Folk Tales 2 いっきゅう
一 休 さん むかしむかし、一休さんというおぼうさんがいまし た。一休さんはとてもあたまがよくてゆう名でした。 お しょう
一休さんのお寺での話です。ある夜、えらい和 尚
さんが、かくれてあめをなめていました。「あまくて おいしいなあ。」それをおぼうさんたちが見つけまし た。 「和尚さん、それは何ですか。 」と聞くと、和尚さ どく
くすり
んは「これは 毒 のあめだ。大人には 薬 だけど、子 し
どもがなめたら死ぬぞ。」と言いました。 次の日、和尚さんが出かけている間、おぼうさんた ちは和尚さんのへやに入って、あめを見つけました。 一休さんは「みんなであめをなめましょう。 」と言い ました。一人のおぼうさんが「和尚さんのあめを食べ だい
てはだめですよ。」と言うと、「 大 じょうぶ。僕にい いかんがえがあります。 」と一休さんが言いました。 な
和尚さんがお寺に帰りました。一休さんは泣きなが ら和尚さんに言いました。 「和尚さん、ごめんなさい。 たい
僕は和尚さんの 大 せつなすずりをこわしてしまいま した。ですから、死にたくて、和尚さんのあめをなめ
ました。でも、まだ死にません。 」 「一休、あれはうそ とう
だ。本 当 は毒じゃない。」「えっ、和尚さん、うそは だめですよ。でも、じつは僕もうそをつきました。ご さい
めんなさい。」 最 後は、みんなでわらいました。
た へい
ある秋の日のことです。太 平 さんという人が、一 しょうたい
休さんと和尚さんを家に 招 待 しました。太平さん は少しいじわるで、自分の家の前のはしに「はしをわ たらないでください。 」というサインを書きました。 でも、そのはしをわたらないと、太平さんの家には行 けません。サインを見て、一休さんはかんがえました。 そして、そのはしをわたって、太平さんの家に行きま した。すると、太平さんが家から出てきて言いました。 「一休さん、サインを読みませんでしたか。はしをわ たってはだめですよ。」 「もちろん、読みましたよ。で すから、はしじゃなくて、まん中をわたりました。」 太平さん はかんがえまし た。「 はしとは し?まん はし
はし
中??ああ、 橋 じゃなくて 端 か!なるほど!」太平 さんは、一休さんはすごいと思って、たくさんのごち そうをしてあげました。
読んでみよう 1.一休さんはどんな人ですか。 What kind of person is Ikkyu?
2.和尚さんは何をかくしていましたか。なぜですか。 What was the senior priest hiding? Why?
3.なぜ、一休さんは和尚さんに泣いてあやまりましたか。 Why did Ikkyu apologise the senior priest crying?
4.
和尚さんのうそは何ですか。一休さんのうそは何ですか。
What is the senior priest’s lie? What is Ikkyu’s lie?
5.太平さんがいみした「はし」は何ですか。一休さんがいみした「はし」 は何ですか。 What is “hashi” that Taihei meant? What is “hashi” that Ikkyu meant?
書いてみよう 一休さんの話のレビューを書きなさい。 Write a review of the Ikkyu stories.
話してみよう 一休さんの話のロールプレイをしなさい。 Role-play one of the Ikkyu stories.