NEAR news vol.73th(JPN)

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NEAR

News

一つの北東アジア、一つの共同体 NEAR | One Northeast Asia Region, One Community NEAR 2017. 3-4

Vol.

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韓国・慶尚北道慶州市、東宮、月池

今月の動静 NEARの活動 I 事務局ニュース I 会員自治体の動静 | 会員自治体の行事日程(3~4月)

経済コーナー 日本・島根県

企画取材 2017 アジア太平洋都市首脳会談(2017APCS) 第4回NEAR青少年エッセイ・絵画等コンテスト エッセイ部門受賞作品紹介

北東アジア地域自治体連合 The Association of Northeast Asia Regional Governments


NEAR News

「NEAR News」は、会員自治体が共に作るNEARの公式ニュースレターです。NEARの活動状況や会員自治体の動静、国際動向、寄稿、お知らせなどの 内容を掲載し、隔月で発行しています。(ホームページでもご覧いただけます。http://www.neargov.or g/jp/) NEAR Newsではいつでも、北東アジア地域に関心を持つ方からの寄稿をお待ちしています。掲載を希望される場合は、巻末の事務局連絡先まで お問い合わせください。

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ボリス・クストーディエフの作品、マースレニツァ(春を迎える祭り) 1919年作品

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北東アジア地域自治体連合(NEAR)とは 北東アジア地域自治体連合(NEAR)は、北東アジア地域の共同発 展を目指して1996年に設立された、広域自治体間の協力機構です。 日本、中国、韓国、モンゴル、ロシア、北朝鮮の6か国から77自治 体が参加し、経済・人文、教育文化交流、環境、防災、国境地区協 力、科学技術、観光、海洋漁業、鉱物資源開発・調整、エネルギー・ 気候変動、女性・児童、生命・医療産業、農業などの様々な分野で、 幅広い交流協力プログラムを展開しています。 また、欧州最大の地方政府協力機構であるAER(欧州地域 会議)、R-20(気候行動地域)、ICLEI(持続可能性をめざす自治体協議 会)などの国際機構とパートナーシップを締結し、北東アジアを越え た世界中と繋がる国際協力ネットワークを構築しています。

NEARの門戸は開かれています。 NEARの設立趣旨に賛同する北東アジア地域の広域自治体はど こでも、総会の承認を経てNEARに加入することができます。また、 北東アジア地域以外のアジア地域の広域自治体は、準会員として 加入することができます。

北東アジア地域自治体連合 The Association of Northeast Asia Regional Governments


今月の動静

NEAR活動 / 事務局ニュース

NEAR活動 2016年度NEAR年次報告書を発刊

2017 NEAR実務者ワークショップの開催(4月19日~21日) 4月19日から21日までの3日間、韓国・済州特別自治道で「2017 NEAR実務者ワークショップ」を開催する。同ワークショップは、NEAR 実務担当者間の相互交流・人的ネットワークの形成を目的として事務 局が毎年開催しており、これまでに述べ約800名の会員自治体職員が参 加している。 今回は、事務局からの2016年度事業報告・2017年度事業計画の説 明、会員自治体による広報、NEARの懸案事項(会費制導入の後続措置、 分科委員会規程の改定)についての討論等が行われる予定。

第5回NEAR青少年エッセイ・絵画等コンテストの実施(4月~) NEAR事務局では、4月から「第5回NEAR青少年エッセイ・絵画等コ ンテスト」を実施する。同コンテストは、NEAR会員自治体の中高生を NEAR事務局では毎年、前年度(1~12月)におけるNEARの実施事業や

対象に、北東アジア地域における社会・経済事情や文化等への関心を

活動内容をまとめた年次報告書を作成し、会員自治体や関係機関への

深めてもらうことを目的として、2013年から毎年実施している。

配布を行っている。

2016年には従来のエッセイ部門に加えて絵画等部門を新設するととも

2016年度版では、2016年度に開催された総会や各分科委員会をはじ

に、受賞枠を拡大した。

め、NEAR国際フォーラム、北東アジア青年リーダースフォーラム、青

作品は、5月~7月頃に会員自治体を通して公募を行う予定であり、

少年エッセイ・絵画等コンテスト等の交流協力事業の概要を体系的に

積極的なご参加・ご協力をお願いしたい(詳細な実施計画は4月頃に会

掲載している。

員自治体に通知予定)。

事務局ニュース 第12代NEAR議長団体の中国・湖南省を訪問 (2016年12月5日~7日)

割を忠実に果たしていく。また、多様な分野で交流協力を深める契機 になることを期待する。」と述べた。 これに対し全事務総長は「湖南省が議長団体としての役割を遂行でき るよう、事務局も全力で支援していく。また、湖南省と事務局が緊密 に業務協力関係を維持し、会員自治体間の交流協力が活性化するよう 努力する。」と応じた。

アジア太平洋都市振興機構(TPO)を訪問(2016年12月13日) 観光分野の国際機構とのネットワーク拡大・情報交流のため、NEAR 事務局職員が釜山広域市の「アジア太平洋都市観光振興機構(TPO)」を 訪問した。同機構は、アジア太平洋地域の観光産業活性化を目的とし 12月5日から7日まで、全哉垣NEAR事務総長が第12代NEAR議長団 体である中国・湖南省を訪問し、今後2年間のNEAR運営について協 議を行った。 陳向群湖南省常務副省長は、全事務総長との面談で「省内にNEAR専 門担当部署を設置するなど多角的な準備を行い、議長団体としての役

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て地域の都市と観光団体が参加する国際機構であり、観光商品開発・ 観光振興のため様々な事業を実施している。 NEARでは観光分科委員会を設置・運営しており、また、11月25日には慶 尚北道安東市で観光をテーマに国際フォーラムを開催した。今後は、共同 でのフォーラム開催など、両機関の連携を積極的に検討していく予定。


事務局ニュース

NEAR事務局駐在官が高校生に母国文化を紹介(2016年12月21日) NEAR事務局駐在官らが地域の青少年のグローバルマインド養成を目 的として浦項高等学校を訪問。同校の国際理解クラブ「ノムコ・コン

在韓ベトナム大使と面談 (1月11日) 全哉垣NEAR事務総長がパム・フーチー在韓ベトナム大使と面談し、 NEARとの協力方案について意見交換を行った。

ノ(超えて、また超える)」の部員ら国際問題に関心を持つ約30名の生徒

全事務総長は、2016年の準会員制導入によりNEARの交流範囲がアジ

が出席する中、中国・モンゴル派遣の駐在官がそれぞれ母国の文化や

ア全域に拡大したことを受け、ベトナム・北東アジア地域相互の自治

国際機構の活動を紹介するとともに、生徒と意見交換を行った。

体間交流を推進していくことが重要であると説明した。特に、2017年

事務局では、引き続き地域の青年・青少年との交流を行うなど、国際

11月にベトナム・ホーチミン市で「慶州-ホーチミンエキスポ」が開催

的な視野・グローバルマインドを持つリーダーを養成する事業を継続

されるなど、今後の相互交流の活性化が見込まれることから、ホーチ

的に実施していく予定である。

ミン市をはじめとする地方自治体が準会員としてNEARに加入できるよ う、大使館からの協力を要請した。 パム大使は、「ベトナムは5つの中央直轄市と58省で構成されてお り、多くの自治体がNEARに参加し、会員自治体と活発に交流できるよ う協力したい。」と述べた。

在釜山モンゴル総領事館を訪問(1月6日) NEAR事務局職員が在釜山モンゴル総領事館を訪問し、NEARの広報や 今後の業務協力についての意見交換を行った。 同館は2016年1月に開館し、釜山広域市、蔚山広域市、大邱広域市、 慶尚北道、慶尚南道、全羅南道を管轄している。 具滋熙NEAR事務局国際協力部長は、モンゴルの全広域自治体(22自治 体)がNEARの会員として積極的に交流事業に参加し、他国の先進的な取 り組みを吸収していることを説明。併せて、円滑な業務推進のため同 館からの協力を要請した。 これに対しビムバドズジ領事は、「事務局の要請を受けて積極的に協 力したい。また、浦項地域の巡回領事業務システムの一環として、2 月に事務局を訪問したい」と述べた。

釜山国際交流財団と業務協力について協議 (1月12日) NEAR事務局職員が釜山国際交流財団を訪問し、2017年度新規事業の 参考とするため同財団のグローバルサポーターズ制度などの国際交流 事業の説明を聞き、意見交換を行った。 ロイ・アロック釜山国際交流財団事務総長は「NEARのプラットフォ ームを通じて、釜山市が今後より多くの自治体と交流するとともに、 両機関がより緊密に協力できることを期待する」と述べた。

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会員自治体の動静

会員自治体の動静 中国 ‒ 河南省

10月には、“プレミアムな宇治茶を味わう空間”を提案する「一坪茶 室」や、「一万人の宇治茶BAR」など参加・体験型の文化プログラムを

2017中国(河南)国際投資貿易相談会が鄭州市で開催 鄭州国際会議センター

実施。11月には、茶産業振興のためのビジネスマッチングや国内外の 茶関係者が集い交流を図る産業・国際交流プログラムを実施する。 これらメインイベントのほか、京都・山城をはじめ全国の日本遺産 認定地域が一堂に会する「日本遺産サミット」など、エリアイベント も各地で展開。宇治茶のブランド化を図り、国内外から選ばれる地域 を目指す。 詳細は「お茶の京都博公式サイト」 http://ochahaku.kyoto/ を参照

日本 ‒ 鳥取県 2017年3月29日から31日まで、「中国(河南)国際投資貿易相談会」が

世界に開かれた鳥取へ ~交流人口拡大への取組~

開催される。河南省政府、中国国家貿易促進委員会、中国対外友好協 会が共同主催する河南省で最大規模の国際経済貿易コンベンションで あり、河南の対外解放・産業構造の調整における重要な機会を提供し ている。過去10回の開催を通じて国内外の多くのバイヤーが参加し、 多数の高成長型協力プロジェクトが締結された。これらのプロジェク トは河南省の発展を促進させるとともに、中国と海外のバイヤーに限 りないビジネスの機会を提供し、協力を通じて相互の目的を達成さ せ、Win-Winの関係となるものである。同相談会は例年、河南省で行わ れる皇帝軒轅大祭と同時期に開催しており、人的資源を共有するとと もに、文化と経済貿易活動を効率的に融合させている。

日本 ‒ 京都府 「お茶の京都博」の開催 鳥取県では、2001年、米子空港と韓国・仁川空港を結ぶアシアナ航空 が就航、2009年には境港と韓国・東海市、ロシア・ウラジオストクの 3地域を結ぶDBSクルーズフェリーが就航し、北東アジア地域との「交 流の架け橋」として重要な役割を担っている。 このうち、2016年、アシアナ航空がLCC・エアソウルへ移管されたた め、鳥取県では更なる客層拡大に向け、個人旅行者、特に若年層をタ ーゲットとしたSNSによる情報発信や韓国国内でのイベントPR、体験メ ニューや食の魅力を盛り込んだPR冊子の配布等を進めている。 また、同年には、新たに米子空港と香港空港を結ぶ香港航空が就航。 京都府では、宇治茶の魅力発信による地域の賑わいを創出するため、 2017年4月から1年間にわたり、府南部山城地域の12市町村を舞台に 「お茶の京都博」を開催する。4月1日・2日には、桜の名所「背割堤 (せわりてい)」(八幡市)でオープニングイベント「さくら茶会」を開催。

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香港における鳥取県の知名度向上や魅力発信のため、ブロガーや旅行 雑誌、人気旅行テレビ番組でのPRも開始した。 その他、近年、積極的な誘致活動により大型クルーズ船の境港への寄港 件数も大幅に増加し、これを活用してインバウンド誘客も進めている。


会員自治体の動静

鳥取県では、今後もこれらの国際航路を活用し、北東アジア地域との 更なる交流人口拡大を目指し取り組んでいく。

韓国 ‒ 仁川広域市 仁川で楽しむ中国春節、2017 歓楽春節

ロシア ‒ イルクーツク州 1月11日から15日までの5日間、在韓中国文化院の主催により、韓国 と中国の旧正月を祝う「2017 歓楽春節」が仁川経済自由区域庁と仁川 チャイナタウンで開催された。

国際芸術シンポジウム「Baikal-CeraMystica. Ice」の開催 国際芸術陶芸フェスティバル「Baikal-CeraMystica」は、イルクーツク

今年で7回目を迎える「歓楽春節」は、中国文化部が2010年から始め

州オルホンスキ(Olkhonsky)地域で2012年から毎年開催されている行事で

た中国最大規模の海外中国春節文化ブランドであり、同部が各地の文

ある。バイカル湖で行われる同フェスティバルは、ロシアの重要な国際

化団体・在外機関と共同で推進してきた。

文化行事として位置づけられており、世界的な文化行事として知られて

同行事では、湖南省の無形文化遺産の展示・実演、甲骨文字書芸展、

いる。これまで5年間、ロシアの15都市と13か国の陶芸専門家が参加

湖南省民族音楽団による公演、中国獅子舞の公演や文化短編映像の上

し、国際審議委員の規程に基づくハイレベルの陶芸家が出展してきた。

映、チャイナタウンパレードなど、様々なプログラム行われた。

今年は初めて同フェスティバルをイルクーツク市で開催し、2月23日

11日には、劉正福・仁川広域市長、禹新荣・湖南省文化庁副庁長、邱

から3月6日まで、国際芸術シンポジウム「Baikal-CeraMystica. Ice」が

国洪・在韓中国大使、史瑞琳・在韓中国文化院長ら約200人の主要来賓

行われる。同シンポジウムでは、陶器と石を材料に陶芸家らが作品を製

レセプションと展示・公演開幕式がGタワーで行われた。また15日に

作する。イルクーツク州の陶磁器の歴史を基に、同シンポジウムがシベ

は、行事の目玉である中国獅子舞、中国民族ファッションショー、中国

リア陶磁器の歴史に刻まれるような業績を残すことが期待される。

伝統ファッションショー等のパレードがチャイナタウンで行われた。 仁川広域市の関係者は、「年に一度開かれる歓楽春節は、韓中両国民

3月10日には、イルクーツク州芸術博物館で過去5年間に出展された 陶磁器の作品が展示される。

の理解と好感を増進させるとともに韓中の各分野における交流と協力 を深め、両国の関係改善に重要な役割を果たすだろう」と述べた。

モンゴル ‒ ウムヌゴビ県 ウムヌゴビ県-韓国・慶尚北道間で農業分野の交流を強化 2016年12月7日から8日まで、キム・ハンス韓国・慶尚北道グロー バル通商協力課長を団長とする代表団がウムヌゴビ県を訪問し、ナラ ンバタル知事と面談を行った。面談では、ゴビ地域におけるビニール ハウス事業の開発や農業従事者研修といった両自治体間の農業分野交 流や、慶尚北道庁へのウムヌゴビ県職員派遣研修の実施について意見 が交わされた。

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会員自治体の行事日程

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2017. 3

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• 自治体 : 日本 鳥取県 • 行 事 : 鳥取マラソン2017 • 期 間 : 3/12 • 場 所 : 鳥取市 • 連絡先 : 鳥取マラソン実行委員会事務局 (T) +81-857-21-2885

• 自治体 : 日本 兵庫県 • 行 事 : 第15回 NEAR防災分科委員会 • 期 間 : 3/6~3/9 • 場 所 : 神戸市ほか • 連絡先 : 兵庫県 防災企画課 (T)+81-78-362-9870 (F)+81-78-362-9914

• 自治体 : 韓国 仁川広域市 • 行 事 : 第17回仁川国際ハーフマラソン大会 (The 17th Incheon International Half Marathon) • 期 間 : 3/26 • 場 所 : 仁川文鶴競技場(Incheon Munhak Stadium) • 連絡先 : (T) 032-440-4952 (E) wwookkyy@koera.kr

April 2017. 4

• 自治体 : 韓国 全羅北道 • 行 事 : 第18回全州国際映画祭 • 期 間 : 4/27~5/6 • 場 所 : 全州市 • 連絡先 : 全羅北道 文化芸術課 (T) +82-63-280-3381 (E) ilyeop@korea.kr

• 自治体 : 中国 山東省 • 行 事 : 2017年国際エクストリーム・ セーリング競技大会 • 期 間 : 4/28∼5/1 • 場 所 : 青島市 • 連絡先 : 青島市 ヨット競技協会 (T) +86-532-85916115

• 自治体 : 韓国 釜山広域市 • 行 事 : 第6回釜山洛東江菜の花祭り • 期 間 : 4/9∼4/17 • 場 所 : 大渚生態公園 • 連絡先 : 釜山広域市 観光振興課 (T) +82-51-888-5054

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• 自治体 : 韓国 大邱広域市 • 行 事 : 大邱国際繊維博覧会 (PREVIEW IN DAEGU) • 期 間 : 3/8∼3/10 • 場 所 : 大邱 EXCO • 連絡先 : (T)053-803-3341 (E)choonggi@korea.kr (H)http://www.previewin.com/

• 自治体 : 韓国 大邱広域市 • 行 事 : 2017大邱世界マスターズ 室内陸上競技大会(World Masters Athletics Championships indoor Daegu 2017) • 期 間 : 3/19~3/25 • 場 所 : 大邱陸上振興センター(Daegu Athletics Promotion Center) • 連絡先 : (T) 053-790-4125 (E) heatherj@korea.kr (H) http://www.daegufashionfair. com

• 自治体 : 韓国 大邱広域市 • 行 事 : 大邱ファッションフェア (DAEGU FASHION FAIR) • 期 間 : 3/8∼3/10 • 場 所 : 大邱 EXCO • 連絡先 : (T) 053-803-3352 (E) kjk70@daegu.go.kr (H) http://www.daegufashionfair.com

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• 自治体 : 韓国 全羅南道 • 行 事 : 2017 莞島国際海藻類博覧会 (WANDO SEAWEEDS EXPO 2017) • 期 間 : 4/14∼5/7 • 場 所 : 莞島港海辺公園 • 連絡先 : (T) +82-61-286-6921

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• 自治体 : ロシア アルタイ地方 • 行 事 : 国際観光フォーラム 「VISIT ALTAI」 • 期 間 : 4.21∼4.30 • 場 所 : アルタイ地方 • 連絡先 : アルタイ地方観光、休養、地域間 ・国際間関係部 (Т/F) +7-3852-20-10-31 (E)priem@alttur22.ru, tourism_22@mail.ru

• 自治体 : 韓国 大邱広域市 • 行 事 : 国際グリーンエネルギーエキスポ (International Green Energy Expo & Conference 2017) • 期 間 : 4/5∼4/7 • 場 所 : 大邱 EXCO • 連絡先 : (T) +82-53-803-5911 (E) jangych@korea.kr (H) www.Energyexpo.co.kr

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• 自治体 : 韓国 大邱広域市 • 行 事 : 大邱国際メガネ展(DIOPS:Daegu International Optical Show) • 期 間 : 4.20∼4.22 • 場 所 : 大邱 EXCO • 連絡先 : (T) +82-53-803-3361 (E) hjg7733@daegu.go.kr (H) http://www.diops.co.kr

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• 自治体 : 韓国 慶尚北道 • 行 事 : 義城世界凧フェスティバル (Uiseong Korea International Kite Festival) • 期 間 : 4/22∼4/24 • 場 所 : 渭川生態河川 (Wicheon ecology-River, Uiseong) • 連絡先 : (T) +82-54-830-6096 (E) dlwogns99@korea.kr (H) http://www.worldkitefestival.kr

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日本・島根県

経済コーナー

日本・島根県

日本・島根県 西日本の日本海側に位置する島根県は、美しい自然環境と穏やかな気候風土に恵まれ たところです。東西は約230Kmに及ぶ細長い地形で、北方40~80Kmの海上には隠岐諸島 があります。人口は約69万人となっています。 産業では、銑鉄鋳物などの鋳造関連、合金鋼などの特殊鋼関連が盛んであるほか、近 年、オープンソースのプログラミング言語「Ruby」を核としたIT産業も世界から注目 されています。 我が国の公的需要が縮小する中、島根県では、公共投資依存型から民需主体の産業構 造への転換を図るべく、「ものづくり産業」、「IT産業」、「地域資源を活かした 産業」の振興を軸に、国立島根大学をはじめとする高等教育機関での産業人材 の育成や、新技術開発や技術的課題解決のための研究に取り組む島 根県産業技術センターを中核とする産学官連携など、様々 な取り組みを進めています。 今号では、これらの施策のうち、県内製 造業の海外へのビジネス展開支援や、地域 産品の海外への販路開拓の取り組みを紹介 します。

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日本・島根県

タイ展示会出展 2

現地視察 1

現地視察 2

タイ展示会出展 1

島根ビジネスサポートオフィス

海外展開支援 島根県では県内製造業の雇用の維持・拡大等を目的に、成長著しい新興国など海外への ビジネス展開や、輸出などにより海外需要を取り込もうとするものづくり中小企業に対し て、進出検討段階から現地における円滑な事業運営までの一連の取組を支援しています。 産業振興課では2011年より中小企業の海外展開に向けたセミナー、現地視察を開 始し、2013年からはより具体的な事業として海外進出計画策定支援や人材育成支援、 海外での販路開拓支援を実施しています。海外進出計画策定支援は進出計画を作るため のコンサルティング料や現地調査のための渡航費用、現地法人設立に必要な経費の助成、 人材育成支援では現地採用の従業員教育に必要な渡航費、滞在費の助成を行っています。 販路開拓支援ではタイ、インドネシアで開催される国際見本市への島根ブース出展や日 本国内で海外企業との商談会の開催、県内企業が個別に行う海外での販路開拓の活動費 の助成を行っています。 また、2014年9月にはタイのバンコクに「島根・ビジネスサポート・オフィス」を 開設し、アセアン地域へ進出を検討している企業や既に現地に進出している企業の相談 対応を行っています。相談件数は年間約100件で、販路開拓や進出に関する現地調査、 現地での法務・税務など幅広い相談内容に対応しています。 今後は海外法人の経営管理ができる人材の育成や現地 に進出した企業の状況に応じた支援活動を行ってい きたいと考えています。 The Association of Northeast Asia Regional Governments

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日本・島根県

島根県の名物・出雲そば

県産食品の海外への販売の取り組み しまねブランド推進課貿易促進支援室では、県産品、特に農林水産品・加工食品の海外 への販路拡大に取り組んでいます。国内市場の縮小が見込まれる中、海外市場で稼ぐ事 業者を増やすために、意欲を持つ事業者の自主的取り組みを支援しています。 現在の主なターゲットはアメリカやヨーロッパの国々です。海外のバイヤーを島根県に 招待し、できるだけ多くの県内の食品メーカーとの商談会を開催します。商談が成立す ると、食品メーカーの皆さんと協力し現地での国際展示会への出展、「島根フェア」を開

島根県産品輸出商談

催するなどの販売促進活動を行い、現地のマーケットで島根の産品が しっかりと認知され、定着するようにフォローアップし ます。 かつては海外に住む日本人を中心に販売されてい た日本食ですが、海外での日本食品の人気の高ま りを受け、ターゲットは現地の方に移ってきて います。特に、有機栽培で生産された材料のみ を用い、昔ながらの製法で作られた醤油やお茶 などの商品の人気が高まっています。 今後も島根の豊かな自然にはぐくまれた食品を海 外に広める取り組みを県内の事業者と一緒に取り 組んでいきます。 12

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島根県産品フェア


日本・島根県

台湾でのPR

ウラジオストクでの販売促進イベント

島根県花・牡丹

歴史ある牡丹輸出の取り組み 島根県の県花である牡丹の輸出の歴史は古く、1963年から現在まで50年以上にわ たって輸出の取り組みを行っています。現在は、オランダ、アメリカなどに約20万本を 輸出しており、年間生産量の4分の1が輸出に向けられています。 約20年前に、開花する時期を調整し、周年にわたり開花させる技術が開発され、特許 も取得しています。気候の異なる海外への出荷の際にはこの技術が活用されています。 近年は、台湾やロシア向けは取引先と直接の貿易を行っています。取引先が行 う販促イベントには、JA職員が現地に出向き、直接、栽培方法など技術的 な指導を行います。海外の牡丹に関心のある方と直接交流することは観光 誘客や文化交流など自治体の取り組みにも寄与しています。 牡丹は生け花の花材としても使用され、お茶文化や日本庭園との親和性が 高いのも特色の一つです。ロシアでは別荘で園芸を楽しむ文化があり、愛好 家のニーズに対応した多くの品種の輸出を行っています。 今後も日本産の花の品質の高さを象徴するものの一つとし て、牡丹が世界中に広がっていくよう、新しいチャレンジを行って いきます。

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기획취재 企画取材

2017 アジア太平洋都市サミット (2017 APCS)

9月10日から13日までの4日間、韓国・大田広域市で、同市とオーストラリア・ ブリスベン市の共催により「2017 アジア太平洋都市サミット」が開催される。 「アジア太平洋における未来繁栄に向けた新しい基盤づくり」をテーマに、100都 市から自治体首長、ビジネス使節団、都市開発専門家、青年専門家ら約1,500人が 参加する見込み。

開催目的 アジア太平洋都市サミット(APCS)は、アジア太平洋都市間の友好・相互協力の増 進を通じて共同発展を図り、地方自治体、専門家、企業間のネットワークによる 持続可能な繁栄・発展の基礎を築くことを目的として、1996年にブリスベン市で 創設された。 今回のサミットは、政府、個人、公共分野、民間ビジネスコミュニティ間の戦 略的なパートナーシップの強化・支援が目的であり、アジア太平洋の主要都市の 貿易投資及びビジネス創出の契機となるとともに、市民生活の向上や都市の繁栄 に向けた発展戦略の成功事例が共有される。また、政府関係者やビジネスリーダ ー間の協力ネットワークを活性化させる契機にもなることが期待される。

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2017 アジア太平洋都市サミット(2017 APCS)


2017 アジア太平洋都市サミット(2017 APCS)

主なプログラム <基調講演及び全体会議> 世界的な学者や専門家を招待し、「科学技術を通した都市の革新」をテーマに、その 方向性とビジョンを提示する。基調講演のスピーカーは以下のとおり。 Cherie Blair

シェリー・ブレア財団 創設者 アジア女性大学 名誉総長 世界女性ビジネスリーダシップ委員会 副会長

Jared Cohen

ジグソー(JIGSAW)代表 (グローバルシンクタンク) グーグル・アイデア戦略家

Thomas Frey

ダヴィンチスール研究所 所長 専任未来学者(「未来との対話」著者)

<分科会> 4つの小テーマごとに進行される。国際機関、政府、学界、民間分野のリーダー らが出席し、都市経営の成功事例とビジョンについて発表するとともに、参加者 間で意見交換を行い、アジア太平洋地域の都市管理の改善や持続的な繁栄につい て議論する。4つの小テーマは以下のとおり。 1. 科学技術を通じた都市革新 (Innovating Cities through Science and Technology) 2. 企業活動の促進を通じた都市の再活性化(Revitalising Cities through Vibrant Business Activities) 3. 持続可能な都市発展戦略 (Achieving Sustainable City Solutions) 4. 文化と芸術を通した都市再生 (Recreating Cities through Art and Culture) <市長団フォーラム> 都市の代表者が集まり、サミットのテーマと関連する共同案件を確認し、直面す る問題を解決するための方案について議論する。また、参加都市間の相互協力と友 好増進を誓う「2017アジア太平洋都市サミット市長団共同宣言」に署名する予定。 <青年フォーラム> 18歳から30歳までの青年リーダー、大学生や専門家が集まり、アジア太平洋地域 の都市について意見を交わし、未来の都市についての新たなビジョンを模索する。 フォーラムに先立ち、参加者には事前に4つの小テーマと都市が抱える問題が課題 として提示され、オンライン・オフラインの活動を通じて問題解決のための議論が 行う。フォーラムでは議論の結果報告と優秀発表の授賞が行われる。 <展示及びビジネスミーティング> サミット開催期間中は参加都市の広報館・企業館等が設営され、 参加者同士がネットワークを構築できるよう、企業説明会、 投資誘致説明会、バイヤー・セラーの相談の場が設け られる予定。 The Association of Northeast Asia Regional Governments

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第4回青少年エッセイ・絵画等コンテスト エッセイ部門受賞作品紹介

第4回青少年エッセイ・ 絵画等コンテスト エッセイ部門受賞作品紹介 「NEAR青少年エッセイ・絵画等コンテスト」は、会員自治 体の青少年(14~18歳)を対象に2013年から実施しており、今 年で4回目を迎えた。2016年は「エッセイ部門」に加え、「母 国の文化紹介」、「北東アジアの環境問題」を作品のテーマと した「絵/ポスター部門」を新設。5か国から46作品の応募が あった。 今月号では、エッセイ部門の受賞作品(奨励賞)を紹介する。

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NEAR NEWS Vol. 73


第4回青少年エッセイ・絵画等コンテスト エッセイ部門受賞作品紹介

[奨励賞]

多民族国家 シンガポールから学べること

日本・富山県、富山県立大門高等学校2年 池田 愛悠 私は北東アジアと聞くと、正直あまりいいイメージを持っていません。

シンガポールの街の様子もとても素敵でした。シンガポールはゴミの

中国と言えば、大気汚染問題やゴミ問題、最近では、小学校のグラウン

ポイ捨てに対して罰金を科すことで美しい町並みが維持されていること

ドに使用されていたゴム素材が原因で、小学生に健康被害が起こったこ

は、社会の授業で習ったとおりで、確かにきれいに整備されていまし

とがニュースで取り上げられていました。韓国の反日教育、竹島問題や

た。その美しい街のいたる所で、異なる民族衣装を纏った人々がごく当

従軍慰安婦問題、北朝鮮のミサイル発射に日本人拉致問題、モンゴルの

たり前のように話をしていました。生まれが違っても、母語が違って

森林破壊や公害に、ロシアとは北方領土の領土権争い・・・。日本と仲

も、生活習慣や考え方が違っても、こんな風に仲良くなれるのだと驚き

が良いと感じる国は少ないです。テレビのニュース番組では、このよう

ました。今の日本に足りないことは、もっとお互いのことを知ろうとす

な報道ばかりされているので、少なくとも日本に住んでいる私のような

る姿勢だと感じました。寺院やモスクでも自由にお祈りできたことや、

高校生の多くは、北東アジアの国々に対して悪い印象の方が強いと思い

小さな国の中で多人種の人々がごく普通に暮らしている様子を目にした

ます。きっと北東アジアの他の国々の高校生も日本に対してプラスのイ

ことで、日本人である私でも受け入れてもらっているという嬉しい気持

メージを持っていないのではないかと思います。私は北東アジアを訪問

ちになり、シンガポールが住みやすい国だと感じると同時に、私もシン

したことがないので真実は分かりませんが、悪いところばかりではなく、 ガポールの人々を受け入れたいという思いになりました。人は相手の悪 良いところもたくさんあると信じています。

いところが見えてしまうと、そこにしか目がいかなくなってしまうの で、たとえ悪い部分が見えていても、良いところを見つけようとするひ

私はシンガポールに三度行ったことがあります。私の母が昔、教師の

とりひとりの意識が大切だと思いました。このことは、人間と人間との

仕事でシンガポールに住んでいたことがあり、小さな頃からシンガポー

関係だけでなく、国と国の関係を良好に保っていくときにも当てはまる

ルの話をよく母から聞かされていました。シンガポールは多民族国家な

のではないかと思います。

ので、マレー系や中華系、インド系などのたくさんの異なる人種の人々 が住んでいます。人種が違えば信仰する宗教も違います。私が驚いたの

今の私には、北東アジアの国々に対して悪い印象しかありません。し

は、チャイナタウンにヒンドゥー寺院があったり、逆にリトルインディ

かし、もっとそういった国々の違う面も知っていきたいと思っていま

アに中国様式の仏教寺院があったりしたことです。モスクや寺院にはた

す。今の時代はインターネットなどで簡単に世界中と繋がることができ、

くさんの観光客が自由に出入りでき、私も現地の人と同じように見様見

情報収集も、いろいろな国の人々と意見交換することもできます。私に

真似でお祈りをしてきました。このようなことが日常的に行われている

とって問題なのは、コミュニケーションするときの言語、私の英語力で

ことに誰も違和感を覚えないということは、様々な宗教を信仰する人々

す。海外には日本語を勉強している人もたくさんいますが、やはり世界

がうまく溶け合っているということだと思いました。宗教と言えば、最

中の人々と繋がっていくときには、国際語である英語が必須です。私は

近はイスラム教のことが度々ニュースで話題になり、宗教が異なれば分

将来、国際関係を学ぶことができる大学に進学し、世界と日本との架け

かり合えないのではないかと考えてしまいがちですが、シンガポールの

橋となる役割を果たすことが夢です。私に何ができるか分かりません

このような状況は、私たちが互いに理解し合い、交流を深めていく上で

が、小さなことでも何か貢献できればと思います。北東アジアの国々が

の、何か重要なヒントを与えてくれるように感じます。

政治でも、経済でも、環境問題でも協力し合える関係になってほしいと 願います。そのためにも、まずは英語を一生懸命に学ぶことをその第一 歩とし、現在頑張っています。

The Association of Northeast Asia Regional Governments

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第4回青少年エッセイ・絵画等コンテスト エッセイ部門受賞作品紹介

[奨励賞]

北東アジアを知ろう! 韓国・慶尚北道、浦項高等学校1年 シム・セユン 日本の独島領有権主張、日本とロシア間のクリル諸島問題、日本と中

日本は、韓国を通じて先進的な文化・物を

国・台湾間の尖閣諸島(釣魚島)問題。これらは全て、アジアの北東部に

受け入れるとともに、中国と直接の交流

位置する北東アジア諸国で起きている問題だ。北東アジアとは、韓国を

も行った。しかし、島国であるという

はじめ、中国、日本、広くは台湾を含む地域を指している。私は、韓・

点から発展が遅れると、大陸に進出す

中・日を中心に話を展開したいと思う。

るため常に周辺国と戦争をしてきた。

北東アジア諸国は、昔から深い関係を結んできた。中国を通じて入っ

仏教と儒教、漢字という共通点は、3か国の国民文化

てきた文化が韓半島を通じて日本に伝わることもあったし、日本で流行

を一つにする根本となるだろう。K-POPや日本のアニメは、

した文化が韓半島と中国に渡ってくることもあった。もちろん、良い方

既にこれらの国の国民が一つの関心事に集まることができると

にのみ相互作用をしてきたわけではない。古代、中世の中国による韓半

いうことを十分に証明した。こうした文化を創っていくためには、

島の侵略と、韓半島と中国に対する日本の野心から始まった恐ろしい戦

私たち10代、20代の努力が重要だ。私たちの世代はSNSのような空間

争は、忘れることのできない記憶でもある。今も北東アジア諸国は、複

を超える媒メディアに慣れており、全ての物事に情熱的に取り組むこと

雑な利害関係を持ちながら、自国の利益を追求する。その過程で、北東

ができるからである。3か国の10代、20代がまずゲーム、音楽、ダンス

アジア国家間の溝は深まっていく。

などの分野で新しい文化を作っていくことは、明白に大きなプラスにな るだろう。

これらの問題を解決するためには、北東アジアについてより深く知 り、理解することが重要である。まず、北東アジア国家間の共通点と相

歴史と国民性の違いにより深まった感情の溝は、国民の努力だけで解

違点を知ることが必要である。これら国家間の共通点を知ることは、北

決することは難しい。日本の歴史歪曲のように、各国政府が自分たちの

東アジア国家間の連帯感を増進させ、互いの反感を減らすことができる

既得権を維持するために歴史や国民性を利用することは厳格に禁じ、こ

方法であり、互いの相違点を知ることは、それぞれの違いを理解し、尊

れに反する場合は、国民自らが政府の態度を批判、非難し罰を下さなけ

重する方法である。

ればならない。今後、政府は誤った歴史を正すために努力すべきであ り、国民も、他国の国民性の違いを理解し、尊重しなければならない。

まず、北東アジア国家間の共通点として、仏教と儒教が挙げられる。 仏教は長い間、北東アジア諸国を精神的・信仰的に導いてきた。儒教は

現在、北東アジアは世界の強大国が集まる地域であり、これらの国家

韓・中・日3か国の国家統治おいて大きな役割を果たし、今でも影響を

間の葛藤は、全世界的な問題に繋がる恐れがある。特に北朝鮮に関連す

及ぼしている部分がある。また、漢字も3か国の大きな共通点である。 る問題があり、葛藤の解消が急務である。今後の北東アジア地域間の関 韓国で世宗大王がハングルを発明し、使用される前までは、3か国全て

係次第で、戦争が起こるかもしれないし、平和が訪れる可能性もあり、

が漢字を基にした文字を使っており、ハングルの発明後、現在までも韓

私たちの努力が重要だ。北東アジアを担っていく私たちの世代がが互い

国語と日本語には漢字語が多く残っている。

に理解し、尊重し配慮すれば、私たちの前には平和 が訪れるだろう。

相違点としては、過去の歴史上 の3か国の位置を挙げることが できる。中国は、強力な勢力を 背景に韓国と日本の独自の地位 を認めながら朝貢を受けた。韓国 は、中国との交流を通じて先進 的な文化や物を受け入れる一 方、周辺国との外交を通じて 可能な限り衝突を避けた。

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NEAR NEWS Vol. 73


第4回青少年エッセイ・絵画等コンテスト エッセイ部門受賞作品紹介

[奨励賞]

ロシアの現在と未来 ロシア・ハバロフスク地方、パンコフ中学校 ニコルライチク・ニキタ ロシアの未来は世界的に重要な課題であ

しい姿に変化すると確信する。ソビエト時代の作家であり詩人のエドゥ

り、その実態は次第に明らかになり、認識

アルト・アサドブ(Edward Asadov)は、ロシアの過去について、「ロシアは

されるだろう。道徳的、知的、あるいは経

剣で始まっていない(Russia did not begin with a sword)」という偉大な文章

済的潜在力は、ロシア当局が今後の未来を

を記述している。これまでどのような状況でも戦争や葛藤を挑発したこ

どのように準備していくかに懸かっている。

とはなく、今後もそうである、という意味である。これはロシアの強み であり、偉大な点である。世界の二大陸にまたがるロシアは、東洋と西

モスクワは「第3のローマ」とも呼ばれているが、これは正教会の遺

洋のバランスを維持する軸としての役割を果たしている。

産がしっかりと保存されているだけでなく、象徴的な場所であるからで ある。ローマ帝国時代からビザンチン時代、モスクワ時代に至るまで正

ロシアの現在と未来のために国際的な観点から緊急かつ重要な課題は、

教会の精神が引き継がれ、地域の信仰的基調を決定づけてきただけでな

原油やガス等の鉱物資源の加工に向けた、現代的で最先端のシステムを

く、ロシアの道徳政策と発展・国家形成の基盤となってきた。千年の歴

整えることだ。石油はエネルギー産業から鉱山産業に至るまで、大部分

史を経て、ゆっくりと着実に信仰や愛、善良さの精神を継承するだけで

の生産に必要とされる重要な要素である。世界的に有名な19世紀のロシ

なく、平和と調和が育まれた場所である。

ア人科学者、メンデレーエフ(Mendeleev)は「原油の取引は、ノートを使 用してストーブに火を入れることと同じだ。」と述べた。21世紀半ばま

ロシアの現在と未来についての考察は漠然と始まったことではない。過

でに、ロシア経済の発展のために原油輸入のみに依存するのではなく、

去、現在、未来は時間という4次元世界を構成する3つの柱である。「過

高度の技術を用いた石油加工製品の開発に力を入れなければならない理

去」は存在の根幹であり、「現在」に深く影響を及ぼし、「現在」は私たち

由である。同時に、航空・造船産業、微細電子機器、宇宙産業用ロケッ

の意識の中に明確に存在する幹であり、「未来」は次第に生い茂る葉のよう

トなどを急速に発展させなければならない。そうでなければ、現代的・

である。豊かな土壌の上で幹が生き生きと育ち、輝く葉が増えていくよう

経済的に発展し国となることは困難である。

に、ロシアは過去と現在を誇りにしながら、明るい未来を迎えればよい。 ロシアは過去を忘れない。クリコヴォ(Kulikovo)の戦いと1812年のボロジノ

私たちは、世界が地政学的に再配置されていることを知ることができ

(Borodino)の戦いで戦死した勇敢な兵士を忘れず、20世紀の流血の戦争の英

る。かつては地政学的にヨーロッパが中心であったが、今日では中東、

雄たちと、独立と名誉のために戦死した全ての人を忘れない。

中央、東南アジアに集中している。そのため、ロシア経済の優先順位は 極東地方とシベリアに焦点が当てられている。今から約1世紀前、ムラ

ロシアは多民族国家である。ロシア人、ロシア語、ロシア文化の象徴

ヴィヨフ=アムールスキーは「ロシアは東から来た」と述べた。最近で

である文明はロシアの民族を団結させ、多様性が存在する世界に吸収さ

は、ロシア連邦法に基づき、極東地域で社会経済的な開発が進められて

れないようにさせた。そのため、個人的な意見であるが、ロシアの未来

いる。極東地域には、最も近代的なEAST宇宙航空が建設された。極東

は様々な民族文化と経済の両方の分野で繁栄していくだろう。名誉、信

地域はロシアの未来の出発点である。素晴らしい発展、うっとりする景

頼、国民の精神力が、ロシアの未来が意義深く素晴らしく発展を遂げる

色だけでなく、現業に従事する数百万の優秀な専門家がいる。また、信

までの精神的・道徳的な基盤となるだろう。

頼できる国外のパートナーと自国民のみに開かれた、巨大な資源の貯 蔵庫でもある。ロシアがアジア地域に友好の手と経済的支援を要請する

次世代のロシアについての私の意見はこうだ。公正な社会とは、信頼、 ことは、特別なことではない。精神的な類似性と発展の方向を共有する 名誉、尊厳性、道徳性の共通かつ明確な理解に基づいた、誰もが自らを

ことで、相互の利益追求と急速な発展に有利になるだろう。

誇りに思い「男性だ」、「女性だ」と声をあげることができる社会であ る思う。私は毎朝、鐘が鳴る金色のドーム型寺院が並ぶ大都市を見てい

ロシアは単に地図上の表記だけでなく、実際に世界の二大陸にまたが

る。家族が共に愛と親密さを感じながら余暇を過ごし、会話しながら街

っているという特徴がある。ロシアは、アジア・ヨーロッパ両方の伝統

を歩く姿を見ている。

を認め、他国と結んだ全ての関係も尊重する。多くの政治指導者が公正 な社会の実現、信頼と愛、理解に基づく社会の形成を目標とするならば、

今後数十年のロシアはどのような姿であるか、友人や家族に聞いてみ

ロシアもそこに力を合わせ、皆が共に歩み、世界はより良くなるだろう。

た。皆、答えは同じであった。私はロシアがこれ以上ないくらい素晴ら The Association of Northeast Asia Regional Governments

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The Association of Northeast Asia Regional Governments

北東アジア地域自治体連合 The Association of Northeast Asia Regional Governments (37668)慶尚北道浦項市南区芝谷路394 浦項 テクノパーク本部棟3階 T. +82-54-223-2317 F. +82-54-223-2309 E-mail near@neargov.org Homepage www.neargov.org


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