築山

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築山

卒業設計

-都市を転換する清掃工場の提案 Site:   渋谷 Function: 清掃工場 コミュニティセンター 山

adati itabasi kita

katusika

rikarigaoka nerima tosima tyuubou

tsumida edogawa

titose

sibuya setagawa

meguro

tyuou minato

ariake

sinagawa

tamagawa

sinnetou

tyuubou

oota

23区の清掃工場分布

問題と背景

敷地 四方を線路やビルで囲まれ島のように孤立している都市の清掃工場

“大量消費社会の中の清掃工場”

“消費のまち渋谷”

23 区では原則それぞれの区が清掃工場を持っており、一定の間隔で配置されている。 現代の大量消費社会に不可欠な清掃工場は技術力の向上から周辺に害を及ぼす事はなくなったに も関わらず典型的な NIMBY( 迷惑施設 ) としてのイメージから嫌われブラックボックス化している。 渋谷清掃工場

豊島清掃工場

代々木公園 渋谷駅 氷川神社

23区の清掃工場

敷地

“23区埋立処分場” 渋谷川 レインボーブリッジ 代官山駅

恵比寿駅

23 区の最後の埋立処分場である、中央防波堤新海面処分場 の残余年数は残りわずかとなっており、行き場のないゴミ

渋谷はでは日々様々な人々が集まり文化や物を生み、消費する、大量消費社会の象徴的なまちである。

が問題となる事が予想される。 敷地は渋谷の中心地から少しはずれた場所で現在渋谷区の清掃工場が建っている。 数年後に迎える建て替え時の建築の提案をする。 中央防波堤新海面処分場

中央防波堤新海面処分場


清掃工場を解放する3つの手法

1

清掃工場

「理解」する

設備配置の設計

ゴミ処理の流れに沿っ分 かる設備を再配置する

4

人の動線

隙間に動線が生まれ 歩

3

煙突

2

灰ピット

3

灰選別室

4

溶融炉

5

蒸気タービン発電機

6

ガスコージェネレーション

7

蒸気復水器

8

焼却炉

9

ゴミバンカ

コミュニティセンター

10プラットフォーム

2

くことでゴミ処理の流れ

清掃工場

1

コミ ュ ニ テ ィ センター

清掃工場

が分かる ゴミ処理の流れ

7

5 6

8

9 section

「日常」に溶け込む

コミュニティセンター

1

ホール

2

展示室1

3

展示室2

4

図書室1

5

図書室2

渋谷区のゴミを

6

児童館

集め処理する清掃工場

7

多目的室

8

会議室

9

清掃工場見学ホール

渋谷駅

敷地は商業地域と住宅地域が 混ざり合う場所に位置してい

敷地 住宅地域

る。敷地周辺では世帯数に対 して公共的な施設の数が少な く、様々な世代が利用できる 場所を必要としている。

商業地域

1 緑地

2

10

小・中学校 代官山駅

まちに緑を提供する

ショップ

恵比寿駅

1. 文化複合施設 育てる

図書館、ギャラリー、ホールからなる複合施設。   様々なひとが集まり地域の活動の拠点となっていく。

休む

2. スポーツ施設

渋谷川沿いに生まれた

7

人の流れを延長する 3

6

工場で発生したエネルギーを再利用する。   やがて山を使った様々なアクティビティと連続して使われる。

観光する

ゴミはスラグとなり

4

3. 児童館 知る

渋谷区では待機児童が大きな問題となっている。   遊び場を失ったこども達に大きな遊び場を提供する。

遊ぶ

4. 清掃工場見学ホール

8

10

5

気軽にごみ処理の流れを学ぶことができる。

10 9

「風景」になる 山 1

ごみを焼却した灰をさらに高温で燃 やすと溶融スラグと呼ばれる物質に変 1

化し、この物質は肥料として利用可能 なことが分かっている。  このスラグを建築に堆積することで 日々の消費を顕在化し、都市に自然の

ゴミ

植物

溶融スラグ

要素を復権させるための仕掛けとして 活用する。

adati itabasi kita

LCA(運搬の際の環境負荷 )に貢献

katusika

rikarigaoka nerima tosima

通常処理されたゴミは東京湾の埋立て地に運ばれ処理さ

tsumida

れる。しかし建築に最終処分場の機能を付加させること

edogawa

titose

で運搬コストと削減と環境負荷を軽減に貢献する。 sibuya setagawa

tyuou

meguro minato

sinnetou

ariake

sinagawa tyuubou

tamagawa

oota

対照的な

人工的な直線と

自然から生まれる緩やかな曲線


時間軸と3要素の関係

50 45 40 35 施 30 設 25 数 20 15 10 5 0

清掃工場は設備の老朽化から一定のサイクルで移転と建替えが必要 で、現代版式年造替のような現象を生んできた。 独立するまちの中の機能を連結し、時間軸の中で関係を持たせるこ とで、新しい価値が生まれ 建築の価値が持続していく。

ゴミ処理の流れ

全体計画

清掃工場の耐用年数のグラフ

人の流れ 土の流れ

10  12  14  16  18  20  22  24  26  28  30  32

廃止時の耐用年数

20 years later

10 years later

0 years later Phase 1

Phase 2

60 years later

30 years later

Phase 3

100 years later

Phase 4

コンバージョンされ一部の

清掃工場

コミュニティセンター 利用開始

築山

設備補修工事

稼働開始

道ができる

エネルギーの供給

スラグ利用

機能が工場跡に侵入

建築の寿命 緑地となり残り続ける

多世代に認知され、まちのたまり場に

草木が茂り始め街の緑地公園に

渋谷川沿いの緑と代官山方面の緑を繋げる

渋谷の山に 風景になる

スラグが積み終わり、草木が山を覆う

通常処理されたゴミは東京湾の埋立て地に運ばれ

渋谷の谷底に山ができることで風が流れはじめ、

処理される。しかし建築に最終処分場の機能を付

周辺の温暖化対策や生活環境に寄与する。

清掃工場をがもつ強靭な道路や交通網、水、電力な どのインフラをいかして災害時には帰宅困難者を収

加させることで運搬コストと削減と環境負荷を軽

容し災害拠点となり、煙突と山は目印となり人々を

減に貢献する。

誘導していく。

20 years later 0 years later

稼働停止

30 years later


0 years later

20 years later

まちに溶け込む

ゴミの断面をみる

ゴミの断面をみる

まちに溶け込む

ゴミからできたスラグが積み重なり、消費が顕在化された

図書スペースではまちの日常の風景と清掃工場のテクノスケー

山の断面が見えてくる。人々は日々の消費について考え、体感する。

プが共存した新しい風景が生まれる。

Phase 1

Phase 2

Phase 3

Phase 4

0 years later コンバージョンされ一部の

清掃工場

コミュニティセンター

築山

設備補修工事

稼働開始

利用開始

道ができる

稼働停止

機能が工場跡に侵入

20 years later

エネルギーの供給

スラグ利用

建築の寿命 緑地となり残り続ける

多世代に認知され、まちのたまり場に

草木が茂り始め街の緑地公園に

渋谷川沿いの緑と代官山方面の緑を繋げる

スラグが積み終わり、草木が山を覆う

渋谷の山に 風景になる


30 years later

山を見上げる 災害拠点になる

清掃工場をがもつ強靭な道路や交通網、水、電力などのインフラをいかして災害時には 帰宅困難者を収容し災害拠点となり、煙突と山は目印となり人々を誘導していく。

環境装置になる

山を見上げる

渋谷の谷底に山ができることで風が流れはじめ、周辺の温暖化対策や生活環境に寄与する。

やがて渋谷に小さな山ができる。 子供は山を駆け上がり、観光客にとっては渋谷の展望台になる。 都市の環境装置として緑地によって冷やされた風を流し、災害時には防災拠点となる。

Phase 1

Phase 2

Phase 3

Phase 4

30 years later 清掃工場

設備補修工事

稼働開始

稼働停止 コンバージョンされ一部の 機能が工場跡に侵入

コミュニティセンター

築山

利用開始

道ができる

エネルギーの供給

スラグ利用

建築の寿命 緑地となり残り続ける

多世代に認知され、まちのたまり場に

草木が茂り始め街の緑地公園に

渋谷川沿いの緑と代官山方面の緑を繋げる

スラグが積み終わり、草木が山を覆う

渋谷の山に 風景になる


60 years later

自然を復権する 都市と清掃工場

adati itabasi katusika

kita rikarigaoka nerima tosima

tsumida edogawa

titose

sibuya setagawa

meguro

tyuou minato

ariake

sinagawa

tamagawa

sinnetou

tyuubou

oota

自然を復権する

23区に一定の間隔で配置されている清掃工場を自然を復権する装置

自然は建築を侵食し、人や鳥など様々な生物の憩いの場になる。

として再設計する事で人々の消費は反転し、自然が溢れていく。

渋谷に新たな山が生まれ渋谷の風景となり残り続ける。

Phase 1

Phase 2

Phase 3

Phase 4

コンバージョンされ一部の

清掃工場

設備補修工事

稼働開始

稼働停止

機能が工場跡に侵入

60 years later

コミュニティセンター

築山

利用開始

道ができる

エネルギーの供給

スラグ利用

建築の寿命 緑地となり残り続ける

多世代に認知され、まちのたまり場に

草木が茂り始め街の緑地公園に

渋谷川沿いの緑と代官山方面の緑を繋げる

スラグが積み終わり、草木が山を覆う

渋谷の山に 風景になる


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