PORTFOLIO 2023.3

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PORTFOLIO

山中 創太

東京工業大学 環境・社会理工学院  建築学系 修士二年

藤井研究室 所属

現在

・(株)NODインターン:建築・食・サステナブル・遊びなどをテーマにディレクション・デザイン。

・東京工業大学大学院にて「アナロジー」の制作的研究。

・「菌糸体」を用いたサステナブルプロダクトを研究・制作・

・デザイナーズコミュニティ「PARTY」を企画、定期開催。

経歴

1997年4月25日     愛知県名古屋市生まれ

2013年3月       名古屋市立滝ノ水中学校 卒業

2016年3月       愛知県立明和高等学校 卒業

2017年4月       東京工業大学 第六類 入学

2021年4月       東京工業大学大学院 環境・社会理工学院               建築学系 建築学コース 入学

2022年9月       休学

2023年9月       復学予定

2024年3月       修了予定

趣味

読書、筋トレ、映画、散歩、サウナ、バー、スケートボード、仲間と話す事 etc

実績

第2回 日本財団みらいの福祉施設建築プロジェクト 一次審査通過

東京工業大学 卒業設計展 銀賞

三大学卒業設計合同講評会(東大×東工大×藝大)

東京工業大学 建築学科機関誌 華「Ka」 掲載

TOEIC 900 点

学部4年間で1000冊読書

東工大 実践型起業塾「STARTech2022」 採択

建築系コミュニティ「建築いどばた会」 創設

中山英之賞

六本木ヒルズ「DESIGN Touch」にて「遊び・サステナブル」をテーマにしたプロダクトをディレクション(NODインターン)

横浜港「象の鼻テラス」イベントにて「未来の夜食」をテーマにディレクション(NODインターン)

神山まるごと高専 学校寮コンペ 企画・プレゼン(NOD インターン)

Panasonic×Snowpeakのイベントにてサステナブルプロダクトを展示予定(NODインターン) 得意

リサーチ・コンセプトメイキング・デザイン・クリエイティブディレクション・マネジメント

尊敬している人

GACKT、武井壮、James Gatz、黒川紀章、谷尻誠

大切にしていること

人・物・場所の潜在的な声を聴く。

徹底的に向き合い、多角的に捉える。

その上で生まれる、新しい形をデザインする。

東工大の卒業設計の代表として、OBの方々へプレゼン。

英語のみ使用可の国際設計スタジオに参加。

六本木ミッドタウンのイベントでプロダクトのディレクション。 「1,000冊読書した建築学生」としてYoutube取材を受けた。

建築家とチームを組み、神山まるごと高専の学校寮プレゼン。

キノコの「菌糸」を用いてサステナブルな家具の在り方を実践。

作品目次

1.実施建築設計コンペ

2022.6~2022.9/基本設計、リサーチ

「ありんこ村

―軒下で 守り繋がる 村開き―」

292事業者中上位20事業者として選定

2.卒業設計

2020.4~2021.3/デザイン、リサーチ

「やをら舟 ―東京都江東区クローバー橋水運拠点計画―」

東工大卒業設計銀賞/外部卒展受賞/学内誌掲載

3.コミュニティデザイン

2021.6~2023.2/企画、クリエイティブディレクショ ン、マネジメント、UIデザイン、内装設計、運営

「建築いどばた会」「eden」「PARTY」

全国400名以上が参加するオンラインコミュニティ を創設・運営/リアルイベントを企画

ありんこ村 -のき下で 守り繋がる 村開き基本設計、リサーチ 2022.6~2022.9(実施コンペ) 生活介護施設 青森県 292事業者中TOP20に選定 |役割| | 制作期間 | | プログラム | | 対象敷地 | |実績|

「声にならない叫び」のために「新しい開かれた福祉」を創る。

建築事務所にてインターンをし、設計を1人で担当したPJ。

採択されれば5億円助成されるコンペにおいて、NPO法人様とタッグを組み、新しい福祉施設を作った。

強い責任を感じながら、「声にならない叫び」を持つ障害者に向き合った。

「自分がこの方々の命を預かるんだ」「なんとしてでも、成功させる」と誓った。

生活介護施設の現状

施設を見学した時、「障害者と健常者の接点を作りたい」という声を職員さんから聞いた。

犯罪やケガを防止するために閉じた施設を作ると、健常者は障害者の接点が減り、「障害者はよくわからないから怖い」と感じるからだ。

しかし、障害者は社会や人との繋がりを求めている。

そんな思いに応えるために、「障害者を守りながら、外に向かって開く施設」を作ろうと考えた。

現状施設の様子

障害者と健常者が共に暮らす、開かれた場

プロジェクトの目的を明確にするために、ワークショップを企画した。

NPO法人、障碍者、障害者の家族を巻き込み、それぞれの思いを集めた結果、「障害のあるなしに関わらず集まれる場」が必要だと気が付いた。

この施設に関わるみんなの思いを、一枚の図にまとめて、このプロジェクトの核を作った。

利用者以外の

障害児者

障害のいろいろを 伝え、障害者への 理解を促す

地域住民

知る、携わる、 参加する

利用者

介護、介助のサービスを 受け、できるだけ 自立する

色々と体験 したい

集いたい

スキルある

意欲的な 地域住民

社会貢献したい

社会と繋がって 生きたい

法人の運営方針に 賛同し協力する

安心して自 分の時間を持 ちたい

ありんこ村

楽しみたい

手伝う、 思いを 伝える

障害福祉 を学びたい

地域の医療 福祉を担う

地域医療、福祉 に関わる人

関わる事 で互いに成 長発展したい

足し算を 掛け算に する

働きやすい環境 で意欲的に働き たい

医療福祉を 良くしたい

ユーザー 目線でものづ くりをしたい

使う人に 合わせて用 具を作る

発見、発信する リピーターになる

適切な介護、 介助を行う

障害について学び、 スキルを身に着ける

利用者家族 観光者 法人職員 学生

物作り職員 地域の他団体

プロジェクトのパーパスを一枚にまとめた図

のき下で
まもりつながる 村開き

仲間と話し合って、地域をもっと良くしたい

「障害者」のためではなく、「みんな」のための場。

トイレがあると安心して散歩できるね

施設を設計する際、あえて「障害者のためだけの設計」にはしなかった。

街の人々が自然と立ち寄るようなオープンな場こそが、障害者と健常者を繋ぐと考えたからだ。

敷地全体の配置計画では、外へ大胆に開きつつ、外縁部で「弱い境界」を作るように意識した。

場所全体が囲われ感を持ちつつ見通しが効くようにし、落ち着きと開放感を演出した。

ピアノ

祭りの日には、神社の道沿いに屋台が並ぶよ

車いすでも祭りが楽しめるね 何だか中がとっても気になるな

ベンチでどんどん仲間が増えるんです

村内ピアノでだれもがピアニスト ママ友達とのおしゃべり

木かげでついついぼーっとしちゃう

最近車いすの調子が悪くて どれ、ちょっと見てみようか

蔵の前はボクの特等席

■ 凡例

100年以上この地を見守ってきた大きなケヤキ

お日さまがにがて でもお外はだいすき 両方をかなえる 大きなのきだね

2階テラスから臨む岩木山は�たちの�り

三里駅、田んぼ

地域住民や観光者たちの声

職員や学生たちの声

ベンチで木を囲って守りたい

のき先にも大好きな職員さんがいた

のき下で野菜を売らせてください!

ベンチ A

ショートステイもできて安心

キッチンスタジオで料理教室

柱にハンモックかけちゃおう

居室の引き戸を開ければ広く使えるよ

広いホールはみんなの目が行き届くね

たそがれ時の木もれ日がきれいだね A’

にぎやかな時、静養室は落ち着くね

夏休みはいっしょに働きます�
利用者や家族たちの声
地域で活動する人たちの声

ありんこ村をつくった一戸さんの家

使わなくなったら、グループホーム やホスピスも計画

ランチスペースで仲間が増えるよ

小さな生活介護だった場所は、 �山ごはんを作る所へリノベ

(WCに変更予定)

蔵をみんなが来れるカフェにリノベ

蔵の前はボクの特等席�

コーヒー片手に外へ出よう

家族みんなでカフェで一息 蔵カフェエリアで絵本を読もう

カフェで本を読もう

ホームドクターとしてコラボさせてください�

蔵のカフェってなんかいいよね

柱にハンモックかけちゃおう

つい外を見たくなる大きなまど

雨や雪から守られて送迎も安心だね のきがあるからまぶしくないね

障害があってもおフロはゆっくり 入りたいなー

あ、青森ヒバの柱いい�り

静養室からの出入り口は���送の時 屋根に守られて安心

配置図兼1階平面図 1/150

にぎやかな時、静養室は落ち着くね
初めて来たけどまた来たいな

身体の弱い利用者をのき下で守る 4

施設の主な利用者は重度心身障害者である。極端に直射日光に弱いため、これまでは基本 的に施設内に閉じこもって生活していた。そこで本提案では、利用者を様々な日陰で守りな がら自然や地域との繋がりを取り戻すを計画した。村全体で木、軒、東屋などの高さを揃え ることで、大きな一つの”のき下”にいるような一体感を生む。

”のき”で日射から守る

障害者の多くは、日射に極端に弱いという課題があった。そのため自然と触れ合ったり散歩をすることもできなかった。

そこで敷地に元々生えていた木々を残し、「自然の”のき”」と見立てた。「自然の”のき”」は、障害者を日射から守りつつ視線が抜ける。

また、生活介護棟の軒も「自然の”のき”」と高さが連続するように工夫し、敷地全体で一つの大きな屋根で守られているような一体感を演出した。

また訓練室では、室内と外を繋ぐ大きな窓を設けつつ、深い軒によって日差しや雨、雪か ら利用者を守る。さらに天井窓では、日差しを夏に遮り冬に取り入れる。

1,800 5,160 A A’
断面パース 1/100
訓練室  軒  木  東屋  車寄せ
WC 2,500
・・・”のき”
生活介護棟・訓練室
軒下の居場所
地域の人も利用できるキッチン

-東京都江東区クローバー橋水運拠点計画-

デザイン、リサーチ

2020.5~2021.2(卒業設計)

船着場、避難所、宿泊所、カフェ

東京都江東区クローバー橋両岸

・東京工業大学卒業設計講評会・銀賞

・三大学卒業設計合同講評会・中山英之賞

・学内誌「華」ka045掲載

やをら舟
|役割| | 制作期間 | | プログラム | | 対象敷地 | |実績| | 受賞 |

敷地の潜在的な価値に向き合う。

江東区。「江戸に栄えた水運都市」の面影は既にない。

川は埋め立てられ、マンションが立ち並び、人々は川から切り離された。

そして今、この街は水害の危機にさらされている。

本提案は、私が卒業設計を通じて1年間敷地に向き合った結果、「あるべき」と考える川と人々の関係を描くものである。

開発の影に埋もれた東京の内部河川

江東区の始まりは水運都市であった。しかし効率を求めた開発の歴史は、ゆっくりとした時間の価値を持つ河川をないがしろにした。

川から目を背けていては、今以上に川との向き合い方を忘れるだけではないだろうか。そうではなくむしろ、川の持つ魅力と危険に触れる空間が必要である。

江戸時代、水運を中心とする風景が広がっていた。

「車」と「マンション」は川と人々を切り離した。

区の呼びかけ「ここにいてはダメ」が話題となった。

江戸 高度成長期 現在

残された川沿いに、水辺のアクティビティを取り戻す。

街と川を繋ぐ水辺建築の在り方

江東区の両岸にはマンションが立ち並んでいたことで、川沿いに影を落とすだけでなく、街との視覚的・動線的な断絶を生んでいた。

そこで、ピロティ型の建築を新たに建てることを考えた。この建築は街と川の繋がりを取り戻すと同時に、そのまま上部が避難所となる。

さらにピロティの高さを、想定されている最大規模の浸水面よりも少し高く設定する事で、利用者が「この高さまで水が上がる」と本能的な 危機意識を持つ事を狙った。

■対象敷地における両岸の「負の象徴」

立体駐車場 マンション

リノベーション スクラップ ビルド

■ピロティ

■川沿いに解放的な空間を与える

川を眺める カヌー体験 川や対岸と正対 しない遊歩道 物見 テラス 受付・待合室 待合室 広場 事務室 小名木川 改良地盤
リノベーション スクラップ ビルド 光を入れる 内部空間から スケール調整 浸水面の可視化 ■ピロティ 避難所 街を川に開く 街 川 ■川沿いに解放的な空間を与える ■和舟のメタファー ■江戸の木造風景の再現 マンション 18,100 パイルド・ラフト基礎 断面図  ↓想定最大規模の浸水面 800 4,700 天井面を貼ることで 水の動きを反射させる 水上タクシー乗り場 親水池 川を 眺める テラス 川に視線を促す 宿泊 親水池と 繋ぐボイド 研修室 電気 設備 物見 大階段 クラフト・展示 街と川を繋ぐ スカイツリーへの眺望 空中廊

東京の内部河川における、船のサービスエリア

東京の河川交通を活性化させるため、観光・レク・通勤通学など、あらゆる舟利用に応える。

本拠点では食堂、コーヒーのテイクアウト、宿泊場なども設け、船観光のポテンシャルを高める。

④私有船

周辺住民の私有船を一時係留。 江東区南部のマリーナと連携。 「船のサービスエリア」となる。 私有ボートの乗り降りが出来る。

⑤私有スタンディングボート

舟運の発展に伴い、個人の舟利用を想定。 通勤、移動、レクなど。

⑥レンタルボート

カヌーをレンタルできる。

中川に乗り捨てる事も出来る。 イベントや普段使い。

③水上バス

日本橋や浅草と連携。 定員40名ほど。観光ガイドが 川沿いの建物や歴史の紹介をする。

①水陸両用バス

中川や浅草と連携。

陸から川への入水は 観光の目玉。

中川、マリーナへ

②水上タクシー

周辺の船着場と連携。

定員は10名ほど。

観光やレク、会議など。

東京の水運における新たなハブ

残された水運網の中心に本拠点は計画されている。東京の河川に対し、観光・日常使い・避難において貢献する。 船目線の風景。

想定最大規模の浸水イメージ。

ピロティから舟の往来を眺める。 個人船の一時係留をする船着場。

江東エリアの新たな河川網

災害時に機能を転用。

災害時には、「厨房」「宿泊所」「備蓄庫」などを転用する。

本避難所では、近隣の木造密集地帯地からの避難者受け入れる。

日陰付きの河川敷 水陸バス駐車場 日本橋、浅草からの 舟の流れ スカイツリーへ マリーナへ
ピロティによって 街と川が連続する
一階平面図

水上タクシーで建物の懐に入り込む。

二階平面図

コミュニティ・イベント

「建築いどばた会」「eden」 「PARTY」

企画、クリエイティブディレクション、内装設計、運営

2021.6~2023.2

デザイナーズコミュニティ、バー、イベント

オンラインツール「Gather.town」/バー

全国400名以上が参加

リアルイベントは約100名が来場

|役割| | 制作期間 | | プログラム | | 対象敷地 | |実績|

人との繋がりをデザインする

コロナ禍において、「人との繋がり」を考えた。

コロナが奪った「気軽に集まって雑談できる場」を取り戻すために、SNS上でオンラインコミュニティの立ち上げを呼び掛けた。  自分が「あったらいいな」と思う場をデザインし続けた結果、半年で400名の方が参加するコミュニティとなった。  コロナが落ち着いた今では、バーやイベントスペースを貸し切り、「直接繋がれる場」をデザインしている。

オンラインコミュニティ「建築いどばた会」

コロナ禍で会話の機会が減ったことを危惧し、オンラインコミュニティ「建築いどばた会」を立ち上げた。 建築のデザインや研究をする上では、「気軽に雑談や壁打ちができる場が必要だ」と考えたからだ。 Twitter上で建築系の人に呼び掛けたところ反響を呼び、半年で400名の方が参加するコミュニティとなった。 コロナ禍という逆境を逆手に、「所属や住所に閉じない繋がりを生む場」を実現することができた。

建築いどばた会の様子
Twitterアカウント

他のデザイナーズコミュニティとのコラボ

イベント時の様子

デザイナーズイベント「eden」

コロナが落ち着いて来た時、「より深い交流の場」が必要だと感じた。

そこで招待制のバーイベントを開催した。

特別感を演出するために、バーの所有者に交渉し、内装のデザインまでさせて頂いた。

アプローチ・施工前 アプローチ・施工後

〇デザインの意図

お客さんに「自分たちは招待されたんだ」と感じてもらうために、外の世界と切り離されたような非日常性を意識 した。

アプローチでは、身体を屈めながら入り込んでいくことで緊張感・没入感を作った。

店内では、全体を柔らかく包み込むような温かみのある場を演出した。

イメージスケッチ イベント時の様子

建築系交流イベント「PARTY」

建築を学ぶ人が集まるイベントで、ポスターのデザインを担当した。

イベントには、「建築が得意な人」だけでなく「得意ではないけど成長したい人」にも来て欲しいと感じた。

そこで「PARTY」というコンセプトを作った。

「PARTY」には、ロールプレイングゲームの「パーティ」のように、「あなたはこれから一緒に成長していく仲間だ」という思いを込めた。

制作したポスター
”建築を冒険する人が集まる場所。 自慢のパーティを組んで乗り込むか。 新たなパーティを見つけに来るか。”
東京工業大学 環境・社会理工学院 建築学系 建築学コース 修士二年 山中 創太

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