みつばちは何処へ行った!?

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みつばちは 何 処 へ 行った!?

©Ryo Honda

作者 環境マンガ家 本田 亮


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私たちの回りでごく普通にいた生き物たちの姿が 減ってきているような気がしませんか? たとえば、みつばち・・・・・ 最近、あなたはみつばちの姿、見かけましたか?


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世界中でみつばちがいなくなる事件が相次いでいます。 ヨーロッパでは1990年代初めから、 日本では2005年頃から、 突然、みつばちが消えています。 その現象はCCD ( 蜂群崩壊症候群) と呼ばれ、 多くの科学者がその原因を調べています。


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2009年、長崎県養蜂協会の報告によると、 1910 群ものみつばちの群が死滅してしまったそうです。 中にはなんと99%ものみつばちが 死滅してしまったという養蜂家もいました。 2009年春、農水省は花粉交配用のみつばちの不足が 21都道府県に及んでいると報告しました。


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みつばちがいなくなる理由は ストレス、温暖化、 ウィルス、伝染病、ダニなどいろいろあります。 複合的な原因があるのではないかと言われています。 しかし、その中で今もっとも疑われているのが農薬です。


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長崎県や岩手県の養蜂業者は ある農薬を散布した後にみつばちの大量失踪や 大量死が起きていると報告しました。 その農薬を散布した水田から10m 地点のみつばちは全滅。 水田から500m 地点の死亡率は40%だったそうです。


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農薬の名はネオニコチノイドです。 フランスでは90年代からこの農薬を疑い始めました。 そして1999年、予防原則によりネオニコチノイド農薬による ヒマワリなどの種子消毒を一時中止しました。 2006年には正式に中止。 ドイツやイタリアもそれを見習いました。


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ネオニコチノイド系農薬ってどんな農薬なんでしょう? 1990年代から使用されるようになった農薬で、 主に病害虫の駆除に使われています。 無味、無臭で害虫にはよく効くけれど、 人畜への毒性は少ない農薬だと言われていました。


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その用途は今、 ますます広がっています。 田んぼの害虫駆除から家庭菜園や白アリの駆除、 犬猫のダニやノミ除けなどなど。 今では松枯れ対策という名目で、 日本中の森林に撒かれ始めています。


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夢の農薬と呼ばれていたネオニコチノイドですが、 実は蓄積性が高く無毒化に時間がかかることがわかりました。 種子にこの農薬を使うと、内部にまで浸透し 種子が成長した後も殺虫効果が持続します。 果物や野菜の中に残った毒は、いくら洗っても洗い落せません。


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神経毒のネオニコチノイドは昆虫の中枢神経に働きかけます。 みつばちがネオニコチノイド農薬にさらされると、 巣へ戻る方向感覚を失ってしまいます。 神経伝達を狂わせ、人間の子供の脳発達を 阻害する可能性もあると言われています。


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使用量はどんどん増え続けています。 国内出荷量はこの10年間で3倍近くになってしまいました。 そもそも日本はとても農薬の使用量が多い国です。 日本は単位面積当たりの農薬使用量が世界第一位で、 アメリカの7倍もあります。


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日本のネオニコチノイド農薬の残留基準は 欧米より 「ケタ違い」に高い。 EUの基準値に比べてブドウは500 倍。 イチゴや茶葉は300 倍まで認められています。 体重25kgの子供がブドウを500g食べれば、 中毒を起こす危険があります。


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みつばちがいなくなるとどうなるのでしょう? 花粉が運ばれなくなって、果物が実らなくなります。 生態系が破壊され、食料だってたりなくなってしまいます。 しかもいなくなったのはみつばちだけではありません。 トンボも、蛙も、メダカも、スズメも・・・。 ( あなたのまわりでは、 どうですか? )


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地球上のあらゆる生き物がつながりあって生きています。 ひとつひとつが、その生き物にしかできない 重要な役割を果たしています。 人間だけのわがままで、 これ以上、 神様がくれたこの精密な生態系のリングを 壊しちゃいけないと思います。


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持続可能な農業や、農薬の基準のあり方について 真剣に考えるべき時がきています。 自然をむりやり人間に従わせるのではなく、 人間が自然の営みに寄り添って、共に生きていく。 そう考えて、農薬に頼らない農業に挑戦する人も増えています。


あたりまえにスズメがいて、 あたりまえにメダカがいて、 あたりまえにトンボがいて、 あたりまえにみつばちがいる・・・。 そんな未来を子供たちに残しましょう。 今ならまだ、間に合うはずです。


日本で広く使われているネオニコチノイド系農薬。 ミツバチの大量死だけでなく、 子どもの脳の発達にも悪影響があります。 この危険な農薬から私たちの大切なものを守るには、 決定的な解決策である 「法律」が必要です。 今すぐ 『子ども・ミツバチ保護法』を求める署名に参加し、 あなたの意志をとどけましょう。

署 名に参 加


ŠRyo Honda


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作者 環境マンガ家 本田 亮

みつばちは何処へ行った?


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みつばちは 何 処 へ 行った!?

作 者 環境マンガ家 本田 亮 http://ryohonda.jp 監 修 ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議理事 水野 玲子 発行人 一般社団法人グリーンピース・ジャパン


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