の知らない世界が広がっているようなより不気味な物語を想像する .23(b)/50

雑多な生活の要素が局所で

蛇行しながら延びているため、空間の先、空間の奥行きが予想しづらい .43(c)/50

が広がる .22(a)/50

間の奥行きがあるのではと、想像を掻き立てさせる .04(c)/50

様々なカタチの壁や床、天井に開口が無数に組み合わさり、空間を構成していることで、様々

17

平坦な道ではなく階段や坂になっていることで、空間がより複雑になり、さらに道が多少

霧もやと蒸気の吹き出しによって空や、路地の奥が見えにくくなっていて、奥行きの想像

光源とその光の円の居場所以外は暗闇であり空間全体の広さは認識できない .39(a)/50

そのため、街が水平面に広がり、俯瞰した風景からは特定の場所でなく、全体の風景として、

石畳の道が折れ曲がることで、この先の空間の広がりの想像を掻き立てさせる .33(a)/50

掻立て、狭い路地は、道が入り組むことで行き先が見えないようになっている .20(b)/50

水面によって光が屈折し、水の底は確認できない .35(a)/50

手前の空間は薄暗く、不気味な印象を受け、空間から扉を介して別の空間へと続いた先に、

な立体物に感じる .08(b)/50

いため、吊り橋のカタチを浮かび上がらせ、視線の方向性が強調される . 46(b)/50

異なる視線の推進方向が画角の手前と上部の、トリミングされた見えない空間へと想像を

奥には暗がりの中の窪みや吹き抜けがあり、空間がさらに広がっていく想像を掻立てる .

構図の4角へと幾何学、色相が細分化、集中、密集することで、中央以外に別の中心、空 間の部分しか使うことができないため、空間全体の大き

へ入るのかわからなくなると予想できる .29(a)/50

道は続いていて、いくら歩けど、どこへたどり着くかわからないような世界 .03(a)/50

らには、内部からも、外部の環境は制限された情報しか把握することができない .18(c)/50

人はいないが灯りは灯され蒸気が吹き出し、鳥が飛び立っている . それによって現実であ

43

手すりのラインがより、奥の見えない吊り橋の先の空間へ視線を誘導する . 光の陰影が強

幾つか極端に建物の開口が少ないので、建物内部の情報が外から伺うことができなく、さ

りながら、非現実的な世界や、出来事、物語を想像するきっかけをつくっている .22(c)/50

42

視線が広がる .14(a)/50

様々な方向へと無数の穴が続いていく空間が複雑に入り組んでいるため、中へ入るとどこ

することができる .15(a)/50

一つの絵の構図に、枠取られたそれぞれの世界が同時に存在している .21(a)/50

41

広がりや連続性を想像させる .18(b)/50

間となる空間は大きな屋根に覆われているため、俯瞰した構図からは中をう

その光の接合部が消されていることで、見えない空間をいろいろなカタチや大きさで想像

認することができない .25(a)/50

るかに広く写り、本来の空間の本当の広さを認識しづらい .39(c)/50

10

建物とその

把握することができない .12(b)/50

空間の上下や、隅が暗いことで、空間の全体の広さがぼかされる .23(a)/50 水平に広がっている街の風景が徐々に薄暗く、ぼやけていくことで、街の端部、広さを確

奥の空間は実は鏡による反射であり、虚像である . 鏡の反射によって、実際の空間よりは

9

線路という緩やかに曲がる線路が部分的に写り込んでいるため、画角外の見えない空間の

低層の建物群の周囲を高層の建物が囲っているため、この高層の内側からは外部の環境を

ているかを曖昧にしている .16(b)/50

高さにあるデッキはある種の森の上を歩く空中歩行のような風景にも見える .02(b)/50

ながっていたり、違う空間があるのではという想像を掻き立てさせる .05(c)/50

ができない .12(a)/50

いくつもの出入り口は、真っ暗になっていることで、その先に何があるのか、どことつながっ

道によって移動範囲が 2 方向に限定され、空間体験がある一定の感覚になる . 低木と同じ

チューブの口が一様な広さではなく、広り、歪むことで、広がった場所で、新しい道がつ

スケール感覚の希薄化といった非人間的な印象を意図的につくられている .11(c)/50 かがい知ることができない . そして内部から上空、周囲の環境や情報もうかがい知ること

暗いことで自身の正確な位置を把握できない . また暗闇で、遠近感覚が失われる .10(a)/50

崖の道は様々に蛇行していて、規則性がないため、順路の推測、記憶がしにくい .03(c)/50

見立てによって、ある別人が介入できない領域として管理されることで、リアリティー、

めのパースラインを各々が創造することで、あらゆる方向で、空間が創造される .49(c)/50

間なく、不規則に積層することで、建物を含むこの風景が複雑になる .50(a)/50

雑多な街の要素の過密ともいえる集合の仕方によって、圧倒的な情報量となり、空間の部 分的特徴の認識が難しくなる .31(a)/50 雑多な街の要素の過密ともいえるいくつもの同じような室外機がいたるところに設置され

01/50_https-//www.pinterest.jp/pin/404549979011751481/

ているため、同じような部分の集合の集まりであり、空間が単調に感じる .13(c)/50

空間全体のテクスチャが統一されているため、空間の構成する要素を分けて認識しづらい (壁・屋根・床など)38(c)/50

構図の4角へと幾何学、色相が細分化、集中、密集することで、中央以外に別の中心、空 間の奥行きがあるのではと、想像を掻き立てさせる .04(c)/50

光源の強弱はあるものの、大きさは同じように見える . そのため、光の居場所は均質に感 じられ、自身の座標を感じづらい .39(b)/50

細い部材の集合の組み方が垂直水平だけでなく斜め方向にも組まれているため、より複雑 な立体物に感じる .08(b)/50

建物の開口が同じスケール感で設けられており、色も統一感があるため、一つの風景や世 界観を作り出すとともに、それぞれの建物に特有の印象を持ちづらくなる .14(b)/50

山の起伏、茶畑の緑、周囲の山々、多くの視覚的要素が自然(緑)によってまとまりあっ

一つの絵の構図に、枠取られたそれ影や陰影をつけない2次元的な表現によって、空間の

なりによって、空間のカド、角、奥が認識しづらい .07(c)/50

の違いを認識しづらい .13(b)/50

体の輪郭を正確にはっきりとは認識しづらい .49(a)/50 建物が

間なく、不規則に積層することで、建物を含むこの風景が複雑になる .50(a)/50

不思議な世界観を演出している .34(b)/50 単菅足場のような細い部材の集合によって、建物の全体としてのカタチを曖昧にしている . 08(a)/50 鏡面の反射によって、四方八方に空間が広がっているような錯覚を起こす .17(a)/50

幾重にも重なり合ったような幾何学によって、不思議な立体感となって見える .04(a)/50

柱のような垂直材が配置され、それらが鏡に写り込んでいくことで、次々に広がり続ける 空間の広がり方を認識する手がかりとなっている .17(c)/50 奥の空間は実は鏡による反射であり、虚像である . 鏡の反射によって、実際の空間よりは

手前の狭くて低い街のスケールに対して奥の開けた高いスケールという、スケールの対比 によって、それぞれの大きさが強調され特異なスケール空間として捉えられる .20(a)/50 異なるスケールのオブジェクトや風景が、一つの構図に収まることで、絵の中の風景やそ こから想像される風景がより広く、複雑に解釈される .21(b)/50

階段の先にも、開口や、道が複数繋がれて、その先にさらに空間が広がっているような想 像を掻き立てさせる .28(b)/50

るかに広く写り、本来の空間の本当の広さを認識しづらい .39(c)/50 同じ部材(素材・組み方モジュール・部材モジュール)立体格子の連続によって部材と部

階段の先にも、開口や、道が続いているため、その先にさらに空間が広がっているような

材が重なり合い、空間・座標の輪郭が曖昧になる .07(b)/50

想像を掻き立てさせる .44(a)/50

縦横それぞれ壁材のようなものの連続によって空間が構成しているため、視線が通りづら

茶畑の列の並びによってある種の強制力の働いた進行方向は、起伏がありながらも、周囲

いと予想できる .09(b)/50

に広がる風景とともに様々な方向へ広がっていく .01(b)/50

暗闇で、遠近感覚が失われる . 上部の天井材のつなぎ目のリズムによって、自然とトンネ

極端に空間を認識する情報が少ない . 一本に延びる道は、画角の上下にどこまでも伸びて

ルの先の世界へと視線が誘導される .10(b)/50

いく想像を掻立てさせる .02(a)/50 階段が様々な方向へと伸びていくため、あらゆる方向に空間が広がっていくような想像を

建物が樹木と一体になっていることで建物全体のカタチや大きさを把握することができな

掻き立てさせる .38(a)/50

い . 32(b)/50

建物外部に階段や通路、渡り廊下などが存在するが様々な方向につながり、延びていくこ

岩という実寸のスケールと、塔と階段道の縮小されたスケールが混在することで、現実の

とで、空間があらゆる方向に広がっていく想像を掻き立てさせる .50(b)/50

モノとフィクションの空間が混じり合い、特異な世界を構築している .42(a)/50

塔というさらに垂直へと伸びる空間があり、さらにその内部が見えないことによって、こ

人というスケールの基準となる手がかりが写っているにもかかわらず、それらが連続して

のオブジェクトから想像される空間は曖昧になり、さらに広がりの余地を持つ .27(c)/50

写り込んでいるため、空間の正確なスケールを認識しづらくなっている .26(a)/50 構図の中心が暗くなっていて、奥行きが把握しづらく、どこまでも続いていくような感覚 を感じる .07(a)/50

道の部分だけがかなりのスケールで返そりたっていて、暗くフェードアウトした下の世界 がどこまで続いているかが想像できない .03(b)/50

水平に続いていく街の風景が徐々に薄暗く、ぼやけていくことで、街の端部、広さを確認 することができない .25(a)/50

岩という実寸のスケールと、塔と階段道の縮小されたスケールが混在することで、現実の

塔というさらに垂直へと伸びる空間があり、さらにその内部が見えないことによって、こ

モノとフィクションの空間が混じり合い、特異な世界を構築している .27(a)/50

のオブジェクトから想像される空間は曖昧になり、さらに広がりの余地を持つ .42(b)/50

旗に描かれた、アクソメのオブジェクトの空間のわかりやすさがこの絵の空間の複雑さを

箱は全てマッシブなボリュームであり、全てが一つのカタチとして上へと伸びていく . 外

強調している .24(c)/50

部にはこの上る動線が現れていない .40(b)/50 道によって移動範囲が 2 方向に限定され、空間体験がある一定の感覚になる . 低木と同じ

中心に向かって色彩が暗くなることで、見えない奥行きのような空間を感じる .04(b)/50

高さにあるデッキはある種の森の上を歩く空中歩行のような風景にも見える .02(b)/50

いくつもの出入り口は、真っ暗になっていることで、その先に何があるのか、どことつながっ ているかを曖昧にしている .16(b)/50 チューブ状の空間によって光が限定された洞窟のような空間に感じる .05(a)/50 樹木と思われるものに建物と思われるものが入り込んでおり、それが暗く描かれているこ

道は続いていて、いくら歩けど、どこへたどり着くかわからないような世界 .03(a)/50 街をめぐる道や、広場といった地の部分が見えないことによって空間の広がり方や、街の 動きを読み取ることが難しくなっている .25(b)/50

ボリュームの配置に規則性を感じられないため、見えない部分のボリューム、空間の広が 間となる空間は大きな屋根に覆われているため、俯瞰した構図からは中をう

水面によって光が屈折し、水の底は確認できない .35(a)/50

その光の接合部が消されていることで、見えない空間をいろいろなカタチや大きさで想像

暗いことで自身の正確な位置を把握できない . また暗闇で、遠近感覚が失われる .10(a)/50

することができる .15(a)/50

間の陰影が際立つ .06(b)/50

へ入るのかわからなくなると予想できる .29(a)/50

視線が広がる .14(a)/50

建物とその

かがい知ることができない . そして内部から上空、周囲の環境や情報もうかがい知ること ができない .12(a)/50

ている .49(b)/50

様々な方向へと無数の穴が続いていく空間が複雑に入り組んでいるため、中へ入るとどこ

そのため、街が水平面に広がり、俯瞰した風景からは特定の場所でなく、全体の風景として、

り方が予測しづらい .08(c)/50

両側に広がる竹林は正面の灯篭とは対照的に、薄暗く見えにくい . それによって、竹林の 横への広がり方にも想像の余地を与えている .33(c)/50

奥には暗がりの中の窪みや吹き抜けがあり、空間がさらに広がっていく想像を掻立てる .

光源とその光の円の居場所以外は暗闇であり空間全体の広さは認識できない .39(a)/50

石畳の道が折れ曲がることで、この先の空間の広がりの想像を掻き立てさせる .33(a)/50

手すりのラインがより、奥の見えない吊り橋の先の空間へ視線を誘導する . 光の陰影が強

線路という緩やかに曲がる線路が部分的に写り込んでいるため、画角外の見えない空間の

いため、吊り橋のカタチを浮かび上がらせ、視線の方向性が強調される . 46(b)/50

広がりや連続性を想像させる .18(b)/50 チューブの口が一様な広さではなく、広り、歪むことで、広がった場所で、新しい道がつ ながっていたり、違う空間があるのではという想像を掻き立てさせる .05(c)/50

異なる視線の推進方向が画角の手前と上部の、トリミングされた見えない空間へと想像を

見立てによって、ある別人が介入できない領域として管理されることで、リアリティー、

平坦な道ではなく階段や坂になっていることで、空間がより複雑になり、さらに道が多少

掻立て、狭い路地は、道が入り組むことで行き先が見えないようになっている .20(b)/50

スケール感覚の希薄化といった非人間的な印象を意図的につくられている .11(c)/50

蛇行しながら延びているため、空間の先、空間の奥行きが予想しづらい .43(c)/50

霧もやと蒸気の吹き出しによって空や、路地の奥が見えにくくなっていて、奥行きの想像

低層の建物群の周囲を高層の建物が囲っているため、この高層の内側からは外部の環境を

崖の道は様々に蛇行していて、規則性がないため、順路の推測、記憶がしにくい .03(c)/50

が広がる .22(a)/50

把握することができない .12(b)/50

箱の中の空間の広さがどう広がっていて、どうつながっているかがわからないようになっ

登りきった先に塔があり、その塔の内部はうかがい知ることができない .27(b)/50

ている .40(c)/50

架構のみの姿カタチのように見え、そこから壁や、屋根、断片の先といった建物としての

通路の幅が狭く、視線の抜けが少ないため、全体として空間を認識しづらい .43(b)/50

不足分の要素をそれぞれの想像によって、カタチづくられる .48(b)/50

ある空間が断面のようにトリミングされているため、手前や奥方向に空間が広がっている

周囲の環境から独立した風景は別の時間軸や場所へ入り込んだ感覚を得られる .35(b)/50

ような想像を掻き立てさせる .30(c)/50

吊り橋が奥へと伸びているが、霧によって先が見えないようになっているため、その先が

幾つか極端に建物の開口が少ないので、建物内部の情報が外から伺うことができなく、さ

永遠と伸びているような想像を掻き立てさせる .46(a)/50

らには、内部からも、外部の環境は制限された情報しか把握することができない .18(c)/50

道と低木と人 . 極端に空間を認識する情報が少ない . 一本に延びる道は、画角の上下にどこ

山の起伏、茶畑の緑、周囲の山々、多くの視覚的要素が自然(緑)によってまとまりあっ て構成されていて、全体で一つの自然の世界・風景を作り出している .01(a)/50

までも伸びていく想像を掻立てさせる . デッキの材は木材の板材を連続させているため歩

城壁は城を取り囲むように繋がれている . この迷路空間と森は、城を中心に四方八方に広

手前の空間は薄暗く、不気味な印象を受け、空間から扉を介して別の空間へと続いた先に、

がり、城という中心性、特別性を強調していると考えられる . 41(b)/50

得体の知らない世界が広がっているようなより不気味な物語を想像する .23(b)/50

複数の異なるファサードが組み合わさり、不思議な建築の雰囲気を纏っている .18(a)/50 表情からこの人物の感情を読み取りづらく、人物の情報がなく物語がより不思議で、様々

いているリズムに対して、均質のリズムを与えている . 写っている人が一人であるため、 はしごによる空間の把握を促すこととそれによる柱の位置関係の整合性のなさの発見は、 だまし絵であり、立体としての構図を崩すことによって、正しい空間の把握が困難となり

人はいないが灯りは灯され蒸気が吹き出し、鳥が飛び立っている . それによって現実であ りながら、非現実的な世界や、出来事、物語を想像するきっかけをつくっている .22(c)/50

な解釈となる .26(b)/50

一つの絵の構図に、枠取られたそれぞれの世界が同時に存在している .21(a)/50

様々な方向へといくつも掘り続けているキャタクターから、この空間がさらに広がり続け

本というオブジェクトが様々な物語を連想させるため、概念的にこの場所にたくさんの世

るかもしれないという想像を掻き立てさせる .29(c)/50

界が広がっている印象をうける .30(a)/50

綺麗に手入れされた、竹林と苔の地面が神聖な空間を演出し、非日常的な風景をつくり出

箱には穴が空いていて窓のように見立てられることで、中には別の世界が広がっているよ

している .33(b)/50

うな想像がはたらく .40(a)/50

意味を見出せないような形の集合によって空間ができているため、空間としても意味を見

何か明確なカタチと目的があるように見えるものの、それが現在の自身にとっては、何の

出せない .45(a)/50

意味を見出せないため、別の世界、時間を投影してるような感覚をうける .48(a)/50

この空間を把握しようとしても、必ず整合性を合わすことのできない仕掛けによって、見

そこで描かれている空間がより複雑で、広がりを持つ空間として認識される .36(a)/50

るものはいつまでもこの空間の把握のための思考をと続けてしまう .36(b)/50

ある高さで揃えられているため、植生によるその場の手がかりが薄くなっている . 道があ

感覚を感じる .

いくつかの建物があるにもかかわらず、部分の集合として風景を作り出しているため、個々

建物がゴシックのような装飾や日本的な装飾、様々な雰囲気が混在していることによって、

金属の薄い板の素材で交差するトップライトが幻想的な空間を演出している .09(c)/50

トップライトによって、ボリュームと

い茂りによって、本当のグランドレベルがわかりにくくなっている . それによって空中の

雑多な街の要素の過密ともいえる集合の仕方によって、圧倒的な情報量となり、空間全体 の認識が難しくなる .13(a)/50

れているため、様々な部分に視線が行き交う .43(a)/50

がり、枝分かれするため、奥行きを認識しずらくなっている .29(b)/50 空間の広がりを感じる .34(a)/50

暗闇の部分があることによって、その見えない場所に空間の広がりを想像する余地を与え

同じ高さにあるデッキはある種の森の上を歩く空中歩行のような風景にも見える . 木の生

間の部分しか使うことができないため、空間全体の大き

さを把握しづらい .06(a)/50

雑多な生活の要素が局所で

断面図のような2次元的な表現にもかかわらず、穴は手前、奥に複雑に絡まり合い、つな 建物の垂直の広がりに対して、水平の道や橋の広がりがあることによって、様々な方向に

空間全体に対して、えぐられた

な部分に視線が行き交う .24(a)/50

細かな小さな光の集合によって全体として光のカタチのまとまりをつくっているため、全

奥行きや立体感を、見る側の想像に委ねることができる . 21(c)/50

垂直と奥行きが把握しづらい .45(b)/50

隅が暗いことで、空間の上下や空間の全体の広さがぼかされる .23(a)/50

ることによって移動範囲が 2 方向に限定され、空間体験がある一定の感覚になる . 低木と

どん詰まりと抜けの展開によって空間をより広く知覚させる .20(c)/50

の世界の異なるスケールの空間という、拡張、拡大された空間の解釈が行われる .11(a)/50

木材の集合によって空間が構成されていて、その重なり方が複雑であるため、それぞれの

とで、場所や空間を正確に認識できない .32(a)/50

ある人の物語を想像しやすくなる . 低木が整備されているのか、 自然にかは定かではないが、

大空間から小空間と細分化され、大小多くの空間の広がりを感じる .( 上図 )19(a)/50

様々なカタチの壁や床、天井に開口が無数に組み合わさり、空間を構成していることで、様々

見立ての表現によって、別の世界を表現している . つまり実際の世界の実寸の空間と、別

いるため、上下左右の概念が存在していない .37(a)/50

置として認識する手がかりにはなりづらい . 自然を取り巻く風景が短期的に変化しづらい

02/50_https-//www.pinterest.jp/pin/396316835945136306/

を持っている .41(a)/50

この構図の中で空間が水平方向への広がりと垂直方向の広がりのどちらとしても描かれて

とともに様々な方向へ広がっていく . 色は緑一色で、陰影の濃淡はあるものの、特定の位

意味を見出しづらく、歩いた経路と進む経路を推測したり、記憶したりがしづらい .

合の集まりであり、空間が単調に感じる .31(b)/50

金属の薄い板のような素材で、交差するように組まれた空間 . 同一素材であり、薄い材の

びによってある種の強制力の働いた進行方向は、起伏がありながらも、周囲に広がる風景

に変化することで、より複雑な視覚による散策が行われる . ユニークな農地の区画割では

いくつもの同じような室外機がいたるところに設置されているため、同じような部分の集

上下左右に合わせ鏡をすることで、あらゆる方向感覚が薄くなる .17(b)/50 断面が連続して見えるため、空間や建物の部分を認識しづらい .09(a)/50

ンがそれぞれの持ち主の敷地の区画によってあらゆる方向で集合している . 茶畑の列の並

環境のため、時間の概念を感じにくい . 斜面を登ったり、降ったり、風景を見る目線が様々

緑の高さは一定で、平坦で水平に広がる大地で、視線はどこまでも広がる .47(a)/50

であると感じる .10(c)/50

どの場所も同じ部材の交わりかたであるため、特定の座標を指定しにくい . 立体格子の重

て構成されていて、全体で一つの自然の世界・風景を作り出している . 茶畑の水平のライ

城と迷路空間の間には、森のような場所が見える . それは迷路空間とは違う空間の複雑さ

トンネルという、壁と天井の境目、角がでないのは、空間の大きさを曖昧にしている要素

上下左右の概念なく、あらゆる角度に階段が繋がれ、

の生物が行き交っている .28(a)/50

チューブ状に空間が広がっているため、壁、床、天井といった上下左右を資格的に認識し ずらくなる .05(b)/50 光の照明自体が吊るされることによって、浮いているような見え方をする . それによって、 重力や質量を意識しにくくなる .15(b)/50 地面が雨に反射して、地表面以下の空間の広がりを感じる錯覚をうける .22(b)/50 階段が細い部材で面として構成されているため、上下や裏表の概念がなく、空間のそれぞ

見立ては観る者によって異なる印象を与えるため、それぞれの空間の広がりは別のベクト

れの座標や、方向をわかりにくくしている . 44(b)/50

ル、時間軸によって変化する .11(b)/50

階段の裏面が表に現れ、表面が建物内に隠れることで、上下の感覚を鈍らせる .24(d)/50 トカゲが天井を

斜面を登ったり、降ったり、風景を見る目線が様々に変化することで、より複雑な視覚に う姿は、重力や上下の感覚を鈍らせている .24(b)/50

上下左右階段が細い部材で面として構成されているため、上下や裏表の概念がなく、空間 のそれぞれの座標や、方向をわかりにくくしている .28(c)/50 階段が垂直方向だけでなく、水平方向に広がっているため、空間の上下左右の感覚が弱く

よる散策が行われる .01(c)/50 ある方向、目的地に対して、いろんな行き方ができ、そこで見る風景の一連の流れはそれ ぞれで異なると予想される .47(b)/50 ある場所では壁の役割を果たしていた場所が、次第に道へと変化していくことで空間を正

なっている .38(b)/50

確に認識することが難しくなっている .16(a)/50

光の入り方も様々で、上下左右の概念が存在していないことを感じる .37(b)/50

ヴォイドの空間からマッシブな空間へと徐々に切り替わっていて、地と図の関係が逆転す

様々なカタチと大きさの光の集合に見えるが、ある程度のまとまりとして水平、垂直、斜 めのパースラインを各々が創造することで、あらゆる方向で、空間が創造される .49(c)/50

ることで、空間体験がいつの間にか切り替わるような感覚が予想できる .( 下図 )19(b)/50


探索ルート 3:年表作成による「歴史としての迷宮」の抽出 迷宮の歴史的変遷を年表と事象の分析によって整理することで、迷宮の変容を把握するとともに、自身のクライテリア を含め、現代の迷宮と根源的な迷宮がどのような関係にあるのかを紐解いていく . ここでは、歴史の中の迷宮の変容と、自身の中にあるクライテリアの照らし合わせによるマトリクスの解析を行った .

1. 巨大建造物としての迷宮

カタチ先行の迷宮 2. 魔術的守護機能としての迷宮 3. 多様な存在としての迷宮 4. 都市像としての迷宮 文献における迷路の侵食

迷宮の転換期 5. 聖なる意味から穢れた意味へ 歴史からの迷宮の変容とクライテリアの照合

6. 穢れた意味によるイニシエーション

カタチ先行で築かれた要素

図像としての迷路の侵食

メタファー先行の迷宮

カタチ カタチ

7. 言語としての迷宮 8. 沈黙・秘密としての迷宮

カタチ カタチ

カタチ メタファー

メタファー

カタチ

メタファー

カタチ

9. 娯楽としての迷宮 10. 愛の迷宮 11. 芸術におけるの迷宮

転換期に築かれた要素 抽象度 .1

抽象度 .2

抽象度 .3

メタファー

抽象度 .4

メタファー

12. 音楽としての迷宮

従属方向

メタファー(意味)先行で築かれた要素

X. 現代の迷宮の様相


クライテリアから導き出される「現象としての迷宮」の抽出 クライテリアから導き出される迷宮的現象を 43 抽出する . それぞれの現象の概要と、criteria の再整理、加えて空間に 近いダイアグラムによって表現し、さらにそれを再びクライテリアと照らし合わせることによって、これまで整理して きたクライテリアを空間的な有用性という観点で収束させる . Criteria

1.

あるエレメントの単位が連続することによっ て全体が構成されている様相 . 点的なものか ら面的な展開が見られる . エレメントは同一 であればあるほどその性格は強い

2.

視覚による情報が制限されることによって、 自身の場所を含め、周囲の状況を把握できな い様相 . さらに、不確定な状態から生まれる 推測や想像もその性格の一つである .

3.

自身の置かれている環境に対して、周囲から の情報が遮られることによって生じる独立し た様相 . 周囲の情報による自身の場所の把握 ができない様相 . 推測や想像も性格の一つ .

4.

特に見通しの悪い環境において進む道が蛇行 することによって、より目的地あるいは進行 方向の状況を把握することができない様相 . 道又は周囲のエレメントにおける性格 .

5.

ある地点から自身が動くことによって、周囲 の状況を理解していく様相 . 単体での性格で はなく、他の criteria の性格を強調、顕在化 させる性格をもつ .

6.

あるエレメントの単位が多数集合することに よって全体が生じた様相 . 情報の過多によっ て部分の要素が認識、把握しにくくする性格 をもつ . エレメントの数と密度に依存する .

あるエレメント、あるいはそれらから構成さ れた環境の性格が平均し、ムラがない様相 . 部分の違いが存在していたとしても、全体と して捉えてしまう性格 .

9.

あるエレメント、あるいは認識される環境の 大きさが想定されるものから逸脱された様 相 . 日常と異なる環境として我々の感覚や感 情に訴えかける .

10.

移動において、垂直方向への変化は自身の座 標(x,y 軸)への変化が存在しない様相 . 座 標は変化しないが高さ (y 軸 ) への変化のみ が情報として把握することのできる様相 .

13.

同シナリオの反復

03

エンドレスエイト

絵コンテ・演出・作画・アフレコ、一部の台詞は異な るがほぼ同じストーリーを 8 週連続で放送する演出 .

鏡面の反復

04

Ring

アルノーラ・ピエールによるリズム、流れ、組織、空 間階層)をコンセプトとした空間インスタレーション .

見えない無数の穴

05

里見百穴

古墳時代に現在の埼玉県比企郡に造られた横穴墓群で ある . 岩山斜面に直径1m の無数の穴が穿たれている .

日本一長い洞窟

06

安家洞

岩手県下閉伊郡岩泉町にある日本一長い鍾乳洞であ る . 総延長 23.700km で 1000 箇所以上分かれ道がある .

人工物による洞窟

07

室岩洞

静岡県賀茂郡松崎町にある採石場 . 長期に渡り採掘が 行われたために、人工的で複雑な暗闇空間 .

積層構造の洞窟

08

美山鍾乳洞

岐阜県飛騨高地の郡上八幡にある世界でも珍しい竪穴 式多層迷路型の鍾乳洞である .6層からなる立体空間 .

日本一深い洞窟

09

白蓮洞

新潟県糸魚川市の日本でもっとも深い穴として存在し ている洞窟 . 洞窟の一帯はマイコミ平と呼ばれている .

死や恐怖を感じる絵画

10

Untitled

ベクシンスキーの描く絵画 . 主に絶望、破損、廃退、 廃墟、終焉などをモチーフに扱う画風が特徴である .

男子禁制という未知性

11

大奥(江戸城)

江戸城に存在した将軍家の子女や正室、奥女中たちの 居所のことを指す . 本丸の将軍私邸を「大奥」と区分 .

死の世界とつながる存在

12

黄泉

黄泉の国黄泉の国とは日本神話における死者の世界 . 漢語の意味が転じて地下の死者世界の意味となった .

現代から切り離された島

13

軍艦島

長崎県にある端島という名称の南北に約 480m、東西 に 160m 程度の小さな島のことを別名、軍艦島と呼ぶ .

軍事要素という隔絶された存在

14

友ヶ島

和歌山と淡路島とに挟まれた紀淡海峡上に浮かぶ地ノ 島、神島、沖ノ島、虎島の4島の総称である .

島と監獄という閉鎖性

15

Alcatraz Island

ア メ リ カ 合 衆 国 の サ ン フ ラ ン シ ス コ 湾 内、市 か ら 2.4km のところに浮かぶ面積 0.076km2 の小島である .

都市の中の空白空間

16

皇居

日本人の精神性に深く根ざした存在であり、誰もが畏 敬の念を向ける場所である .

竹薮に隠された禁足地

17

八幡の藪知らず

千葉県市原市八幡にある森の通称 .「一度踏み入れる と 2 度と出てこられなくなる」という神隠しの伝承 .

どこまでも延びる道

18

万里の長城

中華人民共和国に存在する城壁の遺跡 . 人工壁の延長 は 6,259.6km. 2007 年には新・世界七不思議に選出 .

入り組んだ水路

19

ヴェネチア

アドリア海の最深部、ヴェネツィア湾にできた潟「ラ グーナ」の上に築かれた、運河が縦横に走る水の都 .

東京を駆け巡る道路網

20

首都高速道路

東都心を丸く囲んだ環状線と、その内部から各方角に 向けて伸びる放射状で構成 . 蜂の巣状の複雑な交わり .

異次元へと結ぶ穴移動

21

Being John Malkovich

マンションの一室に存在した小さな穴 . その穴を移動 するといつの間にか男の頭のを除く風景へと変わる .

れる情報

22

歌舞伎町

新宿を代表する繁華街 .4 つの道路に囲まれた内部を指 し、狭い区画に 3000~4000 軒の飲食、風俗店が密集 .

人工による圧倒的な大空間

23

大谷採石場

栃木県宇都宮市に存在する採石場 .70 年前から地下に 20000 ㎡もの巨大で人工的な空間が出来上がっている .

無秩序な営み

24

スラム

都市部の一部にありながら、極貧層が居住する過密化 する地区がスラムと呼ばれる . 荒廃した状況を指す .

歪んだ世界

25

The Persistence of Memory

1931 年にサルバドール・ダリによって制作された油彩 作品 .「柔らかい時計」や「溶ける時計」とも呼ばれる .

放射状に延びる独房の連続

26

旧網走刑務所

北海道の国内最北端の刑務所 . 全国の刑務所から、受 刑者を集めて収容することを目的として設置された .

無数の鳥居

27

千本鳥居

京都市伏見区深草にある神社の境内に続く膨大な鳥居 の連なりを呼ぶ . 実際に鳥居が連なる長さは約 400m.

巨大な列柱

28

首都圏外郭放水路

国道 16 号の地下約 50m にある延長約 6.3km の地下放 水路 . 流入施設、貯水流下水路、排水機場等で構成 .

都市のような巨大住居建造物

29

九龍城砦

国道 16 号の地下約 50m にある延長約 6.3km の地下放 水路 . 流入施設、貯水流下水路、排水機場等で構成 .

見立てによるスケール変化

30

枯山水

枯山水は水のない庭のことで、池や遣水などの水を用 いず石や砂などにより山水風景を表現する庭園様式 .

31

Bonsai Series

通常の盆栽ではなく、盆景にオブジェクトを置く「配 件」という手法を用い独自の世界観を作り出している .

高層穴状都市

32

Cappadocia

トルコ、のカッパドキアに存在する地下都市の中の一 つであるデリンクユの地下都市 .

33

ニューヨーク

軍艦島

旧網走刑務所

大谷採石場

歌舞伎町

160m 80m

6 5

30m

4 3 2 1

高野山

白蓮洞

友ヶ島

大奥(江戸城)

首都圏外郭放水路

京都

GL

25m

℃ 2000m  =

×

59 本

40 丈

513m

-12℃ 120m

安家洞

里見百穴

Alcatraz Island

首都高速道路

万里の長城

ヴェネチア

宇宙

Tower of Babel

黄泉

ラッシュライフ 河原崎

ニューヨーク

Ring

黒澤

京子

豊田

駅前の喫茶店で待ち合わせ

スケッチブックの言葉

アメリカ合衆国北東部の大西洋に面し、巨大なニュー ヨーク港を持つ . 市は 5 つの行政区に分けられる .

34

Tower of Babel

旧約聖書の「創世記」中に登場する巨大な塔のことを 意味する 「 . 混乱」を意味する語バーラルの発音が語源 .

山の中に取り残された都市

35

松尾鉱山

かつて「東洋一の硫黄鉱山」と呼ばれた岩手県の鉱山 . 現在は負の遺産として人々が訪れない無人の廃墟 .

記憶の錯綜

36

Memento

2000 年に公開されたアメリカ映画 . 監督はクリスト ファー・ノーラン . 短編『Memento Mori』が原案 .

スリップストリーム

37

燃え尽きた地図

安部公房の書き下ろし長編小説 .『砂の女』 『他人の顔』 と共に、 「失踪」三部作とされている .

平行世界によるシナリオ

38

世界の終わりと ハードボイルド・ワンダーランド

静寂な幻想世界と波乱万丈の冒険活劇の 2 つの物語が 交互に入れ替わりながら、パラレルに進行していく .

夢と現実の融合

39

パプリカ

2006 年の日本のアニメーション映画 . 監督は今敏、原 作は筒井康隆による同名の長編 SF 小説 .

京町の区画

40

京都

南北と東西に直交する「碁盤の目」といわれる街路を 特徴とし、交差するほとんどの通りが固有名称を持つ .

シナリオの重複による全体

41

ラッシュライフ

少しの時間的な重複と共通するキーワードや出来事に よって、1つ1つの物語が次第につながっていく .

42

宇宙

コスモス . 時間・空間内に秩序をもって存在する「こと」 や「もの」の総体 . 秩序をもつ完結した世界体系 .

43

水蒸気を含んだ大気の温度が何らかの理由で下がり露 点温度に達した際に、含む水蒸気が空中に浮ぶ状態 .

塚本と死体の解体 塚本を殺害

マンションで隣人とぶつかる

マンションで隣人とぶつかる

宝くじを落とす

宝くじを拾う

時計台に登る

駅前の喫茶店を見る スケッチブックに言葉 野良犬を見る 舟木宅へ侵入 老夫婦から恐喝される

男にマンションの住所を伝える 家に男が侵入(佐々岡) 野良犬に首輪をあげる

佐々岡と朝まで語り合う 佐々岡が離婚を決意

夫と離婚が決まる

野良犬の首輪に宝くじ

スケッチブックに言葉

展望台に登る

拳銃の入ったロッカーの

紛失

青山と青山の自宅へ 死体を林に運ぶ

死体を轢く

死体をなくす

死体をトランクへ

青山に

されていたと発覚

スケッチブックに言葉 駅前の喫茶店へ行く

犬をバラバラにしようとする

犬を助ける

展望台に登る

ロッカーの

を拾う

拳銃を手に入れる 郵便局を襲撃 若者にからまれる中年を助ける

若者にからまれる 舟木宅へ

舟木宅へ侵入 岩手山に行く

老夫婦と女に話しかけられる スケッチブックに言葉 野良犬と宝くじを発見 展望台に登る

皇居

世界の終わりと ハードボイルド・ワンダーランド 時間軸

小説全体での時間軸

世界の終わり 春

壁の中へやってくる 影と切り離される 夢読みになる 図書館の少女と出会う

The Persistence of Memory

研究所で博士と会う データの洗い出し 土産をもらう 夕方

買い物に出かける 朝

図書館の女の子と出会う 女の子が本を持ってきて家に来る 夜

南のたまりへ少女と行く

scale x

熱を出す 地図を影に渡す

シャッフリングを行う 23:26

time

博士の娘からの電話で起床 4:20 頭骨を預ける

scale y

東の壁へ行く

大男とチビに襲われる 11:00

心への疑問 博士の娘が家に来る 23:00 博士の研究所へ向かう

獣が死ぬ 唄を思い出そうとする

博士と対面 4:20 脳内の回路の秘密を聞く

time

10:00

楽器を探す 発電所で手風琴を手に入れる 地上に脱出 影に会う 冬 大雪の日に少女と話す

頭骨を取りに行く 18:00

time

図書館の少女と食事 「ダニー・ボーイ」を思い出す 彼女の家に泊まる 少女の心を読む

頭骨が光る 4:16

睡眠

影と南のたまりを目指す

日比谷公園で女の子と別れる 10:22 車で晴海へ 11:00 意識の消滅

10/3 mon

影のもとへ

影だけたまりのなかへ

Bonsai Series

「ダニー・ボーイ」を口笛で吹く

図書館で頭骨について調べる 夕方 影に指示され地図を作る 秋

枯山水

時間軸

ハードボイルド・ワンダーランド

10/2 sun

カタチのない風景

130m

老夫婦から恐喝される

螺旋構造物

無重力と膨張

美山鍾乳洞

野良犬を見る

虚像と実像の混在

摩天楼

八幡の藪知らず

10/1 sat

世界に常に存在してる重力という性格とは対 極の性格 . 様々な感覚器官によって得られる 様相である . 日常と異なる環境として我々の 感覚や感情に訴えかける .

和歌山県伊都郡にある山々の総称 . 建物と墓地が山の 中に点在し、奥の院は複雑な構造をしている .

9/30 fri

14.

高野山

スラム

9/29 thu

あるエレメントとエレメントが交わる様相 . 交差点には同時に 4 つ方向が生まれ、選択肢 が与えられる . 交差点が多ければ多いほど、 方向を選択する機会が増え、情報が増える .

02

千本鳥居

4day

周囲の環境が移り変わることによって、自身 に享受される情報が変化する様相 . 変化し常 に情報が更新されていくことで、環境や状況 を固定した状態として把握できない様相 .

広い範囲に渡り樹木が生い茂り海原のように見える 森 . 山梨県富士河口湖鳴沢村にまたがる青木ヶ原の森

松尾鉱山

3day

12.

樹海

Cappadocia

2day

形状としての性格として、3 次元曲線の一種 で、回転しながら回転面に垂直成分のある方 向へ上昇する曲線である . 立体的な体験とし て、上昇と回転が繰り返される様相 .

01

墓石のリズム

室岩洞

1day

11.

樹木のリズム

樹海

time

一条大路 正親町小路 土御門大路 鷹司小路 近衛大路 勘解由小路 中御門大路 春日小路 大炊御門大路 冷泉小路 二条大路 押小路 三条坊門小路 姉小路 三条大路 六角小路 四条坊門小路 錦小路 四条大路 綾小路 五条坊門小路 高 大路 五条大路 口小路 六条坊門小路 楊梅小路 六条大路 左女牛小路 七条坊門小路 北小路 七条大路 塩小路 八条坊門小路 梅小路 八条大路 針小路 九条坊門小路 信濃小路 九条大路

東京極大路 富小路 万里小路 高倉小路 東洞院大路 烏丸小路 室町小路 町尻小路 西洞院大路 油小路 堀川小路 猪熊小路 大宮大路 笥小路 壬生大路 坊城小路

8.

Overview

朱雀大路

周囲の環境が作り出すその場所の特異な世界 観 . 我々の情緒的な感覚に訴えるものである . 他の criteria の性格によってもたらされる包 括的な性格ともいえる

Phenomenon

西坊城小路 皇嘉門大路 西 笥小路 西大宮小路 西靭負小路 西堀川小路 野寺小路 道祖大路 宇多小路 馬代小路 恵止利小路 木 大路 菖浦小路 山小路 無差小路 西京極大路

7.

Factor


初期の 14 の criteria

探索を経て、迷宮空間の構成に有用と思われる 8 の criteria

反復 ( リズム )

過密

螺旋

反復 ( リズム )

過密

螺旋

暗闇

アトモスフィア

変化

暗闇

アトモスフィア

変化

遮断

均質

交差

遮断

均質

交差

蛇行

距離(スケール)

上下なし

蛇行

距離(スケール)

上下なし

移動

垂直

移動

垂直

Spiritual Criteria

Atmosphere image

Criteria

Criteria

01 02 03

3 次 _Criteria

04 05 06 07

膨大な墓石や地蔵といったオブジェクトが 集合し、風景を作り出す一となっている

08

平面的な洞窟構成ではなく、垂直方向への 空間の広がりが地下空間に存在する

島という地理的条件に加え、軍事的役割を 持っていたことによる場所の特異性を持つ

同一のオブジェクトが膨大かつ規則的に存 在することによる風景が空間を決定する

蛇行する河川と蛇行する小道、統一された 建物が重なり合って、風景を作り出す

09

Criteria

Criteria

10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28

メタファー

対象の実際の姿や意味が空間や体験の大きさ や意味を定義することなく、受け手の想像や 解釈によって、定義される様相 . またその解 釈を促すような隠された意味をさす .

人の介入が極端に閉ざされた場所に原生植 生の人間ではない環境が形成されている

人工的な空間にもかかわらず人の介入が制 限されたことによる特異な環境が存在する

ヒューマンスケールによって形成された空 間が延長・拡大されることによる特異性

隔絶された環境の中に取り残されたかつて の建造物の変化が何物でもない場所にする

情報の過密な集合によって部分の持つ意味 や情報が希薄化し、特異な風景を作り出す

観る人体験する人に空間のスケールや環境 を委ねることで無数の風景を作り出す

2 次 _Criteria

Criteria

パラレル

一つの世界や概念(現実世界)に対して決し て交わることなく、別の空間や世界として存 在しているモノ . 別の世界ではあるが現実世 界と同じ時系列で存在している .

2 次 _Criteria

一つの世界や概念(現実世界)に対して、別 の存在として構築された空間や体験 . 我々の 自己中心的世界観で内部と外部を二項対立的 に認識する場合、後者が異世界とする .

2 次 _Criteria

自身の行為によって体験されるプロセスでは なく、他者や外部によって構築された物語や プロセスよって体験される様相 . 体験に対す る解釈は受け手によって決められる .

Criteria

鏡面に映り込む虚像によって浮かび上がるも う一人の自分と対峙する様相 . 鏡に映るのは 姿だけであるが、その姿を通して自身の心と 対峙することとなる . 鏡の数だけ自身がいる .

Criteria

異世界

受動的展開

鏡と自身

29 30 Criteria

31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41

実際の地理的条件に加え、伝承や文献、絵 画によって意味が強調される

立体的な入り組みの構造に加え、洞窟内の 表情の均質さも空間を作り出す特徴である

朽ちることによる人の存在の消失は特異な 風景を作るとともに場所の秘密性を生む

女性だけという特別なルールや営みによっ て風景と意味が特異なものとなる

グリットのリズムに加え、人々の活気と都 市の更新が新たな風景を常に生み出す

秘密

情報や意味が制限されることによって対象の モノや場所、概念の存在の理解が不十分で あったり、隠された存在として解釈している 様相 . 秘密による解釈の拡大が持たさられる .

2 次 _Criteria

死・恐怖

負の感情として、受け手の心情に訴える様相 . すべての人にとって存在する感情であり、誰 もが全てを理解しているものではないことに よる曖昧さが存在する .

2 次 _Criteria

鏡面の立体的な積層によって、周囲の環境 や内部の見え方があらゆる方向に広がる

暗闇の空間が延々と続く体験は人々のス ケール感覚や位置感覚を麻痺させる

穴の中がわからないことによる空間のス ケールの希薄化と穴の反復による風景

島という地理的条件に加え、刑務所という 閉鎖的な役割も特異な性格を生み出す

情報の過密な集合による部分の情報の希薄 化と文化の違いによる情報の見え方

霧自体が均質であるとともに、周囲の風景 や情報も不明瞭にになった曖昧な世界

Criteria

42 43

Criteria


8のクライテリアをもとに原初的空間モデルの作成スタディ 最後の探索ルートは、いままで築いてきたクライテリアが迷宮を建築や空間として翻訳されているかを検証する、空間 によるアプローチ . 収束させた8のキーワードのそれぞれに対して、創造される空間の原型モデルをスタディ模型とし ての生成を行い、生成されたスタディ模型を観察することで、これまでのイメージからキーワード、そして空間へと迷 宮を空間へと翻訳することの可能性を検証した .

Criteria_1

Criteria_2

交差

螺旋

GL+14,400

1,250

5,600

GL+5,000

1,200 2,600

7,500

2,000

1,200

GL+2,000

1,250

5,600 GL

11,000

4,000

GL+3,600

11,000 GL+1,800

26,000

11,000

4,000

11,000

1,250

1,200

2,600

26,000

1,200

1,250

7,500

GL

1,200

2,600

1,200

5,000

model plan 1/200

model elevation 1/200

Criteria_3

model plan 1/200

蛇行

Criteria_4

model elevation 1/200

スケール

7,500

GL+15,000

2,000

14,000

7,500

2,000

4,000

5,500

model plan 1/200

20,000

GL+3,500

GL+2,400

GL+2,000

GL+1,200

1,750

1,400

1,200 7,500

GL+500 GL

1,400

1,750 GL 5,500

4,000

16,000

2,000 7,500

1,400

1,200

1,400

4,000

20,000

model elevation 1/200

model plan 1/200

model elevation 1/200


8のクライテリアをもとに原初的空間モデルの作成スタディ

Criteria_5

上下なし

Criteria_6

GL+8,500

暗闇

100 1,250

100 GL

3,2 50

GL-500 2,850

3,2

500

50

7,500

7,500

1,650 GL-5000 1,250

GL+1,000

2850

GL

500

1,650

5,000

7,500

7,500

1,250

2,850

500

1,650

1,250

7,500

model elevation 1/200

model plan 1/200

Criteria_7

model elevation 1/200

model plan 1/200

変化

Criteria_8

均質

700 550 700 550 700 550 700 550 700 550 700

1,250

1,250

GL+7,500

1,250 GL+5,000

1,250

5,000

7,500

7,500

1,250

GL+4,000

GL+2,500

1,250

GL+1,800

1,250

1,250

GL 1,250

5,000

GL

1,250

7,500

1,250

1,250

1,250

1,250

1,250

1,250

7,500 1,250

5,000

1,250

1,250

model plan 1/200

1,250

1,250

1,250

1,250

1,250

7,500

7,500

model elevation 1/200

model plan 1/200

model elevation 1/200


自身の中にある漠然とした迷宮体験を建築的要素へと翻訳し、カタチを与えるこの探索の旅を経て、獲得したこと

迷宮とは、 人の想いや場所の記憶が根底として存在し、それらがある特異的なカタチや空間として表出されて初めて それが迷宮体験として享受される . という迷宮の捉え方 . それはいわば、迷宮的な設計手法ではなく、迷宮的な設計視点としての可能性 .

空間としての仕掛け

人の想い 場所の記憶

交差

螺旋 迷宮体験

蛇行

スケール

いつもとは違う体験 想い・歴史・記憶 の顕在化 迷宮的解釈

上下なし

変化

暗闇

均質


山梨県韮崎市 七里岩 まちの中心であるはずなのに、いつの間に無意識な存在として街から切り離された場所 . まちの歴史や想い、記憶が散りばめられた圧倒的な大地 . にもかかわらず、今はコンクリートの擁壁と駐車場が整 備され、まちの特異点は意識の外から、その存在自体が消えようとしている . 無意識の存在から意識の中の存在へと、ふたたびまちを認識する場所へと変える .

E

A

C Station

日常と非日常を結ぶ経路に点在する特異点 特異点 A: 七里岩

特異点 B: 穴参道 岩

岩の麓に雲岸寺という寺院

20 30m の高さの崖を登る

無川と塩川によって

が建つ . 室町時代寛正 5 年

ために整備された蛇行する

侵食崖を形成したのが、七

に開基し、空海が観音石仏

道路 . 対象敷地の道路を含

里岩 . 川沿いに連なる高さ

を安置し、住人が堂を作っ

め、崖に沿うように何本も

10m 40m の断崖を指すこ

た . 観音が安置される堂ま

巡らされている .

の圧倒的スケールの大地は

では崖をくり抜いた穴の参

高低差を含見ながらの曲が

まちの中心に存在する . に

道が

たれている .

り道は、より歩行感覚を必

もかかわらず、人々はその

現在は、この参道を通る人

要とする .U 字の坂道は、

存在を意識の外へと無意識

は滅多におらず、その存在

その方向の切り返し地点を

に置いてしまっている .

と意味を失ってしまった .

境に、体験を変化させる .

地を

なだれが形成した平坦

D

A

Criteria: スケール / 認識の外側

B

F

特異点 C: 七里岩ライン

特異点 D: 平和観音

Criteria: 暗闇 / 遮断

特異点 E: 韮崎市営火葬場

Criteria: 蛇行 / 変化

特異点 F: 時の鐘

平和観音は昭和36年に市

崖の上にある市営の火葬場

崖の先端は信玄平ともいわ

民の平和や登山者の安全を

と墓地 . 火葬や葬儀の一部

れ、以前は老松奇石があり、

祈願して市街を一望できる

は行われているが、葬儀場

眺望にも恵まれたことから

七里岩南端に建てられた .

はなく、火葬のみを行われ

街の憩いの場所として親し

その優美な姿から関東三観

る . この火葬場に付随する

まれていた . そこにまちの

音の一つに数えられる .

ように周囲に墓地が配置し

象徴となる鐘が設置され、

台座を含め 18.3m の高さで

ている . 墓地は現在新たに

崖の上から時を知らせる鐘

そびえ立ち、まちの四方か

敷地を造成し、新たな申込

の音を響かせていた . さら

ら見上げることができる .

者を募集することなく限ら

には、以前は東屋が建って

れた人のための場所である .

いたが、大戦時に焼かれ、 今は存在しない .

Criteria: スケール / 認識の外側

Criteria: 均質 / アトモスフィア

Criteria: 変化 / 象徴


まちに現れる新たな風景 E まちの特異点 見えない塔

C

無意識の中に埋もれている .

迷宮的視点によって意識の中の特異点へと再び読み解く . 無意識の特異点

factor

迷宮的視点

factor

建築による仕掛け

factor

意識の中の特異点

A: 七里岩

スケール / 認識の外側

塔 / 参道 / 東屋

まちの中心

B: 穴参道

暗闇 / 遮断

塔 / 参道 / 東屋

非日常への参道

C: 七里岩ライン

蛇行 / 変化

塔 / 参道

土地の分岐点

D: 平和観音

スケール / 意識の外側

塔 / 参道

まちを知る尺度

E: 韮崎市営火葬場 F: 時の鐘

特異点 A

均質 / アトモスフィア 変化 / 象徴

東屋

非日常の世界

東屋

まちの象徴

岩の参道

D

F いつもの経路が意識のなかのまちの姿を再び認識する体験となる .

時の東屋

B


見えない塔 蛇行する七里岩ラインの折り返し地点に位置する小さな塔 . 初めて訪れた人にとってはまちを眺望できる展望台のように見える . しかし、中に入ると中心の 4 つの階段は地下へと続き、暗闇の中を自身の歩む歩行感覚を頼りに進む . 一番下まで降りると、見上げた上空からは光が差し込み、外への出口へと確かな存在として指し示す .

迷宮的視点

Criteria:スケール / 暗闇 / 螺旋


迷宮的視点による場の転換

小さな展望台には高さが異なる壁が回っていて、 まちを一望することはできない. それでも、塔からつながる壁と崖の間の新たな空間の道筋を伺うことができる. 登った人はその風景を頼りに歩みを続ける.

感情の転換 U 字に曲がる敷地の分岐点に 4 重螺旋の塔が顕れる .

X1X2

X3 X4

B’

500

5500 3800

その塔は訪れた人にとって、風景の見える展望台のように見える .

X5

しかし空間は地下へと続いておりその全貌は見えない .

地下へと降りるには、自身の歩行感覚とかすかな光を頼りに進ん

5500 1200

3400

でいくしかない .

螺旋の塔を囲みながら登る歩行者用の坂は、塔の中心が見えそうで見えない.

最深部まで降りると、上空からは外からの光が差し込む .

A2

先ほどまでの不安と焦燥とは違い、光の道標は確かな方向と距離

0

1280

を教えてくれる .

A1

GL +7000 Plan

螺旋での上下の移動体験は心情の転換を演出するとともに、その

Scale_ 1/400

場所がまちの分岐点であることを認識させる . X2 2000

X4

7500

Y6

5500 4800

Y5

1200

B1

Y4

5000 2600

A’

A

Y5

Y6

10000

1200

Y3

Y5 Y4 4800

Y2

Y3 Y2 10000

1200

5000 2600 1200

Y1

X1X2

5000

500

X3 X4 5500 3800

X5

5500

1200

3400

1280

0

5000 10000

4200

GL+2000

2400 2000

B1

6700

Y1

螺旋の一つだけが地下の別の道へと続いている. 4重螺旋は何度も訪れた人にとってもその正確な動線を把握することは難しい. いわば偶然に訪れることのできる特別な道

GL-2250

突然に見える小さな塔にU字の囲まれた道路に沿うように建築の中に吸い込まれていく. 塔の中心に渦巻く螺旋状の4つの階段は、見えない地下へと続いている.

18300

5000

地下から抜け出ると壁を一枚挟んで、異なる風景が広がっている. U字に囲まれた.崖への登り道とは異なり、空へと広がる開放的な視線となる.

GL

2250

14000

B’

GL-2250

行き先のわからない暗闇へ . Y0

光という明確な手がかりに導かれる .

B-B’ Section

GL - 2700 Plan

Scale_ 1/400

A-A’ Section

Scale_ 1/400

スケールの転換

Scale_ 1/400

GL ± 0

Plan

Scale_ 1/400

観音の高さ18.3mと同じスケールの地下空間. 無意識の中の埋没された観音の視覚的スケールを、螺旋による上昇下降の体感的スケールへと変換することで、新たな体験としてスケールを享受すると ともに観音の存在を再認識させる.


まちの見え方の転換

崖へと登る坂道

塔での体験

そらへと登る坂道

傾斜しながら登る擁壁に向かいながら進む.

傾斜しながら登る擁壁に向かいながら進む.

観音の向く方向と坂道の方角が重なり、視線は空

行き先を伺うことはできず、距離もわかりずらい.

行き先を伺うことはできず、 距離もわかりずらい.

へと伸びていく.ここでは目的地もスケールも明瞭.


Criteria:蛇行 / 変化 / スケール

岩の参道 七里岩の崖面の間に延びる道のような建築 . 500mm の壁と、ガラス面が蛇行しながら崖の先端まで伸びていくことで、行く先が見えない . 参道に面する崖はかつての岩肌を取り戻し、そこが巨大な大地による場所であることを象徴する . 蛇行しながら延びる壁の中に空間があることは、壁の内側にこないとわからない世界である .

迷宮的視点

Criteria:スケール / 暗闇 / 螺旋


2800

GL-3500

擁壁と擁壁の間を、蛇行する内部空間として新たに体験を作り出す.一方はかつての大地の姿を、一方は新たな空間の手がかりを、 そ れらは、迷宮的視点によってこのまちの過去と未来の姿を表出させる.

B’

2900

X2

大地の表出

GL-4000

X3

GL+4350

X1

GL-3000

GL

迷宮的視点による場の表出

TP+18000

普遍的な存在としてそびえ続ける七里岩の岩肌. Y1

TP+18500

かつての七里岩の姿である荒々しい岩肌はその 土地の記憶と自然のスケールを表出させる.

TP+14000

TP+13000

TP+19500

A’

外部の侵食

8000

TP+12500

Gallary

500mmの厚みを持つ新たな擁壁は蛇行しなが ら、崖と距離を空けながらそり立つ. 自然と共存した姿であるとともに、 ここを訪れた 人々を導く手がかりとなる.

Y3

Rock

Y4

壁の蛇行

TP+20000

新たに人々の記憶と想いをつなぐ擁壁

Y2

TP+12000

50000

7550

TP+20500

体験の表出

Y5

擁壁と道路に沿った屋根形状

Y6

外部の侵食

roof

6500

Garden TP+11500

Y7

TP+21000

deck

屋根がかかることで、参道は岩肌をもった内部空間となる. 屋根の勾配は緩やかに崖へと落ちていき、雨や風といった自然環境を壁と 崖の間の参道へと引き込む

デッキのせり出し 外壁にせり出す2箇所の薄いデッキが、坂道に沿った500mmの壁が建築で あることを曖昧に示唆する.

ガラス壁面の蛇行

TP+11000

TP+21500

19000

glass wall

ガラス面の蛇行は視線を緩やかにつないでいくが、シークエンスは直線上 に抜けておらず、視線と体験にズレを生じさせる.

500mm壁面の蛇行 折り返す坂道の間にそり立つ500mmの新たな擁壁は、一方では外壁として 建築の存在を消しながら存在し、一方では建築の内壁として、50m以上の シークエンスを結ぶ仕掛けとなる. 岩肌の露出 TP+22000

500mm wall

Y8 TP+10500

Cliff B’

A

20000

TP+19000

GL ± 0

Plan

Scale_ 1/400

A-A’ Section

Scale_ 1/400

崖面の内部への侵食 現在、コンクリートの擁壁によって崖の表情は無機質なものとなってしま っている.かつての岩肌を顕在化し、参道内部へと引き込むことで、蛇行空 間そのものが、七里岩とこの地の歴史を刻む空間となる.


経路の表出 X1

3500

6200 2700

X2

GL+4180 GL+3500

GL

GL-3600

岩肌による 内側の自然的空間

擁壁による 外側の人工的空間

A-A’ Section

Scale_ 1/400

U字へと坂を登る途中、 そり立つ擁壁にはデッキとへこみが現れる.しかし擁壁の高さは高く、 それが建築なのか空間なのかはわからない.


時の東屋 崖の先端に埋め込まれるように建つ東屋 . その不思議な姿はこの場所の新たな特異点としてまちに顕れる . 規則的に配置された建築言語が徐々に変化することで、まちの見え方とまちの佇み方が変化していく . 死者の世界の延長に、かつて存在した人々とまちの象徴として観音の壮観の延長に、そしてまちの日常の延長に、時の東屋は存在する .

迷宮的視点

Criteria:スケール / 均質 / 交差 / 変化


A’

迷宮的視点によるたくさんのまちの見え方 まちの中心となる新たな東屋がこれからのまちの時を刻む . かつてのまちの痕跡を迷宮的視点によって呼び戻し、人々にとってまちの居場所となる . 東屋は均質の中に変化を持ち、人々はその変化する空間の中で、自分自身の意思で居場所を決める .

平和観音

観音への見上げ

ここではいわば、人々が自分の意思によってこの場所を彷徨う . 自分自身とそしてまちと大地と対峙する時、この場所は確かに今という時間を刻んで

A1

ゆく「時の東屋」となる .

Criteria:スケール / 均質 / 交差 / 変化 X-1

X0

X1

X2

X3

X4

X5

X1

X2

X3

X4

X5

X6

X7

X8

X9

山の傾斜と観音までの見上げ角度

24000 3000

34000

Y1 3000

Y2 FL-300

Y3 GL+12000

water

reception

Y4

ガラス

Y5

カーテン

FL-500 FL-800

27000

View Point

ルーバー

GL+8000

Y6

Y7

FL-1000

Y8

FL-1500

富士山とまちの眺望

GL+6000

B1

休息の空間

GL+3000

韮崎駅と塩川とまちの眺望

水の空間

GL GL-1000

格子

Y9

FL-2000

water

新たな穴参道

GL-3000

Y10

FL-2000

韮崎駅と塩川とまちの眺望2

GL-8000

Y11

Y12 A

A-A’ Section

GL ± 6000 Plan

GL ± 0

Scale_ 1/200

Plan

Scale_ 1/400

Scale_ 1/200

Criteria:スケール / 均質 / 交差 / 変化

富士山とまちの眺望

Criteria:均質なグリットの中で少しずつ変化していく東屋の姿 Y1

街と大仏を結ぶ展望台. Y2

private room

平和観音

七里岩の崖面

一つの軸のみを強調した壁の連続によって人々はその先の風景へと導かれる. 無意識の中に消えていたまちの特異点を建築によって切り取ることによって、意識の中 でまちを認識し、 それと同時に自分自身の存在を意識する.

Y3

他者との距離を意識する休息所.

Y4

水とともに発展した韮崎の地の歴史的文脈と迷宮における水空間の精神性. まちの成り立ち.

水から遠ざかる場所.

Y5

水の迷宮性.

グリットの拘束度

富士山

自身と時間を意識する親水空間.

Y6

guest room

水盤とプールの親水空間はグリット上に配置された幾つかの建具によって、 レイヤー状 に視線とエリアが分けられる.水との距離を通して、 自分の存在と、土地の存在を意識 する.

Y7

Y8

guest room

格子の中の小さな舞台. 穴参道の端部に近い場所から接続する格子が穿たれてできた舞台のような空間. この七里岩を訪れた人にとっては突如現れるオブジェクトのような舞台であり、参道から 入ったひとにとっては街を違った風に移す舞台となる.

Y9

竅観音 Y10

七里岩の形成とその周囲のまちの形成は2つの

雨や浸水による土砂崩れや風化を防ぐため、崖の

水の反射や浮力、揺らぎによる体験は迷宮的とい

河川によって生まれた.

側面は擁壁によって整備され、水を避けてきた.

える.また水と精神は密接である.

GL ± 3000 Plan

それぞれの休息室は、同じ長さの壁によって隔てられているものの壁の暑さ、 グリットか らのズレによって少しづつ場の質を変えていく.訪れる人々はそれぞれの空間のそれぞ れの談話の在り方を選択する.

韮崎駅と塩川

竅参道

塞がれたもう一つの竅参道.

Scale_ 1/200 均質なグリットモジュール

かつて穴参道は分かれ道が存在し、異なる場所から参道者を引き入れていた. 今は既に塞がれてしまった穴参道を新たはまちの風景を見るための道筋とする.


切り取られたまちの風景から振り返ると、反り上がる壁面と屋根の間から観音が切り取られて顕れる.


Labyrinth Architecture まちの中にある見失われがちな風景や場所を迷宮的な視点と迷宮要素の挿入によって人々の意識の中へと引き戻す . それは迷宮が数多の時間と記憶と思いを蓄積した曖昧かつ力強い世界の新たな可能性へとなる .

近づいていくと、観音の姿を格子越しに垣間見える . 観音のスケールは格子の交差によって輪郭を曖昧にし、いつも見る姿とは違って見える .

格子ごしに見えたそり立つ壁をたどっていくと、水平に伸びるデッキと壁の凹みを見る . これは建築なのか、擁壁なのか、外から見上げた姿だけではわからない .

壁をたどっていくと小さな塔へとたどり着く .4 つの入り口からそれぞれの自身の意思によって建物へと入っていく .

螺旋の最深にたどり着くと上からは光が差し込む . それまでの道のりとは違い、標べをたどるように階段を登る .

地下から上がり、さらに上階へと登ると、街は見えず、代わりに次なる建築の姿が垣間見える .

建物に寄り添うようにそり立つ崖はかつての荒々しい自然の姿として存在する . 500mm の壁とガラスの蛇行によって、行き先が見えない体験となる .

グリットのモジュロールが崩れた親水空間は、 ガラスやルーバー、カーテンとそれぞれ異なるレイヤーを通してつながっている .

上へとあがるとそれぞれ空間の質が少しづつ変化する談話室へと続く . 壁と、アーチと、屋根勾配によって、均質の中の変化を作り出す .

最上部へと登ると狭く伸びる風景が現れる . 観音が見つめる先には富士山がそびえ立ち 切り取られた非日常での韮崎のまちを一望する .

まちの風景から振り返るとそこには観音の全体が建築の輪郭によって浮かび上がる . まちを切り取る開口と観音を切り取る開口は一つの空間でつながっている .

東屋から抜けると、墓地が並ぶ火葬場へと続く . これまでの建築体験が非日常的な場所と世界をささやかにつなぐ

まちと七里岩の大地をつなぐこの建築が、自分自身の存在、ともに寄り添う人の存在 そしてまちの存在へと意識を紡いでいく .


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