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細胞医学と自然健康ジャーナル A. ニードツヴィエッキ 2021年1月15日
コロナウイルスのパンデミックを抑制する ために効果的で安全かつ安価な世界的公 衆衛生戦略として微量栄養素を応用する科 学的基盤
© Dr. Rath Research Institute | 2021
アレクサンドラ・ニードツヴィエッキ博士、 マティアス・ラス博士 ラス博士研究所、 カリフォルニア州サンノゼ
新型コロナウイルスのパンデミックが世界に与えた衝撃 2020年12月中旬までに世界全体で7,000万人以上の新型コロナウイルス感 染者数が確認され、160万人以上の命が奪われました。2020年10月13日に 世界保健機関(WHO)、国連食糧農業機関(FAO)、および他の国連機関が 発表した共同声明によりますと、 「 COVID-19のパンデミックは、世界中で非 常に多くの人命を奪い、公衆衛生、食料システム、労働の世界に前例のない 課題を提示しています。パンデミックによる経済的・社会的混乱は壊滅的で す。何千万人もの人々が極度の貧困に陥る危険性があり、栄養不良の人の 数は現在6億9千万人近くと推定されていますが、2020年末までに8億人以上 に増加する可能性があります」。1 さらに、 このパンデミックによる広範囲に わたる社会経済的影響が、精神衛生、食糧供給、医療サービス、教育、エネ ルギーなど、他にも多くの側面に影響を及ぼし、世界中で社会の全分野にお ける持続可能性を脅かしています。2 この声明は、重要でありながら見落とされがちな事実を浮き彫りにしていま す。 それは、健康的な栄養摂取は、 あらゆる微量栄養素の最適供給を含め、 私たちの免疫システムの効果的機能の基盤であり、COVID-19を含めた感染 症に対する強力な保護を提供しているという事実です。
担当者
アレクサンドラ・ニードツヴィエッ キ博士 ラス博士研究所 アメリカ カリフォルニア州サンノゼ オプティカルコート5941
電子メール: author@jcmnh.org
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SARS-CoV-2感染の細胞機構 COVID-19のパンデミックの原因として特定されてい るウイルスは、SARS-CoV-2と名付けられたコロナウ イルスの一種です (図1参照)。 このウイルスによる人 への最も深刻な影響として、重症急性呼吸器症候群 (SARS) として知られる重篤な呼吸器疾患を引き起 こす可能性があり、致命的な結果に繋がる症例も多 くあります。 スパイクタン パク質 ウイルスエン ベロープ RNA
図1: コロナウイルスの構造 SARS-CoV-2ウイルスの細胞内への侵入は、 ウイル スのスパイク糖タンパク質とその細胞受容体である ACE2(アンジオテンシン変換酵素2) との結合を伴い 3 ます (図2参照)。 ACE2は人の全身の多くの細胞 に存在し、肺胞細胞や鼻上皮細胞、心臓や血管、 ウイルス
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他の臓器における細胞で強く発現しています。4、5 最 近、SARS-CoV-2ウイルスの別の細胞受容体である ニューロピリン1(NRP-1) が同定されました。6 この 受容体は、呼吸器内皮細胞や上皮細胞において非 常に多く発現しており、SARS-CoV-2の感染過程に関 与しています。7 細胞受容体へのウイルスの結合は、受容体結合ドメ イン (RBD) として知られるSARS-CoV-2のスパイク タンパク質上の特定の配列を介して行われ、 これが ウイルスの感染性を決定し、治療的介入やワクチン 接種のための潜在的なターゲットを形成します (図3 を参照)。RBDは、 「S1」 と呼ばれるウイルススパイク のサブユニットに位置し、特定の相補的構造(鍵と鍵 穴の原理)に基づいてACE2受容体を認識します。8 RBDが立ちあがり、S1タンパク質ドメインを 「開い た」状態に保ち、 ヒトの細胞表面にあるACE2受容体 へのウイルスの付着を可能にします。 ウイルスRBDの このような構造変化は、 「 S2」 と呼ばれるスパイクタ ンパク質の別のサブユニットを介して、宿主の細胞膜 との融合をもたらします。S2サブユニットはまた、細胞 内複製の必須条件である細胞内構造物とウイルス の融合に不可欠な特定の構造変化において、 ウイル 9、 10 スの維持を助けます。
TMPRSS2とフーリンがウイ ルスの侵入を促進
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ウイルスのエンド サイトーシスと処理
カテプシンL 感染細胞からの ウイルス粒子の 放出
ウイルスRNAの放出
図2: ヒト細胞へのSARS-CoV-2感染の重要な段階 JOURNAL OF CELLULAR MEDICINE AND NATURAL HEALTH | 2021
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図 2に示すように、細 胞 内における結 合とウイル スの処理には、II型膜貫通型セリンプロテアーゼ (TMPRSS2) やフーリン、 カテプシンLなどのタンパク 質消化酵素 (プロテアーゼ) が関与しています。11、12
ヒトACE2
受容体結合ド メイン (RBD) S1サブユニット S2サブユニット ウイルスエン ベロープ
図3: ACE2細胞受容体に結合するSARS CoV-2の特徴
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SARS-CoV-2は細胞内に入ると、 そのRNA依存性RNA ポリメラーゼ(RdRp) を使用して、細胞機構を 「ハイジ ャック」 し、 その遺伝物質(RNA) を翻訳します。 これは 細胞内でウイルス遺伝物質 (ゲノム) を増殖 (複製) す 13 るための必須条件です。 新型コロナウイルスのパンデミックに対する現在の アプローチ 医学、科学、技術がこれほどまでに進歩したにもかか わらず、私たちはいまだにウイルスの拡散を制限す るために、社会的距離を置いたり隔離するという基 本的な方法に頼っています。医学的な介入や治療法 は様々な結果をもたらしてきましたが、一部の国にお いて何らかの改善が見られただけでした。 新型コロナウイルスのパンデミックを終わらせるた めの最新戦略は、実験的なRNAおよびDNAベース の技術を用いて開発されたワクチンに依存していま
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す。 これらのワクチンは、弱毒化または死滅させたウ イルスを含む従来のワクチンとは異なります。代わり に、SARS-CoV-2のスパイクタンパク質の遺伝的設 計図(RNAまたはDNA) のみを含んでいます。DNAベ ースのワクチンは、 ウイルスのDNAを別のタイプの ウイルス(一般的にはアデノウイルス)に詰め込ん だもので、 ウイルス遺伝子の断片を人体に取り込む ことでウイルスタンパク質の産生を開始し、免疫反 応を引き起こすことを目的としています。RNAベー スのワクチンでは、脂質ナノ粒子に包まれた、 ウイル スのスパイクタンパク質をコードするメッセンジャー RNA(mRNA)が細胞内に入り、宿主のリボソームに よってウイルスタンパク質に翻訳されます。 このタン パク質はさらに細胞内で処理され、最終的にはT細胞 免疫とウイルスに対する抗体の産生を誘発します。 mRNAワクチンの導入以降に報告されている副作用 は、ほとんどが発熱、頭痛などの軽度かつ一過性の ものがですが、投与直後に重篤なアレルギー反応を 起こした患者もいます。 また、顔面神経麻痺や脊椎の 炎症も報告されています。14 一方で、 このようなワク チン接種による長期的な免疫効果や副作用につい ては伝えられていません。 これらの事実のすべてが、 予防接種を受け入れることに対する世間の不信感と 抵抗に拍車をかけています。 コロナウイルスを制御し、パンデミックを終わらせる ための安全で効果的な戦略の必要性 免疫力の低下は、 コロナウイルスへの感染およびコ ロナウイルスによる死亡の主要な危険因子となって います。 複数の報告によると、 高齢者や、 高血圧、 糖尿 病、癌、肥満などの既往症を持つ人は、COVID-19に よるより深刻な影響を受け、 より多くの合併症に苦し 15-17 んでいます。 これらの危険因子はいずれも、 不適 切な食事、遺伝子的疾病素質、様々な薬の服用、喫 煙、環境汚染、他の外的要因などによる微量栄養素 の欠乏と関連しています。 これらはこのように、 代謝障 害を引き起こし、影響を受けた個人の健康状態を悪 化させ、 特に免疫システムを弱体化させます。
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新型コロナウイルスのパンデミックが始まった当 初、 ビタミンおよび亜鉛の欠乏と感染リスクとの相 関関係が確立されました。18 亜鉛の低栄養や欠 乏は、病原体の排除(貪食)や「ナチュラルキラー」 (NK) と呼ばれる細胞の活性といった重要な免疫 機能を損なうことが示されています。19 一方、 ビタミ ンC(アスコルビン酸) との併用では、免疫増強効果 20 が認められました。 ビタミンDはまた、COVID-19を含むウイルス感染に よって引き起こされる、 「サイトカイン」 として知られ る生物学的シグナル伝達分子の過剰産生を抑制す ることで、細胞の免疫システムにも影響を及ぼしま す。 また、炎症や感染症に関連したサイトカインの過 剰産生によって引き起こされる組織損傷を減少させ ることができます。21 特筆すべきは、 ビタミンCとアミノ酸、緑茶抽出物、他 の微量栄養素との組み合わせが、 コロナウイルス感 染症で最も影響を受ける2つの細胞系、肺細胞と血 管内皮細胞において、 コロナウイルスのエントリーポ ートである細胞のACE2受容体の発現を減少させる 効果を示しました。 この効果は、炎症過程の中で特に 22、 23 顕著でした。 ビタミンCには強力な抗ウイルス作用があり、 コロナ ウイルス感染症において悪化し、前述したような生命 を脅かすサイトカインストームを引き起こすことが知ら れている炎症過程を緩和することが立証されていま す。24、25 ビタミンCはビタミンDや亜鉛と相乗的に作用 して、皮膚、血管壁、肺、腸など、病原体の侵入に対す る人体の防御の最前線を構成するバリア細胞システ ムの完全性を保護します。 この微量栄養素の組み合 わせは、 免疫系の細胞にも良い影響を与えます。26 ビタミンB群は、他の栄養素の中でも、 ウイルス感染 を撃退し、抗体産生をサポートするための免疫シス テムの機能最適化に必要とされています。27 ビタミ ンB6欠乏症は、体液性免疫と細胞性免疫の両方を 弱め、新しいリンパ球の形成、 その成熟(分化)、抗体
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産生を阻害することが明らかになっています。28、29 特 に高齢者は、 ビタミンB12や葉酸(ビタミンB9) が不足 30、 しやすく、免疫力にも悪影響を及ぼします。 31 一方、様々な植物抽出物や植物活性成分は、免疫系 の機能に有益な効果を示しています。32 これらの物 質の中でも、例えば、褐藻類に含まれる複合糖分子 であり、硫黄が豊富なフコイダンは、免疫力、特にウ イルス感染症に対する防御にプラスの影響を与え ます。体内の 「警察細胞」 (マクロファージ) やNK細胞 など、免疫防御に関わる様々な細胞システムの働き を最適化します。 また、 この植物性化合物は、上述し たシグナル伝達物質であるサイトカインにもプラスの 影響を与えます。33、34 しかしながら、 フコイダンが特異的に有益なわけでは ありません。 ポリフェノールやビタミンCを豊富に含む 果物や野菜(タルトチェリー、 ライチ、 ショウガの根な ど)が、多くの研究で同様の強い抗炎症作用と抗酸 化作用を示しています。35
コロナウイルスに対する微量栄養素の優位性 コロナウイルスのパンデミック発症以降、免疫系の機 能をサポートし、 コロナウイルスに直接的な抗ウイル ス効果をもたらす、安全で効果的な自然なアプロー チの適用への関心が高まっています。 特に微量栄養素は、特定の組み合わせで使用するこ とで、感染性病原体から直接保護すると同時に、免 疫系の機能を向上させ、 ウイルスや他の病原体を排 除する効果を高めることができます。微量栄養素は一 般的に、 ウイルスからの攻撃に対する防御を行うた めに体の細胞を強化することを主な目的としている ため、変異したコロナウイルスに対しても同様の効果 を発揮します。 さらに、微量栄養素は安全性が高く、 体内の複数の細胞機能をサポートしてくれます。 COVID-19の発生以降、様々な研究が、細胞感染の 第一段階である、 ウイルスのスパイクタンパク質によ
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る細胞表面上の天然細胞受容体への結合を防ぐこ とができる個々の化合物を探ってきました。 これらの 研究の多くは、 ウイルスのスパイクタンパク質の構造 (「鍵」) と細胞のACE2受容体の構造(「鍵穴」) を一 致させようとすることで、分子モデリング手法を適用 しています。17 さらに、個々の化合物の他の感染症 に対する既知の有効性に基づき、理論的評価が行わ れました。36 限定的ではありますが、 どの微量栄養 素がCOVID-19のスパイクタンパク質と細胞表面の 特異的受容体との結合を阻害するかを評価するため の実験も行われています。37、38
コロナウイルスに対する微量栄養素の臨床応用 多くの研究が、下気道感染症を抑制するためのビタ ミンC摂取を推奨しています。 ビタミンCの補給は、 コ ロナウイルスに対する最も説得力のある治療的介入 の1つです。39-42
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米国で行われた臨床試験では、ビタミンCの静脈 内投与(IV)により、敗血症が誘発する急性呼吸窮 迫症候群(ARDS)の死亡率が低下したことが報告 されています。ARDSは、肺に体液が漏れて呼吸が 障害され、体内への酸素供給が低下する肺障害で す。COVID-19患者におけるARDSの発症は、致命的 な結果をもたらすことも多い、重大な合併症です。43 最近発表された無作為化プラセボ対照の臨床介入 試験では、高用量のビタミンCがCOVID-19進行期患 者の死亡率をほぼ半減させることが示されました。44 この多施設臨床研究は、現在のパンデミックの発生 地である武漢の大学病院によって調整され、感染症 の生死にかかわる症状の深刻さのために集中治療 室に収容されていたCOVID-19患者も含まれていま す。重症患者に対し、無作為に高用量ビタミンCまた はプラセボを割り当て、静脈内投与しました。 毎日24グラムのビタミンCを投与された患者では、血 液の酸素化が著しく改善され、酸素が肺組織を越え
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て赤血球に移動しやすくなったことが示されました。 この結果は肺組織の炎症が少ないことを意味し、 こ れはこの研究における、 ビタミンC投与患者の炎症マ ーカー (インターロイキン 6) がはるかに低いレベル であることで確認された事実なのです。 しかし、これらの 重 症 患 者 にとって特 に 重 要 な ことは、高 用 量のビタミンCを投 与された場 合に COVID-19の生存率が大幅に改善されたことです。 プラセボのみを投与された患者と比較すると、 ビタミ ンCを投与された患者は2倍の確率で生存していま した。言い換えれば、 コロナウイルス感染の進行期 であっても、1秒でも命を救うことができるのです。 これらのデータは、COVID-19の進行期にある患者 で使用されている従来の調合薬の研究結果とは全く 対照的です。例えば、 レムデシビルはCOVID-19患者 への使用が正式に承認されましたが、 その期待され ていた効果を実現することはできませんでした。2020 年 1 1月のW H Oによる声 明では、レムデシビルが COVID-19患者の生存率や他の転帰を改善するとい う証拠はないと結論づけられています。45 COVID-19パンデミックの出現以降、WHOの記録に 記載されているように、 ビタミンC、D、A、B3、亜鉛を用 いたいくつかの臨床試験が様々な国で開始されてい ます。46 しかしながら、COVID-19患者におけるビタミンCの臨 床効果について報告している科学出版物はどれも、 この治療効果の根本的な細胞メカニズムについて特 に言及していませんでした。 ビタミンCは一般的に、免 疫系に高い効果を発揮し、強力な抗酸化作用を持つ ことで知られています。 ビタミンCは、細胞の代謝や遺 伝子分子(DNA、RNA)の調節過程に関与する様々 な生体触媒(酵素) の補酵素(補因子) です。 ビタミン Cはまた、 コラーゲンの合成と完全性に不可欠な因子 であり、 それによって、感染体に対する天然の生物学 的障壁を最適化します。
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私たちの研究では、 ビタミンCがコロナウイルス感染 のいくつかの重要なメカニズムを特異的に阻害する ことが示されています。 ビタミンCは、 ヒトの体細胞表 面のACE2受容体の産生(発現) を抑制する効果があ ります。22 さらに、私たちの研究では、 ビタミンCとあ る特定の微量栄養素を組み合わせることで、 これら の効果を大幅に高めることが可能であることが分っ ています。23
コロナウイルスのパンデミックを自然に制御するた めのSARS-CoV-2に対する微量栄養素の組み合わ せ設計 異なる細胞機能を持つ特定の微量栄養素を組み合 わせることで、抗ウイルス効果を高めることができま す。 このような栄養素の組み合わせは、感染に関連 する様々な細胞過程を同時に制御することができ、 単独で使用するよりも低用量で効果を発揮します。 こ の 「栄養素の相乗効果」 の原則である、個々の微量栄 養素成分が相互に高め合う効果は、他のウイルスや 細菌感染症における有効性の臨床的な証拠ととも に、20年以上にわたって私たちの科学的研究の基本 を形成してきました。47-49
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最近の研究では、 クルクミン、レスベラトロール、 緑茶抽出物、アブラナ科植物抽出物、ケルセチン を含む植物抽出物および活性植物成分の組成物 が、SARS-CoV-2感染に関与する主要な細胞機構に 及ぼす影響を評価しました (図4)。 A. ACE2受容体とNRP-1受容体を減少させる微量 栄養素の役割 ACE2受容体とNRP-1受容体(SARS-CoV-2「ドッキ ングステーション」) を減少させることは、 ウイルス感 染を減少させるための重要な治療目標を提示して います。私達のこれまでの研究では、微量栄養素の 特定の組み合わせが、 ヒトの肺胞上皮細胞における ACE2受容体の発現を90%まで抑制できることが実 証されています。22、23 さらに最近の研究では、 これら の微量栄養素がウイルス細胞の表面受容体の第2 タイプであるNRP-1の発現を減少させることが明ら かになっています。38 さらに、高濃度(最大10mM) で使用されるビタミンC が、 タンパク質およびRNAレベルでACE2産生を大幅 に減少させることが観察されました。 さらにビタミンC は、細胞のACE2受容体の産生(発現) を低下させる SARS-CoV-2ウイルスが細胞の受 容体と結合するのを防ぐ
• 宿主の細胞上にあるACE2受容体 とNRP-1受容体を減少
• 細胞の受容体へのウイルスRBD の結合を阻害
• ウイルスの侵入を促進する © Dr. Rath Research Institute | 2021
TMPRSS2とフーリンの活性を 阻害
図4: 微量栄養素が、 ヒト細胞のSARS-CoV-2感染に関与する主要機構に影響を与えます JOURNAL OF CELLULAR MEDICINE AND NATURAL HEALTH | 2021
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他の天然化合物(緑茶抽出物/EGCG、バイカレイ ン、 クルクミンなど)の効力を増強することができま す (Ivanovなどで発表)。 必須微量元素の亜鉛によるSARS-CoV-2とACE2の 相互作用に対する阻害効果50 については、私たち の研究により、亜鉛のACE2発現抑制効果がビタミン C との併用により著しく向上することが明らかにな っています。例えば、 アスパラギン酸亜鉛を33µMの 濃度で投与した場合、ACE2は22%阻害されました。 アスコルビン酸という形でビタミンCと組み合わせる と、 この阻害効果は2倍以上になり、結果として62% のACE2阻害効果が得られました。23 2020年9月には、COVID-19のパンデミックに関連し て、免疫の健康をサポートする上で亜鉛対マルチビ タミンサプリメントの役割を検証するために、 メイヨ ー・クリニックで4,500人の参加者を対象とした臨床 無作為化試験が開始されました。 この結果は、2021 年9月に出ると期待されています。
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B. 微量栄養素がRBDと細胞のACE2受容体との結 合を阻害 上述したように、 ウイルス表面のタンパク質(スパイ クタンパク質)の構成要素である受容体結合ドメイ ン(RBD) と体細胞表面にある結合部位(ACE2受 容体) との相互作用は、潜在的にウイルスの侵入を 防ぎ、感染を防ぐことができる、 「ブロッカー」 ( 阻害 剤) を開発するための枠組みを提供しています。 また、私たちの研究では、 ビタミンや脂肪酸などの様 々な天然成分が、 ヒト細胞上にあるACE2受容体へ のウイルスRBDの結合を直接阻害することも明らか になっています。38 さらに私たちは、 このウイルスが 細胞に侵入する前後両方に植物由来化合物の特定 の組み合わせが適用された場合に、SARS-CoV-2の 疑似ウイルスによるACE2受容体を発現する細胞へ の結合を阻害できることを実証できました。38 これ らのデータは、天然化合物の、新しい細胞へのウイ ルス感染における重要なステップを予防する高い有
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効性と、既に感染している細胞における有効性を確 認したものです。 C. TMPRSS2、 フーリン、 カテプシンLの活性を阻害 する微量栄養素の役割 ウイルスは細胞内への侵入や複製を行うために、様 々な生体触媒(酵素) を必要とします。 カテプシンL、 タンパク質分解酵素(エンドソームにあるプロテアー ゼ)、II型膜貫通型セリンプロテアーゼ(TMPRSS2) 、酵素フーリンがコロナウイルス (SARS-CoV-2) の細 52 胞内への侵入と複製を可能にしています。 したがって、これらの酵素の活性を阻害すること が、感染リスクを効果的に低減するために不可欠で す。SARS-CoV-2( COVID-19)感染における役割に 加え、 スパイク蛋白質であるフーリンとACE2受容体 の間の結合もまた、有害な心血管イベント発生の状 況において危険です。53 私たちの研究では、天然化合物を直接、細胞内で検 査した場合に、 これら酵素の活性を阻害できること が示されました。38 D. RdRpポリメラーゼ阻害における微量栄養素の 役割 試験管内実験により、亜鉛がSARS-CoV-2のRNAポ リメラーゼ阻害を介した抗ウイルス活性を有する ことが示されました。具体的に、亜鉛(Zn2+) カチオ ン、特に亜鉛イオノフォアピリチオンとの組み合わせ により、SARSコロナウイルスRNAポリメラーゼ(RNA 依存性RNAポリメラーゼ、RdRp)の複製を減少させ ることによって、 その活性を阻害することが示されま 54 した。 私たちの研究では、特定の微量栄養素を組み合わ せることで、RdRpの活性を100%阻害できることが 示されました。 つまり、 ウイルスの複製に不可欠なこ の酵素を完全に遮断することができたのです。
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結論 以上のことから、COVID-19パンデミックを制御する ための新たな治療戦略として、特に特定の組み合わ せによる微量栄養素の使用に大きな潜在的可能性 が確認されました。 この方向性は、SARS-CoV-2およ び他のコロナウイルスによって使用される重要な感 染メカニズムである、細胞のACE2受容体の発現、 ウイルスの結合と侵入、および細胞内での複製能力 に同時に影響を与えることで、現在適用されている 他の対策よりも優れていることを示しています。天然 化合物の一般的な安全性から、 このアプローチは、 一般の人が使用することができる安全で効果的な代 替手段となります。
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医療従事者は特に、既存のCOVID-19の状態の患者 を評価する際には、微量栄養素の欠乏を重要な要 素として考慮すべきです。COVID-19のパンデミック を制御するための戦略において、的を絞った微量栄 養素の補給を実施すべきなのです。
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