Ikebukuro Sports complex
人々の目的が幾重にも重なった、この混沌さこそが池袋らしさなのかもしれない。 私たちは世界の共通言語である「スポーツ」に焦点を当て、多様性を活かしたこの街の今後のあり方について問う。 近年、池袋ではサブカルチャーが成長し、社会全体では企業各社の奮闘によりテクノロジーが著しい進歩を遂げている。これを契機に従来 の「公共スポーツ施設」に「e スポーツ」と「身体研究」という、民間の関与の幅が広いコンテンツを掛け合わせることで、文化発信・健 康促進という二つの側面から街の発展を促す、新たなスポーツ業界のゲートウェイ『スポーツコンプレックス』を提案する。
屋上でプールでは子供が元気に泳ぎ、賑わいが
れている
交差点に開いたパッサージュが街のストリート性を取り込む
建築のボリューム生かしたダイナミックな吹き抜けでボルダリングをする
「身体のスポーツ」の場
<スポーツセンター>
市民憩いの場
<空中公園> 立体的なパッサージュが都市に新たな表情を生む
民間企業との連携で生まれる最先端のスポーツジムが地域住民の健康を促進する
「脳のスポーツ」の場
<eスポーツしアター>
地域住民、来街者、民間企業者が集う空中公園が池袋のダイバーシティーを引き込む
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スポーツ × 池袋
①スポーツの可能性 スポーツは心身の健康保持・増進に大きく寄与するだけでなく、様々な経 済効果を生み出し、地域に大きく貢献してきた。さらに、近年はテクノロジー の進歩によってスポーツが大きく変容してきている。e スポーツはその代表 であり、脳のスポーツとして 2022 年にはその市場規模は 3000 億円にも達 すると見込まれており、全世界で盛り上がりを見せている。
②持続発展都市を目指す池袋 豊島区は、池袋駅周辺地域の都市像の一つとして、持続発展都市を挙げてい る。サブカルチャーやアートによる劇場的な都市が池袋のアイデンティティー を成長・発展させ、都市にサスティナブルな賑わいをもたらすことを目指して いる。
<豊島区持続発展都市>
劇場都市
<本建築>
e スポーツ施設 +
福祉健康増進都市
身体研究・運動施設
教育都市としま
<スポーツSDGsとの関わり> 産業と技術革新の 基盤をつくろう
全ての人に 健康と福祉を
働きがいも 経済成長も
+ スポーツコンプレックスの建設
e スポーツ劇場
研究・運動施設
本施設を起点に街へと展開。
雇用の創出
A:プログラム
B:「スポーツコンプレックス」が育む多角的なメリット
■ スポーツセンター
< 来街者 / 地域住人 >
<行政>
<民間企業>
民間企業の研究施設でありながら市民の運動施設ともなるスポーツセンターを計画す る。本来、大学などで学生を対象に研究を行っている企業が一般市民から生の声を聞き つつデータ収集や商品レビューを収集できる環境とする。これによって、市民は従来の 公共スポーツ施設を超えた最先端の環境で健康維持に努められる。
ロッククライミング
水泳
健康食ダイニング
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< スポーツセンター > × <e スポーツシアター>
ジムトレーニング
研究データを得られる
ストリート性を取り込むパッサージュ建築 structure
C: 官民の連携により担保される事業性
pool bouldering
①行政による文化・健康の器の建設
park
行政はスポコンの建設にかかる費用の支払い及び、施設の運営を 行う。スポーツによる市民の健康促進・地域活性を目的として民間 と連携したイベントなどの企画も行う。
PFl 方式による民間企業の参入によって、従来の公共施設とは異 なる、最先端なスポーツセンターを目指す。また、イベントスペー スやシアターは、民間企業のプロモーションの場として利用でき、 使用時は料金を自治体に支払う。
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敷地特有の複雑で多様な人の流れ を建築内に取り込む。
マッスを欠くように立体的なパッサ ージュを建築内に構築する。
池袋の既存 4 つの公園を繋いで駅周辺の回遊性を向上させる整備計画に続き、5つ目 の公園を提案する。サンシャイン 60 通りの人の流れを眺めながら、両施設の利用者が 一息つける、都心のオアシスを目指す。
子供の遊び場
施設利用者の憩いの場
池袋駅周辺の回遊性向上
他の企業との交流の場
スポーツセンター 利用客 施設利用
①劇場空間を覆うファサードルーバーの検討
③CASBEE に配慮した地域適応型環境システム
透過する光
屋上にプールがあり、夏以外は雨水を貯蓄す ることで、バイオスキン・便所などで利用す ることができる。
抜ける視線
ルーバーの遮光性能検討
サービス対価
サブカルチャーの街である池袋に世界で注目されているe スポーツ大会専用のシアタ ーを計画する。交差点に面したシアターは道と一体になった劇場となり、街に新たなカ ルチャーを発信していく。地域に存在感を放つこの建築は、人だけでなく様々な企業を も引きつけていく。 プレイヤー
スポンサー企業
サブカル目的の来街者
スポンサー検討企業
通りすがりの人々
e スポーツ大会・イベント
人材募集中の企業
池袋に企業が進出
park
グレアの解析
②吹き抜けによる効果的な採光計画の検討
観戦料金
新たな文化によって 街が盛り上げる
劇場性の獲得 街への企業進出の可能性
PR やプロモーション の場となる
透過する光
池袋スポコン
観戦・参加
シアター・イベント 利用客
pool
パラメトリックデザインによるルーバーデザインとその遮光性能検討及び快適性の評価を並行して検討することに より、直射日光を遮りつつストリートと劇場の視線の通るルーバーを実現。
運営
研究データ
民間企業
3つのコアが縦導線を担いながら、 構造的合理性を担保する。
利用料金
最先端技術
■ e スポーツシアター / イベントスペース
パッサージュの影響を受ける多様な空 間によって活動が誘発される。
快適性を追求した環境建築デザイン
<事業スキーム> 最先端技術 ・スポーツジム企業:試作最新器具の導入 ・スポーツ用品企業:試作品の試着・使用 ・栄養食品企業:試飲・試食など
theater
passage
street
敷地に容積率いっぱいのボリューム を立ち上げる。
②民間企業の介入による付加価値の創出 地域住人の健康促進に寄与 最先端の設備・用具を試すことができる
■ 空中公園
③池袋における「スポーツ SDGs」の実現 豊島区の持続発展都市ビジョンのス ポーツによる実現を目指す。池袋の「 ゲーム」というコンテンツが e スポー ツ施設という形で街に劇場性を生み出 し、さらには民間企業の身体研究施設 がスポーツ施設として市民に開かれる ことで、市民・来街者それぞれに豊か な活動フレームを与える。
公共スポーツコンプレックス
道と一体になったeスポーツシアターが街に新たなカルチャーを発信していく
取り込まれる水
テラコッタ製 のパイプ内に 水を通すこと により、発生 する気化熱を 利用し周囲の 温度を下げる ことができる。
行政
建築利用料 ( シアター・イベント ) 地域還元費 ( 売り上げの 0.5%)
導かれる風
スポーツセンター シアター・イベント
バイオスキンを採用
サブプラント 夏:5 月∼ 9 月 12:00-14:00
冬:10 月∼ 3 月 12:00-14:00
豊島清掃工場 ろ過装置 ポンプ 貯水槽
積算日射量シミュレーションの検討
豊島区の地域冷暖房システムを利用し、循環 する水の温度を調節することでエネルギーコ ストを削減する。
hlc-0305