矛盾を抱える福島の₂₀代
万人──。
福島第一原発事故後、甲状腺 がん検査の対象となっている福
島県内の子どもたちの数だ。
この検査の対象は、事故当時 歳以下。事故後、子どもたち
の県外避難を支援する活動など
が行われているが、 代の若者
たちは対象外で、 〝見捨てられ
た〟ような格好だ。
「原発が爆発した時点で福島に
いたので、いまさら出て行って
も……でも次に地震があったら
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それでも福島で 生きていく
福島ではいまも原発事故で県外に避難している人がいる。 一方で、 あえて 「大好きな地元」福島に留まることを選んだ若者もいる。 福島の20代を撮った。 ライター デコート・豊崎アリサ 写真 Jeremie Souteyrat Asahi Shimbun Weekly AERA 2013.3.25
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若者
た〟ような格好だ。
「原発が爆発した時点で福島に
いたので、いまさら出て行って
も……でも次に地震があったら
さすがに逃げると思う」
と話す福島市在住の 歳の男 性の言葉が世代の気持ちを代弁
年 月に行われた「福コン」と
している。彼と会ったのは、昨
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言われる街コン。お祭り騒ぎだ
ったが、当日の福島市中心部の
東北電力福島営業所前の線量は
毎時0・6マイクロシーベルト。
放射能について気にしているの
は県外の人間だけだった。
元気だと伝えたい
何をするにも遅すぎるという 諦めの気持ちと、こんな福島で
誇りを持って生きていく──
( ) の夢はいろんな土地 ment で「福島を伝えること」 。
そう語る福島市中心部にある クラブ・ネオのDJ、 stillmo
元気だよと皆に伝えたい」
ないが、僕たちはここにいるよ、
危ない街だと思われるかもしれ
「福島は世界中に有名になった。
錯しているように見えた。
代の若者にはそうした想いが交
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事故後、どこにも避難しなか った。 「ただちに人体には影響
がない」という政府の言葉以外
に、放射能に関する知識がなか
ったから。いまは初期動作とし
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ては「まず避難」すべきだった
Asahi Shimbun Weekly AERA 2013.3.25
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飯舘村から福島市へ避難した佐藤 健太(30)は、 「先進国として、私たち は何も気づかなかったというのは一 番よくない」と話す。現状を見たい 県外の人たちのために元警戒区域 などで観察ツアーを主催している http://www.fukushima-kaigi.jp/ クラブ・ネオで活動しているDJ,still moment。 除染作業が「復興バブル」にしか見えないと いう。家族ができたら、大好きな福島市を離れ た方がいいという。 「小さい子どもには相応し くない環境だから」
普段人通りが少ない夜の福島市だが、福コンの イベントには2000人が集まった。R&Bをかけた 古い外国車も走り回っていた
若者
DJle mondeはアフリ カを含めて幅広い音楽 が好き。フランスの一 流紙 「Le monde」 の名 前をDJ名にしたのは、 原発事故以降、メデ ィアに対する不信感 があったからと話す
福島市内の放射線量 のモニタリングポス トは、除染された場所 に設置されているも のもある。場所によっ てはモニタリングポ ストの数値の数倍に なるところもある
彼は3・ 後、「 Don't Forget 」 という怒りと悔しさを表現する
遅い、ってかんじ」
「測定器は持っていない。もう
えるホットスポットもある。
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ていない。忘れてはいけない事
故を忘れないと生きていけない、
という矛盾する気持ちがまだう
まく整理できない。
「放射能を気にしていたらやっ
てられない。それでも、東京の
反原発デモを聞くと嬉しい」
( ) は言 とDJの Le monde う。クラブ・ネオは東京などか
(文中敬称略)
らが傷ついていることを感じた。
した島のような福島の状態に彼
福島を訪れる人は少ない。孤立
る。復興ビジネス関係者以外で
したイベントを頻繁に開いてい
らDJを呼んで福島をテーマに
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Asahi Shimbun Weekly AERA 2013.3.25
のでは、と思っている。
彼の隣にいた仲間のラッパー、 ( ) も、 HOOD RATZ 「避難した仲間の判断は賢かっ
間の積算放射線量が ミリを超
は昼間、伊達市 HOOD RATZ の建設現場で働く。市内には年
2人とも福島市の隣、伊達市 という線量の高い地域に住む。
たいという変なプライドもある」
には地元を背負って音楽をやり
たと思うけど、ラッパーやDJ
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曲を作ったが、今はあまり歌っ
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