Near news vol.66 JPN

Page 1

NEAR

News

一つの北東アジア、一つの共同体 NEAR | One Northeast Asia Region, One Community NEAR 2016. 1-2

Vol.

66 日本・島根県宍道湖の夕日 (撮影:松尾周一郎)

新年挨拶 全哉垣NEAR事務総長 I NEAR議長、イルクーツク州知事

今月の動静 NEAR活動 I 事務局ニュース I 会員自治体の動静 I 会員自治体の行事日程

青少年エッセイコンテスト「最優秀賞」授賞作品 企画取材 2015NEAR国際フォーラム 海外派遣職員寄稿-韓国生活手記、中国派遣職員(湖南省)邓薇

北東アジア地域自治体連合 The Association of Northeast Asia Regional Governments


NEAR News

「NEAR News」は会員自治体のニュースを伝え、情報を共有するNEARの公式なメッセンジャーとして創刊されました。NEARの活動状況、 会員自治体動静、関連国際動向、各種の寄稿、お知らせなどの内容で定期的に発刊しており、会員自治体及び関連機関に無料配布し、NEAR ホームページにも掲載されます。 「NEAR News」は会員自治体がともに作っていくニュースレターであり、NEARと北東アジア地域に関心を持つ 方はどなたでも参加できます。 「NEAR News」に掲載を希望する原稿や斬新なアイデアをお持ちの方はNEAR事務局までご連絡いただくようお願いします。

8 Vol. 66

ロシア・サハ共和国の冬風景

10

17


北東アジア地域自治体連合とは 北東アジア6カ国(日・中・韓・蒙・露・北朝鮮)78の広域自治体(73会員 自治体、5オブザーバー自治体)で構成される北東アジア地域におけ る代表的な地方外交協力体であると同時に、国際的な機構でもあり ます。 北東アジアの共同繁栄を基本理念とする連合憲章を採択し、経済・ 人文、教育文化交流、環境、防災、国境地区協力、科学技術、観 光、海洋漁業、鉱物資源開発・調整、エネルギー・気候変動、女性・ 児童、生命・医療産業、農業などの様々な分野で幅広い交流・協力 プログラムを展開してまいりました。 欧州最大の地方政府協力機構であるAER(欧州地域会議)、R-20 (気候行動地域)など国際的な機構との交流を活性化し、パートナー シップの締結、共同事業の推進など、北東アジアを越えて、世界中 と繋がる国際協力ネットワーク構築の先頭に立っています。

NEARの門戸は開かれています。 北東アジア地域に位置し、連合の設立趣旨に賛同する広域自治体 は、連合の総会の承認を経て参加することができます。

北東アジア地域自治体連合 The Association of Northeast Asia Regional Governments


新年挨拶

新年挨拶

新年挨拶 希望に満ちた丙申の年「2016年」を迎え、北東アジア地域自治体連合(NEAR)会員自治体の皆様、 明けましておめでとうございます。 昨年4月にNEAR事務総長として赴任し、経済・人文、農業、防災、教育・文化交流、環境、海洋 ・漁業などの6分科委員会、NEAR国際フォーラムと第10回実務委員会を通じて、会員自治体間の実 質的な交流の場を設けるために努力してきました。 現在、北東アジア地域自治体連合は、1996年に創設して以来、73会員自治体へと拡大し、総人口 4億4600万人を包容しています。経済、文化、環境、防災などの多様な分野で域内地方政府間の交 流と協力を通じて北東アジア地域の共同発展と繁栄を追求し、世界平和に寄与するよう努力を尽く しています。また、会員の拡大と協力分野拡大はもちろんのこと、会員自治体間の理解と友誼を増 進させる重要な架け橋の役割、そして北東アジア地域の発展と平和にも大きく寄与してきたと思い ます。 全哉垣

北東アジア地域自治体連合 事務総長

北東アジアが世界の交流と協力の中心となるには、社会・経済・文化などの多様性を認めること と同時に、何よりも共同協力が必要だと思います。既に多くの歴史学者らは「世界をリードする発 展の軸は北東アジアに移っており、21世紀は北東アジアが主導するだろう」と述べています。 北東アジア地域は、他のどの地域よりも高い発展潜在力を持っています。石炭、天然ガス、石油 をはじめとする豊富な鉱物資源と技術を保有しており、経済力は世界GDPの30%を占めるなどその 地位と役割は日々高くなる一方です。これらを基に、自信を持って会員自治体で知恵を集め交流と 協力を強化させて行けば、「真の協力パートナー」になり、国家と人類の発展に大きく寄与すると 思います。 特に、2016年は、北東アジア地域自治体連合創立20周年となる年です。そこで、我々連合事務局 では、会員自治体間の実質的な交流協力に向けより努力し、持続的に北東アジア地域の地域共同体 としてのアイデンティティを確立させるよう努力を尽くします。そして、会員拡大と共に具体的で 実質的な協力事業を推進・支援することで会員自治体の皆様に有益で充実した交流と協力の場を設 けるよう努力します。 また、第11回総会がロシア・イルクーツク州で開催されます。今回の総会では、会員自治体の団 体長が集まり、北東アジアの交流協力のみならず、発展方案と会費制導入などの多様な懸案課題に ついて論議する予定です。皆様の積極的な関心と参加をお願いします。 最後に、2016年も皆様のご家庭が健康と幸運に恵まれますよう心から祈願いたします

4

NEAR NEWS Vol. 66


新年挨拶

尊敬する北東アジア地域自治体連合会員の皆様! そして、尊敬する読者の皆様! 2016年、あけましておめでとうございます。NEARの議長としてイルクーツク州を代表して皆様の 成功と繁栄を祈願します。 2015年を振り返ってみると、会員国家間の相互協力を強化させる重要な行事が数多くありまし た。特に、イルクーツク市で開催した「第10回NEAR実務委員会」をはじめとする各種重要な行事が 行われました。来る2016年には、我がイルクーツク州で「第11回NEAR総会」が開催されます。 イルクーツク州は、1996年連合の創設メンバーであり、海外国家とのこれまで蓄積してきた友 好関係を固めることと共に新しい経済貿易パートナー及び友好関係構築のため日々努力しており レフチェンコ・セルゲイ

NEAR議長、イルクーツク州知事

ます。 2016年は、NEAR創設20周年を迎える重要な年です。20周年記念総会は、NEAR会員自治体間の関 係活性化と拡大に役立つことを期待します。 北東アジア地域協力の拡大強化のためご尽力頂いた関係者の皆様とNEARを応援して頂く皆様に感 謝します。2015年を成功裏にまとめる事ができ、非常に嬉しく思います。2016年にも計画されてい る事全てが上手く進む事と、そして皆様の健康と幸せを祈念します。 では、2016年、イルクーツク州で再度お会いする事を楽しみにしております。

The Association of Northeast Asia Regional Governments

5


今月の動静

NEAR活動

NEAR活動 第12回環境分科委員会の開催

学校の砂子阪将大(すなござかしょうだい)さんが授賞した。国家別優秀 賞は、中国・山東省東営市実験中学校の王若瑜さん、日本・島根県出

第12回環境分科委員会が2015年11月11日(水)~12日(木)、富山県富山市

雲西高等学校の曽田葉月さん、韓国・慶尚北道慶州女子高等学校のオ

で開催された。今回の会議には、韓国、中国、日本、ロシアから6団体

ム・ユンジュさん、モンゴル・オブス県ウラーンゴム第2番学校のパサ

約40名が参加し、環境協力の推進方案等について討論した。また、次期

ンフ・ノミンエルデンさん、ロシア・ハバロフスク地方10学年のア

コーディネート団体の選出、環境関連個別プロジェクト提案状況、今後

レピイェパ・アリナさんがそれぞれ授賞した。

環境分科委員会の活動計画について、会員自治体間の意見調整及び協議

第3回NEAR青少年エッセイコンテストの授賞式が12月17日(木)に NEAR事務局の事務総長室で行われた。韓国の受賞者として慶尚北道

が行われた。 環境分科委員会は1999年から毎年開催され、2005年から隔年制に変わ

慶州女子高等学校オム・ユンジュさんが優秀賞を直接受け取った。

り今年で12回目を迎えた。NEAR事務局は、第11回の会議に引き続き今

海外受賞者には各国の該当する会員自治体を通じて賞状と賞品が授

年も出席し、このような環境保全体制に関する情報を共有することで北

与される。

東アジア地域全体の環境問題及び世界環境問題の解決にも大きく寄与す

2016年1・2月号のNEAR広報機関誌に、最優秀賞授賞作である富山県

るよう努力する方針だ。環境分科委員会での環境問題解決について持続

の砂子阪将大さんのエッセイが掲載される。また、事務局は、2016年

的に努力してきた成果を認められ、2016年G7環境首脳会議を富山県で

から会員自治体に積極的な広報と参加を通じて、授賞範囲を拡大する

開催することになった。

などより充実した事業になるよう努力して行く方針だ。

NEAR国際フォーラムの開催 2015NEAR国際フォーラムがNEAR事務局と慶熙大学国際地域研究院 の共同主管で、2015年11月19日(木)に大韓民国ソウル特別市ミレニアム ヒルトンホテルで開催された。今回のフォーラムは「北東アジアの災 害とガバナンス構築の模索」というテーマで、最近の北東アジア地域 で発生した災害と各国別対応事例を主な内容として取り扱い、会員自 治体間の防災及び災害対応関連情報を共有し、相互のつながりを強化 する場とした。 今回のフォーラムでは、中国、日本、韓国、モンゴル、ロシアの5ヶ 国25団体の代表を含め、災害安全担当者、関連分野の専門家、国際機 構関係者など約200名が参加した。地震、国境を超えた環境問題、砂漠 化、疾病など北東アジア地域の各国が抱えている災害について掘り下 げた論議と共同対処方案について熱い討議が行われた。 今年で7回目を迎えるNEAR国際フォーラムは、北東アジアが直面し ている諸般の問題解決と地方政府レベルの共同対応策を整えるため 2007年から毎年開催している。(2012年、2013年除く) 詳しくは、今月号の「企画取材」に掲載されている。

第3回NEAR青少年エッセイコンテストの審査結果及び授賞式

2016年度NEAR行事計画の案内 - NEAR青年キャンプ

2013年から始まった青少年エッセイコンテストは、北東アジアの青少

NEAR事務局は、NEAR創立20周年を迎え、未来の主役である会員自

年達に北東アジアの政治、社会、経済、文化等の多様な分野について

治体の大学生を対象に、NEAR青年(大学生)交流キャンプを夏休みに合

関心を向上させ、アイデンティティを確立するために開催している。

わせて運営する計画。会員自治体の大学生を中心に主題別討論会、オ

回を重ねる度に多くの青少年達が参加している。

ウリム(調和)広場、会員自治体の歴史、文化体験など多彩なプログラム

今年は、「文化交流」と「環境問題」に関する選択主題で、5ヶ国 56点のエッセイが送られて来た。最優秀賞は日本の富山県立大門高等

6

NEAR NEWS Vol. 66

を通じて相互文化を交流することのみならず、引いてはグローバルマ インドを養う事業になることが期待される。


NEAR活動 / 事務局ニュース

- 第11回NEAR総会

月日

9月頃に4日間の日程でロシア・イルクーツク州で「第11回NEAR総 会」が開催される予定。今回の総会は、特にNEAR創立20周年記念行事 が準備されており、総会で扱われる議題として「会費制導入」、 「憲章 改定」などの連合の主要事項、事務局及び分科委員会の主要活動報 告、次期議長団体(2018年第12回総会の開催地)の決定などがある。

- 分科委員会の開催広報(予定) 第14回防災分科委員会(日本・兵庫県/3月7日~10日) 第14回防災分科委員会が兵庫県神戸市で、3月7日から10日まで開催さ

場所

内 容

3月7日(月)

神戸市

来県 19:00~20:30 歓迎交流会

3月8日(火)

神戸市

9:50 人と防災未来センター視察 12:40 「防災・減災対策の推進と教訓の発信」 国際防災機関等関係者との意見交換等

3月9日(水)

三木市 神戸市

10:30 兵庫県広域防災センター(消防学校)視 察、地震体験等 14:30 神戸市危機管理センター等 視察

3月10日(木)

神戸市

離県

第16回教育・文化交流分科委員会(8月中)

れる。今年は「防災・減災対策の推進と教訓の発信」に関する説明、

第16回教育・文化交流分科委員会が2016年8月中に開催される予定。

国際防災機関(アジア防災センター(ADRC)、国際防災復興協力機構

教育・文化交流分科委員会は、北東アジア地域の青年達が交流プログラ

(IRP))等の関係者との意見交換、兵庫県広域防災センターにおいて、

ムを実施し、各地域の相互理解と友好交流の増進を図るため、コーディ

「地域の防災力の向上」をテーマに、広域防災センターが実施してい

ネート自治体である島根県で毎年開催している。毎年異なる主題を選定

る県民対象の防災訓練を体験と県内視察が予定されている。詳しい内

し、意見交換、ホームステイ、伝統文化体験などで進行される予定。

容は、下記のとおり。

事務局ニュース NEAR、北東アジア国際協力賞を受賞

炫(キム・ジンヒョン)前科学技術副長官など約100人が参加した中で進 行された。全哉垣NEAR事務総長はNEARを代表して「今回の受賞を契 機に、北東アジアの平和と共同繁栄というNEAR創設趣旨に応えて一つ の北東アジア共同体環境造成のためNEARが先頭に立って行く」と受賞 感想を述べた。

北東アジア共同体研究財団(李承律理事長)は、第8回北東アジア国際 協力賞の受賞者として「NEAR」を選定した。授賞式は11月10日(火) にソウル・プレスセンターで行われ、全哉垣NEAR事務総長を通じて 授与された。 北東アジア共同体研究財団は、「NEAR」が北東アジアの代表的な

ロシア・イルクーツク議会副議長と面談

地方外交協力体として、域内地方政府間の活発な交流と建設的な協力

全哉垣NEAR事務総長は、11月11日(水)に訪韓中のイルクーツク議会

を通じて北東アジア地域の共同発展へと導き、域内の平和環境を造成

のアルダロプ・クジマ副議長を晩餐会に招待した。NEAR議長団体であ

のため寄与した事を高く評価し、受賞者として選定した。

るイルクーツク州のNEARに対する関心と支援について感謝を表し、

この日、授賞式は、金泳鎬(キム・ヨンホ)前産業資源副長官、金鎭

2016年NEAR創設20周年記念総会の開催などNEAR発展方案について意

The Association of Northeast Asia Regional Governments

7


事務局ニュース

見を交わした。 この日の晩餐会には、張敬植(チャン・ギョンシク)慶尚北道議会副

い。今後も疎外されやすい人々にもう一歩近づける機会をしばしば作っ て行く」と述べた。

議長も出席し、慶尚北道とイルクーツク州間「2016年姉妹提携20周 年」記念事業など相互協力方案について話し合った。

NEAR事務総長、中国・寧夏対外友好協会の総会に出席 全哉垣事務総長は、2016年1月8日(金)に開催された「寧夏回族自治区人 民対外友好協会総会」に出席し、祝辞を通じてNEARの活動現況と創立 20周年事業計画などについて紹介し、今後の相互交流協力増進の必要性 について言及した。また、寧夏対外友好協会から全哉垣事務総長を当協 会の海外理事として正式的に委嘱された。

NEAR事務局、日本会員自治体との意見交換会を開催 • 日時 : 2015年11月12日(木) 、10:00 ~12:00 • 場所 : 富山県 県民会館 3階 • 出席 : 10名 - 事務局 : 朴昌浩 企画総務課長の外2名 - 富山県 : 武隈俊彦 国際課長の外3名 - 島根県 : 坂本偉健 文化国際課長の外1名 - 兵庫県 : 塩見彰浩 主幹 • 主要議題 - NEARの問題点と改善策について - 連合憲章改定提案について - 分科委員会の改善方案について - 会費制運営規程(案)について

NEAR事務局、隣人と温情を分け合う

NEAR事務総長、寧夏回族自治区副主席との面談 全哉垣事務総長は、2016年1月8日(金)に開催された「寧夏回族自治区対 外友好協会総会」の出席に併せ、王和山副主席(副省長)と面談した。今年 NEAR創立20周年活動計画について紹介しながら、寧夏回族自治区の持続 的な関心と9月に開催予定のNEAR総会へ主席と副主席に参加して頂くこと をお願いした。これに対し王和山副主席は、「行事日程が重ならない限 り、出席について積極的に考慮する。」と述べた。 また、全哉垣事務総長は、寧夏回族自治区の首府である「銀川市」の杜 銀傑党副書記と面談し、NEARと銀川市間の相互交流協力方案について論 議した。

年末を迎えNEAR事務局は、全哉垣事務総長をはじめとする職員10名で 敬老堂(高齢者たちの交流の場)と母子・父子家庭、独居高齢者を訪問し、 暖かい心を伝えた。NEAR事務局の職員は、12月10日に浦項市杞溪(キゲ)面 に位置する疎外家庭3軒を訪問し、練炭800個を渡し、敬老堂にも訪問し 慰問品を伝達した。全哉垣事務総長は「些細なことであるが、年末年始 を迎え、困難な状況の人々に情を分け、暖かい冬を過ごせるようにした

8

NEAR NEWS Vol. 66


会員自治体の動静

会員自治体の動静 中国 - 黒竜江省 第32回黒竜江省ハルビン国際氷雪祭

中国 - 湖南省 第8回中国洞庭湖国際鳥類観覧祝祭の開催

1985年から始まったハルビン国際氷雪祭は、毎年1月5日頃から2月末 まで黒竜江省ハルビンで行われる雪と氷の祭りである。2016年1月5日 から始まる「第32回ハルビン国際氷雪祭」は、氷雪観光、氷雪文化、 氷雪ファッション、氷雪経済貿易、氷雪スポーツなど5つの主題の下、 約100の行事が進められる。 今回の祭りの主なコンテンツは、松花江の上に建設されたテーマパー ク「ハルビン氷雪大世界」、太陽島で進められる「雪彫刻芸術博覧 会」、兆麟公園で行われる「氷祭り」などがある。その他にも、観光 客が直接参加できる雪彫刻コンテストや水泳、スキー、雪ゾリなどの 冬のスポーツ、映画祭、油絵展示会、音楽会、氷上婚礼など多彩な行 事が行われる。

第8回中国洞庭湖国際鳥類観覧祝祭が12月11日から13日まで、湖南省

ハルビン国際氷雪祭は、地域祭りの一つとして始まったが、開催回数

岳陽市で開催された。岳陽市は2002年から中国洞庭湖国際鳥類観覧祝

を重ねた結果、毎年数百人以上が訪れる世界的な祭りとなった。日本

祭を7回連続開催し、「中国鳥類観覧都市」、「在中外国大使館から世

の札幌雪祭り、カナダのケベックウインターカーニバル、ノルウェー

界に推薦する中国生態都市」等の称号を得る名誉を得た。

のオスロ・スキー祭りと併せ、「世界四大冬祭り」として挙げられて いる。

中国野生動物保護協会、湖南省林業庁、岳陽市人民政府が共同主催し た「第8回中国洞庭湖国際鳥類観覧祝祭」には、様々な国家の在中外国 大使と国際専門家、マスコミ及び鳥類協会、自然保護区域の代表など が出席した。また、5万世帯以上の家庭に湿地保護科学雑誌を発送し、 100万以上の視聴者が遠隔監視システムと中継放送を通じて冬季に洞庭 湖の上を飛ぶ渡り鳥の姿を視聴した。

日本 - 新潟県 モンゴル・フブスグル県の高校生と相互訪問

新潟県は、今年度、モンゴル・フブスグル県と高校生の相互訪問を実 施した。

The Association of Northeast Asia Regional Governments

9


会員自治体の動静

8月18日から24日までの7日間、新潟県の高校生8人が、フブスグル 県を訪問した。フブスグル県では、知事表敬訪問や学校訪問、遊牧民 宅へのホームビジット、現地高校生とのキャンプやゲル宿泊などを行 った。生徒たちは、新潟にはない大自然を体験するとともに、モンゴ

韓国 - 慶尚北道 慶尚北道・英陽郡、アシア初「国際夜空保護公園」として指定される

ルの人たちの温かさに触れ、感動していた。また、ウランバートルで

慶尚北道・英陽郡の「ホタル生態公園一帯(390万㎡)」が国際ダークス

は、新潟県内企業が出資した新潟米を販売する会社等を視察すること

カイ協会(IDA:International Dark Sky Association)からアシア初とな

により、グローバル化する社会を肌で感じることができた。

る「国際夜空保護公園(IDS Park)」に指定された。

一方、10月26日から30日までの5日間、フブスグルで行動をともに した高校生7人が、来県した。新潟では、初めて見る海の浜で遊んだ り、水族館を見学したりするとともに、高校の授業を体験したり、高 校生宅にホームステイをしたりするなどして、友好を深めた。 今後、この高校生たちが、両国をつなぐ架け橋となることを願う。

今回の「国際夜空保護公園」指定は、人工的な照明から生態系を保護 し、大切な夜空を守る英陽郡の努力が認められたという事になる。 英陽郡は、国際夜空保護公園に指定されたことを契機に、夜空保護公 園指定案内所と案内板を設置し、指定地域を夜空保護基準に合う照明 管理計画を樹立・施行する予定だ。 また、国際ダークスカイ協会及び国際公認基準に合う照明管理として

日本 - 石川県 北陸新幹線・金沢開業

「星を数える夜」、「星の光紀行」などテーマがある多様な星の光体 験プログラムを作る計画だ。 なお、大学、研究院、天文学クラブ、国際ダークスカイ協会の支部な どと緊密な共存協力ネットワークを構築し、「夜空品質悪化防止プロ グラム」などを整え、公園運営年次報告書などを作成し毎年10月に国 際ダークスカイ協会に提出する予定だ。 特に、英陽郡は、国際夜空保護公園に指定されることで、「昼中心の 観光から夜中心観光」に新しく観光形態が生まれた。「清浄英陽」の 観光国際化とホタル特区としての地位向上になることを期待してい る。また、国際夜空保護公園として指定された28のグローバル都市と の交流活性化を通じて、美しい夜空の魅力の有る英陽郡が国際的な生 態都市に生まれ変わることになるだろう。

JR金沢駅もてなしドームで開催された ‘Electric Light Symphony’

2015年の3月14日に北陸新幹線が金沢まで開業し、東京と金沢が最速 2時間28分で結ばれた。開業以降、首都圏はもとより全国から、外国人 を含む多くのお客様にお越しいただいている。 特に、石川県を代表する観光地である兼六園では2014年の約1.4倍、 金沢城公園では約1.8倍の入園者数となっているほか、主要温泉地の宿 泊数も約1.2倍となるなど、県内全域において賑わいを見せている。 こうした開業効果を持続・発展させるため、2015年10月から12月に かけて、北陸三県とJRグループが連携した大型観光キャンペーン 「北陸デスティネーションキャンペーン」(北陸DC)を実施してお り、10月16日には、「ELECTRIC LIGHT SYMPHONY」と題した、オー

韓国 -江原道 最高の冬祭り「華川ヤマメ祭り」を開催

ケストラ・アンサンブル金沢による光と映像の演出が加わったクラシ

雪と氷があり、冬になるとよりその魅力を見せる故郷「江原道・華

ックコンサートを開催した。北陸DC以降も、冬のジャパニーズビュ

川」には、冬ならではの珍味がある。それは、「華川ヤマメ祭り」で

ーティー北陸キャンペーン、春には北陸新幹線開業1周年記念キャンペ

ある。2016年1月9日から31日まで、約1ヶ月間開催されるこの祭りは、

ーンも予定している。皆さま、ぜひ石川へお越しください。

ヤマメ体験、雪・氷体験、文化体験、市街地・付帯行事など様々な体

10

NEAR NEWS Vol. 66


会員自治体の動静

験とプログラムが準備されている。その中でも最も人気なのが「ヤマ

団で公演に関連する意見を交わした。今後、合同公演をするなど協力

メ氷穴釣り」である。釣りをするため、氷上に1万2千個の穴をあけ

することとした。

る。華川川は水深2メートル程の透明な水なので氷の底を見ると泳いで いるヤマメの姿を簡単に見ることができる。祭りの期間には毎日1~ 2トンの新鮮なヤマメを川に入れるため、若干の運と実力だけあれば誰 でも1匹や2匹を取ることができるだろう。 また、「ヤマメ素手づかみ」は、直径10メートルのプール内で素早く 動くヤマメを素手でつかむことで、変わった楽しみが味わえるイベン トである。氷穴釣りや素手づかみで取ったヤマメは、会場の所々に設 置してある無料の焼き場で塩焼きにしてもよく、刺し身サービスセン ターで刺し身にして食べても美味しい。韓国、中国、日本など東アジ ア地域で珍味や補養食として珍しいヤマメは、食感は柔らかく弾力が ある。 「ヤマメ祭り」は、2003年に第1回を皮切りに、毎年百万人程度が参 加する規模までに至り、毎年より刺激的で楽しい祭りへと生まれ変わ っている。

ロシア - カムチャッカ地方 カムチャッカ地方「文化観光週間」、生態観光国際フォーラム 2016年9月2日から11日まで、カムチャッカ地方の文化観光週間として 指定され、多様な行事が行われる。 主要行事として「生態観光国際フォーラム」が開催され、フォーラム では生態観光発展、実践的なソリューション開発とアドバイスするため 現在の問題点と可能性について専門的に論議される場になるだろう。 付帯行事としてフェスティバル「共にサケを保護しよう!」と伝統工 芸祝祭、少数原住民芸術祝祭、音楽会などが行われ、参加者に楽しさ と見どころを提供する。

モンゴル - ゴビスンベル県

当行事に関する詳しい内容はホームページ「www.visitkamchatka. ru」又は電話「+7(4152)41-23-55」にて。

ゴビスンベル県「Borjigon」国楽団が中国泉州市 「第14回アジア芸術祭」に参加 2015年11月4日~12日、中国泉州市で開催された「第14回アジア芸術 祭」にモンゴル・ゴビスンベル県「Borjigon」歌舞団が参加した。こ の芸術祭では、シンガポール、インド、ラオス、日本、ベトナム、韓 国、フィリピン、タイ、モンゴルなどアジアの20ヶ国約450名が公演を 披露した。 2年毎に開催される今回の芸術祭に、モンゴルを代表してゴビスンベ ル県から団長を含めた13名の歌舞団員が参加した。11月8日に芸術祭の 開幕式が行われる前に、歌舞団員は泉州市の「Hester Art Park」公園 で海外の公演俳優と一緒に植樹行事を行った。そして「Haixia」競技 場で開かれた開幕式で「Borjigon」歌舞団は、モンゴル伝統の歌と踊 りを披露した。9日から10日まで、「Borjigon」歌舞団は「Shishi」、 「Anxi」などの地域からそれぞれ1回ずつ1時間20分の公演を行った。 芸術祭閉幕式後の12日には、ゴビスンベル歌舞団とインドネシア公演

The Association of Northeast Asia Regional Governments

11


会員自治体の行事日程

会員自治体の行事日程

January, February 2016. 1. 1. ~ 2. 28 自治体名

行事名

韓国 江原道

華川ヤマメ祭2016

日本 兵庫県

ひょうご安全の日のつどい 1.17メモリアルウォーク2016、 1.17のつどい、 交流ひろば・ステージ、防災訓練

日本 兵庫県

国際防災・人道支援フォーラム 2016 International Disaster Reduction Forum(DRA Forum 2016)

日本 兵庫県

IRP 国際復興フォーラム2016 International Recovery Forum 2016

日本 新潟県

北東アジア経済発展国際会議 Northeast Asia International Conference for Economic Deveropment

ロシア クラスノヤル スク地方

国際教育大学生の広場 ‘Winter F.R.E.S.H.’

期間

場所

1月9日~1月31日

華川郡一帯

1月17日

1月20日

兵庫県 神戸市

連絡先 祝祭組織委員会 (T)+82-1688-3005 兵庫県復興支援課 (T)+81-78-362-9984 (F)+81-78-362-4459

兵庫県防災企画課 兵庫県神戸市 (T)+81-78-362-9870 ポートピアホテル (F)+81-78-362-9914

1月26日

兵庫県神戸市 ホテルオークラ 神戸

1月28日(木)~29日(金)

新潟市 朱鷺 メッセ

(公財) 環日本海経済研究所(ERINA) TEL:+81-25-290-5545 FAX:+81-25-249-7550

クラスノヤル スク市

クラスノヤルスク地方文化部 Т: +7 (391) 249-34-84 E-mail: Natarov@econ-krsk.ru inter@econ-krsk.ru

福井県国際 交流会館

福井県総合政策部電源地域振興課 (T)+81-776-20-0230

2月

兵庫県防災企画課 (T)+81-78-362-9870 (F)+81-78-362-9914

日本 福井県

アジア原子力人材育成会議

日本 京都府

「KYOTO地球環境の殿堂」表彰式 The Earth Hall of Fame yoto, Award Ceremony

2月13日

京都市

「KYOTO地球環境の殿堂」運営協議 会事務局 (T) +81-75-414-4830

日本 京都府

京都環境文化学術フォーラム 国際シンポジウム The Earth Forum KYOTO, International Symposium

2月13日

京都市

京都環境文化学術フォーラム事務局 (T)+81-75-414-4830

2月2日~3日

ロシア カムチャッカ 地方

第13回クラスノヤルスク経済フォ ーラム

2月18~20日

クラスノヤル スク市

ロシア連邦政府 クラスノヤルスク地方経済発展、投資政 策、対外関係部 (T)+7 (391) 249-34-84 E-mail: Natarov@econ-krsk.ru, inter@econ-krsk.ru www.krasnoforum.ru

ロシア チャッカ地方

カムチャッカ伝統犬ぞりレースエ リゾヴォスキ短距離レース「ベリ ンギヤ」

2月27日

エリゾヴォ市

カムチャッカ地方体育、青年政策部 (T)+ 7-4152- 42-41-52 minst@kamgov.ru

12

NEAR NEWS Vol. 66


青少年エッセイ

青少年エッセイコンテスト「最優秀賞」授賞作品

知る、理解する、 そして受け入れること あなたは、あなたの文化が好きですか? 今日、世界には異なる言語、慣習、生活ス タイルを持つ多様な人達が暮らしている。異

本に行けることを何よりも楽しみにしていた。 何故かわからないが、こういう簡単な日常生活の中で母国である日本が誇 りに感じられ、日本のみならずアメリカも好きになった。

なる国と地域が相互に作用しながら、世界は

アメリカに滞在している間、ホストファミリーと日曜日に教会に行った。

益々グローバル化し、地球は小さくなてい

幼い子どもを含めたたくさんの人々が教会に行くのを見て驚いた事がある。

る。我々はその文化的違いを無視したまま、 その理由は、日本の場合、宗教が人々の暮らしに深く根付いていないから

砂子阪将大

彼らをネガティブな観点から判断する。この

だ。特に我々の世代には。このような大きな違いを見て、もっとアメリカ

富山県立大門高等学校

ような状況の中で、我々はどう相互理解と尊

人について深く知りたくなった。また、このような経験から、文化が国際

重を増して行けるだろうか? そのキーワードは、まさに「知る、理解する、そして受け入れること」だ と思う。 昔、不公平な差別があった時期がある。西洋は皮膚の色による差別があっ た。私が住む日本では、人種差別は無かったが、過去に日本の北部地域の 北海道の「アイヌ」という少数民族が差別を受け、彼らの暮らしを強制的 に変えることを強いられた。

交流において重要な部分となり、平和を促進することを知った。 私は韓国のグループが歌う「江南(カンナム)スタイル」が大好きだ。彼ら の歌を聞いたり、ミュージック・ビデオを良く視聴する。家では韓国のキ ムチも食べ、家族皆がキムチが好きだ。私は様々な種類のキムチを食べて みたい。 多くの相撲選手はモンゴルから日本に来ており、彼らのエネルギッシュな 取り組みは私を興奮させる。機会があれば、モンゴルに行ってモンゴルの

おかしな話であるが、当時多くの日本人はアイヌ民族は知性が無く野蛮だ

レスリングを目の前で見てみたい。教科書によく出てくる中国の万里の長

と考えていたため、日本政府がアイヌ民族に対し厳格に法に従うことを強

城がとても荘厳に見えた。このような全ての物事が私の心を引く。また、ア

要した。例えば、彼らは母国語の代わりに日本語で話すことを強要され、 ジア諸国の人々に日本と日本文化についてどのように考えているのかも聞 さらに名前まで変えられた。もし、私がそういう立場に置かれたら、我慢 できなかっただろう。毎日ご飯も食べることができず、お盆休みに家族や 親戚と楽しい時間を過ごせないことを想像すらできない。 比喩的に言うと、これは人間から「水」を奪うことと一緒だ。

いてみたい。 私は、高校生として皆さんにいくつか提案したい。 一つ目に、アジア諸国の状況に関心を持って欲しい。我々はオンライン・ システムを通じて、数多くの情報を容易に手にすることができる。インター

今や、西洋で発生した人種差別や、アイヌ民族を無残に虐待することは、 ネットは、私達と世界をつないでくれる。毎朝、欠かさず世界ニュース番 過去に比べ改善している。しかし、国際関係において、未だに克服しなけ ればならない多くの困難が残っていると私は思う。

組や新聞を見ることを勧める。 二つ目に、国際行事に参加しよう。日本の田舎の美しい自然に囲まれた富

アジア諸国について我々はどのぐらい知っているだろうか?アジアの人々

山でも誰もが参加できる多くの国際行事が行われている。このような国際

は日本人の思考方式について理解することができるだろうか?我々は彼ら

行事に参加し、他の国の人達と交流し日本についてどう考えているか聞いて

を受け入れ彼らは私達を受け入れてくれるだろうか?どうすればお互いに一

みてはどうか。

層理解し合う仲になれるだろうか? 私の海外での体験は、これらの問題について答えを見つける有意義な機会 であった。 私は自分の英語能力を向上させ、母国語と日本文化に対する理解を深める 良い機会として、アメリカのある学校を訪問した経験がある。そこで、学

彼らは、私達の文化がどれだけ大切なものであるか、そして他の文化との 違いを教えてくれるだろう。やがて、あなたは自分のバックグラウンドを 愛し、関心を持つようになると私は確信する。また、他人を差別し、強制 的に自分と同じようにさせることがどれだけ無意味であることかが分かる だろう。

校で日本語を勉強していたという少年に会った。彼はいつも私に向かって

これらは小さな事だが、日本とアジア諸国との間で将来、深い友情を積み

日本語で話そうと努力し、私達は漫画や人形祭りなどの日本文化について

協力して行く第一歩になると固く信じている。そのキーワードは「知る、

語り合った。彼は日本ポップ・カルチャー大好きで、学校の修学旅行で日

理解する、そして受け入れること」だ。

The Association of Northeast Asia Regional Governments

13


企画取材

2015NEAR国際フォーラム

2015NEAR 国際フォーラム

11月18日から20日まで、ミレニアム・ソウルヒルトン・ホテルで韓国・中国・日 本・モンゴル・ロシアの5ヶ国25団体38名を含む約200人が参加した中、 「2015NEAR国際フォーラム」が開催された。 今年は「北東アジアの災害とガバナンス構築方案の模索」という主題で、災害発 生事例と対処経験を基に北東アジア地域地方政府レベルでの共同対応と協力方案に ついて論議した。

14

NEAR NEWS Vol. 66


2015NEAR国際フォーラム

れの意見を聞くことができた。 セッションⅠ: 韓国の東亜(トンア)大学校の李東奎 (イ・ドンギュ)教授は「北東アジア災害と被害状況 に合うガバナンスシステムを構築するためには、 協業ネットワークが必要だ。」と述べ、日本の兵 庫県「人と防災未来センター」の松原浩二副センタ ー長は、「阪神・淡路震災を通じて得た教訓を基に 防災に関する収集された情報を他団体と共有し、 北東アジア地域の災害と被害を減らせるよう努力す る。」と発表した。 セッションⅡ: 中国の蒋逸航UNDP/GEF YSLM Project 前事務局長は「国境を超えた海洋問題を解 決するためには各国で現実的な管理目標を立て積 極的な参加活動が必要だ。」と述べた。また、モン ゴルのアルタンバガナモンゴル国立開発研究院環境 政策分科所長は、異常寒波について言及し、「こ れを解決するためには国家レベルでの対策を整える べきだ。」と主張した。 セッションⅢ : ロシア科学アカデミー太平洋地理 研究所のパトゥルバクラノフ所長は「北東アジア 地域の持続的な災害に対する被害を最小化させるた めには、制度的装置が必要だ。」と述べ、韓国ソウ ル大学校統一平和研究院の金聖哲(キム・ソンチョ

オープニング・セッション

ル)教授は「北東アジア地域を包括する災害協力ガ

2015NEAR国際フォーラムでは、多くの関係者が出席し、国際フォーラムを成功裏に開

バナンスが不在しているため解決は難しいが、日中

催する事ができた。オープニング・セッションは、全哉垣NEAR事務総長の開会の挨拶を

韓3国で環境と災害管理について協力すべきだ。」

皮切りに、アレクサンドル・ティモンニン駐韓ロシア大使の祝辞、鄭炳允(チョン・ビョ

と述べた。

ンユン)慶尚北道経済副知事の祝辞があった。また、基調演説は羅鍾一(ラ・ジョンイル)韓 国漢陽大学校教授が、そしてキラパルティー・ラマクリシュナUNESCAP北東アジア事務 所長からの特別演説が行われた。

今回のフォーラムは、参加者皆にとって関心と興 味の有る主題であり、発表者や関連分野専門家の みならず、参加者が災害安全と関連する理論的知

セッション別主題発表及び討論

識と現場での経験を共有することで「実質的な交

今年のフォーラムは、セッションⅠ「災害と防災」、セッションⅡ「経済と災害」、セ

流の場」となった。

ッションⅢ「災害と協力」という主題に細分化し、座長を中心に発表者と討論者のそれぞ

The Association of Northeast Asia Regional Governments

15


2015NEAR国際フォーラム

<現地視察> フォーラムの参加者は、景福宮、国立民俗博物館、南山韓屋マウルを訪問し、 韓国伝統文化を感じることができた。

16

NEAR NEWS Vol. 66


海外派遣職員寄稿

海外派遣職員寄稿

韓国生活手記、中国派遣職員(湖南省)邓薇 念念不忘,必有回响 (心から望み諦めずにやれば、必ず答えは見つかる)

1990年代、中国を含むアジア各国に「韓流ブーム」が起きました。韓国の

として始めた事が、歯を食いしばって勉強したらいつの間にか3~4年が

K-POP、ドラマ、ファッション等韓国大衆文化が中国全地域に拡散し、韓流

過ぎ、努力の末に韓国語能力試験の最上級「6級」を取得しました。また、

熱風が吹きました。韓流は、一つの文化現象であり、中韓の間に文化の衝

思ってもいなかった事に、外事担当部署に移動し、1年間韓国に派遣される

突と交流を引き起こし、多くの若者の思考と生活に深く影響を与えました。 機会を得ました。ついに「コリアン・ドリーム」が叶い、全ての物事が宿 私もその中の一人でした。

命的に感じられました。中国に「念念不忘,必有回响(心から望み諦めずに

「星に願いを(1997年に韓国で放送されたテレビドラマ)」から「花より男子

やれば、必ずその答えは見つかる)」という諺があり、まさにこの状況に当

(2009年に放送された韓国版ドラマ)」まで、韓国ドラマにはまり、一つ残ら

てはまる言葉だと思います。

ず見ようとしているうちに韓国文化を知り、親しみを感じるようになりま

韓国に来たばかりの時に言葉もあまり通じず、慣れない環境で苦労しまし

した。また、韓国文化に接することで、韓国について関心を持つようになり

た。そんな時に、NEAR事務局の皆は温かい手を差し伸べてくれました。特

ました。しかし、ドラマや映画、芸能番組を通じて韓国を理解するには限

に全哉垣事務総長が中国語で会話して頂いた事で、韓国でのコミュニケー

界がありました。そこで、韓国語を勉強することにしました。最初は趣味

ションにおける心配と困難は無くなりました。また、私の良いパートナー

The Association of Northeast Asia Regional Governments

17


海外派遣職員寄稿

である中国専門委員の李恵貞さんからおかゆを作る機械をプレゼントしてもらい、食べ物で困っていた悩 みが解決されました。私の誕生日には事務局の皆で集めたお金でケーキとプレゼントをもらい、一生忘れ られない誕生日パーティーを開いてくれました。これまでの出来事を振り返ってみると、感激を禁じ得な い、といったところです。蔡琴(ツァイ・チン)という中国歌手の歌に「全ての人、全ての物事、全ての奇 妙な縁に感謝する。人生は、その人々とその物事との出会いである。」という歌詞があり、まさにそのこ とです。 韓国の風土と人情が私を豊かにし、韓国の歴史と文化が私に深く影響を及ぼしています。「万里の道を 歩む(行萬里路)」を目標に、韓国の色々な所を自らの足で歩きながら、心で韓国を感じ、愛の目で韓国を 理解しようと思います。生まれ育った中国の文化に比べ韓国文化は「他文化」であり、韓国からみると私 は文化の「他者」です。他者の目で体験し観察しながら、韓国文化と中国文化は同じ根源から派生した のにもかかわらず異なる点が多いことが分かります。また、韓国文化と同質感と親しみを感じることと 同時に違和感と理解し難い部分の両面があることが分かりました。 旅行・体験をしながら、「文化はそれぞれ異なるからこそ多彩な物であり、違いが存在するから相互 交流する。」という特性が今更のように分かりました。天安(チョナン)の独立記念館と韓国歴史博物 館及びセマウル運動発祥地記念館などの訪問は、韓国の歴史、特に近代史を理解するに新しい視覚 と豊かな資料を提供してくれました。ソウルにある昔の宮廷と古宮博物館、慶州(キョンジュ)の雁 鴨池や天馬塚、全州(チョンジュ)の豊南門、慶基殿、そして聞慶鳥嶺関門など遺跡地の訪問は、息 づく韓国の悠久な歴史とその源を知ることができました。また、海印寺、石窟庵、仏国寺など仏 教の道場を参拝して、ジグチョン(地球村)教会とプンソンハン(豊かな)教会の礼拝と公演に参加 することで、信徒達の敬虔さと宗教施設の安らぎが感じられました。延世(ヨンセ)大学校、慶 熙(キョンヒ)大学校、梨花(イファ)女子大学校、弘益(ホンイク)大学校など名門大学の見学を 通じて、韓国の名門大学ならではの風采と著しい成果が読み取れました。慶州の良洞(ヤンド ン)村、全州の韓屋村、ソウルの北村韓屋村などへの訪問は、韓国の伝統的な生活スタイルを 直接経験できる機会になりました。釜山や済州道等の美しい自然景観の魅力にはまるのと同時に 韓国の都市、人と自然が調和を成していたことに驚きました。また、韓国のトイレ文化、環境保護 意識、老人恭敬と困っている人を助ける伝統、そして勤務先での文化などが感動的であり、それらを

18

NEAR NEWS Vol. 66


海外派遣職員寄稿

高く評価しています。 相互文化の関係をどう扱うかについて、中国の 著名な学者である費孝通氏の「各自自分の美を維 持し、他人の美を褒め合い相互調和を成してこそ 大同社会を成す」という言葉から、その答えを得ま した。韓国文化を理解し受け入れる過程で、心は穏 やかになり、視野は広くなり、心豊かになりました。 韓国での旅行が自分自身を豊かにさせ、NEAR事務 局で勤務することで自分の能力を一層高めたと言え ます。NEARは日々発展する国際機構であり、北東ア ジア地域6ヶ国73会員自治体間の交流と協力拡大のた め、絶え間なく努力し多くの成果を成し遂げていま す。NEARというプラットフォームを通じて、国際的な 視野で物事を分析し、交渉と疎通を通じて問題を解決 する方法を学び、思考方式や自分の能力が一層高める ことになりました。家族のような事務局の雰囲気の中 で、韓国、ロシア、モンゴル、日本の同僚達と仲良くし ながら楽しく勤務しています。この過程で「絶え間なく 啓発し改善してこそ、他人が自分の価値を成し遂げるのに手を貸 してくれる。また、他人が成功するよう手を貸すと、自分の価値 を実現させる事にも繋がる(成人达己,成己达人)」という中国の 思想から、それぞれ異なる文化背景を持つ国でも通じることが分 かりました。 我々が進んで行く道より、重要なことは我々と同行する「人」 です。NEAR創立20周年を迎え、2016年には北東アジアの皆が手を 繋いで美しい未来を共に歩むことを望みます。

The Association of Northeast Asia Regional Governments

19


The Association of Northeast Asia Regional Governments

北東アジア地域自治体連合 The Association of Northeast Asia Regional Governments (37668)慶尚北道浦項市南区芝谷路394 浦項 テクノパーク本部棟3階 T. +82-54-223-2317 F. +82-54-223-2309 E-mail near@neargov.org Homepage www.neargov.org


Turn static files into dynamic content formats.

Create a flipbook
Issuu converts static files into: digital portfolios, online yearbooks, online catalogs, digital photo albums and more. Sign up and create your flipbook.