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あの日、あの時。
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NAME
A.F 岩谷
TITTLE
When hydrangea flower A small world
地引叶
Momentary scenery
ブラザトン・ダンカン
A big but small tree
西岡幸二 鈴木鯛 石川圭介 西田 ベッツァー 木村 中山ほのか 福西由里 田村 佐藤来美 真鍋碧
Denim and a bee Blue summer Jungle gym Rooftops Wider than the ocean Tempting grade My dream A healing view Life source Tomorrow’s townscape My father’s camera
小石彩世
Unchanging time
暁月鈴愛
Koyuki
山口珠未
Delicious
小松英明
The same road
奥山 SAITO Kazuaki Moeka 村松佳優 ユーフラテス太郎丸
Sunset With my brother My wish A new family member Cabbage butterfly Travelling alone in Tokyo
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When hydrangea flower
今日は金曜日。やっと一週間が終わり明日はようやくの 土日。今日の授 業を頑張れば休み。ゆっくり寝ていら れる… 時間をずらして電車に乗ったが、人が多かった。 外に出ると天気のせいか、じめっとしていて暑い。電車 の中はすごく涼しかったな。 そういえば 大 学 に入ってから 3 年 目だ けど、 学 校 の 通 学 路 の 近くのお 寺に毎 年この 時 期に咲く紫 陽 花 が あるけど、今年はもう咲いているかな。今日は時間をず らして登校しているから、周りに学生も人もいないから 見に行ってみよう。 今年もいろんな色の紫陽花が綺麗に咲いていた。 ここにいると静かでとても落ち着く。周りには背の高い 木が何本もあり、どこからか小鳥の囀りが聴こえてくる。 花を見ていると幸せな気持ちになれる。ずっと眺めてい られる。こんなに沢山の紫陽花が 咲いていてとても綺 麗だ。 今日も一日頑張ろう。
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A small world
ふと通りすぎると、小さな住人がいた。よつばと ! のフィ ギュアらしい。教科書が青空のように見えた。ひっそり と世界が広がっていた。 愛しいかな。
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Momentary scenery
学 校の行き帰りに写真を撮るのが 好きでした。桜並木 や飛行機雲、真っ白な雪景色。そんな中でも特に好き なのが、稲を植える少し前の水 が 張られた 水 田です。 山もなく波もない、川でも海でも湖でもなくてだから こそ見られる景色だと思います。
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あえて変な外人だと思われるスエーターに着替えた。家 を出て自分の薪割り仕事に目がいく。木は酸素を作って くれるけど 家を暖めてくれる燃 料 にもなる。自然に大 尊 敬。最 近作った焼却炉にもいろんなものを燃やすけ ど薪は勿体ないので 絶 対 燃やさない。公 園まで 1 分。 すでに近 所の主は家の屋根 上にそびえ立つ。ちなみに 楠( くすのき) で、 英 語で Camphor という。 最初に 気づ いたのは落ちた楠のえだを薪ストーブで 燃やした とき。Camphor Oil( 樟 脳 油 ) の 匂 いだ!と思って、 「あ!油はその種類から!」。 公 園 の木 は 高さ 30m 以 上。 近 所 の 年上 の方 は、 他 の木は大きくなっているが、その楠は昔 からサイズが 変わってないやって。面白いことに気づく。目で見ると サイズはえらい。ほんまにでかい。けど、カメラのレンズ を通して見ると、小さくなる気がする。周辺視野あるか らかなぁ?写真はふちがある。ベースに傘を置いて撮っ たり、工夫してみる。幹 から出る小さな枝を切り取る。 ちょっとサイズ感出る。遠くから撮ってみる。比較的に 他のものと切り取るとサイズわかるけど、目で見る方が 印象的でカメラの弱さはこれだと気づく。 公 園に稲 荷 神 社 がある。 置 かれている石を持ち上げ て道 から竹の子が出る。この神 社は 800 年以上存 在 すると噂で聞いた。なぜ写真を撮りたくなったか考える。 神社を撮るときはいつも前から。それがわかりやすい? 印象的?他の人が写真見るときを検 討してシャッターを 押す?頼まれているから書 類のようにとっている?近 所 の神 社なのでいつでも行けるから写 真って別にいらな い。まぁ、この考え自体がメンタルな運動。 家に帰ると奥さんが出かけて、雨 降り後、車のあとが ドライブに残っている。軽車ですがこんなに細長かった かと新しい印象。車の印。
A big but small tree
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デニ ムのトートバックが オシャレだったので、 購 入。 少し洗いざらした感じが欲しかったので、天気のいい日 にあえて洗濯。物干し竿に干していたら、ハチが止まっ ていた。デニムの素材とロゴとハチが、かっこよく見え たので、恐る恐る近づいてシャッターをパシャリ。 Itʼs a sunny day! And I am feeling good! Enjoy the moment! 秋晴れの日、ハチも私もそんな気持ちだったんだろう なぁ。
Denim and a bee
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Blue summer
どこまでも青い空に魅入った。青く青く雲一つない、夏に 相応しい快 晴の空。アスファルトは焼け、人は濃い影 の中を歩く。何故人は外に出るのか? 夏に出歩く意味をいつも考えてしまう。
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公園に行く最中に、小学 校があった。子 供たちがサッ カーの部活動をしている。その手前には遊具があった。 ブランコ、 ポール、 すべり台、 いかにも小 学 校らしい 遊具。その中にはジャングルジムが。 僕が 通っていた小 学 校にジャングルジムは置 かれてい なかった。たしか実 家 近 辺の公園にもなかった覚えが ・・・。物珍しげに見つめた。 穴のサイズを気にしだす僕。よくよく見ると、今の僕がく ぐって入れるサイズではないことが発覚した。頑張って 入ろうとしても物理的に絶対きつい。 小 学生が入れるサイズ。これはまさしく小 学生が 遊 べ る遊具であり、成長した僕らが遊ぼうと思っても、せい ぜいできるのはよじ登るかぶら下がるくらい。最大限に 遊ぶという考えは諦める他なかった。いや、遊具として 遊ぼうと思う前から、気がつかないうちに遊べるもので はなくなっていたんだ。 もしかすると、子供から大人へと成長するにつれてでき なくなる遊びがあるのではないか。年を重ねるにつれて やれ なくなることがあるのではないか。時々だが、時 の流れは残 酷なものだと思い知るときがある。最 近は そのお告げが多くなったような気がして焦りがはたらい てしまう。考えだしたらしんどいのでその日のうちに忘れ てしまうが。 これもひとつの 教 育なのか ・・・ ?道 徳なのか ・・・ ?教 養なのか ・・・ ?そんなもん知らん。いちいち考えるほど 暇じゃないんだ。そう割り切って、僕は公園の方向へ体 を向けた。
Jungle gym
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Rooftops
大 阪のあるビル の屋 上 から撮 った写 真 です。 低 めの 音が 近くの排 気筒から聞こえて、文明と人々の知恵の 凄さを感じました。
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Wider than the ocean
珍しく空いている水族 館の、大きな水 槽。見たところ、 何も入っていなさそうだった。仕方が 無いので、入っ ていたはずの魚の名前を見た。まつかさうお、だって。 ふと横を見たら、僕ですよ~って、顔を出してた。なんだ、 こんな所にいたんだね。 もっと目立っていいんだよ。 水 槽はこんなにも余裕があって、こんなにも広いんだ から。ぽつんとしてないで、さ。
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Tempting grade
この写真は昨年 6 月末に撮った写真です。ふと漫画の ようにドロッドロに溶けた板チョコを食べたいと思った のがきっかけでした。さすれば善は急げと言うことで、 ファミマに板チョコを買いに行きました。しかし所詮は コンビニ、ホワイトチョコレートが 売っていなかったの です。しかしされどもコンビニです。ミルクチョコレー トはあったので、そちらで妥協をしました。家に帰って バケツにお湯を張り、板チョコを丹精込めて放り込みま した。板チョコは面白いように溶けて面白かったです。 ですが 溶かしすぎて失敗しました。しかしそんなことも あろうかと予備を購入していたので、2 回目で見事漫画 のように溶けた板チョコを作れたので嬉しかったです。 お味の方は、歯や舌にチョコが絡み付いて気持ち悪かっ たです。おまけに熱とのコラボレーションでとても甘くて 気持ち悪かったです。きっとこれがヒカキンなら 30 点 ぐらいの点数を付けると思いますが、今の 僕なら思い 出 補 正で 60 点は堅いと思います。つまりは家 族 写 真 アルバムと並べても、引けを取らない素 敵な思い出写 真ということです。 皆さんも是非ご 家 庭 でご賞 味くだ さい。きっと素敵な思い出になると思います。
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自粛期間中に『早朝散歩』をしました。朝の 5 時からブ ラブラと。生活習慣が乱れた結果、朝まで寝れなかった からという悲しい動機からです。 目的地は、通っていた幼稚園にしました。すごくすごく、 近 かったです。 毎日必 死に友 達 の 後ろを 追いかけ て 通園していた記憶が嘘のように、とてもとても短く感じ ました。なんだか「私も成長したもんだ」と得意げにな りました。 帰り道の 途 中 で、 犬の 散 歩 中の人とすれ 違いました。 その人との 挨 拶を会 釈 で 終わらした直 後、 犬に吠 え られました。 『犬だったら気 兼ねなく大 声出せるのに』 なんて思ったことは内緒です。 帰り道では、ネタ収集と称して、写真を撮りながら歩き 回りました。用水路の水量を調節する機械の中に、すっ ぽりとココアのカップが忍ばせてあったのを撮りました。 気になる事がてんこ盛りでしたが、考え始めるときりが ないので、パシャリと一枚写真を撮って終わらせました。 その先を少し歩くと、氷結の缶が落ちており、同じ筋の 少し進んだところには淡麗が落ちていました。 『ポイ捨て さ れ た お 酒 の 缶 に す ら人 間 の 生 活 感 を 感 じる な 』 なんて、どうでもいい事を考えながら、次に撮るゴミ を探しました。パピコの頭のとこだけが 落ちていたり、 用水路の中にハサミが落ちていたり… 楽しい 発 見をするたびに、この 街にはどんだけゴミが 落ちているのかと悲しくもなり、感情が分からなくなり ました。 家に帰ってからは、満面の笑みで 母と妹にゴミの写真 を見せびらかしました。寝ていない事を心配してなのか、 ゴミの写真を見たくないからなのかは分かりませんが、 母には寝る事を強く勧められました。 とても充 実した早 朝 だったので、 このあとぐっすりと 眠る事が出来ました。ゴミの写真を一生懸命撮ってい る私を、すご~く怪しそうに見てきたおば様は、夢の中 の登場人物だと認識しています。
My dream
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A healing view
いつも以上に授 業で疲れたので、 その日は急いで家に 帰った。家に着いて空をふと見たら、 綺麗なグラデー ションがそこにあった。疲れが少し吹っ飛んだ気がした。
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Life source
どれだけの人 が 使ったのだろうか。 太 陽 に照らされ、 汚 れのない銀の部分 から反 射する光 がどこか切ない。 雨の日も、風が強い日も、彼らは動くことはない。しかし この世に生み出されたものであり、使命がある。 水を出し、水を止める。 単 純 に聞こえるかもしれ ないが、 その単 純 な 使 命 が 命を救っている。
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Tomorrow’s townscape
乗 換のためにいつも降りるけど、いつもはちゃんと景色 を見る事がない駅。いざじっくりと眺めてみると知らない 場所のように見えるけど、夏が近づいてきている田舎の ような懐かしさもどこか感じる。 画 面ばかり眺めて過ごしているけどこうして顔を上げる と好きな景 色に出会えるのかと思うと明日が 楽しみに なった。
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父に借りたカメラを手 に 橿 原 神 宮 を 散 策。 風 景 の中 から自分の気にいった空間を見つけシャッターを押す。 何枚か撮り終えた後、カメラ内のギャラリーを見返した。 すると私が撮った写真の横に父が撮ったであろういくつ かの写真が並んでいる。 写真から、父からはこんなふうに見えているのだとこん なものに興 味を持ったのだと、父の世界を初めて覗き 見し、たくさんの新発見が。家族という最も身近な関係 の人でもまだまだ知らないことがあるのだなあ。 私が 撮 影したものもギャラリーに入れたまままた父の 元へ返してみよう。 新たな発見を期待している。
My father’s camera
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この日はゴールデンウィークで 休 みだったため実 家に 帰っていた。散 歩しようと思っていたけれど外は暑く、 昼間は家から出ることが億劫で結局夕方になった記憶 がある。散歩と言っても折角の帰省で一人で歩くのも寂 しいため母を誘い外へ出たことが記憶に残っている。思 い返せば母と散歩したのは記憶に残る限りでは初めて かもしれない。たわいもない話をしながらスマホを片手 に写 真を撮り、 歩 いていた。 その 時 撮 れ たの がこの 写真だ。車にピントも合っていなければブレブレだ。
Unchanging time
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実 家で 飼っている紀州犬がベースの雑種 犬です。名前 は小雪と言います。こんな見てくれですが女の子です。 好きなものは、お散歩と川遊びと茹で鶏肉で、散歩の 時間になると吠えて催促をし、川遊びでは尻 尾を千切 れんばかりに振り、茹で鶏肉の乗っかったドックフード を出すと鶏肉だけぺろっと食べるほど、この三つが好き です。 嫌いなものは、抱っこと猫と動 物 病 院で、抱っこすれ ば全力で嫌がり、猫の気配があると大 騒ぎし、動物病 院の玄関に行くだけで帰りたいと言い出すほどこの三つ が嫌いです。 お迎えした頃(およそ2年前)はもう少し幼顏で丸っこく て、ふわふわでしたが、月日が経つにつれて体のパーツ がだんだんシュッとして、だんだんイケメンになっていき、 見た目の可愛らしさは無くなっていきました。 しかも、自己主張がはっきりしていて、ご飯が気に入ら ないとお皿をマズルで押して「こんなの食べたくない」と 自己主張します。おまけに暴れん坊で、ウッドデッキや 布もボロボロにしました。ついでに私の私物もふみつけ て傷をつけました。しかし、たった1ヶ月小雪と会って いないだけで寂しくなっている自分に気がつき、小雪は 私にとってなくてはならない存在なのだと気付かされま した。実家に帰省したら思いっきり撫でまわしたいです。 なんだかんだ言っても、家族全員が小雪にメロメロなの Koyuki
で長生きをしていつまでも元気でいてほしいと思います。
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唐突に料理がしたくなる。何か明 確に食べたいものが あると、それ以外食べるのが 嫌になるからそういうとき は作る。オカンに昼 飯作るからと伝えると嬉しそうにし ている。そりゃあ娘に飯作ってもらうのは嬉しいだろう。 今日のメニューは、めちゃくちゃ食べたかったロースト ビーフ。作るのは人生で二回目だ。 仕 込 みから完 成まで、 だ いたい二 時 間 ほど。 作 って いる隣でオカンは包丁を研ぐ。 「お母さん、薄い方が好きやから」 オカンに切ってもらうことにした。 ローストビーフは 山 葵 たっ ぷりの 山 葵 醤 油 に 浸して から、白飯の上に敷いたスライスした玉ねぎの上に隙 間なく詰める。玉ねぎが少し柔らかくなったら食べ頃。 それを遠 慮なく口の中にかきこむ。 前作ったロースト ビーフは中まで火が通り過ぎていたが、今回は大成功。 ローストビーフを心 待ちにしていたオカンは丼のように 乗せずに、刺身のようにしてローストビーフを食べる。 「美味しい」 お粗末様です。
Delicious
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The same road
東京にあるゆうひの丘公園。写真を撮ったり散歩したり。 帰り道は、行きと同じ道なので特に迷うことなく駅に着い た。帰りの方が行きよりも時間が掛かった印象だ。私は、 帰り道の方が行きよりも楽しい。同じ風景でも、行きとは 見え方が違う。ゆうひの丘公園を通して見えるものがある からだ。違う道を帰るより違う視点で帰ることで新しい発 見がある気がする。
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久しぶりに友達と海に来た。堤防周りを歩いたけどゴミ ばかりで綺麗とはとても言えない。タバコの吸い殻集め ようや!と二人でゴミ拾いを始めた。夢中になって歩いて ふと振り返ると皮肉にも綺麗な夕焼けが見えた。大学生 にもなって「もう帰る時間か」と呟いた。 ちょっとだけ子供に戻った気がした。
Sunset
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With my brother
この日は 雪の降るとても寒い日でした、 これ は 近くの お寺に兄と除夜の鐘をつきに行った帰りです。
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初めての台湾。電車を乗り継いでようやく辿り着いた十 分は、曇り空だった。 「イマナラデキルヨ、モウスコシシタラアメフルカラ、ヤ ルナライマ!」とのおばさんのお誘いに、ランタン上げ をやってみることにした。 元々、 ここを訪 れた理 由は ランタン が 有名だったからだが、 「 あぁ、 そんなもの があるのか」 という顔 で、 ランタンに願いごとを書き 始 めた。 ありきたりだが、 健 康 に 過ごせますように、 みたいなことを日本語で書いたと記憶している。 観 光 地 なだ けに、 ランタン上 げ 屋 の お兄さんたちは ランタンをあげたい 観 光 客 のさばき方を心 得ている。 あれよあれよといううちに、 ランタンは 飛 んで いって しまった。 現地の人にとっての日常が、私にとっては非日常に感じ られ、とても思い出深いランタン上げだった。 ちなみにその後、おばさんの言っていた通り、雨は本当 に轟々と降り始めた。
My wish
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A new family member
ある日、 突 然 我 が 家に家 族 が 増えた。 動 物 好きな妹 が連れてきた小さな子猫である。サムエル(イヌ)は、 すぐに駆け寄り喜んで家族に迎え入れた。子猫だった ジジは今では立派な黒猫になった。 それでも出会ったときから変わらず 2 匹は仲良しだ。
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Cabbage butterfly
小 学 校 で モンシロチョウの飼 育などしなかったでしょ うか?私はおとなになって初めてモンシロチョウを飼育 してみることにしました。教科書などにも登場し、生き物 の成 長 の 観 察 にもぴったりの 生き物 なので、 自分 の サイトでも紹 介したいと思ったからです。 キャベツや 小松菜を食べて成長していくアオムシは可愛いもので、 毎日観察するのはとても楽しいものでした。 大きくなるにつれ、どんどん成 長していくアオムシは、 体のサイズに合わせて食べる量もとても増えていきます。 これが野菜についていたら農家さんもそりゃ怒る・・・。 ある時ふと思ったのです。 緑のものを食べているから、体が 緑なのかな?興味が 湧いたので、紫キャベツを食べさせてみました。でも、 体が紫になることはありませんでした。 しかし、面白い発見がひとつ。 小 松菜を食べていたときには緑 色のフンをしていたの だけれど、紫キャベツを食べた時のフンは紫色でした。 大きくなったモンシロチョウの幼虫はサナギになって、 体の作りを大きく変えてしまいます。葉っぱをよじ登る ことしか出来なかったアオムシはサナギの期間を経て、 羽を広げた成虫のチョウチョへと姿を変えるのです。 その様子は神秘的で感動や驚きにあふれています。 生き物 の 観 察 を 通して、 命 の 不思 議 や 驚きに触 れる 体 験は多くの人に取ってもらいたいものです。そして、 この誰もが 知っているモンシロチョウという生き物が、 長く私 達とともに生きていける環 境を守っていきたい ですね。
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この写真は東京国立博物館で撮ったガンダーラの仏像
Travelling alone in Tokyo
である。、 初めて、 憧 れのガンダーラの 仏像の現 物を 見 たときのもの だ。 ガ ンダーラの 仏 像 は ギ リシアの ヘレニズムの様式が見受けられ、東洋と西洋の融合した 雰 囲気が 漂う。私がこの仏像を知ったのは、ネットで ギリシア彫 刻を調べている時であった。その造 形には 衝 撃が走った。ギリシア彫 刻の顔の仏像だ!その衝 撃 以後、実 際に見てみたいという願 望があり、その願い が叶った瞬間の写真である。初めて実物を見た時は感 動を通り越した幸福感があった。まさかあのガンダー ラの仏像が見れるとは!!!というのも何故 東 京国立博 物館で見れたかというと、高校 三年の時、冬 休みに母 親と福島に住んでいる祖母の元へと遊びに行っており、 帰りついでにで東 京に寄ったからである。母 親はまだ 二、三日福島で 過ごし、東 京には一人で 寄った。一人 の方が身軽で好き勝 手に行動できるので、東京に一日 泊まり、東京の美術館を巡った。1 日目は六本木にある 森美術 館へ向かい、2日目は上野公園一帯を巡ること にした。という経 緯 があり、ガンダーラの仏像に巡り 会えた。私は東京国立博物館に何が展示してあるのか を調べず、よく分かっていなかったので、彫刻があった 時は非常に驚いた。2 日目で 他に行こうと思っていた、 上 野の森美 術 館や東京都美 術 館、国立西洋美 術 館は 国立博物館に夢中で見ることができなかった。
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INTERVIEW
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INTERVIEW
村松佳優 Yoshihiro Muramatsu 奈良芸術短期大学講師 昆虫写真家
自分の意思
写真のセレクト
写 真 機というものは自分 が見たものを自分 が見たま
僕は、撮れるだけ撮る。考えてる暇があるんだったら、
まに写してくれない不便な道具やと思っている。ただ
撮る。一球入魂は素晴らしいと思うけど、百枚二百枚
その不便さを楽しむものやとも思ってる。撮っただけの
撮ったほうがいいと思っている。撮って、その中から
ものは画像という風に割り切っていて、写真と思って
自分の心が一番動くものをセレクトすることの方が僕
いない。写真に仕上げるのに僕の意思が介在するのは
は大事だと思うから。撮るっていうのはインプットで、
レタッチの作業。だから、逆にレタッチしていないも
その中から選ぶことが自分の感覚でのアウトプットにな
のはあなたの意思が反映されていないものと見てしま
るので、取り込んで出して、取り込んで出してっていう、
う。自分の意思を介在させるっていうのはどういうこと
このサイクルを回すことが一番大事だと思う。撮るとき
なのか。
じゃなくて、選ぶときに能力は上がると思っている。
Cabbage butterfly
昆虫の魅力
写真の面白さ
昆虫に絞っているのは、昆虫が一番身近だと思ってい
写真は、単純に上手い下手とかじゃない。やっぱりそ
るから。外に出たらいるし家の中でもいる、ちょっとだ
の人らしさだったりとか世界観ができているか。そう
け遠くに行ったらいろんな種類に出会える。しかも、そ
いう所って結 構大事だと思う。一枚一枚 積み上げて
の多様性っていうところでどれだけ撮ってても飽きがこ
いって群として世界観が構築されているものであれば、
ない。身近ですぐ楽しめて深い世界が見られるのは、
それはその人らしさでもあり作品でもあり、それが写真
昆虫の一つの魅力だと思っている。
の面白さだと思う。僕は、それを一生かけて続けて行 くつもり。
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