2023 In Review
4. Masta Simon (Mighty Crown) 5. KYARA (Mighty Jam Rock) 6. OGA JAH WORKS
7. HAPPY FLOWER LIVE 8. BURN DOWN
9. JACKEY (EMPEROR)
10. JUN (BANTY FOOT)
11. JAKEN a.k.a. Cornbread from JAtoJA 12. Bad Gyal Marie (Notorious Int'L) 13. BOSS-D & TONZILLA (YARZ) 14. OKAMAI
15. 八幡浩司 (24×7 RECORDS) 16. Sariena (Queen Majestea) 17. タカネ
18. 渡辺卓 (REGGAE ZION)
19. Tunecore Japan INDEPENDENT REGGAE CHART 2023 2023 Event
20. 横浜レゲエ祭
22. FAR EAST REGGAE CRUISE 24. ハイエストマウンテン 26. DIRECT
28. 緊急事態
30. SWEET RIVER ROCK 31. BIG WAVE Interview
32. MISON-B 36. J-REXXX
41. OGA JAH WORKS
World Reggae Report
50. DANCEHALL ASIA
53. REGGAE SUMFEST
61. WELCOME TO JAMROCK REGGAE CRUISE 71. WORLD BASH
2023 In Review
4 2023 年は Mighty Crown 活動休止の年。Final Round Tour でバミューダ、カナダ、
トリニダード・トバゴ、アンティグア、ジャマイカ、イギリス、アメリカと回った中 Drift、Talibans、Tyrant、Mad Out の4曲はどこの国でもヘビロテだった今年のダ ンスホール代表曲。
レゲエで言ったら Stephen Marley のアルバム Old Soul が間違いなく ベストレゲエ
アルバム。客演もジャンルを飛び越えて音楽好きならレゲエ関係なく気に入る楽曲。 Black Sherif はガーナ出身のアーティストでレゲエやダンスホールの要素が入った
ヒップホップとガーナの音楽ハイライフがブレンドされたスタイル。フローやメロが 今年 1 番くらった 21 歳。去年リリースされたアルバム Kwaku The Traveller を皮切 りに今年リリースされた Take Care of Yourself Blacko (EP) を選びました。
世界では新旧関係なく個人的にカッコイイ曲がリリースされた 2023 年だったと思う。 サウンド活動休止するけどこれからも良い音楽を求め続けます。ストーリーは生きて る限り続く。
Masta Simon
Masta Simon
(Mighty Crown)
日本が世界に誇るレゲエサウンドの第一人者 Mighty Cro wnのメイン MC であり、Mighty Crown Entertainment
の CEO。常に挑戦し実現していく彼のアティテュード、 ライフスタイルはジャンルを越えて広く支持され、日本 のストリートカルチャーアイコン的存在となっている。 2023 年をもってサウンド活動は休止するが、今後の動き に期待と注目が集まる。 @mastasimon
Teejay ‒ Drift
Byron Messia ‒ Talibans
Masicka ‒ Tyrant
Valiant ‒ Mad Out
Stephen Marley ‒ Old Soul
Black Sherif ‒ Take Care of Yourself Blacko
2023 In Review
5 本格的に人流を取り戻し始めた今年は、横浜レゲエ祭、レゲエクルーズ、緊急事態、 そして、我々のハイエストマウンテンなど大きなムーブメントによって、シーンに活 気を取り戻すための重要な年になりました。
ライブイベントが復活するに伴って、国内外でも良曲が多数リリースされたと思いま す。アフロビーツ要素を取り込んだ” Talibans / Byron Messiah” の特大ヒットや”
City Boys / Burna Boy” のインターナショナル感のあるチューンも良かったが、純粋 に現代ダンスホールの勢いを感じた” Tyrant / Masicka” が印象に残ってます。
国内でも” BobMarley / Cornbread” をきっかけにモダンダンスホールが浸透し、若 手筆頭の” Dan di might / 39-MAN” がファンデーションを取り入れたスタイルで話 題となり、日本のレゲエをリードする地元大阪からは” OSAKA TOWN REMIX / MIGHTY JAM ROCK” が発信された。
近年では、まだまだ小さな日本のレゲエマーケットが、さらに細分化されてましたが、 次世代アーティストが活躍し、それぞれのポテンシャルが高くなっている今こそ、長
年の冬眠から目覚め、# レゲエキテル をキーワードに、団結し、それが現実になれば
KYARA
と願っています。来年が勝負の年となるのかもしれない。
(Mighty Jam Rock)
大阪を拠点に活動するレゲエクルー MIGHTY JAM ROCK の代表。2023 年 25 周年を迎えたビッグレゲエフェス
「HIGHEST MOUNTAIN」を主宰。 同クルーで DeeJay の JUMBO MAATCH、TAKAFIN、 BOXER KID と共に大阪にレゲエあり!と日本中に知らし めた彼は、25 年を超える時を経てもなおカルチャーの核
となり、レゲエの魅力を拡散する。「レゲエはいいぞ」の 旗は、今日も大空になびいている。@mjrkyara
Bruna Boy‒ City Boys
Byron Messia ‒ Talibans
Masicka ‒ Tyrant
Cornbread ‒ BobMarley
39-MAN ‒ Dan di might
MIGHTY JAM ROCK ‒ OSAKA TOWN REMIX
2023 In Review
6 今年は国内外と色んなところで活動した! まずは
年明けに行われたチーム MEDS と関西を回った EVERYTHING BLESS
TOUR。特にこの期間は ONEDER と ARIWA の "I&I LIFE" をよく聴いたな。
その後は LILA IKE の初来日。チケットがすぐに SOLD OUT しちゃって驚いた。 お客さんもめっちゃ若いし、レゲエ盛り上がってるやん!って !!
LIVE で歌った "DINERO" は JAH WORKS の DUB PLATE 仕様になってたし、とに かくこの曲は聴きまくったし PLAY しまくった。
YOUTH OF ROOTS とは今年も全国各地一緒に回ったんやけど、特に大阪で共同主
催で開催した "POWER OF JAH" はど平日にもかかわらず 500 人近くのお客さんが
来てくれてオガラジやイベントでコツコツ広めてきたことが、大きなムーブメント になっているんだと実感した瞬間だった。イベント名にもなった "POWER OF
JAH" は一緒にライブをしに行く旅に、多くの人の心を掴んでいると感じる。日本
人が歌う JAH 讃歌がここまで日本で受け入れられてるってすごくない!? JAPAN と JAMAICA を JAH が繋いでるって確信したな。
OGA
あと JAPAN x JAMAICA といえば夏は SUMFES のために JAMAICA に2ヶ月ぐらい 滞在していたのだけど、滞在中はずっと TEEJAY の "DRIFT"!!! 最初から最後まで DRIFT 一色でした。
(JAH WORKS)
大阪の老舗レゲエサウンドシステム "JAH WORKS" 所属。 "OGA WORKS RADIO" 略して毎週延べ 5000 人以上が視 聴する大人気番組。 またレゲエサウンドシステム文化の醍醐味でもあるサウ ンドクラッシュシーンにおいても 2023 年は Sumfest、 FAR EAST REGGAE CRUISE、JAM ROCK CRUISE の SOUND CLASH に日本代表として出場した世界が認める トップリーグのセレクター! @ogajahworks
JAMAICA では CORN BREAD とチャリティーで小学校や高校を文化交流で回ったの だけど、彼の JAMAICA での有名人っぷりにもクラった。その時 JAMAICA で作っ ていた彼の "BOB MARLEY" も今めっちゃ PLAY してます。
最後は STEPEN MARLEY の "OLD SOUL"。この曲は一生聴くとおもう。JAMAICA で観た LIVE でもめっちゃ盛り上がってたし、こういうアコースティックな曲がリ リースされるっていうのは最高やね!今年も名曲の数々に感謝!!
ONEDER - I&I LIFE (feat. ARIWA)
Lila Iké - Dinero
Youth of Roots - Power of Jah
Teejay - Drift
CornBread - BobMarley
Stephen Marley - Old Soul
2023 In Review
7 『日常に少しの彩りを』をコンセプトに REGGAE アーティストを中心に映像にもこ だわった LIVE を毎週 UP している。今年発足した YOUTUBE CHANNEL 『HAPPY FLOWER LIVE』今年公開した作品の中から。今年の曲を選ばせてもらいま す。 ①ずっと好きなアーティスト HIPLIN。主催のキャンプのイベントに出てもらった 時の LIVE 映像を HAPPY FLOWER LIVE として UP しました。 なんせ『歌がうまい』全員が黙り込んでしまう程圧巻のライブでした。
②こちらも主催のキャンプイベントに出演してもらいました。FIRE BALL でお馴染 みの STICKO さん。大自然の中、高野竜巧のアコースティックでのライブ改めてこ の曲に感動してあれから何度も聞いてます。 『大人の色気全開』の映像になってます。 ③今年 DIGITAL NINJA からリリースされた MISON-B のアルバム SOUND COMET から1番好きな楽曲。 『LIVE でのパフォーマンスも最高』で、積極的に LIVE に足 を運びたくなる最高の Singer です。
HAPPY FLOWER LIVE 日常に少しの彩りを、HAPPY FLOWER LIVE きれいな花を見つけた時のようにポジティブになれる、 エネルギー溢れるライブパフォーマンスを発信していま す。アーティストゆかりの土地で撮影を行い、名曲の世 界観をより広げるような演出でお楽しみ頂けます。 https://www.youtube.com/@happyflower369
④兵庫発全国的にも話題になってきている ONEDER。彼らしい心のこもった友達 への楽曲です。 『友達の顔を思い浮かべてしまう』等身大のリリックが日々の活力 をくれる 1 曲です。
⑤EMPEROR MUSIC からリリースされている、泉州の若手アーティスト ROOT'S DOOP の楽曲。 初めて聞いた時こんないいアーティストを自分が知らなかった事に驚きました。 『声 がカッコイイ』これからの活躍も楽しみなアーティストです。
⑥こちらも泉州の若手 U THE STARR、39-MAN に代表されるように、レゲエタウ ン泉州はいい若手アーティストが多く居てます。人間性が出た 『優しさ溢れるリリッ ク』が心に沁みます。 これからも今のアーティストのパフォーマンスを真空パックした LIVE 映像を公開 していきます。 多くの人の目に自分たちが信じる音楽が届くよう、活動を続けていきます。 2024 年もよろしくお願いします。
HIPLIN - パブロ
TRUTHFUL a.k.a. STICKO - IN THIS TIME
MISON-B - SEASON
ONEDER - LIVE
ROOT'S DOOP - DAY BY DAY
U THE STARR - かんしゃ
2023 In Review
8 2023 年の今年はコロナも明けて現場でプレーできる機会も増えて、そんなかでも よくかけためちゃくちゃやばい 6 曲を紹介するぞ!
自身のレーベル【SOUTH YAAD MUZIK】の鉄板 RIDDIM「STEP UP RIDDIM」のチャ レンジ企画でリリースが決まった 1 曲「My Day / ZENDAMAN」若干 23 歳でジャ マイカでサバイブする ZENDAMAN だからこそ描けるポジティブなリリックで、現 場でもよくかけ、ボスりまくり! 同じ RIDDIM から「NARIAGARU / CHEHON」数々の MIC バトル参戦など、さらに 進化した CHEHON の真髄が表現されているめちゃくちゃ熱い 1 曲。MV もカッコ ええし、将棋が好きな人もついついゴンフィンガーしてまうリリック!やばいよ!
コンビの曲では「Catch a fire / PERSIA & RUDEBWOY FACE」初めて聴いてすぐに DUB を録ると決めて、リリックもアーティストと打ち合わせして詰め込んだぞ、 どんな現場も盛り上がる BURN DOWN の新たな定番 DUB になるぞ!
また、現場でよくかけたといえば「LIGHT UP THE FIRE / FIRE BALL」平成維新の トラックに乗せたこの FIRE BALL は間違いなく BURN DOWN のアンセムやで。ジャ マイカのアーティストでオススメしたいのは、今年大活躍の若手アーティスト 「VALIANT」ヒット曲はたくさんあるけど、その中でもオレらが選ぶのは「Glock 40」 重低音の BAD な RIDDIM に一度聴いたら忘れられないフローがお気に入りの曲。
BURN DOWN 1996 年激戦区大阪の泉州で結成。サウンドシステムも所 有しタフな音でダンスの現場を揺らしている ORIGINAL BAD MAN SOUND。自主レーベル SOUTH YAAD MUZIK や、ビッグイベント「TUFF RIDER」「SOUTH YARD
MUZIK 大忘年会」の開催などレゲエシーンを牽引する存 在。 2024 年は EMPEROR とのタイマンサウンドクラッシュが 開催。@burndownsoundsystem
ほんで、もう 1 人オススメするのは「MASICKA」出す曲ヒットばかりやけど、特 にオススメする曲は「Tyrant」貧困から這い上がっ彼のように人生を変えようとし ている人達への応援歌。 年末の 12 月 30 日には毎年恒例の SOUTH YAAD MUZIK 大忘年会、そして来年 2024 年 4 月には EMPEROR との SOUND CLASH もあり、熱い現場でお会うぜ! BLESS
ZENDAMAN - My Day
CHEHON - NARIAGARU
PERSIA & RUDEBWOY FACE - Catch a fire
FIRE BALL - LIGHT UP THE FIRE
Valiant - Glock 40
Masicka - Tyrant
2023 In Review
9 2023 年は小箱から大箱そして野外フェスまで色んな所で Play させてもらいました。 その中でこの曲かかれば雰囲気が一気に変わるなって感じたのが Teejay の「Drift」 それと Masicka「Tyrant」まさに今年の曲やなって感じでした。
Reggae では 2023 年にアルバムがリリースされた女性アーティスト Khalia も今年よ く聴きました。
まだ日本ではあまり知られてないアーティストですがチェックしてほしいです。 その中でも Cali Roots Riddim の「High」を選びました。
日本人の曲は今年リリースではないんですが、THUNDER & GADORO の「好きなよ うに生きればいい」柊人の「好きなこと」この 2 曲はずっと聴いてたし 2 曲繋げて Play してました。
そして今年は新人アーティストの活躍も目立った年だと思います。ZENDAMAN
YOUTH OF ROOTS ARIWA 775 若いアーティストの勢いがすごい!そんな中、自分が 一番くらったアーティストは同じ兵庫県の若いアーティスト 808 です。
JACKEY (EMPEROR)
Digital Ninja がプロデュースしたアーティストなんですが、会った時に普通の人と雰 囲気が違った。2023 年リリースされた ANALOG NINJA この EP から「シロップ」を 選びました。
兵庫県尼崎市に拠点を置き日本全国、時には世界に活動 範囲を広げるレゲエサウンド EMPEROR のメインセレク ター。EMPEROR が頭角をあらわしたサウンドクラッシュ はもちろんのことパーティー MIX にも定評がある。 2024 年は BURN DOWN とのタイマンサウンドクラッシュ が開催。THUNDER 等と共に地元尼崎でキープするイベ ント「尼爆」も要チェック。@jackeyemperor
Teejay - Drift
Masicka - Tyrant
Khalia - High
THUNDER ft. GADORO - 好きなように生きればいい
柊人 - 好きなこと
808 - シロップ
2023 In Review
10 2023 年、日本のレゲエシーンを振り返ると MIGHTY CROWN の活動休止や横浜レゲ エ祭復活、Far East Reggae Cruise、RED SPIDER の One Sound Dance" 緊急事態 " などビッグイベントがシーンに大きなインパクトを残した印象があります。
そんな中。CHEHON や RAY、 POWER WAVE などレゲエの看板を背負い戦っているアー ティストの存在も忘れてはならない。
特に CHEHON は楽曲のリリースも多く僕ら BANTY FOOT との "Oneself" や SPICY CHOCOLATE" アガリサガリ "、LIFE STYLE との "Time a slow"、" 深緑 " そして
RAY の " 脳内麻薬 " もレゲエ、ダンスホールという枠を越え若い世代に刺激を与えて るのもシーンを活性化している一つの要因である事は間違いない。
そしてサウンド、セレクターが現場で重宝していたこの 2 曲も欠かせない。PERSIA & RUDEBWOY FACE の "Catch a fire" や Cornbread の "Bob Marley" 日本のダンス
ホールをネクストスタンダードへそして世界へ発信していく彼らの活動がすごくワク ワクしますね。
JUN
今年のいい流れから 2024 年は!と意気込むのではなく今からできる事をコツコツ一
(BANTY FOOT)
つ一つ積み上げ、自分達がやっているラジオや現場、楽曲制作など日々の活動をアッ
名古屋が誇るレゲエサウンド BANTY FOOT の MC。 数多くの BIG DANCE に参加するなど、レゲエシーンで大 きな実績を確立。サウンド・クラッシュから、大型フェ スの総合司会、ラジオのナビゲーターまで幅広くこなす。
プデートする事がシーンの底上げになると信じ突き進んでいきます。
2023 年はホストを務めるレゲエフェス「DIRECT」も 4 年ぶりに開催。「交差点 feat. EXPRESS」「Light It Up feat. RUDEBWOY FACE & ¥ellow Bucks」のヒット曲な どプロデュースにも定評があり、2024 年も目が離せない。 @jun_bantyfoot
BANTY FOOT - Oneself (feat. CHEHON)
LIFE STYLE - time a slow (feat. CHEHON)
XILA & CHEHON - 深緑
RAY - 脳内麻薬
PERSIA & RUDEBWOY FACE - Catch a fire
CornBread - BobMarley
2023 In Review
11 2023 年はコロナ禍も明け、ジャマイカや日本のシーンも大きな進化の年だったのか なと思います。
ジャマイカでは Nadg の We a run e Grung から始まり、Teejay の Drift や Byron Messia の Talibans などヒットソング沢山ありました!
あとは個人的に自分も MV に出演した、REAL ESTATE / Valiant,Skillibeng,Kraff は今 年のマイレコメンドです。
自分の作品としては、Fresh Like を来日した Stone Love や Code Red、Champion Squad と世界的なサウンドがプレイしてくれたのは嬉しい出来事でした。
Choppanese が HOT97 で PLAY されたりと、 外国に良いアプローチが出来た年でした。 国内でもシングルの Bobmarley が流行ってくれてそしてなにより、 『DHL』という EP を出せたのも大きな第一歩でした。
JAKEN a.k.a. Cornbread from JAtoJA
Byron Messiah の Burna Boy の様な世界的アーティストとの共演がダンスホールの
シーンも多く見られる年で、来年の世界と日本のダンスホールシーンも更に熱くなり そうです。
日本を代表する世界的なダンスホールダンサーでありダ ンスホールアーティスト。ダンサークルー JAtoJA の代表。 2023 年は Fresh Like、Choppanese、BobMarley が国 内外でプレイされ、アーティストとして飛躍し初の EP
『DHL』をリリース。TikTok のダンス動画が世界で人気 を博し今や 30 万人のフォロワーが Cornbread をチェッ クする。@cornbreadjapan
Nadg - We a Run E Grung
Teejay ‒ Drift
Byron Messia ‒ Talibans
Skillibeng, Valiant & Kraff - Real Estate
CornBread - Choppanese
CornBread - BobMarley
2023 In Review
12 「Rich & Richer」は今年 1 番 Money Pull Up が多かった曲。 "Jim Brown Badness mi a Tell u bout" の歌い出しはカッコ良すぎて反則! Pablo YG の Rating が一気に上がった曲
「Boss」は Alka の久々の特大ヒット Tune リリックのかっこよさ、共感度がピカイチ! "Boss fi Every Boss,Don fi Every Don" 部分は大合唱必須!!
今年 1 番の Riddim、Big Bunx から「Rum Behavior」は Dancing Rebel のダンスルー ティーンで一気にこのオケ 1 番の曲となった もちろん Rajah Wild、Valiant、Roze Don…このオケに乗ったほぼ全ての曲がヒット した
「Panton」は 17 歳の期待の新人 Najeeriii の出世作 2023 年は彼の年と言っても良いほ どヒットが多く、Valiant、Skillibeng にも Feat されてスター街道まっしぐら中。 ジャマイカ人でさえ " 何言ってるかよくわからないけどかっこいい " という独特の人 気理由も特徴 「Badness Upgrade」は Teejay の「Drift」と同オケ、KAKA HIGHFLAME の 「FLAMEZ ROCK」もヒット。このオケがかかれば全員踊り出すという現象が日本でも 起きたのではないだろうか? Drift の方がもちろん世界的にはヒットしたが、実際に現 場で盛り上がったのはこの曲。
Bad Gyal Marie (Notorious Int'L)
ジャマイカで今最も注目される女性セレクター。グルー ヴ感溢れるプレイスタイルと幅広い選曲で爆発的な人気 を誇る。サウンドクラッシュにおいても、ジャマイカで 開催された BOOM CLASH で NOTORIOUS INTL として出 場し優勝。また、オンラインコミュニティ "Do the レゲ エ " を発足させ、オンラインサウンドクラッシュを主催 する等、精力的に活動している。@badgyalmarie
とにかく 2023 年も Chronic Law の人気の凄さを常に感じさせられた年だった。盛り 上がり方が段違いで、自分でプレイしながらもお客さんの勢いに驚いてしまう事も多々 あった ... いやマジで ...Law Boss エグいっす。 Remix も好調だった「Talibans」はダンスホールを 1 つ上のレベルまで持っていって くれた曲と言えるだろう。日本の地元のカラオケ屋でかかった時は(多分有線)周り の人が引くくらい上がってしまったので、Byron Messia の数々の粗相は許してあげよ うと思う。 会員制コミュニティ「Do the レゲエ」では今回選んだ全ての曲はもちろん定期的に日 本語訳を掲載しているので、興味がある方は是非参加して見て欲しい https://community.camp-fire.jp/projects/view/331573
Pablo YG - Rich & Richer
Alkaline - Boss
Kraff - Rum Behavior
Najeeriii - Panton
Chronic Law - Badness Upgrade
Byron Messia - Talibans
2023 In Review
13 今年は今までの Club での Party の他に横浜レゲエ祭を皮切りに Far East Reggae
Cruise、Highest Mountain、Direct に横須賀レゲエ祭等多くのフェスに出演させて 頂き、活動の範囲を拡げる事ができた一年でした。
その中でも当初からよく Play したりどの現場でも聴いたのは "Teejay / Drift" と
"Byron Messia / Talibans" でした。この二曲は Dancehall のみならず、HOT97 でも 毎日の様に Play されたり世界中の Club やラジオで流れた曲だと思います。
上半期は Valiant の勢いも印象的で、"Glock 40 riddim" に乗った "Galiano / #主役 はオレ " 、"Cornbread / Choppanese" もよく現場で Play され Jamaican と
Japanese が一緒にかかり、Dancer も Artist も Sound も三位一体となって現場に勢 いを感じました。
"Tyrant"、"Lime Light" 等の Hit を出してる Masicka も安定してかっこいいと思い
BOSS-D & TONZILLA (YARZ)
"Sendai Neva Die" 仙台をベースに全国で活躍中のダン スホールサウンド。 DANCEHALL REGGAE から HIPHOP、R&B、SOUL、 DISCO、REMIX 等、新旧問わず幅広い PLAY STYLE が好
評を得ており現在も MIX TAPE を RELEASE しながら勢力 的に活動している。最新 MIX「LOUD SENDAI Promo Mix_10 2023」公開中 @yarz_boss_d @yarz_tonzilla
ます。
下半期は "Rajahwild / Wild Out"、"Najeeriii / Panton"、"Pablo YG / Rich N Richer" 等、New Artist の活躍が目立っていたと思います。
最近では "Tyla / Water" 等の Amapiano 系も『えっちだなあ』って感じですね。
Tonzilla による LOUD PROMO MIX VOL.10 も release されたばかりなので是非最近 の曲を Check したい方は是非ご視聴お願いします。
2024 年も Release や全国で Party を企画してますので皆様と楽しい事を共有出来た らと思います。
来年も変わらぬご愛顧のほど、よろしくお願い致します!メリークリスマス!
Teejay - Drift
Byron Messia - Talibans
Galiano - #主役はオレ
Cornbread - Choppanese
Rajahwild - Wild Out
Pablo YG - Rich N Richer
2023 In Review
14 日本コロナ明け一発目、Lila ike と 2 人で長年計画してた初来日ツアーが遂に開催!
ソールドアウトだらけ、そして誰もがいう素晴らしすぎるショーで全ての会場を沸か
した大成功ツアー。その中でも会場全員大合唱のビッグチューン "coming from "。やっ て良かった。そして私のミッション完了の思い出深い曲。いいアーティストは引き続
き来日させたいし、みんなに見て感じてもらいたい。そんな Lila もイチオシが次のア ルバム。
Stephen marley の長男の Jomersa が今年他界で悲しい空気が漂ってたマーリー家。 たくさんのアーティストが Stephen に常に寄り添い励ましにきてて、ボブマーリー
ミュージアムの焚き火は何日間もたえる事なく燃え続け、ラスタマンが夜な夜な太鼓 を叩き歌う。そんな経験からなのかすごいのが出た。Stephen marley"Old soul" ア
ルバムはレゲエの枠を飛び越えワールドミュージックなアコースティック大作で、音
楽のもつ癒し力炸裂。甘酸っぱい "old soul" が何せいい。先月長期アメリカツアーも 終え、やっと Stephen の元気な姿も見れて安心。
同じくゲットーユーツレーベルから Damian marley プロデュースの Christopher
Ellis "Rub a Dub" もコロナ明け開催のサウンドクラッシュでサウンドマン達がダブを やたらととってた名曲。この曲ができた時ダミアンとクリスが「すごいやばい曲がで
OKAMAI
きた!」と自信満々だっただけある。遂に EP が 2024 年に出るので期待大。 <<2024 年 3 月16日-31 日来日10公演決定 >>
ジャマイカ在住 16 年のコーディネーター、ライター、ダ ブ屋、日本ツアーアーティストブッキングエージェント、 ジャマイカでのツアーガイド。旅好きで行った国 68 カ 国 ” 危ない世界の歩き方 危険な海外移住編”” まずは行 動する人がうまくいく” 著者。
そしてこれまた上質レゲエ、Samory I ft capleton & kabaka pyramid "Wrath" が鳥 肌もので隅々までかっこよすぎ。プロデューサー winta の間違いないレゲエ。 ダンスホールだとビルボード入りした Teejay"Drift" や今絶賛かかっている
kraff"Rum behavior" などルーティーンを覚えてみんなで踊っちゃう、ダンサー& SNS で世界中でボスした楽しい曲も多かったのが印象的。
円安でダブもショーも渡ジャマも簡単にはいかない年だったけど、こんな小さい国ジャ マイカから世界に発信した曲でたくさんの人を魅了した年。いい曲を広めてる全国の サウンドマン、プロモーター、ダンサー、レゲエに出会った皆様、まじリスペクト。 2024 年もしんどいことあっても、引き続き笑って楽しんでいきましょう。
Lila Iké ‒ Where I'm Coming From
Stephen Marley ‒ Old Soul
Christopher Ellis ‒ Rub a Dub
Samory I, Kabaka Pyramid & Capleton ‒ Wrath
Teejay ‒ Drift
Kraff ‒ Rum Behavior
2023 In Review
15 DRAGON TURBO「わすれておしまい」 。今年の初配信・サブスク開始とそれを記
念したレコードの発売に携わらせてもらった。それは知らない方々からの問い合わ せ、 「どうして配信で聴くことができないのですか?」がきっかけだった。 原盤元は以前に自分が以前に勤めていたレコード会社。ライセンスの許諾に協力 してくれた同期社員だった仲間は取締役になっていた。その仲間との再会から実際 にリリースされるまでは想像していたよりも長い時間がかかった。
力を貸し続けてくれたのは DRAGON TURBO の盟友で親友だった BOOGIE MAN。 DRAGON TURBO のご家族や元所属事務所の社長を探して繋げてくれたのも
BOOGIE MAN だった。様々な場面で BOOGIE MAN の存在が問題を容易にしてくれ た。 リリースの告知には BOOGIE MAN だけではなく、DRAGON TURBO の「わすれて おしまい」をオリジナルとして現在に歌い継ぐ RYO the SKYWALKER、TAKAFIN
(MIGHTY JAM ROCK)の二人が協力してくれた。大阪で三人に聞いた話も印象に 残った。それを通じて初めて DRAGON TURBO の人柄を知った。歌声だけではな いその存在が心に宿った。
リリースにともなって多くの人達、仲間達や関係者達だけではなく、世代を超えた 数多くのファンの人達から言葉をもらった。1995 年に発表された曲が 2023 年に 多くの新しい人達との出会いを作った。古い曲に込められた多くの人達の愛情や想 いが新しい経験と新たな気持ちを授けてくれた。 「わすれておしまい」が今年をわ すれられないものにした。
八幡浩司
(24x7 RECORDS 代表)
レコード会社勤務を経て 2000 年に 24×7 レコード(有 限会社トゥエンティー・フォー・セヴン・レコード)設立。 ジャマイカ、ニューヨーク他海外のレゲエ・レーベルの 作品・楽曲、アーティストとカルチャーを国内に発信す る活動を展開中。著書に絶賛発売中の『SAMI 秘録 ~ マイ ティー・クラウン / サミー・T のストーリー』
今年に発表された曲では YUSSEF DAYES & CHRONIXX「Pon Di Plaza」、レゲエ のアルバムでは BUJU BANTON『BORN FOR GREATNESS』 、AFRICAN HEAD CHARGE『A TRIP TO BOLGATANGA』 、KING JAMMY『REBIRTH OF THE COOL RULER』 、日本のレゲエのアルバムでは MISON B & DIGITAL NINJA『SOUND
COMET 34』 。今年のライヴ&イヴェントは 『MIGHTY CROWN × DAVID RODIGAN』 、 『横浜レゲエ祭 2023』 。 今年一番の記憶は書籍『SAMI 秘録』 。これも長い時間が掛かった。これも多くの 人達の協力で実現し、多くの新しい人達との出会いを作り、新しい経験と新たな気 持ちを授けてくれて、今年をわすれないものにした。
DRAGON TURBO ‒ わすれておしまい
YUSSEF DAYES & CHRONIXX ‒ Pon Di Plaza
BUJU BANTON ‒ BORN FOR GREATNESS
AFRICAN HEAD CHARGE ‒ A TRIP TO BOLGATANGA
KING JAMMY ‒ REBIRTH OF THE COOL RULER
MISON B & DIGITAL NINJA ‒ SOUND COMET 34
2023 In Review
16 今年はジャマイカでゆったりとカリビアンなお正月を過ごし、メロウムードで始
まった 2023 年でしたが、個人的には Jah Shaka の追悼がかなり大きくて、ずっと ダブばかり聴いていました、Kings Music (1985) Thanks and Praise Dubwise を ループしながらお恵みに感謝。
普段あまり注目対象ではなかったのだが、夏頃 Janelle Monáe のアルバム The
Age Of Pleasure がレゲエリディムアプローチで、Only Have Eyes 42(2023) が
Derrick Harriott の The Loser サンプリングで上手くできているなと思い、プレイ リストに入れて良く聴いていました。
Shine(2020) に引き続き Cleo Sol の Reason(2023) は未クレジットの Chronixx の バックコーラスありのそそるベースラインありで 10 月 10 日に幡ヶ谷にカフェ、
Queen Majestea をオープンするまでひたすら聴いていたんですね、バタバタで眠 れない日が続いたりと忙しい中、スピリチュアルな応援ソングに助けられて心強 かったです。まさに” One good thing about music, when it hits you, you feel no pain” ですね。
Sariena
お店ではレゲエはもちろん、ジャズ、ラテン、 ヴィンテージソウルやリズム & ブルー スなど自分を形成する音楽を幅広くかけるのですが、DJ ブースで初めてかけた 45
(Queen Majestea)
東京幡ヶ谷にオープンしたカフェギャラリー Queen Majestea の店主。 Queen Majestea はオーガニックプラントベースミルク
やほっと chill なハーブティー、エナジーチャージできる ジンジャーショット、人気のダンデライオン Koffee など、 体と心を満たすピースフルな憩いの場所。 @queenmajestea @fruitimami
Jah Shaka - Thanks and Praise
Cleo Sol - Reason
は Studio One キラーチューン Love me Forever(1968)、Carlton and The Shoes
でした、やっぱり裏切らないよね、針を落とした瞬間から店内が洗礼を受けた気が します。もちろん店名のインスピレーションになった The Impressions の
do-over、The Techniques の Queen Majesty(1967) はテーマソングってぐらいリ プレイしている。
Janelle Monáe - Only have eyes 42
Carlton and The Shoes - Love Me Forever
Cleo Sol - Shine
The Techniques - Queen Majesty
2023 In Review
17 2023 年もいよいよ終わりを迎えますね。私としては私生活で変化もあり、気持ち の面でも大きく変わった一年でした。そんな 2023 年、私がたくさん聞いた曲はこ の 6 曲です。メロディものや女性ボーカルが好きなので、そのあたりが多めの選曲 になっています。 特に Tyla の「Water」はビルボード HOT100 にもランクインしていましたし、 新たなアフロビーツ、アマピアノ界のニュースターに今後も期待大ですね。 アフロの流れでいくと Chris Brown の「Sensational」も Davido と Lojay という アフリカのアーティストを招いて、気持ちいい踊れるクリスブラウン節を聞かせて くれています。ちなみに Lojay の「Monalisa」という曲も同じ系譜で気持ち良く 聞ける曲ですよ♪
あとはルーツ系の ASOUND の「オリジナル」や DIGITAL NINJA プロデュースの MISON-B の「Season」なんかもよく聞いていました。この 2 曲は肩肘を張らずに、 日常の生活に溶け込むような心地よさがある曲です。 そしてやっぱり M ステ出演も果たした Awich の「Bad Bitch 美学 Remix feat NENE, LANA, AI & YURIYAN RETRIEVER」 。フィーチャリングアーティストが少な いオリジナル版よりも、たくさんのアーティストが歌っているこの Remix 版がお 得感があって好きです(笑) 。
タカネ 和歌山県出身、大阪府在住。ライター、インタビュアー。 HIPHOP、dancehall、R&B、afrobeats まで、イマのブ ラックミュージックに関することを言葉を使って表現し ている。REGGAE ZION の YEAR BOOK2023 においても
最後に Kranium の「Vibes Weekend」 。今年 2 月に来日も果たしていましたし、 YARZ とライブをしたり日本内でも様々な動きをしていたので、次の動きへの期待 も込めてよく聴いていました。 2024 年どんな年になるかわかりませんが、レゲエ的にももっともっと盛り上がる ことを楽しみにしています!
MISON-B、J-REXXX のインタビューを行っている。 @takane1120
Tyla - Water
Chris Brown - Sensational feat.Davido, Lojay
ASOUND - オリジナル
MISON-B - Season
Awich - Bad Bitch 美学 Remix feat NENE, LANA, AI & YURIYAN RETRIEVER
Kranium - Vibes Weekend
2023 In Review
18 「# レゲエキテル」と言われた 2023 年、レゲエ ZION で一番 DL された楽曲は "RED SPIDER - 緊急事態 3"。総勢 15 組によるマイクリレーは圧巻でした。DL し てくれた皆さんありがとうございます。
個人的に聴いた曲は "Galiano - Do or DIE feat.SKULL, Jin Dogg, KOONTA" 。今年 一番勢いがあった仙台のイケてるサウンド YARZ プロデュースのインターナショナ ルな 1 曲。また "SugLawd Familiar, CHICO CARLITO, Awich -LONGINESS REMIX" も耳から離れず、よく聴きました。ヒップホップアーティストが歌うレゲ エ調の曲ですが、本当に沖縄はタレントの宝庫ですね。 さらに新世代の活躍も目立った年だと思います。ASOUND の ARIWA が歌う昨年末 リリースの切ない哀愁レゲエ “ARIWA - Drown Love” も大好きです。 ジャマイカものでは "Teejay - Drift" が印象的で、ダンスから楽曲としてここまで ヒットしたのは久しぶりな気がしました。
また、過去のリリースですが、 「天国なんてとうに行けないけど、この音楽なら聴 ける」の歌詞が印象的な "ARARE - ADVISE" は子供たちが TikTok や YouTube Shorts から大ハマりしました。歌詞内容とは全く関係のない動画に使用されること もあり複雑な気持ちになりますが、これを機に子供たちがレゲエを聴いてくれたの は嬉しいことです。
渡辺卓
さあ、2024 年はレゲエ ZION20 周年です。レゲエ一筋で何とか生き残っています。 皆さんから必要とされ続けるように精進して参ります。
(REGGAE ZION)
レゲエレコードのディストリビューター RIKKCO
INTERNATIONAL を経てレゲエ ZION の編集ディレクター として某 IT 会社に入社。REGGAE ZION 最後の砦。 レゲエ専門音楽ダウンロードストアの REGGAE ZION は
今回初となる本 YEAR BOOK をリリースし、2024年には 20周年を迎える。直近の目標は日本を中心としたアジア のレゲエを世界へ広めること。
RED SPIDER - 緊急事態 3
Galiano - Do or DIE feat.SKULL, Jin Dogg, KOONTA
SugLawd Familiar, CHICO CARLITO, Awich -LONGINESS REMIX
ARIWA - Drown Love
ARARE - ADVISE
Teejay - Drift
2023 In Review
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INDEPENDENT REGGAE CHART 2023 2
1
3
4
5
775 - くのいち (2020)
LIFE STYLE - LIGHT - ALL JAPANESE DUB MIX- DISC 1 (2020)
775 - あたい (2020)
THUNDER - とんだのベスト (2017)
CHEHON - みどり (2015)
RED SPIDER - 緊急事態 3 (2023)
RED SPIDER - 変エルノ詩 (2021)
THUNDER - LAST START (2022)
LIFE STYLE - WIZ LIFE (2021)
APOLLO - APOLLO (2016)
VIGORMAN - FULL COURSE (2023)
VIGORMAN - Bad Lady (2018)
VIGORMAN - DANK NOVA (2018)
775 - KSWD (2021)
導楽 - BLESSINGS (2017)
6
7
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8
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20
VIGORMAN - 音返し (2023)
APOLLO - GAH GA (2020)
LIFE STYLE - ONE SCENE -ALL JAPANESE DUB MIX- (2023)
Red Eye - LEGEND (2021)
ONEDER - タビノオワリ (2019)
チャートは TuneCore Japan 経由で配信されているリリース単位 ( ジャンル「REGGAE」) のストリーミング再生回数です。 ※基準:2023 年 1 月以降の反映月データ
Interview
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INTERVIEW 音楽の中に宇宙がある MISON-B & DIGITAL NINJA 「SOUND COMET 34」リリースインタビュー Interview&Text by TAKANE (https://www.instagram.com/takane1120/)
MISON-B が DIGITAL NINJA 共作のもと、15 年ぶりのアルバム「SOUND COMET 34」を リリースした。パワフルかつグルーヴィーな歌声を、DIGITAL NINJA 774 はどうディレ クションしたのか。MISON-B と 774 両者に話を聞いた。
●15 年ぶりのアルバムということで、若いレゲエファンに Mison-B さんを紹介するという意味でも、歌い始めから聞かせ てもらってもいいですか。
MISON-B 17 歳ぐらいですかね。音楽やりたいなと思ってたん ですけど、できる場所っていうのがあんまり定まってなくて。 ただ三木くんがテレビに出たりしてめっちゃレゲエのカル チャーがすごい時期で、レゲエのイベントもたくさんやってた ので、そこに出て歌わせてもらうところから始まりました。 ●レゲエの出会いはどこなんですか ?
MISON-B 雑誌を見たことです。当時「カジカジ」っていう雑誌 があって、それに載っているイベント情報や連載とか、そこか らレゲエにのめり込んでいった感じです。 ●なるほど。MISON-B さんのお名前の由来はなんですか?
MISON-B もともとは中学校のときのあだ名を使ったりして、い ろいろ変更したりとかしてたんですけど、ジャマイカに行った タイミングで、今の名前になりました。 ●なるほどジャマイカをきっかけに。そこちょっと詳しく聞か せていただいてもよろしいですか。
MISON-B 自分は在日なんで、名前が二つあるんですよね。そ の二つのうちの韓国の名前の方を使おうとなりましたね。パス ポートに記載されているのは韓国名の方なので、 そっちの名前を使おうと思ったんです
●ルーツの名前ですもんね。ソウルフルでブルージーな歌声の MISON-B さん ですが、影響を受けたアーティストはいますか?
MISON-B 影響を受けたアーティストはいっぱいいすぎるな。ポップスもめっ ちゃ好きだったし、小室サウンドが流行っていたころなんでそういうアーティ ストとか、ゆずとかも聴いてましたね。それこそローリン・ヒルも好きだった し色々影響を受けていると思います。
●確かに小室サウンドはめちゃくちゃ流行りましたもんね。ローリン・ヒルに 関しては、すごく MISON-B さんっぽさを感じます。MISON-B さんってどうい う学生生活や子供時代を過ごしたんですか?
MISON-B スポーツとかはあんまり得意じゃなくて、漫画読んだりとか音楽をす るのが好きな子供でしたね。
●アーティスティックというか、芸術が好きな子供だったんですね。
MISON-B そうですね。通知表の評価も音楽と図工がよかったので、そっちの方 向に進んじゃいましたね。
Interview ●ぴったりの進路だと思いますよ。さてアルバムの話に移りますが、今 回のアルバム「SOUND COMET 34」は DIGITAL NINJA の 774 さんの 全編プロデュースと伺っているのですが、お二人の出会いっていつごろ なんですか? MISON-B ファブスペースだったかな?すごくかっこいい箱があってそ こで出会った気がします。それまでありもののレゲエのバージョンで曲 を作ってたんですけど、774 くんのトラックを聴いて衝撃を受けて。年 齢もそれほど離れてないし、聞いてきた音楽とか結構共通点があって共 鳴できる部分があって、一緒に曲を作っているうちにコンピレーション アルバムにちょっと入れてもらえたりとかしてそこから繋がっていきま したね。 ●なるほど。今回 774 さんはアルバム全体のプロデュースっていうふ うに聞いてるんですけども、そもそもこのアルバムのリリースの経緯っ てどういうものだったんですか? MISON-B ずっと曲を作ってはいたんですけど、それをどういうふうに 売り出していいのかが正直私もわからなかったんです。いろんなアー ティストと一緒にアルバムを作るスタンスっていうのは 774 くんの出 し方でしたし。でも自分がアルバムを作るってなった時に、ビートを使 わせてもらったという感じじゃなくて、774 くんに全体的なプロデュー スをして欲しいなと思ったので、今回お願いする形になりました。 このアルバムは 774 くんと 10 年ぐらいずっと作り貯めてきた音源をア ルバムとしてまとめた感じになります。 ●そうなんですね。プロデュースっていう意味で 774 さんってどうい うふうな人なんですか?ディレクションの仕方とかも含めて。 MISON-B 774 くんは、幅広い音楽を知っているので、自分が好きな雰 囲気を理解してくれるという点でありがたいですね。ビートの提供も含 めて。
33 ●なるほど、このアルバムには全部で 12 曲入ってるんですけど、印象 深いエピソードのある曲とかってありますか?
MISON-B 今回フィーチャリングで歌ってもらったフィメールアーティ ストの YUFI と一緒に作った曲「MINT」は自分の中でもなんか好きな曲 ですね。彼女は北海道に住んでいるし、ベイビーもいるしでなかなか自 由に動けない部分があるんですけど、北海道からわざわざこちらのスタ ジオに来てくれて曲を作れたのでうれしかったです。他に一緒に曲を 作ったアーティストは、774 くんもよくプロデュースしているアーティ ストだけど、YUFI は初めてだった中、すんなり曲が作れて仕上がりも めっちゃ良かったので、そういう意味でも気に入ってますね。
MISON-B - MINT[feat. YUFI] (YOUTUBE) ●なるほどなるほど。3 曲目の「Season」は MV も撮られてて、すごく 気持ちい曲だなと思うんですけど、どういうマインドのときに出来た曲 なんですか?
MISON-B その曲は多分そのアルバムの中でも一番古い曲だと思います。 2013 年ぐらいにできたんちゃうかな。774 くんのスタジオは通称「屋敷」 と言われているんですけど、そのスタジオに行く途中の風景が、海沿い ですごくいい景色なんですよ。 「なんていい風景なんやろう。 」って心が 動く時間があって、そのあとにビートを聴いてすんなり出てきた曲です ね。でも昔の曲だし自分ではちょっと恥ずかしい曲でもあって出すのを ためらっていたんですけど、 、 、 774 「屋敷」に来る人みんなが「この曲は絶対に出した方がいいです よ。 」って言ってくれたけど、なぜか MISON-B は頑なに拒否してました ね
●774 さんは MISON-B さんにビートを提供するときにどういうものを 選んで持っていくんですか。 774 MISON-B だけじゃなくて、僕のところ来てくれる人はみんなそう なんですけど、パソコンに作ったビートをたくさん入れていて、そこか ら好きなやつ持って帰るみたいな感じにしてます。 ●うんうん。ちなみに MISON-B さんはどういうビートがお好みなんで すか。
MISON-B なんかゴリラっぽいやつが好きです。 「野生的」というか「原 始的」というか。 ●確かに今回のアルバムもちょっと土っぽい感じもありつつ、スピリ チュアルな雰囲気もありつつっていうので、「自然との調和」や「原始 的な雰囲気」が全体に流れていましたよね。MISON-B さんの好みの雰 囲気が伝わってきます。ところで、アルバムタイトルの「SOUND COMET 34」ってどういう意味なんですか? MISON-B 直訳すると「音の彗星」みたいな意味です。音楽をやってい る中で「宇宙」というものをその中に感じたりするので。「音楽を通し て宇宙と繋がっている」という感じですね。「COMET」という言葉も好 きですし。最後の「34」は自分の本名が「みよ(34)」ですし、アルバ ム制作の話が出た時にちょうど自分が 34 歳だったので、この数字に共 通点が多いなと思ったからですね。
MISON-B - SEASON (PROD.774) (YOUTUBE) ●私からしてもすごくいい曲だと思うんですけど、MISON-B さんの恥 ずかしさはどこにあったんですか? MISON-B 若いときの擦れてない感じの気持ちが詰まってるんで、恥ず かしいのかもしれないです。でも今聞いても良い曲だなと自分でも思う んですけどね。みんなにいい曲だと言ってもらえるのもあって、ライブ でこの曲を歌い続けていたら、お客さんが一緒に歌ってくれたりとかし て。だから自分の考えだけで決めるのもよくないなっていうのがこの曲 を通して分かりました。 774 あまりにリリースを拒否してたので、DIGITAL NINJA のアルバム に先に入れさせてほしいと頼んだら、それならいいよと言ってくれたの で、先にそちらのアルバムに収録しました。その結果「Season」が好 評やったので、本人もいきなり変わった感じですね。僕からしたら「ほ ら!」って思うんですけど。 (笑)
Interview
34
●アーティストさんが思う「良い曲」と、プロデューサーや他の人から 見た「良い曲」って違うんですね。 774 結構そういうの多いですね。
●そういういう意味でも全体のディレクションが入るのって大切なのか もしれませんね。 MISON-B そういう意味でも頼りにしてますし、本当に助けてもらって ますね。
●MISON-B さんって歌詞が感覚的で特長があると思うのですが、どう いうときに思いつくんですか?例えば5曲目の「ON」には「かまいた ちのインク アマゾネスのショッキングピンク」というフレーズがあり ますがすごくインパクトがありますよね。 MISON-B 人に会ったり、リディムを聴いたりしているうちに、知るは ずもない言葉がいきなり出てくるときがあるんですよ。自分でも「なん でこんな言葉を知っているんだろう。」と思うんですけど、たぶんどこ かで聞いて、記憶の片隅にある言葉がパッと出てくるんだと思います。 そういう言葉をすごく大事にしていて、書きとめているんです。 「かま いたちのインク アマゾネスのショッキングピンク」っていうフレーズ も、「ON」のリズムを聴いていたら、なんだか思いついて、韻も踏める し使いました。
MISON-B - ON(YOUTUBE) ●なるほど。頭に思い浮かんだ言葉を歌詞に組み込んだり、感覚を大事 にして歌詞を作っているんですね MISON-B そうですね。私、絵も好きなんですけど赤とピンクの色の組 み合わせが特に好きで、そういうのを彷彿とさせるのもいいなって。
●自分の好きな色彩を言葉でも表現しているんですね。そういうのって すごく芸術的だと思います。
MISON-B そういうちょっとした組み合わせをきっかけにいろいろと派 生して弾んで、外に向かっていくのが音楽の魅力だと思いますね。
●6曲目の「自尊心」という曲ですが、今「自尊心」ってかなり流行っ てるテーマですよね。自己肯定感とかそういう言葉も含めて。なぜこう いったテーマを選ばれたのですか?
MISON-B 自尊心というものが何なのか考えてますけど、簡単な答えで はないと思うんですよね。でもそれぞれにいろんな自尊心があるとは 思っていて、例えば「人を沸かせること」が自尊心であったりもするだ ろうし、 「人を喜ばせたり楽しくさせたりする」のも自尊心だと思うし、 「自分がかっこいいと思うものをどうやと人に見せる」のも自尊心だと は思っています。「MISON-B」とで韻も踏めるし、ビートの作りも自分 が好きな感じですね。
MISON-B - 自尊心(YOUTUBE) ●先ほども韻のことをおっしゃってましたが、韻にもこだわって作って いるんですね。 MISON-B そうですね。でも韻に目覚めたのは遅いと思います。 DIGITAL NINJA の周りにいるラッパーの作品を聴いたりして、感化さ れた部分はかなりあると思いますね。
●774 さんの周りってレゲエだけじゃなくてヒップホップの人もたくさ んいますもんね。 ヒップホップといえば、7曲目の「メリハリ」はかなりヒップホップっ ぽい曲だなと感じたんですが、どういう経緯でできた曲なんですか?
MISON-B 元々 1 人で作ってたんすけど、RAM-HEAD とは会う機会が多 くて、1曲依頼することになりました。そしたらいいヴァースと合いの 手を入れてくれてよかったです。 774 でも RAM-HEAD が急にリリースを悩みだして(笑) 。最終的にス タジオに来た J-REXXX に「めちゃくちゃいいから出しなよ!なんで悩 んでるんかわからんわ!」と言ってくれたことが後押しとなって出すこ とになりました。俺もいいって言ってたのに(笑) 。
MISON-B - メリハリ[feat. RAM HEAD] (YOUTUBE) ●でもそう考えたら、アーティストさん自身 もも何がいい曲か分から なくなる時があるん ですね。 774 そうですね。みんなそうなりますし、ナーバスになる時がありま すよね。
●774 さんはプロデューサーですし、ある程度客観的な目で見られると 思うのですけど、こんな曲が評判がいいとかそういうのってあります か? 774 うーん。そういうのは分からないですけど、アーティストとプロ デューサーの両方がどっちともかっこいいなって思えた曲は、やっぱり いい感じに行くことが多いですね。
●なるほど。774 さんがビートを作る時に、このビートを押していこう とかそういう風に考えて作ることはありますか? 774 ビートを作る時には誰が乗るかも考えずに作っているので、そうい うことはあまりないですね。そのビートに歌が乗ってきたり、できた曲 が集まってきたときに、どの曲で MV を撮ろう。MV 撮るならこれかな とかは考えたりしますけどね。でも MISON-B に限らず、他のアーティ ストもアルバムの曲は全部いいんですよ。だからその中で推しの曲を作 るのは難しいですよね。
Interview ●なるほど。
774 推しにした曲がめちゃくちゃ外れたりすることもあるんですけど ね。めちゃくちゃいいと思っていた曲が全然反応無かったりとか(笑) 。 ●最後の最後までわからないんですね。難しい。では、アルバムの曲に 話を戻すんですけど、8曲目の「スタミナ」って、何かのサンプリング とかにも聞こえるのですが、どういう曲なんですか? MISON-B サンプリングとかではないですね。レゲエのスタイルでみん なが知っているフレーズを歌うというのもあるんですけど、774 くんと やるときはあまりそっちの方には行かずに、パッと思いついた発想を大 事にして作っています。 「メリハリ」もそれを大事にして作りました。
MISON-B - スタミナ(YOUTUBE) ●歌詞の「スタミナギンギン」っていうフレーズも擬音が使われている しすごく大阪っぽくて印象的ですね MISON-B やっぱり地元ですし、大阪感は拭いきれへんもんっていう気 がしますね。吉本やごっつええ感じとかお笑いもめっちゃ見てましたし ね。 ●MISON-B さんの MV で「じゃりんこチエ」を使った MV もあります もんね。きっとルーツとしてしっかり根付いているんだと思います。曲 順戻らせてもらうんですけど、2 曲目の「グラデーション」という曲で 808 さんという方と一緒にやられてますが、この方はどんな人なんです か?
MISON-B 774 くんに紹介してもらったアーティストです。774 くんと のセッションも見せてもらったんですけど、本当にクラいまくりました。 年齢を聞いたら自分の息子であってもおかしくないくらいの年齢だった のもびっくりしましたね。才能をグングン感じてしまって、ぜひ一緒に やりたいって言ったら快く受けてくれて、今回一緒に曲を作ることにな りました。
MISON-B - グラデーション[feat. 808](YOUTUBE) ●最近若い才能もすごいですもんね。
774 本当に 808 はめちゃくちゃヤバイと思います。「ANALOG NINJA」 というアルバムも出ているのでチェックしてみてください。まだ若い 22 歳のアーティストです。
808 - シロップ[Prod.774] (YOUTUBE)
35 ●はい。是非チェックします!ではアルバム全体としての聴きどころを 教えてください。 MISON-B フィーチャリングアーティストの人たちの曲を聴いて、その 人のアルバムも聴いてもらえたらめっちゃ嬉しいです。でもアルバム全 体としてはあまり気構えせずに聴いてもらって、そこから気に入っても らえたら嬉しいですね。1 枚のアルバムが、音楽の入口になったりもす るので、そういうきっかけの 1 枚になれたらなとは思います。 ●すごく日常にマッチするアルバムだと思いました。家事したり運転し たり、日常のなかにあって聞いていて気持ちいい曲ばかりですねよね。 MISON-B ありがとうございます。最強のアルバムできたって思ってい ます。 774 僕も最強のアルバムができたと思っています。
●このアルバムはレゲエ界隈からの評価も高いですもんね。でもレゲエ を聴く人だけじゃなく、それ以外の人が聴いても絶対に刺さるものだと 思います。このインタビューを通じて私ももっともっといろんな人に聴 いてもらうべき作品だと再確認しました。
Interview
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INTERVIEW
シンプルに「らしく」DIGITAL NINJA 全編プロデュース ! J-REXXX ニューアルバム「ソーセージ」リリースインタビュー
Interview&Text by TAKANE ( https://www.instagram.com/takane1120/ )
ストイックで熱く、全力まっすぐなレゲエアーティストといえば、もちろ ん J-REXXX。今回 のアルバム「ソーセージ」も彼のストイックさ、熱さ、ユーモア、下ネタ、その他趣味 ETC. が満載の内容になっている。今回のイ ンタビューは J-REXXX 本人のみならず、全編をプロ デュースしている DIGITAL NINJA の 774 にも話を聞くことができた。
●アルバムタイトルの「ソーセージ」について聞かせてください。 すごくインパクトのあるタイトルですが、どこから来てるんで すか?
J-REXXX: アルバムタイトルは、 「ライフワーク」にしようと思っ てたんですよ。でも「結構普通やなあ。」っていう意見がでてき て、何がええかなってなったときにザ・ハイロウズが、過去に 「バームクーヘン」ってアルバムを出してたのを思い出したんで す。そのアルバムのジャケが、バームクーヘンがポンと置かれ てるだけで、 「もうこんなんでいいわな。 」と思いました。俺は もう何枚もアルバム出してきたし、これぐらいシンプルなので いいなと。それで 774 君に「何かないですかって」聞いたら、 前日寝る前に 774 くんがソーセージ食べてたんですかね。たま たまソーセージの袋があってソーセージがええちゃうんみたい な。もうそういう感じでつけましたね。 ●なるほど、シンプルですね。
J-REXXX: そうですね。ボクも 774 君もアホほど曲作るんで、 そういうところにカッコつけるよりも、もう、「はい!タイトル これ!」みたいなのがいいなって思いました。 確かにいつもレックスさんの楽曲に対して思うんですけど、い い意味で気負わないというか、日常の中の好きなものやトピッ クをさらっと歌にしていますよね。等身大っていう言葉がいい のかわからないんですけど、そういう部分を大切にして曲を作っ ているのかなと感じました。特に 1 曲目の「口笛」は自分のこ れまでを振り返る曲っていうふうに聞かせてもらったんですけ ど、どういう心境で作られたんですか?
J-REXXX: 最初はこのビートのイントロに口笛が入ってるのを聞いてからの スタートですね。ビートにはあらかじめ口笛が入ってたん ですけど、実はこ の口笛 774 君の口笛なんすよ ( 笑 )。
●へえ、774 さんは楽器のみならず !
774: 口笛もちょっと極めようかなと。( 笑 )
J-REXXX: 口笛を聴きながら、トピックを何にしようかなと思った時に、自 分が口笛を吹く時って、緊張をごまかす時や気分がいい時だと気づきました。 そこから緊張をごまかす時と考えたら、やっぱライブ前とか、すげえ緊張す る時だと思って。そうやって考えてたら、自分がキャリアを始めた時から、 今この現時点 2023 年ライブを始める瞬間までを歌にしよう。そして最終、 ステージの横で口笛吹いてるところに持っていこうとなりました。
●ユニークなストーリーテリングですね。レックスさんもキャリアが長いと思 うんですけども、そういう中で印象的なシーンやタイミングを歌に込めたんで すか?
J-REXXX: そうですね。印象的なことはいっぱいあるんですけどその中でも、リ リックにしたら面白いところをちょいちょいとつまみました。
Interview
37 でも後からやっぱり録り直した方がよかったかなみたいに思ったり (笑) 。歌詞の内容に関しても、この英語の響きはかっこいいんだけど、 意味は合ってるんだろうかと気になったりします。あと、 ちょっと誰かっ ぽかったりして辞めた方が良いのかなとか。 ●似せようと思っていなくても、そうなってしまうものなんですか?
●「ロックフェスでダイブをした」というリリックは、そのシーンを私 も目にしたことがあったので、本当に一つ一つ実際にあったことを歌 にしたんだろうなと思いました。そういうところも楽しく聴けるポイ ントですね。2曲目の「Let It Go」って曲でもそうなんですけど、レッ クスさんのロック好きがレゲエの要素に混ざっている気がするんです が、そのあたりはいかがですか? J-REXXX: でも僕的にはロックは好きですけど、ロックの要素を入れて るつもりはなくて、勝手にそうなってるというか(笑) 。その曲のビー トに関しては、774 君が作ってるものにどうアプローチを当てるかし か考えてないんですよね。 「Let It Go」の場合、最初にビートを聞いて 作ったんで、 「ビートに対してどうアプローチしようかな。」って考え たらああいう感じの曲になりましたね。 ●ちょっとメロコアっぽい感じもありつつ聞いていて懐かしさも感じ ました。このアルバムってアルバム自体が DIGITAL NINJA のプロ デュースじゃないですか。それで、このビートを聞いたときに、774 さんが本当にどんなジャンルでもビートを作ることができることにす ごくびっくりしました。それに対してレックスさんも器用に乗りこな していて、この 2 人はどんなジャンルの曲でもできるっていうミュー ジシャンとしての幅の広さを感じました。 J-REXXX: でも、今回はまあまあ 774 君に叩かれましたよ ( 笑 )。 ●どういうディレクションが 774 さんから入るんですか ?
J-REXXX: いや、特に何ってことはないんですけど、曲ができた時のリ アクションというか、 、 、 774: それは体調とかもあるからリアクションは気にせんといてほしい ( 笑 )。
J-REXXX:ONEDER にしろ、808 にしろ、MOJAH にしろ、DIGITAL NINJA の中に若手がいっぱい出てきて、彼らが新鮮な空気をどんどん 入れてくれるんで、そこにも負けていられないなって思います。あと MISON-B なんかの長くやっている人が改めて 774 君と組んだ時に、す げえ作品作ったりとかしてたんで、正直「俺、この人たちに敵うアル バム作れるのか」っていうプレッシャーはすごくありました。 ●以前 774 さんにお話をお伺いした時も、アーティストさんは楽曲に 対してすごくナーバスになるタイミングがあるとおっしゃってました。 ぶっちゃけレックスさんもそうなることってあるんですか? J-REXXX: 俺めちゃめちゃあります。 774: 一番ガラスのハート。(笑)
●確かに楽曲を聴いていても、繊細な性格はすごく感じま す。
J-REXXX: 細かいとこまでめっちゃ気にするんですよね。その細かいと ころを気にしすぎてナーバスだったりとかしますね。 ●細かいところって具体的にどういうところですか ?
J-REXXX: このテイクはこれでいいんだろうかとかですね。最初録った テイクは、滑舌が悪く録れてて、でもそれが何回か聴いてたらなんか すげえ味出ててあえてこれがいいと思う時があるんです。
J-REXXX: アーティストっちゅうものは、インプットしてそれをアウト プットしていくものなんで、この歌い方は誰かっぽくなってるなとかは ありますね。 ●なるほど。それがあまりに似てたら、 「アーティストサイドとしても これはちょっと、 、 、 」となると。アーティストさんもいろんな面で葛藤 するんですね。すごくいいお話聞けました。
J-REXXX: 774くんも自分を追い込みますけどね。ミックスマスタリン グだとね。 ●お二方ともすごくストイックですよね。
J-REXXX:いや、ボクはほんまに 774 くんについていくのは必死ですよ。 774:逆です(笑) 。レックスがスタジオに来る人の中でも特にストイッ クだと思う。 「命燃やしてんな~。 」って思いますよ。お互い様ですよ。 J-REXXX:スタジオにゲームあるけど、ゲーム機一切いじったことない もん。ストイックっちゅうか、まあ曲を作るのが好きなんでしょうね。 何よりも快楽というか。 ●快楽ってすごい言葉ですね。次 3 曲目が、 「Good Over Evil」って曲 なんですけど、このタイトルってジャマイカのことわざですよね。 J-REXXX: はい。悪より善という意味ですね。漫画でよくある「片方に 天使がいて、もう片方に悪魔がいて、どっちの選択肢を選ぶ?」みたい な時に、そこは正しい道行った方がいいでしょうっていう。最初作って た時は、人からのジェラスに対しての内容を入れたりして全部を統合し た曲にしようかと思ったんすけど、らしくないなと思い直しました。そ こから、自分自身の弱さと戦ってるようなリリックにしたいなって思っ たので、1 バース目の最後に「ダメな時ほど芯はブレんな 自分に負け るな」にしました。 ●レックスさんの曲って自分を鼓舞したり、正すような雰囲気が歌詞に あると思うんですけど、どういうマインドの時にそういう言葉が出てく るんですか?
J-REXXX: 普段から考えてることをいざ何か作ろうってなった時に、 「あ の時こう思ってたな、こうだよな~。 」って出てくるのもあります。そ れに 774 くんにさっき言われた通り、自分ってガラスのハートなんです。 なのにプライド高いんですよ(笑)だから逆境でもないことを勝手に逆 境だと思い込んだりすることもあって、その中から生まれることもある し。映画見ながら出てくるものもあるし。この曲に関しては、ビートを 聴いて、自分がルーツっぽい、メッセージのある曲を作りたかったんだ よなってのを思い出して書き始めました。今までそういう曲に何回か チャレンジしつつも、初めて大成功した曲ですね。
Interview ●4 曲目の Pro Wrestling Master なんですけども、これはプロレス の曲ですよね ? J-REXXX: はい、そのまんまです。
●プロレス、レックスさんお好きなんですか ?
J-REXXX: もちろん大好きです。プロレスラーの友達もいます、フジタ” Jr” ハヤトって言って、774 君のビートで入場曲も作りました。 ●レゲエ好きのレスラーさんなんですね。どういう経緯でお知り合い になったんですか?
J-REXXX: なんかめちゃくちゃ Dub を依頼してくるプロレスラーがい て、それがハヤトだったんです。Dub 録りもわざわざスタジオまで来 てくれました。そのプロレスラーは本人も逆境の中頑張っているとこ ろがあるから、俺はめちゃめちゃ応援しているんです。しかも何がかっ こいいって、そういうやつなのにヒールなんですよ。信じられんぐら い痛そうな蹴りをするんすよね、人の背中に、、バシーンって(笑) 。 そこが好きです(笑)。 ●ヒールっていうのがまた哀愁を誘いますね。次 5 曲目が SUNA- DEMUS さんがフューチャリングしている「着火」という曲ですね。 J-REXXX: はい。これは現場や色んなものに着火しよう、熱くなろう という曲です。
38 ●次、6 曲目の「Rocking Time」なんですけど、ちょっとスカっぽい 感じかなって思うんですけど、これはどういう曲なんですか。 J-REXXX: イメージ的には 60 年代のルードボーイがダンスで遊んでる 曲というか、そういう感じですね。自分の中でのイメージはスカとい うよりもちょっとご機嫌なロックステディーです。
●なるほど。この曲に RAM さんをフィーチャリングしたのはどういう バイブスを求めてなんですか?
J-REXXX: 歌が上手い人をフィーチャリングしたかったからですね。 RAM HEAD は DIGITAL NINJA の同じファミリーで、スタジオにいたら 必ず遭遇しますし、いつもカマしてくれるので今回お願いしました。 こういう感じで行きたいっていう自分のイメージにも、バッチリはまっ てくれました。 ●ロックステディーぽい雰囲気ですね。オケもレックスさんが選んだ んですか?
J-REXXX: はい。特にこのオケのベースが大好きですねモ~ンモンモン みたいな、うねりまくっているのが(笑) 。キックもいいんで是非聴い てみてください。 ●774 さんはこのオケを作る時に、どんなことを意識したんですか? 774: オケは出来ていたんですが、歌が乗ってから抜き差しする時、3 番のところをちょっと展開をつけようかなとか、そういうのはやりま したね、ギターソロを入れてみようかとかレックスと話しながら。 ●歌を乗せてからビートをいじることってあるんですね。
774: そうですね。展開ができて、めっちゃ変わったりするので。
J-REXXX:やっぱり 774 君とのアルバムなんで、ソロパートみたいな のが欲しいんですよね。ギターのソロだったり何かのソロは毎回アル バムに入れてるんです。 ●それは 774 さんが演奏するギターソロですか?
J-REXXX - 着 火 feat. SUNA DEMUS (Prod.774) [Official Music Video] - YouTube
●SUNA-DEMUS さんとは、どういう繋がりで知り合ったんですか ?
J-REXXX: 昔、10 年以上前にライブで神奈川の平塚に行く機会があっ てライブで、そこの後のラバダブにいきなり出てきたやつです。なん かすげえと思いました。 ●どういう凄さなんですか ?
J-REXXX: 何て言うんですかね(笑) 、人がボスったらマイクをバーっ て奪って「プンプン、ピューン、コマゲン!」とかって言ったりする んすけど(笑) 。役割もすごいし、キャラもすごいし、あの格好もす ごいし、ファッションもすごいし。彼には毎回アルバムに参加しても らっているし、自分としても必ずどこかにいて欲しいので、774 君に 相談して「着火」に入ってもらうことになりました。 ●774 さん何か SUNA さんエピソードありますか。 774:SUNA さんはもう、スタジオに初めて来た時からドアを開けた瞬 間に、 「ビヨ~ン」って言って(笑)、まんきんで「ビヨ~ン」って(笑) 。 ウワァ~ってなりました。最初からそんな感じでした。初対面で(笑) 。 J-REXXX:774 君、SUNA さんの声だけのビートとか作ってたし(笑) 。
J-REXXX: そうですね。 「MINORITY」っていう楽曲にも入ってるし、 毎回どこかでソロを入れて欲しいとは思っています。 ●774 さんに伺いたいんですけど、ギターが弾けるんですね。
774: そうですね。中学ぐらいから 18 歳ぐらいまでバンドをやってて、 それでちょこちょこ楽器ができるようになりまし た。 ●これだけ様々なアーティストに楽曲提供してる 774 さんの音楽遍歴 にはすごく興味ありますね。そこからどうなったんで すか ? 774: バンドが 18 歳ぐらいに解散し、そこからレゲエの現場に連れと 一緒に行くことになりました。そしたら「めっちゃやばいな」となって、 セレクターをし始めたんです。そこで、オアシスファミリーサウンド の Daddy Dragon っていう人が、自分が作ったトラックで声を乗せて 作った CD を聞きまして、 「1 人でもそんなんできんねや。 」と思って、 その人のところに習いにいきました。MPC 持って西成のドゲットーの 実家に 1 ヶ月ぐらい泊まり込みで教えてもらって、そこから一生トラッ ク作ってますね(笑) J-REXXX:Daddy Dragon は GENKI-DESUKA とか、昔結構ジャマイカ のアーティストもやったり、日本のアーティストもやったり、自分も 歌ったりとかしてて、GACHA とか出てくる前にすごく有名だったんで す。一世風靡してたぐらいすごい人なんですよね。
Interview
39
●ではその人のお弟子さんに当たるのが 774 さんなんですね。がっ つりヒットメーカーのバイブスを受け継いでいますし、現在の大活 躍にも合点がいきました。続いて 7 曲目の「No Dutty Panty」な んですけども、これはちょっと下ネタ系というかコミックソングと いうかですが、こういう曲も必要ですか? J-REXXX: やっぱり必要ですね。真面目にだけやっても面白くないし、 そんなキャラじゃないです。MOYA-C っていうアーティストがいるん ですけど、MOYA-C とラバダブする時にコントラクション返せるよう な曲、俺 1 曲もないなと思ってて、それもあって作りました。あいつ がパンティーの曲歌ってるんで、そのパンティーを洗濯してやるって いうコントラクションを返してやろうっていうアイデアです。 774: そうなん ?( 笑 )
●奥さんのパンツとか洗ってるイメージで聞 いてましたけどね。ただ の下ネタじゃなく愛 を感じてました ( 笑 )。 J-REXXX: 男性だったらね、女性のパンティ ーぐらいはちゃんと洗濯 できないと、男じゃ ないと思うんですよ。 ●なるほどいいお言葉いただきました(笑)。MOYA-C さんへのアン サーとも捉えていいですか? J-REXXX: これは MOYA-Cとのビーフです(笑) 。 ●このビーフが大きなムーブメントとなることを期待しております (笑)。8 曲目の「One Inna Million」なんですけども、これはどうい う意味ですか。 J-REXXX:「One Inna Million」という言葉は、もともとレゲエワー ドであって、レゲエの中間の世代に向けて「大丈夫。行けるぜ~。 」 みたいなメッセージを自分の中では込めたつもりなんです。特に気に 入っているのは音への乗せ方で、自分は RUNKUS っていう、ジャマ イカのラッパーというかラスタのアーティストも好きなんですけど、 彼の乗せ方を参考にしました。乗せ方のアプローチが新しいって意味 でめちゃくちゃ個人的には気に入っている曲です。 774: 聞いた時に、僕も「これバリ渋いやん。 」となりました。トラッ プのラッパーの乗せ方っぽいんだけど、そこにレゲエのフローが入っ たみたいな感じです。 ●次 9 曲目が「One Big Joint」という曲でフィーチャリングが SNEEEZE WOLF さんなんですけど、ぶっちゃけどんな曲ですか? (笑) J-REXXX: ヒッピーです ( 笑 )。 774: さすがの表現です ( 笑 )。
J-REXXX: 今回 SNEEEZE WOLF としてはフィーチャリングが初なん ですよね。SNEEEZE WOLF っていうのは SNEEEZE が 774 君とレゲ エの楽曲やる時の名前なんです。 私も NINJA MOB からずっと SNEEEZE WOLF さんを聞いていて大 好きなアーティストさんですが、そもそもレックスさんと SNEEEZE WOLF さんとの出会いってどういうところなんですか。 J-REXXX:「ヤバイやつおる。」と 774 君に紹介してもらいました。
●ヤバイですよね。スキルフルだからこそ、心地よく軽く聞けるとい うか、耳心地よく聴ける。そんなアーティストさんですよね。
J-REXXX: 俺も楽曲聴いてすごいかっこいいなと思っていました。初 めて 774 君のスタジオで SNEEEZE が来た時にびっくりしたのが、丸 い眼鏡をかけていたことです。その眼鏡をかけた姿が「ごはんです よ!」みたいで、誰だと思ったら、その人が SNEEEZE でした(笑) 。 ●曲のテーマはヒッピーとおっしゃいましたが、レックスさんの提案 ですか ? J-REXXX: そうですね。SNEEEZE は好きなんですけど、SNEEEZE WOLF も大好きなんで、SNEEEZE WOLF としてやるんだったらこの テーマが一番いいかなと思いました。
●次 10 曲目が「相棒」っていう曲ですよね。レックスさん+ CIMA&P-PONG でお互いの相棒について歌っていますが、どういう 経緯でこの曲は出来たんですか? J-REXXX: もともと Mr.OZ と G.CUE がやっている「Phobia of Thug (フォビア・オブ・サグ) 」っていう名古屋のラッパーたちがいまして、 その人たちが好きだったんです。そこで G.CUE さんが、Mr.OZ さん に対して歌った曲があって、 「自分の相方の曲」っていうトピックが 面白いなって思いました。そこで自分の相棒ってなるとやっぱり紅桜。 ちょうどその時に、彼はまだ宇宙ステーションにいたので応援する意 味も込めて作りました。 ●宇宙ステーション ( 笑 )。
J-REXXX: その時ちょうど CIMA がスタジオにいたタイミングでも あって、 彼とも曲作りたいなってなった時に CIMA とできる最高のテー マって何だろうって考えた時にさっきの曲をふと思い出しました。 CIMA の相棒の TRASH も 774 君とアルバムをリリースしたばかりだ し、めちゃめちゃタイミングも良かったですね。そこにさらに NINJA MOB で SNEEEZE の相棒である P-PONG を入れたら、めっちゃ面白 くなるんじゃないかなんて想像して出来上がった曲です。
Interview
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●アイデアの引き出しがすごいですね。紅桜さんも宇宙ステーション から出てこられたのでレックスさんとの新たな楽曲も楽しみにしてい ます。では続いて 11 曲目の MISON-B さんとの楽曲の「自分勝手」 なんですけど、楽曲のテーマとしては、私の彼氏はレゲエ DEEJAY 的な、こう女性を待たせる男性の歌かなっていうふうに思うんですけ ど、このテーマにしようというふうに思ったのはどういう経緯でそう なったんですか。 J-REXXX: 昼ドラのオープニングみたいな(笑) ●昼ドラ観ている時にこのテーマにしようって思いついた感じですか ? J-REXXX: そうですね。ビートがすごくかっこよかったんで。そこに 自然勝手にリリックが乗っかってましたね。 ●では続いて ONEDER さんがフィーチャリングしている 12 曲目の「お かげさま」について伺います。感謝が歌われてる曲だと思うんですけど、 これはどういう経緯で一緒にやることになったんですか。 J-REXXX:ONEDER が 774 君のスタジオにいて「ぜひ一緒に。」って いう話をした流れから制作に入りました。、このビートが前から好き だったので、このビートを使って何か作りたいと思いました。その中 で ONEDER に「GIVE THANKS」という言葉でサビを作ってもらうよ うにお願いして曲は一旦出来上がったんです。でもいざ曲タイトルを 決めるときに、「GIVE THANKS」という曲を出したこともあったし、 よくあるタイトルであるので、 「GIVE THANKS」というのをタイトル にするのは違うなと思いました。そこで、実は「おかげさま」ってい うワードも曲中にたくさん使われているので、このタイトルに決めま した。
●次は「オーバーサイズ」というなんですけども、これはどういう楽曲 ですか? J-REXXX: これは元々前から作ってたけど、最初はアルバムに入れて なかったんです。でも 774 君が前からずっと好きですと言ってくれて いたので、改めて聞いていいなとなったのでアルバムに入れることに しました。
●なるほど。やっぱりレックスさんのカラーが出てる楽曲が、やっぱり 774 さん的にもいいなと思うんですかね? 774: そうですね。やっぱり「レックスやな!」って曲めっちゃ好き です。今回のアルバムそういう曲ばっかりなんでめっちゃいい感じで すね。レックス 120%
●「オーバーサイズ」っていう楽曲のタイトルはどこから来たんですか? J-REXXX: 一言目がオーバーサイズって言ってるんで(笑)。
774: 仮題がそのまま題になること結構あるよな。こういうのが多いよ。 J-REXXX: 俺タイトルどうでもいいっすよね。内容が大事。
●では最後の楽曲、 「LIVE に来いよ」について伺います。レックスさん の優しさがすごく表れてる曲だと思うんですけど、どういう心境のとき に作った曲なんですか? J-REXXX: これは、必ず元気にして帰す自信があるんで、元気がない 人にライブ来てほしいなと思ってつくりました。ほんまもうライブが 生きがいなんです。ライブと楽曲作りだけできていればいい人間なの で。
J-REXXX - ソーセージ (Full Album Video) ●以前、ライブのためにランニングをされてるとおっしゃってましたが、 最近も走ったりはしていますか? J-REXXX: はい。
774: めっちゃ走ってる。 ●やっぱりストイックですよね。レックスさん。
J-REXXX: ストイックというよりも自分は GENERAL LEVY や ANTHONY B が大好きで、何で好きかっていうと 50 超えても未だに バチバチライブしまくってるんですよ。しかもパワフルだし。自分も 運動し始めたら、明らかにライブの質が変わったんで、やり続けなきゃ なと思って続けています。横浜と鹿児島でタイマンチーズのライブも あるし、ライブ自体もめちゃくちゃいっぱいやってます。
●是非ライブにもお邪魔したいです。最後読者にメッセージをお願いし ます。 J-REXXX: いいアルバムには良いビートが、良いマスタリング、良い ミックスが必要だと思うので、良いビートメーカーとみんなが出会え れば良いなと思います。 774: やはり良いビートにも、良い歌い手が必要なので、最高なアル バムができたと思います(笑) 。
●ありがとうございます、お互いをたてたコメントですね(笑) 。今回の アルバムもレックスさん成分がたくさん詰まったアルバムだと思います ので、私も何度も聞いていきたいと思います!
Interview
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INTERVIEW
ラスタの使命「愛と共に生きる」勝利への道のり| OGA from JAH WORKS JAM ROCK CRUISE 優勝インタビュー
Interview&Text by Seira Yonamine ( https://www.instagram.com/seiratheuniverse/ )
サウンドシーンに斬新なアイディアで革命をもたらし、日本のレゲエ
シーンを牽引し、世界の大舞台へと進出した OGA from JAH WORKS。 彼の勝利には「愛と共に生きる」ラスタの思想が根底にあり、音楽活動
だけでなく社会貢献にも力を注いでいる。
彼のフューチャリスティックな独創性と精力的な活動は、多くの人々 を魅了し、今回のクラッシュでも見事優勝を果たした。
マイアミから帰国時のトランジットでトロントに立ち寄った OGA ちゃ んに直接会って話を伺った。
自分らしさと ジャマイカへの愛を表現する ●OGA ちゃん、クラッシュ優勝おめでとうございます。まず、参戦の背景とジャマイ カでの体験についてお聞かせください。
OGA:SUMFES が終わった後、表面上の悔しさはなかったけど、どこかで納得できて いない気持ちがありました。 世界の大きな舞台で声がかかったのは 2020 年からで、 長期にわたる目標 設定と努力の 積み重ねが、今回のクラッシュで結果として表れたこと で、大きな安堵を感じています。 日本の音楽シーンへの貢献と個人的な成長のために、結果を 出すことを重視しました。 やっと落ち着けます。
( ケンジントン・マーケットにあるラスタショ ップ HOUSE OF MOSES。OGA ちゃんが 10 代の 頃につ よく影響を受けた、ジャマイカ出身の黒 人奴隷解放 運動の指導者マーカス・ガーベイの 壁画前で撮影。)
Interview ●過去 3 年間で特に力を入れたことは何ですか ?
OGA:主に語学の習得と音楽技術の向上に取り組みました。オンライ ン英会話を利用したり、特にコロナのロックダウン中は毎日英語を学 んでいました。 他にも、ミックスや曲の編集などの音楽技術も学んで、自分のアイデ アをより明確に伝える方法を磨きました。 今思えば、これらの経験が、準備期間が短かったにもかかわらず、今 回の成功につながったと実感しています。
●SUMFES での経験も、今回の勝利につながったと思います が、ど んな感想をお持ちですか ?
OGA:ジャマイカの音楽業界は厳しい面もあるけど、そこで 得た経験 はとても貴重です。多くの要因が結果に影響を与えると思うけど、自 分の努力で それらを覆すことができると信じていました。ジャマイカ への愛と、レゲエへの情熱を伝えることで、人々 の心を掴み、目標を 達成したいと考えていました。
●今回の勝利を受けて、どのような気持ちをお持ちですか ? OGA:SUMFES でできなかった、いつもの自分のスタイルを貫き、ちゃ んとジャマイカとレゲエへの愛を表現することができたことが、今回 の勝利につながったと感じています。 ほんまに最初はホスト MC が JAH WORKS って紹介しても「シーン ……」っていうところから、1ラウンド目が終わるころには会場のお 客さん全員を味方につけるっていうところまで行けました。
きっと JAPAN RUMBLE 優勝できた時もそれができてて。海外でもナ チュラルにそれができるようになった。完璧な発音や文法じゃないけ ど、言いたいことを伝えて、みんなの共感を得れるっていうところまで。 過去の経験から学んだ「自分らしさを出すことの大切さ」を再確認し、 それが今回の成功に結びついたと思います。
42 短期間での準備と クリエイティビティの刺激
●愛に勝るものはないということを証明されたんですね。逆境が OGA ちゃんの底力を引き出したようにも感じました。このチャンスをどう 捉えましたか?
OGA:今回のクラッシュへの準備期間は信じられないほど短かくて。 本決まりから 2 ~ 3 週間の短い時間で全てを準備しないといけなくて。 僕にとって大きな挑戦でしたが、逆にそのプレッシャーが新たなクリ エイティビティを刺激してくれました。 ●最初のオファーはいつ頃受けたのですか? OGA:1 ヶ月ほど前に「ブッキングするかも」というめちゃくちゃあ いまいな連絡が来ました。その後も状況ははっきりしなくて、日本で のブッキングやスケジュール調整に苦労しました。でも、このチャン スを逃すわけにはいかないと感じていました。 ●そんな状況での自信はどうだったのですか? OGA:JAM ROCK クルーズのクラッシュは、僕にとって最後の大きな チャンスだと思っていました。この機会を逃したら、次はないかもし れないという思いがありました。だから、どんな困難も乗り越える覚 悟で臨みました。 ●短期間での準備はどのように進めたのですか? OGA:今回は完全に即興で準備を進めました。全部「思いつき」です。 限られた時間の中で、アーティストたちや関係者の協力あって、短い 準備期間だったけど、その中で生まれる創造性やアイデアは、通常の 準備期間では得られないものでした。感謝です。
●どのようなサポートを感じましたか? OGA:準備期間はめちゃくちゃ短かったですが、たくさんの人からの サポートがありました。特にメンタル面でのサポートが大きくて、自 信を持って臨むことができました。
Interview ダミアン・マーリー主催 今年で 8 年目 JAMROCK CRUISE
●JAMROCK CRUISE について詳しく教えてください。このイベント はいつから始まったのですか? OGA:JAMROCK CRUISE は今年で 8 年目を迎えます。Mighty Crown が初期に 3 連覇して、その後は Tony Matterhorn、Worrior、Dynamq、 Jah Works がチャンピオンになりました。 ダミアン・マーリーが主催していて、ジャマイカ政府とは直接的な関連 は少ないです。
43 自分が日本人で、どれだけジャマイカとレゲエの文化が好きで、ラ スタにも影響を受けてて、今ここにいるよって。俺のこの喋り方も、 ライフスタイルも食生活も、考え方も全部ジャマイカで学んだこと。 クラッシュを通じて、最後の一曲をかけ終わるまで、自分のアイデ ンティティと音楽への情熱を表現しました。
特に、最後にかけた TARRUS RILEY の曲は、観客の反応を想像しな がら確信して選んだもので、ばっちりハマりました。
●乗船時の印象や体験はどうでしたか? OGA:乗船は 5 泊 6 日の旅で、途中でジャマイカに寄港したときに、出 演者の前半のアーティストが降り、新しいアーティストが乗り込む仕組 みです。
船上では常にハッピーなバイブスで、ラジオ放送やメインステージでの パフォーマンスが行われています。 昼間はベテランアーティスト、HEPTONES とか、オールディーズのアー ティストがゆっくりずっとバンドショーやってくれてたり。
「LESS IS MORE」の選曲戦略 ●クラッシュの対戦相手を知った時の感想は?
OGA:対戦相手にはアフリカの Dynamq、アメリカの大御所サウンド、 SOUL SUPREME、トリニダード・トバゴの TARRUS MOVEMENT がい ました。 各サウンドの特徴を考慮して、もうほんまに初っ端から自分のやりたい ことを100% だし切って真っ向勝負しかないと思ってて、「LESS IS MORE」の戦略で選曲しました。 これは、以前の SUMFES の経験から学んだことでもあって。SUMFES では、選択肢を持ちすぎて、結果的に戦略が複雑になりすぎたので、そ れを踏まえて、今回は伝えたいことと、かけたい曲を絞りに絞って、必 要なものだけを用意しました。 そうしたことで、自分のイメージしたペースを乱されずに全部だし切る ことができました。 ● 「LESS IS MORE」の精神性は、以前より OGA ちゃんが大事にされ ていますよね。それでも、不安などはなかったのでしょうか。 OGA:自分のやってきたことを信じることに集中していました。 ●どういう基準で選曲はされましたか? OGA:好きな曲もそうやし、クオリティの高い DUB。あと、客層に合わ せて想像した選曲です。
自己紹介とアイデンティティの強調
●クラッシュ当日の流れはどうでしたか ?
OGA:当日は、くじ引きで順番を決め、僕は一番目でした。持ち曲とパ フォーマンスでお客さんの心をつかむことに集中していました。
●最初のつかみはどうやって決めましたか ?
OGA: 最初のつかみでは、自分のアイデンティティを際立たせること が大切だと思っていました。
CHRONIXX の DUB を使用した際、 「Come from Osaka」 というフレー ズが特にお客さんにハマって、自分の日本人であることを前面に押 し出す戦略が功を奏しました。 ●1 ラウンド目のルールはどのようなものでしたか?
OGA:1 ラウンド目では、 「何でもかけて良い」と言われていたけど、 具体的なルールは事前には教えられていなくて、でも、もうどんな ルールであろうが関係なく、自分の世界をやるしかないから、自分 のセットを DUB に絞ることに決めました。 自分の音楽的なルーツとオリジナリティを表現するための戦略的な 選択でした。
「忍者ラスタ」 「OLD SOUL」のプレイの意図
●2 ラウンド目での「忍者ラスタ」というコンセプトはどのようにし て生まれたのですか?
OGA:2 ラウンド目での「忍者ラスタ」は、友人の PANCHO のアイ デアから着想を得たものです。理由は、 「語呂と響きがいいから」っ て(笑)ただの忍者じゃねえぞって。 実際に、エンターテイメント的な要素を取り入れることで、お客さ んにも強い印象を与えることができたと思います。 時代劇の衣装屋さんから衣装をギリギリの状況で確保したけど、さ すが忍者スーツで、着心地もよくて動きやすかったです。視覚的な インパクトも大きくて、パフォーマンスに新たな次元を加えること ができたかなと思います。
Interview ●3 ラウンド目での STEPHEN MARLEY「OLD SOUL」のプレイはど のような意図がありましたか? OGA:3 ラウンド目はリアルな DUB PLATE っていうか、ほんまに往 年の DUB みたいなのをかけて、THIRD WORLD、JOHNNY OSBOUR NE、SANCHEZ など、ジャマイカの音楽への敬意と自分自身の音楽的 ルーツを示す選曲をしました。
「OLD SOUL」は STEPHEN MARLEY の新曲であり、僕の個人的なお気 に入りな曲です。この曲の DUB をプレイすることで、お客さんに深 い感動を与えることができて、クラッシュ全体の流れに大きく影響を 与える曲になったなと感じています。 ●Tune Fi Tune での心境について教えてください OGA:初っ端から勝負を決めることを目指していました。
対戦相手がブーイングされる展開もあって、Tune Fi Tune に慣れてい ないように見えたけど、自分の中では「気を抜くなよ」って精神的に 冷静さを保つために葛藤していました。 自分のパフォーマンスに自信を持ちながらも、油断せずに臨むことが 重要でしたね。とにかく自分の戦略を進めることに集中しました。
勝利への道のり
44 日本とジャマイカの 架け橋になりたい
●現在キャリアは何年目ですか?
OGA:約 15 年です。世界の舞台には 5 年前から参加しています。
●最初はどういったお気持ちで活動を始めたのでしょうか?
OGA:日本とジャマイカの架け橋になりたいと思っていました。海外 の音源を重視するよう先輩たちに勧められ、それに従ってキャリアを 積んできました。
●初めての海外クラッシュはいつだったんですか?
OGA:10 年前、ジャマイカのローカルでした。5 年前にはワールドク ラッシュに初参加して、続いてヨーロッパツアーでイタリアでクラッ シュ優勝しました。その後は、コロナの影響で活動にブランクが生じ ました。
●ブランクも経て、今回の勝利と成功があるんですね。
OGA:日本とジャマイカの架け橋となって、日本のレゲエを世界に広 めることが目標です。日本のレゲエシーンの発展に貢献したいと考え ています。
●クラッシュでの勝利を振り返ってどう感じますか? OGA:クラッシュでの勝利は、自分のキャリアの中でとても大きな意 味を持っています。 ステージから見た景色は、まさに自分が長年夢見ていたもので、ダミ アン・マーリーからトロフィーを受け取った瞬間は、まるで夢が現実 になったかのようでした。 この経験は、僕の音楽的旅路の中で新たなステージに立ったことを象 徴していて、今後の活動に大きな自信とインスピレーションを与えて くれました。 ●感動的な瞬間でしたね。ほんとうにおめでとうございます! OGA:まあ、一瞬ダミアンからトロフィーを受け取る前に、自分から トロフィーを持ってってしまうみたいなとこあったけど(笑) ●嬉しさが伝わりましたよ(笑)
レゲエには人を変える力がある
●使命感を持っていて、 とてもかっこいいです。レゲエに出会ったきっ かけを教えてください。 OGA:10 代の頃から聴いていました。レゲエと出会ったことが、人 生観を変え、新しい世界を開いてくれました。
Interview ●レゲエと出会う前と、レゲエと出会って、どのように変わりましたか? OGA:もともと色々な趣味に熱中していたのが、レゲエに出会って、熱 中する対象が変わりました。レゲエは、深いソウルと強い思想、哲学を 持つ特別な音楽で、人を変える力があると感じています。
●レゲエにどうインスパイアされましたか?
OGA:中学生のときにレゲエを聞いて、世界の見方が一変しました。
レゲエは日本の現状や、常識とされていることが実は異なると気づかせて くれました。法律や歴史に関する新しい知見を得ることができましたね。 日本の「常識」が実際には異なることを知ったとき、最初はすげえ怒りを 感じました。この怒りは、社会に対する不満や、自分たちが信じ込まされ ていた嘘に気づいた結果です。 でも、怒りの後は、魂が解放されたような気持ちになりました。 ジャマイカに行ってからも、物事がよりクリアに見るようになったり、怒 りを情熱に変えることができました。 そこから、音楽や芸術を通じて社会的な変化をもたらしたいと思うように なりました。
黒人奴隷解放運動の指導者 マーカスガーベイとの出会い
●大学時代は哲学を学んでいたそうですが、当時はどのようなことを学 ばれていたんですか?
OGA:大学ではレゲエの深いメッセージやラスタの思想について学びま した。マーカス・ガーベイの教えを学び、魂と心を解放することの重要 性を学びました。 学問とレゲエのアートを通じて、多くのことを体験し、多くの気づき、 学びがありました。 黒人の歴史やラスタについての深い学びが、今の僕の音楽へのアプロー チ、特にセレクターとしての目に見えない説得力になっているのかなと も感じています。
よく周りの人たちからも「OGA がかけるラスタの曲は、聴こえ方や響き 方が違う」って言われたりしてて。 実際に、多くの文献を読んだり、ジャマイカやアフリカを訪れたことで も深い知識と理解を得ることができました。 そして、これらの経験は自分自身を見つめ直し、変わるきっかけになり ました。
45 ラスタの哲学「魂の解放」
●日本における哲学の位置付けについてどう思いますか?また、レゲ エのスピリチュアリティとの関連性は? OGA:日本では哲学が他の国に比べてあまり身近ではないかもしれな いけど、僕にとっては生き抜くための「力」そのものです。 レゲエやラスタは、知識から知恵へと変わる過程を促してくれると感 じています。 哲学は、知恵を愛することであって、それはレゲエととても親和性が 高いと思っています。 ●ラスタへの興味はいつからでしょうか? OGA:レゲエを深く追求する中で、自然とラスタにも興味を持ち始め ました。 ラスタはフリースピリット、自由意志、エンパワーメントといった概 念を教えてくれました。実際に、ラスタの思想に影響を受け、僕のラ イフスタイルや価値観も変わってきました。 ●ラスタとしての生活様式の変化について教えてください。
OGA:ドレッドを始めたり、肉を食べなくなったりするのは、特定の 決意からではなくて、自然な流れでした。内面からの変化に従って、 自然にそういったライフスタイルになっていきました。
ラスタは僕にとって 一つの哲学であり、生き方そのもの ●現在のラスタとしての姿勢は?
OGA:ラスタとしての生き方は、単に自分が好きなことを追求し、好 奇心に従って生きることから生まれました。 その結果として、今の僕が形成されています。ラスタは僕にとって一 つの哲学であり、生き方そのものです。
Interview ●優勝したことで、自分の中で何か変化はありましたか?
OGA: 「すっきりした」という感覚があります。今回の成功は、僕の 哲学や、ラスタの哲学がミックスされた結果だと思っています。さ まざまな経験を通じて、多くを学びました。
●ラスタの生き方で提唱することができる具体的なものはありますか? OGA:メディテーション(瞑想)は大きな要素ですね。自分自身と向 き合って、対話する時間を持つことが大切です。
46 ジャマイカには世界に影響を与えた歴史上の人物がいて、それをジャ マイカの子供たちも、もっと誇りに思ってくれたら犯罪も減ると思っ てて。 貧困とか教育とか、ほんまは政治家がやらなあかんことやけど、政治 家ができないことを、みんなで助けあってできたらいいなと感じてい ます。 きっとあの国はまだまだ世界を変える力があるから、子どもたちにポ ジティブな影響を与えたいと思っています。
最近は、 「無」になることができるようになり、自分自身とより深く向 き合うことができるようになりました。
●日本の社会についてはどう思いますか?
●ラスタの思想はどのようなものですか?
マーカス・ガーベイやボブ・マーリーのように、プレッシャーで抑圧 されてきた人たちを立ち上がらせるヒーローがジャマイカでは称えら れています。 僕たちも、そういう人物をもっと学ぶことで、日本の歴史や文明の素 晴らしさを知ることができると思います。
ラスタの使命 「愛とともに生きる」
OGA:ラスタの思想は、「愛とともに生きる」ことです。関わる人を ポジティブにすることが、ラスタとしての私の使命です。 ●真理ですね。これまでたどってきた 「道」についてどう思いますか? OGA:中学生の頃からの怒りや情熱が、僕を社会を変えたいと思わ せました。その後は、愛を伝えたり、ポジティブなエネルギーを広 めたいという思いが、僕のセレクターとしての活動の根本になって ます。
今は、 「元気を届けるサウンド」を通じて、人々にポジティブなエネ ルギーを届けたいと考えています。
社会貢献と教育への取りくみ 「ジャマイカ子ども食堂」
OGA:日本の歴史には忘れられたヒーローがいると思います。
●どのような方法で支援されていますか?
OGA:オガラジや、インスタのサブスクでの収益と、自分のポケット マネーを合わせて支援しています。 ジャマイカは物価高だけど、パティなどをまとめ買いすると安く購入 できるので、今回ジャマイカに行ったときには、40人分のご飯を用 意することができました。みんな協力してくれたら嬉しいです。
レゲエ文化の広め方と 社会貢献の意義 ●その活動の動機は何ですか?
OGA:現状を変えるためには、自分から動くしかないです。
これまでも、ジャマイカに行ってお金を使ったり、アーティストの DUB 録ったり、レコード買ったり、そういうところでジャマイカに還 元してると思ってきたけど、もっと直接的なところで恩返しできたら なと思って。 ジャマイカの音楽シーンや社会が変わるかはわかりませんが、何もし ないよりはマシだと思っています。 近年のダンスホールは暴力的なことが多いから嫌や、詐欺の曲なんか 聴きたくないって、ボヤいているだけでは何も変わらない。だから行 動に移していきたいなって。 もちろん自分ひとりが全てを変えれるなんて思ってないし、一つの力 になればなと思っています。 ●ジャマイカのヒーローたちの意志を継承されたんですね。
●今回の勝利で、OGA ちゃんの太陽のようなポジティブエネジーが 世界に届きましたね。それに、最近からジャマイカの子どもたちの 教育に関する支援活動もされていますよね。 OGA:「ジャマイカ子ども食堂」という名目で、子どもたちに食事を 提供する場をつくり、マーカス・ガーベイなどの歴史的なヒーローに ついてジャマイカの歴史や文化を教育することに関しての支援をして います。
OGA:外人なりにやけど(笑)そして、それがどんだけ結果に表れて るかっていうとわからへんけど、でもきっと、みんなのそういう意識 は絶対に何かに繋がるはず。
Interview
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●理想を掲げる力と、行動力がほんとうに素敵です。今回の OGA ちゃんの勝利は、未来の発展につながるような影響力を感じました。 今後の活動や展望について教えてください。 OGA:自分が影響を受けた食生活や生き方を伝えるイベントを企画 しています。レゲエを中心に、食事や農業などを組み込んだイベン トをもっと都市部でも開催したいです。 ●斬新なアイディアでとてもクリエイティブですね。楽しみです! 最後に、読者に伝えたいことはありますか? OGA:ポジティブなエネルギーを伝えることが大切だと思っていま す。サウンドクラッシュでも、エンターテイメントとしての楽しみ を伝えることを重視しています。今後もレゲエの文化を広め、より 多くの人々に楽しさを伝えていきたいです。
【OGA from JAH WORKS】
●これらかも応援しています^^ありがとうございました!
Seira Yonamine
大阪の老舗レゲエサウンドシステム” JAH WORKS” 所属。 一見して独特な OGA であるが、そのライフスタイルや思想に基づいて選 曲は聴くもの全てを魅了する。全国での LIVE はもちろん、毎週水曜日に オンラインにて放送している”OGA WORKS RADIO” 略してオガラジは LI VE放送とアーカイブ合わせて毎週延べ 5000人以上が視聴する日本を代表 するレゲエ番組を11 年継続している。またレゲエサウンドシステム文化 の醍醐味でもあるサウンドクラッシュシーンにおいても現在日本で最高峰 と言われる ” Japan Rumble” の 2018 年度 Champion でもあり、世界最 高峰の舞台とも言われている “WORLD CLASH” と JAMAICA 最大のフェス "REGGAE SUMFEST" でのクラッシュで 3 位。ヨーロッパツアー中にイタ リアで CHAMPION のタイトルを獲得し、世界的に有名な豪華客船で行わ れるイベント "WELCOME TO JAMROCK CRUISE" で行われた SOUND CL ASH で 2023 年度の WORLD CHAMPION となった。 世界が認めた日本を代表するトップセレクター! Twitter:https://twitter.com/JahOGAworks Instagram:https://www.instagram.com/ogajahworks/
ROCKERS Channel 特派員としてのスタ ー ト か ら WOOFIN’ や HARDEST magazine など多くの媒 体での記事執筆 やアーティストのインタビュー、レコー ド会社でのプロモーター経験を積んだ 後、 レゲエ ZION を通じてレゲエ業界に 関わらせてもらいました。これらの経験 を生かし、今後は占星 術師・カウンセラ ーとしての活動をしていきます。14 年 間、レゲエコミュニティの皆様、ありが とうございました♡ IG @seiratheunivers
World Event Report
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DANCEHALL ASIA WORLD EVENT REPORT
「DANCEHALL ASIA」とは?
Text Photo I-VAN ( https://www.instagram.com/ivan_blackanese)
2019 年にヨーロッパ最大のダンサーキャンプ「DANCEHALL MASTER WORLD」に審査員と WS で呼ばれてフランスパリへ行ってき たのが始まりです。
ホテルの最上階が世界中から呼ばれてるトップダンサーでそれ以外はほぼ子供から一般の現役ダンサーやプロのダンサーを目指す人
が宿泊して地下に会場があります。参加者はなんと 150 人くらいいました。ヨーロッパが DANCEHALL かなり BOSS してるのは知っ てたけどクラいました。 。1 日目と2日目はゲストダンサーの WS。
3日目に各部門のダンス大会です。ここで優勝したらヨーロッパ中からブッキング来るし皆んな必死でした。
World Event Report
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一方のアジアは全くこういう動きが当時なかった。ジャマイカから拠点を 2014 年に沖縄に移した時、台湾、韓国、フィリピン、タ イ、ベトナム、カンボジア等アジアでずっと DANCEHALL の無い畑を耕してたからコレだ!と思って帰国してその年の夏に年地元 沖縄で初開催したのが「DANCEHALL ASIA」
2020 年にはフィリピン開催
World Event Report
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コロナで2年間できずにいたので 3 年ぶりの開催は韓国ソウル
日韓政治家同士は仲悪いけど俺はリンクして仲良くやってるというメッセージも入ってる。10 年計画ですが、いずれ今週は台湾、
来週はフィリピン、そして明日は韓国からゲスト呼んでる!という感じでアジアでもっと回していけるように現在土台を作ってる最 中だ! 2023 年の韓国はそういう意味ではかなり大きかった!
来年は台湾なのでまた更に加速する。アジアの架け橋になるため今後のアジアのダンスホールシーンのために動き続けます。今アジ アの動きがめちゃくちゃ熱い!
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REGGAE SUMFEST WORLD EVENT REPORT
怒涛の3日間 "SUMFEST 2023"レポート Text Photo OKAMAI ( https://www.instagram.com/okamai_ja/)
ジャマイカのモンテゴベイで 7 日間にわたり開催されるレ
ゲエの祭典 "Sumfest" も今年で 30 周年。毎年豪華なレゲエ、 ダンスホールアーティストのラインナップ、そして Mighty Crown のジャマイカで最後のショー、King Jammys レー
ベルのトリビュートショー、Jah works のサウンドクラッ シュ参戦 など盛り沢山な Sumfest でした。
SUMFEST とは今年で 30 回目の世界一のレゲエフェス。モ ンテゴベイにて毎晩パーティーが開催される 1 週間。この
時期は海外からもレゲエファンが集結するため宿泊施設がな くなる。モンテゴベイ付近の渋滞もこの時期はひどい。要す
るにジャマイカ国内中が SUMFEST の話題一色に染まるフェ スなのだ。
月曜から毎晩パーティーがある中、日本のレゲエ好きなら
Sumfest の Youtube live に釘付けになっていたでしょう。
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World Event Report
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日本代表 Jah works サウンドの出たグローバルサウンドク ラッシュが木曜に開催された。
アフリカの Dynamq、ジャマイカの Code red、去年の優
勝者 Bass odyssey、ジャマイカで開催されてたクラッシュ の優勝者 Echo one と強者揃いとの噂のビッグリーグ。
Jah works は誰もがファイナルの Tune fi tune までいけた と思いきや 3 位。
( と、ジャマイカの新聞でも書かれている ) 自身渋い経験がある Sumfest 2 回出場済みの Yard Beat sound の Desem もクレームを出したほどだ。
それくらい審査員が毎年トリッキーで問題なのだ。
ただ、ジャマイカでのビッグサウンドクラッシュは初めて だった Jah works は確実に爪痕を残した。
Valiant の Rasta ダブで会場が大爆発したのが印象的。日本人サポー ターも今まで以上に多く日本の旗が会場中ではためいた。去年の勝 者 Bass odyssey は 4 位。
Dynamq と Code red の戦いで勝者は Dynamq に。
Dynamq はとにかくサウンドクラッシュ界でホットなサウンドだ。 何せアフリカのスーダンの難民キャンプで過ごした経歴もある。
食事も週に 3 回だけ、友達も次々に死んでいくというジャマイカ以 上に過酷な時期をサバイブしたアフリカ人はジャマイカ人の心を グッと掴む。
Mighty Crown のクルーズ後、jah works とジャマイカに駆けつけ た大忙しサウンドのひとつだ。
優勝が決定し、感極まった Dynamq はステージ上で泣き崩れた。 110 万円ほどの今回の賞金をジャマイカのホームレスに寄付すると ステージ上で語った。 Dynamq と Jah works Spice は今年は出ないけど旬な女性陣の姿も。
金曜日はダンスホールナイト。早い時間から JAH VINCI が 数々のヒット曲で会場を沸かせた。
VANESSA BLING
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MOYAN STALK ASHLEY
若手ダンスホールアーティストが数々いる中持ち時間の 15 分をう まく使った ROZE DON
Shane o
会場中からブブセラの音がこだまし、携帯のライトが "Dark room" で上がった JAHVILLANI
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TOPMAN
地元モンテゴベイ出身、昨年 GOVANA が注目の若手と して
SUMFEST ステージに上げた。元々 SUMFEST 会場 近くで駐 車場員としてハスルしてた時代もあって、そこ からの成長 を観客と分かちあったいいステージ。
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VALIANT
3 時過ぎ Valiant の大きい 旗がステージ上ではためき大歓声が 上がる。"North Carolina" で登場
約 30 分のステージの間、彼は数ヶ月という短い間に得た大きな
成功を神に感謝するショーとなった。お金を観客にまくパフォー ムも。バッドワードで退場させられるかヒヤヒヤの場面もあっ たが素晴らしくやり遂げた。
お待ちかねの Mighty Crown
ジャマイカでの最後のショー。20 分。30 年間ジャマイカ音楽を世界中に広めて、引退へと向かう。前から後ろまで今まで立って
なかった観客も立ち上がり、終始惜しみない感謝の意を表した。そこがなんといっても個人的な Sumfest ダンスホールナイトのハ イライトだった。
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終始ヒット曲パレードの Masicka
地元モベイ。銃の不法所持で 2 年間の服役を終え、ステージに戻ってきたことを喜んで いた Tommy Lee のパフォーマンスは、盛り上がりを見せたそうだ。
前の日の興奮がおさまらないまま土曜日のインターナショナルナイト。前日よりも観客は少なかったが濃く、上質な " これぞレゲ エ " が心を鷲掴みにして離さない感覚を体験できた。
LT STICHIE
ADMIRAL BAILEY
PINCHERS
KING JAMMYS WITH CHAKKA DEMUS AND ADMIRAL BAILEY
年がいったアーティストが多いからか、早めの 22:30 ごろから King Jammy トリビュートとして Jammy さんの息子たちが MC、 セレクターで数々の歴史に残る king jammys レーベルからのヒット曲リディムをプレイ。その都度 Lt Stichie、Pinchers、
Admiral bailey、 Chaka demus などが交互に登場して歌っては盛り上げる。とにかくヒット曲があれもこれも山ほどある。長年ジャ マイカの音楽文化を支えてきたキング・ジャミーを称えた素晴らしい時間だった。
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ダイナマイトバディで魅了した Jada Kingdom
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フレディ・マクレガーは、昨年脳卒中で倒れて以来、ジャマイカで
の初パフォーマンスとなる。67 歳のフレディはずっと座っていたが、 その歌声は相変わらず力強く滑らかだ。
「神様に感謝を捧げます ... 神は偉大なお方です」マクレガーは涙を 流す前にこう話し始めた。
「去年病気になったとき、プロモーターが Sumfest をやってみない
かと言ってくれた。みんなのお祈りに感謝します。愛しています!」 と当初はパフォーマンスに不安があったことを明かし、涙したフレ ディに会場全体が「フレディ愛してるわ!」と大きな歓声と拍手を
浴びた。Buju 、Beres、Marcia が以前受賞したレッドストライプか らの音楽界に模範的な貢献をしている人々を称えるために考案した
賞 " リビングレジェンド賞 " も受賞した。この日の感動的ハイライ トはフレディだ。
Chino & di Genius
フレディ家の 1 時間のショー。まずは Chino と久々にジャ マイカにやってきた Genius が盛り上げる。娘の Sheema
もバックコーラスで参加の父親フレディを囲んでの温かい ショーが始まった。
FREDDIE MCGREGOR
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上質レゲエとアルバムからのアフロビート曲をしっかり聞かせ た Morgan heritage
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KABAKA PYRAMID グラミー受賞後ジャマイカのアーティストで 1 番ツアー で
世界を回っている KABAKA のパフォーマンスレベルが ぐん と上がったステージも堪能。今年 SUMFEST で唯一 のゴリ ゴリラスタアーティスト。
この日実質一番盛り上げたのは Romain Virgo で会場中から携 帯ライトがついた。
この日実質一番盛り上げたのは Romain Virgo で会場中か ら携帯ライトがついた。
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Morgan Heritage の Gramps と記念ショット 以前は Lady Saw として知られていたマリオン・ホールは、日曜の
早朝に閉会するゴスペル・セット。彼女は、聖書を手に入れようとス テージに近づいた熱心なサポーターたちに、ほぼ 1、000 冊の聖書を 配った。
「この聖書を読んで、この言葉を学び、豊かに生きてほしい」と元ダ ンスホールの女王は宣言した。
夜から朝まで涙あり笑いありとにかく盛り沢山な Sumfest。 改めてレゲエとジャマイカが好きになる Sumfest。 これだから Sumfest はやめられない。 来年は会場でリンクしましょう。
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Welcome To Jamrock Reggae Cruise 2023
今年で 8 年目。世界一のレゲエクルーズ” Welcome To Jamrock Reggae Cruise 2023” レポート photo & text by OKAMAI (https://www.instagram.com/okamai_ja/) schacia pyne/kabaka & oga /all white with jamaica flag pics by Tizzy Tokyo Damian "Jr. Gong" Marley 主催の今年で 8 年目、47 カ国から参
加の 4375 人が 6 日間を海の上で過ごす世界一のレゲエディズニー ランド "jamrock cruise"、今回も発売して即完売。一度行ったら やみつきになる寝る暇のない最強に楽しいレゲエ、ジャマイカク ルーズ旅行レポート。
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その日の催し物スケジュールをチェックして見逃し
たくないものに印をつけて臨むのがクルーズ旅行中、 いつ寝るか、何を着ていくか考え、準備時間を計算 するのもうまく旅するポイントだ。
今回は女子 2 人部屋でバルコニーもついているので 常に海が見れて、心地よい風も感じれる。二段ベッ ドのある部屋や、ジャグジーのある部屋、予算に応 じて部屋も選べるのもいい。
14 階建ての大型クルーズ船には客室以外に 5 箇所の
レストラン、免税店、カジノに映画館、バスケットボー ルコートにサーフィンのできる波の出るプール、ロッ
ククライミングなどのアミューズメントも盛り沢山。
フードも船内にあるレストランやカフェで自由に何時でも好 きなだけ食べれる。マイアミを出港し、ジャマイカのファル
モス、オーチョリオスに立ち寄って戻るルートなので各港で 観光もできる。
11 階のメインステージでは毎日トップアーティストたちの
豪華ステージショー、食べ物代、様々なアクティビティが全
部タダ、そして 3 階、5 階では朝までパーティーの 5 泊 6 日 のレゲエ三昧クルーズでアーティストにも会えて至れり尽く せりのクルーズは決して値段の高いものではない。
Spragga benz とパチリ
Capleton と
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シャンパンが配られ 5:00 に出港。ハイエナジーでダミア ン船長の挨拶に耳を傾ける。「ジャマイカについたらみん な船から降りてジャマイカを楽しんで!」とのこと。
360 度一面夕日に囲まれた美しい景色に浸る暇もなく、
ビュッフェ会場には jamrock クルーズのケーキも振舞わ
れた。ビュッフェで軽く夕食を済まし 11 階のデッキに行 くと I wayne がパフォームしてた。
そして anthony b が” mr heartless ” コンシャスチューン からスタート。そして最後は "tease her" で mad パート をフルエナジーで楽しんだ。
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ショーの後は 5 階でジャマイカ 1 のサウンド stone love がプレイ。初日から飛ばして遊ぶ人多数。朝日が昇る頃 11 階に戻りラスタマ ンたちのナイヤビンギセッションでリフレッシュ。心地よい朝の始まりの喜びで満ち溢れベッドで撃沈。 2 日目船はジャマイカに向け航海、遅めの朝食を部屋のバルコニーで取り、のんびり過ごす。 360 度海の景色はクルーズ旅行ならではの景色。私が寝てるうちも 7:00 からのカミラ(jah cure の元奥様)のエクササイズクラス、 ヨガクラス、メディテーションクラス、ダンスホールクラスなど大盛況だったらしい。クラスも無料で受けれるのが嬉しい。
昼前からスティーブンマーリーの娘 schacia payne が 11 階でプレイ。
ダンスホールバイブスでステージを沸かす Tifa がワイニーコン テストを観客女子 2 人ステージに上げて開催し盛り上がる。
芸能生活 44 周年、11 歳で歌い始めたという nadine sutherland は” ゲッ トーから来たことを恥ずかしく思わないで” と熱いメッセージ、そして現 役バリバリ歌って踊るパワフルなショーで観客を魅了。
ding dong はダンサーを引き連れ会場を横切り他のフロアに移動してス テージを見下ろす感じで会場全体を巻き込んでバイブス満タン派手なパ フォーム。
サッカーコートに行ってみるとアーティスト対抗サッカー試合がやってい て Kymani Marley や Christopher ellis が大活躍していた。
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"meet & greet " の会場では sean paul と記念写真を取れるので大行列に。スパへ行ってネイルをしてる間も館内でオンエア中のラ ジオでアーティストインタビューやイギリスの BBC ラジオの Seani B のミックスが聞けたりでご機嫌。
ビュッフェ会場もベジタリアンも多いためたくさんの種類のベジフードやグルテンフリーのメニューも多く嬉しい。
夕日が水平線に沈み、夜はドレスコード” オールホワイト”、全員真っ白な光景は圧巻。
stephen marley はグラミーにノミネートされてるアルバム ”
old soul ” からの曲をアコースティックセットで披露。実際私も 何より楽しみにしてたセットリストだ。
ダミアンをステージに呼び” jah army"mission” ” traffic jam” で会場が爆発した。
"Could you beloved" で Kymani marley も登場。夢のような 1 時間半だった。
毎回恒例クルーズでのプロポーズ時間。今年も "yes" の声に会場 から大歓声が上がった。
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66 会場幸せモードのまま pinchers に突入、身軽にステージ上を走 り抜ける。衣装チェンジの後の "bandelero" その後も wayne
wonder の "forever young " や "no letting go" で終始歓声が上 がった。
バンドチェンジ時のサウンドタイムも終始会場のボルテージは上 がったままだ。steelie bashment が カーテル連発で会場大合唱 に。
ショーの後の Pinchers と Damian,Stephen marley
sean paul 1 時間半の豪華ショー。
パワフルなダンサーで会場ヒートアップ。ダミアンとのコ ラボ曲や ding dong との曲など他では絶対見れないレア 曲も歌うのが醍醐味で会場爆発。
stephen marley, sean paul, damian marley
パーティー会場にやってきた Sean Paul もスティーブンマーリー、ダミアン も DJ ブースで盛り上がる。
映画舘では "shottas"" dancehall queen " などもやっていてパーティーに 疲れた人も楽しめる内容だ。
館内を歩いてると可愛くデコレーションしたドアもあって最終日に発表され るドアデコレーションコンテストの結果も待ち遠しくなる。
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yaksta
jahshii
st mary 出身の yaksta が "ambition" で盛り上げたあと、自らゲットーチャンピオンと呼ぶ jahshii がジミークリフの " ハーダーゼ
イカム " で登場。「ラフな人生を過ごしてるけど神様ありがとう」と感謝を告げた。lady G は自分の母親をステージに上げた。
spragga benz "we no like " でバイブス満タンで 登場、
大人気のビーニマン、これぞ大ベテラン次から次へとビッグチュー
を次々披露。bugle もステージに呼びクィック&スパイスな
「ここは海の上だから警察が来てダンスを終了させることもないから
一気に会場のボルテージが上がる 90s ダンスホールカタログ ステージでテンポよく会場完全ロック
ン連発観客の心がっしり掴んで作り上げる一体感が素晴らしかった。 思いっきり歌える」と本人も満足げな 2 時間近いショー。
まだまだ元気な Jamrocker。ここから朝までパーティー続行だ。3 階のラウンジでは jazzy T がプレイ。ダミアンがワイ二ーしてたり と見どころ満載。5 階に行くと ricky trooper が会場を温めてた。stone love そしてジャマイカで一番営業が多い人気セレクター boom boom と本場ジャマイカのトップセレクターたちのストリートダンスに早変わり。酔っ払ってバッドワード使いまくりの
trooper をダミアンがお仕置き部屋に連れてくシーンもあった。あくまでも jamrock クルーズはクリーンなイベントなのだ。朝 5 時 まで続いたストリートダンスは壁を叩いたり盛り上がってブブセラ吹きまくる人も多数でもろ " ジャマイカ” なダンスだった。
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4 日目、船がオーチョリオスにつき観光に出かける人、館内の施設をエンジョイする人などそれぞれの時間を楽しんだ。 3 時からは 11 階のメインステージで Jazzy T などのセレクターが熱くさせた。水着で踊る人も沢山。
夜になりステージショーの時間が始まる。早い時間から Shine head が盛り上げた。そして metro media サウンドの sky juice の腹 踊りで会場爆発。本日のドレスコードは” レペゼン自分の国” なので国旗や民族衣装を取り入れた人で会場は賑やかさが増してる。
日本ツアーを終えたばかりの stone love の Geefus は自ら日本の国旗を Dj ブースでも振りまくる。実際今年は日本人は 4 人しか乗っ ていない最少な状況。
強風の中お待ちかねのファイヤーマン Capleton が "the day will come" で登場。一気に異次元に飛ばされる感覚。"jah jah city" な どコンシャスチューンから始まり「喜びと幸せを周りの人に与え続けよう!自分を信じて生きていこう!バッドマインドはいらな い!」とポジティブメッセージ連発で今回一番の会場の盛り上がりを見せた。
サウンドクラッシュ会場がオープンしたため busy signal のステージは諦めて場所取りに移動。
とにかく最初から最後まで日本代表 Jah work サウンドが圧勝。忍者スーツに空手チョップ、sumfest でもぶち上げた valiantj の japan
ese rasta ダブ、tarrus riley 当日ダブ、ココティそしてみんな心に響いた stephen marley 当日用 "old soul" ダブで優勝トロフィーを手 にした。来年もディフェンディングチャンピオンとしてクラッシュに出場決定したので日本の皆様は是非ともクルーズに応援に駆けつけ ていただきたい。
一夜で一気に有名人になった jah works 。どこにいてもファンに囲まれ 写真とサインを求められ身動きできない状況に。
興奮の冷めないままイヤビンギセッションの早朝セッションで心を落ち 着かせるのを試みた。
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最終日ディナーを日本人組 3 人で食べに行く。コース料理を 食べれる素敵なレストランで、美味しかったシュリンプカク テルを何回かおかわりし堪能。
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Stephen Marley に優勝報告を兼ねて部屋を訪ねた。Stephen も大喜び。
バックステージにやってくるとラスタの長老ムタバルカ氏にも写真を
撮ってくれと言われ光栄なことだった。BET やジャマイカの有名番組
"On stage" などのインタビューもこなしてる大忙しな Jah works だっ た。とにかく大人気っぷりがすごい。
Kumer のアコースティックライブの後 Third world の上質なレゲエグ ルーブに会場が巻き込まれディスコタイムからオペラのショーまで音
の旅行を堪能。子供が "96 degree" を歌って拍手喝采なのも良かった。
グラミー受賞者の Kabaka Pyramid のステージも以前よりワンランクレベルがあがり今年一番海外ツアーに出ていたアーティストと
しての風格が備えていた。 ” Reggae Music” を歌う前に「昨日のクラッシュで僕のダブもかけてくれた。このビデオにはオガも出てる んだ!」と Jah works をステージに呼び Jah works ダブバージョンを歌い歓声が上がった。あの日本ツアーを主催した自分を誇りに 思いつつ、いろんな思いがよぎってたまらないひとときだった。Jamere Morgan を呼んで "Greatfull"、Tifa との "Rasta Man" そし て "Red Gold and Green" でダミアンをステージに呼び "Kontraband" までも披露の最強なショーだった。
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最後のステージを飾るのは Kymani Marley。"Get High"3 回 pull up "Rasta Love" で女子のハートをがっちり掴み何度も大合唱。
スペシャルゲストで Christopher Ellis もステージに呼び抜群の歌唱力に絶賛の声。 最後に会場全員で "One Love" を歌い幕が降りた。
5 階の Stone Love のダンスに行くと Kabaka や Damian、Spragga, Christopher Ellis がラバダブをしてた。ダンスが終わる頃には地平線には大陸が見えていた。
夢のような 6 日間を過ごした船から降りたくない気持ちと、沢山の思い出を持って 各自家路に着くのでした。
毎回期待を裏切らない Jamrock Cruise、来年のクルーズももうすぐ売り切れなの
で早く購入するのをお勧めします。来年のサウンドクラッシュは Jah works がチャ
ンピオンの座をかけて対戦。日本からも応援に駆けつけてくれるサポーター募集中。 世界一のレゲエクルーズ、体験してみるのお勧めします。 https://welcometojamrockreggaecruise.com/
OKAMAI
ジャマイカ在住 16 年目
ライター、コーディネーター、ツアーガイド、プ ロモーター、ダブ屋、トラベラー。
著書 " 危ない世界の歩き方”” まずは行動する人が with Damian Marley 船長
うまく行く”
World Event Report
WORLD BASH - MIGHTY CROWN FIERY SEND WORLD EVENT REPORT
OFF AMAZURA Queens NY / November 24th 2023
2023 年でのサウンドとしての活動休止に向けてカウントダウンに
入っていた MIGHTY CROWN に『WORLD CLASH』のプロモーターと
して知られ、長く MIGHTY CROWN の海外マネージメントも務めてき た IRISH & CHIN がその最後のニューヨーク公演として企画した『W
ORLD BASH』は〈完璧〉だった。そのサブ・タイトル「FIERY SEND OFF=燃えるような送り出し」の通りに MIGHTY CROWN だけではな く全てのサウンド・ファンにとって最高に熱くさせる舞台が整えられ ていた。
出演は MIGHTY CROWN、DAVID RODIGAN、METRO MEDIA、KIL
LAMANJARO、BASS ODYSSEY、BODYGUARD、LP INTERNATIONA
L、SOUL SUPREME、TONY MATTERHORN、DYNAMQ。全てこれま
でのサウンドとサウンド・クラッシュの歴史に名を刻むトップ・サウ ンド、トップ・リーグに属する現役のスター・サウンドだけに限定。 会場は AMAZURA。BILTMORE BALLROOM 無き後のニューヨークの
サウンド・クラッシュの聖地として、00 年代以降に何回も「WORLD CLASH」が開催されてきたクイーンズの大箱。
ニューヨークを「第二の故郷」と呼び、彼の地で修行を重ね、99年
のブルックリンでの『WORLD CLASH』優勝で世界への扉をこじ開け、 世界のトップ・リーグの一員として現在まで活躍し続けてきた
MIGHTY CROWN にとってはその最後に相応しい最高に強力で最高に ハードコアな大舞台が用意されていた。
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World Event Report 11 月 24 日。ニューヨークを思えば早い時間から AMAZURA
は観客で埋まっていた。ニューヨークらしく静かに構えた様子
で開始を待っていた。そこで再会した現地の仲間は 「BASH であっ て CLASH ではないのはわかっている。でも、集まっているサウ
ンドを考えればわかるだろう。客が期待するのは WAR (サウンド・ クラッシュ)だ。そんな『MIGHTY CROWN ありがとう』なんか
じゃない、 ココはニューヨークだぜ !!」 と尋常ではないスピーカー からの爆音に負けない声で耳元で怒鳴った。何かが起こる期待
と緊張感、CLASH の際の独特な雰囲気が会場内に充満していた。
72 その緊張感を維持させたのは各サウンドのプレーだった。次々
と登場した各サウンドはそれぞれにイヴェントの趣旨に合わせて MIGHTY CROWN に向けてリスペクトを送った。しかし、それは
簡素にドライで、その視線は MIGHTY CROWN よりも客席を向い ていた。MIGHTY CROWN よりも他のどのサウンドよりも大きな
インパクトをフォワードを獲得すべくその経験と知識に裏付けら れた最上級のプレーで硬いニューヨークの観客を沸かすことに集 中していた。どのサウンドも目の前の観客だけではなく、後ろに
立ち並ぶサウンドを意識していた。 「BASH であって CLASH では ない」ことは各サウンドも理解していたが、まるで CLASH に挑
むような強力なエナジーを放ちながらプレーをした。それが翌朝 までの長い夜をヌルさのカケラもない緊張感を維持させ続けた。
「オールスター」と呼ぶのに相応しいトップ・サウンドだけによ
る最高品質のサウンド・イヴェントにしてみせた。各サウンドは そのアンセムだけではなく、それぞれのスタイルとオリジナリ
ティを限られた時間の中で存分に見せつけた。まさに「BASH= 祝祭」 、それはサウンドの伝統と文化、美学と可能性が凝縮され た一夜となった。
最初に登場したのは
MIGHTY CROWN。この夜
に MASTA SIMON、SAMI-
T、NINJA の三人で出演し
た MIGHTY CROWN は当日 の主役として最初と最後の トリとしてプレー、さらに 出演するサウンドを紹介す
一言のバッド・ワードを用いることなく時代を横断したダブで
る MC も務めるイヴェント
客席をロックした DAVID RODIGAN、誰よりも豪華なフォーマル・
っていた。それが「BASH
JUICE(METRO MEDIA)の十八番芸、亡き SQUNINGY からの熱
のホストとしての役割も担 であって CLASH ではない」 ことも伝えていたが、客席 の緊張感が溶けることはな かった。
スーツ姿で登場しつつも「お約束」通りに上半身裸になった SKY さをそのままに継承する BASS ODESSEY、RICKY TOOPER 在籍
時代に録られたダブを受け継ぐ KILLAMANJARO、現在に最も精
力的にサウンド・クラッシュに参加している DYAMIQ から伝わる 時代感と、それぞれの個性と魅力に唸らされた中で、個人的に強
く印象に残ったのは共に BODYGUARD と LP INTERNATIONAL。 そのソリッドなまでに無駄のない MC と選曲で徐々に、しかし確
実に熱くさせてみせるスキルと凄みにはそれぞれの長い歴史と経 験が見事に表れていた。
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特に LP INTERNATIONAL のニューヨークのサウンドらしいクー ルネス、その中心人物の PUMA の凜とした佇まいには圧倒的に 惹かれるものがあった。
この夜の主役の MIGHTY CROWN は 「MIGHTY CROWN」だった。
客はその深過ぎるダブ・ボックスからの幾多ものアンセム、 「W 客席からの空気を受け止めて「見たいのは WAR だろ !!」とイ
ヴェントの流れをブッ壊そうとしたのは TONY MATTERHORN。 SOUL SUPREME に仕掛けて瞬時に自爆するという展開は本人も
想定外だったとは思うが、客目線に立って即座にアクションを起 こすサウンド・マンとしての姿勢と、その後も常にパソコンを手 に出番を伺っていた様子にはその世界で生きてきた強者ならでは のメンタリティが表れていた。
イヴェントの中盤には PANTHER が登場した。BLACK KAT の
看板 MC としてこれまで『WORLD CLASH』他、8 度の世界タイ
トルを獲得してきた猛者は特別に招かれていた。車椅子に乗って
ステージに現れた PANTHER にはこれまでの戦績と功績を讃えて 王冠が授けられた。観客だけではなく、MIGHTY CROWN をはじ
めとする全てのサウンドがそれを祝した。そこには戦い合ってき た者同士にしかわかりえない関係や連帯が見て取れた。ハードな 戦いの中で互いを高め合ってきたリスペクトが表れていた。
ORLD CLASH」等での戦いにトドメを刺した過去の強力なダブ、
「最後」に相応しく MIGHTY CROWN の代名詞とされる過去の名
ダブの連続を想像していたかもしれないが、この夜も、この最後 の夜でも MIGHTY CROWN は変わることはなかった。 「過去では なく現在」とばかりに、新たに用意された CHAM & BOUNTY KI LLER、LILA IKE など最新曲のダブを目玉として披露するなど、 最後まで現役のサウンドであり続けた。
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74 この夜に一番長くステージに登場していたのは SAMI-T だっ
た。SAMI-T はその最後の曲として、JIMMY CLIFFの「You Can Get It If You Really Want」のダブをプレーした。 「本当に望む のならそれは叶う」 。それは 91 年に結成されてから 32 年経っ
た現在に MIGHTY CROWN が世界の頂点に上り詰めていること、 当時に憧れた全てのトップ・サウンドからリスペクトを受ける 存在になっていること、その軌跡と事実を自ら確認するためだ けではなく、その奇跡を実現させた者として観客にメッセージ とエールとなっていた。
それを受けて登場した MASTA SIMON はJIMMY CLIFFの「M
any Rivers To Closs」のダブを最後にプレーした。「幾つもの そのMIGHTY CROWN のプレーを中断させたのは WYCLEF JEA
N だった。MIGHTY CROWN ともダブを録り、自身でもサウンド を運営する WYCLEF は THE FUGEES の再結成ツアー先からMIG HTY CROWN のためだけに急遽駆けつけた。ステージに立った
WYCLEF は MIGHTY CROWN にリスペクトを伝えるだけではな
く、自らギターを手に、そのまま生でダブを披露するサプライズ
河を越えて」 。これも MIGHTY CROWN がこれまでに決して諦
めることなく世界の頂点を目指して挑戦し続けてきた軌跡にシ ンクロした内容とメッセージとなったが、そのエモーショナル
な曲調がこの夜の最後を、そして MIGHTY CROWN の最後であ ることを静かに伝えるエンドロールにもなっていた。
一夜を通じて「よくこの世界の頂点に立ったもんだ」 「そも
を MIGHTY CROWN への餞別のギフトとした。このセレブリティ
そもこの世界でやろうと思ったコトが凄い」と再確認し続けて
くの重要な関係者がこの夜には集まっていた。SHINEHEAD をは
ゆえ圧力を爆音と共に受け止めながら、MIGHTY CROWN がそ
の登場は大きなハイライトとなったが、会場にはそれ以外にも多 じめとするアーティスト達、BOBBY KONDERS 他ニューヨーク
のレゲエ&サウンド関係者、ロンドンからも BBC 1XTRA のSER ANI B、そしてヒップホップのレジェンド DJ の STREACH ARM
いた。その本物のトップ・サウンドならでの凄みと本場の観客 の中心に当然のこととして立っている現実に改めて衝撃を受け ていた。
ただ、この夜の MIGHTY CROWN のプレーは決して「全開」
STRONG は「妻とオペラ鑑賞を終えてから飛ばしてやって来た。
「絶好調」とは言えなかった。常にホストとしてステージやブ
だろう ??、これは『ヒストリー』だ」と話してくれたが、それ
つものペースを掴み辛かった部分はあったとは想像した。イヴ
だから俺だけこんな格好なんだ(笑) 。でも、来ないわけがない 以外にもステージ裏に並んだ多くの関係者達が「ヒストリー(
歴史的な出来事)」と口にし、その現場に居る幸運に興奮していた。 全てのサウンドが登場した後には各サウンドによる TUNE FI
TUNE が行われた。決して CLASH ではなく、BASH として各サ
ウンドごとに最後に一曲ずつプレーしよう、といった展開だった。 そして、それを終えると SAMI-T は SOUL SUPREME を呼び込ん だ。公演の前から SNS で MIGHTY CROWN に仕掛けることを示 唆していた SOUL SUPREME を相手に TUNE FI TUNE を、エキ
ジビジョン・マッチ的な CLASH を開始して、勝敗を付けずとも その果てしなく深い MIGHTY CROWN のダブ・ボックスの一端
ースに立ち続けていたり、普段とは違う役割や出番も多さにい ェント終了と同時に MASTA SIMON が開口一発「やっちゃった ~、って感じだね!
いやぁ~、こんだけハマらなかったのも
久々、何年振りだろうってぐらいだよ。でも、こんな終わり方 も俺らっぽくて良いんじゃない?」と爆笑していたり、SAMIT も「うーん、T シャツ脱いで網シャツになったところとかも
そんなに受けなかったなぁ」と自虐的に笑っていたことからも 本人達もそれは感じている様子だった。それに「このままでは
終われないでしょ」と言うと、二人はまだ笑っていた。ただ笑っ ていた。二人はその笑顔のままにこの特別な夜を終わらせた。 二人はその笑顔のままにこの特別な夜を終わらせた。
を客に披露した。
Text by : Koji Yawata / 24x7 RECORDS Photo by : Ryuichi Oshiro