PORTFOLIO Architectural work 2015-19
Rin NISHIYAMA
CONTENTS
PROFILE Rin NISHIYAMA
WORKS 卒業設計
望郷の半島
- 八幡浜市保内町における葬祭場
M1 課題「付かず離れずの建築」
応答しない建築
建築と敷地の付かず離れずの関係
POLUS 学生・建築デザインコンペティション
滲みゆく縁
- 屋根越しの淡い付き合い
B4ゼミ課題「京都市中央電話局上分局のコンヴァージョン」
PORTAL
KIT× 清水建設コンペティション「奈良でくつろぐ」
光降る静寂
-
-
-
PROFILE
EXPERIENCE
Rin NISHIYAMA
2019 Internship
西山 琳
藤本寿徳 建 築 設 計 事 務 所
Kyoto Institute of Technology KAKUDA Lab. 京都工芸繊維大学大学院 角田研究室所属 MAIL:rin.n.architecture@gmail.com
設計補助・模型製作・コンクリート打設工事・竣工写真撮影補助 2017 Open desk
Termin al 01 模型製作
HISTORY
2015- Extracurricular activities
20192015-2018
京都工芸繊維大学大学院建築学専攻
京都工芸繊維大学デザイン建築学課程
2012-2015 2009-2012 1996
加子母木 匠 塾
木造伝統工法を学ぶサマースクール。学生によって設計から施工まで 行われる。2019 年度も夏に開校。現在東屋の設計を行っている。
愛媛県立松山東高等学校 愛媛大学教育学部付属中学校 愛媛県松山市にて誕生
AWARDS B3
KIT× 清水建設 産学共同フォーラム学内コンペティション
EDUCATION 2019-
京 都工 芸 繊 維 大学大学院工芸科学研究科建築学専攻 角田研究室:建築設計学系研究室 2015-2018
京 都 工 芸 繊 維 大 学工芸科学部デザイン・建築学課程 田原 ・笠原研究室(B3 後期~ B4): 建築史系保存再生学研究室
一次審査通過 B4
POLUS 学生・建築デザインコンペティション
卒業設計
実物権化検討作品 学内優秀賞
M1
Atelier FTK Open Jury 2019 2位
Diploma Project 2019
01
望郷の半島 八幡浜市保内町における葬祭場 卒業設計 優秀賞 2018 B4 後期
非 日 常 的 な 「 死 」 の た め の 空 間 で あ り、忌避の対象である葬 祭 場 は 町 の 文 脈 か ら 追 い 出 さ れ た 。 しかし、あまりに「死= 穢 れ 」 と し て 遠 ざ け た 結 果 、 「 死 」 は故人の「生」から切り 離 さ れ 、 葬 祭 場 は 生 者 か ら 死 者 へ の 一方的な別れを告げる場 になってしまった。
死 者 は 物 を 言 わ ない。
し か し 魂が 存 在 す る な ら ば 、 肉 体 が 滅び天へ上るとき眼下の 風 景 を 見て い る だ ろ う 。 私 は 、 そ こ に広がる風景が見知らぬ 土 地 で あ る こ と に 違 和 感を感じる。
こ の 計 画 で は 町 と 正 対 す る 半 島 に葬祭場を設計する。
死 者 の 魂 が 昇 る と き 、 愛 し た 街 を 見 つめていられるように。 長 年 暮 ら し た 家 や 世 話 に な っ た 仕 事 場、足しげく通ったお店 に 別 れ を 告 げ ら れ る よ うに。
そ し て 会 葬 者 は そ の 風 景 に 思 い を は せるだろう。その時、建 築 は 彼 ら に ど れ だ け 寄 り 添 えるだろうか。
光 、 影 、 切 り と っ た 景 色 。 そ れ ら で 構成された空間を長く回 遊 す る よ う に つ な ぐ 。 そ の 長 い 時 間 の中で、悲しみを癒すこ と が で き れ ば と 願う。
数 々 の 記 憶 を 、 故 人 の 望 郷 の思いに重ねて。
1.敷地 今回設計にあたって想定する敷地八幡浜市保内町川之石。 リアス式海岸の佐田岬半島の付け根に位置するこの町は、 山と海に挟まれ、湾は二つの半島に囲まれており、波が穏 やかでまるでここだけ世界と切り離されたような空気が漂 う港町である。 敷地として想定する松が鼻はちょうど保内町川之石と正対 する関係にある半島であり、現在はみかん山となっている。 町と直線距離で約 750m の敷地は非常に景色が良く、パノ ラマ的に街が見渡せる場所である。ここからは町のどこも かしこもを見ることができ、町のどこからでもここを見る ことができる。
2.コンテクスト この町は、保内町となってから西宇和郡という地域の一部 として歴史を刻んできた。しかし2005年、県の合併推 進や、八幡浜市の人口減少などを背景に、八幡浜市と合併し、 西宇和郡保内町という名前は消滅する。そのため、八幡浜 市に属しながらも、山を隔てたこの町は市とは少しの距離 感がある。 保内町には斎場がひとつあるが、ありふれたチェーン展開 のセレモニーホールであり、土着性は薄い。また、火葬場 やその他斎場は山を越えた旧来の八幡浜地域にありこの町 に根付いた葬祭場がない。急激に高齢化が進むなか、この 町の人々を見送るにふさわしい葬祭場の整備を提案する。
町への視線
海 外 の へ 線 視
Š UP
Š
Š
UP
Â
UP
UP
Š UP
 †
Â
RECEPTION & HALLWAY
エントランスに入ると光庭を持つホール空間が出 迎える。角度のついた受 付に促されるように進む と、光庭に振り分けられるように式場への通路と 火葬場への通路が分岐する。 お通夜、葬式から利用する場合は左手の通路に 進む。通路は地中に埋まり、両サイドに開けられ たトップライトからの光が角度のついた壁 面を伝 って落ちてくる。 式場へ 向かうときは保内町の伝統的な青石によ る壁面が、帰りは玉石と水の光庭が視線の先に 切りとられ 、参列者を誘導する。南北方向に長い この通路 内の光は時間によってその降り方や色 を変化させ、式場へ 向かうと興人帰るときとでは 同じ通路でありながら全く違う装いを見 せる。 通路は約35mの長さを持ち、開口をトップライト に限定することで、俗世から切り離された空間と なり、葬式という儀式空間へ 進む参列者の心情 や気持ちを落ち着かせ、整理させるような、静かな 参道的な役割を果たす。
FUNERAL HALL & ANTEROOM
長く、仄 暗い通 路を抜けると、式 場の前 室にたどりつく。 通 路を経て徐々に俗 世 間から切り離され 、見 送りの心 持 ちになっていく参 拝 者を出 迎えるのは、光と水の空 間 。 降り落ちた光は青 石を積んだ式 場の壁 面にぶつかり、 そ の陰 影を濃く映し出す。 その光は水 盤に零れ 落ちて、揺ら めく光と影が空 間を漂う。 たどり着いた人々は、言 葉を収め、 これからの儀 式に向け て落ち着いた気 持になるだろう。 式を終えて出てきた人々は、 この空 間に慰められ 、故 人を 思い偲ぶだろう。 式 場の扉を開けると、今 度は柔らかな光に出 迎えられる。 ハイサイドライトから柔らかな光が零れ 落ち、温かく空 間 を満たす。中 心に走るスリットからは、象 徴 的な光が差し 込み、空 間を演 出する。 傾いた壁は祭 壇に視 線を集め、 その先の開 口からは、町 と湾が少しばかり見える。 人々は個 人の魂の安 寧を祈りながら、 この町を生きた故 人の生 前の姿に思いを馳 せるだろう。
FUNERAL HALL & ANTEROOM
町を眺める明るい外部通路を歩き、ポーチから火葬棟に 入る。告 別前室の高い天井には梁が連続し、その間のハ イサイドライトからの光によって濃淡の強い象徴的な空間 となる。 そこから告別室に入ると一転して低く抑えられたプライベ ートな空間となる。安置台は深いトップライトからの光で照 らされ 、茶漆喰の多孔質な壁面が柔らかく光を反射して、 温かみのある空間を作り出す。ここでは近親者が死者と 最後の別れを告げる。 告別室での最後の別れの後、炉前ホールへ 移動する。二 層分の高い天井に、湾曲してくる炉室の壁が中庭側の壁 にぶつからずに止まり、スリット状に光を取り入れる。通路 出口の頭上に開けられた大きな開口が光を取り入れて間 接照明のようにホールを照らす。 中庭側の壁面には縦スリットの窓が開けられ 、閉鎖性の 強い空間にも外部とのつながりを持たせる。 このホールを最後に棺は炉へと運ばれ 、火葬される。その 瞬間を見届ける空間は柔らかな光で満ちている。
WAITING & ENSHRINEMENT ROOM
火葬の終わりを告げられるまでのあいだ、会葬者たちは 外海を望む待合室で歓談する。ふるまわれた食事を口に しながら、故人の思い出 話に花を咲かせる。この場所では 笑い声も増え、少しばかり日常空 間に帰ってきたようにも 感じるだろう。 空間的にもガラスを多用し、全体的に暗い儀礼空間との 対比を強調した。外海やテラスから見える町を見て、同じ 風景を見ているであろう故人の魂に思いをはせて、火葬 の終わりを待つ。 肉体の名残である骨を、一人ひとり拾い、納めていく。奥 の壁が半円を描くことで光と意識が収骨台に集まる。 拾う人と待っている人のいる場所では天井高が切り替え
られ 、心情の変化を受け止める。 全体的にこじんまりとした私的な空間は、見送った故人へ の感情に寄り添い、収骨を終えて部屋を出ると、ガラス張 りの向こうに静かな中庭と空を見ることができる
会葬者は空を見上げ、心のうちにお別れの言葉を浮かべ るだろう。
02
応答しない建築 建築と敷地の付かず離れずの関係
選択課題:武井誠出題「つかず離れずの建築」 Atelier FTK Open Jury 2019 二位 2019 M1 前期 課 題 テ ー マ : 敷 地 を 考 慮 せ ず に 、 建 築における『付かず離れ ず の 関 係 』 を 各 自 定 義 し 、 設 計 せ よ 。そしてその建築が良く な る 敷 地 を 後 か ら 選 定せよ----
建 築 は 必 ず 敷 地 を 与 えられる。
そ の 設 計 の 過 程 で 敷 地 の 要 素 や 周 辺 環境への応答を組み込む こ と で 、 建 築 は 敷 地 と の 結 び つきを強められる。
で は 、 建 築 が そ の 成 り 立 つ 過 程 で 敷 地への応答を全く排除さ れ た 時 、 そ の 建 築 と 敷 地 の 関 係 は ど のように成り立っていく のだろうか。
建 築 が 完 全 に 自 律 し た と き 、 敷 地 に リアクティブな建築とは 違 う 魅 力 を 獲 得 で き な いだろうか。
今 回 は 敷 地 に 応 答 し な い 建 築 を 作 る ためのルールを自ら設定 し 、 そ れ に 則 っ て 設 計 す る 。 禁 欲 的 なプロセスを踏んだ建築 が 、 自 由 に 設 計 し た 時 と は 違 う 豊 か さを持ち、その自律性が い つ か 普 遍 性 に 変 わ っ て い く よ うな建築を目指した。
同 時 に 、 プ ロ セ ス の 構 築 で 終 わ ら な いよう、豊かな建築空間 を 求 め る 。 集 合 住 宅 と い う プ ロ グ ラ ムが与えられたこの建築 は 、 あく ま で 単 純 な 操 作 に よ っ て 多様な空間を獲得した。 そ し て そ の 内 部 空 間 に 敷 地 は ど の ように関係するのか。 あ る い は 建 築 は ど の よ う に 敷 地に影響するのか。
そ の 関 係 を 「 つ か ず 離 れ ず 」 で あ る と定義し、建築がある特 定 の 敷 地 に お か れ て 敷 地 へ の 「 応 答 」を始めた時、そしてそ の 行 く 末 を 考 察 する。
Process 1 -CONDITIONSここでは「応答しない建築」を ・どのような敷地、どのような置き方でも成立する建築 ・周辺の変化によって機能を失わない、あるい柔軟に 対応できる建築 ・具体的なモチーフが想起されない建築 と定義づける。そしてそれを成立させる建築要素の条件を導き出し、それを満たすように具体的な設計を行うことで、標榜 する「応答しない建築」へ の到達を試みる。
方 向に対 するヒエラルキー を排 除した空間構成である こと。
点 対 称 形ですべての面に同 じ性 質の空 間 、 立 面が現れ ること。
外観は抽象的で、具体的な モチーフを持たないこと。
室は均 質なグリッドで構 成 し、 機 能を制 限しないこと。
すべての立面に同じ論理で 開口を開けること。
Process 2 -PROGRAMプログラムとして、近所付き合いや 家族間の関係が変化してきた社会に適応 する新しい集合住宅の在り方を考える。 コミュニケーションツールの発達や通販などによる生活水準の上昇は、人間同士の助け合いの機会を減らし、井戸端会議のような付き合いは減少した。 世帯内でも個人の領域が肥大化し、家族間プライバシーの在り方が変わった。 そこで、家族という枠組みを少しだけ薄くし、八世帯「個人」が独立性を持ちつつ、生活動線の中で関係しあい、世帯を超えた一つの大きなまとまりが生まれる集合住宅を 提案する。八世帯の住人が建築によって関係性を変化させ、徐々にお互いのつながりを強めながら一つの家族のようなまとまりとして集まって暮らす。
従来
現在
提案
Process 3 -COMPOSITION-
1 . 原型となる正方 形
2. 四 棟に分 割
3 . 入れ 子 状にし、 動 線となる中 間 領 域を 生む
4 . 室を 3×3 のグリッ ドに分 割 する
5. 性質の異なる庭を 各図形の中心にとる
図形的な操作によって導か れた平面構成は敷地条件などが排除された単純な幾何学のみで構成される。 この平面構成を原型として、前述の集合住宅のコンセプトを手掛かりに立体化していく。 リジッドなグリッドで構成された室の関係を断面的な操作によって複雑にし、豊かな関係性を生み出 す。
6. 各棟が絡まるように プランとして整える
P r o c e s s 4 - C O N S T R U C T-
平面を立体化し、建築として成立させていく。リジッドにグリッド分けされた室をレベル 差をつけながら二層(場所によっては三層)積み重ねる。 その室の世帯割は単純に積み重ねるのではなく、色分けで示 すように常に複数の世帯が絡まるように、世帯によっては棟をまたぐように構成していく。 それ により室を取り巻く動線は複雑に重層 する。 体を何度も反転させ、方向感覚が失われていくような奥深い空間の中で、様々な人間関係が生まれる。 単純に開けられた開口は中間領域のレベル 差によって捉えられる高さが変化し、場所によってさまざまに景色をフレーミング することで、その空間を特徴づける。
UP
UP
それぞれ 特徴の違う三種類の庭は、住民によって手入れされ 、それぞれ 違う個性を持つ 。そうして単純で均質な構成の建築は、とても豊かな体験を生む。
UP
UP UP
UP
UP
UP
UP
UP
UP
UP
UP
UP
UP
UP
UP
UP
UP
UP
UP
UP UP
UP
UP
UP
UP
UP
1F P LAN S=1 : 4 0 0
2F PLA N S= 1:400
3F PL AN S = 1:400
屋根スラブ
3F
2F
1 F& 外 壁
UP
1,350
A B
3,600 UP
UP
C UP
3,600
11,800 D
UP
3,600 UP
UP
1,350
E
UP
F 3,600
UP
UP
1,350
G
H
UP
30,600
1F PLAN S=1:200
UP
3,600
I
3,600
11,800
UP
J UP
UP
3,600
UP
1,350
K
3,600
3,600
L
3,600
3,600
1,350
3,600
11,800
3,600 1,350
3,600
1,350
11,800
1,350
30,600 A
B
C
D
E
F
G
H
I
J
K
L
B-Bʼ SECTION S=1:200
最高高さ
3FL
2FL
1FL GL
3,600
3,600
1,350
3,600
11,800
3,600 1,350
3,600
3,600
1,350
3,600
11,800
1,350
30,600 A
B
C
D
E
F
G
H
I
J
K
L
UP
1,350
A B
3,600
C UP
UP
3,600
11,800 D
UP
3,600 UP
1,350
E
UP
F 3,600
UP
1,350
G H
UP
30,600
2F PLAN S=1:200
UP
3,600
I 3,600
UP
3,600
11,800
UP
J
UP
1,350
K
L 3,600
3,600
1,350
3,600
11,800
3,600 1,350
3,600
3,600
1,350
3,600
11,800
1,350
30,600 A
B
C
D
E
F
G
H
I
J
K
L
D-Dʼ SECTION S=1:200
最高高さ
3FL
2FL
1FL GL
3,600
3,600
1,350
3,600
11,800
3,600 1,350
3,600
3,600
1,350
3,600
11,800
1,350
30,600 A
B
C
D
E
F
G
H
I
J
K
L
1,350
A B
3,600
C 3,600
11,800 D
3,600 1,350
E F
3,600
30,600
3F PLAN S=1:200
1,350
G H
3,600
I
3,600 3,600
11,800
J
1,350
K
L 3,600
3,600
1,350
3,600
11,800
3,600 1,350
3,600
3,600
1,350
3,600
11,800
1,350
30,600 A
B
C
D
E
F
G
H
I
J
K
L
E-EʼSECTION S=1:200
最高高さ
3FL
2FL
1FL GL
3,600
3,600
1,350
3,600
11,800
3,600 1,350
3,600
3,600
1,350
3,600
11,800
1,350
30,600 A
B
C
D
E
F
G
H
I
J
K
L
UNIVERSALITY 建築が自律 するとき、配置される敷地によってどのようにあり方を変えるだろうか 。そして実 際に敷地に置か れ 歴史を刻んでいくとき、20 年、30 年後のふるまい方はどうなっているだ ろうか 。敷地周辺のの緩やかな変化、あるいは災害などによる急激な変化に直面した時に 建築はどう対応していくのだろうか 。
応 答 する建 築
応 答しない建 築
当 初 配 慮していた与 件がなくなった時 、
単 体で成 立 する造 形は、 徐々に
建 築としての魅 力を失う。
当 初のプログラムに応えすぎた結 果 、 転 用が 難しく取り壊される
景 色の一 部として認 識されるようになる。
均 質な室は転 用しや すく、その独 立 性から 複 数のプログラムも同 時に許 容 する。
全く同じオブジェクトだとしても、敷地に「建てる」ことで、それぞれ が全く違う性質を獲得 し、長い時間をかけてその敷地特有の歴史を刻み、転用されたりリノベーションされなが ら全く別の建築としてふるまっていくだろう。 この自律的な建築は敷地と付か ず 離れ ずの関係で佇み、い ずれ 普遍性を獲得 する。
A 5 6 7 8
B
4
2 2
1,350 3,600 11,800
3,600
C D E 1,350
F
1
1
2FL
3
3FL
最高高さ RFL 4
9
1FL
GL
3,600 3,600 1
30,600 G
1. F lo o r スタイロフォーム t= 25上モルタル 金ゴテ抑え 2. F lo o r コンクリート打ち放し仕上 げ 3. Wa ll コンクリート打ち放し仕上 げ
4. Wa ll コンクリート打ち放し防水塗装仕上 げ 5. コンクリート耐力壁 t=15 0 7. 合板 パネル t=12
6. スタイロフォーム t=25 8. コンクリート打ち放し防水塗装仕上 げ t= 63 9. C e ilin g コンクリート打ち放し仕上 げ
10. Ro o f スタイロフォーム t= 25上モルタル 防水塗装
3,600
3,600
1,350
3,600
11,800
H
I
1,350
J
K
C-Cʼ SECTION S = 1 :1 0 0 L
03
滲みゆく縁 屋根越しの淡い付き合い POLUS 学生・建築デザ イ ン コ ン ペ テ ィ シ ョ ン 実物権化プロジェ ク ト 候 補 案
2018 B3 後期
通販やコンビニで買い物は便利になり、遠くの友 人とも SNS でつながる。他人との現実世界での関 わり合いが大きく減った現代社会。 「向こう三軒両隣」の概念は風化し、大きく変化し た道と家族、ご近所の関係。家族やご近所との関 わり方が変化する中で、今我々にとって適度な距 離感はどんなものだろうか。 濃密な関係はちょっと億劫だが、全く得体のしれ ない隣人というのも少し怖い。 その存在を認知 でき、たまに顔を見ればあいさつする。知りすぎ ず、知られすぎない。それくらいの付き合いが心 地良い。 そんな距離感を生むために屋根を地面に伸ばす。 道は歩行者のための幅の「小径」になり、「小径」 と個室の間に「軒下」ができる。屋根を半透明にし、 ところどころ穴をあけることで、音や光が漏れ出 て、うっすらと人の気配を感じることができる。 夜は時間とともに変化する曖昧なファサードが「小 径」を彩る。
Down
玄関
収納
土間
リビング
個室 UP
ホール
トイレ
脱衣 洗面所
洗濯機
ベランダ 個室
ダイニング
個室
収納
キッチン
風呂場
最高高さ
2FL
1FL GL
BEFORE
04
PORTAL 旧京都市電話局上分局コンバージョン 田原・笠原 ゼ ミ 課 題
2018 B4 前期
川 端 丸 太 町 の シ ン ボ ル とし て 佇 む 旧 京 都 市 中 央 電話 局 上 分 局 は 、 逓 信 省 の 吉 田 鉄 郎 に よ る 建 築 。 ド イ ツ 風 の 民 家 を 思 わ せる そ の 意 匠 は 堂 々 た る 美 し さ が あ り 、 そ の 機 能を 変 化 さ せ な が ら 市 民 に 親 し ま れ て き た 。 し かし 、 鴨 川 や 丸 太 町 通 り に 対 す る 閉 鎖 性 が 強 く 、現 在 の 敷 地 の ポ テ ン シ ャ ルが生かされていない。 そこで、敷地南に現代的な意匠によって増築し、 既存建築と関係させながらコンバージョンする。 こ の 土 地 の 新 た な ラ ン ドマ ー ク と し て 生 ま れ 変 わらせる。 現 在 の ス ポ ー ツ ク ラ ブ が良 く 機 能 し て お り 、 広 い範 囲 の 住 民 を 引 き 付け て い る と い う 現 状 や 、 鴨 川 が 京 都 市 民 に と っ ての ア ク テ ィ ビ テ ィ の 中 心 と し て 機 能 し て い る こと を 考 慮 し 、 ス ポ ー ツ ク ラ ブ の 機 能 を 拡 張 し て親 和 性 の 高 い 鴨 川 に 対 して 積 極 的 に 開 く コ ン バ ー ジ ョ ン 案 を 提 案 す る 。
Other place
AFTER
B
1. エントランスホール
8. EV
15. ピロティ
2. スポーツショップ
9. シャワールーム
16. カフェ
3. アウトドアショップ
10. WC
17. キッチン
4. 倉庫
11. エントランス
18. 駐車場
5. 事務室・控室
12. レセプション
19. 駐輪場
6. レジ
13. 管理・事務室
20. 中庭
7. 階段
14. 大階段
UP
鴨川河川敷
A
UP
A
B
B
倉庫
職員室
リフレッシュ スペース
WC
WC アリーナ
図書スペース
EV DS
シャワールーム PS
WC
WC
シャワールーム PS
子供用プール
ボルダリング ウォール
スタジオ
WC 25mプール
WC
A
EV
シャワー
更衣室
シャワー
更衣室
ラウンジ
A
B
B UP
アリーナ2
大会議室
小会議室 ベランダ
WC レストラン客室 WC
倉庫
トレーニングジム フィットネスルーム プロムナード
レストラン客室
EV WC 救護室
WC
更衣室
更衣室
事務室
厨房・バックヤード
A
A
B
05
光降る静寂 The LIGHT shines on a SILENCE
産学連携デザインフォーラム(清水建設コンペ) 一次審査通過作品
2018 B3 後期 課題テーマ:「奈 良 で く つ ろ ぐ 」
奈良の 夜 。 京 都の 雅さや大阪の活気 と は 違 い 、 こ の 町 の 夜 は 静か だ。商店街は早々 に 店 じ ま い を し 、 ひ っ そ りと 静まり返る。古く か ら の 神 々 を 祀 っ た 神 社 や寺 。幾度となく繰り 返 さ れ た 祈 り の 夜 を 経 て 、静 寂には神秘さが宿 る 。 そ の 非 日 常 性 を ま と った 静けさは、旅行者 の 疲 労 を 癒 す も の に な る ので はないか。近畿地 方 へ の 長 期 旅 行 者 の た め の拠点となるホテル を 計 画 し た 。 足 掛か りとしたのは奈良 公 園 を 春 日 大 社 ま で 向 かって歩く時の空 間 体 験 で あ る 。 木 々に よって俗世と切り 離 さ れ た 道 を 歩 く に つ れ て、 不思議と心は落ち 着 き 神 秘 的 で で 厳 か な 気 持ち となり、祈りの場 へ と た ど り 着 く 。 こ のよ うな体験を生む木 々 に よ る 光 の 陰 影 や 木 漏 れ日 、騒音との断絶を 建 築 に 置 き 換 え て 表 現 し 都市 の中 でも心から安ら げ る 空 間 を 構 築 す る 。
外壁:木漏れ日 断絶
構造:耐力
3~5f:くつろぎ 降光
2f:静寂 広がる光
1f:サービス
JR 奈良駅
1F Plan S=1:400 0
5
N
パブリック
S=1/400 25(m)
10
0
2
5
10
参道を歩いてみる。 春日大社までの道のりは長い。 はじめは明るく、人も多くてにぎやかだっ た道も、すこしづつ仄暗くなる。 人はまばらになり、木々のささめく音に、
通用口
次第に心は穏やかになる。俗世間から切り 離され、神域にいると実感する。 12 11
15 4
3
UP
本設計はこの空間体験を、建築として再構
22
築する試みである。
UP
5 UP
UP
UP
5
21
3
UP
UP
1
25
15
9
20 通用口
7
UP
19
UP
8
24
4 UP
10
搬入口
光は降り注ぎ、静寂に祈りをささげる。
23
UP
13
UP
2
UP
6
A
16
UP
UP
5
UP
A
UP UP
1 3
UP
5
4
4
12
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レストラン入り口
1. 風除室
11. バックヤード
21. 控室
2. エントランスホール
12.WC
22. 機械室
3. 光庭
13. フロント
23. 電気室
4.EV
14. トランクルーム
24. 大会議室
5. 階段室
15. 倉庫
25. 小会議室
6. レストラン
16. 事務室
7. 厨房
17. 更衣室
8. パントリー
18. 宿直室
9. 控室
19. リネン室
10. コンビニエンスストア 20. 防災センター
1F Plan S=1:400 0
5
10
N
メインエントランス
S=1/400 25(m)