Ikkyu san

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Folk Tales 2 いっきゅう

一 休 さん むかしむかし、一休さんというおぼうさんがいまし た。一休さんはとてもあたまがよくてゆう名でした。 お しょう

一休さんのお寺での話です。ある夜、えらい和 尚

さんが、かくれてあめをなめていました。「あまくて おいしいなあ。」それをおぼうさんたちが見つけまし た。 「和尚さん、それは何ですか。 」と聞くと、和尚さ どく

くすり

んは「これは 毒 のあめだ。大人には 薬 だけど、子 し

どもがなめたら死ぬぞ。」と言いました。 次の日、和尚さんが出かけている間、おぼうさんた ちは和尚さんのへやに入って、あめを見つけました。 一休さんは「みんなであめをなめましょう。 」と言い ました。一人のおぼうさんが「和尚さんのあめを食べ だい

てはだめですよ。」と言うと、「 大 じょうぶ。僕にい いかんがえがあります。 」と一休さんが言いました。 な

和尚さんがお寺に帰りました。一休さんは泣きなが ら和尚さんに言いました。 「和尚さん、ごめんなさい。 たい

僕は和尚さんの 大 せつなすずりをこわしてしまいま した。ですから、死にたくて、和尚さんのあめをなめ


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Ikkyu san by Hiroki Kurihara - Issuu