GPICI2015 preview jp (issuu ver)

Page 1

G P I C I 定価 本体 2,300 円 + 税

Gl o b a l P o w er I n n er City I n d ex

INSTITUTE FOR URBAN STRATEGIES, THE MORI MEMORIAL FOUNDATION

WORLD'S TOP COMPANIES

一般財団法人

AIRPORT PERFORMANCE

BUILDINGS OVER 100M IN HEIGHT

PARKS AND GREEN SPACES

LUXURY FASHION BRAND SHOPS

WORLD'S TOP UNIVERSITIES

CONVENTION CENTERS

SUBWAYS AND RAILWAY TRANSIT STATIONS

森記念財団 都市戦略研究所

2 0 1 5 ス ク ッ デ ン イ 力 合 総 心 都 の 界 世


G P I C I Global Power Inner City Index

2 0 1 5


G P I C I Global Power Inner City Index

2 0 1 5


GPI CI CONTENTS 調査の目的 調査方法

6 9

- 対象都市の選定

10

- 対象都市基礎データ

12

- 対象エリア

14

- GPICI 指標

22

- 調査および分析の流れ

23

20 指標 1-1. 人口

26

1-2. 高さ 100m 以上のビル

28

1-3. 世界トップ企業

30

2-1. 世界トップ大学

32

2-2. 劇場・コンサートホール

34

2-3. 美術館・博物館

36

2-4. スタジアム

38

3-1. コンベンション・センター

40

3-2. インターナショナル・スクール

42

3-3. 大使館・領事館

44

4-1. ラグジュアリーホテル

46

4-2. 世界トップ・レストラン

48

4-3. ラグジュアリーファッションブランド・ショップ

50

5-1. 大規模ショッピング・センター

52

5-2. 総合病院

54

5-3. 公園・緑地

56

6-1. 駅 ( 地下鉄・鉃道 )

58

6-2. 高速道路

60

6-3. 空港 ( アクセス・利便性 )

62

6-4. 空港 ( キャパシティ・実績 )

64

分析 - 都心の総合力比較

70

- 各都心の強み・弱み

72

- 5km 圏と10km 圏の比較

76

結論 - 都心のパワー

80

付録

85


GPI CI CONTENTS 調査の目的 調査方法

6 9

- 対象都市の選定

10

- 対象都市基礎データ

12

- 対象エリア

14

- GPICI 指標

22

- 調査および分析の流れ

23

20 指標 1-1. 人口

26

1-2. 高さ 100m 以上のビル

28

1-3. 世界トップ企業

30

2-1. 世界トップ大学

32

2-2. 劇場・コンサートホール

34

2-3. 美術館・博物館

36

2-4. スタジアム

38

3-1. コンベンション・センター

40

3-2. インターナショナル・スクール

42

3-3. 大使館・領事館

44

4-1. ラグジュアリーホテル

46

4-2. 世界トップ・レストラン

48

4-3. ラグジュアリーファッションブランド・ショップ

50

5-1. 大規模ショッピング・センター

52

5-2. 総合病院

54

5-3. 公園・緑地

56

6-1. 駅 ( 地下鉄・鉃道 )

58

6-2. 高速道路

60

6-3. 空港 ( アクセス・利便性 )

62

6-4. 空港 ( キャパシティ・実績 )

64

分析 - 都心の総合力比較

70

- 各都心の強み・弱み

72

- 5km 圏と10km 圏の比較

76

結論 - 都心のパワー

80

付録

85


Objective

調査の目的

GPICI 05


Objective

調査の目的

GPICI 05


調査の目的

Objective

都心では、オフィス、住宅、商業、教育、文化、緑地などのさまざまな 施設や空間、都市機能が高度に集積しているだけでなく、道路や鉄道な どの交通アクセスも都心へのアクセスという観点で形作られていること が多い。 世界の都市の競争力を測る上で、都市に関するランキングは既にいくつ か存在する。しかし、都心に限定して世界の主要都市について調査・研 究した都市ランキングは現在のところ見当たらない。 そ こ で、 「世 界 の 都 心 総 合 力 イ ン デ ッ ク ス」(Global Power Inner City Index)では、 都市の中心点から 5km、10km圏を都心と定め、各都心の「強 み」「弱み」、魅力や課題を明らかにすることを目的として、世界の主要 8 都市における「都心の総合力」を調査・分析した。

0-5 km 0-10 km

WORLD

世界では熾烈な都市間競争が繰り広げられている。そのすべての都市に おいて、 “都心”と呼ばれる各都市の競争力の源泉となるエリアが存在する。

20

Objective

調査の目的

5km

10km

世界の都心総合力インデックス(GPICI)の特徴 「都心の総合力」 を調査・分析している。 1. 世界の 主要 8都市の )および半径10 Km 圏(以 2. 半径5km 圏(以下「5km 圏」 下「10 km 圏」 )それぞれのエリアで、調査している。 3. 「都心の総合力」を 6 分野、20 指標で評価している。 4. 指標ごとにデータを地図上にプロットし、都市機能の分布 状況を明らかにしている。 5. 各都心の強みや弱みを示し、魅力や克服すべき課題を明 らかにしている。

06 GPICI

INNER

CITY GPICI 07


調査の目的

Objective

都心では、オフィス、住宅、商業、教育、文化、緑地などのさまざまな 施設や空間、都市機能が高度に集積しているだけでなく、道路や鉄道な どの交通アクセスも都心へのアクセスという観点で形作られていること が多い。 世界の都市の競争力を測る上で、都市に関するランキングは既にいくつ か存在する。しかし、都心に限定して世界の主要都市について調査・研 究した都市ランキングは現在のところ見当たらない。 そ こ で、 「世 界 の 都 心 総 合 力 イ ン デ ッ ク ス」(Global Power Inner City Index)では、 都市の中心点から 5km、10km圏を都心と定め、各都心の「強 み」「弱み」、魅力や課題を明らかにすることを目的として、世界の主要 8 都市における「都心の総合力」を調査・分析した。

0-5 km 0-10 km

WORLD

世界では熾烈な都市間競争が繰り広げられている。そのすべての都市に おいて、 “都心”と呼ばれる各都市の競争力の源泉となるエリアが存在する。

20

Objective

調査の目的

5km

10km

世界の都心総合力インデックス(GPICI)の特徴 「都心の総合力」 を調査・分析している。 1. 世界の 主要 8都市の )および半径10 Km 圏(以 2. 半径5km 圏(以下「5km 圏」 下「10 km 圏」 )それぞれのエリアで、調査している。 3. 「都心の総合力」を 6 分野、20 指標で評価している。 4. 指標ごとにデータを地図上にプロットし、都市機能の分布 状況を明らかにしている。 5. 各都心の強みや弱みを示し、魅力や克服すべき課題を明 らかにしている。

06 GPICI

INNER

CITY GPICI 07


Methodology

調査方法

GPICI 09


Methodology

調査方法

GPICI 09


対象都市の選定

Methodology 調査方法

Seoul

Target Cities

本調査における分析対象都市は、以下の8都市である。 ■

ニ ュ ー ヨー ク

ロンドン

パリ

東京

シ ン ガ ポー ル

香港

ソウル

上海

Hong Kong

森記念財団都市戦略研究所が毎年発表している「世界の都市総合力ランキ ング(Global Power City Index , GPCI)」の2008年~2015年で上位4

Tokyo

位にランクインし続けているニューヨーク、ロンドン、パリ、東京の4都市 およびアジアにおける東京のライバル都市という観点から、シンガポール、

Paris

香港、ソウルおよび上海の4都市を選定した。

London

New York

Singapore

10 GPICI

Shanghai

GPICI 11


対象都市の選定

Methodology 調査方法

Seoul

Target Cities

本調査における分析対象都市は、以下の8都市である。 ■

ニ ュ ー ヨー ク

ロンドン

パリ

東京

シ ン ガ ポー ル

香港

ソウル

上海

Hong Kong

森記念財団都市戦略研究所が毎年発表している「世界の都市総合力ランキ ング(Global Power City Index , GPCI)」の2008年~2015年で上位4

Tokyo

位にランクインし続けているニューヨーク、ロンドン、パリ、東京の4都市 およびアジアにおける東京のライバル都市という観点から、シンガポール、

Paris

香港、ソウルおよび上海の4都市を選定した。

London

New York

Singapore

10 GPICI

Shanghai

GPICI 11


対象都市の基礎データ

Methodology 調査方法

Basic Data of Target Cities New York

対象都市の行政区域における基礎データとして、面積、人口、人口密度

London

Singapore

Hong Kong

を整理した。各都市における対象範囲は以下の通りである。

[ 人口 ] 面積と同様、上海(2,410万人)の人口が8都市中で最も多く、パリ(22 0万人)の人口が最も少ない。しかし、人口比は 11 倍と、面積差(6 0 倍)

ニ ュ ー ヨ ー ク : ニ ュ ー ヨーク市

ロンドン

: ロ ン ド ン市 ( グレーター・ロンドン )

パリ

: パリ市

あるが、その数は上海の半分以下である。東京(910 万人)は、ソウル

東京

: 東京 23 区

の後に続いている。

シ ン ガ ポ ー ル : シ ン ガ ポール共和国

香港

: 香 港 特 別行政区

ソウル

: ソウル市

上海

: 上海市

ほどの開きはない。世界都市の中でも上海はトップクラスの人口規模で ある。8 都 市 の中 で 上海の次に人口が多いのはソウル(1,030 万人)で

人口 0

5

10

15

20

25 (百万)

New York

灰色で示された地図は、各都市の行政区域を示しており、2 つの同心円は、

8.4 8.4

London

それぞれ本調査の対象である 5km 圏、10km 圏の範囲を示している。

Paris

2.2

Tokyo

9.1

Singapore

5.4

Hong Kong

7.2

Seoul

10.3

Shanghai

24.1

[ 面積 ] 対象 8 都市の中では、上海の面積(6,341 km² )が極めて大きいことが わかる。逆に、パリの面積(105 km²)は極めて小さく、上海はパリの約

Paris

60 倍の面積を有する。

Tokyo

Seoul

Shanghai

[ 人口密度 ] 人口密度はパリ(21,265 人 / km²)が最も高く、上海(3,809 人 /

上海、パリ、ロンドン(1,572 km²) 、香港(1,106 km²)以外の 4 都

km²)が最も低い。パリは、面積は小さいながらも、多くの人が居住し

市については、ニューヨーク(784 km²)とシンガポール(718 km²) 、

ていることがわかる。上海は面積が極めて大きいため、人口密度は低いが、

東京(627 km²)とソウル(605 km²)がそれぞれ同程度の面積である

p.27 でわかる通り、中心部の人口密度は高い。

ことがわかる。

人口密度

面積 0

1,000

New York

Tokyo Singapore

Shanghai

12 GPICI

4,000

5,000

0

6,000 (km2)

5,000

10,000

New York London

1,572

15,000

20,000

10,833 21,265

Tokyo

627

14,693

Singapore

718

7,615

Hong Kong

1,106

6,690

Seoul

605 6,341

Shanghai

25,000 (人 /km2)

5,491

Paris

105

Hong Kong Seoul

3,000

784

London Paris

2,000

17,134 3,809

GPICI 13


対象都市の基礎データ

Methodology 調査方法

Basic Data of Target Cities New York

対象都市の行政区域における基礎データとして、面積、人口、人口密度

London

Singapore

Hong Kong

を整理した。各都市における対象範囲は以下の通りである。

[ 人口 ] 面積と同様、上海(2,410万人)の人口が8都市中で最も多く、パリ(22 0万人)の人口が最も少ない。しかし、人口比は 11 倍と、面積差(6 0 倍)

ニ ュ ー ヨ ー ク : ニ ュ ー ヨーク市

ロンドン

: ロ ン ド ン市 ( グレーター・ロンドン )

パリ

: パリ市

あるが、その数は上海の半分以下である。東京(910 万人)は、ソウル

東京

: 東京 23 区

の後に続いている。

シ ン ガ ポ ー ル : シ ン ガ ポール共和国

香港

: 香 港 特 別行政区

ソウル

: ソウル市

上海

: 上海市

ほどの開きはない。世界都市の中でも上海はトップクラスの人口規模で ある。8 都 市 の中 で 上海の次に人口が多いのはソウル(1,030 万人)で

人口 0

5

10

15

20

25 (百万)

New York

灰色で示された地図は、各都市の行政区域を示しており、2 つの同心円は、

8.4 8.4

London

それぞれ本調査の対象である 5km 圏、10km 圏の範囲を示している。

Paris

2.2

Tokyo

9.1

Singapore

5.4

Hong Kong

7.2

Seoul

10.3

Shanghai

24.1

[ 面積 ] 対象 8 都市の中では、上海の面積(6,341 km² )が極めて大きいことが わかる。逆に、パリの面積(105 km²)は極めて小さく、上海はパリの約

Paris

60 倍の面積を有する。

Tokyo

Seoul

Shanghai

[ 人口密度 ] 人口密度はパリ(21,265 人 / km²)が最も高く、上海(3,809 人 /

上海、パリ、ロンドン(1,572 km²) 、香港(1,106 km²)以外の 4 都

km²)が最も低い。パリは、面積は小さいながらも、多くの人が居住し

市については、ニューヨーク(784 km²)とシンガポール(718 km²) 、

ていることがわかる。上海は面積が極めて大きいため、人口密度は低いが、

東京(627 km²)とソウル(605 km²)がそれぞれ同程度の面積である

p.27 でわかる通り、中心部の人口密度は高い。

ことがわかる。

人口密度

面積 0

1,000

New York

Tokyo Singapore

Shanghai

12 GPICI

4,000

5,000

0

6,000 (km2)

5,000

10,000

New York London

1,572

15,000

20,000

10,833 21,265

Tokyo

627

14,693

Singapore

718

7,615

Hong Kong

1,106

6,690

Seoul

605 6,341

Shanghai

25,000 (人 /km2)

5,491

Paris

105

Hong Kong Seoul

3,000

784

London Paris

2,000

17,134 3,809

GPICI 13


対象エリア

Methodology 調査方法

が本調査で設定した中心点である。内側の円が中心点から5km圏を示しており、外側の円が10km圏を示している。この2つの圏域を対象エリアとしている。

Target Area

New York

London

ブロンクス ヤンキー・スタジアム

ハッケンサック・メドーランズ野生動物保護区

メットライフ・スタジアム

ハムステッド・ヒース

ハーレム コロンビア大学

ハドソン川

クイーン・エリザベス・ オリンピック・パーク

アッパー・ ウエスト・サイド

リージェンツ・パーク

セントラル・パーク

ヴィクトリア・パーク キングス・クロス駅

メトロポリタン美術館 ラガーディア空港

リンカーン・センター

ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン 大英博物館

ソーホー

ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス セント・ポール大聖堂

パディントン ニューヨーク近代美術館 ロックフェラー・センター

タイムズ・スクエア

ハドソン・ヤーズ

マディソン・ スクエア・ガーデン

チェルシー ペンシルヴァニア ステーション

グランド・セントラル駅 国際連合本部ビル

ノッティングヒル

クィーンズ

エンパイア・ステート・ ビルディング

グリニッチ・ ビレッジ

トラファルガー広場

ロンドン・アイ

ケンジントン・ガーデンズ ロイヤル・アルバート・ホール

ハロッズ

バッキンガム宮殿

国会議事堂

イングランド銀行 テート・モダン

タワー・ブリッジ

ザ・シャード

カナリー・ワーフ テムズ川

バターシー発電所

ニューヨーク大学

ソーホー

セントラル・パーク

ピカデリーサーカス ナショナル・ギャラリー

ウェストミンスター

マンハッタン ニューポート

ハイド・パーク

シティ

イーストエンド

グリニッジ天文台

イースト川

バッキンガム宮殿

ウィリアムズバーグ ワールド・トレード・センター

リバティ州立公園

スタッテン・ アイランド

タイムズ・スクエア

14 GPICI

ブルックリン・ブリッジ バッテリー・パーク

ブルックリン 自由の女神

タワー・ブリッジ

GPICI 15


対象エリア

Methodology 調査方法

が本調査で設定した中心点である。内側の円が中心点から5km圏を示しており、外側の円が10km圏を示している。この2つの圏域を対象エリアとしている。

Target Area

New York

London

ブロンクス ヤンキー・スタジアム

ハッケンサック・メドーランズ野生動物保護区

メットライフ・スタジアム

ハムステッド・ヒース

ハーレム コロンビア大学

ハドソン川

クイーン・エリザベス・ オリンピック・パーク

アッパー・ ウエスト・サイド

リージェンツ・パーク

セントラル・パーク

ヴィクトリア・パーク キングス・クロス駅

メトロポリタン美術館 ラガーディア空港

リンカーン・センター

ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン 大英博物館

ソーホー

ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス セント・ポール大聖堂

パディントン ニューヨーク近代美術館 ロックフェラー・センター

タイムズ・スクエア

ハドソン・ヤーズ

マディソン・ スクエア・ガーデン

チェルシー ペンシルヴァニア ステーション

グランド・セントラル駅 国際連合本部ビル

ノッティングヒル

クィーンズ

エンパイア・ステート・ ビルディング

グリニッチ・ ビレッジ

トラファルガー広場

ロンドン・アイ

ケンジントン・ガーデンズ ロイヤル・アルバート・ホール

ハロッズ

バッキンガム宮殿

国会議事堂

イングランド銀行 テート・モダン

タワー・ブリッジ

ザ・シャード

カナリー・ワーフ テムズ川

バターシー発電所

ニューヨーク大学

ソーホー

セントラル・パーク

ピカデリーサーカス ナショナル・ギャラリー

ウェストミンスター

マンハッタン ニューポート

ハイド・パーク

シティ

イーストエンド

グリニッジ天文台

イースト川

バッキンガム宮殿

ウィリアムズバーグ ワールド・トレード・センター

リバティ州立公園

スタッテン・ アイランド

タイムズ・スクエア

14 GPICI

ブルックリン・ブリッジ バッテリー・パーク

ブルックリン 自由の女神

タワー・ブリッジ

GPICI 15


GPICI 指標

調査および分析の流れ

Indicators

「都心の総合力」の評価にあたり、まずは、都心における主要な要素を、

Methodology 調査方法

Flow of Research

「都心の総合力」の調査及び分析の流れは、以下の通りである。

6分野設定した。 : 活動を生み出す力があること

2.

文化 (Culture)

: 文化的であること

3.

交流(Interactivity)

: 多様な人同士の接触があること

4.

高級感(Luxury)

: 高級感があること

5.

アメニティ(Amenity) : 便利で快適であること

6.

モビリティ(Mobility) : 移動しやすいこと

1. データの収集

1

高さ100m以上のビル 世界トップ企業

活力(Vitality) 1-1. 人口 1-2. 高さ100m以上のビル 1-3. 世界トップ企業

文化(Culture) 2-1. 世界トップ大学 2-2. 劇場・コンサートホール 2-3. 美術館・博物館 2-4. スタジアム

3.

4.

交流(Interactivity)

5.

モビリティ(Mobility)

22 GPICI

5㎞圏スコア

3. 対象エリア外のデータの除外 2. で作成した地図をもとに、10km 圏外に位置するデータを対象から外した。

4. 各指標の合計値の算出

駅(地下鉄・鉃道)

対象都市において収集された各指標データの 5km 圏、10km 圏の合計値を

劇場・コンサートホール

高速道路

算出した。また、その結果をグラフ化し、都市間で比較した。

美術館・博物館

空港(アクセス・利便性)

スタジアム

空港(キャパシティ・実績)

10km

3

5. 各指標のスコアの算出 各指標を共通の基準で評価するため、4. で算出した 5km 圏、10km 圏の合 計値を指数化した。指数化にあたっては、対象 8 都市の中で、合計値がもっ

5km

Center of the City

交流 Interactivity

大使館・領事館

6-1. 駅(地下鉄・鉄道) 6-2. 高速道路 6-3. 空港(アクセス・利便性) 6-4. 空港(キャパシティ・実績)

Mobility

対象都市ごとに 1. で収集したデータの緯度・経度を調べ、マッピングした。

世界トップ大学

高級感(Luxury)

アメニティ(Amenity)

モビリティ

6

Culture

コンベンション・センター

5-1. 大規模ショッピング・センター 5-2. 総合病院 5-3. 公園・緑地

6.

文化

3-1. コンベンション・センター 3-2. インターナショナル・スクール 3-3. 大使館・領事館 4-1. ラグジュアリーホテル 4-2. 世界トップ・レストラン 4-3. ラグジュアリーファッションブランド・ショップ

2. 収集したデータのマッピング

2

から、次の20指標を設定した。

2.

した。データ収集にあたっては、可能な限り最新のデータを取得した。

Vitality

人口

次に、その6分野を適切に評価するために、特に、 「機能の集積」という観点

1.

活力

8 つの対象都市について、P.22 に記載の 20 指標に対応するデータを収集

活力(Vitality)

1.

とも大きいデータ値(最大値)を 100(スコア値)として、その最大値と

5

100(スコア値)の比率を他都市のデータ値に乗ずることで、対象 8 都市

アメニティ

の各指標のスコアを算出した。

Amenity

6. 総合ランキングの作成

大規模ショッピング・センター

5. で算出された全 20 指標のスコアを 5km 圏、10km 圏で合計し、これ

総合病院

インターナショナル・スクール

らをもとに都心を順位づけし、都心の総合力ランキングとした。

公園•緑地

4

高級感 Luxury

ラグジュアリーホテル

7. 各都心の強み・弱みの分析 5. で算出された全 20 指標のスコアから、5km 圏、10km 圏の各指標の

10㎞圏スコア

偏差値を算出し、各都心の強みおよび弱みを明らかにした。

8. 5km 圏と 10km圏の比較

世界トップ・レストラン

7. で算出された偏差値を用いて、5km 圏および 10km 圏の都心の力を、

ラグジュアリーファッションブランド・ショップ

レーダーチャートを用いて比較した。

(注記)GPICI 2015 は、GPICI 2010 で定めた調査方法および作成手順を踏襲しているが、 各指標の定義およびデータソースを部分的に見直すとともに、最新のデータの収集を行った。

GPICI 23


GPICI 指標

調査および分析の流れ

Indicators

「都心の総合力」の評価にあたり、まずは、都心における主要な要素を、

Methodology 調査方法

Flow of Research

「都心の総合力」の調査及び分析の流れは、以下の通りである。

6分野設定した。 : 活動を生み出す力があること

2.

文化 (Culture)

: 文化的であること

3.

交流(Interactivity)

: 多様な人同士の接触があること

4.

高級感(Luxury)

: 高級感があること

5.

アメニティ(Amenity) : 便利で快適であること

6.

モビリティ(Mobility) : 移動しやすいこと

1. データの収集

1

高さ100m以上のビル 世界トップ企業

活力(Vitality) 1-1. 人口 1-2. 高さ100m以上のビル 1-3. 世界トップ企業

文化(Culture) 2-1. 世界トップ大学 2-2. 劇場・コンサートホール 2-3. 美術館・博物館 2-4. スタジアム

3.

4.

交流(Interactivity)

5.

モビリティ(Mobility)

22 GPICI

5㎞圏スコア

3. 対象エリア外のデータの除外 2. で作成した地図をもとに、10km 圏外に位置するデータを対象から外した。

4. 各指標の合計値の算出

駅(地下鉄・鉃道)

対象都市において収集された各指標データの 5km 圏、10km 圏の合計値を

劇場・コンサートホール

高速道路

算出した。また、その結果をグラフ化し、都市間で比較した。

美術館・博物館

空港(アクセス・利便性)

スタジアム

空港(キャパシティ・実績)

10km

3

5. 各指標のスコアの算出 各指標を共通の基準で評価するため、4. で算出した 5km 圏、10km 圏の合 計値を指数化した。指数化にあたっては、対象 8 都市の中で、合計値がもっ

5km

Center of the City

交流 Interactivity

大使館・領事館

6-1. 駅(地下鉄・鉄道) 6-2. 高速道路 6-3. 空港(アクセス・利便性) 6-4. 空港(キャパシティ・実績)

Mobility

対象都市ごとに 1. で収集したデータの緯度・経度を調べ、マッピングした。

世界トップ大学

高級感(Luxury)

アメニティ(Amenity)

モビリティ

6

Culture

コンベンション・センター

5-1. 大規模ショッピング・センター 5-2. 総合病院 5-3. 公園・緑地

6.

文化

3-1. コンベンション・センター 3-2. インターナショナル・スクール 3-3. 大使館・領事館 4-1. ラグジュアリーホテル 4-2. 世界トップ・レストラン 4-3. ラグジュアリーファッションブランド・ショップ

2. 収集したデータのマッピング

2

から、次の20指標を設定した。

2.

した。データ収集にあたっては、可能な限り最新のデータを取得した。

Vitality

人口

次に、その6分野を適切に評価するために、特に、 「機能の集積」という観点

1.

活力

8 つの対象都市について、P.22 に記載の 20 指標に対応するデータを収集

活力(Vitality)

1.

とも大きいデータ値(最大値)を 100(スコア値)として、その最大値と

5

100(スコア値)の比率を他都市のデータ値に乗ずることで、対象 8 都市

アメニティ

の各指標のスコアを算出した。

Amenity

6. 総合ランキングの作成

大規模ショッピング・センター

5. で算出された全 20 指標のスコアを 5km 圏、10km 圏で合計し、これ

総合病院

インターナショナル・スクール

らをもとに都心を順位づけし、都心の総合力ランキングとした。

公園•緑地

4

高級感 Luxury

ラグジュアリーホテル

7. 各都心の強み・弱みの分析 5. で算出された全 20 指標のスコアから、5km 圏、10km 圏の各指標の

10㎞圏スコア

偏差値を算出し、各都心の強みおよび弱みを明らかにした。

8. 5km 圏と 10km圏の比較

世界トップ・レストラン

7. で算出された偏差値を用いて、5km 圏および 10km 圏の都心の力を、

ラグジュアリーファッションブランド・ショップ

レーダーチャートを用いて比較した。

(注記)GPICI 2015 は、GPICI 2010 で定めた調査方法および作成手順を踏襲しているが、 各指標の定義およびデータソースを部分的に見直すとともに、最新のデータの収集を行った。

GPICI 23


20 Indicators

20指標

1-1. 人口 1-2. 高さ 100m 以上のビル 1-3. 世界トップ企業 2-1. 世界トップ大学 2-2. 劇場・コンサートホール 2-3. 美術館・博物館 2-4. スタジアム 3-1. コンベンション・センター 3-2. インターナショナル・スクール 3-3. 大使館・領事館 4-1. ラグジュアリーホテル 4-2. 世界トップ・レストラン 4-3. ラグジュアリーファッションブランド・ショップ 5-1. 大規模ショッピング・センター 5-2. 総合病院 5-3. 公園・緑地 6-1. 駅 ( 地下鉄・鉃道 ) 6-2. 高速道路 6-3. 空港 ( アクセス・利便性 ) 6-4. 空港 ( キャパシティ・実績 ) ※地図上にプロットしている点は、重なるほど濃く表示されている。

GPICI 25


20 Indicators

20指標

1-1. 人口 1-2. 高さ 100m 以上のビル 1-3. 世界トップ企業 2-1. 世界トップ大学 2-2. 劇場・コンサートホール 2-3. 美術館・博物館 2-4. スタジアム 3-1. コンベンション・センター 3-2. インターナショナル・スクール 3-3. 大使館・領事館 4-1. ラグジュアリーホテル 4-2. 世界トップ・レストラン 4-3. ラグジュアリーファッションブランド・ショップ 5-1. 大規模ショッピング・センター 5-2. 総合病院 5-3. 公園・緑地 6-1. 駅 ( 地下鉄・鉃道 ) 6-2. 高速道路 6-3. 空港 ( アクセス・利便性 ) 6-4. 空港 ( キャパシティ・実績 ) ※地図上にプロットしている点は、重なるほど濃く表示されている。

GPICI 25


1-2. 高さ100m 以上のビル Buildings Over 100m in Height 都市の活力を物語る高層ビル群

20 Indicators

New York

London

Singapore

20指標

Hong Kong 活力

「高さ100m以上のビル」の数が多ければ、多くの人たちがその地域で住ま い、働き、あるいは滞在することができる。都市によって高さ規制が存在す るが、高層ビルの数はその都市の活力のひとつの表われであるといえる。

圧倒的な数の高層ビルを有する香港 文化

高さ100m以上のビル数のグラフをみてみると、5km圏、10km圏ともに、 香港、ニューヨーク、上海の順で多いことがわかる。用途別にみてみると、 香港、シンガポールは3分の2以上が住宅で、ニューヨークと東京、上海は オフィスが2分の1を占める。

交流

New York

ニューヨークは、マンハッタン島のミッドタウンで圧倒的な集積がある。ま た、ロウアー・マンハッタンにも高層ビル群がある。

London

高さ100m以上のビル数 0

Paris

ロンドンに次いでパリも高層ビルが少ない。ビジネスセンターであるラ・デ ファンスと 13区、15区において若干の集積がみられる。

Tokyo

Singapore

シンガポールは、オフィス街であるラッフルズ・プレイス、買い物の中心地で あるオーチャード・ロードに高い集積がみられるが、それ以外のエリアでも、 5km圏に比較的広く分布している。

Paris

Tokyo

Seoul

Shanghai

0-5km

0

1,200

1,000

1,200

(棟)

5-10km

200

400

600

800

(棟)

New York London Paris Tokyo Singapore Hong Kong Seoul Shanghai Hotel

28 GPICI

1,000

高さ100m以上のビル 用途 (10km 圏 )

Seoul

上海は、南京東路(ナンジンドンルー )・南京西路(ナンジンシールー )周辺、 国際金融センターを目指す陸家嘴(ルージャーズイ)地区、虹橋(ホンチャオ)空 港からアクセスの良いビジネス地区である虹橋に高さ100m以上のビルが集 まっている。浦東新区(プードン)においてはメインストリートである世紀大道 の周辺に集積がある。

800

モビリティ

香港は 8 都市の中で最も 100m 以上のビル数が多く、分布としては、ビクト リア湾を望む香港島北側沿岸部の上環 ( シェンワン ) から銅鑼灣 ( コーズウェ イベイ ) 区間に高い集積があり、尖沙咀(チムサーチョイ)、觀塘 ( クントン ) 駅 周辺、大角咀(タイコクツイ)など九龍側もスポット的に集積がある。

Shanghai

600

New York London Paris Tokyo Singapore Hong Kong Seoul Shanghai

Hong Kong

ソウルはアジア都市の中で一番数が少ない。江南(カンナム)では、江南駅から 三成(サムソン)駅までを結ぶテヘラン路に集積が高い。江北(カンブッ)では、 ソウル市庁、光化門(クァンファムン)駅、孔徳(コンドッ)駅周辺に集積がみら れる。また、汝矣島 (ヨイド )にも高層ビル群がある。

400

アメニティ

東京は0-5km圏と5-10km圏の数がほぼ同数であることが特徴的である。分布 としては、5km圏では、大手町・丸の内・有楽町、新橋、虎ノ門、汐留で集積が みられる。5-10km圏では、新宿副都心と品川・大崎において集積がみられる。

200

高級感

ロンドンは 100m 以上のビル数が 8 都市の中で最も少ない。近年、超高層ビ ルが増えてきている金融街シティと、東部のドックランズに位置する新金融 街カナリー・ワーフに若干の集積がみられる程度である。

Office

Commercial

Residence

Others/mixed

GPICI 29


1-2. 高さ100m 以上のビル Buildings Over 100m in Height 都市の活力を物語る高層ビル群

20 Indicators

New York

London

Singapore

20指標

Hong Kong 活力

「高さ100m以上のビル」の数が多ければ、多くの人たちがその地域で住ま い、働き、あるいは滞在することができる。都市によって高さ規制が存在す るが、高層ビルの数はその都市の活力のひとつの表われであるといえる。

圧倒的な数の高層ビルを有する香港 文化

高さ100m以上のビル数のグラフをみてみると、5km圏、10km圏ともに、 香港、ニューヨーク、上海の順で多いことがわかる。用途別にみてみると、 香港、シンガポールは3分の2以上が住宅で、ニューヨークと東京、上海は オフィスが2分の1を占める。

交流

New York

ニューヨークは、マンハッタン島のミッドタウンで圧倒的な集積がある。ま た、ロウアー・マンハッタンにも高層ビル群がある。

London

高さ100m以上のビル数 0

Paris

ロンドンに次いでパリも高層ビルが少ない。ビジネスセンターであるラ・デ ファンスと 13区、15区において若干の集積がみられる。

Tokyo

Singapore

シンガポールは、オフィス街であるラッフルズ・プレイス、買い物の中心地で あるオーチャード・ロードに高い集積がみられるが、それ以外のエリアでも、 5km圏に比較的広く分布している。

Paris

Tokyo

Seoul

Shanghai

0-5km

0

1,200

1,000

1,200

(棟)

5-10km

200

400

600

800

(棟)

New York London Paris Tokyo Singapore Hong Kong Seoul Shanghai Hotel

28 GPICI

1,000

高さ100m以上のビル 用途 (10km 圏 )

Seoul

上海は、南京東路(ナンジンドンルー )・南京西路(ナンジンシールー )周辺、 国際金融センターを目指す陸家嘴(ルージャーズイ)地区、虹橋(ホンチャオ)空 港からアクセスの良いビジネス地区である虹橋に高さ100m以上のビルが集 まっている。浦東新区(プードン)においてはメインストリートである世紀大道 の周辺に集積がある。

800

モビリティ

香港は 8 都市の中で最も 100m 以上のビル数が多く、分布としては、ビクト リア湾を望む香港島北側沿岸部の上環 ( シェンワン ) から銅鑼灣 ( コーズウェ イベイ ) 区間に高い集積があり、尖沙咀(チムサーチョイ)、觀塘 ( クントン ) 駅 周辺、大角咀(タイコクツイ)など九龍側もスポット的に集積がある。

Shanghai

600

New York London Paris Tokyo Singapore Hong Kong Seoul Shanghai

Hong Kong

ソウルはアジア都市の中で一番数が少ない。江南(カンナム)では、江南駅から 三成(サムソン)駅までを結ぶテヘラン路に集積が高い。江北(カンブッ)では、 ソウル市庁、光化門(クァンファムン)駅、孔徳(コンドッ)駅周辺に集積がみら れる。また、汝矣島 (ヨイド )にも高層ビル群がある。

400

アメニティ

東京は0-5km圏と5-10km圏の数がほぼ同数であることが特徴的である。分布 としては、5km圏では、大手町・丸の内・有楽町、新橋、虎ノ門、汐留で集積が みられる。5-10km圏では、新宿副都心と品川・大崎において集積がみられる。

200

高級感

ロンドンは 100m 以上のビル数が 8 都市の中で最も少ない。近年、超高層ビ ルが増えてきている金融街シティと、東部のドックランズに位置する新金融 街カナリー・ワーフに若干の集積がみられる程度である。

Office

Commercial

Residence

Others/mixed

GPICI 29


Analysis

分析

GPICI 69


Analysis

分析

GPICI 69


都心の総合力比較

Analysis

分析

Comparison of Inner Citie’s Comprehensive Power

「世界の都心総合力インデックス(GPICI)」の総合ランキング結果は、右図の

5km圏

10km圏

とおりである。5km 圏では香港、東京、パリがランキングの上位を形成し ている。そして、ニューヨーク、ロンドン、シンガポール、上海、ソウルが これに続いている。10km 圏では、東京およびパリが上位に位置している。 また、大都市圏を有するロンドンとニューヨークがスコアを伸ばし香港と肩

0

200

400

600

800

1,000

1,200

0

1,400

200

400

600

800

1,000

1,200

1,400

を並べている。 5km 圏で 1 位 (10km 圏で 3 位) となった香港は、 5km 圏、 10km 圏ともに、

New York

New York

London

London

Paris

Paris

Tokyo

Tokyo

Singapore

Singapore

「ラグジュアリーファッションブランド・ショップ」 、 「大規模ショッピング・ センター」 において極めて高い評価を得た。これに加えて他の都市よりも、 「高 さ100m 以上のビル」および「インターナショナル・スクール」 「 、公園・緑地」 のスコアも高い。緑地が多く高密度に集積した国際都市である香港ならでは の結果である。 10km 圏で 1 位 (5km 圏で 2 位) となった東京は、 5km 圏、 10km 圏ともに、 「世界トップ企業」および「世界トップ・レストラン」 「 、高速道路」 「 、駅(地下鉄・ 鉄道) 」の評価が高い。すなわち東京都心には、世界のトップ企業が本社を 構えつつも、高級レストランも多く立地しており、さらに十分に交通インフ ラが整備されているといえる。10km 圏では、 これに加えて 「総合病院」 や 「大 規模ショッピング・センター」など居住に関する機能集積でも強さをみせて いる。 パリは、5km 圏で 3 位、10km 圏で 2 位と、香港、東京と同様に、高い都

Hong Kong

Hong Kong

Seoul

Seoul

Shanghai

Shanghai

心力を有しているといえる。5km 圏、 10km 圏ともに「人口」 「 、コンベンショ ン・センター」 、 「駅(地下鉄・鉄道) 」 、 「美術館・博物館」で高いスコアを 得ており、経済や居住に関する一定の都市機能の集積に加え、世界有数の観 光都市であるパリらしく、文化施設が都心に集積していることが読み取れる。 ロンドン、ニューヨークについては、5km 圏も10km 圏も 4 位もしくは 5 位という結果であった。また、アジア都市のうち、シンガポール、ソウル、 上海は、5km 圏、10km 圏ともに、下位を形成している。当該アジア 3 都 市に共通する弱みは、 「世界トップ企業」 、 「総合病院」 、 「劇場・コンサートホー ル」であった。

70 GPICI

1. 活力

1-1. 人口

1-2. 高さ100m 以上のビル

1-3. 世界トップ企業

1. 活力

1-1. 人口

1-2. 高さ100m 以上のビル

1-3. 世界トップ企業

2. 文化

2-1. 世界トップ大学

2-2. 劇場・コンサートホール

2-3. 美術館・博物館

2. 文化

2-1. 世界トップ大学

2-2. 劇場・コンサートホール

2-3. 美術館・博物館

3. 交流

3-1. コンベンション・センター

3-2. インターナショナル・スクール

3-3. 大使館・領事館

3. 交流

3-1. コンベンション・センター

3-2. インターナショナル・スクール

3-3. 大使館・領事館

4. 高級感

4-1. ラグジュアリーホテル

5. アメニティ:

5-1. 大規模ショッピング・センター

4-2. 世界トップ・レストラン

4-3. ラグジュアリーファッションブランド・ショップ

4. 高級感

4-1. ラグジュアリーホテル

4-2. 世界トップ・レストラン

4-3. ラグジュアリーファッションブランド・ショップ

5-2. 総合病院

5-3. 公園・緑地

5. アメニティ:

5-1. 大規模ショッピング・センター

5-2. 総合病院

5-3. 公園・緑地

6. モビリティ:

6-1. 駅(地下鉄・鉄道)

6-2. 高速道路

6-3. 空港(アクセス・利便性)

6. モビリティ:

6-1. 駅(地下鉄・鉄道)

6-2. 高速道路

6-3. 空港(アクセス・利便性)

2-4. スタジアム

6-4. 空港(キャパシティ・実績)

2-4. スタジアム

6-4. 空港(キャパシティ・実績)

GPICI 71


都心の総合力比較

Analysis

分析

Comparison of Inner Citie’s Comprehensive Power

「世界の都心総合力インデックス(GPICI)」の総合ランキング結果は、右図の

5km圏

10km圏

とおりである。5km 圏では香港、東京、パリがランキングの上位を形成し ている。そして、ニューヨーク、ロンドン、シンガポール、上海、ソウルが これに続いている。10km 圏では、東京およびパリが上位に位置している。 また、大都市圏を有するロンドンとニューヨークがスコアを伸ばし香港と肩

0

200

400

600

800

1,000

1,200

0

1,400

200

400

600

800

1,000

1,200

1,400

を並べている。 5km 圏で 1 位 (10km 圏で 3 位) となった香港は、 5km 圏、 10km 圏ともに、

New York

New York

London

London

Paris

Paris

Tokyo

Tokyo

Singapore

Singapore

「ラグジュアリーファッションブランド・ショップ」 、 「大規模ショッピング・ センター」 において極めて高い評価を得た。これに加えて他の都市よりも、 「高 さ100m 以上のビル」および「インターナショナル・スクール」 「 、公園・緑地」 のスコアも高い。緑地が多く高密度に集積した国際都市である香港ならでは の結果である。 10km 圏で 1 位 (5km 圏で 2 位) となった東京は、 5km 圏、 10km 圏ともに、 「世界トップ企業」および「世界トップ・レストラン」 「 、高速道路」 「 、駅(地下鉄・ 鉄道) 」の評価が高い。すなわち東京都心には、世界のトップ企業が本社を 構えつつも、高級レストランも多く立地しており、さらに十分に交通インフ ラが整備されているといえる。10km 圏では、 これに加えて 「総合病院」 や 「大 規模ショッピング・センター」など居住に関する機能集積でも強さをみせて いる。 パリは、5km 圏で 3 位、10km 圏で 2 位と、香港、東京と同様に、高い都

Hong Kong

Hong Kong

Seoul

Seoul

Shanghai

Shanghai

心力を有しているといえる。5km 圏、 10km 圏ともに「人口」 「 、コンベンショ ン・センター」 、 「駅(地下鉄・鉄道) 」 、 「美術館・博物館」で高いスコアを 得ており、経済や居住に関する一定の都市機能の集積に加え、世界有数の観 光都市であるパリらしく、文化施設が都心に集積していることが読み取れる。 ロンドン、ニューヨークについては、5km 圏も10km 圏も 4 位もしくは 5 位という結果であった。また、アジア都市のうち、シンガポール、ソウル、 上海は、5km 圏、10km 圏ともに、下位を形成している。当該アジア 3 都 市に共通する弱みは、 「世界トップ企業」 、 「総合病院」 、 「劇場・コンサートホー ル」であった。

70 GPICI

1. 活力

1-1. 人口

1-2. 高さ100m 以上のビル

1-3. 世界トップ企業

1. 活力

1-1. 人口

1-2. 高さ100m 以上のビル

1-3. 世界トップ企業

2. 文化

2-1. 世界トップ大学

2-2. 劇場・コンサートホール

2-3. 美術館・博物館

2. 文化

2-1. 世界トップ大学

2-2. 劇場・コンサートホール

2-3. 美術館・博物館

3. 交流

3-1. コンベンション・センター

3-2. インターナショナル・スクール

3-3. 大使館・領事館

3. 交流

3-1. コンベンション・センター

3-2. インターナショナル・スクール

3-3. 大使館・領事館

4. 高級感

4-1. ラグジュアリーホテル

5. アメニティ:

5-1. 大規模ショッピング・センター

4-2. 世界トップ・レストラン

4-3. ラグジュアリーファッションブランド・ショップ

4. 高級感

4-1. ラグジュアリーホテル

4-2. 世界トップ・レストラン

4-3. ラグジュアリーファッションブランド・ショップ

5-2. 総合病院

5-3. 公園・緑地

5. アメニティ:

5-1. 大規模ショッピング・センター

5-2. 総合病院

5-3. 公園・緑地

6. モビリティ:

6-1. 駅(地下鉄・鉄道)

6-2. 高速道路

6-3. 空港(アクセス・利便性)

6. モビリティ:

6-1. 駅(地下鉄・鉄道)

6-2. 高速道路

6-3. 空港(アクセス・利便性)

2-4. スタジアム

6-4. 空港(キャパシティ・実績)

2-4. スタジアム

6-4. 空港(キャパシティ・実績)

GPICI 71


Conclusion

結論

GPICI 79


Conclusion

結論

GPICI 79


都心のパワー

Conclusion

結論

Inner City Power 活力

「世界の都心総合力インデックス(GPICI)」の調査結果を地図に落とし込む

New York

London

ことを試みた。これにより、それぞれの都心において、どのエリアに機能が

Singapore

文化

交流

高級感

アメニティ

モビリティ

Hong Kong

シンガポールについては、中心点に設定したオーチャード・ロード周辺に

集積しており、どのように広がっているか、もしくは、どのようにエリア間

集積がみられるのに加えて、マリーナベイからシティ・ホールにかけたエ

が繋がっているのかがみえてくる。ここでは、各都市において、都心のパ

リアでは、さらに高い集積がみてとれる。地図にプロットされた機能の大半

ワーがどのような特徴を有しているかをみていく。

は5km圏に収まっていることから、コンパクト・シティとしての姿をここ にみることができる。

♦ニューヨーク

◆香港

ニューヨークを見てみると、マンハッタンの2つのエリア、ミッドタウンと ロウアー・マンハッタンに、そのパワーが集積していることがわかる。タイ

香港は、香港島北側のビジネス中心地区からビクトリア湾を挟んで九龍半

ムズ・スクエアを中心点とすると、ロウアー・マンハッタンが5km圏から

島側の尖沙咀(チムサーチョイ)までの一帯に圧倒的な数の都市機能が集積

一部外れるが、中心点をタイムズ・スクエアからグリニッチ・ビレッジに

している。さらに、九龍半島側の5km圏から10km圏にかけても特定のエ

移動すると、両エリアとも5km圏に収まる。すなわち、ニューヨークは、コ

リアに高い集積がみられ10km圏でみた時の都心のパワーも強いことがわ

ンパクトに都市機能が都心に集積しているといえる。

かる。

♦ロンドン

◆ソウル

ロンドンでは、中心点に設定したトラファルガー広場からやや西側のソー

ソウル市庁周辺、梨泰院(イテウォン) 、江南(カンナム) 、汝矣島(ヨイド)に

ホー、メイフェア、ケンジントンにおいて非常に高い集積を示している。ま

多くの機能が集積している。中でも、ソウル市庁周辺が際立っている。漢江

た、全体的に5km圏における集積が高く、かつテムズ川の北側に多くの機

(ハ ン ガ ン)の 北 側 に 高 い 集 積 が み ら れ る が、そ れ 以 外 に も5km圏 か ら

能が集まっていることもわかった。また、それほど強い集積ではないもの

10km圏のエリア内に若干の機能集積がみられる。

の、東部のカナリー・ワーフにおいても一定程度の集積がみられる。

♦パリ パリについては、中心点に設定したノートルダム大聖堂から北西に位置す るルーヴル美術館からエトワール凱旋門にかけて最も高い集積がみられる。 また、そのさらに北西に位置する副都心のラ・デファンスは、ロンドンにお ける副都心であるカナリー・ワーフよりも際立った存在感を示している。 ロンドン同様、都市の中心を流れる川(セーヌ川)を境にして北側に強い集

◆シンガポール

◆上海

Paris

Tokyo

Seoul

Shanghai

上海人民広場から南京東路(ナンジンドンルー )・南京西路(ナンジンシー ルー )に沿って多くの機能が集積している。西側は、業務エリアとして再開 発されてきた虹橋(ホンチャオ) 、東側は陸家嘴(ルージャーズイ)の集積が 際立っている。しかし、まだニューヨークや香港ほど集積は高くなく、今後 も成長していくことが期待される。

積がみられるが、パリの方が川の南北に均等に分布しているといえる。

♦東京 東京においては、皇居のすぐ東側の丸の内から銀座、新橋にかけて非常に高 度な集積がみられる。さらに、南西に向けて5km圏を超えた一帯に集積し ている。また、5km圏の外周では渋谷、新宿、池袋などの副都心を示す集積 がみられ、それらを起点にさらに周辺部へと向けて拡散してゆく様子がう かがえる。

80 GPICI

GPICI 81


都心のパワー

Conclusion

結論

Inner City Power 活力

「世界の都心総合力インデックス(GPICI)」の調査結果を地図に落とし込む

New York

London

ことを試みた。これにより、それぞれの都心において、どのエリアに機能が

Singapore

文化

交流

高級感

アメニティ

モビリティ

Hong Kong

シンガポールについては、中心点に設定したオーチャード・ロード周辺に

集積しており、どのように広がっているか、もしくは、どのようにエリア間

集積がみられるのに加えて、マリーナベイからシティ・ホールにかけたエ

が繋がっているのかがみえてくる。ここでは、各都市において、都心のパ

リアでは、さらに高い集積がみてとれる。地図にプロットされた機能の大半

ワーがどのような特徴を有しているかをみていく。

は5km圏に収まっていることから、コンパクト・シティとしての姿をここ にみることができる。

♦ニューヨーク

◆香港

ニューヨークを見てみると、マンハッタンの2つのエリア、ミッドタウンと ロウアー・マンハッタンに、そのパワーが集積していることがわかる。タイ

香港は、香港島北側のビジネス中心地区からビクトリア湾を挟んで九龍半

ムズ・スクエアを中心点とすると、ロウアー・マンハッタンが5km圏から

島側の尖沙咀(チムサーチョイ)までの一帯に圧倒的な数の都市機能が集積

一部外れるが、中心点をタイムズ・スクエアからグリニッチ・ビレッジに

している。さらに、九龍半島側の5km圏から10km圏にかけても特定のエ

移動すると、両エリアとも5km圏に収まる。すなわち、ニューヨークは、コ

リアに高い集積がみられ10km圏でみた時の都心のパワーも強いことがわ

ンパクトに都市機能が都心に集積しているといえる。

かる。

♦ロンドン

◆ソウル

ロンドンでは、中心点に設定したトラファルガー広場からやや西側のソー

ソウル市庁周辺、梨泰院(イテウォン) 、江南(カンナム) 、汝矣島(ヨイド)に

ホー、メイフェア、ケンジントンにおいて非常に高い集積を示している。ま

多くの機能が集積している。中でも、ソウル市庁周辺が際立っている。漢江

た、全体的に5km圏における集積が高く、かつテムズ川の北側に多くの機

(ハ ン ガ ン)の 北 側 に 高 い 集 積 が み ら れ る が、そ れ 以 外 に も5km圏 か ら

能が集まっていることもわかった。また、それほど強い集積ではないもの

10km圏のエリア内に若干の機能集積がみられる。

の、東部のカナリー・ワーフにおいても一定程度の集積がみられる。

♦パリ パリについては、中心点に設定したノートルダム大聖堂から北西に位置す るルーヴル美術館からエトワール凱旋門にかけて最も高い集積がみられる。 また、そのさらに北西に位置する副都心のラ・デファンスは、ロンドンにお ける副都心であるカナリー・ワーフよりも際立った存在感を示している。 ロンドン同様、都市の中心を流れる川(セーヌ川)を境にして北側に強い集

◆シンガポール

◆上海

Paris

Tokyo

Seoul

Shanghai

上海人民広場から南京東路(ナンジンドンルー )・南京西路(ナンジンシー ルー )に沿って多くの機能が集積している。西側は、業務エリアとして再開 発されてきた虹橋(ホンチャオ) 、東側は陸家嘴(ルージャーズイ)の集積が 際立っている。しかし、まだニューヨークや香港ほど集積は高くなく、今後 も成長していくことが期待される。

積がみられるが、パリの方が川の南北に均等に分布しているといえる。

♦東京 東京においては、皇居のすぐ東側の丸の内から銀座、新橋にかけて非常に高 度な集積がみられる。さらに、南西に向けて5km圏を超えた一帯に集積し ている。また、5km圏の外周では渋谷、新宿、池袋などの副都心を示す集積 がみられ、それらを起点にさらに周辺部へと向けて拡散してゆく様子がう かがえる。

80 GPICI

GPICI 81


G P I C I 定価 本体 2,300 円 + 税

Gl o b a l P o w er I n n er City I n d ex

INSTITUTE FOR URBAN STRATEGIES, THE MORI MEMORIAL FOUNDATION

WORLD'S TOP COMPANIES

一般財団法人

AIRPORT PERFORMANCE

BUILDINGS OVER 100M IN HEIGHT

PARKS AND GREEN SPACES

LUXURY FASHION BRAND SHOPS

WORLD'S TOP UNIVERSITIES

CONVENTION CENTERS

SUBWAYS AND RAILWAY TRANSIT STATIONS

森記念財団 都市戦略研究所

2 0 1 5 ス ク ッ デ ン イ 力 合 総 心 都 の 界 世


Turn static files into dynamic content formats.

Create a flipbook
Issuu converts static files into: digital portfolios, online yearbooks, online catalogs, digital photo albums and more. Sign up and create your flipbook.